(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(B)における不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種と共重合可能な単量体(ただし、炭素数2〜4の環状エーテル構造は有さない。)に由来する構造単位が、芳香族環及びエチレン性不飽和結合を有する単量体(ただし、炭素数2〜4の環状エーテル構造は有さない。)に由来する構造単位である請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書において、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で又は複数種を組合せて使用することができる。
【0008】
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)及び(B)を含み、(A)の含有量が、(A)と(B)との合計含有量に対して40質量%以上90質量%以下である硬化性樹脂組成物である。
(A)不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位と、炭素数2〜4の環状エーテル構造及びエチレン性不飽和結合を有する単量体に由来する構造単位とを含む共重合体(以下「樹脂(A)」という場合がある。)
(B)不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位、並びに、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種と共重合可能な単量体(ただし、炭素数2〜4の環状エーテル構造は有さない。)に由来する構造単位を含み、酸価が30mg−KOH/g以上240mg−KOH/g以下である共重合体(以下「樹脂(B)」という場合がある。)
【0009】
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物は、酸化防止剤(C)、溶剤(E)及び界面活性剤(D)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂及びグリシジルエステル型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂(以下「エポキシ樹脂(F)」という場合がある。)、多価カルボン酸無水物及び多価カルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(以下「多価カルボン酸(G)」という場合がある。)、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基(以下、「(メタ)アクリロイル基」という場合がある)を有する化合物(以下、「(メタ)アクリル化合物(H)」という場合がある)、およびイミダゾール化合物(J)からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分を含んでもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤を実質的に含有しない。
【0010】
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(以下「(a)」という場合がある)に由来する構造単位と、炭素数2〜4の環状エーテル構造及びエチレン性不飽和結合を有する単量体(以下「(b)」という場合がある)に由来する構造単位とを含む共重合体である。樹脂(A)は、さらに、(a)と共重合可能であり、かつ炭素数2〜4の環状エーテル構造を有さない単量体(以下「(c)」という場合がある)に由来する構造単位を有していてもよい。
樹脂(A)としては、以下の樹脂[K1]及び樹脂[K2]が挙げられる。
樹脂[K1]:(a)と、(b)との共重合体;
樹脂[K2]:(a)と(b)と(c)との共重合体。
【0011】
(a)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3−ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕及びフタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸などの、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性やアルカリ水溶液への溶解性の点で、(メタ)アクリル酸及び無水マレイン酸が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及びメタクリロイルよりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリル酸」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
【0012】
(b)は、例えば、炭素数2〜4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群から選ばれる少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物をいう。(b)は、炭素数2〜4の環状エーテルと(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましい。
【0013】
(b)としては、例えば、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b1)(以下「(b1)」という場合がある)、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)(以下「(b2)」という場合がある)、テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)(以下「(b3)」という場合がある)が挙げられる。
【0014】
(b1)は、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の不飽和脂肪族炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−1)(以下「(b1−1)」という場合がある)、不飽和脂環式炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−2)(以下「(b1−2)」という場合がある)が挙げられる。
【0015】
(b1−1)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等が挙げられる。
【0016】
(b1−2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド2000;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーA400;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーM100;ダイセル化学工業(株)製)、式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物等が挙げられる。
【0018】
[式(I)及び式(II)中、R
b1及びR
b2は、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。
X
b1及びX
b2は、単結合、−R
b3−、*−R
b3−O−、*−R
b3−S−又は*−R
b3−NH−を表す。
R
b3は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
*は、Oとの結合手を表す。]
【0019】
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
水素原子がヒドロキシで置換されたアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基及び4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
R
b1及びR
b2としては、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基及び2−ヒドロキシエチル基が挙げられ、より好ましくは水素原子及びメチル基が挙げられる。
【0020】
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等が挙げられる。
X
b1及びX
b2としては、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、*−CH
2−O−及び*−CH
2CH
2−O−が挙げられ、より好ましくは単結合、*−CH
2CH
2−O−が挙げられる。*はOとの結合手を表す。
【0021】
式(I)で表される化合物としては、式(I−1)〜式(I−15)のいずれかで表される化合物等が挙げられる。中でも、式(I−1)、式(I−3)、式(I−5)、式(I−7)、式(I−9)又は式(I−11)〜式(I−15)で表される化合物が好ましく、式(I−1)、式(I−7)、式(I−9)又は式(I−15)で表される化合物がより好ましい。
【0024】
式(II)で表される化合物としては、式(II−1)〜式(II−15)のいずれかで表される化合物等が挙げられる。中でも、式(II−1)、式(II−3)、式(II−5)、式(II−7)、式(II−9)及び式(II−11)〜式(II−15)のいずれかで表される化合物が好ましく、式(II−1)、式(II−7)、式(II−9)及び式(II−15)のいずれかで表される化合物がより好ましい。
【0027】
式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物は、それぞれ単独で用いても、任意の比率で混合して用いてもよい。混合して用いる場合、式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物の含有比率はモル基準で、好ましくは5:95〜95:5、より好ましくは10:90〜90:10、さらに好ましくは20:80〜80:20である。
【0028】
(b2)としては、オキセタニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。
(b2)としては、3−メチル−3−メタクリルロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタン等が挙げられる。
【0029】
(b3)としては、テトラヒドロフリル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。(b3)としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
【0030】
(b)としては、得られる塗膜の耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる点で、(b1)であることが好ましい。さらに、硬化性樹脂組成物の保存安定性が優れるという点で、(b1−2)がより好ましい。
