(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態による、プロセスチャンバ及び/又はロードロック間で基板を輸送するように構成されるメインフレームの移送チャンバ内に位置するロボット装置を含む基板処理システムの概略的な平面図である。
【
図2A】実施形態による、シングルブレードを含むロボット装置の等角図である。
【
図2B】実施形態による、ある使用可能な構成において示される
図2Aのロボット装置の一実施形態の等角図である。
【
図2C】実施形態による、ある使用可能な構成において示される
図2Aのロボット装置の一実施形態の等角図である。
【
図2D】実施形態による、ある使用可能な構成において示される
図2Aのロボット装置の一実施形態の等角図である。
【
図2E】実施形態による、ある使用可能な構成において示される
図2Aのロボット装置の一実施形態の等角図である。
【
図2F】実施形態による、ある使用可能な構成において示される
図2Aのロボット装置の一実施形態の等角図である。
【
図2G】実施形態による、ある使用可能な構成において示される
図2Aのロボット装置の一実施形態の等角図である。
【
図2H】実施形態による、ある使用可能な構成において示される
図2Aのロボット装置の一実施形態の等角図である。
【
図2I】ロボット装置の一実施形態の側断面図である。
【
図3】ロボット装置の代替の実施形態の側断面図である。
【
図4A】実施形態による、デュアルブレードロボット装置の等角図である。
【
図4B】デュアルブレードロボット装置の一実施形態の側断面図である。
【
図4C】ある使用可能な配向において示される
図4Aのデュアルブレードロボット装置の一実施形態の等角図である。
【
図4D】ある使用可能な配向において示される
図4Aのデュアルブレードロボット装置の一実施形態の等角図である。
【
図4E】ある使用可能な配向において示される
図4Aのデュアルブレードロボット装置の一実施形態の等角図である。
【
図4F】ある使用可能な配向において示される
図4Aのデュアルブレードロボット装置の一実施形態の等角図である。
【
図4G】ある使用可能な配向において示される
図4Aのデュアルブレードロボット装置の一実施形態の等角図である。
【
図4H】ある使用可能な配向において示される
図4Aのデュアルブレードロボット装置の一実施形態の等角図である。
【
図4I】ある使用可能な配向において示される
図4Aのデュアルブレードロボット装置の一実施形態の等角図である。
【
図5】実施形態による、代替のデュアルブレードロボット装置の側断面図である。
【
図6】本発明の別の態様による、ロボット装置を動作させる方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
電子デバイス製造は、種々の場所間での非常に正確で、かつ迅速な基板輸送を必要とする場合がある。詳細には、エンドエフェクタ装置が、ロボット装置のアームの端部に取着される場合があり、エンドエフェクタ上に載置される基板を基板処理システムのプロセスチャンバ及び/又はロードロックとの間で輸送するように構成される場合がある。アームが長いとき、ロボット機構が硬いと、ロボット装置を迅速に始動及び停止することによって、エンドエフェクタが振動する場合があるという懸念がある。従来の選択コンプライアンスアームロボット装置(selective compliance arm robot apparatus:SCARA)タイプロボットは移送チャンバに直進するようにして出入りするだけの場合があり、そのことにより、多用途性を制限する。幾つかのシステム、特に、多数のファセット(例えば、5つ以上)及び複数のロードロック(
図1に示される)を有するメインフレームでは、コストを削減し、システムを小型化するために、移送チャンバはできる限り小さくされることが望ましい。そのような小型化は、基板がプロセスチャンバとロードロックとの間で移動する必要がある距離も最小化する場合がある。しかしながら、ロボット装置を小さな空間動作範囲内に収めることは、既存のロボットに対して大きな課題を提起する。
【0011】
ロボットを小型化し、複数のプロセスチャンバを有するクラスタツールを提供できるようにするために、本発明は、第1の態様において、独立した上側アームと結合されるブーム及びリスト部材運動能力を含む、コンパクトな構成と、最小構成要素数とを有するロボット装置を提供する。独立して回転可能な上側アームと、1つのブレード又は2つのブレードを取り付けられた独立して回転可能リスト部材とを実施形態が記述される。この構成によれば、ロボットの全体動作範囲を縮小できるようになり、プロセスチャンバファセットに対して直進しない配向、すなわち、垂直でない配向においてチャンバ及びロードロックに進入できるようになる。さらに、上側アームリンクハウジング及び前側アームリンクハウジングの運動を運動学的に結合することによって、構成を簡単にすることができる。
【0012】
一態様では、電子デバイス製造においてチャンバ間で基板を輸送するために用いることができるロボット装置を含む、電子デバイス処理システムが提供される。その電子デバイス処理システムは、チャンバと、チャンバ内に収容されるロボット装置とを含む。ロボット装置は、ブームリンケージと、上側アームリンクハウジングと、リスト部材とを含み、リスト部材はエンドエフェクタに結合するように構成され、エンドエフェクタは基板を搬送するように構成される。ブームリンケージに固く結合し、上側アームリンクハウジングを貫通して延在する前側アーム駆動要素を有する前側アームドライバ部材が設けられ、前側アーム駆動要素は前側アームリンクハウジングの被駆動部材に結合される。このようにして、ブームリンケージに対する上側アームリンゲージの独立回転を通して、前側アームリンクハウジングを運動学的に駆動することができる。さらに、上側アームリンクハウジング及びリスト部材の独立回転を与えることができる。ブームリンケージに対する上側アームリンクハウジングの独立回転は、ブームリンケージ内に取り付けられたモータによって与えることができる。前側アームリンクハウジングに対するリスト部材の独立回転は、上側アームリンクハウジング内に取り付けられたモータによって与えることができる。
