特許第6122457号(P6122457)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6122457
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】測定センサ用高速接触検出器
(51)【国際特許分類】
   G01B 5/004 20060101AFI20170417BHJP
【FI】
   G01B5/004
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-48806(P2015-48806)
(22)【出願日】2015年3月11日
(65)【公開番号】特開2015-215336(P2015-215336A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2016年4月5日
(31)【優先権主張番号】14/273,980
(32)【優先日】2014年5月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100080458
【弁理士】
【氏名又は名称】高矢 諭
(74)【代理人】
【識別番号】100076129
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 圭佑
(74)【代理人】
【識別番号】100089015
【弁理士】
【氏名又は名称】牧野 剛博
(74)【代理人】
【識別番号】100144299
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100150223
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 修三
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ブリーゲル
(72)【発明者】
【氏名】エドウィン ボス
(72)【発明者】
【氏名】フランク クーネン
【審査官】 三好 貴大
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−255952(JP,A)
【文献】 特表2011−514973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 5/00− 5/30
G01B 21/00−21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに向けて接触検出器を相対的に移動させ、
前記接触検出器が前記ワークに接触する際に変化する前記接触検出器の特性を複数回測定し、
複数回測定された前記特性から、コンピュータのプロセッサを用いて、前記接触検出器の特性が所定のしきい値に合致する予測時刻を外挿し、
前記予測時刻で前記ワークの座標を測定するトリガをセットし、
前記セットされたトリガに基づいて前記予測時刻に前記ワークの座標を測定するトリガを与えることを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、更に、
前記測定が取り込まれた時刻に基づいて、前記所定のしきい値に合致する前記特性の測定を廃棄することを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記特性の測定が取込まれた時刻が予測時刻の前であり、前記特性の測定が廃棄された理由が、前記特性の測定が前記予測時刻よりも前に取り込まれたというものであることを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
複数回測定された前記特性のデータが、前記特性の測定が取込まれた時にバッファされ、前記予測時刻が外挿された予測式への回帰に従ってフィッティングされることを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、更に、
前記予測式に基づいて、前記予測時刻迄の前記特性の測定の予期されるくり返し数を決定することを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項6】
請求項4に記載の方法において、更に、
前記接触検出器を用いて前記ワークを測定する前に行列を予め計算し、
前記接触検出器を用いて前記ワークを測定するときに、前記行列を前記予測式中の時間成分として用いることを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、更に、
複数回測定された前記特性のデータを、前記予測式中の振幅成分として用いることを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記特性が、前記ワークとの接触に基づく前記接触検出器のたわみを含むことを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
前記たわみが複数の次元で測定され、
複数回測定された前記特性が取込まれる時にバッファされると共に、前記予測時刻が外挿された予測式に対して多次元回帰に従ってフィッティングされ、
前記予測時刻迄の特性の測定の予期されるくり返し数が、前記予測式に基づいて決定されることを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法において、
前記たわみが、時間に対して実質的に一定の割合でインクリメンタルに増やされることを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、
前記特性の測定が取込まれる複数回の間、プローブが実質的に一定の速度で移動されることを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、更に、
前記予測時刻でのワーク座標の測定のトリガが、予測時刻よりも処理時間分だけ早く開始されるように、処理の遅れが発生すると見積られる間の処理時間だけオフセットすることを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、更に、
前記予測時刻を外挿する際に、全ての利用可能な特性の測定よりも少ない数の測定を用いることを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法において、更に、
前記予測時刻よりも前に発生したトリガに基づくワーク座標の測定を取込むことなく、ワーク座標の測定を取込むためのトリガを廃棄することを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法において、
前記接触検出器の特性が複数回測定される際に、前記接触検出器が所定の一定速度で前記ワークに向けて相対移動されることを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法において、更に、
前記セットされたトリガに基づいて前記予測時刻にワーク座標が測定された後、前記接触検出器を退避させることを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法において、更に、
前記セットされたトリガに基づく前記予測時刻に前記接触検出器の座標位置を特定することを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法において、
