(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6130644
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】プローブによって試料を走査する方法
(51)【国際特許分類】
H01J 37/22 20060101AFI20170508BHJP
H01J 37/147 20060101ALI20170508BHJP
G02B 21/00 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
H01J37/22 502H
H01J37/147 B
H01J37/147 Z
H01J37/147 D
H01J37/147 E
G02B21/00
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-230758(P2012-230758)
(22)【出願日】2012年10月18日
(65)【公開番号】特開2013-89601(P2013-89601A)
(43)【公開日】2013年5月13日
【審査請求日】2015年10月15日
(31)【優先権主張番号】11185586.2
(32)【優先日】2011年10月18日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501233536
【氏名又は名称】エフ イー アイ カンパニ
【氏名又は名称原語表記】FEI COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】アルトゥール ライナウト ハルトング
(72)【発明者】
【氏名】コルネリス サンデル コーイマン
【審査官】
佐藤 仁美
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭62−115636(JP,A)
【文献】
特開2004−271269(JP,A)
【文献】
特開平05−290787(JP,A)
【文献】
国際公開第2003/044821(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/00−37/295
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブによって試料を走査する方法であって、
少なくとも2つの走査パターンを用いて前記試料を走査する手順、
前記少なくとも2つの走査パターンのうちの第1走査パターンで前記試料を走査しながら該走査の結果得られたデータを順次取得し、該取得されたデータを、前記第1走査パターンに関連付けられた第1メモリ領域内でマッピングする手順であって、該メモリ領域は、各々が名目上の走査位置(x,y)に関連付けられた複数のメモリ位置を有する、手順、
前記少なくとも2つの走査パターンのうちの第2走査パターンで前記試料を走査しながら該走査の結果得られたデータを順次取得し、該取得されたデータを、前記第2走査パターンに関連付けられた第2メモリ領域内でマッピングする手順であって、該メモリ領域は、各々が名目上の走査位置(u,v)に関連付けられた複数のメモリ位置を有する、手順、
前記第1メモリ領域からのデータと前記第2メモリ領域からのデータとを結合することによって改善された像を生成し、前記改善された像に関連付けられたメモリ領域内で前記の結合されたデータをマッピングする手順であって、前記改善された像に関連付けられたメモリ領域の各点は名目上の走査位置に関連する、手順、
を有し、
前記2つの走査パターンは、当該2つの走査パターンがある角度で交差する複数の交差点の組を示し、前記交差点は、名目上の走査位置とは必ずしも一致せず、前記交差点の組から交差点の群Cが選ばれ、
前記第1走査中に取得される各名目上の走査位置(x,y)の位置が調節され、かつ、第2走査中に取得される各名目上の走査位置(u,v)の位置が調節され、それにより、新たに定められる交差点での、前記第1走査と前記第2走査との間での実際のデータ又は補間されたデータの類似性が改善されるように、交差点の新たな組と交差点Cの新たな群が定められ、
各名目上の走査位置の調節は、該名目上の走査位置と他の名目上の走査位置との間でのそれぞれの走査の時間的距離に基づく重み付け因子を用いて、他の名目上の走査位置の調節によって影響され、
前記の調節された名目上の走査位置(x,y)が、前記第1メモリ領域のデータを、前記改善された像の1つ以上のメモリ位置へマッピングするのに用いられ、かつ、前記の調節された名目上の走査位置(u,v)が、前記第2メモリ領域のデータを、前記改善された像の1つ以上のメモリ位置へマッピングするのに用いられる、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記プローブは、走査プローブ顕微鏡のプローブ、集束荷電粒子ビーム、集束X線ビーム、又は、近赤外光、可視光、若しくは近紫外光のビームである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも2つの走査パターンは2つの走査パターンであり、
前記2つの走査パターンの各々は平行な線分を有し、
