(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6122854
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】金属層を有する基板を製造する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 29/786 20060101AFI20170417BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20170417BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20170417BHJP
H01L 21/285 20060101ALI20170417BHJP
H01L 29/417 20060101ALI20170417BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20170417BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20170417BHJP
H01L 23/532 20060101ALI20170417BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20170417BHJP
C23C 16/18 20060101ALI20170417BHJP
C23C 16/42 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
H01L29/78 618C
H01L29/78 618B
H01L29/78 617M
H01L29/78 617K
H01L29/78 617T
H01L29/78 618A
H01L21/28 301R
H01L21/285 C
H01L29/50 M
H01L21/90 A
H01L21/88 R
H01L29/06 601N
C23C16/18
C23C16/42
【請求項の数】18
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-533260(P2014-533260)
(86)(22)【出願日】2011年9月29日
(65)【公表番号】特表2014-535159(P2014-535159A)
(43)【公表日】2014年12月25日
(86)【国際出願番号】US2011054051
(87)【国際公開番号】WO2013048417
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2014年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ロメロ、パトリシオ イー.
(72)【発明者】
【氏名】クレンデニング、スコット ビー.
【審査官】
小堺 行彦
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0121703(US,A1)
【文献】
国際公開第2011/102396(WO,A1)
【文献】
米国特許第06562708(US,B1)
【文献】
国際公開第2011/056519(WO,A1)
【文献】
特開2006−257073(JP,A)
【文献】
特開平11−224947(JP,A)
【文献】
特開2005−217176(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0195569(US,A1)
【文献】
特開2006−028572(JP,A)
【文献】
特開2005−167132(JP,A)
【文献】
特開2002−280562(JP,A)
【文献】
特表2005−510874(JP,A)
【文献】
特開2003−152077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/786
C23C 16/18
C23C 16/42
H01L 21/28
H01L 21/285
H01L 21/3205
H01L 21/336
H01L 21/768
H01L 23/532
H01L 29/06
H01L 29/417
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属層を有する基板を製造する方法であって、
表面を有する基板を準備することと、
前記基板の表面を気相状の第1の前駆体分子に曝すことであって、前記第1の前駆体分子が金属M1(金属M1は2族〜7族金属又はAlであり、金属M1は、少なくとも2つのシリコン原子、ゲルマニウム原子、又はシリコン原子及びゲルマニウム原子に直接結合する)を含む、ことと、
残るガス状の第1の前駆体分子を全て除去することと、
前記基板の表面を第2の気相状前駆体分子M2Xn(式中、Xはハロゲンであり、nは2〜6(両端を含む)の数字であり、M2は2族〜7族金属又はAlであり、M1及びM2は同じ金属又は異なる金属である)に曝すことと、
残るガス状の第2の前駆体分子を全て除去することと、
前記基板の表面上にM1とM2とを含む層が作製されるように、前記基板を前記第1の前駆体分子に曝すこと、ガス状の第1の前駆体分子を全て除去すること、前記基板を前記第2の前駆体分子に曝すこと、及び、残るガス状の第2の前駆体分子を全て除去することという要素を少なくとも1回繰り返すことと、
を含む、製造方法。
【請求項2】
M1及びM2が、Zr、Be、Mg、Ca、Sr、Al、Sc、Y、Ti、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W及びMnからなる群から選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記第1の前駆体分子が2つの2族〜7族金属原子又はAlを含む、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記第1の前駆体分子が、((CH3)3Si)3Al・N(CH3)2(CH2CH3)、((CH3)2ArSi)3Al・N(CH3)2(CH2CH3)、((CH3)3Si)3Al(キヌクリジン)、((CH3)3Ge)3Al(キヌクリジン)、((C4H9)3Si)2Mn、((C4H9)3Si)2Mn・N(CH3)3、((CH3)3Ge)2Mn(テトラメチルエチレンジアミン)及び((C4H9)3Si)2Ti・N(CH3)3からなる群から選択される、請求項1から3の何れか1項に記載の製造方法。
【請求項5】
M1が、−SiR1R2R3、−GeR1R2R3、又はそれらの組合せ(式中、R1、R2及びR3は、同じか又は異なり、かつ、ヘテロ原子含有及び非ヘテロ原子含有アルキル、アリール、シクロアルキル、アルケン、アルキン、環式基及び多環式基からなる群から選択されるアルキル基であり、ヘテロ原子がハロゲン、O、N、S、P、Si及びGeからなる群から選択される)である少なくとも2つの官能基に結合する、請求項1から4の何れか1項に記載の製造方法。
【請求項6】
M1が、Al、Ti、Sc、Y、Zr又はHfであり、M1が、−SiR1R2R3、−GeR1R2R3、又はそれらの組合せ(式中、R1、R2及びR3は、同じか又は異なり、かつ、アルキル、アリール、シクロアルキル、アルケン、アルキン、環式基及び多環式基からなる群から選択されるアルキル基であり、ヘテロ原子がハロゲン、O、N、S、P、Si及びGeからなる群から選択される)である少なくとも3つの官能基に結合する、請求項1から5の何れか1項に記載の製造方法。
【請求項7】
金属層を有する基板を製造する方法であって、
表面を有する基板を準備することと、
前記基板の表面を気相状の第1の前駆体分子に曝すことであって、前記第1の前駆体分子が金属M1(金属M1は2族〜7族金属又はAlであり、金属M1は、少なくとも2つのシリコン原子、ゲルマニウム原子、又はシリコン原子及びゲルマニウム原子に直接結合する)を含む、ことと、
残るガス状の第1の前駆体分子を全て除去することと、
前記基板の表面を第2の気相状前駆体分子M2Xn(式中、Xはアルコキシド基であり、nは2〜6(両端を含む)の数字であり、M2は2族〜7族金属又はAlであり、M1及びM2は同じ金属又は異なる金属である)に曝すことと、
残るガス状の第2の前駆体分子を全て除去することと、