前記接触検出器が同じワークに向かって相対移動する間に、前記接触検出器の異なる測定に対してダイナミックに変化するフィッティングを用い、予測時刻が外挿された予測式の回帰に従って、前記予測時間が外挿されることを特徴とする、接触検出器を用いたワークの測定方法。
【請求項19】
指令を記憶するメモリと、
前記指令を実行するプロセッサとを備え、
前記プロセッサにより実行された時に、前記指令が前記プロセッサに、
ワークに向けて接触検出器を相対的に移動させ、
前記接触検出器が前記ワークに接触する際に変化する前記接触検出器の特性を複数回測定し、
複数回測定された前記特性から、コンピュータのプロセッサを用いて、前記接触検出器の特性が所定のしきい値に合致する予測時刻を外挿し、
前記予測時刻で前記ワークの座標を測定するトリガをセットし、
前記セットされたトリガに基づいて前記予測時刻に前記ワークの座標を測定するトリガを与える動作を行わせることを特徴とする、接触検出器を用いてワークを測定するためのコンピュータ装置。
【請求項20】
接触検出器を用いてワークを測定するためのコンピュータプログラムを記憶する実体のあるコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行されたときに、コンピュータ装置に、
ワークに向けて前記接触検出器を相対的に移動させ、
前記接触検出器が前記ワークに接触する際に変化する前記接触検出器の特性を複数回測定し、
複数回測定された前記特性から、コンピュータのプロセッサを用いて、前記接触検出器の特性が所定のしきい値に合致する予測時刻を外挿し、
前記予測時刻で前記ワークの座標を測定するトリガをセットし、
前記セットされたトリガに基づいて前記予測時刻にワークの座標を測定するトリガを与えるように処理を行わせると共に、
前記接触検出器を用いて前記ワークを測定する前に行列が計算され、
複数回測定された前記特性のデータが、前記特性の測定が取込まれた時にバッファされ、予測時刻が外挿された予測式への回帰に従ってフィッティングされ、
前記接触検出器を用いて前記ワークを測定する時に、前記行列が前記予測式中の時間成分として用いられることを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、測定センサ用接触検出の分野に関する。詳細には、この開示は、接触検出に基づいて、ワークの測定が測定センサによって何時、取り込まれるべきであるかの特定に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ワークの座標を測定するために座標測定機(CMM)が使用されている。2又は3次元空間のワーク座標のセットが、ワークをモデル化するのに用いられる。プローブとワークは互いに向かって相対的に移動され、接触検出器が、プローブが何時ワークに接触したかを検出する。接触検出器は、測定センサがプローブの座標の測定を取り込むタイミングを制御するのに用いられ、プローブがワークに対して接触して押込まれる際のプローブのたわみのような接触特性を検出することができる。プローブは、多くの異なる角度から多くの異なる位置でワークを探り、座標は多数回、取り込まれる。座標測定間の整合性のため、座標を何時取り込むかを一貫して知るように特性の閾値が用いられる。例えば、1以上の次元のたわみ量閾値が、座標を何時測定するかを決定するために用いられる。
【0003】
更に、接触検出特性は、ワークを探るため1回のプローブ移動でプローブが係合する際に、1秒当たり1000又は2000回の速いペースで測定される。究極的には、プローブの接触たわみ特性が所定の閾値であるか、それに最も近い時のように、ワークの1点に対する一回のプローブ移動で、一回の座標測定が望ましい。同じたわみ量閾値が発生した時にプローブの正確な座標を知ることによって、ワークの形状が正確に決定されモデル化される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示の一側面に従う、測定センサ用高速接触検出器のための指令のセットを含む一般的なコンピュータシステムの例を示す。
図2】本開示の一側面に従う、測定センサ用高速接触検出器のための処理を示す。
図3】本開示の一側面に従う、測定センサ用高速接触検出器の他の処理を示す。
図4A】本開示の一側面に従う、測定センサ用高速接触検出器を用いた時間に対するたわみのプロットを示す。
図4B】本開示の一側面に従う、測定センサ用高速接触検出器を用いた時間に対するたわみの他のプロットを示す。
図5】本開示の一側面に従う、座標測定用のトリガをセットするためのプローブ特性測定データ点のフィッティングに用いられるプローブ特定測定データ点の望ましい最小数を特定するためのサンプル数に対する予測偏差のプロットを示す。
図6】本開示の一側面に従う、測定センサ用高速接触検出器で用いられるプローブの測定可能な接触たわみ特性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
上記に照らして、この開示は、1以上のその様々な側面、実施形態及び/又は特定の様相又は下位要素が、以下で特に注目したような1以上の利点をもたらすことを意図している。
【0006】
ここに記載した方法は説明例であり、従って、任意の実施形態の任意の特別な処理が、提示された順番で行なわれることを要求したり、示唆していない。「その後」「それから」「次に」等の文言は、処理の順番を限定することを意図しておらず、これらの文言は、代わりに、方法の記載を通して読者をガイドするのに用いられている。更に、例えば冠詞“a”、“an”、“the”を用いた単数のクレーム要素についての言及は、要素を単数に限定するように解釈されるべきでない。
【0007】
図1は、測定センサ用高速接触検出器のための方法が実行可能な、一般的なコンピュータシステムの説明用実施形態であり、符号100で示されている。このコンピュータシステム100は、コンピュータシステム100に、ここに開示した一以上の方法又はコンピュータに基づく作用を実施させるために実行される指令のセットを含む。コンピュータシステム100は、スタンドアローン装置、又は、例えばネットワークを用いて他のコンピュータシステムや周辺装置に接続されることができる。
【0008】
コンピュータシステム100は、据置型コンピュータ、モバイルコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ワイヤレススマートフォン、個人用携帯情報端末(PDA)、制御システム、又はその機械によって行なわれる行為を特定する(連続した又はそれ以外の)指令のセットを実行することが可能な任意の他の機械のような様々な装置で実現され又は取り込まれる。コンピュータシステム100は、特定の装置として、又は、その中に取込まれ、更に、追加の装置を含む統合システム中に取り込まれることができる。特別な実施形態において、コンピュータシステム100は、音声、映像又はデータ通信を与える電子装置を用いて実現される。更に、単一のコンピュータシステム100が示されているが、「システム」という文言は、1以上のコンピュータ機能を実行する指令のセット又は複数セットを個別に又は共同で実行するシステム又は下位システムの集合を含むことができる。
【0009】