【0013】
本発明の種々の態様の例示的な実施形態の更なる細部が本明細書における
図1〜
図6を参照しながら記述される。
【0014】
図1は、本発明による、電子デバイス処理システム100の例示的な実施形態の概略的な平面図である。その電子デバイス処理システム100は、例えば、プロセスチャンバ間で基板を移送するように構成することができる。電子デバイス処理システム100は、移送チャンバ102を含む、ハウジング101を含む。移送チャンバ102は、上壁、底壁及び側壁を含み、例えば、真空に保持することができる。ロボット装置104が移送チャンバ102に収容され、その中で動作できるように構成される。ロボット装置104は、ロボット装置104のエンドエフェクタ128上に取り付けられた基板105(「ウエハ」又は「半導体ウエハ」と呼ばれる場合もある)を目的地から取り出すか、目的地に配置するように構成することができる。目的地は、移送チャンバ102に結合されるチャンバとすることができる。例えば、目的地は、移送チャンバ102に結合される場合がある、1つ又は複数のプロセスチャンバ106及び/又は1つ又は複数のロードロックチャンバ108とすることができる。
【0015】
プロセスチャンバ106は、基板105上で堆積、酸化、窒化、エッチング、研磨、洗浄、リソグラフィ等の任意の数のプロセスステップを実行するように構成することができる。ロードロックチャンバ108は、ファクトリインターフェース109とインターフェースをなすように構成することができ、ファクトリインターフェースは、ファクトリインターフェース109のロードポートにドッキングされる基板キャリア111(例えば、前方開口型統一ポッド(FOUP))から基板105を収容することができる。別のロボット(図示せず)を用いて、矢印112によって示されるように、基板キャリア111とロードロック108との間で基板105を移送することができる。移送は任意の順序で、又は順次に実行することができる。
【0016】
ここで
図2A〜
図2Iを参照すると、ロボット装置104が更に詳細に示される。ロボット装置104は、移送チャンバ102の壁に取着されるように構成される基部107と、ブームリンケージ113とを含むことができ、図示される実施形態では、ブームリンケージは実質的に硬質のカンチレバービームである。ブームリンケージ113は、時計回り又は反時計回りのいずれかの回転方向において第1の回転軸114の回りで回転するように構成することができる。第1の回転軸114の回りの回転は、従来の可変リラクタンス電気モータ又は永久磁石電気モータのような、モータハウジング116内に収容することができる第1のモータ115のような任意の適切な動力部材によって与えることができる。ブームリンケージ113の回転は、コントローラ117からの第1のモータ115への適切なコマンドによって制御することができる。
【0017】
第1の回転軸114から離間した位置において、ブームリンケージ113の外側端部に取り付けられるのは、上側アームリンクハウジング118である。動作時に、ブームリンケージ113が基板105を取り出すか、又は配置するために所望の目的地に隣接して位置決めされると、上側アームハウジング118が、前側アームリンクハウジング122及びリスト部材126とともに適切に作動して、ブレード上128上の基板105を目的地(例えば、プロセスチャンバ106又はロードロックチャンバ108)から取り出すか、又は目的地に配置することができる。
【0018】
再び
図2A〜
図2Iを参照すると、
図1の基板処理システム100において用いられるように構成することができるロボット装置104の第1の実施形態が記述される。先に論じられたように、ロボット装置104は、基部107と、基部107に対して回転可能なブームリンケージ113と、第1の回転軸114からオフセットされた第1の径方向位置においてブームリンケージ113に結合される上側アームリンクハウジング118とを含むことができる。上側アームリンクハウジング118は、第1の径方向位置において第2の回転軸119の回りでブームリンケージ113に対してX−Y平面内で回転するように構成することができる。
【0019】
第2の回転軸119から離間された第2の位置において上側アームリンクハウジング118に結合されるのは、前側アームリンクハウジング122である。前側アームリンクハウジング122は、第2の位置において第3の回転軸123の回りで上側アームリンクハウジング118に対してX−Y平面において回転するように構成される。幾つかの実施形態では、上側アームリンクハウジング118の長さは前側アームリンクハウジング122の長さと同じにすることができる。他の長さを用いることもできる。
【0020】
第3の回転軸123から離間した位置において前側アームリンクハウジング122の外側端部に位置するのはリスト部材126である。リスト部材126は、第4の回転軸127の回りで前側アームリンクハウジング122に対してX−Y平面内で回転するように構成される。さらに、リスト部材126は、エンドエフェクタ128(「ブレード」とも呼ばれる)に結合するように構成され、エンドエフェクタ128はピックアンドプレース動作中に基板105(