前記基板の表面上にM1とM2とを含む層が作製されるように、前記基板を前記第1の前駆体分子に曝すこと、ガス状の第1の前駆体分子を全て除去すること、前記基板を前記第2の前駆体分子に曝すこと、及び、残るガス状の第2の前駆体分子を全て除去することという要素を少なくとも1回繰り返すことと、
を含む、製造方法。
【請求項8】
M1及びM2が、Zr、Be、Mg、Ca、Sr、Al、Sc、Y、Ti、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W及びMnからなる群から選択される、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記第1の前駆体分子が2つの2族〜7族金属原子又はAlを含む、請求項7または8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記第1の前駆体分子が、((CH3)3Si)3Al・N(CH3)2(CH2CH3)、((CH3)2ArSi)3Al・N(CH3)2(CH2CH3)、((CH3)3Si)3Al(キヌクリジン)、((CH3)3Ge)3Al(キヌクリジン)、((C4H9)3Si)2Mn、((C4H9)3Si)2Mn・N(CH3)3、((CH3)3Ge)2Mn(テトラメチルエチレンジアミン)及び((C4H9)3Si)2Ti・N(CH3)3からなる群から選択される、請求項7から9の何れか1項に記載の製造方法。
【請求項11】
M1が、−SiR1R2R3、−GeR1R2R3、又はそれらの組合せ(式中、R1、R2及びR3は、同じか又は異なり、かつ、アルキル、アリール、シクロアルキル、アルケン、アルキン、及び多環式基からなる群から選択されるアルキル基である)である少なくとも2つの官能基に結合する、請求項7から10の何れか1項に記載の製造方法。
【請求項12】
M1が、Al、Ti、Sc、Y、Zr又はHfであり、M1が、−SiR1R2R3、−GeR1R2R3、又はそれらの組合せ(式中、R1、R2及びR3は、同じか又は異なり、かつ、アルキル、アリール、シクロアルキル、アルケン、アルキン、及び多環式基からなる群から選択されるアルキル基である)である少なくとも3つの官能基に結合する、請求項7から11の何れか1項に記載の製造方法。
【請求項13】
金属層を有する基板を製造する方法であって、
表面を有する基板を準備することと、
前記基板の表面を、金属を含む前駆体分子に曝すことであって、前記金属が2族〜7族金属又はAlであり、前記金属が、少なくとも2つのシリコン原子、ゲルマニウム原子、又はシリコン原子及びゲルマニウム原子に直接結合する、ことと、
残るガス状の前駆体分子を全て除去することと、
前記基板の表面を水素に曝すことと、
残る水素及びガス状反応生成物を全て除去することと、
前記基板の表面上に前記金属を含む層が作製されるように、前記基板を前記前駆体分子に曝すこと、ガス状の前駆体分子を全て除去すること、前記基板を水素に曝すこと、並びに、残る水素及びガス状反応生成物を全て除去することという要素を複数回繰り返すことと、
を含む、製造方法。
【請求項14】
前記金属が、Zr、Be、Mg、Ca、Sr、Al、Sc、Y、Ti、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W及びMnからなる群から選択される、請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
前記前駆体分子が2つの2族〜7族金属原子又はAl金属原子を含む、請求項13または14に記載の製造方法。
【請求項16】
水素を分子水素又はプラズマ励起された水素の形態で供給する、請求項13から15の何れか1項に記載の製造方法。
【請求項17】
前記前駆体分子が、((CH3)3Si)3Al・N(CH3)2(CH2CH3)、((CH3)2ArSi)3Al・N(CH3)2(CH2CH3)、((CH3)3Si)3Al(キヌクリジン)、((CH3)3Ge)3Al(キヌクリジン)、((C4H9)3Si)2Mn、((C4H9)3Si)2Mn・N(CH3)3、((CH3)3Ge)2Mn(テトラメチルエチレンジアミン)及び((C4H9)3Si)2Ti・N(CH3)3からなる群から選択される、請求項13から16の何れか1項に記載の製造方法。
【請求項18】
前記金属が、Al、Ti、Sc、Y、Zr又はHfであり、前記金属が、−SiR1R2R3、−GeR1R2R3、又はそれらの組合せ(式中、R1、R2及びR3は、同じか又は異なり、ヘテロ原子含有及び非ヘテロ原子含有アルキル、アリール、シクロアルキル、アルケン、アルキン、環式基及び多環式基からなる群から選択されるアルキル基であり、ヘテロ原子がハロゲン、O、N、S、P、Si及びGeからなる群から選択される)である少なくとも3つの官能基に結合する、請求項13から17の何れか1項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は包括的に、集積回路素子、半導体素子、金属インターコネクト、トランジスタ、コンフォーマルフィルム、原子層堆積法、化学気相成長法及び化学的堆積法に関する。
【背景技術】
【0002】
更に小型で高集積化された回路(IC)素子及び他の半導体素子に対する推進には、これらの素子を構成するのに使用される技法及び材料に関する膨大な要求が存在している。概して、集積回路チップは、マイクロチップ、シリコンチップ又はチップとしても知られている。ICチップは、コンピュータ内のマイクロプロセッサ、自動車、テレビ、CDプレーヤ及び携帯電話等の多様な共通の機器に含まれている。複数のICチップは典型的に、シリコンウエハ(例えば300mmの直径を有する薄型シリコンディスク)上に構築され、加工後に、ウエハを切り離して個々のチップを作製する。およそ約90nmの加工寸法(feature sizes)を有する1cm
2のICチップは、何億もの構成部品を備えることができる。現行技術では、加工寸法を45nmよりも更に小さくしようとしている。ICチップの構成部品としては、例えば、CMOS(相補型金属−酸化物−半導体)素子等のトランジスタ、容量性構造、抵抗性構造、及び構成部品と外部素子との間に電気接続をもたらす素地面が挙げられる。他の半導体素子としては、例えば、様々なダイオード、レーザ、光検出器及び地磁気センサが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1A】基板表面上に、陽性金属を含む薄型コンフォーマルフィルムを形成するのに有用な方法を示す図である。
【
図1B】基板表面上に、陽性金属を含む薄型コンフォーマルフィルムを形成するのに有用な方法を示す図である。
【
図2A】本発明の実施形態に有用な一前駆体分子を示す図である。
【
図2B】本発明の実施形態に有用な一前駆体分子を示す図である。
【
図2C】本発明の実施形態に有用な一前駆体分子を示す図である。
【
図2D】本発明の実施形態に有用な一前駆体分子を示す図である。
【
図2E】本発明の実施形態に有用な一前駆体分子を示す図である。
【
図2F】本発明の実施形態に有用な一前駆体分子を示す図である。
【
図3A】本発明の実施形態に有用な更に例示的な前駆体分子を示す図である。
【
図3B】本発明の実施形態に有用な更に例示的な前駆体分子を示す図である。
【
図3C】本発明の実施形態に有用な更に例示的な前駆体分子を示す図である。
【
図3D】本発明の実施形態に有用な更に例示的な前駆体分子を示す図である。
【
図3E】本発明の実施形態に有用な更に例示的な前駆体分子を示す図である。
【
図3F】本発明の実施形態に有用な更に例示的な前駆体分子を示す図である。
【
図3G】本発明の実施形態に有用な更に例示的な前駆体分子を示す図である。
【
図3H】本発明の実施形態に有用な更に例示的な前駆体分子を示す図である。
【
図3I】本発明の実施形態に有用な更に例示的な前駆体分子を示す図である。
【
図4】トライゲートトランジスタ素子を示す概略図である。
【
図5A】積層ナノワイヤトランジスタ素子を示す概略図である。
【
図5B】積層ナノワイヤトランジスタ素子を示す概略図である。
【
図5C】積層ナノワイヤトランジスタ素子を示す概略図である。
【
図7】本発明の実施態様に従って構築される演算素子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