図1に示されるように、コンピュータシステム100はプロセッサ110を含む。コンピュータシステム100のプロセッサは、実体があり一過性のものではない。ここで用いられているように「一過性でない」という文言は、状態の永久的な特性としてではなく、ある期間継続する状態の特性として解釈される。「一過性でない」という文言は、特定の搬送波、信号又は任意の場所で任意の時間に一過的にのみ存在する他の形式のような移ろい易い特性を特に否定する。プロセッサは、製造品及び/又は機械部品である。コンピュータシステム100のプロセッサは、以下の様々な実施形態に記載された機能を実行するためにソフトウェア指令を実行するように構成されている。コンピュータシステム100のプロセッサは、汎用プロセッサであったり、又は、特定用途向けIC(ASIC)の一部であることができる。コンピュータシステム100のプロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサチップ、コントローラ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ステートマシン又はプログラマブルロジックデバイスであることができる。コンピュータシステム100のプロセッサは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他の独立したゲート及び/又はトランジスタ論理を含む他のタイプの回路のようなプログラマブルゲートアレイ(PGA)を含む論理回路であることができる。コンピュータシステム100のプロセッサは、中央処理ユニット(CPU)、画像処理ユニット(GPU)、又はその両方であることができる。更に、ここに述べた任意のプロセッサは、マルチプロセッサ、並列プロセッサ又は両方を含むことができる。マルチプロセッサは、単一の装置又は複数の装置に含まれたり接続されていることができる。
【0010】
更に、コンピュータシステム100は、バス108を介して互いに通信可能なメインメモリ120とスタチックメモリ130を含む。ここで述べたメモリは、データと実行可能な指令を記憶することができる実体がある記憶媒体であり、その中に指令が記憶されている間、一過性ではない。ここで用いられているように、「一過性でない」という文言は、状態の永久的な特性としてではなく、ある期間継続する状態の特性として解釈される。「一過性でない」という文言は、特定の搬送波、信号又は任意の場所で任意の時間に一過的にのみ存在する他の形式のような移ろい易い特性を特に否定する。ここに述べたメモリは、製造品及び/又は機械部品である。ここに述べたメモリは、データ及び実行可能な指令がコンピュータによって読出し可能なコンピュータ読取可能な媒体である。ここに記載したメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、電気的にプログラム可能なリードオンリーメモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブル・リードオンリーメモリ(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、テープ、コンパクトディスク・リードオンリーメモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、ブルーレイディスク、又は、この分野で知られた任意の他の記憶媒体の形を取ることができる。メモリは、揮発性又は不揮発性であって良く、保護及び/又は暗号化されていても良く、保護及び/又は暗号化されていなくても良い。
【0011】
図示されるように、コンピュータシステム100は、更に、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、フラットパネルディスプレイ、固体ディスプレイ又は陰極線管(CRT)のようなビデオディスプレイユニット150を含むことができる。更に、コンピュータシステム100は、キーボード/仮想キーボード又はタッチ感知入力スクリーン又は音声認識を備えた音声入力のような入力装置160、及び、マウス又はタッチ感知入力スクリーン又はパッドのようなカーソル制御装置170を含むことができる。コンピュータシステム100は、更に、ディスク駆動ユニット180、スピーカ又はリモートコントロールのような信号発生装置190、及びインターフェイス装置140を含むことができる。
【0012】
図1に示したような特定の実施形態において、ディスク駆動ユニット180は、1以上の指令184のセット(例えばソフトウェア)が埋め込まれたコンピュータ読取可能な媒体182を含むことができる。指令184のセットは、コンピュータ読取可能な媒体182から読み出すことができる。更に、指令184は、プロセッサによって実行されると、以下で説明するような1以上の方法及び処理を行なうのに用いられる。特定の実施形態において、指令184は、全てあるいは少なくとも一部が、メインメモリ120、スタチックメモリ130及び/又はコンピュータシステム100による実行の間プロセッサ110内に存在する。
【0013】
他の実施形態において、特定用途向けIC(ASIC)、プログラマブル・ロジックアレイ及び他のハードウェア部品のような専用のハードウェア実装が、ここに記載した1以上の方法を実行するように構成される。ここに記載した1以上の実施形態は、モジュール間及びモジュールを通して通信可能な関連する制御及びデータ信号で通信可能とされた2以上の特定の互いに接続されたハードウェアモジュール又は装置を用いて機能を実現できる。従って、この開示は、ソフトウェア、ファームウェア及びハードウェアの実装を包含する。本願の何物も、単にソフトウェアによってのみ実装され又は実装可能で、実体のある一過性でないプロセッサ及び/又はメモリのようなハードウェアでないものとして解釈されるべきでない。
【0014】
この開示の様々な実施形態によれば、ここに記載した方法は、ソフトウェアプログラムを実行するハードウェアコンピュータシステムを用いて実現される。更に、例示された、限定されない実施形態において、実現は、分配された処理、部品/目的が分散された処理及び並列処理を含むことができる。仮想コンピュータシステム処理が、ここに記載したように1以上の方法又は機能を実現するように構成され、ここに記載したプロセッサは、仮想処理環境をサポートするように用いられる。
【0015】
この開示は、指令184を含み、あるいは伝達される信号に応じて指令184を受信して実行するコンピュータ読取可能な媒体182を考えている。
【0016】
ここで説明するように、測定センサ用高速接触検出器の制御ユニットは、座標測定機(CMM)上の接触プローブシステム用の座標測定を制御するのに用いられる。座標測定値は接触検出によって決定されるタイミングに従って取り込まれるのに対し、接触検出は、接触検出器の接触検出特性の測定に基づいている。接触検出測定は、プローブがワークに接触すると共に変化する接触検出特性の測定である。接触検出特性は、プローブがワークに接触する際の1以上の次元におけるプローブのたわみを含む。たわみは、プローブとの接触によってワークが押される度合を示す角度又は距離である。
【0017】
一実施形態において、制御ユニットは、座標測定機上の3次元(3D)接触プローブシステムの使用を可能とする。3D接触プローブシステムは、1以上の次元におけるプローブチップの変位のようなワークとの相対的な接触を反映するプローブの特性を発生する。例えば、3D接触プローブシステムは、3×3行列乗算(変換行列)を用いて3Dチップ変位(X,Y,Z)に変換される3つのアナログ信号を生成する。信号A、B、Cから変位X、Y、Zへのような3×3の変換は、1以上のプローブによって使用されるが、他のプローブによっては使用されないことに注意されたい。3D接触プローブシステムは、(ほぼ)等方的な剛性と感度のような特性を有し、この特性は、プローブシステムによって測定された実際の座標を適切に反映するように信頼される。更に、3D接触プローブシステムは、ナノメータレベルの再現性を持って、mN以下の力を含む低い測定力を用いて、3次元での高精度接触測定を許容する。プローブチップは、直径50μmのように小さい。ルビーチップは直径120μmであることができる。ここで説明するように、座標測定値が取り込まれるタイミングは、座標測定値を取り込むために発生されるトリガのような閾値にプローブ特性が合致したときに基づいている。
