(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記メタクリル樹脂層(B)の厚さおよびゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)の厚さの合計が、50〜200μmである、請求項1〜5のいずれかに記載の積層板。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の積層板を、
図1に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層板の断面を示す。本発明の積層板1は、ポリカーボネート樹脂層(A)の一方の面(I)に、該面(I)から順にゴム状重合体を含有するメタクリル樹脂層(C)とメタクリル樹脂層(B)とが積層された積層構造を有する。すなわち、本発明の積層板1は、(B)/(C)/(A)の順に積層されている。なお、本明細書において「表面硬度」とは、いずれの面の硬度か記載がない限り、積層体におけるメタクリル樹脂層(B)面の硬度のことをいう。
【0011】
ポリカーボネート樹脂層(A)を形成するポリカーボネート系樹脂は、特に限定されず、例えば、二価フェノールとカルボニル化剤とを界面重縮合法、溶融エステル交換法などで反応させることにより得られるもの;カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法などで重合させることにより得られるもの;環状カーボネート化合物を開環重合法で重合させることにより得られるものなどが挙げられる。
【0012】
二価フェノールとしては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエステルなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0013】
これらの二価フェノールの中でも、ビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、およびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンが好ましい。特に、ビスフェノールAの単独使用や、ビスフェノールAと、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、およびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選択される少なくとも1種との併用が好ましい。
【0014】
カルボニル化剤としては、例えばカルボニルハライド(ホスゲンなど)、カーボネートエステル(ジフェニルカーボネートなど)、ハロホルメート(二価フェノールのジハロホルメートなど)などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0015】
メタクリル樹脂層(B)を形成するメタクリル樹脂は、メタクリル酸エステルを主体とする単量体を重合して得られる重合体であり、例えば、メタクリル酸エステルの単独重合体、50重量%以上のメタクリル酸エステルと50重量%以下のメタクリル酸エステル以外の単量体との共重合体などが挙げられる。共重合体の場合、単量体総量に対して、好ましくはメタクリル酸エステルが70重量%以上、他の単量体が30重量%以下であり、より好ましくはメタクリル酸エステルが90重量%以上、他の単量体が10重量%以下である。
【0016】
メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−ノニル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシエチルなどが挙げられる。メタクリル酸エステルは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素数が1〜8のアルキル基を有するメタクリル酸エステルが好ましく、メタクリル酸メチルがより好ましい。
メタクリル酸メチルを含むメタクリル樹脂としては、具体的には、メタクリル酸メチルを50重量%以上、好ましくは70重量%以上含む重合体が挙げられ、メタクリル酸メチルの単独重合体(ポリメタクリル酸メチル)であってもよく、メタクリル酸メチルと他の単量体(メタクリル酸メチルと共重合し得る他の単量体)との共重合体であってもよい。
【0017】
メタクリル酸エステル以外の単量体としては、例えば、アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、マレイミド類、不飽和ニトリル、エチレン性不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステル、エチレン性不飽和カルボン酸アミド、エチレン性不飽和酸、エチレン性不飽和スルホン酸エステル、エチレン性不飽和アルコールおよびそのエステル、エチレン性不飽和エーテル、エチレン性不飽和アミン、エチレン性不飽和シラン化合物、脂肪族共役ジエンなどが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸エステルが好ましい。メタクリル酸エステル以外の単量体は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0018】
アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ノニル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチルなどが挙げられる。これらの中でも、炭素数が1〜8のアルキル基を有するアクリル酸エステルが好ましく、アクリル酸メチルがより好ましい。
【0019】
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、ハロゲン化スチレン(例えば、クロロスチレン、ブロモスチレンなど)、アルキルスチレン(例えば、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど)などが挙げられる。
【0020】
マレイミド類としては、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられる。
【0021】
不飽和ニトリルとしては、例えば、アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどが挙げられる。
【0022】
エチレン性不飽和カルボン酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどが挙げられる。
【0023】
エチレン性不飽和カルボン酸アミドとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシエチルアクリルアミド、N−ブトキシエチルメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−n−プロピオキシメチルアクリルアミド、N−n−プロピオキシメチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミドなどが挙げられる。
【0024】
エチレン性不飽和酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、無水フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ビニルスルホン酸、イソプレンスルホン酸のようなエチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和スルホン酸などが挙げられる。エチレン性不飽和酸単量体は、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、アンモニアなどで中和されていてもよい。
【0025】
エチレン性不飽和スルホン酸エステルとしては、例えば、ビニルスルホン酸アルキル、イソプレンスルホン酸アルキルなどが挙げられる。
【0026】
エチレン性不飽和アルコールおよびそのエステルとしては、例えば、アリルアルコール、メタリルアルコール、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸アリル、カプロン酸メタリル、ラウリン酸アリル、安息香酸アリル、アルキルスルホン酸ビニル、アルキルスルホン酸アリル、アリールスルホン酸ビニルなどが挙げられる。
【0027】
エチレン性不飽和エーテルとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテルなどが挙げられる。
【0028】
エチレン性不飽和アミンとしては、例えば、ビニルジメチルアミン、ビニルジエチルアミン、ビニルジフェニルアミン、アリルジメチルアミン、メタリルジエチルアミンなどが挙げられる。
【0029】
エチレン性不飽和シラン化合物としては、例えば、ビニルトリエチルシラン、メチルビニルジクロロシラン、ジメチルアリルクロロシラン、ビニルトリクロロシランなどが挙げられる。
【0030】
脂肪族共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−ネオペンチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,2ジクロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、2−ブロモ−1,3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、直鎖および側鎖共役ヘキサジエンなどが挙げられる。
【0031】
メタクリル樹脂層(B)は、表面硬度に影響を与えない範囲で、後述するゴム状重合体を含有していてもよい。すなわち、メタクリル樹脂層(B)は、樹脂成分としてメタクリル樹脂を含有し、さらにゴム状重合体を含有するメタクリル樹脂組成物から構成されていてもよい。このメタクリル樹脂組成物におけるメタクリル樹脂としては、上述のメタクリル樹脂が挙げられる。ゴム状重合体としては、後述するゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)を構成するメタクリル樹脂組成物の説明で例示するゴム状重合体が挙げられる。