陽性金属及び高次に陽性の金属の堆積では、望ましくない要因の組合せに起因して、これらの金属元素を含む半導体素子の製造について難題が存在する可能性がある。望ましくない要因としては、陽性金属を還元するのに必要とされる極めて高いエネルギー、並びに炭素、窒素及び酸素に対する大半の陽性金属の高い親和性が挙げられる。CVD(化学気相成長)法又はALD(原子層堆積)法を用いた陽性金属の堆積は、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、又はこれらの化学種の組合せ等の望ましくない非化学量論的な二相及び三相の堆積をもたらすおそれがある。炭素、窒素及び/又は酸素は多くの場合、1つ又は複数の陽性金属から形成される所望フィルムの性能を低下させるおそれがある望ましくない構成要素である。
【0005】
本発明の実施形態は、ALD法及び/又はCVD法を用いて、陽性金属を含む層を形成する方法、1つ又は複数の陽性金属を含む層及び1つ又は複数の陽性金属を含む層を備える半導体素子を提供する。本発明の実施形態において、該フィルムは、薄型又は超薄型(100Å厚未満である)フィルム及び/又はコンフォーマルフィルムである。有益には、本発明の実施形態によるフィルムは、多量の炭素、窒素及び酸素を含まない。本発明の一実施形態では、陽性金属を含むフィルムの炭素、窒素及び酸素の夾雑物総量が、15原子パーセント未満である。
【0006】
概して、原子層堆積(ALD)は、典型的に、超薄型コンフォーマルフィルムを堆積するために半導体加工産業で使用される技法である。典型的なALD法では、フィルムでコーティングすべき基板表面を、気相状の反応物質(前駆体)に順次曝す。反応物質への表面の曝露を順次繰り返すと、表面上に薄型コンフォーマル生成層が作製される。表面を気相状の各反応物質に曝した後、反応ガス及び反応副生成物を、反応チャンバから追い出す。
【0007】
概して、化学気相成長(CVD)は、基板表面上にフィルム層を作製するのに使用されるプロセスである。CVD法では、基板表面上で反応を起こして所望のフィルム材料を形成する揮発性の反応前駆体に、基板表面を曝す。ALD及びCVDは、例えば、単結晶フィルム、多結晶フィルム、非晶質フィルム及びエピタキシャルフィルムを含む多様な形態で材料を堆積するのに使用することができる。CVD法及びALD法は典型的に、特殊装置の一部である真空チャンバ内で実施される。
【0008】
図1Aは、基板上に、1つ又は複数の陽性金属を含む層を形成するALD法を記載している。本発明の実施形態による被膜堆積法は、マイクロメートル及びナノメートルスケールの形体、並びに高アスペクト比を有するマイクロメートル及びナノメートルスケールの形体を有する基板上に、薄型コンフォーマルフィルムを堆積させることができる。
図1Aでは、薄型コンフォーマルフィルムを堆積する基板表面を、被膜堆積法中に、任意に加熱する。本発明の実施形態では、基板を堆積中少なくとも室温以上に加熱する。堆積に必要とされる熱エネルギーが最小である場合でも、加熱によって一定の堆積条件の維持を可能にすることができる。被膜堆積法は比較的低温で行なうことができ、例えば、堆積は30℃〜500℃の温度で起こり得る。
【0009】
基板表面を、陽性金属を含む第1の前駆体分子に曝す。本発明の実施形態において、陽性金属は、元素の周期表の2族〜7族及び/又はAlから選択される金属である。本発明の一実施形態では、陽性金属が、Zr、Be、Mg、Ca、Sr、Al、Sc、Y、Ti、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W及びMn等の金属である。第1の前駆体分子は、金属−シリコン及び/又は金属−ゲルマニウムの直接結合を含む。本発明の実施形態において、第1の前駆体分子は1つ又は2つの金属原子を含み、該金属原子は全て同じ金属原子又は2つの異なる金属原子である。金属−シリコン及び/又は金属−ゲルマニウムの直接結合を含む第1の前駆体分子の金属中心(複数の場合もあり)は任意に、N原子、P原子、O原子又はS原子を通じて結合される配位ルイス塩基を有していてもよい。表面上にない前駆体分子を全て(及びおそらく存在する他のガス状化学種を全て)、例えば、堆積が起こっている真空チャンバを、不活性ガス、例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン又はキセノンでパージすることによって除去する。その後、基板表面を第2の前駆体分子(共反応物質)に曝す。第2の前駆体分子は、揮発性のMX
n化合物(式中、Xは、ハロゲン、又は酸素含有配位子であり、nは2〜6(両端を含む)の数字である)である。金属−シリコン及び/又は金属−ゲルマニウムの直接結合を含む陽性金属を用いてフィルムを堆積させる反応スキームを、数1に示す。
【数1】
数1中、m及びnは2〜6(両端を含む)の数字であり、R
1、R
2及びR
3は、同じか又は異なり、炭化水素基、又は、ハロゲン、O、N、S、P、Si及び/又はGe等の1つ又は複数のヘテロ原子を含む炭化水素基であり、Xはハロゲン又はアルコキシド(−OR(式中、Rは、炭化水素、又はヘテロ原子を含有する炭化水素、例えばアルキル、又はヘテロ原子を含有するアルキル基である))であり、Eはシリコン及び/又はゲルマニウムであり、M
1及びM
2は、元素の周期表の2族〜7族及び/又はAlから選択される陽性金属であり、pは1又は2であり、pが2のとき、(M
1)
p−(ER
1R
2R
3)
m分子を構成する陽性金属は同じであっても異なっていてもよい。炭化水素としては、例えば、分岐及び非分岐アルキル、アリール、シクロアルキル、アルケン、アルキン、環式基及び多環式基が挙げられる。金属M
1及びM
2は、同じ金属であっても異なる金属であってもよい。本発明の一実施形態では、M
1及びM
2が、Zr、Be、Mg、Ca、Sr、Al、Sc、Y、Ti、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W及びMn等の金属である。有用なハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。成長するフィルムにおける金属−金属結合の形成、及び揮発性生成物(R
1〜3)
3EXの形成は、反応を進める要因である。反応物質及び/又は共反応物質を、例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン又はキセノン等の不活性ガスを含むガス状反応物質の混合物として、チャンバに供給することも可能である。
【0010】
その後、例えば、チャンバをアルゴン又は窒素等の不活性ガスでパージすることによって、残るガス状共反応物質及びガス状反応生成物を全てチャンバから除去する。基板表面を第1の反応物質に曝すこと、基板表面に付着しなかった残るガス状反応物質を全て除去すること、基板を共反応物質に曝すこと、及び、ガス状共反応物質(及びガス状反応生成物)を全てチャンバから除去することという要素を複数回繰り返す。これらの要素は、基板の表面上における陽性金属(複数の場合もあり)の得られる層の望まれる厚みに応じて決定される回数繰り返される。該要素は、一度だけ又は複数回実施することもできると考えられる。
【0011】
図1Bは、基板上に、陽性金属(複数の場合もあり)を含む層を形成する付加的な方法を記載している。本発明の実施形態による被膜堆積法は、マイクロメートル及びナノメートルスケールの形体、並びに高アスペクト比を有するマイクロメートル及びナノメートルスケールの形体を有する基板上に、薄型コンフォーマルフィルムを堆積させることができる。
図1Bでは、薄型コンフォーマルフィルムを堆積する基板表面を、被膜堆積法中に、任意に加熱する。本発明の実施形態では、基板を堆積中少なくとも室温以上に加熱する。堆積に必要とされる熱エネルギーが最小である場合でも、加熱によって一定の堆積条件の維持を可能にすることができる。被膜堆積法は比較的低温で行なうことができ、例えば、堆積は30℃〜500℃の温度で起こり得る。
【0012】
基板表面を、陽性金属を含む第1の前駆体分子に曝す。本発明の実施形態において、陽性金属は、元素の周期表の2族〜7族及び/又はAlから選択される金属である。本発明の一実施形態では、陽性金属が、Zr、Be、Mg、Ca、Sr、Al、Sc、Y、Ti、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W及びMn等の金属である。第1の前駆体分子は、金属−シリコン及び/又は金属−ゲルマニウムの直接結合を含む。本発明の実施形態において、第1の前駆体分子は1つ又は2つの金属原子を含み、該金属原子は全て同じ金属原子又は異なる金属原子の混合物である。金属−シリコン及び/又は金属−ゲルマニウムの直接結合を含む第1の前駆体分子の金属中心(複数の場合もあり)は、任意に、N原子、P原子、O原子又はS原子を通じて結合される配位ルイス塩基を有していてもよい。残るガス状前駆体分子を全て(及びおそらく存在する他のガス状化学種を全て)、例えば、堆積が起こっている真空チャンバを、不活性ガスでパージすることによって除去する。その後、基板表面を第2の前駆体分子(共反応物質)に曝す。第2の反応物質は水素である。金属−シリコン及び/又は金属−ゲルマニウムの直接結合を含む陽性金属を用いてフィルムを堆積させる反応スキームを、数2に示す。
