特許第6133078号(P6133078)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133078
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】圧着端子及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/18 20060101AFI20170515BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20170515BHJP
   H01R 43/16 20060101ALI20170515BHJP
   H01R 13/03 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   H01R4/18 A
   H01R13/11 A
   H01R43/16
   H01R13/03 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-33801(P2013-33801)
(22)【出願日】2013年2月22日
(65)【公開番号】特開2014-164892(P2014-164892A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2016年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100142712
【弁理士】
【氏名又は名称】田代 至男
(72)【発明者】
【氏名】川村 幸大
(72)【発明者】
【氏名】外池 翔
(72)【発明者】
【氏名】小澤 正和
(72)【発明者】
【氏名】山田 拓郎
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−073741(JP,A)
【文献】 特開平05−135817(JP,A)
【文献】 特開2000−231951(JP,A)
【文献】 特開2004−071437(JP,A)
【文献】 特開平08−213092(JP,A)
【文献】 特開平09−326271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/18
H01R 13/03
H01R 13/11
H01R 43/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バネ構造によって雄型圧着端子を挟み込んで嵌合接続する嵌合部と、被覆電線を圧着接続する圧着部と、を備える圧着端子であって、
前記嵌合部板材によって形成されるとともに前記圧着部が中空形状の板材によって形成され、
前記嵌合部を形成する板材の厚さが前記圧着部を形成する板材の厚さより薄く、
前記嵌合部を形成する板材より厚い板材から形成された前記圧着部に、前記被覆電線の導体部分が挿入される板材の長手方向の端部とは反対側の端部が封止された封止部が設けられている
ことを特徴とする圧着端子。
【請求項2】
前記封止部は2枚の板材が重なって封止されていることを特徴とする請求項1に記載の圧着端子。
【請求項3】
前記嵌合部を形成する板材の厚さは、前記嵌合部及び前記圧着部を板厚が互いに異なる板材によって形成することにより、前記圧着部を形成する板材の厚さより薄く形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧着端子。
【請求項4】
前記圧着部においてバレル構成片の対向端部同士が前記長手方向に沿って溶接され、前記封止部において前記圧着部の幅方向に沿って溶接されて封止されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧着端子。
【請求項5】
バネ構造によって雄型圧着端子を挟み込んで嵌合接続する嵌合部と、被覆電線を圧着接続する圧着部と、を備える圧着端子の製造方法であって、
前記圧着部を形成する板材の厚さより薄い板材を用いて前記嵌合部を形成するステップと、
前記圧着部における、前記被覆電線の導体部分が挿入される板材の長手方向の端部とは反対側の端部を封止するステップと、を含む
ことを特徴とする圧着端子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆電線を圧着接続する圧着端子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の多機能化及び高性能化に伴い自動車に様々な電装機器が搭載されるようになったために、自動車の電気回路は複雑化し、各電装機器に電力を安定的に供給することが必要不可欠になっている。様々な電装機器が搭載された自動車には、複数本の被覆電線を束ねることによって形成されたワイヤーハーネスが配索され、ワイヤーハーネス同士をコネクタで接続することによって電気回路が形成されている。また、ワイヤーハーネス同士を接続するコネクタの内部には、被覆電線を圧着部で圧着接続する圧着端子が設けられ、雄型圧着端子と雌型圧着端子とを嵌合接続することによって被覆電線同士が接続されるようになっている。
【0003】
