特許第6120013号(P6120013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6120013添加剤を含むケイ素含有EUVレジスト下層膜形成組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6120013
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】添加剤を含むケイ素含有EUVレジスト下層膜形成組成物
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/11 20060101AFI20170417BHJP
   G03F 7/26 20060101ALI20170417BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   G03F7/11 503
   G03F7/26 511
   H01L21/30 573
【請求項の数】12
【全頁数】48
(21)【出願番号】特願2014-512393(P2014-512393)
(86)(22)【出願日】2013年2月22日
(86)【国際出願番号】JP2013054535
(87)【国際公開番号】WO2013161372
(87)【国際公開日】20131031
【審査請求日】2015年9月29日
(31)【優先権主張番号】特願2012-97436(P2012-97436)
(32)【優先日】2012年4月23日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104385
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100163360
【弁理士】
【氏名又は名称】伴 知篤
(72)【発明者】
【氏名】志垣 修平
(72)【発明者】
【氏名】谷口 博昭
(72)【発明者】
【氏名】柴山 亘
(72)【発明者】
【氏名】坂本 力丸
(72)【発明者】
【氏名】何 邦慶
【審査官】 倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−244722(JP,A)
【文献】 特開2007−226170(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/033965(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/088039(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/105368(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/034998(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/102470(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/117949(WO,A1)
【文献】 R. Sakamoto, et al.,The Novel Spin-on Hard Mask and Ultra thin UL material for EUVL,2011 International Symposium on EUVL,米国,SEMATECH,2013年 3月 7日,第21頁,[URL http://www.sematech.org/meetings/archives/litho/euvl/10157EUVL/pres/Rikimaru%20Sakamoto.pdf]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加水分解性シラン(a)の加水分解縮合物を含むポリシロキサン(A)と、スルホンアミド構造、カルボン酸アミド構造、ウレア構造、又はイソシアヌル酸構造を有する加水分解性シラン化合物(b)とを含むEUVリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物。
【請求項2】
加水分解性シラン(a)が、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン及びアリールトリアルコキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種の加水分解性シランである請求項1に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【請求項3】
上記アルキルトリアルコキシシランがメチルトリアルコキシシランである請求項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【請求項4】
上記アリールトリアルコキシシランがフェニルトリアルコキシシランである請求項又は請求項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【請求項5】
上記ポリシロキサン(A)は、テトラアルコキシシラン70モルに対して、アルキルトリアルコキシシラン10〜35モル、アリールトリアルコキシシランが2〜25モルの割合で共加水分解し縮合したものである請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【請求項6】
更に酸化合物を含む請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【請求項7】
更に水を含む請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【請求項8】
更にアンモニウム化合物、環状アンモニウム化合物、環状アミン化合物、又はスルホニウム化合物を含む請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
【請求項9】
請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上
に塗布し焼成することを含むレジスト下層膜の製造方法
【請求項10】
請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布し、焼成してレジスト下層膜を形成する工程、前記レジスト下層膜の上にレジスト用組成物を塗布し、レジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜をEUV露光する工程、EUV露光後にレジスト膜を現像し、パターン化されたレジスト膜を得る工程、パターン化されたレジスト膜によりレジスト下層膜をエッチングする工程、及びパターン化されたレジスト膜及びレジスト下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法。
【請求項11】
半導体基板上に有機下層膜を形成する工程、その上に請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物を塗布し、焼成してレジスト下層膜を形成する工程、前記レジスト下層膜の上にレジスト用組成物を塗布し、レジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜をEUV露光する工程、EUV露光後にレジスト膜を現像し、パターン化されたレジスト膜を得る工程、パターン化されたレジスト膜によりレジスト下層膜をエッチングする工程、パターン化されたレジスト下層膜により有機下層膜をエッチングする工程、及びパターン化された有機下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法。
【請求項12】
現像がアルカリ水溶液又は有機溶剤によって行われる請求項10又は請求項11に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
半導体装置の製造に使用される基板とレジスト(例えば、EUVレジスト)の間に下層膜を形成するための組成物に関する。詳しくは、半導体装置製造のリソグラフィ−工程においてレジストの下層に使用される下層膜を形成するためのリソグラフィ−用レジスト下層膜形成組成物に関する。また、当該下層膜形成組成物を用いたレジストパタ−ンの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から半導体装置の製造において、フォトレジストを用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。前記微細加工はシリコンウエハー等の半導体基板上にフォトレジストの薄膜を形成し、その上に半導体デバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介して紫外線などの活性光線を照射し、現像し、得られたフォトレジストパターンを保護膜として基板をエッチング処理することにより、基板表面に、前記パターンに対応する微細凹凸を形成する加工法である。ところが、近年、半導体デバイスの高集積度化が進み、使用される活性光線もKrFエキシマレーザー(248nm)からArFエキシマレーザー(193nm)、EUV光(13.5nm)へと短波長化される傾向にある。
これまで以上にプロファイル(レジスト形状)の制御や基板との密着性の向上が必要とされる。
【0003】
また、半導体基板とフォトレジストとの間の下層膜として、シリコン等の金属元素を含むハードマスクとして知られる膜を使用することが行なわれている。この場合、レジストとハードマスクでは、その構成成分に大きな違いが有るため、それらのドライエッチングによって除去される速度は、ドライエッチングに使用されるガス種に大きく依存する。そして、ガス種を適切に選択することにより、フォトレジストの膜厚の大きな減少を伴うことなく、ハードマスクをドライエッチングによって除去することが可能となる。このように、近年の半導体装置の製造においては、さまざまな効果を達成するために、半導体基板とフォトレジストの間にレジスト下層膜が配置されるようになってきている(特許文献1、2参照)。
そして、これまでもレジスト下層膜用の組成物の検討が行なわれてきているが、その要求される特性の多様性などから、レジスト下層膜用の新たな材料の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−076889号公報