メタクリル樹脂層(B)を構成するメタクリル樹脂組成物に含有されるゴム状重合体と、ゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)を構成するメタクリル樹脂組成物に含有されるゴム状重合体とは、同じでも異なっていてもよい。ゴム状重合体の含有量は、メタクリル樹脂およびゴム状重合体の合計100重量%に対して、2重量%以下、好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下である。ゴム状重合体の含有量が多すぎると、積層板1の表面硬度が低くなる。
【0032】
ゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)は、メタクリル樹脂組成物で形成されている。このメタクリル樹脂組成物は、メタクリル樹脂およびゴム状重合体2を含有する。メタクリル樹脂としては、上述のメタクリル樹脂が挙げられる。メタクリル樹脂層(B)を形成するメタクリル樹脂、およびゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)を形成するメタクリル樹脂組成物に含まれるメタクリル樹脂は、同一または異なっていてもよい。屈折率の差を小さくする観点から、同一のメタクリル樹脂であることが好ましい。
ゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)を、ポリカーボネート樹脂層(A)とメタクリル樹脂層(B)との間に備えることによって、耐衝撃性を低下させることなく、表面硬度を付与することができる。
【0033】
ゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)を形成するメタクリル樹脂組成物に含まれるゴム状重合体2としては、例えば、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体ゴム、スチレン/ブタジエン共重合体ゴムなどのジエン系ゴム;ポリブチルアクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレートなどのアクリル系ゴム;およびエチレン/プロピレン/非共役ジエン系ゴムなどが挙げられる。これらのゴム状重合体にメタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、スチレン、置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの単量体をグラフト重合させて得られるグラフト共重合体も、ゴム状重合体2として好適に用いられる。グラフト共重合体とする場合、通常、ゴム状重合体2が5〜80重量部、単量体が20〜95重量部の割合で用いられる。これらのグラフト共重合体としては、例えば、特開昭55−147514号公報、特公昭47−9740号公報などに記載されているものを用いることができる。
【0034】
グラフト共重合体の好ましい例としては、ゴム状重合体2を内層とし、グラフト重合鎖を外層とする多層構造重合体が挙げられる。この場合、内層のゴム状重合体2としては、アクリル系ゴムが好ましく用いられる。このアクリル系ゴムは、アクリル酸アルキルの単独重合体であってもよく、アクリル酸アルキル50重量%以上とアクリル酸アルキル以外の単量体50重量%以下との共重合体であってもよい。アクリル酸アルキルとしては、例えば、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。アクリル酸アルキル以外の単量体としては、例えば、メタクリル酸アルキル、アルコキシアクリル酸アルキル、アクリル酸シアノエチル、アクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、さらにメタクリル酸アリルなどの架橋性を有する単量体を用いることもできる。アクリル系ゴムのガラス転移点(Tg)は、好ましくは25℃未満である。
【0035】
外層のグラフト重合鎖としては、好ましくは、アルキル基の炭素数が1〜4であるメタクリル酸アルキルの単独重合体、メタクリル酸アルキル50重量%以上と他の単量体(メタクリル酸アルキル以外の単量体)50重量%以下との共重合体などが挙げられる。ここで、メタクリル酸アルキルとしては、メタクリル酸メチルが好ましく用いられる。メタクリル酸アルキル以外の単量体としては、例えば、アルキル基の炭素数が5以上のメタクリル酸アルキル、アクリル酸アルキル、スチレン、置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、さらにメタクリル酸アリルなどの架橋性を有する単量体を用いることもできる。この外層重合体のTgは、好ましくは25℃以上である。
