(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記金属接合材ははんだ層からなり、前記はんだ層は前記第1の電極及び前記第2の電極の各側面を被覆しないように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0014】
実施形態を説明する前に、基礎となる予備的事項について説明する。
図1は予備的事項に係る半導体装置を示す断面図である。
【0015】
図1に示すように、予備的事項に係る半導体装置は配線基板100とその上に搭載された半導体チップ200とを有する。配線基板100の上面には、銅などからなる接続電極120が形成されている。
【0016】
また、半導体チップ200の下面には、接続パッドPに接続された銅などからなる柱状電極220が形成されている。
【0017】
そして、半導体チップ200の柱状電極220がはんだ層240を介して配線基板100の接続電極120にフリップチップ接続されている。さらに、半導体チップ200と配線基板100との間にアンダーフィル樹脂300が充填されている。
【0018】
そのような半導体装置に対して、信頼性試験として、温度:60℃、湿度:60%の条件で40時間吸湿させた後に、温度:260℃でリフロー加熱を行う吸湿リフロー試験と、温度:130°、湿度:85%の条件の高温高湿試験とが行われる。その結果によれば、アンダーフィル樹脂300と半導体チップ200との界面、及びアンダーフィル樹脂300と配線基板100との界面で剥離が発生しやすい。
【0019】
このため、半導体チップ200と配線基板100との電気的な接続の十分な信頼性が得られなくなる。
【0020】
これは、半導体装置をマザーボードなどの実装基板に加熱処理を伴ってリフローはんだ付けする際や半導体装置を内蔵する電子機器を実際に使用する際に不具合が発生しやすいことを意味する。
【0021】
上記した不具合は、半導体装置が加熱処理されると内部の材料の熱膨張係数の差によって熱応力が発生することに起因する。
【0022】
予備的事項に係る半導体装置では、半導体チップ200の柱状電極220の側面が垂直方向に配置されたストレート形状である。また、配線基板100の接続電極120においても、側面が垂直方向に配置されたストレート形状となっている。
【0023】
このため、半導体チップ200及び配線基板100に上下側に変形させるような熱応力がかかると、半導体チップ200の柱状電極220及び配線基板100の接続電極120がアンダーフィル樹脂300から抜けやすい。その結果、半導体チップ200及び配線基板100とアンダーフィル樹脂300との界面で剥離が発生する。
【0024】
以下に説明する実施形態の半導体装置は、前述した不具合を解消することができる。
【0025】
(実施形態)
図2〜
図11は実施形態の半導体装置の製造方法を示す図、
図12は実施形態の半導体装置を示す図である。以下、半導体装置の製造方法を説明しながら、半導体装置の構造について説明する。
【0026】
最初に、実施形態の半導体装置の製造方法で使用される柱状電極を備えた半導体チップを製造する方法について説明する。
図2(a)に示すように、まず、半導体ウェハ10を用意する。半導体ウェハ10の代表的な例として、シリコンウェハが使用される。
【0027】
半導体ウェハ10の表層には、不図示のトランジスタ、キャパシタ及び抵抗などの各種の素子が形成されており、それらが多層配線に接続されて電子回路が作り込まれている。
【0028】
そして、半導体ウェハ10の最上面には、多層配線に接続された接続パッドPがパッシベーション膜(不図示)から露出して形成されている。半導体ウェハ10の接続パッドPはアルミニウム又は銅を含む配線材料から形成される。
【0029】
次いで、
図2(b)に示すように、接続パッドPが露出した半導体ウェハ10の上にスパッタ法又は無電解めっきによりシード層22を形成する。シード層22の一例としては、下から順に、厚みが0.05μmのチタン(Ti)層/厚みが0.5μmの銅(Cu)層を形成する。
【0030】
続いて、
図2(c)に示すように、シード層22の上にレジスト材(不図示)を塗布し、フォトリソグラフィに基づいてフォトマスク(不図示)を介して露光した後に現像を行う。これにより、接続パッドPの上に開口部12aが設けられたレジスト層12がシード層22の上に形成される。
【0031】
このとき、ポジレジスト材を使用する場合は、露光やフォトマスクの構造などを調整することにより、レジスト層12の露光部において上部から下部になるにつれて露光量が顕著に少なくなるようにする。
