(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記2つの張力測定ユニット(301、302)は、前記ガイドローラ(201)の前記第1端部に位置付けられた第1張力センサと、前記ガイドローラ(201)の前記第2端部に位置付けられた第2張力センサとを備える、請求項1に記載のウェブ処理装置。
前記調整ユニット(310)は、前記ガイドローラ(201)を移動させるための、前記ガイドローラの前記第1端部又は前記第2端部に位置付けられたモータ(311)を備える、請求項1又は2に記載のウェブ処理装置。
前記調整は、前記ガイドローラの前記第1端部に作用する、前記ウェブの前記測定された張力のデータ、及び、前記ガイドローラの前記第2端部に作用する、前記ウェブの前記測定された張力のデータだけに基づく、請求項9に記載の方法。
調整後に前記ウェブの前記張力が両側部で全く同一になるように、前記測定された張力のデータに基づいて前記ガイドローラの位置を調整するための信号を算出することを更に含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本主題の様々な実施形態がここで詳細に参照され、その一又は複数の実施例が図に示されている。各実施例は、本主題の解説を目的として提供されており、本手段の限定を意図するものではない。例えば、一実施形態の一部として図示又は説明される特徴は、他の実施形態に、又は他の実施形態と併せて使用して、更に別の実施形態を生み出することが可能である。本主題はかかる修正例又は変形例を含むことが、意図されている。
【0015】
図1は、本主題によるウェブガイド制御ユニット10が含まれる、ウェブ処理装置100の実施形態を示す。ウェブ処理装置100は、一又は複数の層でコーティングされるためにウェブ140が供給される、コーティングユニット(図示せず)を更に含みうる。更に、ウェブ140が巻かれるストレージスプール110が示されている。典型的には、ストレージスプール110上のウェブ140は未処理である。図示された実施形態の代替としては、ストレージスプール110は、ウェブ処理装置100の内部に位置付けられうる(例えば、
図5及び
図6に示す実施形態を参照のこと)。本書で説明される典型的な実施形態により、ウェブ処理装置100は、真空条件下で、すなわち、10mbarを下回る、又は1mbarさえも下回る圧力下で、操作される。
【0016】
図1に示すように、ウェブ140は、第1シールのような入口ポート120を経由して、ウェブ処理ユニット100に入る。処理されたウェブ150は、第2シールのような出口ポート130を通って、ウェブ処理ユニット100の外へとガイドされて、巻き取りスプール764上に巻き取られうる。図示された実施形態の代替例としては、処理されたウェブを保管するための巻き取りスプールは、ウェブ処理装置100の内部に提供されうる(例えば
図5及び
図6に示す実施形態を参照のこと)。結果的に、実施形態において、巻き取りスプールは真空条件下で作動するよう構成されうる。
【0017】
典型的には、ウェブ処理ユニットは、本主題による、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上のウェブガイド制御ユニットを含む。
【0018】
「ウェブ」という用語の同義語は、ストリップ、箔状物質、フレキシブル基板などである。典型的には、ウェブは、薄い可撓性材料の連続シートで構成される。典型的なウェブ材料は、金属、プラスチック、紙などである。本書で理解されるようなウェブは、典型的には、三次元の固体である。本書で理解されるようなウェブの厚みは、典型的には1mmを下回り、より典型的には、500μmを下回るか、又は10μmさえも下回る。本書で理解されるようなウェブは、典型的には少なくとも0.5mの幅を有し、より典型的には、少なくとも1m、又は少なくとも4mにも及ぶ幅を有する。本書で理解されるようなウェブは、典型的には、少なくとも1km、25km、又は60kmにも及ぶ長さを有する。
【0019】
本書で開示されるようなウェブガイド制御ユニット、又はウェブ処理装置の典型的な応用は、高真空ウェブ膜堆積である。例えば、これらの応用では、薄いプラスチック、紙、又は金属箔のような実装基板上に、防護層が堆積される。薄い金属又は酸化物の膜は、これらの膜を使用している消費者向け製品の、鮮度を促進し、かつ保管寿命を延長する、防湿バリア又は酸素バリアを創出するために、実装基板上に堆積されうる。本書で開示されるようなウェブガイド制御ユニット、又はウェブ処理装置の更なる応用は、電子製品の製造の分野である。コンデンサやタッチパネルなどの応用において、導電層が、ウェブ上に堆積され、導電コーティングの役割を果たしうる。
【0020】
本主題の一実施形態により、ウェブ140は、ウェブストレージスプール110のようなウェブ供給から、ウェブ処理ユニット100に供給される。コイル上のウェブの典型的な長さは、500mから60kmまでの範囲内である。実施形態では、ウェブは、先行のウェブ処理装置(図示せず)からウェブ処理装置に供給される。通常、本実施形態に限定されずに、本書で開示されるような2つ、3つ又はそれ以上のウェブ処理装置が、ウェブがそれらのウェブ処理装置の全てを通って連続的に運ばれるように、互いに隣接して位置付けられうる。