【特許文献2】特開2010−237667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、矩形なレジストパターンを利用し微細な基板加工が可能であり、半導体装置の製造に用いることのできるEUVリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物を提供することにある。詳しくは、ハードマスクとして使用できるレジスト下層膜を形成するためのリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物を提供することである。また、EUVレジストの露光感度向上や、レジストとのインターミキシングを起こさず、レジストに比較して大きなドライエッチング速度を有し、EUV光で露光時にアウトガス発生が少ないリソグラフィー用レジスト下層膜及び該下層膜を形成するためのレジスト下層膜形成組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は第1観点として、加水分解性シラン(a)の加水分解縮合物を含むポリシロキサン(A)と、スルホンアミド構造、カルボン酸アミド構造、ウレア構造、又はイソシアヌル酸構造を有する加水分解性シラン化合物(b)とを含むEUVリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物、
第2観点として、加水分解性シラン(a)と、スルホンアミド構造、カルボン酸アミド構造、ウレア構造、又はイソシアヌル酸構造を有する加水分解性シラン化合物(b)との加水分解縮合物を含むポリシロキサン(B)とを含むEUVリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物、
第3観点として、加水分解性シラン(a)が、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン及びアリールトリアルコキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種の加水分解性シランである第1観点又は第2観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第4観点として、上記アルキルトリアルコキシシランがメチルトリアルコキシシランである第3観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第5観点として、上記アリールトリアルコキシシランがフェニルトリアルコキシシランである第3観点又は第4観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第6観点として、上記加水分解性シラン化合物(b)が下記一般式(b−1):
【化1】
(上記式(b−1)において、Rは炭素原子数1〜10のアルコキシ基、Rは炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、Rは下記のスルホンアミド構造、カルボン酸アミド構造、ウレア構造、又はイソシアヌル酸構造
【化2】
を表し、
は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、又は炭素原子数6〜20のアリール基を表す。)で表されるシラン化合物である第1観点乃至第5観点いずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第7観点として、上記ポリシロキサン(A)は、テトラアルコキシシラン70モルに対して、アルキルトリアルコキシシラン10〜35モル、アリールトリアルコキシシランが2〜25モルの割合で共加水分解し縮合したものである第1観点及び第3観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第8観点として、更に酸化合物を含む第1観点乃至第7観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第9観点として、更に水を含む第1観点乃至第8観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第10観点として、更にアンモニウム化合物、環状アンモニウム化合物、環状アミン化合物、又はスルホニウム化合物を含む第1観点乃至第9観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第11観点として、第1観点乃至第10観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布し焼成することによって得られるレジスト下層膜、
第12観点として、第1観点乃至第10観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布し、焼成してレジスト下層膜を形成する工程、前記レジスト下層膜の上にレジスト用組成物を塗布し、レジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、露光後にレジスト膜を現像しパターン化されたレジスト膜を得る工程、パターン化されたレジスト膜によりレジスト下層膜をエッチングする工程、及びパターン化されたレジスト膜及びレジスト下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法、
第13観点として、半導体基板上に有機下層膜を形成する工程、その上に第1観点乃至第10観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物を塗布し、焼成してレジスト下層膜を形成する工程、前記レジスト下層膜の上にレジスト用組成物を塗布し、レジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、露光後にレジストを現像し、パターン化されたレジスト膜を得る工程、パターン化されたレジスト膜によりレジスト下層膜をエッチングする工程、パターン化されたレジスト下層膜により有機下層膜をエッチングする工程、及びパターン化された有機下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法、及び
第14観点として、現像がアルカリ水溶液又は有機溶剤によって行われる第12観点又は第13観点に記載の製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のレジスト下層膜形成組成物は加水分解性シランの加水分解縮合物を含むもの、すなわちポリオルガノシロキサン構造を含むものであるから、該組成物から形成されたレジスト下層膜は、基板及びその上に形成される有機下層膜のエッチングで使用される酸素系ドライエッチングガスに対して十分な耐エッチング性を有するものであり、よって半導体装置の製造においてハードマスク及び反射防止膜として機能し得るものである。
また、本発明のレジスト下層膜形成組成物は、上記特定の構造を有する加水分解性シラン化合物が、EUVレジスト膜と下層膜との界面に存在する光酸発生剤から発生する酸の量のバランスを調整し得るものであることから、該酸によるレジストパターンの形状不良を抑制し得る。
また、本発明のレジスト下層膜形成組成物は、該加水分解性シラン化合物を含むことにより該組成物から形成されたレジスト下層膜とレジスト膜との密着性が向上でき、そして、該加水分解性シラン化合物は加水分解性の基を有することによりポリオルガノシロキサン構造に組み込まれ得ることから、アウトガス発生を抑制する効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明では基板上にレジスト下層膜を塗布法により形成するか、又は基板上の有機下層膜を介してその上にレジスト下層膜を塗布法により形成し、そのレジスト下層膜上にレジスト膜(例えば、EUVレジスト)を形成する。そして、露光と現像によりレジストパターンを形成し、そのレジストパターンを用いてレジスト下層膜をドライエッチングしてパターンの転写を行い、そのパターンにより基板を加工するか、又は有機下層膜をエッチングによりパターン転写しその有機下層膜により基板の加工を行う。
微細なパターンを形成する上で、パターン倒れを防ぐためにレジスト膜厚が薄くなる傾向がある。レジストの薄膜化によりその下層に存在する膜にパターンを転写するためのドライエッチングは、上層の膜よりもエッチング速度が高くなければパターン転写ができない。本発明では基板上に有機下層膜を介するか、又は有機下層膜を介さず、その上に本願レジスト下層膜(無機系シリコン系化合物含有)を被覆し、その上にレジスト膜(有機レジスト膜)の順で被覆される。有機系成分の膜と無機系成分の膜はエッチングガスの選択によりドライエッチング速度が大きく異なり、有機系成分の膜は酸素系ガスでドライエッチング速度が高くなり、無機系成分の膜はハロゲン含有ガスでドライエッチング速度が高くなる。
例えばレジストパターンが形成され、その下層に存在している本願レジスト下層膜をハロゲン含有ガスでドライエッチングしてレジスト下層膜にパターンを転写し、そのレジスト下層膜に転写されたパターンでハロゲン含有ガスを用いて基板加工を行う。あるいは、パターン転写されたレジスト下層膜を用いて、その下層の有機下層膜を酸素系ガスでドライエッチングして有機下層膜にパターン転写を行って、そのパターン転写された有機下層膜で、ハロゲン含有ガスを用いて基板加工を行う。
本発明では当該レジスト下層膜がハードマスクとして機能するものであり、構造中のアルコキシ基やアシロキシ基、ハロゲン基等の加水分解性基は加水分解乃至部分加水分解し、その後にシラノール基の縮合反応によりポリシロキサン構造のポリマーを形成する。このポリオルガノシロキサン構造はハードマスクとしての十分な機能を有している。
そして、ポリオルガノシロキサン構造(中間膜)は、その下に存在する有機下層膜のエッチングや、基板の加工(エッチング)にハードマスクとして有効である。即ち、基板加工時や有機下層膜の酸素系ドライエッチングガスに対して十分な耐ドライエッチング性を有するものである。
本発明にポリシロキサンと共に用いられるシラン化合物はEUVレジストのリソグラフィーにおいて、レジスト形状を矩形にすることができる。これはEUVレジストに含まれる光酸発生剤から発生する酸が、EUVレジストと下層膜との界面に存在するとレジストパターンの底部がアンダーカットになる傾向があり、更にEUVレジストと下層膜との界面に酸が不足するとフッティングになる、本発明では上記シラン化合物の添加により、界面に存在する酸を中和(クエンチング)、又は供給することで改善しようとするものである。従って、上記の添加されるシラン化合物は光による分解で塩基になるものや、シラン化合物自身の塩基性や水素結合による酸のトラップが可能な化合物が好ましい。また、添加されるシラン化合物は光による二次電子の発生や酸の発生が可能な化合物が好ましい。この様にシラン化合物の添加により界面での酸のバランスを調製することが可能である。