図1)を搬送し、輸送するように構成される。エンドエフェクタ128は、任意の適切な構成からなることができる。エンドエフェクタ128は受動的にすることができるか、又は機械的クランプ又は静電能力のような基板を保持するための幾つかの能動的手段を含むことができる。エンドエフェクタは、機械的締結、接着、圧締め等の任意の適切な手段によってリスト部材に結合することができる。オプションでは、リスト部材及びエンドエフェクタは、一体品として形成されることによって互いに結合することができる。
【0021】
図1に示される実施形態では、移送チャンバ102内に位置し、収納されるロボット装置104が示される。しかしながら、ロボット装置104のこの実施形態及び本明細書において記述される他のロボット装置は、ファクトリインターフェース109内のような、電子デバイス製造の他のエリアにおいても有利に用いることができることは理解されるべきであり、ファクトリインターフェース内では、ロボット装置は、例えば、ロードポートと処理システムのロードロックチャンバ108との間で基板105又は基板キャリア111を輸送することができる。本明細書において記述されるロボット装置(例えば、装置100)は、他の輸送用途も可能である。
【0022】
図2B〜
図2Hは、本発明のロボット装置100の種々の位置の可能性を示す。各図において、以下の
図2Iの説明を踏まえて明らかになるように、ブームリンケージ113は、基部に対して独立して回転することができる。同様に、リスト部材126(及び結合されるエンドエフェクタ128)は、前側アームリンクハウジング122に対して独立して回転することができる。同様に、上側アームリンクハウジング118はブームリンケージ113に対して独立して回転することができる。後に明らかになるように、前側アームリンクハウジング122は、上側アームリンクハウジング118の運動によって運動学的に駆動される。
【0023】
図2Iは、例示を容易にするために完全に伸ばされた状態において示されるロボット装置104の側断面図である。この実施形態におけるロボット装置104は基部107を含むことができ、基部は、例えば、チャンバ(例えば、移送チャンバ102)又は他のフレーム部材の壁に取着されるように構成されるフランジ又は他の取着機構を含むことができる。基部107は、第1のモータ115を含むモータハウジング116に結合することができるか、又はモータハウジング116と一体にすることができる。第1のモータ115は、第1の回転軸114の回りでブームリンケージ113を回転させるように構成される。ブームリンケージ113は、径方向において第1の回転軸114から外側に延在することができる硬質のカンチレバービームとすることができる。ブームリンケージ113は、後に更に十分に記述されることになる第2のモータ132を収容するように構成される空洞113Aを含むことができる。ブームリンケージ113はパイロットシャフト113Bも含むことができ、パイロットシャフトはモータハウジング116の中に延在し、その上に取り付けられた第1のモータ115のロータを含む。
【0024】
ロボット装置104は、垂直モータ134と、エンドエフェクタ128の垂直運動を(Z軸で)引き起こすように構成される垂直ドライバ機構136とを更に含むことができる。垂直ドライバ機構136は、垂直モータ134によって回転するときに、第1のモータ115を第1の回転軸114に沿って垂直に並進させるウォームドライバ、親ねじ又はラックアンドピニオン機構を含むことができる。ベローズ138又は他の適切な真空障壁を用いて垂直運動に対応することができ、ベローズ138又は他の適切な真空障壁は、真空チャンバと、大気圧の場合があるモータハウジング116の内部116Aとの間の真空障壁としての役割も果たすことができる。線形軸受又は他の直線運動制限手段のような、1つ又は複数の並進対応デバイス139を用いて、第1のモータ115の運動を第1の回転軸114に沿った垂直運動のみに制限することできる。
【0025】
ロボット装置104は、第1の回転軸114からオフセットされた第1の径方向位置においてブームリンケージ113に回転可能に結合され、第2の回転軸119の回りを回転することができる上側アームリンクハウジング118を含むことができる。この実施形態では、上側アームリンクハウジング118は、空洞118Aと、パイロットシャフト118Bとを含む。パイロットシャフト118Bは1つ又は複数の適切なベアリングによってブームリンケージ113内に回転可能に取り付けられる。上側アームリンクハウジング118のパイロットシャフト118Bは、ブームリンケージ113に取り付けられる第2のモータ132にも結合される。第2のモータ132への結合は、上側アームドライバアセンブリ140によることができる。上側アームドライバアセンブリ140は、パイロットシャフト118Bを駆動するのに適した任意の構造を備えることができる。例えば、図示される実施形態では、上側アームドライバアセンブリ140は、ドライバ部材142と、パイロットシャフト118Bに結合される被駆動部材144と、ドライバ部材142と被駆動部材144との間に接続される上側アームドライバ要素146とを含むことができる。ドライバ部材142は、第2のモータ132のロータに結合されるプーリとすることができ、被駆動部材144は、パイロットシャフト118B上のプーリとすることができる。上側アームドライバ要素146は、2つの従来の金属ストラップのような、1つ又は複数のベルト又はストラップとすることができ、各ベルトはその端部においてプーリに固く結合される。図示される実施形態では、ブームリンケージ113の空洞113A内に収納される第2のモータ132は真空にさらされる場合がある。