【0036】
また、外層重合体と同様の重合体を、内層のアクリル系ゴムのさらに内側に存在させることもできる。上述のような多層構造重合体は、その全体の重量を基準としてアクリル系ゴム層を、好ましくは20〜60重量%含有する。これらの多層構造重合体としては、例えば、特公昭55−27576号公報、特開平6−80739号公報、特開昭49−23292号公報などに記載されているものを用いることができる。
【0037】
メタクリル樹脂組成物におけるゴム状重合体2の含有量は、メタクリル樹脂およびゴム状重合体2の合計100重量%に対して、通常3〜50重量%、好ましくは4〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である。ゴム状重合体の割合が上記範囲内であれば、樹脂板1がより割れにくくなる(より耐衝撃性が向上する)。
【0038】
本発明の積層板1は、上述のように(B)/(C)/(A)の積層構造を有している。本発明の積層板は、ポリカーボネート樹脂層(A)の他方の面(II)に、メタクリル樹脂以外の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂層をさらに積層してもよい。しかし、2層以上積層する場合は、製造する際の品質などの管理が煩雑となる。そのため、本発明の積層板は(B)/(C)/(A)/(B’)/(C’)のような5層構造にする必要はない。1層積層する態様としては、下記の(i)および(ii)に示すような態様が挙げられる。
(i)
図1に示す積層板1において、ポリカーボネート樹脂層(A)の他方の面(II)に、メタクリル樹脂層(B’)がさらに積層された態様(すなわち、(B)/(C)/(A)/(B’)の態様)。
(ii)
図1に示す積層板1において、ポリカーボネート樹脂層(A)の他方の面(II)に、ゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C’)がさらに積層された態様(すなわち、(B)/(C)/(A)/(C’)の態様)。
【0039】
上記(i)のように、ポリカーボネート樹脂層(A)の他方の面(II)に、メタクリル樹脂層(B’)をさらに積層させることによって、耐衝撃性を低下させることなく優れた表面硬度を有するとともに、もう一方の面にも表面硬度が付与され、かつ高温高湿環境下で反りにくい積層板が得られる。
メタクリル樹脂層(B’)を形成するメタクリル樹脂としては、上述のメタクリル樹脂層(B)で説明したメタクリル樹脂が挙げられる。メタクリル樹脂層(B)および(B’)を形成するメタクリル樹脂、ならびにゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)を形成するメタクリル樹脂組成物に含まれるメタクリル樹脂は、同一または異なっていてもよい。屈折率の差を小さくする観点から、同一のメタクリル樹脂であることが好ましい。
【0040】
上記(ii)のように、ポリカーボネート樹脂層(A)の他方の面(II)に、ゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C’)をさらに積層させることによって、耐衝撃性を低下させることなく優れた表面硬度を有するとともに、もう一方の面には耐衝撃性が付与され、かつ高温高湿環境下で反りにくい積層板が得られる。
ゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C’)を形成するメタクリル樹脂組成物としては、上述のゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)で説明したメタクリル樹脂組成物が挙げられる。メタクリル樹脂層(B)を形成するメタクリル樹脂、ならびにゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)および(C’)を形成するメタクリル樹脂組成物に含まれるメタクリル樹脂は、同一または異なっていてもよい。屈折率の差を小さくする観点から、同一のメタクリル樹脂であることが好ましい。なお、ゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)および(C’)を形成するメタクリル樹脂組成物に含まれるゴム状重合体は、同一または異なっていてもよい。
【0041】
ポリカーボネート樹脂層(A)、メタクリル樹脂層(B)および(B’)、ならびにゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)および(C’)には、それぞれ必要に応じて、例えば、帯電防止剤(アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセライド、ポリエーテルエステルアミドなど)、酸化防止剤(ヒンダードフェノールなど)、難燃剤(リン酸エステルなど)、滑剤(パルミチン酸、ステアリルアルコールなど)、光安定剤(ヒンダードアミンなど)、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤、酢酸エステル系紫外線吸収剤など)、光拡散剤、染料、顔料、蛍光増白剤などが添加されていてもよい。これらの添加剤は、必要に応じて2種以上を用いてもよい。