また、これらシラン化合物はレジストとの密着性改善にも効果がある。
そして、シラン化合物は加水分解性基を有しているので、そのシラノール基はポリシロキサンと結合し、ポリシロキサンに組み込まれることが可能であるため、露光時のアウトガス発生を抑制する効果もある。
【0009】
本発明は加水分解性シラン(a)の加水分解縮合物を含むポリシロキサン(A)と、スルホンアミド構造、カルボン酸アミド構造、ウレア構造、又はイソシアヌル酸構造を有する加水分解性シラン化合物(b)とを含むEUVリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物である。
また、本発明は加水分解性シラン(a)と、スルホンアミド構造、カルボン酸アミド構造、ウレア構造、又はイソシアヌル酸構造を有する加水分解性シラン化合物(b)との加水分解縮合物を含むポリシロキサン(B)とを含むEUVリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物である。
上記加水分解縮合物はポリシロキサンであるが、加水分解縮合物を得る際に加水分解が完全に完了しない加水分解物や部分加水分解物やシラン化合物が加水分解縮合物に混合されているような混合物を用いることもできる。
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、上記ポリシロキサン(A)又はポリシロキサン(B)を含み、更に溶剤を含む。そして任意成分として酸、水、アルコール、硬化触媒、酸発生剤、他の有機ポリマー、吸光性化合物、及び界面活性剤等を含むことができる。
本発明のレジスト下層膜形成組成物における固形分は、例えば0.1〜50質量%、又は0.1〜30質量%、0.1〜25質量%である。ここで固形分とはレジスト下層膜形成組成物の全成分から溶剤成分を除いたものである。
固形分中に占めるポリシロキサン(A)又はポリシロキサン(B)の割合は、20質量%以上であり、例えば50〜99.999質量%、又は60〜99.99質量%、又は70〜99.5質量%である。
また、加水分解性シラン化合物(b)は、ポリシロキサン(A)に対して、0.001〜15質量%、又は0.01〜15質量%、又は1〜15質量%、又は5〜10質量%の範囲で添加することができる。
【0010】
本発明に用いられるポリシロキサン(A)は、加水分解性シラン(a)の加水分解縮合物であり、加水分解性シラン(a)が、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、アリールトリアルコキシシランから選ばれる加水分解性シランの共加水分解縮合物である。ポリシロキサン(A)はテトラアルコキシシランとアルキルトリアルコキシシランとアリールトリアルコキシシランとの共加水分解縮合物であることが好ましい。
テトラアルコキシシランは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のシラン化合物である。
【0011】
アルキルトリアルコキシシランのアルキル基は、直鎖又は分枝を有する炭素原子数1〜10のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチル−n−ブチル基、2−メチル−n−ブチル基、3−メチル−n−ブチル基、1,1−ジメチル−n−プロピル基、1,2−ジメチル−n−プロピル基、2,2−ジメチル−n−プロピル基、1−エチル−n−プロピル基、n−ヘキシル基、1−メチル−n−ペンチル基、2−メチル−n−ペンチル基、3−メチル−n−ペンチル基、4−メチル−n−ペンチル基、1,1−ジメチル−n−ブチル基、1,2−ジメチル−n−ブチル基、1,3−ジメチル−n−ブチル基、2,2−ジメチル−n−ブチル基、2,3−ジメチル−n−ブチル基、3,3−ジメチル−n−ブチル基、1−エチル−n−ブチル基、2−エチル−n−ブチル基、1,1,2−トリメチル−n−プロピル基、1,2,2−トリメチル−n−プロピル基、1−エチル−1−メチル−n−プロピル基及び1−エチル−2−メチル−n−プロピル基等が挙げられる。また環状アルキル基を用いることもでき、例えば炭素原子数1〜10の環状アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、1−メチル−シクロプロピル基、2−メチル−シクロプロピル基、シクロペンチル基、1−メチル−シクロブチル基、2−メチル−シクロブチル基、3−メチル−シクロブチル基、1,2−ジメチル−シクロプロピル基、2,3−ジメチル−シクロプロピル基、1−エチル−シクロプロピル基、2−エチル−シクロプロピル基、シクロヘキシル基、1−メチル−シクロペンチル基、2−メチル−シクロペンチル基、3−メチル−シクロペンチル基、1−エチル−シクロブチル基、2−エチル−シクロブチル基、3−エチル−シクロブチル基、1,2−ジメチル−シクロブチル基、1,3−ジメチル−シクロブチル基、2,2−ジメチル−シクロブチル基、2,3−ジメチル−シクロブチル基、2,4−ジメチル−シクロブチル基、3,3−ジメチル−シクロブチル基、1−n−プロピル−シクロプロピル基、2−n−プロピル−シクロプロピル基、1−i−プロピル−シクロプロピル基、2−i−プロピル−シクロプロピル基、1,2,2−トリメチル−シクロプロピル基、1,2,3−トリメチル−シクロプロピル基、2,2,3−トリメチル−シクロプロピル基、1−エチル−2−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−1−メチル−シクロプロピル基、2−エチル−2−メチル−シクロプロピル基及び2−エチル−3−メチル−シクロプロピル基等が挙げられる。
特にメチル基が好ましく用いられる。また、加水分解基はメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
【0012】
アリールトリアルコキシシランのアリール基は置換又は非置換のフェニル基や、ナフチル基を挙げることができる。特にフェニル基が好ましい。この置換基としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子や、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基等のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシメトキシ基等のアルコキシアルコキシ基が挙げられる。
また、加水分解基はメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
【0013】
このアリールトリアルコキシシランは以下に例示することができる。
【化3】
上記式中Xはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の加水分解性基を表す。
【0014】
ポリシロキサン(A)は、テトラアルコキシシラン70モルに対して、アルキルトリアルコキシシラン10〜35モル、アリールトリアルコキシシランが0〜25モルの割合で共加水分解し縮合したものである。
また、ポリシロキサン(A)は、テトラアルコキシシラン70モルに対して、アルキルトリアルコキシシラン10〜35モル、アリールトリアルコキシシランが2〜25モルの割合で共加水分解し縮合したものであることが好ましい。
ポリシロキサン(A)の具体例は以下に例示することができる。
【化4】
【化5】
【0015】
加水分解性シラン(a)の加水分解縮合物(ポリシロキサン(A))は重量平均分子量1000〜1000000、又は1000〜100000の縮合物を得ることができる。これらの分子量はGPC分析によるポリスチレン換算で得られる分子量である。
GPCの測定条件は、例えばGPC装置(商品名HLC−8220GPC、東ソー株式会社製)、GPCカラム(商品名ShodexKF803L、KF802、KF801、昭和電工製)、カラム温度は40℃、溶離液(溶出溶媒)はテトラヒドロフラン、流量(流速)は1.0ml/min、標準試料はポリスチレン(昭和電工株式会社製)を用いて行うことができる。
加水分解性基の加水分解には、加水分解性基の1モル当たり、0.5〜100モル、好ましくは1〜10モルの水を用いる。
また、加水分解性基の1モル当たり0.001〜10モル、好ましくは0.001〜1モルの加水分解触媒を用いることができる。
加水分解と縮合を行う際の反応温度は、通常20〜90℃である。
加水分解は完全に加水分解を行うことも、部分加水分解することでも良い。即ち、加水分解縮合物中に加水分解物やモノマーが残存していても良い。
加水分解し縮合させる際に触媒を用いることができる。
【0016】
加水分解触媒としては、金属キレート化合物、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基を挙げることができる。
加水分解触媒としての金属キレート化合物は、例えばトリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタン、等のチタンキレート化合物;トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、等のジルコニウムキレート化合物;トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物;などを挙げることができる。
【0017】
加水分解触媒としての有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、ミキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。
加水分解触媒としての無機酸は、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等を挙げることができる。
加水分解触媒としての有機塩基は、例えばピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等を挙げることができる。無機塩基としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。これら触媒の内、金属キレート化合物、有機酸、無機酸が好ましく、これらは1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
【0018】