【数2】
数2中、mは2〜6(両端を含む)の数字であり、Eはシリコン及び/又はゲルマニウムであり、R
1、R
2及びR
3は、同じか又は異なり、炭化水素基、又は、ハロゲン、O、N、S、P、Si及び/又はGe等の1つ又は複数のヘテロ原子を含む炭化水素基であり、Mは、元素の周期表の2族〜7族及び/又はAlから選択される陽性金属であり、pは1又は2であり、pが2又は3のとき、M
p−(ER
1R
2R
3)
m分子を構成する陽性金属は同じであっても異なっていてもよい。炭化水素としては、例えば、分岐及び非分岐アルキル、アリール、シクロアルキル、アルケン、アルキン、環式基及び多環式基が挙げられる。本発明の一実施形態では、M
pが、1つ又は複数の金属、例えば、Zr、Be、Mg、Ca、Sr、Al、Sc、Y、Ti、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W及びMnである。一般的な形態のいずれかにおける水素、例えば、プラズマ活性化の有無にかかわらず、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン又はキセノン等の付加的な不活性ガスの存在の有無にかかわらず、分子水素を被膜堆積に使用することができる。反応性金属水素化物結合が、基板表面上に形成される。ALD法の熱条件の下で、金属水素化物は、分子水素及び金属に分解する。反応生成物を表面から追い出すと、超薄型金属層が残る。
【0013】
その後、例えば、チャンバをアルゴン又は窒素等の不活性ガスでパージすることによって、残るガス状共反応物質及びガス状反応生成物を全てチャンバから除去する。基板表面を第1の反応物質に曝すこと、基板表面に付着しなかった残るガス状反応物質を全て除去すること、基板を共反応物質に曝すこと、及び、ガス状共反応物質(及びガス状反応生成物)を全てチャンバから除去することという要素を複数回繰り返す。これらの要素は、基板の表面上における陽性金属(複数の場合もあり)の得られる層の望まれる厚みに応じて決定される回数繰り返される。該要素は、一度だけ実施することもできると考えられる。
【0014】
図1A及び
図1Bの代替的な実施形態では、CVDに更によく似た技法を実施して、ガス状反応物質(複数の場合もあり)及びもしあれば共反応物質(複数の場合もあり)を同時に、基板表面に供給して、陽性金属の層を形成する。更なる代替的な実施形態では、残るガス状反応物質(複数の場合もあり)及び共反応物質(複数の場合もあり)、並びにガス状生成物をチャンバから除去し、ガス状反応物質(複数の場合もあり)及び共反応物質(複数の場合もあり)を基板表面に供給するプロセスを何回か繰り返して、所望の厚みを有する層を作製する。
【0015】
本発明の実施形態において、陽性金属(複数の場合もあり)を含むフィルムは、いずれかの見込まれる酸化剤に曝す前、例えば、空気に曝す前に、金属状態(ゼロ酸化状態)の陽性金属(複数の場合もあり)を有する。フィルムを酸化剤から保護すると、陽性金属(複数の場合もあり)はゼロ酸化状態のままである。
【0016】
図2A〜
図2Fは、本発明の実施形態に有用な前駆体分子を示すものである。陽性金属と、1つ又は2つの金属原子と、金属−シリコン及び/又は金属−ゲルマニウムの直接結合と、Si及び/又はGeに結合される他の官能基とを含む他の前駆体分子も可能である。
図2A〜
図2Fでは、官能基−ER
1R
2R
3のうち、R
1、R
2及びR
3が、同じか又は異なり、アルキル、アリール、Eと、Si、Ge、N、P、O若しくはS等の主族元素との間の直接結合を含む基、又は複素環基であり、EはSi又はGeである。
図2Aでは、M
1が陽性金属、例えば、Be、Mg又はCaである。
図2B〜
図2Eでは、M
2が陽性金属、例えば、Ti、Sc又はYであり、Eはシリコン又はゲルマニウムである。
図2Fでは、M
3が陽性金属、例えば、Ti、Zr又はHfであり、Eはシリコン又はゲルマニウムである。本発明の一実施形態では、Rがメチル基である。本発明の更なる実施形態では、−ER
1R
2R
3が、R官能基として、2つのメチル基と、ベンジル基とを含む。本発明の更なる実施形態では、前駆体分子が、((CH
3)
3Si)
3Al:N(CH
3)
2(CH
2CH
3)、((CH
3)
2ArSi)
3Al:N(CH
3)
2(CH
2CH
3)、((CH
3)
3Si)
3Al(キヌクリジン)、((CH
3)
3Ge)
3Al(キヌクリジン)、((C
4H
9)
3Si)
2Mn、((C
4H
9)
3Si)
2Mn・N(CH
3)
3、((CH
3)
3Ge)
2Mn(tmeda)及び((C
4H
9)
3Si)
2Ti・N(CH
3)
3(式中、Arは、芳香族基、又は、1つ又は複数のヘテロ原子を任意に含む炭化水素基であり、tmedaはテトラメチルエチレンジアミンである)である。
【0017】
本発明の実施形態によるプロセスは、例えば、プレーナ型トランジスタ素子、トライゲートトランジスタ素子、及び積層ナノワイヤトランジスタ素子、並びにインターコネクト(ビア及びワイヤ)において、バリア、シード層、ライナー、キャップとして、及び/又は一次導電性インターコネクト金属のコンフォーマル層として、ゲート電極用途及びソース/ドレインコンタクト用途に使用される超薄型金属層を作製するのに使用することができる。本発明の実施形態による方法は、例えば、NMOS作用機能金属、NMOS金属拡散バリア、PMOS作用機能金属、及び/又は付着層/ライナー層を堆積させるのに有用である。本発明の実施形態による金属層には、フィルムを形成するのに使用される金属−シリコン及び/又は金属−ゲルマニウムの直接結合を含む前駆体の使用の結果として存在するSi及び/又はGeが少量存在する。本発明の実施形態によるフィルム中に存在するSi及び/又はGeの量は、0.5原子%〜10.0原子%の範囲である。付加的な実施形態では、フィルム中に存在するSi及び/又はGeの量が、2原子%〜15原子%、又は2原子%〜8原子%の範囲である。
【0018】
本発明の付加的な実施形態では、金属層中により多くの量のSi及び/又はGeを有する、陽性金属を含む金属層が作製される。典型的に、CVD法は、より大きいSi及び/又はGe含有量を有する金属ケイ化物フィルム及び/又は金属ゲルマニウム化物フィルムを作製するのに使用される。例えば、TiSiは、本発明の実施形態に従って作製される半導体製作に使用される導電材料である。本発明の付加的な実施形態による陽性金属フィルム中に存在するSi及び/又はGeの量は、10.0原子%〜67原子%の範囲である。
【0019】
図3A〜
図3Iは、本発明の実施形態に有用な付加的な前駆体分子を示すものである。2族〜7族金属及び/又はAlの異なる組合せを含み、1つ又は2つの金属原子、及びSi及び/又はGeに接続する異なる官能基を含む他の前駆体分子も可能である。
【0020】
図4は、トライゲートトランジスタ構造の概略図を提示するものである。
図4では、絶縁基板405が、ゲート電極410領域、並びにソース415領域及びドレイン420領域を備える。絶縁基板405は、例えば、SiO
2等の絶縁材料の層がその上に形成される半導体基板から形成される。チャネル領域430は、三方に、ゲート誘電体領域425と、ゲート電極領域410とを有する。ゲート電極領域410は、本発明の実施形態による金属層から形成される。電極領域410の少なくとも一部は、例えば、薄型コンフォーマル層の堆積を可能にする本明細書中に記載される方法を用いて形成される。これらの金属層にはSi又はGeが少量存在し、その量は、Si又はGe 0.5原子%〜10.0原子%(又は2原子%〜15原子%、又は2原子%〜8原子%)の範囲であり、また、前駆体分子中に存在していた99.5原子%〜75.0原子%(又は98原子%〜70原子%、又は98原子%〜72原子%)の1つ又は複数の2族〜7族金属又はAlが含まれる。コンフォーマル層を堆積させた後、電極領域を、例えば、種々の前駆体を採用するALD法又はCVD法等の種々の堆積法を用いて、導電材料で任意に充填してもよい。場合によっては、付着層及び/又はバリア層(不図示)が、ゲート誘電体領域425とゲート電極領域410との間にある。ソース415領域及びドレイン420領域は、例えば、導電性P型又はN型半導体材料から形成される。ゲート誘電体層425は、例えば、二酸化ケイ素(SiO