【0031】
(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」といわれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」という場合がある。)、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デセン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」といわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(tert−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物類;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体類;
スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び耐熱性の点から、スチレン、ビニルトルエン、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが好ましい。
【0032】
樹脂[K1]において、それぞれの単量体に由来する構造単位の比率は、樹脂[K1]を構成する全構造単位に対して、
(a)に由来する構造単位;5〜60モル%
(b)に由来する構造単位;40〜95モル%
が好ましく、
(a)に由来する構造単位;10〜50モル%
(b)に由来する構造単位;50〜90モル%
がより好ましい。
樹脂[K1]を構成する構造単位の比率が、上記の範囲内にあると、硬化性樹脂組成物の保存安定性、得られる塗膜の耐薬品性、耐熱性及び機械強度に優れる傾向がある。
【0033】
樹脂[K1]は、例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法及び当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
【0034】
具体的には、(a)及び(b)の所定量、重合開始剤及び溶剤等を反応容器中に入れて、例えば、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素雰囲気にし、攪拌しながら、加熱及び保温する方法が挙げられる。なお、ここで用いられる重合開始剤及び溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているものを使用することができる。重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物(2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド等)が挙げられ、溶剤としては、各モノマーを溶解するものであればよく、本発明の硬化性樹脂組成物の溶剤(E)として後述する溶剤等が挙げられる。
【0035】
なお、得られた樹脂は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。特に、重合溶剤として、本発明の硬化性樹脂組成物に用いる溶剤を使用することにより、反応後の溶液を硬化性樹脂組成物の製造にそのまま使用することができるため、硬化性樹脂組成物の製造工程を簡略化することができる。
【0036】
樹脂[K2]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K2]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2〜40モル%
(b)に由来する構造単位;2〜95モル%
(c)に由来する構造単位;1〜65モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;5〜35モル%
(b)に由来する構造単位;5〜80モル%
(c)に由来する構造単位;1〜60モル%
であることがより好ましい。
また、(a)に由来する構造単位と(b)に由来する構造単位との合計量は、樹脂[K2]を構成する全構造単位の合計モル数に対して、70〜99モル%が好ましく、90〜99モル%がより好ましい。
樹脂[K2]の構造単位の比率が、上記の範囲内にあると、硬化性樹脂組成物の保存安定性、得られる塗膜の耐薬品性、耐熱性及び機械強度に優れる傾向がある。
樹脂[K2]は、樹脂[K1]と同様の方法により製造することができる。
【0037】
樹脂[K1]の具体例としては、(メタ)アクリル酸/式(I−1)で表される化合物(以下「式(I−1)」と略称する場合がある。式(I−2)等、他も同様である。)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−2)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−3)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−4)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−5)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−6)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−7)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−8)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−9)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−10)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−11)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−12)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−13)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−14)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−15)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−2)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−3)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−4)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−5)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−6)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−7)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−8)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−9)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−10)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−11)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−12)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−13)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−14)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−15)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/式(II−1)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−2)/式(II−2)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−3)/式(II−3)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−4)/式(II−4)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−5)/式(II−5)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−6)/式(II−6)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−7)/式(II−7)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−8)/式(II−8)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−9)/式(II−9)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−10)/式(II−10)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−11)/式(II−11)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−12)/式(II−12)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−13)/式(II−13)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−14)/式(II−14)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−15)/式(II−15)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/式(I−7)の共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/式(II−7)の共重合体、クロトン酸/式(I−1)の共重合体、クロトン酸/式(I−2)の共重合体、クロトン酸/式(I−3)の共重合体、クロトン酸/式(I−4)の共重合体、クロトン酸/式(I−5)の共重合体、クロトン酸/式(I−6)の共重合体、クロトン酸/式(I−7)の共重合体、クロトン酸/式(I−8)の共重合体、クロトン酸/式(I−9)の共重合体、クロトン酸/式