加水分解に用いられる有機溶媒としては、例えばn−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶媒;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン等のケトン系溶媒;エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のエステル系溶媒;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶媒;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等の含硫黄系溶媒等を挙げることができる。これらの溶剤は1種又は2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0019】
特に、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョン(1,1,3−トリメチル−2−ノルボルネン)等のケトン系溶媒が溶液の保存安定性の点で好ましい。
【0020】
加水分解性オルガノシランを溶剤中で触媒を用いて加水分解し縮合し、得られた加水分解縮合物(ポリマー)は減圧蒸留等により副生成物のアルコールや用いた加水分解触媒や水を同時に除去することができる。また、加水分解に用いた酸や塩基触媒を中和やイオン交換により取り除くことができる。そして本発明のリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物では、その加水分解縮合物を含むレジスト下層膜形成組成物は安定化のために酸(例えば有機酸)、水、アルコール、又はそれらの組み合わせを添加することができる。
上記有機酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、フタル酸、クエン酸、グルタル酸、クエン酸、乳酸、サリチル酸等が挙げられる。中でも、シュウ酸、マレイン酸等が好ましい。加える有機酸は縮合物(ポリオルガノシロキサン)100質量部に対して0.5〜5.0質量部である。また加える水は純水、超純水、イオン交換水等を用いることができ、その添加量はレジスト下層膜形成組成物100質量部に対して1〜20質量部とすることができる。
また加えるアルコールとしては塗布後の加熱により飛散しやすいものが好ましく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられる。加えるアルコールはレジスト下層膜形成組成物100質量部に対して1〜20質量部とすることができる。
【0021】
本発明ではスルホンアミド構造、カルボン酸アミド構造、ウレア構造、又はイソシアヌル酸構造を有する加水分解性シラン化合物(b)を添加することができる。
上記加水分解性シラン(b)は、一般式(b−1)で表すことができる。
上記式(b−1)において、Rはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の炭素原子数1〜10のアルコキシ基を表す。Rは炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられる。Rは上述に示すスルホンアミド構造、カルボン酸アミド構造、ウレア構造、又はイソシアヌル酸構造を表す。
は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、又は炭素原子数6〜20のアリール基を表す。炭素原子数1〜10のアルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。炭素原子数2〜10のアルケニル基は、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−1−エテニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−エチルエテニル基、1−メチル−1−プロペニル基等が挙げられる。特に2−プロペニル基(即ち、アリル基)が好ましく用いることができる。炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基としてはパーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基等が挙げられる。炭素原子数6〜20のアリール基としては置換されていても良いフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0022】
加水分解性シラン(b)は以下に例示することができる。
【化6】
【化7】
【化8】
【0023】
また、本発明は加水分解性シラン(a)と、スルホンアミド構造、カルボン酸アミド構造、ウレア構造、又はイソシアヌル酸構造を有する加水分解性シラン化合物(b)との加水分解縮合物を含むポリシロキサン(B)とを含むEUVリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物に関する。
加水分解性シラン(a)と加水分解性シラン(b)の加水分解縮合物(ポリシロキサン(B))は重量平均分子量1000〜1000000、又は1000〜100000の縮合物を得ることができる。これらの分子量はGPC分析によるポリスチレン換算で得られる分子量である。
GPCの測定条件は、例えばGPC装置(商品名HLC−8220GPC、東ソー株式会社製)、GPCカラム(商品名ShodexKF803L、KF802、KF801、昭和電工製)、カラム温度は40℃、溶離液(溶出溶媒)はテトラヒドロフラン、流量(流速)は1.0ml/min、標準試料はポリスチレン(昭和電工株式会社製)を用いて行うことができる。
加水分解縮合物の製造方法は上述の通りに行うことができる。
【0024】
上記ポリシロキサン(B)の具体例は以下に例示される。
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【0025】
本発明では架橋性化合物を含有することができる。それらの架橋剤としては少なくとも二つの架橋形成置換基を有する架橋性化合物が好ましく用いられる。例えば、メチロール基、メトキシメチル基といった架橋形成置換基を有するメラミン系化合物や置換尿素系化合物が挙げられる。具体的には、メトキシメチル化グリコールウリル、またはメトキシメチル化メラミンなどの化合物であり、例えば、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラブトキシメチルグリコールウリル、またはヘキサメトキシメチルメラミンである。また、テトラメトキシメチル尿素、テトラブトキシメチル尿素などの化合物も挙げられる。これらの架橋剤を含む場合は、固形分中で例えば50質量%以下であり、0.01〜50質量%であり、または10〜40質量%である。
【0026】
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、酸化合物を含むことができる。酸化合物としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、及びピリジニウム−p−トルエンスルホネート等のスルホン酸化合物、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、及びヒドロキシ安息香酸等のカルボン酸化合物を挙げることができる。また、酸化合物としては、例えば、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2−ニトロベンジルトシレート、p−トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸−2,4−ジニトロベンジル、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、及びN−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホネート等の熱または光によって酸を発生する酸発生剤を挙げることができる。酸化合物としては、また、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフエート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、及びビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等のヨードニウム塩系酸発生剤、及びトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、及びトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のスルホニウム塩系酸発生剤を挙げることができる。酸化合物としては、スルホン酸化合物、ヨードニウム塩系酸発生剤、スルホニウム塩系酸発生剤が好ましく使用される。酸化合物は一種のみを使用してもよく、また二種以上を組み合わせて使用することができる。酸化合物の含有量は固形分中で例えば0.1〜10質量%であり、または0.1〜5質量%である。
【0027】
本発明のレジスト下層膜形成組成物は硬化触媒を含有することができる。硬化触媒は、加水分解縮合物からなるポリオルガノシロキサンを含有する塗布膜を加熱し硬化させる時に硬化触媒の働きをする。
硬化触媒としては、アンモニウム塩、環状アンモニウム化合物、環状アミン化合物、又はスルホニウム化合物を用いることができる。
硬化触媒はポリオルガノシロキサン100質量部に対して、0.01〜10質量部、または0.01〜5質量部、または0.01〜3質量部である。
レオロジー調整剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ブチルイソデシルフタレート等のフタル酸化合物、ジノルマルブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソオクチルアジペート、オクチルデシルアジペート等のアジピン酸化合物、ジノルマルブチルマレート、ジエチルマレート、ジノニルマレート等のマレイン酸化合物、メチルオレート、ブチルオレート、テトラヒドロフルフリルオレート等のオレイン酸化合物、及びノルマルブチルステアレート、グリセリルステアレート等のステアリン酸化合物を挙げることができる。レオロジー調整剤が使用される場合、その使用量としては、固形分中で、例えば0.001〜10質量%である。
【0028】
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、商品名エフトップEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、及びオルガノシロキサンポリマ−KP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また2種以上の組み合わせで使用することもできる。界面活性剤が使用される場合、その使用量としては、固形分中で、例えば0.0001〜5質量%である。