前記2つの走査パターンでの線分の方向は、互いに垂直である、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
各走査において得られたデータの振幅が正規化される、請求項1乃至3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
メタヒューリスティック法が前記類似性を改善するのに用いられる、請求項1乃至4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
用いられる前記メタヒューリスティック法が、「最急上昇法」及び/又は「確率伝播アルゴリズム」を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
1つ以上の所定の中断基準が、前記メタヒューリスティック法を中断するのに用いられ、
前記1つ以上の所定の中断基準は、最大数の反復サイクル、最後の反復において決定された交差点Cの最大シフト、又は、前記走査の2つの最後に得られた像のデータ点の類似性を有する、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記走査パターンのうちの少なくとも1つが、前記プローブに、複数の走査位置を走査させ、
前記プローブは、滞在時間中、前記走査位置の各々にて静止状態で保持され、
前記プローブは、前記滞在時間よりも短い時間で、連続する位置の間を移動する、
請求項1乃至7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記改善された像に関連付けられたメモリの像位置へデータをマッピングした後、データが埋められていなかった前記改善された像に関連付けられたメモリ領域のメモリ位置が、該メモリ位置に隣接する前記改善された像内のデータから補間されたデータで埋められる、請求項1乃至8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも2つの走査パターンが時間的な重なりを示す、請求項1乃至9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも2つの走査パターンは2つの走査パターンであり、
前記2つの走査パターンの各々は平行な線分を有し、
前記2つの走査パターンでの線分の方向は、互いに垂直であり、
前記重み付け因子は、1つ以上の完全な走査線上でのすべての走査位置については1に等しく、他の走査線については0に等しい、
請求項1乃至10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
3つ以上の走査パターンが用いられ、
少なくとも1つの走査パターンが少なくとも2つの別な走査パターンと交差点を形成することで、少なくとも2組の交差点の組を生成し、
前記少なくとも2組の交差点の組から、一の交差点の群Cが選ばれる、
請求項1乃至11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
前記交差点の組は前記交差点の群Cに等しい、請求項1乃至12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
4つ以上の走査パターンが用いられ、
前記走査パターンは、対をなすように結合されることで、複数の改善された像を生成し、
前記複数の改善された像が、最終像を生成するように結合される、
請求項1乃至13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
前記結合は、前記複数の改善された像の互いに対する回転及びシフトの補正を含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプローブによって試料を走査する方法に関する。当該方法は、
− 少なくとも2つの走査パターンを用いて前記試料を走査する手順、
− 第1走査パターンで前記試料を走査
しながら該走査の結果得られたデータを順次取得し、
該取得されたデータを、前記第1走査パターンに
関連付けられた第1メモリ領域内でマッピングする手順であって、
該メモリ領域は、各々が名目上の走査位置(x,y)に関連
付けられた複数のメモリ位置を有する、手順、
− 第2走査パターンで前記試料を走査
しながら該走査の結果得られたデータを順次取得し、
該取得されたデータを、前記第2走査パターンに
関連付けられた第2メモリ領域内でマッピングする手順であって、
該メモリ領域は、各々が名目上の走査位置(u,v)に関連
付けられた複数のメモリ位置を有する、手順、
− 前記第1メモリ領域からのデータと前記第2メモリ領域からのデータとを結合することによって改善された像を生成し、前記改善された像に
関連付けられたメモリ領域内で前記の結合されたデータをマッピングする手順であって、前記改善された像に
関連付けられたメモリ領域の各点
が名目上の走査位置に関連
付けられる、手順、
を有する。
【背景技術】
【0002】
係る方法は、非特許文献1から既知である。
【0003】