2)、酸化窒化ケイ素(SiO
xN
y)、窒化ケイ素(Si
3N
4)等の絶縁材料である。ゲート誘電体層425は、例えば金属酸化物誘電体等の高kゲート誘電体材料であってもよい。チャネル領域430は、例えば、ドープされているか又はドープされていないシリコン、単結晶シリコン、シリコンとゲルマニウムとの混合物、又はIII−V族化合物半導体(周期表のIII族及びV族(又は13族及び15族)の元素を含む化合物)、例えば、インジウムガリウムヒ化物(InGaAs)、リン化インジウム(InP)、及びインジウムアルミニウムヒ化物(InAlAs)から形成され得る。概して、トライゲートトランジスタ構造は、ゲート誘電体及びゲート電極によって三方を取り囲まれたチャネル領域を有する。図示される形体に関して他の構成及び形状、例えば、異なる形状のソース領域及びドレイン領域を有するものも、トライゲートトランジスタでは可能である。加えて、トランジスタは、簡単にするために図示していない他の関連付けられる形体を有する。例えば、ゲート電極領域の範囲は典型的に、絶縁スペーサによって部分的に定められ、トランジスタ構造は絶縁材料で覆われていてもよく、導電性ビアは、ソース領域及びドレイン領域を、トランジスタを収容する半導体チップの他の素子及び領域に接続させる。本発明の更なる実施形態では、導電性ビア(不図示)が、0.5原子%〜10.0原子%(又は2原子%〜15原子%、又は2原子%〜8原子%)の範囲の少量のSi又はGeが存在する、コンタクトの内側を裏打ちする金属層を有する。本発明の更なる実施形態では、フィルムがSi又はGeを少量含み、その量は、Si又はGe 0.5原子%〜10.0原子%(又は2原子%〜15原子%、又は2原子%〜8原子%)の範囲であり、また、前駆体分子中に存在していた99.5原子%〜75.0原子%(又は98原子%〜70原子%、又は98原子%〜72原子%)の1つ又は複数の2族〜7族金属及び/又はAlを含む。本発明の付加的な実施形態では、フィルムがSi又はGeを少量含み、その量は、Si又はGe 0.5原子%〜10.0原子%(又は2原子%〜15原子%、又は2原子%〜8原子%)の範囲であり、また、前駆体分子中に存在していた99.5原子%〜75.0原子%(又は98原子%〜70原子%、又は98原子%〜72原子%)の1つ又は複数の2族〜7族金属及び/又はAlを含むとともに、炭素、窒素及び酸素の夾雑物総量が15原子パーセント未満である。本発明の付加的な実施形態では、コンタクトの内側を裏打ちする層を、本明細書中に記載される方法に従って形成する。この層は、ソース/ドレイン区域とコンタクト金属との間の薄型拡散バリア層上に堆積されるものであってもよい。
【0021】
図5A〜
図5Cは、積層ナノワイヤトランジスタ素子を示すものである。
図5Aの図は、説明し易いように積層ナノワイヤトランジスタ素子を半分示すものである。
図5Bは、
図5Aの図に対して45度回転させた透視図で
図5Aの素子を表しており、ここで
図5Bにはゲート誘電体層及びゲート金属を含めた。
図5Cは、
図5Aのスライス面に対して90度回転させた面に沿ってスライスした積層ナノワイヤトランジスタ素子を示し、素子自体は−45度回転させたものである。
図5Aでは、基板505が、絶縁スペーサ510と、ソース/ドレイン領域515とを収容している。トランジスタ1つ当たり2つ示されるナノワイヤチャネル領域520は、ソース/ドレイン領域515に連絡している。ナノワイヤチャネル領域520は、例えば、シリコン、シリコン及びゲルマニウム、又はIII−V族化合物半導体、例えば、インジウムガリウムヒ化物(InGaAs)、リン化インジウム(InP)及びインジウムアルミニウムヒ化物(InAlAs)を含む。
図5B〜
図5C中、ゲート誘電体525はチャネル領域520上に配設され、ゲート電極領域530はゲート誘電体525上に配設される。ゲート誘電体525は、絶縁材料、例えば、二酸化ケイ素(SiO
2)、酸化窒化ケイ素(SiO
xN
y)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、又は高k誘電体材料である。本明細書中に記載されるプロセスは、ゲート誘電体525の周囲に、金属の薄膜コンフォーマル層535を堆積させるのに使用することができる。薄型コンフォーマル金属層535にはSi又はGeが少量存在し、その量は、Si又はGe 0.5原子%〜10.0原子%(又は2原子%〜15原子%、又は2原子%〜8原子%)の範囲である。本発明の更なる実施形態では、フィルムが、Si又はGeを少量含み、その量は、Si又はGe 0.5原子%〜10.0原子%(又は2原子%〜15原子%、又は2原子%〜8原子%)の範囲であり、また、前駆体分子中に存在していた99.5原子%〜75.0原子%(又は98原子%〜70原子%、又は98原子%〜77原子%)の1つ又は複数の2族〜7族金属及び/又はAlを含む。本発明の付加的な実施形態では、フィルムが、Si又はGeを少量含み、その量は、Si又はGe 0.5原子%〜10.0原子%(又は2原子%〜15原子%、又は2原子%〜8原子%)の範囲であり、また、前駆体分子中に存在していた99.5原子%〜75.0原子%(又は98原子%〜70原子%、又は98原子%〜72原子%)の1つ又は複数の2族〜7族金属及び/又はAlを含むとともに、炭素、窒素及び酸素の夾雑物総量が15原子パーセント未満である。残るゲート電極領域530は、薄型コンフォーマル金属層535と同じ金属又は異なる導電性物質を含んでいてもよく、同じ又は異なる方法によって堆積されるものであってもよい。付加的な実施形態では、ゲート電極領域530が、例えば、Ti、W、Ta、Al等の材料、及びそれらの合金、並びにEr、Dy等の希土類元素又はPt等の貴金属を含む合金、並びにTaN及びTiN等の窒化物を含んでいてもよい。場合によっては、付着層及び/又はバリア層(不図示)が、ゲート誘電体領域525とゲート電極領域530との間にある。描写される形体に関して他の構成及び形状、例えば、種々の数のナノワイヤトランジスタ(1つ、2つ又は3つ以上のナノワイヤ)を有するもの、並びに異なる形状のソース領域及びドレイン領域を有するものも、積層ナノワイヤトランジスタでは可能である。
【0022】
概して、高k誘電体は、SiO
2のものより大きい比誘電率を有する誘電体材料である。SiO
2の比誘電率は3.9である。例示的な高k誘電体材料としては、二酸化ハフニウム(HfO
2)、ハフニウムシリコン酸化物、酸化ランタン、ランタンアルミニウム酸化物、二酸化ジルコニウム(ZrO
2)、ジルコニウムシリコン酸化物、二酸化チタン(TiO
2)、五酸化タンタル(Ta
2O
5)、バリウムストロンチウムチタン酸化物、バリウムチタン酸化物、ストロンチウムチタン酸化物、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、鉛スカンジウムタンタル酸化物、鉛亜鉛ニオブ酸塩、及び半導体分野で既知の他の材料が挙げられる。
【0023】
本発明の付加的な実施形態では、本発明の実施形態によるプロセスを、BEOL(配線工程(back end of the line))インターコネクト利用にかかる金属を堆積させるのに使用する。これらの利用としては、エレクトロマイグレーションを低減するための、付着層、ライナー、バリア、キャップ、及びインターコネクト金属自体が挙げられる。
図6は、トレンチ又はビア等の金属インターコネクト構造を示すものである。
図6中、基板605が金属トレンチ又はビア610を収容する。金属トレンチ又はビア610は、例えば層間絶縁膜(ILD)である絶縁層615内にある。誘電体材料としては、低k誘電体及び二酸化ケイ素が挙げられる。任意の層620は、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素及び二酸化ケイ素等の誘電体材料から形成されるエッチング遮断(etchstop)層である。バリア層625は、金属トレンチ又はビア610を、誘電体層615及び620から分離するものである。構造は任意に、金属トレンチ又はビア610を、金属トレンチ又はビア610の上部に堆積される付加的な誘電体層640(例えばILD)から分離するキャップ層635を備える。金属トレンチ又はビア610は任意に、下位の第2の金属トレンチ又はビア645に電気的に接続される。金属トレンチ又はビア610及び645は、例えば、銅、アルミニウム、銀、及びそれらの合金から形成される。更に、