(I−10)の共重合体、クロトン酸/式(I−11)の共重合体、クロトン酸/式(I−12)の共重合体、クロトン酸/式(I−13)の共重合体、クロトン酸/式(I−14)の共重合体、クロトン酸/式(I−15)の共重合体、クロトン酸/式(II−1)の共重合体、クロトン酸/式(II−2)の共重合体、クロトン酸/式(II−3)の共重合体、クロトン酸/式(II−4)の共重合体、クロトン酸/式(II−5)の共重合体、クロトン酸/式(II−6)の共重合体、クロトン酸/式(II−7)の共重合体、クロトン酸/式(II−8)の共重合体、クロトン酸/式(II−9)の共重合体、クロトン酸/式(II−10)の共重合体、クロトン酸/式(II−11)の共重合体、クロトン酸/式(II−12)の共重合体、クロトン酸/式(II−13)の共重合体、クロトン酸/式(II−14)の共重合体、クロトン酸/式(II−15)の共重合体、マレイン酸/式(I−1)の共重合体、マレイン酸/式(I−2)の共重合体、マレイン酸/式(I−3)の共重合体、マレイン酸/式(I−4)の共重合体、マレイン酸/式(I−5)の共重合体、マレイン酸/式(I−6)の共重合体、マレイン酸/式(I−7)の共重合体、マレイン酸/式(I−8)の共重合体、マレイン酸/式(I−9)の共重合体、マレイン酸/式(I−10)の共重合体、マレイン酸/式(I−11)の共重合体、マレイン酸/式(I−12)の共重合体、マレイン酸/式(I−13)の共重合体、マレイン酸/式(I−14)の共重合体、マレイン酸/式(I−15)の共重合体、マレイン酸/式(II−1)の共重合体、マレイン酸/式(II−2)の共重合体、マレイン酸/式(II−3)の共重合体、マレイン酸/式(II−4)の共重合体、マレイン酸/式(II−5)の共重合体、マレイン酸/式(II−6)の共重合体、マレイン酸/式(II−7)の共重合体、マレイン酸/式(II−8)の共重合体、マレイン酸/式(II−9)の共重合体、マレイン酸/式(II−10)の共重合体、マレイン酸/式(II−11)の共重合体、マレイン酸/式(II−12)の共重合体、マレイン酸/式(II−13)の共重合体、マレイン酸/式(II−14)の共重合体、マレイン酸/式(II−15)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−1)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−2)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−3)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−4)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−5)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−6)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−7)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−8)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−9)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−10)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−11)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−12)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−13)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−14)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−15)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−1)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−2)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−3)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−4)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−5)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−6)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−7)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−8)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−9)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−10)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−11)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−12)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−13)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−14)の共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−15)の共重合体等が挙げられる。
【0038】
樹脂[K2]の具体例としては、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−2)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−3)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−4)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−5)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−6)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−7)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−8)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−9)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−10)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−11)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−12)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−13)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−14)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−15)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−2)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−3)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−4)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−5)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−6)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−7)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−8)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−9)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−10)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−11)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−12)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−13)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−14)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−15)/メチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)/ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/式(II−1)/ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートの共重合体、クロトン酸/式(I−1)/ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートの共重合体、マレイン酸/式(I−1)/ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−1)/ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/メチル(メタ)アクリレート/ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートの共重合体、クロトン酸/式(II−1)/ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートの共重合体、マレイン酸/式(II−1)/ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−1)/ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)/メチル(メタ)アクリレート/ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