ところで、一般に、雌型圧着端子は、特許文献1,2に開示されているように、バネ構造によって雄型圧着端子を挟み込んで嵌合接続する嵌合部と、被覆電線を圧着接続する圧着部と、を備えている。このような雌型圧着端子は、1枚の金属条を平面展開した端子形状に打ち抜いた後、嵌合部と圧着部とからなる立体的な端子形状に金属条を曲げ加工することによって製造されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−213092号公報
【特許文献2】特開平9−326271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の雌型圧着端子によれば、嵌合部は金属条を重なり合うように折り曲げることによって製造されているために、端子全体の強度を向上させるために金属条の厚さを大きくした場合、嵌合部が大きくなり、雌型圧着端子の小型化が困難になる。一方、嵌合部は雄型圧着端子と嵌合接続するバネ構造を有しているために、バネ構造の製造を容易にする観点からは、嵌合部を形成する金属条の厚さは薄い方が望ましい。このような背景から、大型化することなく端子全体の強度を向上可能な技術の提供が期待されていた。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、大型化することなく端子全体の強度を向上可能な圧着端子及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る圧着端子は、バネ構造によって雄型圧着端子を挟み込んで嵌合接続する嵌合部と、被覆電線を圧着接続する圧着部と、を備える圧着端子であって、前記嵌合部及び前記圧着部は板材によって形成され、前記嵌合部を形成する板材の厚さが前記圧着部を形成する板材の厚さより薄いことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る圧着端子は、上記発明において、前記圧着部が、中空形状の板材によって形成され、前記被覆電線の導体部分が挿入される板材の長手方向の端部とは反対側の端部が封止されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る圧着端子は、上記発明において、前記嵌合部を形成する板材の厚さが、前記嵌合部及び前記圧着部を板厚が互いに異なる板材によって形成することにより、前記圧着部を形成する板材の厚さより薄く形成されていることを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る圧着端子の製造方法は、バネ構造によって雄型圧着端子を挟み込んで嵌合接続する嵌合部と、被覆電線を圧着接続する圧着部と、を備える圧着端子の製造方法であって、前記圧着部を形成する板材の厚さより薄い板材を用いて前記嵌合部を形成するステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る圧着端子及びその製造方法によれば、大型化することなく端子全体の強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施形態である圧着端子を幅方向中央部で分断した縦断斜視図である。
図2図2は、ボックス部の幅方向断面図である。
図3図3は、圧着部の幅方向断面図である。
図4A図4Aは、図1に示す圧着端子のボックス部を透過状態とした圧着端子の底面側の概略斜視図である。
図4B図4Bは、図4Aに示す領域Rの拡大図である。
図4C図4Cは、図4BのA−A線断面図である。
図5図5は、圧着部の溶接方法を説明するための説明図である。
図6A図6Aは、図1に示す圧着端子に被覆電線を圧着接続する前の状態を示す斜視図である。
図6B図6Bは、図1に示す圧着端子に被覆電線を圧着接続した後の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である圧着端子及びその製造方法について説明する。
【0014】
〔圧着端子の構成〕
始めに、図1図3を参照して、本発明の一実施形態である圧着端子の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態である圧着端子を幅方向中央部で分断した縦断斜視図である。図2は、ボックス部の幅方向断面図である。図3は、圧着部の幅方向断面図である。
【0015】
図1に示すように、本発明の一実施形態である圧着端子10は、雌型圧着端子として形成され、長手方向Xの先端側である前方から後方に向かって、雄型圧着端子が有する挿入タブが挿入される中空四角柱体のボックス部20と、所定長さのトランジション部40を介してボックス部20の後方に設けられた後方視略O型形状の圧着部30と、を備えている。
【0016】
なお、本明細書中において、長手方向Xとは、圧着部30で圧着接続される被覆電線の長手方向と一致する方向を意味し、幅方向Yとは、略水平な平面内において長手方向Xに対し交差する方向を意味する。また、本明細書中では、圧着部30に対するボックス部20側の方向を前方と表記し、逆にボックス部20に対する圧着部30側の方向を後方と表記する。
【0017】