【0026】
また、ロボット装置104は、ブームリンケージの下端等において、ブームリンケージ113に固く結合される前側アームドライバ部材148も含む。前側アームドライバ部材148は、ブームリンケージ113に動かないように収容されるか、又は取着されるシャフトと、その上端にあるプーリとを含むことができる。前側アームドライバ部材148は、上側アームリンクハウジング118の空洞118Aを貫通して延在する前側アームドライバ要素150に結合することができる。前側アームドライバ要素150は、前側アームリンクハウジング122の前側アーム被駆動部材152に結合することができる。幾つかの実施形態では、前側アームドライバ部材148及び前側アーム被駆動部材152の直径比は2:1とすることができる。他の比を用いることもできる。前側アーム被駆動部材152は、前側アームリンクハウジング122の本体から下方に延在するパイロットシャフトとすることができる。そのパイロットシャフトは、1つ又は複数の適切なベアリングによって上側アームリンクハウジング118内で回転するように取り付けることができる。
【0027】
リストドライバ部材154を含むことができ、リスト部材126が前側アームリンクハウジング122に対して第4の回転軸127の回りで独立して回転できるように構成することができる。リストドライバアセンブリ154は、上側アームリンクハウジング118内に取り付けられる第3のモータ156と、リストドライバ部材157と、上側アームリンクハウジング118内にベアリングによって回転可能に取り付けられる伝達シャフト158と、リスト被駆動部材160と、第1及び第2のドライバ要素161、162とを含むことができる。伝達シャフト158は、第1のリスト駆動要素161及び第2のリスト駆動要素162によってそれぞれ、その下端においてリストドライバ部材157に、その上端においてリスト被駆動部材160に結合される。伝達シャフトは、その上端及び下端において適切なプーリを含むことができる。リスト駆動要素161、162は、2つの従来の金属ストラップのような、1つ又は複数のベルト又はストラップとすることができ、各ベルトはその端部において接続されたプーリに固く結合される。図示される実施形態では、第3のモータ156は、第2のモータ132と同様に、空洞118A内に収納され、真空にさらされる場合がある。第2のモータ132及び第3のモータ156はそれぞれ、例えば、可変リラクタンス電気モータ又は永久磁石電気モータとすることができる。第2のモータ132及び第3のモータ156はそれぞれ、位置情報の正確なフィードバックをコントローラ117に与えるフィードバックセンサを含むことができる。導体が種々の空洞118A及び113Aを通り抜け、コネクタアセンブリ164に接続することができる。コネクタアセンブリ164は、当業者によって知られているような、複数のブラシ接続を有する、スリップリングアセンブリのような任意の適切なコネクタとすることができる。コネクタアセンブリ164に近接して、当業者によって知られているような、強磁性流体シールのような任意の適切な真空シールデバイス166が存在することができる。真空シールによって、モータハウジング116A内に大気条件が存在できるようになり、空洞113A内、及びパイロットシャフト113B内部に真空条件が存在できるようになる。
【0028】
動作時に、コントローラ117から第3のモータ156への制御信号によって、そのロータがステータに対して回転する。このことにより、リストドライバ部材157が回転し、結果として、伝達シャフト158及びリスト被駆動部材160が回転し、このことにより、前側アームリンクハウジング122に対してリスト部材126及び結合されたエンドエフェクタ128が独立して回転する。同様に、コントローラ117から第2のモータ132への制御信号によって、そのロータがステータに対して回転する。このことにより、上側アームドライバ部材142が回転し、結果として、上側アーム被駆動部材144が回転し、このことにより、上側アームリンクハウジング118がブームリンケージ113に対して回転する。このようにして、X−Y平面内での第2の回転軸119及び第4の回転軸127の回りの上側アームリンクハウジング118及びリスト部材126の回転が、独立して成し遂げられることが明らかになるはずである。したがって、有利には、ロボット装置104によって、エンドエフェクタ128の無数の移送経路を成し遂げることができる。さらに、ブームリンケージ113内に、上側アームリンクハウジング118に結合される単一のモータ、すなわち、第2のモータ132を有することによって、前側アームリンクハウジング122からリスト部材126への直線軌道による延長を提供できることにも留意することができる。この軌道は、上側アームリンクハウジング118及び前側アームリンクハウジング122内に位置するプーリを特定の比にし、かつ上側アームリンクハウジング118と前側アームリンクハウジング122との間の長さの比を1:1にして達成することができる。他の比を用いることもできる。
【0029】