SEMでは、試料は、電子の集束ビームの形態をとるプローブによって走査される。前記走査に応じて、前記試料から放射線−たとえば2次電子(SE)、後方散乱電子(BSE)、X線、及び光子−が放出される。この放射線は、検出器−たとえばエバハルト−ソーンレイ(Everhart-Thornley)型検出器、フォトダイオードのような半導体検出器等−によって検出される。試料に対するプローブの位置は既知であるので、検出された信号は像メモリ内でマッピングされうる。前記像メモリ内では、各メモリ位置は、検出された信号の強度又は振幅(SEの大きさ)を表し、かつ、各メモリ位置は、試料に対するプローブの位置に関連付けられる。
【0004】
非特許文献1では、走査型電子顕微鏡(SEM)で像を取得する際の問題が論じられている。
【0005】
S/N比を高くするためには、プローブが一の位置上で長期間滞在するような遅い走査速度が用いられてよい。このような長期間に、プローブと試料が、干渉−たとえば機械的移動(振動)又は電磁場−に起因して互いに移動するとき、試料上での一点に係るメモリ位置は、名目上の位置からのデータを含むだけでなく、隣接する位置のデータ(情報)をも含んでしまう。その結果は、高S/N比ではあるが、ちらつきのある像となる。あるいはその代わりに、メモリ位置は、名目上の位置以外の位置からのデータしか含まないこともありうる。そのような場合、像は所謂減衰(flagging)を示す。
【0006】
フレーム時間(像が一度走査される時間)が干渉周波数よりもはるかに小さくなる走査速度が用いられるとき、干渉の効果は無視されてよい。これは、TV速度−たとえば毎秒25フレーム−で試料を走査することによって近似される。そのような短いフレーム時間を用いるときの問題は、S/N比が非常に低くなることである。
【0007】
この問題を解決するため、非特許文献1は、像間でのドリフトが補正されるように複数のTV速度の像を結合することを提案している。非特許文献1は、各独立したメモリ領域内に各異なる像を記憶し、たとえば補正手法を用いることによって互いの像の移動ベクトルを決定し、像を正しい位置へシフトさせ、その後補正された像を追加又は平均化することを提案している。
【0008】
同様の方法は非特許文献2において提案されている。
【0009】
非特許文献2は、走査プローブ顕微鏡−たとえば走査トンネル顕微鏡−からのプローブが、表面全体にわたって機械的に走査される他の走査プローブ手法について記載している。非特許文献2では、第1方向で試料を走査し、続いて前記第1方向とは反対の方向−所謂対抗方向−で前記試料を走査することが提案されている。
【0010】
非特許文献2は、
図3及び
図4において、2つのそのような対抗する方向に走査された像の対−走査が水平方向の走査である一の対と、走査が垂直方向の走査である他の対−が、ドリフトベクトルの決定に用いられうること、並びに、このドリフトベクトル(一定であると仮定される)は、像の歪みの補正、及び、結合された像の生成に用いられることを示している(非特許文献2の
図4cを参照のこと)。
【0011】
この方法は、特許文献1にも記載されている。
【0012】
同様の方法は非特許文献3によっても提案されている。
【0013】
非特許文献3は、SEMにおいて−非特許文献1によって提案された手法のような手法によって−複数の像を取得することを提案し、かつ、像間でのドリフトを決定して、各像の線をシフトさせることによって各像におけるドリフトを補正し、また互いに対する像の回転をも補正することを提案している。これらの補正は、フレーム時間中(ほぼ)一定の干渉については可能である。それにより直線ドリフトが推定されるか、又は、単純なスプラインが、連続する像間で決定されるようなドリフト位置から定められ得る。
【0014】
上述した手法のすべてにおける問題は、フレーム時間よりもはるかに短い変動時間(フレーム速度よりもはるかに大きな干渉周波数)で変動する干渉を補正することができないことである。
【0015】
長いフレーム時間については、より多くの干渉がフレーム時間よりも短い周期を有するため、上述の問題は重要となることに留意して欲しい。近年取得される像の解像度は高い−たとえば10
3×10
3画素で、これは10
6画素にも相当する−ため、1秒を超えるフレーム時間は通常である。このことは、1秒よりも(はるかに)短い周期を有する干渉のすべては、上述の方法
では補正することができないことを意味する。さらに高い解像度の像を補正する必要性が高まることも予想される。
【0016】
上述の問題を増大させる他の問題は、多くの走査手法にお
けるプローブの分解能
の向上である。たとえば走査型電子顕微鏡(SEM)では、微細に集束した電子プローブの分解能は現在既に1nmを下回っていて、走査透過型電子顕微鏡(STEM)では、プローブの分解能は、既に50
pmを下回っている。そのような小さなサイズでは、より顕著な干渉の減衰が求められている。このことが、
係る装置が設けられる構造物についての構造上の要求−たとえば振動制御、温度制御、換気制御、音響的な隔離
等−となりうる。その結果、高コストとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】露国特許第2326367C2号明細書