図6の構造は、キャップ層635を備えるものの、異なるバリア層625を備えるか、又はバリア層625を備えないことがある。本発明の一実施形態では、金属トレンチ又はビア610及び640が銅から形成される。本発明の実施形態において、バリア層625はW、Hf及び/又はTaを含んでいてもよく、エレクトロマイグレーションを低減させる金属キャップ635がWを含んでいてもよい。W、Hf及び/又はTaの薄型コンフォーマル層を、本発明の実施形態に従って、層間絶縁膜(ILD)(例えば、低k材料又はSiO
2等の誘電体材料から形成される)の上部に堆積させた後、電気めっき前にALD Cuフィルムでコーティングする。誘電体表面に対して露出した金属表面上にキャップ層を選択的に堆積することができる。誘電体表面上の原子層堆積は、自己組織化単分子膜及びアミノ(オルガノ)シランが挙げられるが、これらに限定されない有機薄膜によるそれらの表面官能基化を通じて阻害される可能性がある。前述の通り、堆積後に修飾されていない本発明の実施形態による陽性金属フィルムには、Si又はGeが少量存在し、その量は、Si又はGe 0.5原子%〜10.0原子%(又は2原子%〜15原子%、又は2原子%〜8原子%)の範囲である。本発明の更なる実施形態では、フィルムがSi又はGeを少量含み、その量は、Si又はGe 0.5原子%〜10.0原子%(又は2原子%〜15原子%、又は2原子%〜8原子%)の範囲であり、また、前駆体分子中に存在していた99.5原子%〜75.0原子%(又は98原子%〜70原子%、又は98原子%〜72原子%)の1つ又は複数の2族〜7族金属及び/又はAl(例えば、W、Hf及び/又はTa)を含む。本発明の付加的な実施形態では、フィルムがSi又はGeを少量含み、その量は、Si又はGe 0.5原子%〜10.0原子%(又は2原子%〜15原子%、又は2原子%〜8原子%)の範囲であり、また、前駆体分子中に存在していた99.5原子%〜75.0原子%(又は98原子%〜70原子%、又は98原子%〜72原子%)の1つ又は複数の2族〜7族金属及び/又はAlを含むとともに、炭素、窒素及び酸素の夾雑物総量が15原子パーセント未満である。
【0024】
誘電体層、誘電体形体及び/又は層間絶縁膜(ILD)に使用される典型的な誘電体材料としては、二酸化ケイ素及び低k誘電体材料が挙げられる。使用され得る付加的な誘電体材料としては、炭素ドープ酸化物(CDO)、窒化ケイ素、有機ポリマー、例えばペルフルオロシクロブタン又はポリテトラフルオロエチレン、フッ素ケイ酸塩ガラス(FSG)、及びオルガノケイ酸塩、例えば、シルセスキオキサン、シロキサン又はオルガノケイ酸塩ガラスが挙げられる。誘電体層は、比誘電率を更に低減させる細孔を含んでいてもよい。
【0025】
本明細書中に示される素子の構成部品は、付加的な層、例えば、ライナー、及び異なる材料を含む層を分離する、例えば金属層を絶縁層から分離する付着層を備えていてもよく、簡単にするために単層として示される構成部品が、例えば、素子及び素子の所望特性を構成するのに使用される製造プロセスに応じて、同じ又は異なる材料の複数の層を備えていることがある。
【0026】
本発明の実施態様は、半導体基板等の基板上に収容される。本発明の実施形態による陽性金属層が形成され得る基板表面としては、例えば、H末端シリコン、二酸化ケイ素、シリコン、シリコンゲルマニウム、III−V族(又は付加的な周期表の列番号スキームにおける13族〜14族)化合物半導体、主族酸化物、金属、及び/又は二元金属酸化物又は混合金属酸化物が挙げられる。層、及び素子を構成する層を、本発明の実施形態を製作する基板として又は基板の一部として記載してもよい。半導体素子を構築する基板ベースは典型的に、切り離して個々のICチップを得る半導体ウエハである。チップを構築するベース基板は典型的にシリコンウエハであるが、本発明の実施形態は、使用される基板のタイプに依存するものではない。基板は、単独又はシリコン若しくは二酸化ケイ素又は他の絶縁材料と組合せて、ゲルマニウム、アンチモン化インジウム、テルル化鉛、ヒ化インジウム、リン化インジウム、ガリウムヒ素、アンチモン化ガリウム、及び/又は他のIII−V族材料から形成されるものであってもよい。
【0027】
図7は、本発明の一実施態様による演算素子1000を示すものである。演算素子1000はマザーボード1002を収容する。マザーボード1002は、限定されるものではないが、プロセッサ1004及び少なくとも1つの通信チップ1006を含む多数の構成部品を備え得る。プロセッサ1004は、マザーボード1002に物理的及び電気的に連結している。実施態様によっては、少なくとも1つの通信チップ1006も、マザーボード1002に物理的及び電気的に連結している。
【0028】
その用途に応じて、演算素子1000は、マザーボード1002に物理的及び電気的に連結していても又は連結していなくてもよい他の構成部品を備え得る。これらの他の構成部品としては、揮発性メモリ(例えばDRAM)、不揮発性メモリ(例えばROM)、グラフィックスプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、暗号(crypto)プロセッサ、チップセット、アンテナ、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、タッチスクリーンコントローラ、電池、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、グローバルポジショニングシステム(GPS)素子、コンパス、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、カメラ、及び大容量記録装置(ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)等)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
通信チップ1006によって、演算素子1000へ及び演算素子1000からのデータの転送にかかる無線通信が可能となる。「無線」という用語及びその派生語は、被変調電磁波の使用によって非固体媒体を通じてデータを通信することができる、回路、素子、システム、方法、技法、通信、チャネル等を説明するのに使用されるものである。用語は、関連素子がワイヤを全く含まないことを暗に示すものではないが、実施形態によっては含まないこともある。通信チップ1006は、限定されるものではないが、Wi−Fi(IEEE 802.11ファミリ)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリ)、IEEE 802.20、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、Ev−DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth(登録商標)、それらの派生物、並びに、3G、4G、5G及びそれ以上に指定されるいずれかの他の無線プロトコルを含む、多数の無線規格又は無線プロトコルのいずれかを実施することができる。演算素子1000は、複数の通信チップ1006を備えていてもよい。例えば、第1の通信チップ1006を、Wi−Fi及びBluetooth(登録商標)等のより短距離の無線通信に割り当てて、第2の通信チップ1006を、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev−DO等のより長距離の無線通信に割り当てることもできる。
【0030】
演算素子1000のプロセッサ1004は、プロセッサ1004内にパッケージングされる集積回路ダイを備える。本発明の実施態様によっては、プロセッサの集積回路ダイとして、本発明の実施態様に従って形成される、1つ又は複数の素子、例えば、トランジスタ及び/又は金属インターコネクトが挙げられる。「プロセッサ」という用語は、レジスタ及び/又はメモリからの電子データを処理して、その電子データを、レジスタ及び/又はメモリに貯蔵することができる他の電子データに変換するいずれかの素子又は素子の一部を指し得る。