【0018】
ここで説明する3次元接触プローブシステム用の制御ユニットは、少なくとも2つの作用を実行する。まず第1に、制御ユニットは、プローブ信号からX、Y、Zプローブチップ変位たわみ値のような接触特性測定値を発生する。次に、制御ユニットは、ここで述べる処理を用いて、正確となるように洗練されたタッチトリガ信号を発生する。測定センサ用高速接触検出器のここでの説明は、まず、タッチトリガ信号が発生されるタイミングについて焦点を当てる。
【0019】
座標測定機が単一点の測定を行なうとき、それは典型的には、一直線上を一定速度で、プローブをワークに向かって移動させるか、ワークをプローブに向かって移動させるか、又は、両者を互いに向かって移動させる。ここでの説明を一貫させる目的で、移動についての説明は、プローブがワークに向かって移動する場合を主にしている。ワークに向けてのプローブの相対移動は、座標測定機がプローブコントローラからトリガ信号を受け取るまで継続する。ワークがプローブに向かって移動しても良い。いずれにしても、プローブとワークは互いに近付くように移動される。トリガ信号が受け取られると、移動は停止し、測定点が取り込まれ、プローブが退避される。プローブは一定速度で移動しているので、3Dプローブたわみも一定割合で増加する。
【0020】
ワークに向かって一定の相対速度で移動しているプローブの例が図4Aのプロットに示されている。図4Aの上側のプロットにおいて、トリガ信号が発生された後に、たわみが維持されるまで、プローブのたわみは時間と共に線形に増加している。プローブのたわみは、トリガ信号が発生された後の遅れの後、増加を停止する。トリガ信号は、上側のプロット中に破線で示される所定の閾値トリガレベルにたわみ量が到達したときに発生される。分かり易くする目的で、偽のトリガ信号も図4Aの上側のプロットに示されている。図示されるように、トリガ信号は、接触して一度トリガされると「高レベル」(on)のままである。更に、偽のトリガ信号は、一度トリガされると短い継続時間の間、高レベルである。
【0021】
図4Aの上側部分のプロットにおいて、偽のトリガ信号は、例えば振動によって生じる。偽のトリガ信号が受け取られると、プローブは停止され、座標測定値が取り込まれる。図4Aにおいて、たわみトリガレベルに基づいて真のトリガ信号が発生されたときにのみプローブが停止する。たわみトリガレベルは、測定されたプローブのたわみに基づいて測定され、座標測定機に合図してプローブの移動を停止し、座標測定値を取り込むために用いられる。
【0022】
図4Aの下側部分は、測定センサ用高速接触検出器を用いた時間に対する変位のプロットを示す。このプロットにおいて、トリガ時刻は、トリガレベルというよりもむしろプローブ特性の先行測定値を用いてセットされる。プローブ特性の先行測定値はフィッティングされ、プロット上のトリガ時刻はこのフィッティングから導き出される。トリガ時刻は、常に発生すると考えられる一定の信号遅延又は処理遅延を考慮に入れることができ、その結果、トリガされた座標測定値は、先行するプローブ特性からのフィッティングに基づいて予期されるときに適切にタイミングされる。
【0023】
従って、何時トリガを発生するかを決定するためのリアルタイムプローブ特性測定を用いて、偽信号が除去され、一定の信号及び処理遅れが除去され、座標測定値が正確なタイミングで取り込まれる。これは図4Aの下側部分に示されており、ここで、プローブのたわみはトリガ信号がプローブを停止するまで増加している。先行するプローブ特性の測定に基づいてトリガ信号がプローブを停止するのに用いられたときに座標測定値が取り込まれる。
【0024】
いくつかの適用分野においては、トリガを示す第1の信号に加えて、停止を示す第2の信号が用いられる。停止信号の使用が図4Bに示されている。図4Bにおいて、停止信号はトリガ信号と同様であるが、より高い(電圧)レベルの停止トリガによって発生される。停止信号は、トリガを確認する期待された方法で上昇するたわみ信号(電圧)が継続したときに、より速いトリガ信号を確認することによって、偽のトリガ信号を回避するのに用いられる。図4Bの上側部分で示される構成において、トリガが発生されると、プローブたわみの座標軸位置がログされるが、プローブの移動は継続する。停止信号がトリガされたときのみ、プローブは停止し、ログされた座標軸位置が、座標の測定点として用いられる。トリガが発生されたが、停止信号は発生されない場合、トリガは偽のトリガと見做され、ログされた軸位置は廃棄される。言い換えると、停止信号は、先行してログされた座標測定値の軸位置が適切に取り込まれたかの確認として用いられ、続く適切な停止信号が無い場合には偽のトリガが除外される。
【0025】
図4Bの下側部分は、測定センサ用高速接触検出器を用いた時間に対する変位のプロットを示す。このプロットにおいて、トリガ時刻は、トリガレベル及び停止レベルというよりもむしろプローブ特性の先行測定値を用いてセットされる。プローブ特性の先行測定値はフィッティングされ、プロット上のトリガ時刻はこのフィッティングから導き出される。トリガ時刻は、常に発生すると考えられる一定の信号遅延又は処理遅延を考慮に入れることができ、その結果、トリガされた座標測定値は、先行するプローブ特性からのフィッティングに基づいて期待されるときに適切にタイミングされる。図4Bの下側部分において、停止信号は完全に回避されている。従って、遅れを除外することに加えて、確認のための停止を待つのに使われる時間も除外される。従って、プローブが移動し、プローブ特性が捉えられ、プローブの同じ移動中に捉えられた先行して捉えられたプローブ特性のフィッティングに基づいてトリガ時刻が特定される。
【0026】
従って、何時トリガを発生するかを決定するためのリアルタイムプローブ特性測定を用いて、偽信号が除去され、一定の信号及び処理遅れが除去され、停止信号が不要となり、座標測定値が正確なタイミングで取り込まれる。これは図4Bの下側部分に示されており、ここで、プローブのたわみはトリガ信号がプローブを停止するまで増加している。先行するプローブ特性の測定に基づいてトリガ信号がプローブを停止するのに用いられたときに座標測定値が取り込まれる。
【0027】
更に、停止を示すのに用いられるのに用いられる第2の信号は、前記高速接触検出器によって使用可能である。前記高速接触検出器によって使用される場合、停止信号は従来の接触検出器と同様の機能を持つことができる。更に、ここに記載した(フィッティング及び外挿を共に含む)接触を予想するのに用いられるアルゴリズムを、停止レベル検出を予測したり、設定するのに用いることができる。
【0028】
トリガされた座標測定は、プローブとワークの接触が検出された時(接触移動)、及び、プローブとワークの接触が失われた時(接触外れ移動)の両方のように2回取込むこともできる。従って、単一点の座標を測定する各プローブ動作の間に、同じトリガレベルで二つのトリガが発生される。そのような処理は、同じ移動の間にプローブ特性の同じタイミングのフィードバックを用いる。即ち、プローブがワークから一度退避し始めると、たわみのようなプローブ特性が取り込まれ、座標がいつ取り込まれるべきか決定するのに用いられる。
【0029】
