【文献】
Fujitsu,D2D discovery and synchronization based on clusters[online], 3GPP TSG-RAN WG1♯74 R1-133143,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_74/Docs/R1-133143.zip>,2013年 8月23日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
マルチホップネットワークを複数のクラスタに分割したときの各クラスタのクラスタヘッドの候補を、マルチホップネットワークを構成する通信端末のなかから選択するクラスタヘッド候補選択手順と、
クラスタヘッドの候補を用いて構成したクラスタ同士でクラスタサイズを比較し、クラスタサイズの差が少なくなるように、クラスタのクラスタヘッドの候補を、クラスタのクラスタヘッドの候補間の距離に基づいて変更するクラスタヘッド候補変更手順と、
を有するネットワーク制御方法。
前記クラスタヘッド候補変更手順において、クラスタサイズが最小のクラスタヘッドの候補を、当該クラスタヘッドに隣接する通信端末であり、かつ、クラスタサイズが最大のクラスタヘッドの候補からのホップ数が、クラスタサイズが最大のクラスタヘッドの候補とクラスタサイズが最小のクラスタヘッドの候補とのホップ数に等しいか又は1少ない通信端末に変更する、
請求項1に記載のネットワーク制御方法。
前記クラスタヘッド候補変更手順において、クラスタサイズが最大のクラスタヘッドの候補を、当該クラスタヘッドに隣接する通信端末であり、かつ、クラスタサイズが最小のクラスタヘッドの候補からのホップ数が、クラスタサイズが最大のクラスタヘッドの候補とクラスタサイズが最小のクラスタヘッドの候補とのホップ数に等しいか又は1多い通信端末に変更する、
請求項1又は2に記載のネットワーク制御方法。
コンピュータに請求項1から5のいずれかに記載のネットワーク制御方法における前記クラスタヘッド候補選択手順及び前記クラスタヘッド候補変更手順を実行させるためのネットワーク制御プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は、位置の特定できない端末が存在する場合であっても、クラスタサイズの均一化を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明は、ネットワークを構成する通信端末間の接続状況をトポロジ情報とし、その情報をもとに全ての通信端末への距離をクラスタリング時の距離として利用する。
【0008】
具体的には、本発明に係るネットワーク制御方法は、
マルチホップネットワークを複数のクラスタに分割したときの各クラスタのクラスタヘッドの候補を、マルチホップネットワークを構成する通信端末のなかから選択するクラスタヘッド候補選択手順と、
クラスタヘッドの候補を用いて構成したクラスタ同士でクラスタサイズを比較し、クラスタサイズの差が少なくなるように、クラスタのクラスタヘッドの候補を、クラスタのクラスタヘッドの候補間の距離に基づいて変更するクラスタヘッド候補変更手順と、
を有する。
【0009】
本発明に係るネットワーク制御方法では、前記クラスタヘッド候補変更手順において、クラスタサイズが最小のクラスタヘッドの候補を、当該クラスタヘッドに隣接する通信端末であり、かつ、クラスタサイズが最大のクラスタヘッドの候補からのホップ数が、クラスタサイズが最大のクラスタヘッドの候補とクラスタサイズが最小のクラスタヘッドの候補とのホップ数に等しいか又は1少ない通信端末に変更してもよい。
【0010】
本発明に係るネットワーク制御方法では、前記クラスタヘッド候補変更手順において、クラスタサイズが最大のクラスタヘッドの候補を、当該クラスタヘッドに隣接する通信端末であり、かつ、クラスタサイズが最小のクラスタヘッドの候補からのホップ数が、クラスタサイズが最大のクラスタヘッドの候補とクラスタサイズが最小のクラスタヘッドの候補とのホップ数に等しいか又は1多い通信端末に変更してもよい。
【0011】
本発明に係るネットワーク制御方法では、前記クラスタヘッド候補変更手順において、クラスタに属する通信端末数を前記クラスタサイズに用いてもよい。