添加剤を配合する方法としては、例えば、樹脂と添加剤とをヘンシェルミキサー、タンブラーなどで機械的に混合した後、溶融混練する方法などが挙げられる。溶融混練は、一軸または二軸の押出機、各種ニーダーなどを用いて行うことができる。
【0042】
本発明の積層板1は、上述した(B)/(C)/(A)の積層構造を有するように、共押出成形で積層一体化することにより、好適に製造される。すなわち、ポリカーボネート樹脂層(A)、メタクリル樹脂層(B)、およびゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)の各材料を、3基の一軸または二軸の押出機にてそれぞれ溶融混練した後、フィードブロックダイ、マルチマニホールドダイなどを介して積層することによって行われる。積層一体化された溶融樹脂は、例えばロールユニットなどを用いて冷却固化すればよい。共押出成形により製造した積層板は、粘着剤や接着剤を用い貼合により製造した積層板に比べて、二次成形しやすい点で好ましい。
メタクリル樹脂層(B’)またはゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C’)を積層させた積層板を得る場合は、押出機を追加すればよい。なお、メタクリル樹脂層(B)および(B’)が同じ組成の場合には、メタクリル樹脂層(B)用の押出機を用いてメタクリル樹脂層(B’)も形成されるため、メタクリル樹脂層(B’)用の押出機を追加しなくてもよい。ゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)および(C’)が同じ組成である場合にも、同様である。
【0043】
以下、本発明の積層板1を製造する方法の一実施形態について、共押出成形で製造する場合を例に挙げ、
図2を参照して詳細に説明する。
【0044】
図2に示すように、ポリカーボネート樹脂層(A)、メタクリル樹脂層(B)、およびゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)の各材料を、それぞれ別個の押出機11,12,13で加熱して溶融混練し、それぞれフィードブロック14に供給して溶融積層一体化した後、ダイ15から押し出す。
【0045】
次いで、ダイ15から押し出したシート状またはフィルム状の溶融樹脂を、略水平方向に対向配置した第1冷却ロール16と第2冷却ロール17との間に挟み込む。第1冷却ロール16および第2冷却ロール17は、少なくとも一方がモータなどの回転駆動手段に接続されており、両ロールが所定の周速度で回転するように構成されている。両ロールのうち、第2冷却ロール17は、両ロール間で挟持された後のシート状またはフィルム状の積層板1が巻き掛けられる、巻き掛けロールである。
第1冷却ロール16および第2冷却ロール17は、金属ロールまたは金属弾性ロールで構成してもよく、金属ロールと金属弾性ロールとを組み合わせて構成してもよい。
【0046】
リタデーション値が低減された積層板1を得る場合には、第1冷却ロール16および第2冷却ロール17を、金属ロールと金属弾性ロールとの組み合わせで構成するのが好ましい。すなわち、溶融樹脂を金属ロールと金属弾性ロールとの間に挟持すると、金属弾性ロールが溶融樹脂を介して金属ロールの外周面に沿って凹状に弾性変形し、金属弾性ロールと金属ロールとが溶融樹脂を介して所定の接触長さで接触する。これにより、金属ロールと金属弾性ロールとが、溶融樹脂に対して面接触で圧着するようになり、これらロール間に挟持される溶融樹脂は、面状に均一加圧されながら成膜される。その結果、成膜時の歪みが低減され、リタデーション値が低減された積層板1が得られる。
金属ロールと金属弾性ロールとを組み合わせる場合には、金属弾性ロールを第1冷却ロール16、金属ロールを第2冷却ロール17とするのが好ましい。これにより、得られる積層板1のリタデーション値をより低減することができる。
【0047】
上述した第1冷却ロール16と第2冷却ロール17との間に挟み込んだ溶融樹脂を、第2冷却ロール17および第3冷却ロール18の順に巻き掛ける。具体的には、第2冷却ロール17に巻き掛けられた溶融樹脂を、第2冷却ロール17と第3冷却ロール18との間に通して第3冷却ロール18に巻き掛けるようにする。これにより、溶融樹脂が緩やかに冷却されるので、得られる積層板1のリタデーション値を低減することができる。なお、第2冷却ロール17と第3冷却ロール18との間は、所定の間隔を設けて開放状態にしてもよく、所定の間隔を設けずに溶融樹脂が両ロール間に挟み込まれるようにしてもよい。
【0048】
第3冷却ロール18としては、特に限定されるものではなく、従来、押出成形で使用されている通常の金属ロールを採用することができる。具体例としては、ドリルドロール、スパイラルロールなどが挙げられる。第3冷却ロール18の表面状態は、鏡面であるのが好ましい。なお、第3冷却ロール18以降に第4冷却ロール、第5冷却ロール、・・・と複数本の冷却ロールを設け、第3冷却ロール18に巻き掛けたシート状またはフィルム状の積層板1を順次、次の冷却ロールに巻き掛けるようにしてもよい。