あるいは、第2のトリガレベルは、プローブ退避用の接触外れ運動のための座標測定時刻をセットするのに用いられ、ずっと低いトリガ値を用いることが可能である。プローブが退避している時、プローブ特性は、(ほぼ)ゼロのように低いトリガレベルが外挿されるフィッティングを発生するのに用いられる。即ち、ここに記載するように、同じ動きから存在する特性測定値を用いた処理が、ゼロのように低いトリガレベルを外挿するのに用いられ、これから、測定力が(ほぼ)ゼロであり、プローブがワークからほぼ完全に離れたときのトリガ時刻がセットされる。
【0030】
同じ単一点プローブ運動から測定されたたわみ特性からのデータが取り込まれ、ここで述べるような方法でフィッティングされる。直線的又は高次のオーダーのフィッティングがデータに対して特定される。プローブと座標測定機が接触の瞬間とプローブが減速される瞬間の間の時間を一定速度で相対移動すると仮定すると、プローブ特性からの接触検出は、直線関数、即ち、y=m・t+b(ここでmは勾配、tは時間、bはフィッティングのオフセット)によって記述される。同じアプローチを用いて、より高次のフィッティングが発生できるが、そのようなフィッティングは発生するのが、より複雑である。X方向には直線的なフィッティング、Y方向には二次フィッティングのように、異なるアプローチ方向に対して異なる(次数の)フィッティングを発生することもできる。更に、異なる次数のフィッティングは、異なる座標測定機に対して発生させることができ、その結果、フィッティングを発生させるための指令は、異なるモデル及び異なる環境に対して変化する。オペレータは、異なる座標測定機及び異なるプローブ、ワーク、及び一般的に異なる環境に対して発生されるフィッティングの次数を入力することができる。フィッティングを信号の信頼性を向上するためのフィルタと考えると、信号の信頼性を向上するためフィッティングは他のフィルターと共に用いることができる。測定され、又は見積もられたプローブ速度に基いて多くの適切なフィッティングがダイナミックに特定される場合には、マルチフィッティングが実行される。
【0031】
この記載の目的で、線形(一次)フィッティングが用いられるが、高次のフィッティングや、方向依存フィッティングも可能であることは明らかである。フィッティングを記述する式の作用パラメータは、測定されたプローブたわみ量を用いた線形回帰を行うことによって得られる。計算された作用パラメータは、最小2乗推定量を表わし、これは、作用パラメータを計算するのにプローブたわみの平方誤差が加算されることを意味する。理論的には、回帰を解いてフィッティングを記述した式の作用パラメータを発生させるのに2つの少ないデータ点で十分である。しかしながら、より多くのデータ点は、信号中に存在する測定ノイズのような外乱を減衰させるのを可能にする。フィッティング処理は、コントローラ上に実現され、ここで、計算の多くは予め又は外部で行われ、線形多項式のみがリアルタイムでローカルに評価される。
【0032】
図2は、この開示の一側面に従う、測定センサ用高速接触検出器の処理を示す。図2に示されるように、S205でプローブ特性のためのトリガ値がセットされる。プローブ特性は、1以上の次元におけるたわみであったり、一定で、接触検出器によって測定される、一定で正確な異なるプローブ特性であることができる。S210で、プローブは、ワークに向けて移動される。S215で、プローブ特性が測定され、S220で、プローブ特性のデータがバッファされる。プローブ移動からの測定された一連のプローブ特性が、フィッティングを記述する式を発生するために発生される。望ましいフィッティングを発生させるのに十分なプローブ特性の測定が行われていないとき(S225=No)、処理はプローブが移動している間にS215に戻り、S215でプローブ特性が再び測定され、S220でデータがバッファされる。勿論、所望のフィッティングを発生させるのに十分な測定が行われた時にも、プローブ特性を続けて測定して、例えば、更新されたフィッティングを発生させたり、フィッティングを記述するのに発生された最初の式を評価するのに用いることができる。
【0033】
プローブ特性の十分な測定が行われると(S225=Yes)、S230でプローブ特性のバッファされたデータに基づいて一次又は高次のフィッティングが発生される。S235でフィッティング式の外挿がトリガ値まで行われ、S240でトリガ値が到達するまでの予測時刻又は繰り返し数が計算される。言い換えると、フィッティング処理は時間に対する特性(この例ではたわみ)のプロット上の線又は曲線に対応する式を発生させる。フィッティングを記述するのに発生された式を用いて、閾値特性が到達するまでの時間が計算/予測される。S245で、予測された時刻に対するトリガが発生される。座標測定機の実際の目標である座標が、予期され/計算され/予測された時刻でS250で測定される。S255で、ワークに向けてのプローブの相対移動が停止され、ワーク上の他の座標点を測定するために、図2の処理が再び開始される。図2の再開された処理は、他の角度及び/又は方向からのワークに向けてプローブがアプローチする運動であり、ワーク形状の他の座標が特定される。他の同様の実施形態において、図2中に示されるようなステップの処理が、接触外れ運動のために、いつプローブがワークとの接触から外れたのかを確認するのに適合した閾値を特定するのに用いられる。
【0034】
図2に示される処理において、選択されたデータ点が単一の間隔(即ち、時間的な間隔)で集められるのみであると、処理中のアルゴリズムは、トリガが与えられるまでの点の予期される数を計算することができる。プローブ特性データのそのような間欠的な収集において、データ点は、時間又は例えば空間的な移動の全ての繰り返しに対して自動的に集められない。この場合、間隔を持った空間の要求の為、特性の測定がたとえ取り込まれなくても、コントローラによって時間又は空間的な運動の繰り返しによってトリガが発生される。言い換えると、アルゴリズムは、トリガがセットされるまでの時間又は繰り返し(ステップ)の数の予期される量を計算して、間欠的な処理で取り込まれる特性測定に対応する時刻の一つでない時刻であっても座標測定をトリガする。即ち、コントローラは、間欠時刻で予定されるデータ点で、次の予定時刻の前にトリガを発生するようにプログラムされる。トリガ時刻で、プローブの座標が図2のS255のように取り込まれる。コントローラは時間ステップ(繰り返し)の計算された数まで待って、トリガを発生する。
【0035】
更に、制御システムによって使用されるトリガアルゴリズムは、プローブがワークに向かって移動している途中、及び、プローブがワークから離れて移動している途中で用いることができる。制御システムによって使用されるトリガアルゴリズムは、接近中及び離れている途中の両方で用いることができる。既に説明したように、トリガはプローブの退避動作において、プローブ特性からフィッティングされた外挿時刻に基いて、接触がほぼゼロであるときの離れている途中の座標測定を取り込むようにセットすることができる。
【0036】
従って、測定センサ用高速接触検出器は、プローブ座標を測定するのに用いられるタッチトリガ信号のための非常に正確な結果を達成する。タッチトリガ信号は、一定のたわみで、非常に再現性の高い方法で発生され、ワークの異なる測定でプローブの一致した結果を与える。偽トリガの数は、時刻又は対応する繰り返し数を、リアルタイムで閾値に合致するように測定され、決定された特性のレベルよりもむしろ、同じ運動の中で予め測定した結果に基づいて設定することにより減少される。測定センサ用高速接触検出器は、実際の(物理的な)プローブトリガたわみとコントローラによるタッチトリガ信号の発生間の遅延を最小限にすることができ、一定の信号又は処理遅れを補償することができる。更に、トリガに対してセットされた時刻又は対応する繰り返し数の前に、振動のようなノイズの影響によって物理的に発生された偽トリガを受入れなかったり、無視したり、廃棄したり又は利用しないことによって、偽トリガを避けることができる。