【0012】
本発明に係るネットワーク制御方法では、前記通信端末は、無線通信端末と無線通信を行う無線基地局であり、前記クラスタヘッド候補変更手順において、前記無線基地局が通信を行う前記無線通信端末の数又はトラフィック量を、前記クラスタサイズに用いてもよい。
【0013】
具体的には、本発明に係るネットワーク制御プログラムは、コンピュータに、本発明に係るネットワーク制御方法を実行させるためのネットワーク制御プログラムである。
【0014】
具体的には、本発明に係るネットワーク制御装置は、
マルチホップネットワークを構成する通信端末のトポロジ情報を格納するトポロジ情報格納部と、
マルチホップネットワークを複数のクラスタに分割したときの各クラスタのクラスタヘッドの候補を選択し、クラスタヘッドの候補を用いて構成したクラスタ同士でクラスタサイズを比較し、クラスタサイズの差が少なくなるように、クラスタのクラスタヘッドの候補を、クラスタのクラスタヘッドの候補間の距離に基づいて変更するクラスタヘッド候補生成部と、
を備える。
【0015】
具体的には、本発明に係る通信ネットワークは、複数の前記マルチホップネットワークが接続された通信ネットワークと、前記通信ネットワークに接続された本発明に係るネットワーク制御装置と、を備える。
【0016】
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、位置の特定できない端末が存在する場合であっても、クラスタサイズの均一化を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0020】
(実施形態1)
本実施形態に係るネットワーク制御装置は、少なくとも1つのマルチホップネットワークを含む通信ネットワークを制御する。マルチホップネットワークは、アドホックネットワークのような通信端末同士で直接通信を行うネットワークを含む。通信端末は、例えば、無線通信端末である。通信端末は、無線通信端末と無線通信を行う無線基地局であってもよい。
【0021】
本実施形態に係るネットワーク制御装置は、マルチホップネットワークを複数のクラスタに分割する。このとき、端末装置の接続状態を示すトポロジ情報に基づき、クラスタヘッド(ゲートウェイ端末)の候補を選定し、該クラスタヘッドの候補までのホップ数が最小である端末装置群からなるクラスタの候補を生成し、クラスタ間のサイズの均一さを評価する評価関数により、生成したクラスタの候補に対する評価値を算出し、該評価値を最大化するクラスタヘッドおよびクラスタを決定する。
【0022】
図1に、本実施形態に係るネットワーク制御装置の一例を示す構成図である。本実施形態に係るネットワーク制御装置は、クラスタ分割情報格納部11と、候補クラスタ群格納部12と、トポロジ情報格納部13と、制御部14と、クラスタヘッド候補生成部として機能するGW(Gateway)端末候補生成部15と、トポロジ管理部16と、クラスタ生成部17を備える。
【0023】
クラスタ分割情報格納部11、候補クラスタ群格納部12及びトポロジ情報格納部13は、CPUなどのプロセッサーが直接アクセスすることのできる記憶装置に記憶される。本実施形態に係るネットワーク制御装置は、コンピュータを、制御部14、GW端末候補生成部15、トポロジ管理部16及びクラスタ生成部17として機能させることで実現してもよい。この場合、ネットワーク制御装内のCPU(Central Processing Unit)が、記憶部(不図示)に記憶されたコンピュータプログラムを実行することで、各構成を実現する。このように、本発明の装置はコンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0024】
トポロジ情報格納部13は、少なくとも1つのマルチホップネットワークを含む通信ネットワークのトポロジ情報を格納する。トポロジ情報は、トポロジ情報格納部13に予め格納されていてもよいが、制御部14が更新してもよい。トポロジ情報は、通信端末の識別情報、通信端末同士のリンク情報を含む。トポロジ情報は、各通信端末がGW端末となりうるか否かの情報を含んでいてもよい。
【0025】