また、本実施形態では、圧着端子10は雌型圧着端子として形成されているが、圧着部30を有する圧着端子であれば、圧着端子10はボックス部20に挿入接続される挿入タブと圧着部30とを備える雄型圧着端子であってもよい。また、圧着部30のみを備え、複数本の被覆電線の導体を束ねて接続する圧着端子であってもよい。
【0018】
圧着端子10は、表面に錫メッキ(Snメッキ)処理が施された黄銅等の銅合金条を平面展開した圧着端子10の形状に打ち抜いた後、中空四角柱体のボックス部20と後方視略O型形状の圧着部30とからなる立体的な端子形状に銅合金条を曲げ加工し、圧着部30を溶接したクローズバレル形式の端子である。但し、圧着端子10は、圧着部30が圧着面と圧着面の幅方向Y両側に延出したバレル構成片とを有する略U型形状に形成され、バレル構成片をかしめることによって被覆電線を圧着接続する、いわゆるオープンバレル形式の端子であってもよい。
【0019】
ボックス部20は、長手方向Xの後方に向かって折り曲げられ、雄型圧着端子の挿入タブを挟み込んで嵌合接続する弾性接触片21を備えている。ボックス部20は、底面部22の幅方向Y両側部に連設された側面部23を重なり合うように折り曲げることによって、長手方向Xの先端側から見て略四角形状に構成されている。ボックス部20及び弾性接触片21はそれぞれ、本発明に係る嵌合部及びバネ構造として機能する。
【0020】
被覆電線を圧着する前の圧着部30は、圧着面31及び圧着面31の幅方向Y両側に延出したバレル構成片32を丸めてバレル構成片32の端部32a同士を突き合せ溶接することによって、後方視略O型形状に形成されている。バレル構成片32の長手方向Xの長さは、被覆電線から露出する電線の長手方向Xの長さより長く形成されている。
【0021】
圧着部30は、被覆電線の絶縁被覆を圧着する被覆圧着範囲30aと、被覆電線から露出した電線を圧着する電線圧着範囲30bと、電線圧着範囲30bより前方端部を略平板状に押しつぶすように変形させた封止部30cと、を備えている。圧着部30の内面には、幅方向Yに延びる溝である係止溝33(33a,33b)が長手方向Xに沿って所定間隔を隔てて複数本形成されている。
【0022】
詳しくは、被覆圧着範囲30aの内面には、圧着状態において被覆電線の絶縁被覆が食い込む被覆用係止溝33aが長手方向Xに所定間隔を隔てて3本形成されている。なお、被覆用係止溝33aは、断面円弧状に形成され、長手方向に連続的に設けられることによって波状に形成されている。また、被覆用係止溝33aは、圧着面31からバレル構成片32までの範囲内に連続的に形成され、圧着部30内で環状の溝を形成している。
【0023】
電線圧着範囲30bの内面には、圧着状態において被覆電線から露出した電線が食い込む電線用係止溝33bが長手方向Xに所定間隔を隔てて3本形成されている。なお、電線用係止溝33bは、断面矩形凹形状に形成されている。また、電線用係止溝33bは、圧着面31からバレル構成片32の途中まで形成され、被覆電線から露出した電線を食い込ませることによって圧着部30と電線との間の導通性を向上させている。
【0024】
図2及び図3に示すように、ボックス部20を形成する銅合金条の板厚T1は、圧着部30を形成する銅合金条の板厚T2よりも薄く形成されている。これにより、ボックス部20の大きさを大きくすることなく、圧着端子10全体の強度を向上させることができる。また、ボックス部20を形成する銅合金条の板厚T1は薄いので、弾性接触片21を容易に形成することができる。なお、ボックス部20を形成する銅合金条の板厚T1を圧着部30を形成する銅合金条の板厚T2より薄くする方法としては、ボックス部20と圧着部30とをそれぞれ板厚が互いに異なる板材によって形成する方法を用いることが望ましい。具体的には、圧着端子10を1枚の銅合金条によって形成する場合、ボックス部20に対応する銅合金条の板厚を例えばプレス成形によって圧着部30に対応する銅合金条の板厚より薄くするとよい。また、ボックス部20と圧着部30とを別途作製して接続する場合には、ボックス部20を圧着部30より板厚の薄い材料によって作製するとよい。
【0025】
〔圧着端子の製造方法〕
次に、図4A〜4C及び図5を参照して、図1に示す圧着端子10の製造方法について説明する。図4Aは、圧着端子10のボックス部20を透過状態とした圧着端子10の底面側の概略斜視図である。図4Bは、図4Aに示す領域Rの拡大図である。図4Cは、図4BのA−A線断面図である。図5は、圧着部30の溶接方法を説明するための説明図である。
【0026】
圧着端子10は、銅合金条を平面展開した端子形状に打ち抜いた後、ボックス部20に対応する銅合金条部分の板厚を他の部分より薄く成形し、中空四角柱体のボックス部20と後方視略O型形状の圧着部30とからなる立体的な端子形状に銅合金条を曲げ加工し、圧着部30を溶接することにより製造される。この際、図4Aに示すように、圧着部30は、バレル構成片32の対向端部32a同士を突き合わせた長手方向Xの長手方向溶接箇所W1と封止部30cにおいて圧着部30の前方を完全に封止する幅方向Yの幅方向溶接箇所W2とを溶接することによって形成される。
【0027】