/フェニル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)/フェニル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/式(II−1)/フェニル(メタ)アクリレートの共重合体、クロトン酸/式(I−1)/フェニル(メタ)アクリレートの共重合体、マレイン酸/式(I−1)/フェニル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−1)/フェニル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/メチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレートの共重合体、クロトン酸/式(II−1)/フェニル(メタ)アクリレートの共重合体、マレイン酸/式(II−1)/フェニル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−1)/フェニル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)/メチル(メタ)アクリレート/フェニル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/マレイン酸ジエチルの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)/マレイン酸ジエチルの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/式(II−1)/マレイン酸ジエチルの共重合体、クロトン酸/式(I−1)/マレイン酸ジエチルの共重合体、マレイン酸/式(I−1)/マレイン酸ジエチルの共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−1)/マレイン酸ジエチルの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/メチル(メタ)アクリレート/マレイン酸ジエチルの共重合体、クロトン酸/式(II−1)/マレイン酸ジエチルの共重合体、マレイン酸/式(II−1)/マレイン酸ジエチルの共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−1)/マレイン酸ジエチルの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)/メチル(メタ)アクリレート/マレイン酸ジエチルの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/式(II−1)/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの共重合体、クロトン酸/式(I−1)/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの共重合体、マレイン酸/式(I−1)/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−1)/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/メチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの共重合体、クロトン酸/式(II−1)/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの共重合体、マレイン酸/式(II−1)/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−1)/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)/メチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/式(II−1)/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの共重合体、クロトン酸/式(I−1)/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの共重合体、マレイン酸/式(I−1)/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−1)/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/メチル(メタ)アクリレート/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの共重合体、クロトン酸/式(II−1)/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの共重合体、マレイン酸/式(II−1)/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−1)/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)/メチル(メタ)アクリレート/ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/N−シクロヘキシルマレイミドの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)/N−シクロヘキシルマレイミドの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/式(II−1)/N−シクロヘキシルマレイミドの共重合体、クロトン酸/式(I−1)/N−シクロヘキシルマレイミドの共重合体、マレイン酸/式(I−1)/N−シクロヘキシルマレイミドの共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−1)/N−シクロヘキシルマレイミドの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/メチル(メタ)アクリレート/N−シクロヘキシルマレイミドの共重合体、クロトン酸/式(II−1)/N−シクロヘキシルマレイミドの共重合体、マレイン酸/式(II−1)/N−シクロヘキシルマレイミドの共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−1)/N−シクロヘキシルマレイミドの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)/メチル(メタ)アクリレート/N−シクロヘキシルマレイミドの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/スチレンの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)/スチレンの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/式(II−1)/スチレンの共重合体、クロトン酸/式(I−1)/スチレンの共重合体、マレイン酸/式(I−1)/スチレンの共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−1)/スチレンの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/メチル(メタ)アクリレート/スチレンの共重合体、クロトン酸/式(II−1)/スチレンの共重合体、マレイン酸/式(II−1)/スチレンの共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−1)/スチレンの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)/メチル(メタ)アクリレート/スチレンの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレンの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレンの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/式(II−1)/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレンの共重合体、クロトン酸/式(I−1)/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレンの共重合体、マレイン酸/式(I−1)/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレンの共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(I−1)/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレンの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(I−1)/メチル(メタ)アクリレート/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレンの共重合体、クロトン酸/式(II−1)/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレンの共重合体、マレイン酸/式(II−1)/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレンの共重合体、(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物/式(II−1)/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレンの共重合体、(メタ)アクリル酸/式(II−1)/メチル(メタ)アクリレート/N−シクロヘキシルマレイミド/スチレンの共重合体等が挙げられる。
【0039】
樹脂(A)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜50,000であり、さらに好ましくは5,000〜20,000であり、特に好ましくは5,000〜10,000である。樹脂(A)の重量平均分子量が、前記の範囲にあると、硬化性樹脂組成物の塗布性が良好となる傾向がある。
樹脂(A)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6.0であり、より好ましくは1.2〜4.0である。分子量分布が、前記の範囲にあると、得られる塗膜は耐薬品性に優れる傾向がある。
【0040】
樹脂(A)の酸価は、好ましくは30mg−KOH/g以上180mg−KOH/g以下であり、より好ましくは40mg−KOH/g以上150mg−KOH/g以下、さらに好ましくは50mg−KOH/g以上135mg−KOH/g以下である。ここで酸価は樹脂1gを中和するために必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。樹脂(A)の酸価が、上記の範囲内にあると、得られる塗膜は基板との密着性に優れる傾向がある。