図2は、本実施形態に係るネットワーク制御方法の一例を示すフロー図である。本実施形態に係るネットワーク制御方法は、ゲートウェイ端末候補作成手順(S101)と、クラスタ生成手順(S102)と、候補クラスタ生成手順(S103〜S105)と、を順に有する。その後、候補クラスタが存在するか否かを判定し(S106)、存在する場合はステップS101〜S105を繰り返し、候補クラスタが存在しなくなった時点でクラスタリングを終了する。
【0026】
ゲートウェイ端末候補作成手順(S101)では、GW端末候補生成部15が、トポロジ管理部16からトポロジ情報を取得し、ゲートウェイ端末候補を決定する。1周目のS101においてクラスタヘッド候補選択手順を実行し、2周目以降のS101においてクラスタヘッド候補変更手順を実行する。
クラスタ生成手順(S102)では、クラスタ生成部17が、クラスタを作成する(S102)。
候補クラスタ生成手順では、クラスタ間の公平性を比較し(S103)、より公平になるようにクラスタ分割を更新し(S104)、候補クラスタ群を作成する(S105)。
【0027】
ゲートウェイ端末候補作成手順(S101)の詳細について説明する。例えば、クラスタ数が3の場合、
図3に示すように、ネットワークを構成する通信端末N
1〜N
48のなかから3つのGW端末N
7、N
18、N
30を選択する。トポロジ管理部16は、制御部14の決定したGW端末をトポロジ情報として保持する。
【0028】
1周目のS101では、候補クラスタ群がまだ存在しないため、通信端末N
1〜N
48のなかからランダムに選択する。2周目以降については後述する。
【0029】
クラスタ生成手順(S102)の詳細について説明する。
クラスタ生成部17は、制御部14からの指示を受け、トポロジ管理部16からトポロジ情報を取得し、通信端末を最近傍のGW端末へクラスタリングする。これにより、
図4に示すように、通信端末N
7をGW端末とするクラスタCc、通信端末N
18をGW端末とするクラスタCa、通信端末N
30をGW端末とするクラスタCbを作成する。
【0030】
このとき、最近傍のGW端末が複数ある通信端末に対しては、クラスタリングを一旦保留し、保留端末とする。例えば、通信端末N
13は、GW端末N
7及びGW端末N
30へのホップ数が共に3である。このような場合、通信端末N
13は保留端末となる。このように、ホップ数が等しい複数のGW端末を有する通信端末N
13、N
14、N
23、N
24は保留端末となる。
【0031】
保留端末が存在する場合、クラスタ生成部17は、属する可能性のあるクラスタのクラスタサイズを比較し、クラスタサイズが均一になるように保留端末を配置する。クラスタサイズは、例えば、クラスタに属する通信端末の数(以下、所属端末数と記載する。)、クラスタのトラヒック量である。本実施形態では、一例として、クラスタサイズが所属端末数である場合について説明する。
【0032】
図4の例では、クラスタCcの所属端末数は7であり、クラスタCbの所属端末数は17であるため、クラスタサイズはクラスタCcが最小である。またクラスタサイズの差は、クラスタCc及びCbの保留端末数よりも多い。この場合、通信端末N
13、N
14、N
23、N
24をクラスタCcに配置する。クラスタCa及びCcの保留端末、クラスタCa及びCbの保留端末についても同様に処理を行い、各クラスタのクラスタサイズの均一化を図る。これにより、
図5に示すように、クラスタCaの所属端末数は20、クラスタCbの所属端末数は17、クラスタCcの所属端末数は11となる。
【0033】
ネットワークを構成するすべての通信端末をクラスタに所属させると、クラスタ生成部17は、クラスタ生成の完了を制御部14に通知する。制御部14は、クラスタ生成部17の生成したクラスタ分割情報をクラスタ分割情報格納部11に格納する。クラスタ分割情報は、各クラスタCa,Cb,CcのGW端末と所属端末の情報を含む。
【0034】
次に、候補クラスタ生成手順におけるクラスタ間の公平性の評価(S103)の詳細について説明する。
制御部14は、今回生成したクラスタ分割情報を用いてFI(Fairness Index)を算出する(S103)。FIは、0<FI≦1の値をとり、1に近いほど公平である指標であり、例えば次式で表される。