詳しくは、圧着部30を製造する際は、始めに、対向端部32a同士が底面側で突き合わさるようにして圧着面31及びバレル構成片32を丸めて円筒状に構成した後、図4Bに示すように、円筒状の前方部分を上面側から底面側に押し付けて略平板状となるように変形させる。そして、図4Cに示すように、円筒状の対向端部32a同士を突き合わせた長手方向溶接箇所W1を溶接した後、幅方向溶接箇所W2を溶接する。このとき、長手方向溶接箇所W1及び幅方向溶接箇所W2は、図5に示す仮想平面Pにおける同一平面上となるように配置されているため、単一焦点のレーザー溶接で溶接することができる。
【0028】
図5に示すように、長手方向溶接箇所W1及び幅方向溶接箇所W2の溶接は、ファイバーレーザー溶接装置Fwを利用してファイバーレーザー溶接にて行う。ファイバーレーザー溶接は、約1.08μmの波長のファイバーレーザー光を用いた溶接のことを意味する。ファイバーレーザー光は、理想的なガウスビームであり、回折限界まで集光可能であるため、YAGレーザーやCOレーザーでは実現できなかった30μm以下の集光スポット径を構成できる。従って、エネルギー密度の高い溶接を容易に実現できる。
【0029】
このように、ファイバーレーザー溶接によって長手方向溶接箇所W1及び幅方向溶接箇所W2を溶接しているため、止水性のある圧着部30を構成することができる。これにより、圧着部30で圧着接続された被覆電線の導線が外気に曝されることがなく、導線の劣化や経年変化が起きることを抑制できる。従って、導線に腐食が発生することがなく、その腐食を原因とする電気抵抗の上昇も防止できるので、安定した導電性が得られる。
【0030】
また上記溶接を、ファイバーレーザー溶接で行うことにより、隙間の無い圧着部30を構成し、圧着状態において圧着部30の内部に水分が浸入することを確実に防止できる。また、ファイバーレーザー溶接は他のレーザー溶接と比べ、焦点を極小なスポットに合わせ、高出力なレーザー溶接を実現することができると共に、連続照射可能である。従って、確実な止水性を有する溶接を行うことができる。
【0031】
このような圧着端子10に被覆電線を圧着接続する際には、図6A,6Bに示すように、被覆電線200の絶縁被覆202より先端側で露出するアルミニウム芯線201の電線露出部201aを、電線露出部201aの先端201aaの長手方向Xの位置が圧着部30における封止部30cより後方となるように、被覆電線200を圧着部30に配置する。そして、電線露出部201aの先端201aaから絶縁被覆202の被覆先端202aより後方までを圧着部30で圧着して一体的に囲繞する。これにより、圧着部30は、被覆電線200の絶縁被覆202及びアルミニウム芯線201の電線露出部201aの周面に対して密着した状態に圧着する。
【0032】
既に述べたように、本発明の一実施形態である圧着端子10では、長手方向溶接箇所W1及び幅方向溶接箇所W2が溶接されている。このため、被覆電線200を圧着した状態では、圧着部30の前方及び外部から圧着部30の内部に水が浸入することがない止水性が実現されている。また、被覆電線200の絶縁被覆202は、被覆圧着範囲30aの内側に形成した被覆用係止溝33aに食い込むために、圧着部30の後方からの止水性も向上している。これにより、被覆電線200を圧着した状態では、圧着部30の高い止水性により、アルミニウム芯線201の電線露出部201aと圧着部30の内面とが密着した接触箇所に水が触れることがない。
【0033】
また、アルミニウム芯線201はアルミ系材料によって形成され、圧着部30は銅系材料によって形成されている。このため、銅線によるアルミニウム芯線201を有する被覆電線200に比べて軽量化できる。この結果、アルミニウム芯線201に腐食が発生することがなく、その腐食を原因として電気抵抗が上昇することもないので、アルミニウム芯線201の導電性が安定する。結果として、例えば、撚線、単線、平角線等のアルミニウム芯線201を圧着端子10の圧着部30に対して確実、且つ、強固に接続することができる。
【0034】
このように構成した圧着接続構造体1は、図示省略するコネクタハウジングに圧着端子10を装着することによって、確実な導電性を有するコネクタを構成できる。詳しくは、圧着端子10で構成した圧着接続構造体1を、雌型のコネクタハウジングに装着し、雌型コネクタを備えたワイヤーハーネスを構成すると共に、雄型圧着端子で構成した圧着接続構造体を雄型のコネクタハウジングに装着し、雄型コネクタを備えたワイヤーハーネスを構成する。そして、雌型コネクタと雄型コネクタとを嵌合することによって、ワイヤーハーネス同士を電気的かつ物理的に接続することができる。
【0035】
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者などによりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
1 圧着接続構造体
10 圧着端子
30 圧着部
31 圧着面
32 バレル構成片
200 被覆電線
201 アルミニウム芯線
P 仮想平面
R1,R2 端部領域
X 長手方向
Y 幅方向
W1 長手方向溶接箇所
W2 幅方向溶接箇所
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B