【0021】
どの実施形態にも限定されないが、典型的なガイド速度は、毎分0.01メートルから毎秒20メートル(m/s)までの範囲内である。ウェブ処理ユニット100内で、ウェブの洗浄、コーティング、詳細にはスパッタリング、冷却、加熱、又は構成などの、種々の処理ステップが実行されうる。
【0022】
ウェブがウェブ処理ユニット100内で処理された後に、処理されたウェブ150は、出口ポート130からウェブ処理ユニット100を出る。処理されたウェブ150は、第2の処理ユニットに供給されうるか、
図1の巻き取りスプール764で示すように、ストレージのために外へとガイドされうる。特に、本書で開示されるようなウェブ処理ユニット、ウェブ処理装置及び方法は、ウェブを真っ直ぐにスプール上に巻き取り、ゆえに、巻き取りスプール上での非対称な層の重なりを回避することを、特別に可能にする。
【0023】
本書で説明されるようなウェブガイド制御ユニット及びウェブ処理装置は、様々な応用においてウェブをガイドするために使用されうる。本書で説明されるようなウェブ処理装置は、金属ウェブ、詳細にはアルミニウムのウェブ、及び薄型プラスチックのウェブなどのウェブのコーティングに特に好適である。薄型ウェブとは、この文脈においては、1μmから200μmまで、詳細には30μmから140μmまでの厚みを有するものとして理解されることが、意図されている。
【0024】
図2は、本主題のウェブガイド制御ユニット10の一実施形態の概略断面図を示す。ウェブガイド制御ユニット10は、単一のガイドローラ201を含む。ガイドローラ210は、典型的には、シャフト215に装着される。本書で使用される「シャフト」という用語は、回転可能である(すなわち、厳密な意味でのシャフト)か、周囲でガイドローラが回転する静止軸を構成するかのいずれかでありうる、ガイドローラ201の任意の支持体を含むこととする。特に、本書の全ての実施形態で説明されるような単一のガイドローラは、ウェブガイド制御ユニットが、他のガイドローラにおいて、例えばウェブ処理装置の他のガイドローラにおいて測定された更なるデータからの入力なしで、ウェブをガイドするための調整を提供するという意味で、「単一」である。つまり、本書で説明されるような調整は、単一のガイドローラにおいて測定された張力のデータだけに基づく。本書で説明されるようなウェブガイド制御ユニットは、既存のウェブガイド制御ユニットにおいて既知でありうる、測定データを提供するため、又はウェブを調整するために使用される第2のガイドローラがなくとも、作動しうる。
【0025】
ウェブ140は、ガイドローラ201によってガイドされる。ウェブは通常、未処理であるか、又は、一又は複数の処理ステップを既に経たものでありうる。詳細には、本主題のウェブガイド制御ユニットは、ウェブ処理装置内の実行形態だけに限定される訳ではない。例えば、ウェブガイド制御ユニットは、ウェブの搬送が必要な複数の製造工場において実装されることも可能である。
【0026】
本開示の態様により、ガイドローラは、張力センサ(図示せず)のような、2つのウェブ張力測定ユニット(すなわち、第1ウェブ張力測定ユニット301と第2ウェブ張力測定ユニット302)を備える。張力センサは、ピエゾ抵抗型の、又は圧電性の張力センサでありうる。代替的には、センサは、張力を決定するために、ホール素子又はコンデンサを備えうる。いくつかの実施形態により、ウェブ張力制御ユニットには、3つ以上に達する張力測定ユニットが、ゆえに、任意には3つ以上のセンサも、設けられる。
【0027】
典型的な実施形態により、第1ウェブ張力測定ユニットは第1位置に提供され、第2ウェブ張力測定ユニットは第2位置に提供される。実施形態では、第1ウェブ張力測定ユニットがガイドローラの第1端部に提供される一方で、第2ウェブ張力測定ユニットは、ガイドローラの反対側の端部のような、ガイドローラの第2端部に提供されうる。ローラの「端部」という用語は、軸方向において、すなわち、ガイドローラ又はそのシャフトの端部の位置、又は端部に近接する位置として、理解されるべきである。明確にするために、第1端部は、
図2から
図4までにおいて参照番号401によって明示的に記され、第2端部は、
図2から
図4までにおいて参照番号402によって明示的に記されている。
【0028】
かかる実施形態は、ガイドローラ201の第1端部に第1ウェブ張力測定ユニット301が位置付けられ、かつ、第2ウェブ張力測定ユニット302がガイドローラの第2端部、すなわち、第1の側部の(軸方向における)反対側の端部に位置付けられている
図2に、概略的に図示されている。
【0029】
図示の目的のために、ガイドローラ201は、フレーム320に装着されているものとして示されている。フレーム320は、ウェブガイド制御ユニット10を支持することが可能な任意のユニットでありうる。詳細には、ウェブガイド制御ユニットには、一又は複数の軸受(図示せず)が設けられうる。典型的には、軸受は、フレームからシャフト215の回転運動を分離するために、ウェブガイド制御ユニット10とフレーム320との間に位置付けられる。特に、ガイドローラの両側部のフレーム320が一体型のフレームに属することは可能であるが、それが必要である訳ではない。