【数1】
ここで、nはクラスタ数であり、xiはクラスタサイズである。
【0035】
制御部14は、前回生成した算出したFIと比較し、FIの最大値が更新された場合はS104へ移行し、FIの最大値が維持される場合はS106へ移行し、FIが1の場合は該当するクラスタ分割を出力して終了する。
図5に示すクラスタ分割構成の場合、FIは0.948である。1周目のS103では前回生成した算出したFIが存在しないため、S104へ移行する。
【0036】
制御部14は、現FI値よりも大きい分割構成があれば、FI値を最大にする構成で、クラスタ分割情報格納部11に格納されているクラスタ分割情報を更新する(S104)。そして、制御部14は、最新のクラスタ分割情報における隣接クラスタのクラスタサイズの差を計算し、差の大きい順にソートした候補クラスタ群を生成し、最も差の大きい候補クラスタをGW端末候補生成部15へ通知する(S105)。このとき、制御部14は、生成した候補クラスタ群を候補クラスタ群格納部12に格納する。
【0037】
例えば、
図5に示すクラスタ分割構成の場合、クラスタCaとクラスタCcのクラスタサイズの差は9であり、クラスタCbとクラスタCcのクラスタサイズの差は6であり、クラスタCaとクラスタCbのクラスタサイズの差は3である。この場合、最も差の大きい候補クラスタは、クラスタCa及びクラスタCcとなる。
【0038】
制御部14は、候補クラスタ群格納部12を参照し、候補クラスタが存在するか否かを判定する(S106)。候補クラスタ群のうちのGW端末候補生成部15に通知していない候補クラスタが存在する場合、制御部14は、候補クラスタ群の次の候補をGW端末候補生成部15へ通知する。次の候補がない場合、制御部14は、現クラスタ分割を出力し、終了する。
【0039】
ここで、候補クラスタが存在するか否かは、例えば、隣接するクラスタにクラスタサイズの差があるか否かで判断する。例えば、2番目に差の大きい候補クラスタのクラスタサイズの差が6であり、まだGW端末候補生成部15へ通知されていない場合、制御部14は、候補クラスタが存在すると判定する。
【0040】
ステップS106において候補クラスタ群が存在する場合、ステップS101を実行する。2周目以降のS101では、GW端末候補生成部15は、制御部14から通知された候補クラスタと制御部14から取得したクラスタ分割情報を用いてGW端末候補を決定する。
【0041】
2周目以降のS101について説明する。2周目以降のS101では、クラスタヘッド候補変更手順を実行する。
最初に、候補クラスタのGW端末同士の距離を計算する。例えば、
図5に示すクラスタ分割構成の場合、通信端末N
18と通信端末N
7の距離を算出する。距離は、例えばホップ数であり、
図5に示すクラスタ分割構成であればホップ数7となる。
【0042】
次に、GW端末候補生成部15は、クラスタサイズの小さいクラスタでGW端末候補を選択する。現GW端末と距離が1で隣接し、かつ、GW端末同士の距離が等しい、または−1の通信端末を候補とする。例えば、
図5に示すクラスタ分割構成の場合、
図6に示すように、クラスタCcのGW端末は通信端末N
7であるため、GW端末候補は通信端末N
6及びN
15となる。このように、クラスタサイズの小さいクラスタのGW端末がクラスタサイズの大きいクラスタに近づくような通信端末にGW端末候補を制限するため、GW端末候補の数が減り、計算量を低減することができる。
【0043】
次に、GW端末候補生成部15は、クラスタサイズの大きいクラスタでGW端末候補を選択する。GW端末候補は、現GW端末と距離が1で隣接し、GW端末同士の距離が等しい、または+1の通信端末を候補とする。例えば、
図5に示すクラスタ分割構成の場合、
図7に示すように、クラスタCaのGW端末は通信端末N
18であるため、GW端末候補は通信端末N
17及びN
26となる。このように、クラスタサイズの大きいクラスタのGW端末がクラスタサイズの小さいクラスタから遠ざかるような通信端末にGW端末候補を制限するため、GW端末候補の数が減り、計算量を低減することができる。
【0044】
GW端末候補生成部15は、クラスタCc及びCaのGW端末候補群を作成し、制御部14へ通知する。
図6及び