【0037】
図6は、プローブ特性として測定され、ここで述べる方法で使用されるたわみの短い一連の経過を示す。図の左側で、三角形のプローブと垂直のワーク間の相対的なアプローチが示され、ここで、三角形のプローブの角度は、ワークにプローブが押し付けられるに従って増加している。図示された経過の右側で、三角形のプローブは垂直のワーク中に入り込んでいる。プローブとワーク間の相対的な接触の経過を反映するこれら又は他のたわみ特性は、ここで述べるプローブ特性として用いられる。
【0038】
特性の先行測定は、同じワークに対する同じ高速処理及びプローブ移動の測定から取り込まれる。ここに記載した方法でセットされたトリガは、従って、測定されるワーク、測定に用いられる高速接触測定器、処理装置、オペレータによって設定されたフィッティングの次数、及び、トリガがセットされる実際の環境に特別な他の詳細の特性を反映している。
【0039】
フィッティングの時間成分を予め計算することを許容し、高速接触検出器が動作している時にこの時間成分をリアルタイムでローカルに処理するのを避けるのに役立つ固定されたタイムウィンドウの使用によって遅れを最小化することもできる。これは、ローカルコントローラにおけるリアルタイムの計算力と負荷を大幅に低減し、より早いアルゴリズムを結果として生じ、これは、FPGAのような並列リアルタイム計算処理に特に有用である。更に、ここで述べるように、逆行列を明示的に計算することなく、少ない数の計算及び少ないサンプル遅れによってアルゴリズムが実行される。
【0040】
測定特性の時間的な間隔の使用は、計算の要求を減らすのを助ける。時間的な間隔空けは、データ点が集められる方法について言及し、そうでなければサンプルが取り込まれるべき処理中の全ての時刻又は繰り返しにおけるサンプルの取り込みでない間欠サンプリングを許容する。時間的な間隔を伴わないアルゴリズムは、利用可能な全ての測定点を集め、これらの点を、更にデータ処理に用いる。時間的な間隔を伴うアルゴリズムは、データ点をある間隔、例えば10番目の利用可能な測定点毎のデータ点をとって記録する。測定センサ用高速接触検出器のために用いられるアルゴリズムでは、次のものを含む幾つかのデータ収集オプションが可能である。
1.)全ての点の使用。
2.)一定の間隔毎に選択された点を使用した時間的な間隔空け。これは、例えば注目点の回りの複数の点の平均値を取り込むフィルタの使用の可能性を許容する。
3.)変化する間隔で選択された点を用いた時間的な間隔。これは、注目点の回りの平均値を取り込む可能性と、シフティングバッファを用いた最後の測定点を常に含む可能性を許容する。
【0041】
全てのデータ点を用いたアルゴリズムの簡略版が以下に説明される。後で、データ点間の時間的な間隔空けを用いたアルゴリズムが説明される。この時間的な間隔空けは、測定特性のデータのバッファサイズを増やすことなく(従って、オンラインのリアルタイムローカル計算を増やすことなく)ノイズフィルタリングのためのより大きなタイムウィンドウの使用を可能とする。
A.固定された時間的な間隔空けを伴うフィッティング
【0042】
固定された空間的な間隔空けを伴うフィッティングにおいて、アルゴリズムは、測定されたたわみ値(dmeas)に対して一次関数をフィットする。その結果、プローブのたわみを記述する関数は、次のようになる。
ここで、θは切片項(フィッティングがy軸を横断する値)、θはフィッティングの勾配である。
二つのフィッティングパラメータのための数値は、次のような通常の最小二乗回帰を行うことによって解析的に見つけられる。
ここで、
上の(5)式において、tは3Dプローブたわみdmeas(t)が取り込まれた時刻iを示す。
【0043】
従来、フィッティングパラメータを見つけるためには、フィッティングパラメータが再計算される度に式を評価する必要があり、計算は、一般的に費用がかかる計算である、幾つかの行列の乗算と行列の逆を取ることを含む。ここに述べるような高速処理中のフィッティングは、比較的頻繁に更新される(例えばプローブ座標を得るためのプローブの移動毎)ので、座標測定機によって使用されるローカルな装置に過大な負荷をかけないようにオンライン計算を減らす利益がある。これは、t=0の値が現在の時刻を表す移動タイムウィンドウ中に測定値を取り込むことによってなされる。更に、計算の数値的な正確性は、秒の代わりにサンプル中の時間値(即ち繰り返し対特定時刻)で表わすことによって増加する。処理は、固定されたサンプル周波数に依存しない。
【0044】
(5)式に適用された上記の移動タイムウィンドウ用の一定のX行列が得られる。
ここで、nは、フィッティングパラメータを決定するのに用いられるデータ点の数である。Xは一定であるので、(4)式の左辺は予め計算することができ、その結果、フィッティングパラメータのベクトルは次式で与えられる。
ここで、
は、一定の2×n行列であり、データ点の数nのみに依存する。
【0045】
上記式中のXは固定されており、フィッティング(n)のために用いられるデータ点の数にのみ依存するという事実の為、M行列は予め決定され、座標測定機によってリアルタイム又はローカルで決定されない。本質的に、オンライン計算は、次の形の二つの線形多項式に減らされる。
ここで、Mfit(1,j)及びMfit(2,j)は、フィット行列Mfitのj列の要素を表わす。従って、特性測定のためのフィッティングを記載した式を計算するための処理は、並列ハードウェア乗算器及びFPGAの加算器によって評価するのに敵している。
【0046】
fitの要素の微分の為、(8)式から逆転された行列が、まず次のようにして計算される。
【0047】
2×2行列の逆
は、次式によって与えられる。
【0048】
従って、XX行列の行列式は、次式によって与えられる。
又、随伴行列は次式によって与えられる。
【0049】
これらの結果を用いて、Mの式は次のように単純化される。
ここで、
従って、
【0050】
各データ点がバッファに加えられないフィッティングを説明する前に、閾値に到達するまでの時間を発生するための全体的な処理を図3を参照して説明する。図3において、固定値で間隔を空けた点のフィット行列Mfit中のj列の代表値は、予め計算して、S305のフィッティング処理の時間成分としてセットされる。更に、S325でトリガレベルStriggerが予め計算される。S310で、プローブたわみ特性が1以上の特定の時刻又は繰り返しで測定され、その結果のデータがS315でバッファされる。バッファされたデータ及び行列(M)からS320でフィッティングベクトルθが発生される。フィッティングべクトルθ及びトリガレベルStriggerが、S330でトリガレベルに到達するまでの点の数ρを計算するのに使用される。S335でトリガ遅れ補償が得られ、S340で、トリガを発生する際の一定の信号又は処理遅れが保障され、S345でトリガがρに対して発生される。これは、測定点の計算された数プラストリガ遅れ補償の和の時刻である。S350で、座標測定がトリガされる。図示されてはいないが、S310で新しいプローブたわみ測定が得られる毎に処理が繰り返され、新しいトリガ時刻が計算される。
【0051】
説明したように、S310で得られ、S315でバッファされたたわみ値は、ここで説明する処理中で座標が測定されるトリガ時刻を得るのに使用される。プローブとワーク間の接触経過によって直線で変化する他の同様な特性もプローブ特性として記載されるという理解の下で、この記載中では、たわみ値はプローブ特性として広く記載されている。