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】P. Cizmar et al: “New Imaging method with adaptive averaging of super-fast SEM images”, Scanning Vol. 30, 3 (2008), p. 277-278
【非特許文献2】R. V. Lapshin : “A Method for Automatic Correction of Drift-Distorted SPM Images”, Journal of surface investigation: X-ray, synchrotron and neutron techniques Vol. 1 No. 6 (2007), p. 630-636
【非特許文献3】M. T. Snella: “Drift Correction for Scanning-Electron Microscopy”, thesis, submitted to the the Department of Electrical Engineering and Computer Science at the Massachusetts Institute of Technology, (Sept 2010)
【非特許文献4】S. Luke: ”Essentials of Metaheuristics (A Set of Undergraduate Lecture Notes)”,1st Ed. (Rev C), Online Version 1.2 (July 2011), ISBN: 978-0-557-14859-2
【非特許文献5】F.R. Kschischang et al.: “Factor Graphs and the Sum-Product Algorithm”, IEEE Transaction on information theory, Vol. 47, no. 2, (Feb. 2001), p 498 - 519
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、前述した問題に対する解決策の提供及び/又は干渉の遮蔽に係るコストの減少である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的のため、本発明による方法は以下の特徴を有する。
− 2つの走査パターンは、
当該2つの走査パターンがある角度で交差する複数の交差点
の組を
示し、前記交差点は、名目上の走査位置とは必ずしも一致せず、前記交差点の組から交差点の群Cが選ばれ、
− 第1走査中に取得される各名目上の走査位置(x,y)の位置が調節され、かつ、第2走査中に取得される各名目上の走査位置(u,v)の位置が調節され
、それにより、新たに定められる交差点での実際のデータ又は補間されたデータの類似性が改善されるように、交差点の新たな組と交差点Cの新たな群が定められ
、
− 各名目上の走査位置の調節は、重み付け因子を用いた他の
名目上の走査位置の調節によって
影響され、前記重み付け因子は、前記名目上の走査位置と前記他の
名目上の走査位置との間での時間的コヒーレンスの関数であり、
− 前記の調節された名目上の走査位置(x,y)
が、前記第1メモリ領域のデータを、
前記改善された像の1つ以上のメモリ位置へマッピングするのに用いられ、かつ、前記の調節された名目上の走査位置(u,v)
が、前記第2メモリ領域のデータを、前記改善された像の1つ以上のメモリ位置へマッピングするのに用いられる。
【0021】
本発明は、走査方向に沿った方向において隣接する点間でのコヒーレンスは、前記走査方向に対して垂直に隣接する点間でのコヒーレンスよりもはるかに良好であるという知見に基づく。よってある角度をなした(好適には互いに垂直な)状態で2つの走査パターンを結合することによって、両方向において(時間的距離が短くなることに起因して)改善されたコヒーレンスを利用して像を生成することが可能となる。
【0022】
これは、(2つの走査方向からのデータが利用可能である)交差点でのデータ又はその交差点に係るメモリ位置の補間されたデータ(その交差点が名目上の走査位置に対応しない場合)の
類似性が改善されるように、各名目上の走査位置を調節することによって実現される。しかし一般的には同一のデータ値(グレイ値)を有する画素は、像上のどこかに存在するため、最適の
類似性で一の点から他の点へシフトさせるだけでは明らかに機能しない。従って名目上の走査位置のシフトは、重み付け因子を用いて他の名目上の走査位置を調節することによって実現(可能と)される。前記重み付け因子は、前記他の名目上の走査位置の時間的コヒーレンスの関数である。よって前記他の名目上の走査位置は、前記時間的コヒーレンスが高いときには一緒に移動する。
【0023】
実験とシミュレーションの結果は、当該方法が適切に機能するように、通常は調節のための最大値が定義されなければならないことを示した。
【0024】
最終的に、2つの像−一の像は一の走査パターンにより生成され、かつ、他の像は他の走査パターンにより生成される−が結合される。
【0025】