【0029】
本発明のレジスト下層膜形成組成物に使用される溶剤としては、前記の固形分を溶解できる溶剤であれば、特に制限無く使用することができる。そのような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、及び乳酸ブチル等を挙げることができる。これらの溶剤は単独で、または二種以上の組み合わせで使用される。さらに、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を混合して使用することができる。
【0030】
半導体基板(例えば、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、ガラス基板、及びITO基板等)の上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明のレジスト下層膜形成組成物が塗布され、その後、焼成することによりレジスト下層膜が形成される。
焼成する条件としては、焼成温度80℃〜250℃、焼成時間0.3〜60分間の中から適宜、選択される。好ましくは、焼成温度130℃〜250℃、焼成時間0.5〜5分間である。ここで、形成されるレジスト下層膜の膜厚としては、例えば0.01〜3.0μmであり、好ましくは、例えば0.01〜1.0μmであり、または0.01〜0.5μmであり、または0.01〜0.05μmである。
次いで、レジスト下層膜の上に、EUVレジスト等の高エネルギー線レジストの層が形成される。高エネルギー線レジストの層の形成は、周知の方法、すなわち、高エネルギー線レジスト組成物溶液の下層膜上への塗布及び焼成によって行なうことができる。
EUVレジストとしては例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ポリヒドロキシスチレン、フェノール樹脂等の樹脂を用いたレジスト組成物を用いることができる。
次に、所定のマスクを通して露光が行なわれる。露光には、EUV光(13.5nm)、電子線、X線等を使用することができる。露光後、必要に応じて露光後加熱(PEB:Post Exposure Bake)を行なうこともできる。露光後加熱は、加熱温度70℃〜150℃、加熱時間0.3〜10分間から適宜、選択される。
【0031】
次いで、現像液によって現像が行なわれる。現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリンなどの水酸化四級アンモニウムの水溶液、エタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミンなどのアミン水溶液等のアルカリ性水溶液を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。現像の条件としては、温度5〜50℃、時間10〜300秒から適宜選択される。
また、本発明では現像液に有機溶剤を用いてレジストの現像を行うことができる。これにより、例えばポジ型フォトレジストが使用された場合は、露光されない部分のフォトレジストが除去され、フォトレジストのパターンが形成される。
現像液としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネート等を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。現像の条件としては、温度5〜50℃、時間10〜600秒から適宜選択される。
【0032】
そして、このようにして形成されたフォトレジストのパターンを保護膜として、レジスト下層膜の除去及び半導体基板の加工が行なわれる。レジスト下層膜の除去は、テトラフルオロメタン、パーフルオロシクロブタン(C)、パーフルオロプロパン(C)、トリフルオロメタン、一酸化炭素、アルゴン、酸素、窒素、六フッ化硫黄、ジフルオロメタン、三フッ化窒素及び三フッ化塩素等のガスを用いて行われる。
半導体基板上に本発明のレジスト下層膜が形成される前に、平坦化膜やギャップフィル材層や有機下層膜が形成されることもできる。大きな段差や、ホールを有する半導体基板が使用される場合には、平坦化膜やギャップフィル材層が形成されていることが好ましい。
【実施例】
【0033】
(レジストの現像液がアルカリ水溶液によるプロセスでの評価)
合成例1
テトラエトキシシラン15.21g(70mol%)、メチルトリエトキシシラン3.72g(20mol%)、フェニルトリメトキシシラン2.07g(10mol%)、アセトン31.49gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸6.95gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート42.00gを加え、反応副生物であるエタノール、メタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(1−1)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw1100であった。
【0034】
合成例2
テトラエトキシシラン15.21g(70mol%)、メチルトリエトキシシラン4.65g(25mol%)、フェニルトリメトキシシラン1.03g(5mol%)、アセトン31.33gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸6.95gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート42.00gを加え、反応副生物であるエタノール、メタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(1−1)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw1300であった。
【0035】
合成例3
テトラメトキシシラン11.11g(70mol%)、メチルトリメトキシシラン3.55g(25mol%)、フェニルトリメトキシシラン1.03g(5mol%)、アセトン23.55gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸6.95gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート32.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(1−1)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw1300であった。
【0036】
合成例4
テトラメトキシシラン11.11g(70mol%)、メチルトリメトキシシラン2.84g(20mol%)、4−メトキシフェニルトリメトキシシラン2.38g(10mol%)、アセトン24.50gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸6.95gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート32.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(1−2)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw1200であった。
【0037】
合成例5
テトラメトキシシラン11.11g(70mol%)、メチルトリメトキシシラン4.26g(30mol%)、アセトン23.06gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸6.95gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(1−9)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw1300であった。
【0038】
合成例6
テトラエトキシシラン24.58g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン6.01g(20mol%)、N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ブチルアミド4.91g、アセトン53.26gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸11.23gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−1)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0039】
合成例7
テトラエトキシシラン23.34g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン5.71g(20mol%)、ヘプタフルオロ−N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ブタンアミド6.68g、アセトン53.60gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸10.67gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−2)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0040】
合成例8
テトラエトキシシラン24.81g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン7.58g(25mol%)、N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ベンゼンスルホンアミド3.08g、アセトン53.20gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸11.34gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−3)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0041】
合成例9