【0032】
これにより、レジスト層12の開口部12aの断面形状は、先端から基端に向かって幅が細くなる逆台形状になって形成される。
【0033】
次いで、
図3(a)に示すように、シード層22をめっき給電経路として使用する電解めっきにより、レジスト層12の開口部12aに銅(Cu)めっき層24を形成する。
【0034】
さらに、
図3(b)に示すように、同様な電解めっきにより、銅めっき層24の上にはんだ層26を形成する。はんだ層26としては、例えば、錫(Sn)・銀(Ag)系のはんだ、又は錫(Sn)・ビスマス(Bi)系のはんだが使用される。はんだ層26が金属接合材の一例である。
【0035】
その後に、
図3(c)に示すように、レジスト層12を除去して、シード層22を露出させる。
【0036】
次いで、
図4(a)に示すように、はんだ層26及び銅めっき層24をマスクにして、シード層22をウェットエッチングにより除去する。さらに、
図4(b)に示すように、加熱処理することにより、はんだ層26をリフローさせて表面が丸まったバンプ状の形状にする。これにより、下から順に、シード層22及び銅めっき層24から柱状電極20が形成され、柱状電極20の先端面にはんだ層26が配置された状態となる。
【0037】
その後に、半導体ウェハ10をダイシングラインに沿って切断することにより、個々の半導体チップ5を得る。
【0038】
このようにして、半導体チップ5の接続パッドPの上に柱状電極20が突出して形成される。半導体チップ5の柱状電極20のはんだ層26を除く高さは、例えば20μm程度に設定される。
【0039】
前述したように、柱状電極20の銅めっき層24は、断面形状が逆台形状のレジスト層12の開口部12a内に形成される。このため、柱状電極20の断面形状は、
先端から基端に向かって幅が細くなる逆台形状となって形成される。
【0040】
図4(b)に示すように、半導体チップ5の柱状電極20の断面形状において、基端の幅W1は
先端の幅W2よりも細くなっている。半導体チップ5の柱状電極20は、島状に配置されたパッド状の電極であり、斜視的にみると逆円錐台状の形状となっている。例えば、半導体チップ5の柱状電極20の基端の幅W1(直径)は20μm程度であり、
先端の
幅W2(直径)は25μm程度である。
【0041】
また、半導体チップ5の柱状電極20は、チップの全体に格子状に配置するエリアアレイ型で配置してもよいし、チップの周辺に配置するペリフェラル型で配置してもよい。
【0042】
後述するように、半導体チップ5の柱状電極20は、断面が先端から基端に向かって細くなる逆台形状となっているため、アンダーフィル樹脂に対してくさびの役割を果たし、柱状電極20がアンダーフィル樹脂から抜けることが防止される。
【0043】
以上により、先端から基端に向かって細くなる柱状電極20を備えた半導体チップ5が製造される。
【0044】
図5(a)〜(c)には、半導体チップの柱状電極の変形例が示されている。
図5(a)に示すように、前述した
図3(a)の工程の後に、銅めっき層24の上に厚みが3μm程度のニッケル(Ni)層25を形成し、ニッケル層25の上にはんだ層26を形成してもよい。
【0045】
そして、
図5(b)に示すように、前述した
図3(c)及び
図4(a)の工程と同様に、レジスト層12を除去した後に、シード層22をウェットエッチングする。
【0046】
その後に、
図5(c)に示すように、前述した
図4(b)と同様に、はんだ層26をリフローさせて表面を丸めてバンプ状にする。その後に、同様に、半導体ウェハ10を切断して個々の半導体チップ5を得る。
【0047】
図5(c)の半導体チップ5の柱状電極20aは、下から順に、シード層22、銅めっき層24及びニッケル層25から形成され、柱状電極20aの上にはんだ層26が配置された状態となる。ニッケル層25は、銅めっき層24とはんだ層26との反応を防止するバリア層として機能する。
【0048】
このように、後に半導体チップ5をリフローはんだ付けする工程などで、銅めっき層24とはんだ層26とが反応して接続に不具合が発生するおそれがある場合は、銅めっき層24とはんだ層26との間にバリア層としてニッケル層25を形成してもよい。
【0049】
本実施形態では、半導体チップが備える第2の電極として、前述した半導体チップ5の柱状電極20(
図4(b))及び柱状電極20a(
図5(c))を例示する。
【0050】
次に、実施形態の半導体装置の製造方法で使用される接続電極を備えた配線基板を製造する方法について説明する。
【0051】