【0041】
樹脂(A)の含有量は、樹脂(A)と樹脂(B)との合計含有量に対して、40質量%以上90質量%以下であり、45質量%以上85質量%以下が好ましい。
また、樹脂(A)の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物の固形分に対して、好ましくは35〜90質量%、より好ましくは40〜80質量%であり、さらに好ましくは45〜70質量%である。樹脂(A)の含有量が、前記の範囲内にあると、得られる塗膜は耐熱性に優れ、かつ基板との密着性及び耐薬品性に優れる傾向がある。
ここで、硬化性樹脂組成物の固形分とは、本発明の硬化性樹脂組成物の総量から溶剤(E)の含有量を除いた量のことをいう。
【0042】
<樹脂(B)>
樹脂(B)は、(a)に由来する構造単位及び(c)に由来する構造単位を含む共重合体であり、酸価が30mg−KOH/g以上240mg−KOH/g以下である樹脂である。
(a)及び(c)としては、樹脂(A)で挙げたものと同じものが挙げられる。
【0043】
樹脂(B)における(a)としては、共重合反応性やアルカリ水溶液への溶解性の点で、(メタ)アクリル酸及び無水マレイン酸等が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましい。
【0044】
樹脂(B)における(c)としては、芳香族環及びエチレン性不飽和結合を有する単量体(ただし、炭素数2〜4の環状エーテル構造は有さない。)が好ましく、式(x)で表される単量体(以下「(x)」という場合がある。)、式(y)で表される単量体(以下「(y)」という場合がある。)、及び式(z)で表される単量体(以下「(z)」という場合がある。)からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。樹脂(B)が、これらの単量体に由来する構造単位を有することにより、本発明の硬化性樹脂組成物から得られる塗膜は、耐熱性に一層優れるものとなる。
【0045】
[式(x)中、R
a1は、水素原子又はメチル基を表す。
R
a2は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
pは、0〜5の整数を表す。pが2以上であるとき、複数のR
a2は互いに同一でも異なってもよい。]
単量体の重合性の点で、R
a1は、水素原子が好ましい。
R
a2を表す炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
R
a2は、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
pは、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましい。
【0046】
(x)としては、例えば、スチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、α−メチルスチレン、エチルスチレンが挙げられる。中でも、スチレン、p−ビニルトルエンが好ましい。
【0047】
[式(y)中、R
a3は、水素原子又はメチル基を表す。
A
a1は、単結合、炭素数1〜4のアルカンジイル基又は*−(CH
2CH
2O)
r−を表す。*は、Oとの結合手を表す。
rは、1〜4の整数を表す。
R
a4は、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
qは、0〜5の整数を表す。qが2以上であるとき、複数のR
a4は互いに同一でも異なってもよい。]
R
a4を表す炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
A
a1を表す炭素数1〜4のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基等が挙げられる。
A
a1は、単結合又はメチレン基が好ましい。
qは、0〜2の整数が好ましく、0がより好ましい。
【0048】
(y)としては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、下記式で表される単量体が挙げられる。中でも、ベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0049】
[式(z)中、A
a2は、単結合又は炭素数1〜4のアルカンジイル基を表す。
R
a5は、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
sは、0〜5の整数を表す。sが2以上であるとき、複数のR
a5は互いに同一でも異なってもよい。]
【0050】
A
a2を表す炭素数1〜4のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基等が挙げられる。
A
a2は、単結合又はメチレン基が好ましい。
R
a5は、を表す炭素数1〜10のアルキル基としては、R
a4におけるものと同じ基が挙げられる。
【0051】
(z)としては、例えば、フェニルマレイミド、ベンジルマレイミドが挙げられる。
【0052】
樹脂(B)が(x)に由来する構造単位、(y)に由来する構造単位及び(z)に由来する構造単位からなる群から選ばれる少なくとも1種(以下「構造単位(xyz)」という場合がある。)を含む場合、樹脂(B)は、(x)、(y)及び(z)とは異なる単量体(以下「(c’)」という場合がある。)に由来する構造単位をさらに含有していてもよい。
(c’)としては、(c)から(x)、(y)及び(z)を除いたものが挙げられる。中でも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミドが好ましい。
【0053】
樹脂(B)において、それぞれの単量体に由来する構造単位の比率は、樹脂(B)を構成する全構造単位に対して、
(a)に由来する構造単位;5〜60モル%
(c)に由来する構造単位;40〜95モル%
が好ましく、
(a)に由来する構造単位;15〜55モル%
(c)に由来する構造単位;45〜85モル%
がより好ましい。
【0054】
樹脂(B)が、構造単位(x)、(y)、(z)と(c’)に由来する構造単位を含む場合、それぞれの構造単位の比率は、樹脂(B)を構成する全構造単位に対して、
(a)に由来する構造単位;5〜60モル%
構造単位(x)、(y)、(z);2〜95モル%
(c’)に由来する構造単位;1〜65モル%
が好ましく、
(a)に由来する構造単位;10〜50モル%
構造単位(x)、(y)、(z);10〜80モル%
(c’)に由来する構造単位;5〜50モル%
がより好ましい。
【0055】
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜50,000であり、さらに好ましくは10,000〜40,000である。樹脂(B)の重量平均分子量が前記の範囲内にあると、得られる塗膜は耐熱性に優れる。
樹脂(B)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6.0であり、より好ましくは1.2〜4.0である。分子量分布が前記の範囲内にあると、得られる塗膜は耐熱性に優れる。
【0056】
樹脂(B)の酸価は、30mg−KOH/g以上240mg−KOH/g以下であり、好ましくは60mg−KOH/g以上235mg−KOH/g以下、より好ましくは90mg−KOH/g以上230mg−KOH/g以下である。樹脂(B)の酸価が前記の範囲内にあると、得られる塗膜は耐熱性に優れ、かつ基板との密着性に優れる傾向がある。
【0057】
樹脂(B)の含有量は、樹脂(A)と樹脂(B)との合計含有量に対して、10質量%以上60質量%以下であり、15質量%以上55質量%以下が好ましい。
また、樹脂(B)の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物の固形分に対して、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%である。樹脂(B)の含有量が前記の範囲内にあると、得られる塗膜は耐熱性に優れ、かつ基板との密着性及び耐薬品性に優れる傾向がある。
【0058】
<酸化防止剤(C)>
酸化防止剤(C)としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤が挙げられる。中でも、塗膜の着色が少ないという点で、フェノール系酸化防止剤が好ましい。
【0059】
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ[d、f][1,3,2]ジオキサホスフェピンが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤としては、市販品を使用してもよい。市販されているフェノール系酸化防止剤としては、例えば、スミライザー(登録商標)BHT、GM、GS、GP(以上、全て住友化学(株)製)、イルガノックス(登録商標)1010、1076、1330、3114(以上、全てBASF社製)が挙げられる。
【0060】
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)が挙げられる。前記イオウ系酸化防止剤としては、市販品を使用してもよい。市販されているイオウ系酸化防止剤としては、例えば、スミライザー(登録商標)TPL−R、TP−D(以上、全て住友化学(株)製)が挙げられる。
【0061】
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)ブタンジホスファイトが挙げられる。前記リン系酸化防止剤としては、市販品を使用してもよい。市販されているリン系酸化防止剤としては、例えば、イルガフォス(登録商標)168、12、38(以上、全てBASF社製)、アデカスタブ329K、アデカスタブPEP36(以上、全てADEKA製)が挙げられる。
【0062】
アミン系酸化防止剤としては、例えば、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミンが挙げられる。前記アミン系酸化防止剤としては、市販品を使用してもよい。市販されているアミン系酸化防止剤としては、例えば、スミライザー(登録商標)BPA、BPA−M1、4ML(以上、全て住友化学(株)製)が挙げられる。
【0063】
酸化防止剤(C)の含有量は、樹脂(A)と樹脂(B)との合計含有量100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下が好ましく、0.5質量部以上3質量部以下がより好ましい。酸化防止剤(C)の含有量が前記の範囲内にあると、得られる塗膜は耐熱性及び鉛筆硬度に優れる傾向がある。
【0064】
<界面活性剤(D)>
界面活性剤(D)としては、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
【0065】