【0031】
また、通信チップ1006は、通信チップ1006内にパッケージングされる集積回路ダイを備える。本発明の別の実施態様によれば、通信チップの集積回路ダイとして、本発明の実施態様に従って形成される、1つ又は複数の素子、例えば、トランジスタ及び/又は金属インターコネクトが挙げられる。
【0032】
更なる実施態様では、演算素子1000内に収容される別の構成部品が、本発明の実施態様に従って形成される、1つ又は複数の素子、例えば、トランジスタ又は金属インターコネクトを備える、集積回路ダイを含有していてもよい。
【0033】
様々な実施態様において、演算素子1000は、ラップトップ、ネットブック、ノートブック、スマートフォン、タブレット、携帯情報端末(PDA)、ウルトラモバイルPC、携帯電話、デスクトップコンピュータ、サーバ、プリンタ、スキャナ、モニタ、セットトップボックス、エンターテイメントコントロールユニット(entertainment control unit)、デジタルカメラ、携帯音楽プレーヤ、又はデジタルビデオレコーダとすることができる。更なる実施態様では、演算素子1000が、データを処理するいずれかの他の電子デバイスであってもよい。
【0034】
前述の記載では、本発明の実施形態の全体を通じた理解を提示するために、トランジスタ、インターコネクト及び材料レジームに関する配置等の数多くの詳細を説明している。本発明の実施形態を、これらの詳細の範囲外で実施可能であることは、当業者には明らかであろう。その他の例において、集積回路設計配置等のよく知られている特徴は、本発明の実施形態を不必要に不明瞭とするため詳細には記載していない。さらに、図に示される様々な実施形態は、例示的な表示であって、必ずしも一定の比率の縮尺で描かれたものではないことを理解されたい。
【0035】
関連分野における熟練者は、開示及び組合せを通じて修正及び変更が可能であり、また図示されかつ説明される様々な構成部品について置換が可能であることを認識している。本明細書全体を通じて「一実施形態」又は「実施形態」についての言及は、実施形態に関連して記載される、特定の特徴、構造、材料又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれるが、それらが全ての実施形態で存在することを必ずしも表すわけではないことを意味している。さらに、実施形態で開示される、特定の特徴、構造、材料又は特性は、1つ又は複数の実施形態における任意の他の好適な様式で組み合わせてもよい。様々な付加的な層及び/又は構造を含めてもよく、及び/又は他の実施形態では記載される特徴を省略してもよい。
本実施形態の例を下記の各項目として示す。
[項目1]
トランジスタ素子のチャネル領域を形成するサスペンデッドナノワイヤと、前記サスペンデッドナノワイヤ上に配設される誘電体材料の層と、前記誘電体材料の層上に配設される金属層であって、99.5原子%〜75.0原子%の2族〜7族金属又はAlと、0.5原子%〜10.0原子%の範囲の量で存在するSi又はGeとを含む、金属層とを備え、前記ナノワイヤがそのゲート電極内に懸架され(suspended)、前記金属層が前記ゲート電極の一部を形成する、ナノワイヤトランジスタ素子。
[項目2]
前記金属層が15原子%未満の炭素、窒素及び酸素の総量を有する、項目1に記載の素子。
[項目3]
前記誘電体材料の層が、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化窒化ケイ素(SiOxNy)、窒化ケイ素(Si3N4)、又は高k誘電体材料から形成される、項目1または2に記載の素子。
[項目4]
前記ナノワイヤが、シリコン、シリコンとゲルマニウムとの混合物、又はIII−V族化合物半導体から形成される、項目1から3の何れか1項に記載の素子。
[項目5]
2つのサスペンデッドナノワイヤを備える、項目1から4の何れか1項に記載の素子。
[項目6]
上面と一対の横方向に対向する側壁とを有するチャネル構造と、前記上面及び前記一対の横方向に対向する側壁上に配設される誘電体層と、前記上面及び前記一対の横方向に対向する側壁上の前記誘電体層上に配設される金属層であって、99.5原子%〜75.0原子%の2族〜7族金属又はAlと、0.5原子%〜10.0原子%の範囲の量で存在するSi又はGeとを含む、金属層とを備える、トランジスタ素子。
[項目7]
前記金属層が15原子%未満の炭素、窒素及び酸素の総量を有する、項目6に記載の素子。
[項目8]
前記誘電体層が、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化窒化ケイ素(SiOxNy)、窒化ケイ素(Si3N4)、又は高k誘電体材料から形成される、項目6または7に記載の素子。
[項目9]
前記チャネル構造が、単結晶シリコン、シリコン、シリコンとゲルマニウムとの混合物、又はIII−V族化合物半導体から形成される、項目6から8の何れか1項に記載のトランジスタ素子。
[項目10]
表面を有する基板と、
前記基板の表面上に配設される誘電体材料の層と、
前記誘電体材料の層内に形成され、側壁と底面とを有するトレンチ又はビアと、
前記側壁及び底面上に配設され、99.5原子%〜75.0原子%の2族〜7族金属と、0.5原子%〜10.0原子%の範囲の量で存在するSi又はGeとを含む、バリア層と、
ウェル内の金属領域とを備え、
前記バリア層が、前記金属領域と前記誘電体材料の層との間にある、素子。
[項目11]
前記2族〜7族金属が、W、Hf、Ta又はそれらの組合せである、項目10に記載の素子。
[項目12]
前記金属領域が15原子%未満の炭素、窒素及び酸素の総量を有する、項目10または11に記載の素子。
[項目13]
前記金属領域が、銀、銅又はアルミニウムから形成される、項目10から12の何れか1項に記載の素子。
[項目14]
表面を有する基板と、
前記基板の表面上に配設される誘電体材料の層と、
前記誘電体材料の層内に形成されるトレンチ又はビアと、
表面を有し、前記トレンチ又はビア内の金属領域と、
前記金属領域の表面上に配設されるキャップ層と、を備え、
前記キャップ層は99.5原子%〜75.0原子%の2族〜7族金属と、0.5原子%〜10.0原子%の範囲の量で存在するSi又はGeとを含む、素子。
[項目15]
前記2族〜7族金属がWである、項目14に記載の素子。
[項目16]
前記金属領域が15原子%未満の炭素、窒素及び酸素の総量を有する、項目14または15に記載の素子。
[項目17]
前記金属領域が、銀、銅又はアルミニウムから形成される、項目14から16の何れか1項に記載の素子。
[項目18]
表面を有する基板を準備することと、
前記基板の表面を気相状の第1の前駆体分子に曝すことであって、前記第1の前駆体分子が金属M1(金属M1は2族〜7族金属又はAlであり、金属M1は、少なくとも2つのシリコン原子、ゲルマニウム原子、又はシリコン原子及びゲルマニウム原子に直接結合する)を含む、ことと、
残るガス状の第1の前駆体分子を全て除去することと、
前記基板の表面を第2の気相状前駆体分子M2Xn(式中、Xはハロゲンであり、nは2〜6(両端を含む)の数字であり、M2は2族〜7族金属又はAlであり、M1及びM2は同じ金属又は異なる金属である)に曝すことと、
残るガス状の第2の前駆体分子を全て除去することと、
前記基板の表面上にM1とM2とを含む層が作製されるように、前記基板を前記第1の前駆体分子に曝すこと、ガス状の第1の前駆体分子を全て除去すること、前記基板を前記第2の前駆体分子に曝すこと、及び、残るガス状の第2の前駆体分子を全て除去することという要素を少なくとも1回繰り返すことと、
を含む、方法。
[項目19]
M1及びM2が、Zr、Be、Mg、Ca、Sr、Al、Sc、Y、Ti、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W及びMnからなる群から選択される、項目18に記載の方法。
[項目20]
前記第1の前駆体分子が2つの2族〜7族金属原子又はAlを含む、項目18または19に記載の方法。
[項目21]
前記第1の前駆体分子が、((CH3)3Si)3Al・N(CH3)2(CH2CH3)、((CH3)2ArSi)3Al・N(CH3)2(CH2CH3)、((CH3)3Si)3Al(キヌクリジン)、((CH3)3Ge)3Al(キヌクリジン)、((C4H9)3Si)2Mn、((C4H9)3Si)2Mn・N(CH3)3、((CH3)3Ge)2Mn(テトラメチルエチレンジアミン)及び((C4H9)3Si)2Ti・N(CH3)3からなる群から選択される、項目18から20の何れか1項に記載の方法。