図3は、電子デバイス処理システム100内で用いるように構成することができる別の実施形態のロボット装置304を示す。この実施形態におけるロボット装置304は、基部307、X−Y平面において第1の回転軸314の回りを回転するように構成されるブームリンケージ313、X−Y平面において第2の回転軸319の回りを回転するように構成される上側アームリンクハウジング318、X−Y平面において第3の回転軸323の回りを回転するように構成される前側アームリンクハウジング322、及び第4の回転軸327の回りをX−Y平面内で回転するように構成されるリスト部材326のような、先行する実施形態の場合と全て同じ構成要素を含むことができる。エンドエフェクタ328をリスト部材326に結合し、基板(図示せず)を保持するように構成することができる。エンドエフェクタ328は、別の部材としてリスト部材326に取着することができるか、又はリスト部材326との一体のユニットとして形成することができる。同様に、ロボット装置304は、ブームリンケージ313を回転させるように構成される第1のモータ315と、上側アームリンクハウジング318を独立して回転させるように構成される第2のモータ332と、前側アームリンクハウジング322に対するリスト部材326の独立回転を与えるように構成される第3のモータ356とを含むこともできる。先行する実施形態と比較すると、第2のモータ332及び第3のモータ356はいずれもブームリンケージ313上に取り付けられる。したがって、この実施形態では、3つのモータ315、332及び356はそれぞれ大気内に取り付けることができる。詳細には、ブームリンケージ313は3つのチャンバ313A、313B及び313Cを含むことができる。チャンバ313A及び313Cは真空になるように設けることができるのに対して、チャンバ313Bは大気圧において設けることができる。
【0030】
動作時に、第2のモータ332によって、上側アームリンクハウジング318をブームリンケージ313に対して独立して駆動することができる。第2のモータ332は、ブームリンケージ313に動かないように取り付けられるステータと、上側アームドライバ部材342に取り付けられるロータとを含む。動作時に、第2のモータ332によって上側アームドライバ部材342が回転することにより、上側アームリンクハウジング318に結合された上側アーム被駆動部材344がX−Y平面内で第2の軸319の回りを回転する。ベルト、ドライバシャフト等の任意の適切なドライバコネクタとすることができるドライバ要素346が、上側アームドライバ部材342と上側アーム被駆動部材344との間を接続することができる。幾つかの実施形態では、ドライバ要素346は、上側アームドライバ部材342及び上側アーム被駆動部材344にそれぞれ接続される(例えば、ピン留めされる)金属ストラップからなる。この実施形態では、リスト部材326、それゆえ、エンドエフェクタ328は、第4の軸327の回りを前側アームリンクハウジング322に対して独立して回転することができる。この実施形態では、リスト部材326は、リストドライバアセンブリ354によって駆動され、リストドライバアセンブリは、リストドライバ部材357、リスト被駆動部材360、第1及び第2の伝達シャフト358、359、並びにリスト駆動要素361、362、363からなる。この構成によれば、ブームリンケージ313に対して上側アームリンクハウジング318が独立して回転できるようになり、前側アームリンクハウジング322に対してリスト部材326も独立して回転できるようになり、さらに、第1のモータ332及び第2のモータ356は大気内に位置できるようになる。このことが、有利には、粒子の発生を、その中にロボット装置304が収容される真空チャンバ内に制限する。大気条件と真空条件との間の圧力インターフェースを封止するために、第1のモータ315及び第2のモータ332のシャフトとそれぞれのモータハウジングとの間に適切なシール(例えば、強磁性流体シール)を設けることができる。
【0031】
先行する実施形態と同様に、前側アームドライバ部材348が、ブームリンケージ313に動かないようにして設けられる(すなわち、固く結合される)。前側アームドライバ部材348は、例えば、ブームリンケージ313の底部に対して下端において固定されるシャフトを含むことができる。前側アームドライバ部材348は、その上端においてプーリを含むことができる。前側アームドライバ部材348は、上側アームリンクハウジング318の空洞318Aを貫通して延在する前側アームドライバ要素350に結合することができる。前側アームドライバ要素350は、前側アームリンクハウジング322の前側アーム被駆動部材352に結合することができる。前側アーム被駆動部材352は、前側アームリンクハウジング322の本体から下方に延在するパイロットシャフトとすることができる。パイロットシャフトは、ボールベアリングのような1つ又は複数の適切なベアリングによって、上側アームリンクハウジング318内で回転するように取り付けることができる。他の適切なベアリング及び/又はベアリングアセンブリを各回転軸に設けることができる。
【0032】
図示される実施形態において、上側アームリンクハウジング318及び前側アームリンクハウジング322の運動は運動学的に結び付けられることが明らかになるはずである。上側アームリンクハウジング318が、コントローラ317による第1のモータ315への適切な制御信号によって回転するとき、前側アームリンクハウジング322は、前側アームドライバ部材348及び前側アーム被駆動部材352の直径によって決定される結果的なギア比によって指示される量だけ回転する。指示される実施形態では、前側アーム被駆動部材352に対する前側アームドライバ部材348の角回転比は約1:1とすることができる。他の比を用いることもできる。
【0033】
図4A及び
図4Bは、電子デバイス処理システム100内で用いるように構成することができる別の実施形態のロボット装置404を示す。このロボット装置404は、重ねて位置決めすることができるデュアルエンドエフェクタ(例えば、ブレード)を備える。この構成によれば、ロボット装置をチャンバ付近に局所的に置いたまま、特定のプロセスチャンバにおいて2つの基板を交換できるようになる。したがって、スループットを高めることができる。