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合を有する界面活性剤が挙げられる。
具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、ポリエーテル変性シリコーンオイルSH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
【0066】
フッ素系界面活性剤としては、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤が挙げられる。
具体的には、フロリナート(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F552、同F553、同F554、同F555、同F556、同F558、同F559、同R30(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)、E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
【0067】
フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477、同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。好ましくはメガファック(登録商標)F475が挙げられる。
【0068】
界面活性剤(D)は、本発明の硬化性樹脂組成物の総量に対して、通常、0.001質量%以上0.2質量%以下であり、好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上0.05質量%以下である。界面活性剤(D)の含有量が前記の範囲内にあると、塗膜の平坦性を向上させることができる。
【0069】
<エポキシ樹脂(F)>
エポキシ樹脂(F)は、樹脂(A)とは異なる構造を有する点以外、特に限定されないが、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂及びグリシジルエステル型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0070】
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、グリシジルエーテル構造を有するエポキシ樹脂であって、フェノール類や多価アルコール等とエピクロルヒドリンとを反応させることにより合成できる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0071】
グリシジルエステル型エポキシ樹脂は、グリシジルエステル構造を有するエポキシ樹脂であって、フタル酸誘導体や脂肪酸等のカルボニル基とエピクロルヒドリンとを反応させることにより合成される。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、例えば、p−オキシ安息香酸、m−オキシ安息香酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸から誘導されるグリシジルエステル型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0072】
本発明の硬化性樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂(F)は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂であることが好ましい。中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が特に好ましい。
【0073】
上記のようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、従来公知の方法を用いて、対応するフェノール類とエピクロルヒドリンとを強アルカリの存在下で縮合させることにより合成することができる。かかる反応は、当業者に従来公知の方法により行うことができる。また、市販品を用いてもよい。ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、JER157S70、エピコート1001、エピコート1002、エピコート1003、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009、エピコート1010、エピコート828(三菱化学(株)製)等が挙げられる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、エピコート807(三菱化学(株)製)、YDF−170(東都化成(株)製)等が挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、エピコート152、エピコート154(三菱化学(株)製)、EPPN−201、PPN−202(日本化薬(株)製)、DEN−438(ダウケミカル社製)等が挙げられる。o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、EOCN−125S、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020、EOCN−1025、EOCN−1027(日本化薬(株)製)等が挙げられる。ポリフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、エピコート1032H60、エピコートYX−4000(三菱化学(株)製)等が挙げられる。
【0074】
エポキシ樹脂(F)のエポキシ当量は、好ましくは100〜500g/eqであり、より好ましくは150〜400g/eqである。ここで、エポキシ当量は、エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の分子量により定義される。エポキシ当量は、例えば、JIS K7236に規定された方法により測定することができる。
【0075】
エポキシ樹脂(F)の酸価は、通常、30mg−KOH/g未満であり、10mg−KOH/g以下であることが好ましい。
また、エポキシ樹脂(F)の重量平均分子量は、好ましくは300〜10,000、より好ましくは400〜6,000、さらに好ましくは500〜4,800である。
【0076】
エポキシ樹脂(F)の含有量は、樹脂(A)と樹脂(B)とエポキシ樹脂(F)との合計含有量に対して、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜40質量%である。エポキシ樹脂(F)の含有量が前記の範囲内であると、得られる塗膜は基板との密着性に優れる傾向がある。
【0077】
<多価カルボン酸(G)>
多価カルボン酸(G)は、多価カルボン酸無水物及び多価カルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。多価カルボン酸とは、2つ以上のカルボキシ基を有する化合物であり、多価カルボン酸無水物とは、多価カルボン酸の無水物である。多価カルボン酸(G)は、分子量3000以下であることが好ましく、1000以下であることがより好ましい。
【0078】
前記の多価カルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、グルタル酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、2−ドデシルコハク酸無水物、2−(2オクタ−3−エニル)コハク酸無水物、2−(2,4,6−トリメチルノナ−3−エニル)コハク酸無水物、トリカルバリル酸無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物等の鎖状多価カルボン酸無水物;
3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ノルボルネンジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等の脂環式多価カルボン酸無水物;
無水フタル酸、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセリントリス(アンヒドロトリメリテート)、グリセリンビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン等の芳香族多価カルボン酸無水物;
が挙げられる。
アデカハードナ−EH−700(商品名(以下同様)、(株)ADEKA製)、リカシッド−HH、同−TH、同−MH、同MH−700(新日本理化(株)製)、エピキニア126、同YH−306、同DX−126(油化シェルエポキシ(株)製)等の市販品を用いてもよい。
【0079】
前記の多価カルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、鎖状多価カルボン酸無水物を導く多価カルボン酸等の鎖状多価カルボン酸;
シクロヘキサンジカルボン酸、脂環式多価カルボン酸無水物を導く多価カルボン酸等の脂環式多価カルボン酸;
イソフタル酸、テレフタル酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、芳香族多価カルボン酸無水物を導く多価カルボン酸等の芳香族多価カルボン酸;等が挙げられる。
【0080】
中でも、塗膜の耐熱性に優れ、特に可視光領域での透明性が低下しにくい点から、鎖状カルボン酸無水物、脂環式多価カルボン酸無水物が好ましく、脂環式多価カルボン酸無水物がより好ましい。
【0081】
多価カルボン酸(G)の含有量は、樹脂(A)と樹脂(B)との合計含有量100質量部に対して、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜20質量%であり、さらに好ましくは2〜7質量%である。多価カルボン酸(G)の含有量が前記の範囲内にあると、塗膜の耐熱性及び密着性に優れる傾向がある。
【0082】
<(メタ)アクリル化合物(H)>
(メタ)アクリル化合物(H)は、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する化合物である。
【0083】
(メタ)アクリロイル基を1つ有する(メタ)アクリル化合物(H)としては、前記(a)、(b)及び(c)として挙げた化合物と同じものが挙げられ、中でも、(メタ)アクリル酸エステル類が好ましい。
【0084】
(メタ)アクリロイル基を2つ有する(メタ)アクリル化合物としては、1,3―ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0085】
(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する(メタ)アクリル化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物等が挙げられる。
(メタ)アクリル化合物(H)としては、(メタ)アクリルロイル基を3つ以上有する(メタ)アクリル化合物が好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートがより好ましい。