しかしシフトすることにより、前記の結合された像中の一部の位置は関連するデータを有しないことは十分可能であり、かつ、そのようになることの蓋然性はかなり高い。そのような説明は非常に単純である。つまり干渉によって、試料のこれらの位置は走査されない一方で、他の位置は3回以上走査されたからである。「目を満足させ」、かつ通常の
解釈に用いられ得る像を生成するため、前記の結合された像中のそのような何もない位置は、内挿/外挿されたデータによって埋められてよい。
【0026】
計算量を減らすため、交差点の群Cはすべての交差点の部分集合であってもよいことに留意して欲しい。
【0027】
この方法は、データが走査により試料からサンプリング(取得)される任意の方法に対して適用可能であることにも留意して欲しい。走査を利用する分析方法は、走査型電子顕微鏡(SEM)若しくは走査透過型電子顕微鏡(STEM)で行われるような微細に集束した電子ビームによる走査、集束イオンビーム(FIB)装置で行われるような微細に集束したイオンビームによる走査、走査プローブ顕微鏡(SPM)−走査トンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡、走査近接場光顕微鏡等を含む−で行われるような微細な針による走査、
集束X線ビームによる走査、レーザービームから得られるような近赤外光、可視光、近紫外による走査である。また荷電分子、クラスタ等の群からの荷電粒子のプローブは、上記のように試料全体にわたって走査されて良い。
なお、各走査において得られたデータの振幅が正規化されてもよい。
【0028】
最適化の終了を決定するため、中断基準が利用されてよい。前記中断基準はたとえば、最大数の反復サイクル、最後の反復において決定されたノードの最大シフト、又は、最後に得られた2つの走査像のデータ点の
類似性を含む。またユーザーによる介入が中断基準として用いられてもよい。
【0029】
最適な調節の組(を近似する調節の組)の探索に係る問題は、入力ベクトル(すべての調節)によって関数(データ点の
類似性)を最大化する問題として表すことができる。ただしその入力ベクトルのサイズは、完全な探索を行うには不十分である。その理由は、必要な計算回数は変数の個数に対して指数関数的に増大するからである。そのような問題のためのより効率的な最適化方法は、メタヒューリスティック(metaheuristics)の分野から発生する。「最急上昇法」及び「確率伝播アルゴリズム」が、その問題に適用されて成功した。上記の方法は非特許文献4に記載されている。
【0030】
当該方法は、試料全体にわたって連続的に移動して走査されるプローブに適用される。データ点のデータは移動の一部にわたる積分を表す。しかし当該方法は、点から点へジャンプして、ある位置に滞在するプローブにも適用されうる。他方位置の間での移動は、滞在時間よりも短い(たとえば滞在時間の10%未満又は1%未満)。
【0031】
好適実施例では、少なくとも2つの走査パターンが時間的に重なる。
【0032】
第1走査の1本の線が走査され、続いて第2走査パターンの1本の線が走査され、続いて第1走査の1本の線が走査され…と続く。このようにして、第1走査パターンと第2走査パターンとの間での時間的コヒーレンスは、2つの連続する走査パターンの結果が結合されるときよりも高くなる。それにより結果は改善される。
【0033】
好適実施例では、各走査パターンは複数の平行な線で構成され、一の走査パターンの線は他の走査パターンの線に対して垂直で、かつ、重み付け因子は、一の線上のすべての点については1で、他の線上のすべての点については0である。明らかに、一の走査線内の点間での時間的コヒーレンスは高い。なぜならそれらの点はすべて、一の走査線周期内にサンプリングされるからである。重み付け因子を、一の線上のすべての点については1で、他の線上のすべての点については0とすることによって、一の線上でのすべての点は一緒に移動する。これにより、必要とされる計算量が制限される。
【0034】
効果は、線時間の2倍に等しい時定数によって干渉をフィルタリングするハイパスフィルタに匹敵する。線時間の2倍よりも長い周期のすべての干渉は減衰する。
【0035】
他の実施例では、3つ以上の走査パターンが用いられ、少なくとも1つの走査パターンが少なくとも2つの別な走査パターンと交差することで、少なくとも2組の交差点の組を生成する。前記少なくとも2組の交差点の組から、一の交差点の群Cが選ばれる。
【0036】
交差点の群Cは、各組が2つの走査パターンの交差点に相当する多数の交差点の組から選ばれてよい。
【0037】
他の実施例では、4つ以上の走査パターンが用いられ、かつ、その走査パターンは、対をなすように結合されることで、多数の改善された像を生成し、前記多数の改善された像は、最終像を生成するように結合される。
【0038】
対をなすように複数の像を結合することは魅力的であり得る。多数の連続する像である像1、像2、像3…を取得するとき、前記像1と前記像2が結合されることで第1の改善像が生成され、前記像3と前記像4が結合されることで第2の改善像が生成され、一の最終像中で前記第1の改善像と前記第2の改善像が結合される。このようにして、たとえば大きな所定の最大調節量を選ぶことなく、互いに大きくシフトした複数の像を結合することが可能となる。これにより、交差点の群C内のすべての組からの交差点を利用するときと比較して、改善の程度を大きく落とすことなく、計算に必要な時間を減らすことが可能となる。