まず、
図6(a)に示すような配線基板6を用意する。配線基板6では、絶縁基板30の両面側に配線層40がそれぞれ形成されている。絶縁基板30には厚み方向に貫通する貫通電極42が形成されている。両面側の配線層40は、貫通電極42を介して相互接続されている。
【0052】
絶縁基板30の上には、配線層40の上にビアホールVHが配置された絶縁層32が形成されている。ビアホールVH内には配線層40に接続されたビア電極44が充填されている。
【0053】
そして、
図6(b)に示すように、無電解めっき又はスパッタ法により、絶縁層32及びビア電極44の上に銅などからなるシード層52を形成する。
【0054】
次いで、
図6(c)に示すように、ビア導体44を含む領域のシード層52の上に開口部14aが設けられたレジスト層14を形成する。このとき、前述した
図2(c)の工程と同様に、レジスト層14の開口部14aの断面形状は、
先端から基端に向かって幅が細くなる逆台形状で形成される。
【0055】
続いて、
図6(d)に示すように、シード層52をめっき給電経路に使用する電解めっきにより、レジスト層14の開口部14aに銅めっき層54を形成する。その後に、
図7(a)に示すように、レジスト層14を除去して、シード層52を露出させる。
【0056】
次いで、
図7(b)に示すように、銅めっき層54をマスクにしてシート層52をウェットエッチングにより除去する。
【0057】
これにより、配線基板6のビア電極44の上に、シード層52及び銅めっき層54から形成される接続電極50が突出して形成される。配線基板6の接続電極50の高さは、例えば10μm程度に設定される。
【0058】
前述したように、接続電極50の銅めっき層54は、断面が逆台形状のレジスト層14の開口部14a内に形成される。このため、接続電極50の断面形状は、先端から基端に向かって幅が細くなる逆台形状で形成される。
図7(b)に示すように、接続電極50の断面形状において、基端の幅W1は先端の幅W2より細く設定されている。
【0059】
図7(b)の例では、平面図を加えて参照すると、配線基板6の接続電極50は島状に配置されたパッド状の電極として各ビア電極44の上にそれぞれ形成され、斜視的にみると逆円錐台状の形状となっている。
図7(b)の上側の断面図は、
図7(b)の平面図のI−Iに沿った断面に相当する。
【0060】
例えば、配線基板6の接続電極50の基端の幅W1(直径)は20μm程度であり、先端の幅W2(直径)は25μm程度である。
【0061】
以上により、先端から基端に向かって細くなる接続電極50を備えた配線基板6が製造される。
【0062】
図8(a)及び(b)には、変形例の配線基板6aの接続電極が示されている。
図8(a)の平面図に示すように、同じ線幅で延在する配線層56の所定の一部分が接続電極部50aとなるようにしてもよい。
図8(a)の配線層56の破線で囲まれた部分が接続電極部50aとして画定される。
図8(b)は
図8(a)のII−IIに沿った断面図である。
【0063】
図8(b)の断面図に示すように、配線層56の幅方向の断面形状は先端から基端に向かって幅が細くなる逆台形状で形成され、接続電極部50aの断面形状も同じ逆台形状で形成される。接続電極部50aの断面形状の基端の幅W1は先端の幅W2よりも狭く設定されている。
【0064】
図8(a)及び(b)の接続電極部50aを含む逆台形状の配線層56を形成する場合は、前述した
図6(c)の工程で、レジスト層14の開口部14aが配線層56に対応するようにライン状に延在させて形成すればよい。
【0065】
図8(a)及び(b)の配線基板6aの接続電極部50aを含む配線層56においても、断面形状が先端から基端に向かって細くなっているため、アンダーフィル樹脂に対してくさびの役割を果たす。このため、接続電極部50aを含む配線層56からアンダーフィル樹脂が抜けることが防止される。
【0066】
本実施形態では、配線基板が備える第1の電極として、前述した配線基板6のパッド状の接続電極50(
図7(b))及び配線基板6aの配線層56の接続電極部50a(
図8(a)及び(b))を例示する。
【0067】
次に、前述した
図4(b)の半導体チップ5の柱状電極20と前述した
図7(b)の配線基板6の接続電極50とを封止樹脂材を介して接続する方法について説明する。
【0068】
図9に示すように、まず、前述した
図7(b)の配線基板6の接続電極50が形成された面に、先入れ用の封止樹脂材60aを形成する。
【0069】