[項目22]
M1が、−SiR1R2R3、−GeR1R2R3、又はそれらの組合せ(式中、R1、R2及びR3は、同じか又は異なり、かつ、ヘテロ原子含有及び非ヘテロ原子含有アルキル、アリール、シクロアルキル、アルケン、アルキン、環式基及び多環式基からなる群から選択されるアルキル基であり、ヘテロ原子がハロゲン、O、N、S、P、Si及びGeからなる群から選択される)である少なくとも2つの官能基に結合する、項目18から21の何れか1項に記載の方法。
[項目23]
M1が、Al、Ti、Sc、Y、Zr又はHfであり、M1が、−SiR1R2R3、−GeR1R2R3、又はそれらの組合せ(式中、R1、R2及びR3は、同じか又は異なり、かつ、アルキル、アリール、シクロアルキル、アルケン、アルキン、環式基及び多環式基からなる群から選択されるアルキル基であり、ヘテロ原子がハロゲン、O、N、S、P、Si及びGeからなる群から選択される)である少なくとも3つの官能基に結合する、項目18から22の何れか1項に記載の方法。
[項目24]
表面を有する基板を準備することと、
前記基板の表面を気相状の第1の前駆体分子に曝すことであって、前記第1の前駆体分子が金属M1(金属M1は2族〜7族金属又はAlであり、金属M1は、少なくとも2つのシリコン原子、ゲルマニウム原子、又はシリコン原子及びゲルマニウム原子に直接結合する)を含む、ことと、
残るガス状の第1の前駆体分子を全て除去することと、
前記基板の表面を第2の気相状前駆体分子M2Xn(式中、Xはアルコキシド基であり、nは2〜6(両端を含む)の数字であり、M2は2族〜7族金属又はAlであり、M1及びM2は同じ金属又は異なる金属である)に曝すことと、
残るガス状の第2の前駆体分子を全て除去することと、
前記基板の表面上にM1とM2とを含む層が作製されるように、前記基板を前記第1の前駆体分子に曝すこと、ガス状の第1の前駆体分子を全て除去すること、前記基板を前記第2の前駆体分子に曝すこと、及び、残るガス状の第2の前駆体分子を全て除去することという要素を少なくとも1回繰り返すことと、
を含む、方法。
[項目25]
M1及びM2が、Zr、Be、Mg、Ca、Sr、Al、Sc、Y、Ti、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W及びMnからなる群から選択される、項目24に記載の方法。
[項目26]
前記第1の前駆体分子が2つの2族〜7族金属原子又はAlを含む、項目24または25に記載の方法。
[項目27]
前記第1の前駆体分子が、((CH3)3Si)3Al・N(CH3)2(CH2CH3)、((CH3)2ArSi)3Al・N(CH3)2(CH2CH3)、((CH3)3Si)3Al(キヌクリジン)、((CH3)3Ge)3Al(キヌクリジン)、((C4H9)3Si)2Mn、((C4H9)3Si)2Mn・N(CH3)3、((CH3)3Ge)2Mn(テトラメチルエチレンジアミン)及び((C4H9)3Si)2Ti・N(CH3)3からなる群から選択される、項目24から26の何れか1項に記載の方法。
[項目28]
M1が、−SiR1R2R3、−GeR1R2R3、又はそれらの組合せ(式中、R1、R2及びR3は、同じか又は異なり、かつ、アルキル、アリール、シクロアルキル、アルケン、アルキン、及び多環式基からなる群から選択されるアルキル基である)である少なくとも2つの官能基に結合する、項目24から27の何れか1項に記載の方法。
[項目29]
M1が、Al、Ti、Sc、Y、Zr又はHfであり、M1が、−SiR1R2R3、−GeR1R2R3、又はそれらの組合せ(式中、R1、R2及びR3は、同じか又は異なり、かつ、アルキル、アリール、シクロアルキル、アルケン、アルキン、及び多環式基からなる群から選択されるアルキル基である)である少なくとも3つの官能基に結合する、項目24から28の何れか1項に記載の方法。
[項目30]
表面を有する基板を準備することと、
前記基板の表面を、金属を含む前駆体分子に曝すことであって、前記金属が2族〜7族金属又はAlであり、前記金属が、少なくとも2つのシリコン原子、ゲルマニウム原子、又はシリコン原子及びゲルマニウム原子に直接結合する、ことと、
残るガス状の前駆体分子を全て除去することと、
前記基板の表面を水素に曝すことと、
残る水素及びガス状反応生成物を全て除去することと、
前記基板の表面上にMを含む層が作製されるように、前記基板を前記前駆体分子に曝すこと、ガス状の前駆体分子を全て除去すること、前記基板を水素に曝すこと、並びに、残る水素及びガス状反応生成物を全て除去することという要素を複数回繰り返すことと、
を含む、方法。
[項目31]
前記金属が、Zr、Be、Mg、Ca、Sr、Al、Sc、Y、Ti、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W及びMnからなる群から選択される、項目30に記載の方法。
[項目32]
前記前駆体分子が2つの2族〜7族金属原子又はAl金属原子を含む、項目30または31に記載の方法。
[項目33]
水素を分子水素又はプラズマ励起された水素の形態で供給する、項目30から32の何れか1項に記載の方法。
[項目34]
前記前駆体分子が、((CH3)3Si)3Al・N(CH3)2(CH2CH3)、((CH3)2ArSi)3Al・N(CH3)2(CH2CH3)、((CH3)3Si)3Al(キヌクリジン)、((CH3)3Ge)3Al(キヌクリジン)、((C4H9)3Si)2Mn、((C4H9)3Si)2Mn・N(CH3)3、((CH3)3Ge)2Mn(テトラメチルエチレンジアミン)及び((C4H9)3Si)2Ti・N(CH3)3からなる群から選択される、項目30から33の何れか1項に記載の方法。
[項目35]
前記金属が、Al、Ti、Sc、Y、Zr又はHfであり、前記金属が、−SiR1R2R3、−GeR1R2R3、又はそれらの組合せ(式中、R1、R2及びR3は、同じか又は異なり、ヘテロ原子含有及び非ヘテロ原子含有アルキル、アリール、シクロアルキル、アルケン、アルキン、環式基及び多環式基からなる群から選択されるアルキル基であり、ヘテロ原子がハロゲン、O、N、S、P、Si及びGeからなる群から選択される)である少なくとも3つの官能基に結合する、項目30から34の何れか1項に記載の方法。
[項目36]
マザーボードと、
前記マザーボード上に搭載される通信チップと、
前記マザーボード上に搭載され、ナノワイヤトランジスタ素子を有するプロセッサ、とを備え、
ナノワイヤトランジスタ素子は前記トランジスタ素子のチャネル領域を形成するサスペンデッドナノワイヤと、前記サスペンデッドナノワイヤ上に配設される誘電体材料の層と、前記誘電体材料の層上に配設される金属層とを有し、
前記金属層は99.5原子%〜75.0原子%の2族〜7族金属又はAlと、0.5原子%〜10.0原子%の範囲の量で存在するSi又はGeとを含む、金属層とを備え、前記ナノワイヤがそのゲート電極内に懸架され、前記金属層が前記ゲート電極の一部を形成する、ナノワイヤトランジスタ素子を備える、プロセッサと、
を備える、演算素子。
[項目37]
マザーボードと、
前記マザーボード上に搭載される通信チップと、
前記マザーボード上に搭載され、トランジスタ素子を有するプロセッサとを備え、
前記トランジスタ素子は、
上面と一対の横方向に対向する側壁とを有するチャネル構造と、前記上面及び前記一対の横方向に対向する側壁上に配設される誘電体層と、前記上面及び前記一対の横方向に対向する側壁上の前記誘電体層上に配設される金属層とを有し、
前記金属層は99.5原子%〜75.0原子%の2族〜7族金属又はAlと、0.5原子%〜10.0原子%の範囲の量で存在するSi又はGeとを含む、プロセッサと、
を備える、演算素子。
[項目38]
マザーボードと、
前記マザーボード上に搭載される通信チップと、
前記マザーボード上に搭載され、表面を含む基板を有するプロセッサであって、
前記基板の表面上に配設される誘電体材料の層と、
側壁と底面とを有する、前記誘電体材料の層内に形成されるトレンチ又はビアと、
前記側壁及び底面上に配設されるバリア層であって、99.5原子%〜75.0原子%の2族〜7族金属と、0.5原子%〜10.0原子%の範囲の量で存在するSi又はGeとを含む、バリア層と、
ウェル内の金属領域であって、前記バリア層が、前記金属領域と前記誘電体材料の層との間にある、金属領域とを備える、プロセッサと、
を備える、演算素子。