【0039】
前記結合は、改善された像を互いに回転及びシフトさせる手順を有してよい。その方法自体はたとえば非特許文献3から既知である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1b】第1走査パターンと第2走査パターンが重ね合わせられた様子を概略的に表している。
【
図2】aとbはそれぞれ、第1走査パターンと第2走査パターンによって取得された像を概略的に表している。
【
図3】「最急上昇法」の連続反復中に決定されるシフトベクトルの推定を概略的に表している。
【
図4】重み付け因子が、1つの線上の全ての点で1となり、かつ他の全ての点では0になる場合の問題の因子グラフを表している。
【
図5】確率伝播アルゴリズムの連続反復中でのシフトベクトルの推定が段階的に発展する様子を概略的に表している。
【
図6a】第1像の線の各々についてx方向におけるシフト量を最も近い整数に近似して概略的に表している。
【
図6b】第1像の線の各々についてy方向におけるシフト量を最も近い整数に近似して概略的に表している。
【
図6c】第2像の線の各々についてx方向におけるシフト量を最も近い整数に近似して概略的に表している。
【
図6d】第2像の線の各々についてy方向におけるシフト量を最も近い整数に近似して概略的に表している。
【
図7a】
図6a-dのシフト補正が
図2aの像に適用された結果得られた像を概略的に表している。
【
図7b】
図6a-dのシフト補正が
図2bの像に適用された結果得られた像を概略的に表している。
【
図8】2つの像の情報を結合することによって生成される像を概略的に表している。
【
図9】「何もない空間」が補間された
図8の結合された像を概略的に表している。
【発明を実施するための形態】
【0041】
ここで本発明は、図を用いて説明される。図中、同一参照番号は対応する部材に関連する。
【0042】
図1aは、たとえば走査型電子顕微鏡(SEM)、走査透過型電子顕微鏡(STEM)、集束イオンビーム装置(FIB)、又は走査プローブ顕微鏡(SPM)で通常用いられる走査パターンを概略的に表している。プローブ101−たとえば荷電粒子(電子、イオン、帯電分子、又は帯電クラスタ)の集束ビーム−は、電磁場を偏向させることによって操作される。それにより前記プローブの位置は、試料表面全体にわたって走査される。最初にプローブは開始位置102に設けられる。第1の線は、位置103へ向かってx方向にプローブを動かすことによって走査される。試料全体にわたって一定の速度でプローブを走査させることで、線は、滑らかに変位するように走査されて良い。あるいは線は、スポット間で−たとえば開始位置102から位置106まで−プローブをホッピングさせ、滞在期間中にそのスポットを位置106に保持し、かつ、そのスポットを走査線に沿って次の走査位置へ迅速に変位させることによって走査されても良い。いずれの場合でも、位置106(付近)で集められる情報は、積分されて、一のメモリ位置にて保存される。第1の線の終端部では、プローブは、前記第1の線の終端部から第2の線の開始位置である位置104へ迅速に移動され、その後位置105へ移動される。通常は、位置104は第1の線の開始位置102に隣接する。しかし第2の線の走査方向が、第1の線の走査方向と反対であることも知られている。プローブは、第1の線の終端部から第2の線の開始部まで迅速に移動することで、試料の帯電、汚染、及び/又は損傷を回避することが好ましいことに留意して欲しい。所謂「フライバック(fly-back)」期間中、走査位置を第1の線の終端部から第2の線の開始部まで移動させるのに要する期間中に荷電粒子がその試料に衝突するのを回避するため、ビームブランカによってビームを除去することが知られている。
【0043】
第2の走査線は第1の走査線と平行だが、y方向にわずかに変位している。走査線間の距離は、スポットの直径にほぼ等しいことが好ましい。さもなければ過サンプリング又はサンプリング不足となるからである。
【0044】
これは、多数の平行線が引かれるまで繰り返される。
【0045】
同一線上の2つの隣接する点間での時間的コヒーレンスが非常に高いことは明らかである。しかし第1の線の最初の点と最後の線の最後の点との間での時間的コヒーレンスは概してかなり悪く、(次の走査パターンにおいて)後で走査される点については、さらに悪くなる。たとえば電場又は磁場の変化、結果として熱膨張を生じさせる温度変化、機械振動、音響的干渉、圧力変化等の結果として生じる名目上の走査位置に対する実際の走査位置の変位は通常、走査方向における2つの隣接する点の相対位置に(ほんのわずかにしか)影響しない。しかしそのような変位は、時間的に互いに離れていて、それゆえに時間的コヒーレンスの小さな場合にサンプリングされた点については、より大きな効果を有する。
【0046】
完全な走査パターンの走査時間は典型的には、1秒よりもはるかに短い時間(たとえば1/25秒)から長い時間(たとえば100秒よりも長い時間)までの範囲であることに留意して欲しい。512〜2048の位置又は線の走査範囲での各線上のN個の走査位置及びN本の線の数は、コンピュータメモリ及びスキャン生成装置が安価になり、かつ、コンピュータモニタがより高解像度を示すにつれて増大する。この例では、走査パターンにおける線上の点の数及び線の数は同一であると