封止樹脂材60aとしては、エポキシ樹脂などの液状樹脂材(NCP(Non Conductive Paste))、あるいは、エポキシ樹脂などの未硬化(Bステージ)の樹脂フィルム(NCF(Non Conductive Film))が使用される。
【0070】
次いで、
図10に示すように、
図9の配線基板6をボンディングステージ70の上に配置する。そして、配線基板6を100℃程度に加熱して封止樹脂材60aを軟化させた状態とする。
【0071】
さらに、前述した
図4(b)の先端にはんだ層26が形成された柱状電極20を備えた半導体チップ5を用意する。そして、半導体チップ5の背面をボンディングツール72に吸着固定させ、半導体チップ5の柱状電極20を配線基板6上の封止樹脂材60aに押し込む。
【0072】
これにより、
図11に示すように、半導体チップ5の柱状電極20をはんだ層26を介して配線基板6の接続電極50に圧接させてフリップチップ実装する。
【0073】
このとき、半導体チップ5の柱状電極20の中心軸と配線基板6の接続電極50の中心軸とが一致するように実装することが好ましい。しかし、隣り合う柱状電極20同士、又は隣り合う接続電極50同士が短絡しない範囲内であれば、中心軸をずらして実装しても差し支えない。
【0074】
続いて、リフロー加熱することにより、はんだ層26を溶融させて半導体チップ5の柱状電極20を配線基板6の接続電極50にはんだ層26によって接合する。リフロー加熱する際に、未硬化の封止樹脂材60aが同時に硬化し、半導体チップ5と配線基板6との間に硬化したアンダーフィル樹脂60が充填される。
【0075】
このとき、半導体チップ5の柱状電極20と配線基板6の接続電極50との間のはんだ層26が柱状電極20及び接続電極50の各側面に回り込まないようにする。このため、はんだ層26を完全に溶融させない状態で接合させる固相接合の手法が採用される。
【0076】
固相接合では、はんだ層26の融点よりも低い温度でリフロー加熱して接合する。はんだ層26が錫・銀系のはんだからなる場合は、はんだの融点が223℃であるため、その融点よりも若干低い220℃の温度でリフロー加熱が行われる。
【0077】
これにより、はんだ層26は半導体チップ5の柱状電極20及び配線基板6の接続電極50の各側面に回り込むことなく、柱状電極20と接続電極50との間の領域に留まって保持される。
【0078】
このようにして、半導体チップ5の柱状電極20の側面のほぼ全体にアンダーフィル樹脂60が接触する。また、配線基板6の接続電極50の側面のほぼ全体にアンダーフィル樹脂60が接触する。また、はんだ層26の側面にもアンダーフィル樹脂60が接触する。
【0079】
本実施形態と違って、半導体チップ5の柱状電極20の先端に形成されたはんだ層26を完全に溶融させると、はんだが柱状電極20及び接続電極50の各側面に回り込んで被覆することになる。これにより、柱状電極20及び接続電極50の各側面に形成されたはんだがアンダーフィル樹脂60
と接触することになる。
【0080】
このため、後に半導体装置をマザーボードなどにリフローはんだ付けで接続する際に、柱状電極20及び接続電極50の各側面に形成されたはんだが再溶融する。その結果、半導体チップ5の柱状電極20及び配線基板6の接続電極50がアンダーフィル樹脂60から抜けやすくなる。
【0081】
以上の観点から、半導体チップ5の柱状電極20と配線基板6の接続電極50とをはんだで接合する際に、はんだを完全に溶融させずに、柱状電極20及び接続電極50の各側面をはんだを介さずにアンダーフィル樹脂60で直接接触させることが肝要である。
【0082】
なお、前述した
図8の配線基板6aを使用する場合は、配線基板6aの配線層56の接続電極部50aに半導体チップ5の柱状電極20が同様にフリップチップ接続されて、それらの間にアンダーフィル樹脂60が形成される。
【0083】
本実施形態では、半導体チップ5の柱状電極20の先端にはんだ層26を形成しているが、配線基板6の接続電極50の先端にはんだ層を形成し、半導体チップ5の柱状電極20をはんだ層を介して配線基板6の接続電極50に接続してもよい。
【0084】
また、金属接合材としてはんだ層を例示したが、導電性ペーストなどを使用することも可能である。
【0085】
その後に、
図12に示すように、
図11の構造体の半導体チップ5からボンディングツール72を取り外し、ボンディングステージ70から半導体チップ5が接続された配線基板6を外部に搬送する。
【0086】
以上により、
図12に示すように、実施形態の半導体装置1が得られる。
【0087】
図12に示すように、実施形態の半導体装置1は、前述した