【0030】
ウェブ張力測定ユニット301、302は、ガイドローラ201のシャフト215上に、共軸に位置付けられうる。一又は複数のウェブ張力測定ユニットは、代替的には、ガイドローラ201内に位置付けられ、埋設されうる。
【0031】
本書で説明されるようなウェブ張力測定ユニットは、典型的には、ガイドローラに作用する張力を測定するよう構成される。張力は、ガイドされるウェブによって引き起こされる。ガイドローラの両側部、ひいてはウェブの両側部で張力を測定することによって、張力の相違が測定されうる。測定されたデータに基づいて、適切な調整が行われうる。
【0032】
本主題において使用されるガイドローラの典型的な直径は、65mmから300mmまでである。典型的には、ウェブ張力測定ユニットは、0から1000N/mまでの張力の測定に適合している。
【0033】
ガイドローラのアラインメントは、調整ユニット310を使用して調整される。調整ユニットは、典型的には、ガイドローラの第1位置又は第2位置に配置される。例えば、調整ユニットは、ガイドローラ201の第1端部401、又は第2端部402に配置されうる。例えば、
図2に例示的に示すように、調整ユニット310は、ウェブ張力測定ユニットに隣接して配置されうる。2つの調整ユニット(図示せず)が、典型的には、各々がガイドローラの第1と第2の位置に、例えば各々がガイドローラの一端部に、提供されることも可能である。
【0034】
原則として、調整ユニットは、ウェブに作用する横断的張力を回避するために必要とされる、ガイドローラのアラインメントに適用されうる。典型的にはガイドローラ201において、そして結果的には、ガイドローラ201に後続する全ての機器において、種々のコイリング強度を補正するために、本主題のウェブガイド制御ユニット10は特に有用である。異なるコイリング強度は、最も典型的には、ウェブの幅に沿ったウェブの厚みの相違により生じる。これは通常、結果として材料供給の傾きをもたらし、後続して、熱的問題を伴いうる、ガイドローラとウェブとの間のコンタクトの変動をもたらす。
【0035】
本主題のいくつかの実施形態では、ガイドローラ201は冷却ローラ又はヒータローラである。典型的には、ガイドローラの下流及び/又は上流に位置付けられた更なるローラが存在し、それは
図5及び
図6の実施形態に例示的に図示されている。洗浄又はコーティングといった他の処理ステップは、ガイドローラ201の前に(すなわち上流で)、又はガイドローラ201の後に(すなわち下流で)行われうる。
【0036】
本開示のどの実施形態にも限定されないが、張力測定ユニットによって測定された張力のデータは、ガイドローラの一方の端部を移動させることでガイドローラのアラインメントを調整するために使用される。それにより、ガイドローラのアラインメントは、水平方向と鉛直方向のうちの一又は複数と比較して変更される。ガイドローラの一方の端部に1つだけの調整ユニットが提供される場合、ガイドローラの他方の端部は、定位置に留まる。
【0037】
ガイドローラは、典型的には、ウェブ張力によって引き起こされた力がガイドローラのシャフトに作用する次元に対応する次元に、移動する。本書では、「ある次元の移動」又は「ある次元の測定」という特徴は、それぞれ、ある方向及び/又はその反対方向における移動又は測定を表すこととする。例えば、番号350で表されている
図4の両頭矢印は、1つの次元を示す。本書で説明される多数の実施形態では、張力は、ガイドローラが移動するのと同じ次元で測定される。
【0038】
コントローラが、ウェブガイド制御ユニットを制御するために提供されうる。詳細には、コントローラは、測定された張力のデータを受信することと、測定された張力のデータを評価することと、ガイドローラをどのように位置合わせすべきかに関して計算を行うことと、データをメモリに保存し、かつ、メモリから読み出すことと、例えばガイドローラの一方の端部を移動させるためのモータを制御することによって、調整ユニットを制御すること、という作業のうちの一又は複数を行うために、提供されうる。
【0039】
図3は、コントローラ501を例示的に図示する実施形態を示すものとする。特に、
図3に関して説明されるようなコントローラは、本書で説明される他の全ての実施形態においても提供されうる。第1張力測定ユニット301によって測定されるような、ガイドローラ201の一方の端部での張力のデータ、及び、第2張力測定ユニット302によって測定されるような、ガイドローラ201の反対側の端部での張力のデータは、直接データライン(「ピアツーピア」)、又はデータバスといったデータ接続を経由して、コントローラ501に供給される。データはまた、無線技術を経由して供給されることもある。
【0040】
本書で説明される他の全ての実施形態と組み合わせることが可能な実施形態により、コントローラ501は、例えば、特にパーソナルコンピュータ内の、CPU及び場合によってはデータメモリを含む、(