【0086】
(メタ)アクリル化合物(H)の含有量は、樹脂(A)と樹脂(B)との合計含有量100質量部に対して、好ましくは20〜100質量部、より好ましくは25〜70質量部である。(メタ)アクリル化合物(H)の含有量が前記の範囲にあると、得られる塗膜の耐薬品性及び機械強度が良好になる傾向がある。
【0087】
<イミダゾール化合物(J)>
イミダゾール化合物(J)は、イミダゾール骨格を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、エポキシ硬化剤として知られている化合物が挙げられる。中でも、式(2)で表される化合物が好ましい。
〔式(1)中、R
11は、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ベンジル基又は炭素数2〜5のシアノアルキル基を表す。
R
12〜R
14は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ニトロ基又は炭素数1〜20のアシル基を表し、該アルキル基及び該フェニル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。〕
【0088】
炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ヘプタデシル基、ウンデシル基等が挙げられる。
炭素数2〜5のシアノアルキル基としては、例えば、シアノメチル基、シアノエチル基、シアノプロピル基、シアノブチル基、シアノペンチル基が挙げられる。
【0089】
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
炭素数1〜20のアシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストリル基及びステアロイル基が挙げられる。
【0090】
イミダゾール化合物(J)としては、例えば、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−メチル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、5−ヒドロキシメチル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−ヒドロキシメチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル2−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−ベンジル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−4−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−(p−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、1−シアノメチル−2−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジフェニルイミダゾール、1−シアノメチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノメチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノメチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールが挙げられる。中でも1−ベンジル−4−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールが好ましい。
【0091】
イミダゾール化合物(J)の含有量は、樹脂(A)と樹脂(B)との合計含有量100質量部に対して、好ましくは1質量部以上25質量部以下、より好ましくは1.5質量部以上20質量部以下である。イミダゾール化合物(J)の含有量が、前記の範囲内にあると、得られる塗膜は可視光領域における透明性に優れる傾向がある。
【0092】
<溶剤(E)>
溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等の中から選択して用いることができる。
【0093】
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0094】
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、メチルアニソール等が挙げられる。
【0095】
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
【0096】
ケトン溶剤としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。
【0097】
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
【0098】
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。
【0099】
アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
【0100】
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下である有機溶剤が好ましい。中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール
、これらを含む混合溶剤が好ましい。
【0101】
溶剤(E)の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは60〜95質量%であり、より好ましくは70〜95質量%である。言い換えると、本発明の硬化性樹脂組成物の固形分は、好ましくは5〜40質量%であり、より好ましくは5〜30質量%である。溶剤(E)の含有量が前記の範囲内にあると、硬化性樹脂組成物を塗布した膜の平坦性が高い傾向がある。
【0102】
<その他の成分>
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、充填剤、その他の高分子化合物、熱ラジカル発生剤、紫外線吸収剤、連鎖移動剤、密着促進剤等、当該技術分野において公知の添加剤を含有していてもよい。
【0103】
充填剤としては、ガラス、シリカ、アルミナ等が挙げられる。
その他の高分子化合物として、マレイミド樹脂等の熱硬化性樹脂やポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフルオロアルキルアクリレート、ポリエステル、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。
【0104】
熱ラジカル発生剤として、2,2’−アゾビス(2−メチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
紫外線吸収剤として、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等が挙げられる。
連鎖移動剤としては、ドデカンチオール、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
【0105】
密着促進剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−グリシジルオキシキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−スルファニルプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
【0106】
本発明の硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤を実質的に含有しない。すなわち、本発明の硬化性樹脂組成物において、組成物全体に対する光重合開始剤の含有量は、通常、1質量%未満、好ましくは、0.5質量%未満である。光重合開始剤としては、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、オキシム化合物等が挙げられる。
【0107】
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、顔料及び染料等の着色剤を実質的に含有しない。すなわち、本発明の硬化性樹脂組成物において、組成物全体に対する着色剤の含量は、通常、1質量%未満、好ましくは、0.5質量%未満である。
【0108】
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、光路長が1cmの石英セルに充填し、分光光度計を使用して、測定波長400〜700nmの条件下で透過率を測定した場合、平均透過率が好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上である。
【0109】
本発明の硬化性樹脂組成物は、塗膜とした際に、塗膜の平均透過率が好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上である。この平均透過率は、加熱硬化(100〜250℃、5分〜3時間)後の厚みが2μmの塗膜に対して、分光光度計を使用して、測定波長400〜700nmの条件下で測定した場合の平均値である。これにより、可視光領域での透明性に優れた塗膜を提供することができる。
【0110】
<硬化性樹脂組成物の製造方法>
本発明の硬化性樹脂組成物は、樹脂(A)及び樹脂(B)、並びに、必要に応じて用いられる酸化防止剤(C)、界面活性剤(D)、溶剤(E)、エポキシ樹脂(F)、多価カルボン酸(G)、(メタ)アクリル化合物(H)、イミダゾール化合物(J)及びその他の成分を、公知の方法で混合することにより製造することができる。混合後は、孔径0.05〜1.0μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
【0111】
<塗膜の製造方法>
本発明の硬化性樹脂組成物により形成される塗膜は、本発明の硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、熱により硬化させて作製することができる。
基板としては、ガラス、金属、プラスチック等が挙げられ、基板上にカラーフィルタ、絶縁膜、導電膜及び/又は駆動回路等が形成されていてもよい。
基板上への塗布は、スピンコーター、スリット&スピンコーター、スリットコーター、インクジェット、ロールコータ、ディップコーター等の種々の塗布装置を用いて行うことが好ましい。
【0112】
塗布後、真空乾燥やプリベークを行い、溶剤等の揮発成分を除去することが好ましい。
揮発成分を除去した塗布膜を、好ましくは、150〜240℃で、10〜120分のポストベークを施すことにより、塗膜を形成することができる。
【0113】