【0034】
この実施形態におけるロボット装置404は、例えば、移送チャンバの壁のような、チャンバ壁に取着されるように構成される基部407と、ブームリンケージ413とを含むことができる。ブームリンケージ413は、基部407に対して第1の回転軸414の回りを回転するように構成することができる。また、ロボット装置404は、ブームリンケージ413に対してX−Y平面内で第2の回転軸419の回りを独立して回転するように構成される上側アームリンクハウジング418と、X−Y平面内で第3の回転軸423の回りを回転するように構成される前側アームリンクハウジング422とを含むことができる。この実施形態では、複数のリスト部材426A、426Bが重ねて設けられ、それぞれが第4の回転軸427の回りをX−Y平面内で独立して回転するように構成される。エンドエフェクタ428A、428Bをリスト部材426A、426Bに結合することができ、基板(図示せず)を保持するように構成することができる。エンドエフェクタ428A、428Bは、別の部材としてリスト部材426A、426Bに取着することができるか、又はリスト部材426A、426Bと一体のユニットとして形成することができる。
【0035】
図4Bに最もわかりやすく示されるように、ロボット装置404は、第1のモータ415が作動することによって基部407に対して独立して回転することができるブームリンケージ413を含む。同様に、リスト部材426A、426B(及び結合されるエンドエフェクタ428A、428B)も前側アームリンクハウジング422に対して独立して回転することができる。同様に、上側アームリンクハウジング418も、ブームリンケージ413に対して独立して回転することができる。先行する実施形態と同様に、前側アームリンクハウジング422は、上側アームリンクハウジング418の運動によって運動学的に駆動される。
【0036】
図4Bは、例示しやすくするために完全に伸ばされた状態において示されるロボット装置404の側断面図を示す。この実施形態におけるロボット装置404は、第1のモータ415を含むモータハウジング416に結合されるか、又は一体にされる基部407を含むことができる。第1のモータ415は、第1の回転軸414の回りでブームリンケージ413を回転させるように構成される。ブームリンケージ413は、径方向において第1の回転軸414から外向きに延在することができる硬質のカンチレバービームとすることができる。ブームリンケージ413は、後に更に十分に記述されることになる第2のモータ432を収容するように構成される空洞413Aを含むことができる。また、ブームリンケージ413はパイロットシャフト413Bも含むことができ、パイロットシャフトは、モータハウジング416の中に延在し、パイロットシャフトに取り付けられた第1のモータ415のロータを含む。
【0037】
ロボット装置404は、垂直モータ434と、エンドエフェクタ428A、428Bの垂直運動を(Z軸で)引き起こすように構成される垂直ドライバ機構436とを更に含むことができる。垂直ドライバ機構436は、垂直モータ434によって回転するときに、第1のモータ415を第1の回転軸414に沿って垂直に並進させるウォームドライバ、又は親ねじを含むことができる。ベローズ438又は他の適切な真空障壁を用いて垂直運動に対応することができ、ベローズ438又は他の適切な真空障壁は、その中にブームリンケージ413、上側アームリンクハウジング、前側アームリンクハウジング422及びリスト部材426A、426Bが位置する真空チャンバと、大気圧の場合があるモータハウジング416の内部416Aとの間の真空障壁としての役割も果たすことができる。線形軸受又は他の直線運動対応手段のような、1つ又は複数の並進対応デバイス439を用いて、第1のモータ415のステータの運動が第1の回転軸414に沿った垂直運動のみに制限されるように、ステータの径方向運動及び回転運動を抑止することができる。
【0038】
ロボット装置404は、第1の回転軸414からオフセットされた第1の径方向位置においてブームリンケージ413に回転可能に結合され、第2の回転軸419の回りを回転することができる上側アームリンクハウジング418を含むことができる。この実施形態では、上側アームリンクハウジング418は、空洞418Aと、パイロットシャフト418Bとを含む。パイロットシャフト418Bは、ボールベアリングのような、1つ又は複数の適切なベアリングによってブームリンケージ413内に回転可能に取り付けられる。上側アームリンクハウジング418のパイロットシャフト418Bは、ブームリンケージ413に取り付けられる第2のモータ432にも結合される。第2のモータ432への結合は、上側アームドライバアセンブリ440によることができる。上側アームドライバアセンブリ440は、パイロットシャフト418Bを駆動するのに適した任意の構造を備えることができる。例えば、図示される実施形態では、上側アームドライバアセンブリ440は、ドライバ部材442と、パイロットシャフト418Bに結合される被駆動部材444と、ドライバ部材442と被駆動部材444との間に接続される上側アームドライバ要素446とを含むことができる。ドライバ部材442は、第2のモータ432のロータに結合されるプーリとすることができ、被駆動部材444は、パイロットシャフト418B上のプーリとすることができる。上側アームドライバ要素446は、2つの従来の金属ストラップのような、1つ又は複数のベルト又はストラップとすることができ、各ベルトはその端部においてプーリに固く結合される。図示される実施形態では、ブームリンケージ413の空洞413A内に収納される第2のモータ432は真空にさらされる場合がある。