図3に示すような)分離したデバイスでありうる。代替的には、それは、張力測定ユニット301と302との一方又は両方の中に組み込まれうるか、又は、調整ユニット310内に組み込まれうる。それはまた、例えば主制御内で実行されるそれぞれのプログラム又はソフトウェアによって、ウェブ処理装置の主制御内で実装されうる。換言すると、既存のウェブ処理装置の既存の機器が、本主題のウェブガイド制御ユニットの制御を実装するために使用されうる。
【0041】
既に指摘したように、データ接続330は、張力測定ユニット301及び/又は調整ユニット310から外部のインターフェースへと情報を伝送するために使用されうる。典型的には、このインターフェースは、測定ユニット及び/又は一又は複数の調整ユニットからのデータを処理するパーソナルコンピュータを含む。また、インターフェースは、調整ユニット310を整調するための種々の要素を含む、すなわち、種々のポテンショメータ、ダイヤル、スイッチ、及びディスプレイを使用する、アナログフロントパネルを含みうる。更に、インターフェースはまた、テンキーパッド、グラフィカルディスプレイ、テキストコマンド、又はグラフィカルユーザインターフェースを含むデジタルデバイスを含むことも可能である。典型的には、これらのインターフェースは全て、コントローラ機能、システムの校正、周囲条件の補正、又は、張力測定ユニット301、302又は調整ユニット310からの波形の取得及び記録といった、種々の特徴を含む。
【0042】
データ接続330は、典型的には、測定ユニット301、302から、例えばコントローラ501を経由して、調整ユニット310へと情報を伝送するために使用される。調整ユニット310は、ガイドローラがどのように調整されるべきかに関する情報を受信する。最も単純な実行形態(実施例1)では、情報は、そもそも調整が行われるべきか否か、そして、行われるとすればどの方向に行われるべきかに関する信号に限定される。調整ユニットは、ガイドローラのそれぞれの端部を、信号が「移動禁止」信号に変化するか、又は、信号が調整ユニットに、ガイドローラを再び反対方向に移動させるよう示すまで、この方向に移動させる。しかし、一実行形態においては、調整ユニットはより高機能である。例えば(実施例2)、調整ユニットは、ガイドローラの2つの側部の間の張力の相違についての情報を受信することが可能であり、かつ、張力が均等化するまでのガイドローラのそれぞれの移動を開始する。
【0043】
前述のように、ウェブガイド制御ユニットが、一方がガイドローラの第1位置に位置付けられ、他方がガイドローラの第2位置に位置付けられている2つの調整ユニットを含むことも、通常可能である。典型的には、調整ユニットの各々が、ガイドローラのいずれかの端部に位置付けられうる。この場合、両方の調整ユニットは、(例えば既出の実施例2にあるように)張力のデータ、又は(例えば既出の実施例1にあるように)調整情報を、受信するよう構成される。
【0044】
データ接続330を接続するために、色々な種類のポートが使用される。典型的には、シリアル通信が使用される場合、ポートは、RS232、RS422、RS485、又はユニバーサルシリアルバス(USB)ポートである。典型的には、データ接続330とコンピュータとの間の通信が必要とされる場合は、並列通信デバイスが使用される。最もよく使用される並列通信デバイスは、DB−25、セントロニクス36、SPP、EPP又はECP並列ポートである。データ接続330は、調整ユニット310を、トランジスタ−トランジスタロジック(TTL)と、又は、プラグラム可能な論理制御装置(PLC)と互換可能にするために使用されうる。加えて、データ接続330は、張力測定ユニット301、302及び/又は調整ユニット310のうちの一又は複数をネットワークに接続するために使用されうる。
【0045】
本主題の実施形態により、シャフト215の両側部に作用する張力は、別個に取得される。取得されたデータは、処理され、ガイドローラ201内の調整ユニット310に送信されることになる。調整ユニット310は、ガイドローラ201の一方の端部で、シャフト軸の位置を調整する。それにより、ガイドローラのシャフト215の配向が調整される。ガイドローラ201の両側部で測定された張力を均等化するために、調整ユニット310が操作される。
【0046】
図4は、本主題のウェブガイド制御ユニット10の別の実施形態の概略断面図を示す。本書の開示全体を通じて、同一の参照番号は同一の対象物に使用されている。調整ユニット310は、ガイドローラの一方の端部を移動させるための、モータのようなアクチュエータ311を含むものとして示されている。特に、これは
図4の実施形態に限定されないが、本書で説明される全ての実施形態の一又は複数の調整ユニットには、モータのようなアクチュエータが設けられうる。例えば、モータは線形モータでありうる。矢印350で示すように、モータは、このページに示された見方では上下に、ガイドローラの端部を移動させることが可能である。
【0047】
図4の実施形態には限定されない典型的な実施形態により、調整ユニットの移動の方向は、張力測定ユニットの測定方向に対応する。つまり、