図7の例では、通信端末N
6,N
15,N
17,N
26がGW端末候補群を構成する。制御部14は、クラスタ生成部17に対し、各GW端末候補をGW端末とするクラスタ生成を指示する。
【0045】
クラスタ生成部17は、制御部14からの指示を受け、トポロジ管理部16からトポロジ情報を取得し、GW端末候補群に含まれる各通信端末N
6,N
15,N
17,N
26をGW端末に用いた場合について、ステップS102〜S105を実行する。
【0046】
この場合、ステップS102では、GW候補1つと現GW端末2つで3つのGW端末を選択し、合計4パターンのGW候補に対してクラスタ生成を行う。例えば、通信端末N
6,N
18,N
30をGW端末にしたときのクラスタ、通信端末N
15,N
18,N
30をGW端末にしたときのクラスタ、通信端末N
7,N
17,N
30をGW端末にしたときのクラスタ、通信端末N
7,N
26,N
30をGW端末にしたときのクラスタを作成する。そして、各クラスタについて、S103〜S105を実行する。
【0047】
以上説明したように、本実施形態に係るネットワーク制御装置及びネットワーク制御方法は、位置情報に代わりアドホック/マルチホップNWのトポロジ情報を用いてクラスタサイズの均一化を行うことができる。そのため、本発明は、GPSを搭載する必要がなく、通信端末の低コスト化及び低消費電力化が可能である。また、本実施形態に係る発明は、GPSを搭載していない通信端末に対してもクラスタリングが可能であるため、適用範囲を拡大することができる。
【0048】
(実施形態2)
図8は、本実施形態に係る通信ネットワークの一例を示す。本実施形態に係る通信ネットワークは、実施形態1のネットワーク制御装置をアドホック・衛星統合ネットワークへ適用している。アドホック・衛星統合ネットワークは、複数のマルチホップネットワークが衛星21を介してインターネットと接続されている。アドホックネットワークの1つの通信端末がGW端末として機能し、GW端末が衛星21を介してインターネットに接続された制御サーバ10と通信を行う。制御サーバ10は、実施形態1で説明したネットワーク制御装置を備える。
【0049】
アドホック・衛星統合ネットワークは、衛星21と通信する通信端末をGW端末として用いる。GW端末まではアドホック通信を行い、GW端末は衛星21と衛星通信を行う。これにより、衛星通信する機能のない通信端末も間接的に衛星通信が可能になる。
【0050】
制御サーバ10は、アドホックネットワークのトポロジ情報を衛星21経由で取得し、トポロジ情報格納部13に格納する。本実施形態では、トポロジ情報には、どの通信端末が衛星通信可能であるかの情報を含む。
【0051】
制御サーバ10のネットワーク制御装置は、GW端末とそれに属する通信端末をクラスタ分割情報として生成する。ネットワーク制御装置のクラスタリングが終了すると、制御サーバ10は、クラスタ分割情報を衛星21経由でアドホックNWの通信端末へ送信する。本情報に基づいたNWの再構成は、アドホックNWを構成するシステムに従う。
【0052】
アドホック・衛星統合ネットワークは、地上通信インフラを必要としないため、耐災害性を有する。アドホック・衛星統合ネットワークは、通信制御は通信端末依存し、必要に応じてネットワークに参加可能であるため、通信への参加離脱が容易である。
【0053】
アドホック・衛星統合ネットワークは、衛星リンク数に制限がある。本実施形態に係るネットワーク制御装置は、公平性保証のクラスタリングを行うことが可能であるため、GW端末に接続する通信端末の数を均一にすることができる。
【0054】
アドホック・衛星統合ネットワークは、通信端末の移動、参加及び離脱によって、ネットワーク構成が常に変化する。本実施形態に係るネットワーク制御装置が定期的にクラスタリングを行えば、ネットワーク構成の変化に対応することができる。
【0055】
GPSによる位置情報取得は消費電力が大きいため、位置情報を用いてクラスタリングを行うと、GW端末の消費電力が大きい問題があった。これに対し、本実施形態に係るネットワーク制御装置は、位置情報を用いずにクラスタリングを行うため、消費電力を抑えることができる。
【0056】
(実施形態3)