【0049】
第3冷却ロール18に巻き掛けて緩やかに冷却した積層板を、図示しない引取りロールによって引き取り、これを巻き取ると、本発明の積層板1が得られる。積層板1全体の厚さは好ましくは0.2〜3mmであり、より好ましくは0.3〜2mmであり、さらに好ましくは0.4〜1.5mmである。積層板1が上記範囲の厚みを有すると、より成形しやすく、より生産性も向上する。積層板1全体の厚さは、溶融状態の積層板全体の厚さ、冷却ユニットが備える冷却ロールやベルトの間隔、周速度などを調整することにより、任意に調整することができる。
【0050】
本発明の積層板1において、ポリカーボネート樹脂層(A)の厚さは、好ましくは20〜2900μmである。メタクリル樹脂層(B)およびゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)は、積層板1に表面硬度を付与するために、ある程度の厚みを有するのが好ましい。メタクリル樹脂層(B)の厚さは、好ましくは20〜100μm、より好ましくは30〜90μm、さらに好ましくは40〜90μmである。メタクリル樹脂層(B’)についても、このような厚さを有するように形成するのが好ましい。さらに、ゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)の厚さは、好ましくは20〜100μm、より好ましくは30〜80μm、さらに好ましくは30〜70μmである。ゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C’)についても、このような厚さを有するように形成するのが好ましい。特に、メタクリル樹脂層(B)が厚いほど表面硬度はより向上する。
本発明の積層板1において、メタクリル樹脂層(B)の厚さおよびゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)の厚さの合計は、好ましくは50〜200μm、より好ましくは60〜150μm、さらに好ましくは70〜120μmである。
【0051】
ポリカーボネート樹脂層(A)、メタクリル樹脂層(B)、およびゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)の厚さは、それぞれ押出機からの供給量などを調整することにより、任意に調整することができる。
【0052】
本発明の積層板1は、少なくともメタクリル樹脂層(B)の表面に、さらに硬化被膜が形成されていてもよい。本発明の積層板1は硬化被膜を有することによって、より表面硬度が向上する。硬化被膜の形成方法としては、従来使用されている方法が挙げられ、例えば、積層板の表面に硬化性組成物を塗布して硬化させればよい。硬化性組成物としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂などが挙げられる。硬化性組成物には、必要に応じて、例えば硬化剤(架橋剤、重合開始剤など)、重合促進剤、溶剤、粘度調節剤、顔料などを含有させてもよい。
【0053】
本発明の積層板1は、エクステリア用途、看板用途、照明用途、ディスプレイにおける前面板用途などに好適に用いることができ、特に、ディスプレイにおける前面板として好適に用いることができる。本発明の積層板1をディスプレイにおける前面板として用いる場合、通常、メタクリル樹脂層(B)が視認者側となるように用いられる。また、本発明の積層板1は、例示した用途に限定されず、外観が重視される分野において、好適に用いることができる。
【実施例】
【0054】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0055】
実施例および比較例で使用した押出装置は、
図2で示す装置であり、その構成は、以下の通りである。
押出機11:スクリュー径65mm、一軸、ベント付きの押出機(東芝機械(株)製)。
押出機12:スクリュー径45mm、一軸、ベント付きの押出機(日立造船(株)製)。
押出機13:スクリュー径45mm、一軸、ベント付きの押出機(日立造船(株)製)。
フィードブロック14:3種3層分配型のフィードブロック(日立造船(株)製)。
ダイ15:リップ幅1400mm、リップ間隔1mmのTダイ(日立造船(株)製)。
冷却ロール16,17,18:横型、面長1400mm、直径300mmの冷却ロール。
【0056】
冷却ロールについて、より具体的に説明すると、第1冷却ロール16としては、金属弾性ロールを用いた。この金属弾性ロールには、軸ロールの外周面を覆うように金属製薄膜が配置され、軸ロールと金属製薄膜との間に流体が封入されているものを採用した。