図4に示すように、測定ユニット301、302は、典型的には、調整ユニットがガイドローラを移動させるよう構成されるのと同じ方向で、ガイドローラにおける張力を測定するよう構成される。例えば、
図4の実施形態では、矢印350で示された方向は、調整ユニット310の移動方向と、張力測定ユニット301、302の測定方向の両方に対応しうる。
【0048】
色々な種類のモータが、本主題の調整ユニット内で使用されうる。典型的には、調整のためのアクチュエータは電動モータ又は油圧モータである。フレーム320に軌道(図示せず)などが提供されて、それに沿って調整ユニットが、ガイドローラのそれぞれの又は一方の側部を移動させうる。
【0049】
本主題の典型的な実施形態では、ウェブ張力測定ユニットは、トランスデューサ及び/又はストレインゲージを含む。典型的には、トランスデューサは、張力の変動に応答して伸び縮みする棹部を含む。ストレインゲージは、対応する電気抵抗の変化を測定する。典型的には、ストレインゲージによって実行された測定は、更なる処理のために、増幅され、かつ電圧又は電流に変換される。
【0050】
通常、ウェブ張力測定ユニットは、張力測定値の更なる処理のために、アナログ又はデジタルの前端を内包する。典型的には、ウェブ張力測定ユニットは、種々の選択肢を使用して、すなわち、軸台の間に、片持ち状ブラケットの支援によって、フランジ又はクランプのような固定用ユニットを使用して、びょう(stud)を使用して、ガイドローラ内に装着されるか、又は、ガイドローラの貫通孔に挿通されうる。
【0051】
図5は、コーティング装置のようなウェブ処理装置100の一実施例を示す。「コーティング」及び「堆積」という用語は、本書において同義に使用される。この実施形態には限定されないが、ウェブ処理装置は通常、
図5の実施形態に図示され、かつ、参照番号110で記されるような、ウェブストレージスプールを収納するよう構成されうる。本書で説明される他の実施形態と組み合わせることが可能ないくつかの実施形態により、処理されるべきウェブは、インターリーフ706と共にストレージスプール110上に提供されうる。それにより、ストレージスプール110上での、ウェブの1つの層とフレキシブル基板の隣接する層との直接的なコンタクトを無くすように、インターリーフがウェブの隣接する層の間に提供されうる。ウェブ140は、矢印108で示す基板移動方向によって図示されるように、ストレージスプール110から巻き出される。ウェブ140をストレージスプール110から巻き出す際に、インターリーフ706はインターリーフロール766に巻き取られる。
【0052】
ウェブ140は、コーティングユニット510の各々の側でローラ104を経由し、本書で説明されるような1つのウェブガイド制御ユニット10を経由して、ガイドされる。コーティングユニットは通常、
図5の実施形態には限定されないが、コーティングドラムでありうる。実施形態により、2つ以上のローラ104、及び/又は、本主題による2つ以上のウェブガイド制御ユニット10が、ウェブ処理装置100内の、例えばコーティングユニット510の各々の側に提供されうる。特に、コーティングユニットの各々の側(すなわち下流と上流)に位置付けられている、本書で説明されるような少なくとも1つのウェブガイド制御ユニットが提供される、ウェブ処理装置100の設定は、本主題の典型的な実施形態である。
【0053】
ウェブ140は、ウェブストレージスプール110から巻き出され、ローラ104及びウェブガイド制御ユニット10の上を運ばれた後に、次いで、堆積源680の位置に対応してコーティングドラム510に設けられた、堆積区域を通って移動する。コーティングドラム510は動作中、ウェブが矢印108の方向に移動するように、軸511の周囲で回転する。
【0054】
ウェブは処理の後、一又は複数の更なるウェブガイド制御ユニット10の上を運ばれうる(
図5の実施形態では、それは1つのウェブガイド制御ユニットの上を運ばれる)。加えて、それは、
図5に示すローラ104のような更なるロールの上を運ばれうる。
図5の実施形態においてウェブコーティングがその位置で遂行されることに伴い、ウェブはスプール764に巻き取られる。更なるインターリーフが、ウェブの損傷を回避するように、ウェブ140の層の間に、ロール766’から提供されうる。
【0055】
ウェブ140は、一又は複数の薄膜でコーティングされることがあり、すなわち、一又は複数の層が、堆積源680によってウェブ140上に堆積される。堆積は、基板がコーティングドラム510上でガイドされている間に行われる。本書で説明される実施形態内で提供されうる、
図5に示す堆積源680は、電源(図示せず)に電気的に接続された2つの電極702を含む。
【0056】
本書で説明されるいくつかの実施形態による堆積源680は、堆積源の対向する面にある2つのガス入口712、及び、2つの電極702の間のガス出口714を含みうる。従って、処理ガスのガス流は、その堆積源680の外側部分から、その堆積源の内側部分へと提供されうる。「ガス入口」という用語は、堆積領域(プラズマ容積又は処理領域)へのガス供給を意味する一方で、「ガス出口」という用語は、堆積領域からの堆積ガスのガス吐出又はガス排出を意味することに、留意されたい。典型的な実施形態によるガス入口712及びガス出口714は、ウェブ搬送方向に基本的に垂直に配設される。