このようにして得られる塗膜は、特に耐熱性に優れるため、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置や電子ペーパーに用いられるカラーフィルタ、タッチパネルの、保護膜やオーバーコートとして有用である。これにより、高品質の塗膜を備えた表示装置を、高い歩留りで製造することが可能となる。
【実施例】
【0114】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部である。
【0115】
合成例1
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル140部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いでメタクリル酸40部;並びに単量体(I−1)及び単量体(II−1)の混合物{混合物中の単量体(I−1):単量体(II−1)のモル比=50:50}360部を、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル190部に溶解させた溶液を調製し、この溶液を、滴下ポンプを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。
一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30部をジエチレングリコールエチルメチルエーテル240部に溶解させた溶液を、別の滴下ポンプを用いて5時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤溶液の滴下が終了した後、70℃で4時間保持し、その後室温まで冷却して、固形分42.3%の共重合体(樹脂Aa)の溶液を得た。得られた樹脂Aaの重量平均分子量(Mw)は8000、分子量分布(Mw/Mn)は1.91、固形分換算の酸価は60mg−KOH/gであった。樹脂Aaは、下記の構造単位を有する。
【0116】
合成例2
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル230部を入れ、撹拌しながら80℃まで加熱した。次いでメタクリル酸60部;並びに単量体(I−1)及び単量体(II−1)の混合物{混合物中の単量体(I−1):単量体(II−1)のモル比=50:50}340部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)13部をジエチレングリコールエチルメチルエーテル380部に溶解させた溶液を調製し、この溶液を、滴下ポンプを用いて5時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、80℃にて3時間保持し、その後室温まで冷却して、固形分42.5%の共重合体(樹脂Ab)の溶液を得た。得られた樹脂Abの重量平均分子量(Mw)は14000、分子量分布(Mw/Mn)は2.28、固形分換算の酸価は95mg−KOH/gであった。
【0117】
合成例3
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート85部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル184部を入れ、撹拌しながら88℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸ベンジル215部、メタクリル酸116部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート74部に溶解して溶液を調製し、該溶解液を、滴下ロートを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)13部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60部に溶解した溶液を、別の滴下ロートを用いて4時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、88℃にて3時間保持し、さらに110℃にて1時間保持した。その後室温まで冷却して、固形分35.6%の共重合体(樹脂Ba)の溶液を得た。得られた樹脂Baの重量平均分子量(Mw)は、16600、分子量分布(Mw/Mn)は2.02、固形分換算の酸価は225mg−KOH/gであった。樹脂Baは、下記の構造単位を有する。
【0118】
合成例4
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート160部を入れ、撹拌しながら85℃まで加熱した。次いで、スチレン284部、メタクリル酸76部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20部に溶解して溶液を調製し、該溶解液を、滴下ロートを用いて3時間かけて、85℃に保温したフラスコ内に滴下した。一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60部に溶解した溶液を、別の滴下ロートを用いて3時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、85℃にて3時間保持し、さらに110℃にて1時間保持した。その後室温まで冷却して、固形分35.8%の共重合体(樹脂Bb)の溶液を得た。得られた樹脂Bbの重量平均分子量Mwは、27700、分子量分布(Mw/Mn)は2.17、固形分換算の酸価は151mg−KOH/gであった。樹脂Bbは、下記の構造単位を有する。
【0119】
合成例5
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート191部を入れ、撹拌しながら88℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸シクロヘキシル140部、スチレン137部、メタクリル酸74部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート36部に溶解して溶液を調製し、該溶解液を、滴下ロートを用いて3時間かけて、88℃に保温したフラスコ内に滴下した。一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60部に溶解した溶液を、別の滴下ロートを用いて3時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、88℃にて3時間保持し、さらに110℃にて1時間保持した。その後室温まで冷却して、固形分40.7%の共重合体(樹脂Bc)の溶液を得た。得られた樹脂Bcの重量平均分子量Mwは、27900、分子量分布(Mw/Mn)は2.15、固形分換算の酸価は134mg−KOH/gであった。樹脂Bcは、下記の構造単位を有する。
【0120】
得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法を用いて、以下の条件で行なった。
装置:K2479((株)島津製作所製)
カラム:SHIMADZU Shim−pack GPC−80M
カラム温度:40℃
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0mL/min
検出器:RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−288、A−2500、A−500(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分子量分布とした。
【0121】
実施例1〜7及び比較例1〜3
<硬化性樹脂組成物の調製>
表1記載の成分を混合して、硬化性樹脂組成物を得た。
【0122】
【表1】
【0123】
なお、表1中、樹脂(A)及び樹脂(B)の含有部数は、固形分換算の質量部を表す。
樹脂(A);Aa;樹脂Aa
樹脂(A);Ab;樹脂Ab
樹脂(B);Ba;樹脂Ba
樹脂(B);Bb;樹脂Bb
樹脂(B);Bc;樹脂Bc
酸化防止剤(C);1,3,5−トリス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(IRGANOX(登録商標)3114;BASF社製)
界面活性剤(D);Da;ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レ・ダウコーニング(株)製)
界面活性剤(D);Db;メガファック(登録商標)F489(DIC(株)製)
多価カルボン酸(G);ブタンテトラカルボン酸(リカシッドBT−W;新日本理化株式会社製)
溶剤(E);Ea;ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
溶剤(E);Eb;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(E);Ec;プロピレングリコールモノメチルエーテル
溶剤(E);Ed;3−メトキシ−1−ブタノール
溶剤(E);Ee;3−メトキシブチルアセテート
溶剤(E);Ef;ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
溶剤(E)は、硬化性樹脂組成物の固形分量が表1の「固形分量(%)」となるように混合し、溶剤(E)中の溶剤成分(Ea)〜(Ef)の値は、溶剤(E)中の質量比(%)を表す。
【0124】
<組成物の透過率>
得られた硬化性樹脂組成物について、それぞれ、紫外可視近赤外分光光度計(V−650;日本分光(株)製)(石英セル、光路長;1cm)を用いて、400〜700nmにおける平均透過率(%)を測定した。結果を表2に示す。
【0125】
<塗膜の作製>
2インチ角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)を、中性洗剤、水及びイソプロパノールで順次洗浄してから乾燥した。このガラス基板上に、硬化性樹脂組成物を、ポストベーク後の膜厚が2.0μmになるようにスピンコートし、次にクリーンオーブン中、90℃で10分間プリベークした。その後、230℃で40分加熱して塗膜を得た。
【0126】
<膜厚測定>
塗膜の膜厚は、接触式膜厚測定装置(DEKTAK6M;(株)アルバック製)を用いて、測定幅500μm、測定スピード10秒で測定した。
【0127】
<塗膜の平均透過率>
得られた塗膜を、顕微分光測光装置(OSP−SP200;OLYMPUS社製)を用いて、400nmにおける透過率(%)及び400〜700nmにおける平均透過率(%)を測定した。結果を表2に示す。
【0128】
<耐熱性評価>
得られた塗膜を、240℃で4時間加熱処理を行い、加熱前後の400nmにおける透過率を測定し、次式にしたがって、透過率変化(%)を求めた。いずれも、100%に近いほど、加熱前後で塗膜の着色や脱色が小さいことを意味する。結果を表2に示す。
【0129】
透過率変化(%);(加熱後の透過率(%)/加熱前の透過率(%))×100
【0130】
【表2】
【0131】
表2の結果から、本発明の硬化性樹脂組成物により形成された塗膜は、耐熱性試験における透過率変化が小さいことから、耐熱性に優れることが確認できた。