軸ロールとしては、ステンレス鋼製のものを使用した。金属製薄膜としては、厚さ2mmのステンレス鋼製の鏡面金属スリーブを使用した。さらに、上記流体としては油を使用し、この油を温度制御することによって、金属弾性ロールを温度制御可能にした。より具体的には、温度調節機のON−OFF制御により油を加熱・冷却して温度制御可能にし、軸ロールと金属製薄膜との間に循環させた。
第2冷却ロール17および第3冷却ロール18としては、高剛性の金属ロールを用いた。この金属ロールは、表面状態が鏡面であるステンレス鋼製のスパイラルロールである。
【0057】
実施例および比較例で使用した樹脂は、以下の3種類である。
樹脂1:熱変形温度(Th)140℃の住化スタイロンポリカーボネート(株)製のポリカーボネート樹脂「カリバー301−10」を用いた。
樹脂2:熱変形温度(Th)100℃の住友化学(株)製のポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂「スミペックスMH」100重量部に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤((株)アデカ製のLA−31)を0.5重量部混合した組成物を用いた。
樹脂3:メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=98/2(重量比)の共重合体86重量%と、下記の合成例1で得られたゴム状重合体14重量%の混合物を用いた。
【0058】
(合成例1)
(ゴム状重合体の製造)
内容積5Lのガラス製反応容器に、イオン交換水1700g、炭酸ナトリウム0.7g、および過硫酸ナトリウム0.3gを仕込んで窒素気流下で撹拌した。そこに、分散剤(花王(株)製の「ペレックスOT−P」)4.46g、イオン交換水150g、メタクリル酸メチル150g、およびメタクリル酸アリル0.3gを加え、75℃に昇温して150分間撹拌した。次いで、アクリル酸ブチル689g、スチレン162gおよびメタクリル酸アリル17gの混合物と、過硫酸ナトリウム0.85g、分散剤(ペレックスOT−P)7.4gおよびイオン交換水50gの混合物とを、別々に90分間かけて添加し、さらに90分間重合させた。
その後、さらにメタクリル酸メチル326gおよびアクリル酸エチル14gの混合物と、過硫酸ナトリウム0.34gを溶解させたイオン交換水30gとを、別々に30分かけて添加した。添加終了後、さらに60分間保持して重合を完了した。得られたラテックスを、0.5重量%塩化アルミニウム水溶液に投入してゴム状重合体を凝集させた。これを温水で5回洗浄し、乾燥させてゴム状重合体を得た。
【0059】
(実施例1〜7および比較例1〜3)
(積層板の作製)
まず、押出機11,12,13、フィードブロック14、ダイ15、および冷却ロール16,17,18を、
図2に示すように配置した。次いで、ポリカーボネート樹脂層(A)(樹脂層A)を形成する樹脂として表1に示す種類の樹脂を押出機11にて溶融混練し、メタクリル樹脂層(B)(樹脂層B)を形成する樹脂として表1に示す種類の樹脂を押出機12にて溶融混練し、ゴム状重合体含有メタクリル樹脂層(C)(樹脂層C)を形成する樹脂として表1に示す種類の樹脂を押出機13にて溶融混練し、それぞれをフィードブロック14に供給した。
そして、押出機11からフィードブロック14に供給される樹脂層Aの一方の面に、押出機13からフィードブロック14に供給される樹脂層Cが積層され、この樹脂層Cの表面に、押出機12からフィードブロック14に供給される樹脂層Bが積層されたフィルム状の溶融樹脂を、ダイ15から押し出した。
【0060】
次いで、ダイ15から押し出したフィルム状の溶融樹脂を、対向配置した第1冷却ロール16と第2冷却ロール17との間に挟み込み、第3冷却ロール18に巻き掛けて成形・冷却し、樹脂層Aの一方の面に、樹脂層Cおよび樹脂層Bがこの順に積層され、表1に示す厚さを有する3層構造の積層板を得た。
なお、第1冷却ロール16の表面温度は120℃、第2冷却ロール17の表面温度125℃、第3冷却ロール18の表面温度は130℃であった。これらの温度は、各冷却ロールの表面温度を実測した値である。
【0061】
得られた各積層板(実施例1〜7および比較例1〜3)について、表面硬度を評価するために、JIS K 5400に準拠して鉛筆硬度を測定した。さらに、各積層板の耐衝撃性を評価するために、下記の方法によって落球強度を測定した。結果を表1に示す。
(落球強度)
得られた積層板を、60×60mmのサイズに切断して試験片を得た。この試験片の樹脂層(B)面を上側(落球側)とし、金属球(63.8g、直径20mm)を、樹脂層(B)の表面からの高さを5cmずつ増加させながら試験片に落下させた。試験片に亀裂が生じる高さを、落球強度として評価した。試験片に亀裂が生じる高さが高いほど、耐衝撃性に優れていることを示す。
【0062】
【表1】
【0063】
表1に示すように、実施例1〜7で得られた積層板は、積層板の表面の鉛筆硬度が4Hと優れた硬度を有している。また、耐衝撃性について、従来の積層板(比較例1〜3)と同等であり、耐衝撃性が低下していないことがわかる。一方、比較例1〜3で得られた積層板は、表面硬度が2Hおよび3Hで、実施例1〜7で得られた積層板よりも劣ることがわかる。