テトラエトキシシラン24.21g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン5.92g(20mol%)、N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)プロパンスルホンアミド5.44g、アセトン53.36gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸11.06gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−4)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0042】
合成例10
テトラエトキシシラン24.87g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン6.08g(20mol%)、1−プロピル−3−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)ウレア4.51g、アセトン53.18gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸11.36gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−5)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0043】
合成例11
テトラエトキシシラン23.38g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン5.72g(20mol%)、3−(トリエトキシシリル)プロピルジアリルイソシアヌレート6.63g、アセトン53.59gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸10.68gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−6)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0044】
合成例12
テトラエトキシシラン23.95g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン5.86g(20mol%)、式(b−1−8)モノマー5.82g、アセトン53.43gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸10.94gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−7)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0045】
合成例13
テトラエトキシシラン23.90g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン5.84g(20mol%)、式(b−1−9)モノマー5.89g、アセトン53.45gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸10.92gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−8)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0046】
合成例14
テトラエトキシシラン24.46g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン5.98g(20mol%)、式(b−1−10)モノマー5.09g、アセトン53.29gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸11.18gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−9)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0047】
合成例15
テトラエトキシシラン24.31g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン5.94g(20mol%)、N−(5−(トリメトキシシリル)−2−アザ−1−オキソペンチル)−カプロラクタム(式(b−1−11))5.31g、アセトン53.37gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸11.11gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−10)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0048】
合成例16
テトラエトキシシラン23.81g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン5.82g(20mol%)、(S)−N−1−フェニルエチル−N−トリエトキシシリルプロピルウレア(式(b−1−12))6.02g、アセトン53.47gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸10.88gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−11)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0049】
合成例17
テトラエトキシシラン23.46g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン2.87g(20mol%)、N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ブチルアミド9.38g、アセトン53.57gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸10.72gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−1)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0050】
合成例18
テトラエトキシシラン21.37g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン2.61g(10mol%)、3−(トリエトキシシリル)プロピルジアリルイソシアヌレート12.12g、アセトン54.14gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸9.76gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−6)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0051】
合成例19
テトラエトキシシラン22.33g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン2.73g(10mol%)、式(b−1−8)モノマー10.86g、アセトン53.88gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸10.20gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−7)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0052】
合成例20
テトラエトキシシラン23.24g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン2.84g(10mol%)、式(b−1−10)モノマー9.67g、アセトン53.63gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸10.62gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−9)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0053】
合成例21
テトラエトキシシラン22.97g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン2.81g(10mol%)、N−(5−(トリメトキシシリル)−2−アザ−1−オキソペンチル)−カプロラクタム(式(b−1−11)10.03g、アセトン53.70gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸10.49gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−10)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0054】
合成例22
テトラエトキシシラン22.44g(70mol%)、N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ブチルアミド13.46g、アセトン53.85gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸10.25gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−12)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0055】
合成例23
テトラエトキシシラン19.67g(70mol%)、3−(トリエトキシシリル)プロピルジアリルイソシアヌレート16.73g、アセトン54.61gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸8.99gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−13)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0056】
合成例24
テトラエトキシシラン20.92g(70mol%)、式(b−1−8)モノマー15.26g、アセトン54.26gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸9.56gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−14)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0057】