図7(b)の接続電極50を備えた配線基板6と、前述した
図4(b)の柱状電極20を備えた半導体チップ5とを有する。配線基板6の接続電極50と半導体チップ5の柱状電極20とが対向して配置され、接続電極50の先端と柱状電極20の先端とがはんだ層26で接合されている。
【0088】
このようにして、半導体チップ5の柱状電極20が配線基板6の接続電極50にはんだ層26を介してフリップチップ接続されている。
【0089】
半導体チップ5の柱状電極20の高さは配線基板6の接続電極50の高さよりも高く設定されている。
【0090】
配線基板6の接続電極50の断面形状は、
基端の幅W1が
先端の幅W2より細い逆台形状となっている(
図7(b))。また同様に、半導体チップ5の柱状電極20の断面形状は、
基端の幅W1が
先端の幅W2より細い逆台形状となっている(
図4(b))。
【0091】
また、半導体チップ5と配線基板6との間の領域にアンダーフィル樹60が充填されている。
【0092】
そして、配線基板6の接続電極50の側面のほぼ全体がアンダーフィル樹脂60で被覆されて、アンダーフィル樹脂60と接触している。また、半導体チップ5の柱状電極20の側面のほぼ全体がアンダーフィル樹脂60で被覆されて、アンダーフィル樹脂60と接触している。接続電極50と柱状電極20の間のはんだ層26の側面もアンダーフィル樹脂60で被覆されている。
【0093】
このように、配線基板6の接続電極50は
先端から
基端に向かって幅が細くなっているため、アンダーフィル樹脂60に対してくさびの役割を果たす。これにより、熱応力などが発生するとしても、配線基板6の接続電極50がアンダーフィル樹脂60から抜けることが防止される。その結果、配線基板6とアンダーフィル樹脂60との界面での剥離が防止される。
【0094】
また同様に、半導体チップ5の柱状電極20は
先端から
基端に向かって幅が細くなっているため、アンダーフィル樹脂60に対してくさびの役割を果たす。これにより、熱応力などが発生するとしても、半導体チップ5の柱状電極20がアンダーフィル樹脂60から抜けることが防止される。その結果、半導体チップ5とアンダーフィル樹脂60との界面での剥離が防止される。
【0095】
よって、配線基板6の接続電極50と半導体チップ5の柱状電極20との電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
【0096】
本願発明者は、実施形態の半導体装置1に対して予備的事項で説明した吸湿リフロー試験及び高温高湿試験を実際に行った。その結果によれば、アンダーフィル樹脂60と半導体チップ5との界面、及びアンダーフィル樹脂60と配線基板6の界面での剥離の発生は確認されなかった。
【0097】
従って、半導体装置1をマザーボードなどの実装基板に加熱処理を伴ってリフローはんだ付けする際や半導体装置を内蔵する電子機器を実際に使用する際に、電気的な接続の十分な信頼性を確保することができる。
【0098】
図13には、実施形態の変形例の半導体装置1aが示されている。
図13に示すように、変形例の半導体装置1aでは、
図12の半導体装置1の配線基板6が外側に延在しており、半導体チップ5の横方向の配線基板6上に接続パッドPxが形成されている。
【0099】
また、配線基板6の接続パッドPx上にははんだボールなどからなるバンプ電極74が設けられている。バンプ電極74の高さは、半導体チップ5の上面の高さ位置よりも高く設定されている。
【0100】
そして、配線基板6及び半導体チップ5の上に、バンプ電極74に電気的に接続された上側配線基板7が配置されている。上側配線基板7の接続パッドPyがバンプ電極74を介して配線基板6の接続パッドPxに電気的に接続されている。
【0101】
さらに、半導体チップ5と上側配線基板7との間、及び配線基板6と上側配線基板7との間に別のアンダーフィル樹脂62が形成されている。
【0102】
図13の変形例の半導体装置1aでは、マザーボードなどの実装基板に加熱処理を伴ってリフローはんだ付けする際などに、上側配線基板7に反りなどの変形が発生すると、半導体チップ5に対して上側に引っ張る応力がかかりやすい。
【0103】
本実施形態では、半導体チップ5の柱状電極20がアンダーフィル樹脂60に対してくさびの役割を果たすため、
図13のような半導体チップ5を上側に剥がそうとする応力がかかる構造において特に有効である。
【0104】
前述した形態では、配線基板6の上に半導体チップ5をフリップチップ接続しているが、半導体チップ同士を同様な電極構造で接続してもよい。