B.パラメトリックな時間的間隔空けを伴うフィッティング
【0052】
上記の固定された時間的な間隔空けのフィッティングを記載する際に、実際の各サンプル時刻毎にデータ点が測定バッファに加えられると仮定されていた。従って、実際に使用されるタイムウィンドウの長さは、目標とするハードウェアの容量によって制限される。ハードウェアを制限する因子は、メモリサイズとサンプル毎などに行われる乗算の数のような処理能力を含む。しかしながら、既に説明したように、n番目のデータ点毎にバッファに加えるのみで、メモリへの要求を増やすことなく、測定ウィンドウの時間的な長さを増やすことができる。これは、以下に説明するフィッティングパラメータの計算を暗示している。
【0053】
【0054】
次に、結果として生じたMfitは先に説明した固定された時間的な間隔空けのアプローチと同様に導き出される。
【0055】
これらの式により、フィッティング行列Mfit中のj列の代表値が微分され、パラメトリックな時間間隔を用いた時に、全てのデータ点を含んでいないタイムウィンドウである点を除き、勾配とオフセットのための線形パラメータを得るために既に説明した同じ線形多項式中で用いられる。
【0056】
フィッティングパラメータが決定された後、フィッティングは、次のサンプルの間にトリガ閾値レベルが横切られるか予測されるために外挿される。これは、特性測定のための次の時刻又は繰り返しが、最適な座標測定点のための時刻を超えたときに、最適な座標測定点をミスしないように保証するのを助ける。切片項θは、現在のフィルタリングされたプローブたわみを表わすのに対して、勾配項θは、サンプル毎のフィッティングのたわみの変化を与える。従って、時刻tnp即ち、現在の時刻のn後のたわみ値dpredの予測は、次式によって得られる。
【0057】
制御ユニットが10サンプルの入力−出力遅れを有する例において、少なくとも10サンプルの予測水平軸が使用される。従って、トリガ発生用のルールは次のようになる。
これは、トリガが、現在のたわみにサンプル毎のたわみ量の期待される変化に10サンプル分の遅れを掛けたものを加えたものが、トリガレベルよりも大きくなる前にトリガが発生されるべきであることを示している。
【0058】
ここに記載した処理中で考慮されたもう一つの因子は、ノイズを合理的に正確な予測まで減らすために用いられる測定点の数である。ウィンドウの数は、予測偏差の最小二乗フィッティングの効果を調べることによって計算される。測定信号がN(0,σ)によって特徴づけられる通常分布のホワイトノイズによって引き起こされる実際のプローブたわみを示すと仮定すると、LMSフィッティングの結果として生じる偏差は次式によって与えられる。
ここで、
【0059】
上の式から、nが増加すると結果として偏差は減ることが結論付けられる。従って、データ点の数は、偏差が所望の偏差よりも小さくなるように選ばれる。図5において、σ=1.1111・10−9mmのノイズレベルを仮定したフィッティングの例の偏差を示す。水平線は、目標予測偏差6.9444・10−11mmを示す。図5から、所望のノイズ減衰を達成するためには、少なくとも74の測定特性点が必要なことが解る。
【0060】
ここに述べた制御ユニットは、ソフトウェア指示を実行できる。プローブ信号A、B、Cに基いて、X、Y、Zチップ変位を計算するため、一つの特定プローブに対してT行列が用いられる。ここに述べるようなオフセットを考慮して、測定されたプローブのたわみ値からフィッティングパラメータベクトルが得られる。フィッティングパラメータベクトルは、次いで、ここに記載した処理によってトリガ時刻を発生するのに使用される。計算されたトリガ時刻で、プローブの座標が取り込まれ、プローブが停止される。74以上のデータ点を伴う図5の例を用いて、制御ユニットにより実行されるソフトウェア指示は、接触検出器がプローブとワークの間で74回以上接触させる。接触特性測定値は、次いで、フィッティングを発生させるのに使用され、これは次いで、接触特性測定値が閾値と合致する前に時刻を予測する。閾値が合致する時刻は、任意の予期される処理又は信号の遅れを考慮して、座標測定値を取り込むためのトリガ時刻としてセットされる。
【0061】
測定センサ用高速接触検出器が、幾つかの実施形態を参照して記載されていたが、用いられた文言は、限定のための文言というよりもむしろ、説明及び図示するための文言として用いられている。現に記載され、及び、補正される添付クレームの範囲内において、測定センサ用高速接触検出器の各側面における範囲及び精神から離れることなく、変化させることができる。測定センサ用高速接触検出器が特定の手段、材料及び実施形態を用いて説明されていたが、測定センサ用高速接触検出器は、開示された詳細に限定されることを意図しておらず、むしろ、測定センサ用高速接触検出器は、添付クレームの範囲内で全ての機能的に等価な構成、方法及び使用を含むように拡張される。
【0062】
この開示の一側面に従えば、接触検出器を用いたワークの測定方法は、ワークに向けて接触検出器を相対的に移動させる。前記接触検出器が前記ワークに接触する際に変化する前記接触検出器の特性が複数回測定される。前記接触検出器の特性が所定のしきい値に合致する予測時刻が、複数回測定された前記特性から、コンピュータのプロセッサを用いて外挿される。前記予測時刻で前記ワークの座標を測定するためのトリガがセットされる。前記ワークの座標の測定が、前記セットされたトリガに基づいて前記予測時刻にトリガされる。
【0063】
この開示の他の一側面に従えば、前記の方法は、更に、前記測定が取り込まれた時刻に基づいて、前記所定のしきい値に合致する前記特性の測定を廃棄することを含む。
【0064】
この開示の更に他の一側面に従えば、前記特性の測定が取込まれる時刻が前記予測時刻の前であり、前記特性の測定が廃棄された理由が、前記特性の測定が前記予測時刻よりも前に取り込まれたというものである。
【0065】
この開示の更に他の一側面に従えば、複数回測定された前記特性のデータが、前記特性の測定が取込まれた時にバッファされ、前記予測時刻が外挿された予測式への回帰に従ってフィッティングされる。
【0066】
この開示の他の一側面に従えば、前記方法は、更に、前記予測式に基づいて、前記予測時刻迄の前記特性の測定の予期されるくり返し数を決定することを含む。
【0067】
この開示の更に他の一側面に従えば、前記方法は、更に、前記接触検出器を用いて前記ワークを測定する前に行列を予め計算し、前記接触検出器を用いて前記ワークを測定するときに、前記行列を前記予測式中の時間成分として用いることを含む。この点に関して、接触検出器によって使用される行列は、接触検出処理の前に、ここで述べたコントローラ以外の異なる装置を用いて予め計算され得る。
【0068】
この開示の更に他の一側面に従えば、前記方法は、更に、複数回測定された前記特性のデータを、前記予測式中の振幅成分として用いることを含む。
【0069】
この開示の他の一側面に従えば、前記特性が、前記ワークとの接触に基づく前記接触検出器のたわみを含む。
【0070】
この開示の更に他の側面に従えば、前記たわみが複数の次元で測定される。複数回測定された前記特性は取込まれる時にバッファされ、前記予測時刻が外挿された予測式に対して多次元回帰に従ってフィッティングされる。前記予測時刻迄の特性の測定の予期されるくり返し数が、前記予測式に基づいて決定される。
【0071】
この開示の更に他の側面に従えば、前記たわみが、時間に対して実質的に一定の割合でインクリメンタルに増やされる。