合成例25
テトラエトキシシラン22.14g(70mol%)、式(b−1−10)モノマー13.82g、アセトン53.93gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸10.12gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−14−2)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0058】
合成例26
テトラエトキシシラン21.76g(70mol%)、N−(5−(トリメトキシシリル)−2−アザ−1−オキソペンチル)−カプロラクタム(式(b−1−11))14.26g、アセトン54.03gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸9.95gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−15)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0059】
合成例27
テトラエトキシシラン25.59g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン6.26g、フェニルトリメトキシシラン3.48g、アセトン52.98gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸11.69gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(1−1)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0060】
比較合成例1
テトラエトキシシラン25.25g(70mol%)、トリエトキシメチルシラン6.18g(20mol%)、[4−(メトキシメトキシ)フェニル]トリメトキシシラン3.95g(10mol%)、アセトン53.08gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸11.54gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーはGPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0061】
(Si含有レジスト下層膜の調整)
上記合成例1〜5で得られたケイ素含有ポリマー、酸、硬化触媒、溶媒、水を表1に示す割合で混合し、レジスト下層膜形成組成物をそれぞれ調製した。表1中のポリマーの添加割合はポリマー溶液の添加量ではなく、ポリマー自体の添加量を示した。
表1中でマレイン酸はMA、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドはBTEAC、N−(3−トリエトキシシリプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールはIMIDTEOS、トリフェニルスルホニウムクロリドはTPSCl、マレイン酸モノトリフェニルスルフォニウムはTPSMA、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートはPGMEA、プロピレングリコールモノエチルエーテルはPGEE、プロピレングリコールモノメチルエーテルはPGMEと略した。
また、表1中でN−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ブチルアミドはAmideTEOS、ヘプタフルオロ−N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ブタンアミドはFamideTEOS、N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ベンゼンスルホンアミドはBSA、N−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)プロパンスルホンアミドはPrSA、1−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)ウレアはUreaTMOS、1−プロピル−3−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)ウレアはPrureaTMOS、3−(トリエトキシシリル)プロピルジアリルイソシアヌレートはDAICATEOSと略した。水は超純水を用いた。各添加量は質量部で示した。
【0062】
【表1】
【表2】
【0063】
上記合成例で得られたケイ素含有ポリマー、酸、硬化触媒、その他添加剤、溶媒、水を表1に示す割合で混合し、0.1μmのフッ素樹脂製のフィルターで濾過することによって、レジスト下層膜形成用組成物の溶液をそれぞれ調製した。表1中のポリマーの添加割合はポリマー溶液の添加量ではなく、ポリマー自体の添加量を示した。
表1中でマレイン酸はMA、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドはBTEAC、N−(3−トリエトキシシリプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールはIMIDTEOS、トリフェニルスルホニウム硝酸塩はTPSNO3、トリフェニルスルホニウムカンファースルホン酸塩はTPSCS、ビスフェノールスルホンはBPS、6−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)−5H−ジベンゾ[c,e]アゼピン−5,7(6H)−ジオンはDPImTMOS、2−(3−(トリエトキシシリル)プロピル)−1H−ベンゾ[f]イソインドール−1,3(2H)−ジオンはNAImTEOS、1−(3―(トリエトキシシリル)プロピル)ピロリジン−2,5−ジオンはSucImTEOS、N−(5−(トリメトキシシリル)−2−アザ−1−オキソペンチル)−カプロラクタムはCapUreaTMOS、(S)−N−1−フェニルエチル−N−トリエトキシシリルプロピルウレアはPhEtUreaTEOS、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートはPGMEA、プロピレングリコールモノエチルエーテルはPGEE、プロピレングリコールモノメチルエーテルはPGMEと略した。水は超純水を用いた。各添加量は質量部で示した。
【0064】
【表3】
【表4】
【0065】
(有機下層膜(A1層))
丸善石油化学株式会社製のCNp−PM(成分はモル比としてビニルナフタレン60%:ヒドロキシスチレン40%、重量平均分子量:6000)を有機下層膜(A1層)として使用した。
以下に本発明の薄膜形成組成物による薄膜を、レジスト下層膜として使用した場合の評価結果を以下に示す。
(光学定数測定)
実施例1−14、比較例1−5で調製した本願レジスト下層膜形成組成物を、スピナーを用いてシリコンウェハー上にそれぞれ塗布した。ホットプレート上で240℃で1分間加熱し、本願レジスト下層膜(膜厚0.05μm)を形成した。そして、これらのレジスト下層膜を分光エリプソメーター(J.A. Woollam社製、VUV−VASE VU−302)を用い、波長193、248nmでの屈折率(n値)及び光学吸光係数(k値、減衰係数とも呼ぶ)を測定した。
【0066】
【表5】
【0067】
〔EUV露光によるレジストパターンの形成〕
上記有機下層膜(A1層)形成組成物をシリコンウエハー上に塗布し、ホットプレート上で240℃で60秒間ベークし、膜厚90nmの有機下層膜(A1層)を得た。その上に、本発明の実施例1−14、比較例1−5で調製されたレジスト下層膜形成組成物溶液をスピンコートし、240℃で1分間加熱することにより、レジスト下層膜(B)層(20nm)が形成される。そのハードマスク上に、EUV用レジスト溶液(メタクリレート樹脂系レジスト)をスピンコートし加熱を行い、EUVレジスト層(C)層を形成し、EUV露光装置(Micro Exposure Tool 略称MET)を用い、NA=0.30、σ=0.36/0.68 Quadropoleの条件で露光する。露光後、PEBを行い、クーリングプレート上で室温まで冷却し、アルカリ水溶液(テトラメチルアンモニウム水酸化物の2.38質量%水溶液)による現像及びリンス処理をし、レジストパターンを形成した。評価は、26nmのラインアンドスペースの形成可否、パターン断面観察によるパターン形状を評価した。
【0068】
【表6】
【0069】
(有機レジスト下層膜(A2層)の調整)
窒素下、100mL四口フラスコにカルバゾール(6.69g、0.040mol、東京化成工業(株)製)、9−フルオレノン(7.28g、0.040mol、東京化成工業(株)製)、パラトルエンスルホン酸一水和物(0.76g、0.0040mol、東京化成工業(株)製)を加え、1,4−ジオキサン(6.69g、関東化学(株)製)を仕込み撹拌し、100℃まで昇温し溶解させ重合を開始した。24時間後60℃まで放冷後、クロロホルム(34g、関東化学(株)製)を加え希釈し、メタノール(168g、関東化学(株)製)へ再沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で80℃、24時間乾燥し、目的とするポリマー(式(C−1)、以下PCzFLと略す)9.37gを得た。
【化14】
PCzFLのH−NMRの測定結果は以下の通りであった。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ7.03−7.55(br,12H),δ7.61−8.10(br,4H),δ11.18(br,1H)
PCzFLのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは2800、多分散度Mw/Mnは1.77であった。
得られた樹脂20gに、架橋剤としてテトラメトキシメチルグリコールウリル(三井サイテック(株)製、商品名パウダーリンク1174)3.0g、触媒としてピリジニウムパラトルエンスルホネート0.30g、界面活性剤としてメガファックR−30(大日本インキ化学(株)製、商品名)0.06gを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート88gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して、多層膜によるリソグラフィープロセスに用いる有機下層膜(A2層)形成組成物の溶液を調製した。