【0039】
また、ロボット装置404は、ブームリンケージ413の下端等において、ブームリンケージ413に固く結合される前側アームドライバ部材448も含む。前側アームドライバ部材448は、そのポケット内のような、ブームリンケージ413に動かないように収容されるか、又は取着されるシャフト449を含むことができる。前側アームドライバ部材448は、その上端においてプーリを含むことができる。前側アームドライバ部材448は、上側アームリンクハウジング418の空洞418Aを貫通して延在する前側アームドライバ要素450に結合することができる。前側アームドライバ要素450は、前側アームリンクハウジング422の前側アーム被駆動部材452に結合することができる。前側アーム被駆動部材452は、前側アームリンクハウジング422の本体から下方に延在するパイロットシャフトとすることができる。そのパイロットシャフトは、1つ又は複数の適切なベアリング等によって上側アームリンクハウジング418内で回転するように取り付けることができる。
【0040】
リストドライバアセンブリ454を含むことができ、各リスト部材426A及び426Bが前側アームリンクハウジング422に対して第4の回転軸427の回りを独立して回転できるように構成することができる。リストドライバアセンブリ454は、上側アームリンクハウジング418内に取り付けられる第3のモータ456A及び第4のモータ456Bと、リストドライバ部材457A、457Bと、上側アームリンクハウジング418にベアリングによって回転可能に取り付けられる伝達シャフト458A、458Bと、リスト被駆動部材460A、460Bと、第1のドライバ要素461A、461B及び第2のドライバ要素462A、462Bとを含むことができる。伝達シャフト458A、458Bは、第1のリスト駆動要素461A、461B及び第2のリスト駆動要素462A、462Bによってそれぞれ、その下端においてリストドライバ部材457A、457Bに、その上端においてリスト被駆動部材460A、460Bに結合される。伝達シャフト458A、458Bは、その上端及び下端において適切なプーリを含むことができる。リスト駆動要素461A、461B、462A、462Bは、2つの従来の金属ストラップのような、1つ又は複数のベルト又はストラップとすることができ、各ベルトはその端部において接続されたプーリに固く結合される。図示される実施形態では、第3のモータ456A及び第4のモータ456Bは、空洞418A内に収納され、真空にさらされる場合がある。それぞれのモータ432、456A及び456Bは、例えば、可変リラクタンス電気モータ又は永久磁石電気モータとすることができる。他のタイプのモータを用いることもできる。モータ432、456A及び456Bはそれぞれ、位置情報の正確なフィードバックをコントローラ417に与えるフィードバックセンサを含むことができる。導体が種々の空洞418A及び413Aを通り抜け、コネクタアセンブリ464に接続することができる。コネクタアセンブリ464は、当業者によって知られているような、複数のブラシ接続を有する、スリップリングアセンブリのような任意の適切なコネクタとすることができる。コネクタアセンブリ464に近接して、当業者によって知られているような、強磁性流体シールのような任意の適切な真空シールデバイス466が存在することができる。真空シールによって、モータハウジング416A内に大気条件が存在できるようになり、空洞413A内、及びパイロットシャフト413B内部に真空条件が存在できるようになる。
【0041】
動作時に、コントローラ417から第3のモータ456A及び第4のモータ456Bへの制御信号によって、そのロータがステータに対してそれぞれ回転する。このことにより、リストドライバ部材457A、457Bが回転し、結果として、伝達シャフト458A、458B及びリスト被駆動部材460A、460Bが回転し、このことにより、前側アームリンクハウジング422に対してリスト部材426A、426B及び結合されたエンドエフェクタ428A、428Bが独立して回転する。このようにして、1つのプロセスチャンバにおいて基板を交換することができ、単一リストバージョンのように、ロボットを第2の場所に移動させる必要はない。
【0042】
同様に、コントローラ417が、第2のモータ432に制御信号を与え、第2のモータ432のステータに対し、ロータの回転を生じさせることができる。このことにより、上側アームドライバ部材442が回転し、結果として、上側アーム被駆動部材444が回転し、このことにより、上側アームリンクハウジング418がブームリンケージ413に対して回転する。このようにして、X−Y平面内での第2の回転軸419及び第4の回転軸427の回りの上側アームリンクハウジング418及びリスト部材426A、426Bの回転が、独立して成し遂げられることが明らかになるはずである。したがって、有利には、ロボット装置404によって、X−Y平面内でエンドエフェクタ428A、428Bの無数の移送経路を成し遂げることができる。デュアルブレードロボット装置404の種々の構成が
図4C〜
図4Iに示される。図示されるように、ブームリンケージ413は任意の所望の配向に回転することができ、その後、上側アームリンクハウジング418の独立回転が、リスト部材426A、426Bの独立回転とともに成し遂げられ、1つのプロセスチャンバにおいて基板交換をもたらすことができる。上側アームリンクハウジング422と前側アームリンクハウジング418との間の運動学的結合は、全体的な構造を簡単にし、必要とされるモータの数を最小化する。