【0057】
図5に示すように、かつ、本書で説明されるいくつかの実施形態により、ウェブ搬送方向108は、ガス流方向に平行である。本書で説明される他の実施形態と組み合わせることが可能な種々の実施形態により、ガス入口又はガス出口は、ガスランス、ガスチャネル、ガスダクト、ガス通路、ガスチューブ、導管などとして提供されうる。また更に、ガス出口は、ガスをプラズマ容積から抽出するポンプの一部として構成されうる。
【0058】
ガス分離ユニット121は、堆積源の、少なくとも一方の側部、典型的には両側部に提供される。それにより、ガス分離ユニットのスリット幅は、本書で説明される実施形態のうちの任意のものに従って調整されうる。加えて、電極720の基板に対する距離も、調整されうる。それにより、ガス分離ユニットの支持体、及び、任意には電極を内部に有する堆積源が、基板との距離を調整するために提供されうる。
【0059】
本書で説明される実施形態は、とりわけ、移動する基板上にプラズマ相から薄膜を堆積するためのプラズマ堆積システムに言及している。ウェブは、堆積ガスをプラズマ相に移行させ、かつ、移動する基板上にプラズマ相から薄膜を堆積させるためのプラズマ堆積源が配置される真空チャンバ内で、基板搬送方向に移動しうる。
【0060】
図5に示すように、かつ、本書で説明される実施形態により、プラズマ堆積源680は、移動するウェブに対向して配設された、2つ、3つ、又はそれ以上にも及ぶRF(高周波)電極702を含む、多重領域電極装置を有する、PECVD(プラズマ化学気相堆積)源として提供されうる。実施形態により、多重領域プラズマ堆積源はまた、MF(中周波)堆積のためにも提供されうる。
【0061】
図示されている実施形態により、
図5に示すように、ウェブは、コーティングドラム510の上を運ばれることによって、スパッタ源又は蒸発源のような堆積源680に対面して配設される、2つ以上の処理領域730を通過する。
【0062】
実施形態により、ウェブ処理装置は、1つ以上のコーティングドラム511のような1つ以上のコーティングユニットを含みうる。2つ以上のコーティングドラムのうちの2つずつの間に、本書で説明されるようなウェブガイド制御ユニットを提供することが可能である。加えて、又は代替的には、コーティングドラムのような各コーティングユニットには、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上にも及ぶ堆積源が設けられうる。
【0063】
図5は、一実施例として、3つのガス分離ユニット121を示す。ガス分離ユニット121は通常、ウェブ処理装置100内に、(
図5の実施例のような)2つの処理領域730、又は、それ以上の数の処理領域、及び場合によっては、更なる領域を形成しうる。本書で説明される他の実施形態と組み合わせることが可能な典型的な実施形態により、処理領域、及び更なる区域の各々は、互いに独立して真空引きされうる。各処理領域、及び/又は更なる区域の各々は、単独で、かつ所望の処理条件に従って、例えば一又は複数の真空ポンプ(図示せず)によって真空引きされうる。
【0064】
図6は、堆積装置のような、更なるウェブ処理装置100を示す。フレキシブル基板140は、ウェブ処理装置の内部に位置付けられたストレージスプール110によって提供される。前述の通り、処理されるべきフレキシブル基板は、インターリーフ706と共にストレージ上に提供されうる。それにより、巻き取りスプール764上での、フレキシブル基板の1つの層とフレキシブル基板の隣接する層との直接的なコンタクトを無くすように、インターリーフはフレキシブル基板の隣接する層の間に提供されうる。ウェブ140をストレージスプール110から巻き出す際に、インターリーフ706はインターリーフロール766に巻き取られる。
【0065】
ウェブ140は次いで、堆積源680の位置に対応してコーティングドラム510に設けられた、堆積区域を通って移動する。ウェブ処理装置1000の更なる詳細事項は、
図5に関して図示された実施形態と全く同一の、又は類似したものでありうる。
【0066】
コーティングドラム510は動作中、軸511の周囲で回転する。
図6に示されていない典型的な実施形態により、ウェブは、1つ、2つ、又はそれ以上のローラを経由して、ストレージスプール110からコーティングドラム510へと、及び/又は、コーティングドラム510から、基板を処理した後に基板が周囲に巻き取られる第2の巻き取りスプール764へと ガイドされうる。処理の後、巻き取りスプール764上に巻き取られるウェブ140の層の間に、ロール766’から更なるインターリーフが提供されうる。
【0067】
ウェブ140は、一又は複数の薄膜でコーティングされることがあり、すなわち、一又は複数の層が、堆積源680によってウェブ上に堆積される。堆積は、ウェブがコーティングドラム510上でガイドされている間に行われる。
【0068】
図6に示す実施形態は、本主題による一又は複数のウェブガイド制御ユニットを含む。例えば、本書で説明される他の全ての実施形態と組み合わせうる一般的な実施形態により、