【0070】
(ドライエッチング速度の測定)
ドライエッチング速度の測定に用いたエッチャー及びエッチングガスは以下のものを用いた。
ES401(日本サイエンティフィック製):CF
RIE−10NR(サムコ製):O
実施例15〜40、比較例6で調製したSi含有レジスト下層膜形成組成物の溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で240℃1分間加熱し、Si含有レジスト下層膜(膜厚50nm(CFガスでのエッチング速度測定用)、50nm(Oガスでのエッチング速度測定用)をそれぞれ形成した。また、同様に有機下層膜(A2層)形成組成物をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗膜を形成(膜厚0.20μm)した。エッチングガスとしてOガスを使用してドライエッチング速度を測定し、実施例15〜40、比較例6のSi含有レジスト下層膜のドライエッチング速度との比較を行った。
表5にフッ素系ガス(CFガス)でのエッチレート(エッチング速度:nm/分)、酸素系ガス(Oガス)耐性は、(本願レジスト下層膜)/(有機下層膜A2層)のエッチレート比で示した。
【0071】
【表7】
【0072】
〔EUV露光によるレジストパターンの形成〕
上記有機下層膜(A2層)形成組成物をシリコンウエハー上に塗布し、ホットプレート上で240℃で60秒間ベークし、膜厚90nmの有機下層膜(A2層)を得た。その上に、本発明の実施例15〜40、比較例6で調製されたレジスト下層膜形成組成物溶液をスピンコートし、240℃で1分間加熱することにより、レジスト下層膜(B)層(20nm)が形成される。そのハードマスク上に、EUV用レジスト溶液(メタクリレート樹脂系レジスト)をスピンコートし加熱を行い、EUVレジスト層(C)層を形成し、EUV露光装置を用い、NA=0.30、σ=0.3/0.7 Annularの条件で露光する。露光後、PEBを行い、クーリングプレート上で室温まで冷却し、アルカリ水溶液(テトラメチルアンモニウム水酸化物の2.38質量%水溶液)による現像及びリンス処理をし、レジストパターンを形成した。評価は、26nmのラインアンドスペースの形成可否、パターン断面観察によるパターン形状を評価した。
表6で良好とはフッティングからアンダーカットの間の形状であり、かつスペース部に著しい残渣がないという状態を示し、倒れとはレジストパターンが剥がれ倒壊しているという好ましくない状態を示し、ブリッジとはレジストパターンの上部もしくは下部同士が接触しているという好ましくない状態を示す。
【0073】
【表8】
【0074】
(レジストの現像液が有機溶剤によるプロセスでの評価)
合成例28
テトラメトキシシラン22.68g(70mol%)、メチルトリメトキシシラン7.25g(25mol%)、トリエトキシシリルプロピルジアリルイソシアヌレート4.40g、アセトン51.49gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸14.18gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−6)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
合成例29
【0075】
テトラメトキシシラン21.62g(70mol%)、メチルトリメトキシシラン4.15g(15mol%)、トリエトキシシリルプロピルジアリルイソシアヌレート4.20g(5mol%)、[4−(メトキシメトキシ)フェニル]トリメトキシシラン4.63g(10mol%)、アセトン51.89gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸13.52gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−16)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0076】
合成例30
テトラメトキシシラン21.12g(70mol%)、メチルトリメトキシシラン5.40g(20mol%)、トリエトキシシリルプロピルジアリルイソシアヌレート8.20g、アセトン52.08gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸13.21gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーは式(B−6)に相当し、GPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0077】
比較合成例2
テトラメトキシシラン23.25g(70mol%)、メチルトリメトキシシラン5.95g(20mol%)、[4−(メトキシメトキシ)フェニル]トリメトキシシラン4.98g(10mol%)、アセトン51.27gを300mlのフラスコに入れ、混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら0.01mol/lの塩酸14.54gを混合溶液に滴下した。添加後、85℃に調整されたオイルバスにフラスコを移し、加温還流下で240分反応させた。その後、反応溶液を室温まで冷却し、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート68.00gを加え、反応副生物であるメタノール、アセトン、水、塩酸を減圧留去し、濃縮して加水分解縮合物(ポリマー)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。プロピレングリコールモノエチルエーテルを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノエチルエーテル20/80の溶媒比率として140℃における固形残物換算で20重量パーセントとなるように調整した。得られたポリマーはGPCによる重量平均分子量はポリスチレン換算でMw2000であった。
【0078】
【表9】
【0079】
(有機レジスト下層膜(A3層)の調整)
4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド30.0g、1−アダマンチルメタクリレート37.3g、ベンジルメタクリレート14.9g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.11g、プロピレングリコールモノメチルエーテル345.4gを溶解させた後、この溶液を加熱し、85℃で約20時間撹拌した。得られた樹脂は下記式(C−2)に相当した。GPCによりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは、6,100であった。
【化15】
得られた樹脂2gに、テトラメトキシメチルグリコールウリル0.3g、触媒としてピリジニウムパラトルエンスルホネート0.03g、界面活性剤(DIC(株)製、品名:メガファック〔商品名〕R−30、成分はフッ素系界面活性剤)0.01g、プロピレングリコールモノメチルエーテル16.1g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート6.9gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.2μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過し、多層膜によるリソグラフィープロセスに用いる有機下層膜(A3層)形成用組成物の溶液を調製した。
【0080】
(ドライエッチング速度の測定)
ドライエッチング速度の測定に用いたエッチャー及びエッチングガスは以下のものを用いた。
ES401(日本サイエンティフィック製):CF
RIE−10NR(サムコ製):O
実施例41〜49、比較例7で調製したSi含有レジスト下層膜形成組成物の溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で240℃1分間加熱し、Si含有レジスト下層膜(膜厚50nm(CFガスでのエッチング速度測定用)、50nm(Oガスでのエッチング速度測定用)をそれぞれ形成した。また、同様に有機下層膜(A3層)形成組成物をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗膜を形成(膜厚0.20μm)した。エッチングガスとしてOガスを使用してドライエッチング速度を測定し、実施例41〜49、比較例7のSi含有レジスト下層膜のドライエッチング速度との比較を行った。
表8にフッ素系ガス(CFガス)でのエッチレート(エッチング速度:nm/分)、酸素系ガス(Oガス)耐性は、(本願レジスト下層膜)/(有機下層膜A3層)のエッチレート比で示した。
【0081】
【表10】
【0082】
〔EUV露光によるレジストパターンの形成〕
上記有機下層膜(A3層)形成組成物をシリコンウエハー上に塗布し、ホットプレート上で240℃で60秒間ベークし、膜厚90nmの有機下層膜(A3層)を得た。その上に、本発明の実施例41〜49、比較例7で調製されたレジスト下層膜形成組成物溶液をスピンコートし、240℃で1分間加熱することにより、レジスト下層膜(B)層(20nm)が形成される。そのハードマスク上に、EUV用レジスト溶液(FFEM社製NTDレジスト)をスピンコートし加熱を行い、EUVレジスト層(C)層を形成し、EUV露光装置を用い、NA=0.30、σ=0.3/0.7 Annularの条件で露光する。露光後、PEBを行い、クーリングプレート上で室温まで冷却し、FFEM社製FN−DP001(有機溶剤/酢酸ブチル)を用い現像及びリンス処理をし、レジストパターンを形成した。評価は、26nmのラインアンドスペースの形成可否、パターン断面観察によるパターン形状を評価した。
表2で良好とはフッティングからアンダーカットの間の形状であり、かつスペース部に著しい残渣がないという状態を示し、倒れとはレジストパターンが剥がれ倒壊しているという好ましくない状態を示し、ブリッジとはレジストパターンの上部もしくは下部同士が接触しているという好ましくない状態を示す。
【0083】
【表11】
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の薄膜形成組成物はフォトレジスト等のレジスト下層膜形成組成物、EUVレジスト等のレジスト下層膜形成組成物、EUVレジスト上層膜形成組成物、リバース材料形成組成物等に利用することができる。