【0072】
この開示の他の側面に従えば、前記特性の測定が取込まれる複数回の間、プローブが実質的に一定の速度で移動される。
【0073】
この開示の更に他の側面に従えば、前記方法は、更に、前記予測時刻でのワーク座標の測定のトリガが、予測時刻よりも処理時間分だけ早く開始されるように、処理の遅れが発生すると見積られる間の処理時間だけオフセットすることを含む。
【0074】
この開示の更に他の側面に従えば、前記方法は、更に、前記予測時刻を外挿する際に、全ての利用可能な特性の測定よりも少ない数の測定を用いることを含む。
【0075】
この開示の他の側面に従えば、前記方法は、更に、前記予測時刻よりも前に発生したトリガに基づくワーク座標の測定を取込むことなく、ワーク座標の測定を取込むためのトリガを廃棄することを含む。
【0076】
この開示の更に他の側面に従えば、前記接触検出器の特性が複数回測定される際に、前記接触検出器が所定の一定速度で前記ワークに向けて相対移動される。
【0077】
この開示の更に他の側面に従えば、前記方法は、更に、前記セットされたトリガに基づいて前記予測時刻にワーク座標が測定された後、前記接触検出器を退避させることを含む。
【0078】
この開示の他の側面に従えば、前記方法は、更に、前記セットされたトリガに基づく前記予測時刻に前記接触検出器の座標位置を特定することを含む。
【0079】
この開示の更に他の側面に従えば、前記接触検出器が同じワークに向かって相対移動する間に、前記接触検出器の異なる測定に対してダイナミックに変化するフィッティングを用い、予測時刻が外挿された予測式の回帰に従って、前記予測時間が外挿される。
【0080】
この開示の他の側面に従えば、コンピュータ装置が接触検出器を用いてワークを測定する。メモリは指令を記憶する。プロセッサは前記指令を実行する。前記プロセッサにより実行された時に、前記指令が前記プロセッサに、ワークに向けて接触検出器を相対的に移動させる動作を行わせる。前記接触検出器が前記ワークに接触する際に変化する前記接触検出器の特性を複数回測定する。前記接触検出器の特性が所定のしきい値に合致する予測時刻をコンピュータのプロセッサを用いて、複数回測定された前記特性から外挿する。前記予測時刻で前記ワークの座標を測定するトリガをセットする。前記ワークの座標の測定が前記セットされたトリガに基づいて前記予測時刻にトリガされる。
【0081】
この開示の他の側面に従えば、実体のあるコンピュータ読取可能な記憶媒体が、接触検出器を用いてワークを測定するためのコンピュータプログラムを記憶する。前記コンピュータプログラムが、プロセッサにより実行されたときに、コンピュータ装置に、ワークに向けて前記接触検出器を相対的に移動させることを含む処理を行わせる。前記接触検出器が前記ワークに接触する際に変化する前記接触検出器の特性が複数回測定される。前記接触検出器の特性が所定のしきい値に合致する予測時刻が、複数回測定された前記特性から、コンピュータのプロセッサを用いて外挿される。前記予測時刻で前記ワークの座標を測定するためのトリガがセットされる。前記セットされたトリガに基づいて前記予測時刻にワークの座標の測定がトリガされる。
【0082】
コンピュータ読取可能な媒体は、単一の媒体として図示されていたが、「コンピュータ読取可能な媒体」は、単一の媒体、又は、集中又は分散データベース、及び/又は1以上の指令のセットを記憶する連想キャッシュ及びサーバのような複数の媒体を含む。「コンピュータ読取可能な媒体」という文言は、更に、プロセッサによって実行される指令のセットを記憶し、エンコードし、持つか、又はコンピュータシステムがここに開示した1以上の方法又は動作を行うようにさせることができる任意の媒体を含む。
【0083】
特別に限定されない実施形態において、コンピュータ読取可能な媒体は、メモリカード又は1以上の不揮発性リードオンリーメモリが収容された他のパッケージのような固体メモリを含む。更に、コンピュータ読取可能な媒体は、ランダムアクセスメモリ又は他の揮発性リライタブルメモリであることができる。更に、コンピュータ読取可能な媒体は、ディスクまたはテープのような磁気−光又は光媒体、あるいは、伝達媒体を介して通信された信号のような搬送波信号を捉える他の記憶装置を含むことができる。更に、この開示は、データ又は指令が記憶される、任意のコンピュータ読取可能な媒体又は他の均等物、及び後継媒体を含むと考えられる。
【0084】
この明細書は、特定の標準およびプロトコルを参照して特定の実施形態中に実現された部品及び作用を記載しているが、この開示はそのような標準やプロトコルに限定されない。そのような標準は実質的に同じ作用を持つより効率的な均等物によって周期的にとって代わられる。従って、同じ又は類似の作用を持つ置き換えられた標準及びプロトコルは、その均等物と考えられる。
【0085】
ここに記載した実施形態の図は、様々な実施形態の構成の一般的な理解を与えることを意図している。図面は、ここに記載した開示の全ての要素及び様相を完全に記述するものとして役立てようと意図されてはいない。開示を参照した多くの他の実施形態が当業者に明らかである。開示から他の実施形態が利用可能で導き出せ、開示範囲から離れることなく、構造的及び論理的置き換え及び変化が可能である。更に、図面は単に代表的なものであり、正確な縮尺で描かれてはいない。図面内のある部分は強調されているのに対し、他の部分は最小限に縮められている。従って、開示及び図面は、限定的というよりもむしろ説明的とみなされるべきである。
【0086】
「発明」という文言によってここで個別的に及び/又は集合的に引用された1以上の開示の実施形態は、単に便宜上のものであり、本願の範囲を何らかの特定の発明又は発明概念に任意に限定することを意図してはいない。更に、ここに特定の実施形態が図示され記載されていたが、同じ又は類似の目的を達成するように設計された後続する配置が、示された特定の実施形態に置き換えられることが理解されるべきである。この開示は、様々な実施形態の全ての後続する改良又は変形をカバーすることを意図している。上記の実施形態の組合せ及び、ここに特に記載されていない他の実施形態が明細書を見た当業者に明らかであろう。
【0087】
開示の要約は、クレームの範囲又は意味を解釈したり限定することに使われないという理解のもとに提出されている。更に、前記の詳細な説明において、開示を分かり易くする目的で様々な様相が互いに組み合わされたり、又は一つの実施形態中に記載されている。この開示は、各クレーム中で明示された以上の様相をクレームされた実施形態が必要とするという意図を反映して解釈されるべきでない。むしろ、以下のクレームは、開示された実施形態の任意の様相の全てよりも少ない発明性がある主題に向けられるよう反映している。従って、以下のクレームは、各クレームがそれ自体で独立したクレームされた主題を規定するものとして、詳細な説明中に取込まれている。
【0088】
開示された実施形態の前記の記載は、この開示を当業者が作ったり使用したりするのを可能とするために与えられている。従って、上記の開示された主題は、説明として考慮されるべきで、限定として考慮されるべきでなく、添付のクレームは、この開示の真の精神及び範囲に入る全ての改良、増強及び他の実施形態をカバーすることを意図している。従って、法によって許される最大限の範囲で、この開示の範囲は、次のクレーム及びその均等物で最大限許される解釈によって規定され、前記の詳細な説明によって制限されたり限定されるべきでない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6