図6の実施形態に示すように、本主題によるウェブガイド制御ユニットは、ストレージスプールとコーティングドラムのようなコーティングユニットとの間に位置付けられうる。換言すると、ウェブガイド制御ユニットは、ストレージスプールの下流に、かつコーティングドラムのようなコーティングユニットの上流に、位置付けられうる。
【0069】
加えて、又は代替的には、本主題によるウェブガイド制御ユニットは、コーティングドラムのようなコーティングユニットと巻き取りスプール(
図6では764と表される)との間に位置付けられることが可能である。換言すると、ウェブガイド制御ユニットは、コーティングドラムのようなコーティングユニットの下流、かつ、巻き取りスプールの上流に位置付けられうる。
図6の実施形態には限定されないが、ウェブガイド制御ユニットには、ハウジング又はフレーム(
図3参照:
図6には図示せず)が設けられうる。
【0070】
典型的には、場合によってはコーティングドラムの各々の側に提供されるようなウェブガイド制御ユニットは、ウェブの張力を測定し、調整するように構成される。それにより、ウェブの搬送をより適切に制御すること、コーティングドラムに対する基板の圧力を制御すること、及び/又は、基板の損傷を低減或いは回避することが、可能になる。
【0071】
図6に概略的に示す例示的な実施形態に示すように、ウェブ処理装置は更に、
図6のシール290のようなシールを備えうる。シールは固定シールでありうる。シールは、典型的には、コーティングドラム510を含むコーティングチャンバ610と、ウェブガイド、ウェブ巻き取り、及び/又はウェブ巻き出しが内部で実行されうるウェブ取り扱いチャンバ620との間での、圧力分離を可能にする。かかる設定は、空のウェブストレージスプール110を新しいウェブストレージスプールに取り換える際の労力を低減し、特に、ウェブ取り扱いチャンバ内に大気圧を有するのと同時に、コーティングチャンバ610を減圧条件又は真空条件に保つことを可能にする。特に、シールは通常動的シール、すなわち、ウェブの移動中に操作されうるシールでもありうる。
【0072】
本書の他の全ての実施形態と組み合わせうる実施形態により、一又は複数のウェブガイド制御ユニット10のガイドローラ、及び/又は、ウェブをガイドするために、及び/又はウェブを部分的に偏向させるために使用される、
図5のローラ104のような追加ローラは、13°、典型的には15°、又はそれを上回る最小巻き付け角度を有しうる。それにより、最小巻き付け角度は、巻き付け角度が動作条件に応じて変動し、例えば
図6の実施形態では、それは、ロール764と764’がそれぞれ、空であるか、又は基板で完全に一杯である時の、2つの動作条件に応じて変動しうるという事実に関連する。加えて、又は代替的には、空間制約の観点から、最大巻き付け角度は、典型的には、30°、25°、又はたったの20°となる。
【0073】
本書で説明される他の実施形態と組み合わせることが可能なまた更なる実施形態により、一又は複数の追加的なウェブガイド制御ユニットが、提供され、コーティングドラムの巻き取り側、コーティングドラムの巻き出し側、又は両側に配置されうる。例えば、一又は複数の追加的なウェブガイド制御ユニットは、インターリーフをガイドするために使用されうる。
【0074】
図6に更に示すように、堆積装置は、堆積源680がコーティングドラムの下半分で提供されるように配設される。換言すると、全ての堆積源の全体的な配設、又は、少なくとも中央の3つの堆積源の配設は、コーティングドラム510の軸511よりも下に提供される。それにより、基板及びプロセスを汚染する可能性がある生成された粒子は、重力により堆積ステーション内に留まる。ゆえに、基板上での望ましくない粒子の生成を回避することが可能であり、汚染された粒子のウェブガイド制御ユニット10に対する影響は低減されるか、又は排除すらされる。
【0075】
本書で説明される実施形態は、とりわけ、堆積装置及びそれを操作する方法に言及している。堆積源は、CVD源、PECVD源、及びPVD源から成る群から選択されうる。典型的な実行形態により、装置は、フレキシブルTFTディスプレイ、特にフレキシブルTFTディスプレイ向けのバリア層の積層を製造するために使用されうる。
【0076】
既に説明されたように、本書で説明される実施形態による装置及び方法は、代替的に、又は組み合わせて実装されることが可能な、複数の任意的な特徴、態様及び詳細事項を含みうる。例えば、方法は、ロール上の基板の層の間にインターリーフを提供すること、又は、巻き出し側でインターリーフを受容することを含みうる。
【0077】
コーティング中の高温により、本開示によるウェブガイド制御ユニットは、少なくとも50°C、70°C、又は100°Cにも及ぶ温度に、耐性を有するよう構成されうる。ウェブ温度、又はコーティングドラムの温度は、20°Cから250°Cであるか、又は最大で400°Cにも及びうる。典型的には、基板厚は50μmから125μmでありうる。
【0078】
図5及び