【0043】
図5は、独立制御可能なリスト部材526A、526Bを含む、さらに別の実施形態のロボット装置504を示す。この実施形態は、大部分の態様に関して、
図3の実施形態と同じである。ロボット装置504は、チャンバ内に収容することができ、基板(図示せず)を輸送するように構成することができる。そのロボット装置は、第1の回転軸517の回りを回転するように構成されるブームリンケージ513と、第1の回転軸517からオフセットされた第1の径方向位置においてブームリンケージ513に結合される上側アームリンクハウジング518であって、上側アームリンクハウジングは第1の径方向位置において第2の回転軸519の回りを回転するように構成される、上側アームリンクハウジングと、第2の回転軸519から離間した第2の位置において上側アームリンクハウジング518に結合され、第2の位置において第3の回転軸523の回りを上側アームリンクハウジング518に対して回転するように構成される前側アームリンクハウジング522と、前側アームリンクハウジング522に結合され、第4の回転軸527の回りを前側アームリンクハウジング522に対して回転するように構成される複数のリスト部材526A、526Bとを含む。リスト部材はエンドエフェクタ528A、528Bに結合するように構成され、エンドエフェクタは、基板(図示せず)を搬送するように構成される。
図3の実施形態と同様に、前側アームドライバ部材548がブームリンケージ513に固く結合され、前側アーム駆動要素550が上側アームリンクハウジング518を貫通して延在し、前側アーム駆動要素550は前側アームリンクハウジング522の被駆動部材552に結合される。
【0044】
図5の実施形態と
図3の実施形態との主な違いは、
図5の実施形態では、ブームリンケージ513内に取り付けられ、収納される2つのモータ532A、532Bが存在することである。
図3の実施形態と同様に、モータ532A、532Bは概ね大気圧を含む空洞513B内に存在するのに対して、リストドライバアセンブリ554は真空にさらされる。
【0045】
本発明による電子デバイス処理システム内で基板を輸送する方法600が提供され、
図6を参照しながら説明される。方法600は、ブームリンケージ(例えば、113、313、413、513)と、ブームリンケージに結合される上側アームリンクハウジング(例えば、118、318、418、518)と、上側アームリンクハウジングに結合される前側アームリンクハウジング(例えば、122、322、422、522)と、前側アームリンクハウジングに結合されるリスト部材(例えば、126、326、426A、426B、526A、526B)であって、リスト部材はエンドエフェクタ(例えば、128、328、428A、428B、528A、528B)に結合するように構成される、リスト部材と、ブームリンケージに固く結合され、上側アームリンクハウジングを貫通して延在する前側アーム駆動要素(例えば、150、350、550)を有する前側アームドライバ部材(例えば、148、348、548)であって、前側アーム駆動要素は前側アームリンクハウジングの被駆動部材(例えば、152、352、552)に結合される、前側アームドライバ部材とを有するロボット装置(例えば、104、304、404、504)を設けることを含む。ブロック604において、ブームリンケージ(例えば、113、313、413、513)は、供給目的地(例えば、取出場所又は配置場所)に隣接する場所まで回転する。ブロック606において、上側アームリンクハウジングはブームリンケージに対して独立して回転する。その独立回転は時計回り又は反時計回りの方向の場合があり、コントローラ(例えば、117、317、417、517)から第1のモータ(例えば、115、315、415)への信号によって開始することができる。同様に、ブロック608において、前側アームリンクハウジング(例えば、122、322、422、522)に対するリスト部材の回転によって、リスト部材(例えば、126、326、426A、426B、526A、526B)の独立回転が成し遂げられる。
【0046】
明らかであるように、本明細書において記述されるようなロボット装置を用いるとき、目的地の場所において基板を置くこと、及び取り出すことが成し遂げられ、ロボット装置の全体サイズ、したがって、ロボット装置を収納するチャンバを縮小することができる。幾つかの実施形態では、ブームリンケージ、上側アームリンクハウジング及びリスト部材は同期して回転し、置く動作又は取り出す動作を助けることができる。上記の実施形態のそれぞれにおいて、上側アームリンクハウジング(例えば、118、318、418、518)及び前側アームリンクハウジング(122、322、422、522)の運動は運動学的に結び付けられる。すなわち、上側アームリンクハウジング(例えば、118、318、418、518)及び前側アームリンクハウジング(122、322、422、522)は、ドライバ部材(例えば、148、348、448、548)、被駆動部材(例えば、152、352、452、552)及び前側アームドライバ要素(例えば、150、350、450、550)によって連動する。
【0047】
これまでの説明は本発明の例示的な実施形態のみを開示する。本発明の範囲内に入る、上記で開示された装置及び方法の変形は、当業者には容易に明らかになるであろう。したがって、本発明はその例示的な実施形態に関連して開示されてきたが、他の実施形態も、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の精神及び範囲内に入る場合があることは理解されたい。