仮定され
ている。そのように
仮定される結果像は正方形の像となる。しかし常に像が正方形になるわけではなく、長方形となってもよい。
【0047】
図1bは、第1走査パターンと該第1走査パターンに対して垂直な第2走査パターンとを結合したパターンを概略的に表している。
【0048】
前述したように、プローブは最初、多数の水平線
1−i(i=1…M)にわたって走査又はラスタ走査され、続いてプローブは、多数の垂直線
2−j(j=1…N)にわたってラスタ走査される。前記第1走査パターンに対して垂直な第2走査パターンの結果、多数(N×M)の交差点C
i,jが生じる。
【0049】
走査パターンは、
図2bに図示されているような単純なラスタであってよいが、所謂インタレースを示すパターンであってもよい。あるいはその代わりに走査パターンはたとえば、パターン1の線を走査し、続いてパターン2の線を走査し、続いて再度パターン1の線を走査し、続いてパターン2の線を走査するといったようにして結合されてよい。
【0050】
図2aは、第1走査パターンにより取得された像を概略的に表している。
図2bは、前記第1走査パターンに対して垂直な第2走査パターンにより取得された像を概略的に表している。
【0051】
図2aは、
図1aに図示された多数の水平線で構成される走査パターンによって試料を走査することによって生成される像を表している。このような512×512画素の既存の像から得られるシミュレーション像に、干渉が加わる。3画素のRMS空間ノイズを有するシミュレーションによる確率論的ノイズに相当する干渉が、周知の「レナ(Lena)」像に加
えられている。
【0052】
図2bは、
図2aで用いられた走査パターンに対して垂直な走査パターンで走査することによって生成される同様の像を表している。繰り返しになるが、3画素のRMS値を有する空間ノイズが加えられている。
【0053】
これらは空間ノイズのみが加えられたシミュレーション像であることに留意して欲しい。現実の像は、他のノイズ源−たとえば強度ノイズ−をも有する。また位置のノイズの種類は、様々な形態(確率論的に、赤、白、又は青のノイズ、たとえば機械的共振の結果生じる周波数に固有のノイズ等)をとりうる。
【0054】
図3は、「最急降下法」の連続反復中に決定されるシフトベクトルの推定を概略的に表している。
【0055】
「最急上昇法」では、最適値は、名目上の走査位置(x,y)の各々と名目上の走査位置(u,v)の各々を調節し、かつ、そのような手順を一度で行うことにより最適値が最大に改善される場所を探すことによって探索される。その改善は、各走査について位置(x,y)での強度の
類似性によって表される。それにより新たな交差点の組が定義され、新たな交差点の群Cが定義される。新たな交差点の群Cの定義は、1つ以上の所定の中断基準に到達するまで、その新たな交差点での実際のデータ又は補間されたデータの
類似性が最適化されるように行われる。その後多数の位置の調節された位置は、前記位置のデータを、改善された像に係るメモリ領域の1つ以上のメモリ位置にマッピングするのに用いられる。この方法は「最急上昇法」として知られている。なぜならその方法は、最も急な丘(最も大きな導関数)を決定してその方向に向かって「上昇」するからである。
【0056】
この例では、重み付け因子は、1本の線上のすべての点については1で、それ以外の点については0である。この場合、1本の線上の名目上の位置(x,y)への修正は、その線についての単一のシフトベクトルaに置き換えられる。1本の線上の名目上の位置(u,v)への修正は、その線についての単一のシフトベクトルbに置き換えられる。
【0057】
図3は、第1組の交差点Cの変位座標又は行3Aでの一の像の全ての線のシフトベクトルa及び列3Bでの他の像の全ての線のシフトベクトルbを表す。ここで指数0は0番目の反復を表している。評価前では、各線(3A
0及び3B
0の各四角)についてのシフトベクトルは、(0,0)で定義されるゼロベクトルである。各線についての第1反復の間、シフトベクトル(0,0)、(1,0)、(0,1)、(-1,0)、又は(0,-1)のいずれが、データの
類似性において最善の一致を与えるのかが評価される。ここでこのシフトベクトルは、第1の線に属するシフトベクトルa
1=(x
1,y
1)として記憶される(a
1は3A
1の四角内に設けられている)。同様に第1像の他のすべての線についても、シフトベクトルa
iが決定される。以降3A
0の値はもはや用いられない。代わりに3A
1の値が用いられる。他の像についても、上記のようなことが行われる。その結果、一連のシフトベクトルb
jが生成される。よって第1反復後、各像中の各線についてのシフトベクトルが決定される。そのシフトは最大でも1画素である。ここではこの処理が反復ループ内において繰り返されている。第2反復では、線のシフトはより大きくなりうるか(たとえば(1,-1)又は(-2,0))、又はその手順を後戻りしてもよい。この新たに発見されたシフトベクトルは、先に発見されたシフトベクトルを