図6の実施形態は、特に、空間に制約がある応用での張力の修正を可能にするウェブガイド制御ユニットの技術分野における所望を図示するものとする。例えば、2つのローラを使用することによるウェブガイド制御のための技術的な実行形態は、空間制約が1つのガイドローラしか許容しない場合には適応しない。これは、ウェブの一方の面にはガイドローラ、ロール、コーティングドラムなどのいずれも触れてはならないという様態でウェブがガイドされる必要がある分野において、特に真である。
【0079】
図7は、横断的張力測定の負のフィードバック500に基づく閉ループコントローラを含む、本主題の一実施形態によるウェブガイド制御ユニットシステムのための、信号のフロー図を示す。閉ループシステムは、制御されたシステムの出力、例えば、設定点534の値に等しいフィードバック信号533を、フィードバック信号533、及び、コントローラ自体の出力である、制御されたシステムに供給された制御信号532の前値を使用することによって、維持する。フロー図の主要素は、本主題の実施形態によるウェブガイド制御ユニット10を構成する、コントローラ501とガイドローラ201である。ガイドローラ201の両側部間の張力の相違が、フィードバック信号533である。
【0080】
典型的には、本主題のコントローラにおける設定点534は、ウェブに作用する横断的張力に対応する張力の相違を補正するために、ナル値を有する。そのため、本主題の典型的な実施形態では、コントローラ501のエラー531は、張力の相違の測定値、すなわちフィードバック信号533に正確に対応する本主題の典型的な実施形態では、コントローラは、調整ユニット310を使用して、エラー531のゼロからの偏差を補正する。典型的には、このエラー531の補正は、ガイドローラ201のシャフト215の調整(すなわち移動)に変換される。そのため、制御信号532、例えばコントローラ出力は、典型的には、ガイドローラのそれぞれの端部をどの程度移動させる必要があるかという、調整ユニットに対する指令に対応する
【0081】
原則として、コントローラ501には種々の制御アプローチが実装されうる。典型的には、コントローラ501には、比例積分微分(proportional,integral and derivative:PID)制御、比例積分(proportional and integral:PI)制御、比例微分(proportional and derivative:PD)制御、及び比例(proportional:P)制御から選ばれる、線形制御アプローチが実装される。しかし、本主題の実施形態には、適応利得、むだ時間補正、ファジー論理、ニューラルネットワーク、又はフィードフォワード制御などの、非線形制御アプローチを使用する他の高度な制御も実装されうる。本応用に実装されるコントローラは、トランジスタ−トランジスタロジック(TTL)との互換可能性を含む、アナログ又はデジタルのインターフェースでありうる。典型的には、デジタルインターフェースは、調整ユニットに関する値が一定の決まった時限Δtの後に再読み込みされる、ディスクリートな様態で機能する本主題のコントローラには、セルフチューニング、信号演算又はフィルタリング、或いは組込み型インジケータなどの、他の特別な特徴が存在しうる。
【0082】
本主題の一実施形態によるコントローラの機能を示すよう、ディスクリート型PIDコントローラの実行形態が以下で説明される。所定の制御ステップiにおけるフィードバック信号は、第1張力測定ユニット301での張力測定値T
i301と、第2張力測定ユニット302での張力測定値T
i302の両方の間の相違に対応する。典型的には、コントローラがウェブに作用する横断力を補正する必要がある、すなわち、ガイドローラ201の両方の側部における張力は等しくあるべきであることから、設定点はゼロに保たれる。そのため、所定の処理ステップiにおけるエラー信号は、次の数式に対応する。
【0083】
PIDコントローラは、次の数式を使用して、出力値D
i+1を算出する。
ここで、第1の項はコントローラの積分部分に、第2の項は比例部分に、そして第3の項は微分部分に対応する。K
pは比例帯であり、K
dは微分ゲインである。典型的には、D
i+1−D
iのゼロ以外の値は、ガイドローラ201の一方の端部の位置の変動に対応する。本主題の他の実施形態では、これは、ガイドローラ201のそれぞれの端部を移動させるためのアクチュエータ311のような、ガイドローラ201の調整ユニット310を操作するための信号に対応する
【0084】
本明細書は、本主題を開示し、かつ、任意の当業者による本主題の実施及び利用を可能にするために、最良のモードを含む複数の実施例を使用している。様々な具体的実施形態に関して本主題が説明されてきたが、特許請求の範囲及び本質から外れない修正を加えて、本主題を実践可能であることが、当業者には認識されよう。特に、上述の実施形態の相互に非排他的な特徴は、互いに組み合わされうる。本主題の特許性の範囲は、特許請求の範囲によって画定され、かつ、当業者が想起する他の実施例を含みうる。かかる他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの文言と相違しない構造要素を有する場合、又は、特許請求の範囲の文字通りの文言と実質的な違いがない同等の構造要素を含む場合には、特許請求の範囲内にあることが、意図される。