図9は、本実施形態に係る通信ネットワークの一例を示す。本実施形態に係る通信ネットワークは、実施形態1のネットワーク制御装置をWi−Fiメッシュ・FWA統合ネットワークに適用している。Wi−Fiメッシュ・FWA統合ネットワークは、無線LANアクセスポイント(AP)NA
1〜NA
7を中継接続したWi−Fiメッシュに、FWA(Fixed Wireless Access)装置22を接続したネットワークである。無線LANアクセスポイントNA
1〜NA
7は、無線通信端末と無線通信を行う無線基地局として機能する。
【0057】
本実施形態では、無線LANアクセスポイントNA
1〜NA
7が通信端末として機能する。
図9では、一例として、無線LANアクセスポイントNA
1〜NA
4がクラスタCA
1を構成し、無線LANアクセスポイントNA
5〜NA
7がクラスタCA
2を構成する例を示す。そして、無線LANアクセスポイントNA
1〜NA
7のうちのFWA装置22と接続する無線LANアクセスポイントNA
4,NA
5がGW端末として機能する。無線LANアクセスポイントNA
4,NA
5が、GW端末として、FWA装置22を介してネットワーク制御装置を備える制御サーバ10と通信を行う。
【0058】
制御サーバ10はM2M無線アクセスを利用した制御網経由で無線LANアクセスポイントNA
1〜NA
7からトポロジ情報を収集し、トポロジ情報格納部13に格納する。本実施形態では、トポロジ情報には、クラスタ数、WiFiメッシュ構成、無線LANアクセスポイント数、無線LANアクセスポイント情報などのクラスタの属性を含む。無線LANアクセスポイント情報は、配下のトラヒック量、無線通信端末の数を含む。
【0059】
制御サーバ10のネットワーク制御装置は、GW端末とそれに属する無線LANアクセスポイントをクラスタ分割情報として生成する。 ネットワーク制御装置のクラスタリングが終了すると、制御サーバ10は、制御網経由で各無線LANアクセスポイントに対し、Wi−FiメッシュNWの構築指示を出す。このとき、クラスタ分割情報には、各クラスタでのWi−Fiメッシュトポロジを含む。このとき、クラスタヘッド(GW−AP)が変更になる場合は、該当するGW−APにFWA装置を手動接続する。
【0060】
ここで、クラスタヘッド候補変更手順において、GW端末候補生成部15は、クラスタに属する無線LANアクセスポイントの数をクラスタサイズに用いてもよいし、無線LANアクセスポイントが通信を行う無線通信端末の数をクラスタサイズに用いてもよいし、無線LANアクセスポイントが無線通信端末と通信を行うトラフィック量をクラスタサイズに用いてもよいし、これらの組み合わせを用いてもよい。
【0061】
無線LANアクセスポイントNA
1〜NA
7の収容端末数が、それぞれ、8、3、2、3、2、1、2とする。この場合、クラスタCA
1における無線LANアクセスポイントが通信を行う無線通信端末の総数は16であり、クラスタCA
2における無線LANアクセスポイントが通信を行う無線通信端末の総数は5である。そのため、式1において、クラスタ数nは2、クラスタCA
1のクラスタサイズx
1は16、クラスタCA
2のクラスタサイズx
1は5となる。
【0062】
無線LANアクセスポイントNA
1〜NA
7のトラフィック量が、それぞれ、820、380、240、350、250、90、210とする。この場合、クラスタCA
1における無線LANアクセスポイントが無線通信端末と通信を行うトラフィック量は1790であり、クラスタCA
2における無線LANアクセスポイントが無線通信端末と通信を行うトラフィック量は550である。そのため、式1において、クラスタ数nは2、クラスタCA
1のクラスタサイズx
1は1790、クラスタCA
2のクラスタサイズx
1は550となる。
【0063】
本実施形態に係るネットワーク制御方法の適用により、取得した属性を均一化する最適なGW端末、それに属する無線LANアクセスポイントを決定する。クラスタ内の経路は制御サーバで決定する。例えば、最小全域木(MST:Minimum Spanning Tree)アルゴリズムに従う。これにより、M2M無線アクセスを制御網として無線LAN APを遠隔から制御し、Wi−FiメッシュNWを構築する。