置き換える。i回の反復後、たとえば最後の反復において変化がなくなり(すべてのa
iとb
jが変化しなかった)、2つの解が繰り返され(2つの解の間でのフリップ−フロップ)、又は最大数の反復に到達するため、中断基準に到達する。よって第1像の各線について発見された解a
i及び第2像の各線について発見された解b
jは、
図7に図示されたような像が生成されるように
図2の像の線をシフトさせるのに用いられる。
【0058】
典型的には、第1像のシフトベクトルの数は第2像のシフトベクトルの数に等しい(i=j)ことに留意して欲しい。しかし水平方向における交差点の数は垂直方向における交差点の数とは異なることも可能である。なぜなら第2走査は水平走査よりも少ない線を有するし、又は、交差点の部分集合Cは正方形パターンとして構成されないからである。
【0059】
この例では、5のベクトル(シフトベクトル(0,0)、(1,0)、(0,1)、(-1,0)、(0,-1))のうちから選ばれるが、たとえば(1,1)、(1,-1)、(-1,1)、及び(-1,-1)を含むより多くのベクトル数が用いられてもよいことに留意して欲しい。他の変化型では、画素全体にわたるシフトが評価されるのではなく、画素の一部にわたるシフト(たとえば(0,1/2))が、補間された強度値と結合されてもよい。
【0060】
図4は、代替解決法(所謂「確率伝播アルゴリズム」)において用いられる因子グラフを概略的に表している。「確率伝播アルゴリズム」のより詳細な説明については、非特許文献5を参照のこと。
【0061】
因子グラフ及び確率伝播アルゴリズムに関する
解説は、Wikipediaで見つけることもできる。
【0062】
繰り返しになるが、その問題は、1本の線上のすべての点について1となり、かつ他の点については0となる重み付け因子を選ぶことによって単純化される。この場合、1本の線上での名目上の位置(x,y)の修正は、その線についての単一のシフトベクトルaに置き換えられる。
【0063】
図4は問題の因子グラフを表している。因子グラフ内の円はシフトベクトルを表す。正方形のノードは、関数の因数分解を表す。各因子のノードは2つ以上のシフトベクトルとは接続しない。a
iとb
jの各組み合わせについては、結果として得られた
類似性が因子ノードf
aibjによって表される交差点が存在する。a
iは
faibjを通じて確率をb
jに伝播させる。
【0064】
図5は、確率伝播アルゴリズムの連続反復中でのシフトベクトルの推定が段階的に発展する様子を概略的に表している。最初は、ベクトルaとbについて何も仮定されていない。シフトベクトルすなわち端の確率分布は平坦である。第1反復では、任意の線−たとえばシフトベクトルb
1を有する線−が参照用の線として選ばれる。この線上では、ベクトルb
1は確かに0ベクトルである。この「確率」はすべてのベクトルaへ伝播することで、端の確率分布が更新される。第2反復では、すべてのベクトルaはすべてのベクトルbへ伝播する。第3反復では、すべてのベクトルbはすべてのベクトルaへ伝播する。この処理は、所定の中断基準−この場合では一定回数の反復−に到達するまで繰り返される。
【0065】
図6aは
、x位置における
図2aの線の変位を概略的に表している(水平線)。
図6bは、
y位置における
図2aの線の変位を概略的に表している(水平線)。
図6cは、x位置における
図2bの線の変位を概略的に表している(垂直線)。
図6dは、
y位置における
図2bの線の変位を概略的に表している(垂直線)。
横軸に沿って線の番号が与えられ、
縦軸に沿って画素単位の変位が与えられている。これらの特別な組の変位は、確率伝播アルゴリズムによって計算される。しかし同様の変位は、他の方法−たとえば前述した「最急上昇法」−によって計算されてよい。
【0067】
図8は、
図7aと
図7bとを結合した像を表す。多くの点が
図7aと
図7bからのデータを有しておらず、黒いドットで表されていることに留意して欲しい。これらのドットは、干渉による変位の結果として走査されなかった試料上の位置に対応するのであり、アーティファクトではない。
【0068】
図9は
図8から得られる。
図9では、データを有していない点(黒いドット)は隣接する点から補間される。
【0069】
「最急上昇法」及び「確率伝播アルゴリズム」以外の解決法が用いられてもよいことに留意して欲しい。他の例は非特許文献4に記載されている。これらの方法を組み合わせて用いる−たとえば一の方法を用いて数回反復して、続いて他の方法によって処理を進める−ことも可能である。
【0070】
上述の例では、重み付け因子は、交差している線上のすべての点については1で、他の線上でのすべての点については0となるように選ばれる。このことは実効的に、線が不動の棒となるようにシフトすることを意味する。他の重み付け因子を定義することも可能である。前記他の重み付け因子とはたとえば、一定の交差期間(T=±Δt)内に取得されたすべての交差点について1となる重み付け因子、又は、たとえばW=(1-0.01X)として定義される重み付け因子であってもよい。ここでXは画素で表された走査方向に沿った距離である。このようにして、「可撓性のバンド」が、固定された接続の代わりに交差点をまとめるのに用いられる。