(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
[1.第1の実施形態及び第2の実施形態]
以下、本発明の実施形態に係る接続端子の接続構造体及び接続方法について図面を参照して説明する。はじめに、
図1を参照して、本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係る接続構造体について詳細に説明する。
【0023】
なお、
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る接続構造体を示す斜視図である。
図1(b)は、本発明の第2実施形態に係る接続構造体を示す斜視図である。
【0024】
本発明の実施形態に係る接続構造体及び接続方法は、他の端子と接続するための端子接続部と、被覆電線の導体部分を収容して圧着可能な圧着部とを有する接続端子の接続構造体及び接続方法に関する。
【0025】
はじめに、
図1(a)を参照して本発明の第1実施形態に係る接続構造体について詳細に説明する。
図1(a)に示すように、本発明の第1実施形態に係る接続構造体1は、雄端子(図示省略)と電気的に接続する雌端子21と、銅合金製のキャップ(圧着部)31とで略構成されている。
【0026】
雌端子21は、長手方向Xの先端側である前方から後方に向かって挿入される雄端子(図示省略)を接続するための端子接続部22と、この端子接続部22内に挿入された雄端子と接触する弾性接触片23と、キャップ31が接合されるキャップ接合部24とから略構成されている。
【0027】
端子接続部22は、内部に挿入される雄端子(図示省略)の挿入方向(
図1の長手方向X)に沿って延在する面(箱上面部25a、箱下面部25b、箱側面部25c、25d)に囲まれた矩形状の箱型に形成されている。
【0028】
弾性接触片23は、端子接続部22の
箱下面部25bの長手方向Xの前方における一端側に片持ち支持され、この一端側から長手方向Xの後方に向かって折り曲げられて形成されており、雄端子(図示省略)が端子接続部22の内部に挿入されると弾性変形するとともに挿入された雄端子に接触する。
【0029】
キャップ接合部24は、後述するキャップ31の凹部32と当接する当接表面部24aと、
この当接表面部24aと反対側の面である当接背面部24bとを有している。
【0030】
このキャップ接合部24は、端子接続部22の
箱下面部25bと一体に形成されているトランジション部26を介して端子接続部22と一体的に構成されている。つまり、キャップ接合部24とトランジション部26は、端子接続部22の
箱下面部25bが長手方向Xの後方に向かって延在する面で構成されている。
【0031】
キャップ(圧着部)31は、長手方向Xの前方の先端が圧潰されることにより凹部32が形成されている。この凹部32は、キャップ接合部24が配置されるキャップ底面部33aと、このキャップ底面部33aの両側縁から立設した一対のキャップ側面部33b、33cとから構成されている。
【0032】
また、キャップ31は、内部に電線41が挿入されると、後述する電線41の導体42を圧着する電線導体圧着部34と、後述する電線41の導体被覆部43を圧着する絶縁被覆圧着部35とを有している。
【0033】
なお、キャップ31は、内部の全周方向に溝形状である係止溝(以下、セレーションという、図示省略)が形成されている。そして、このセレーションにより雌端子21及びキャップ31と電線41との電気的導通性能を高めている。
【0034】
上述したキャップ31に挿入される電線41は、アルミニウム素線を束ねたアルミニウム芯線(導体)42を絶縁樹脂で被覆した導体被覆部43と、この導体被覆部43の絶縁樹脂を除去することにより導体42を露出した導体露出部44とから構成されている(
図2(a)参照)。
【0035】
なお、導体42は、断面が0.75mm
2となるようにアルミニウム素線を撚って構成されている。なおアルミニウム芯線の断面積が0.75mm
2に限定されないことはもちろんである。
【0036】
上記のように構成された
接続構造体1は、凹部32のキャップ底面部33aにキャップ接合部24の当接表面部24aを配置して、抵抗溶接もしくは抵抗溶接等によって凹部32とキャップ接合部24とを接続する。
【0037】
次に、
図1(b)を参照して、本発明の第2実施形態に係る接続構造体について説明する。なお、本発明の第2実施形態に係る接続構造体は、本発明の第1実施形態に係る接続構造体と略同様の構成等を有するため、同様の構成に関しては、説明を省略するものとする。また、第1実施形態に係る接続構造体と同様の構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0038】
図1(b)に示すように、本発明の第2実施形態に係る接続構造体11は、本発明の第1実施形態に係る接続構造体1と同様に、雄端子(図示省略)と電気的に接続する雌端子221と、銅合金製のキャップ(圧着部)31とで略構成されている。
【0039】
雌端子221のキャップ接合部24は、端子接続部22の
箱下面部25bと一体に形成されているトランジション部26を有し、このトランジジョン部26を介して端子接続部22と一体的に構成されている。トランジション部26は、端子接続部22の
箱下面部25bが長手方向Xの後方に向かって延在する面で構成されている。
【0040】
そして、特に本発明の第2実施形態に係るキャップ接合部24は、キャップ31の凹部32の外周に配置可能に凹形形状に形成されている。つまり、キャップ接合部24は、端子接続部22の
箱下面部25bが長手方向Xの後方に向かって延在する面で構成された当接表面部24a(
図1(a)参照)と、この当接表面部24aの両側縁から立設した一対の接続側面部27a、27bとから構成されている。
【0041】
上記のように構成された
接続構造体11は、当接表面部24aと、接続側面部27a、27bとをキャップ31の凹部32の外周に配置することにより、キャップ接合部24を凹部32の外周に位置させて、抵抗溶接もしくは超音波接合等によってキャップ接合部24と凹部32とを接合する。
【0042】
次に、
図2を参照して、本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係る接続端子の接続方法について詳細に説明する。
【0043】
なお、
図2(a)は、本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係るキャップと電線を示す斜視図である。
図2(b)は、本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係るキャップを示す斜視図である。
図2(c)は、本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係る接続端子の接続方法を説明するための斜視図である。
【0044】
はじめに、
図1(a)に示した本発明の第1実施形態に係る電線と接続端子との接続方法について詳細に説明する。
図2(a)及び
図2(b)に示すように、まず、長手方向X(
図2(c)参照)の前方が閉塞し後方が開口した筒状周壁を有するキャップ31の長手方向Xの前方の先端を略凹形形状にプレス加工することにより凹部32を形成する。
【0045】
キャップ31の先端を凹形形状にプレス加工すると、キャップ底面部33aと、このキャップ底面部33aの両側縁から先端が立設したキャップ側面部33b、33cとにより凹部32が形成される。
【0046】
このように、筒状を有するキャップ31を圧潰することにより凹部32を形成することから、キャップ底面部33aやキャップ側面部33b、33cの先端が丸く形成されるため、凹部32による雌端子21や電線41等の破損を防止することができる。
【0047】
また、
図2(c)に示すように、表面が錫メッキ(Snメッキ)された板厚の黄銅等の銅合金条(図示せず)を平面展開して端子形状に打ち抜いた後、曲げ加工することにより中空四角柱体の雌端子21を形成する。
【0048】
そして、曲げ加工により中空四角柱体に形成された雌端子21のキャップ接合部24を凹部32に重ね合わせる。具体的には、凹部32のキャップ底面部33aにキャップ接合部24の当接表面部24aを当接させて配置する。
【0049】
そして、キャップ底面部33aに当接表面部24aを配置した状態で矢印A方向及び矢印B方向から電流を流して加圧することによりキャップ接合部24と凹部32とを抵抗溶接、又は、矢印A方向及び矢印B方向から加圧しながら超音波振動を与えることによりキャップ接合部24と凹部32とを超音波接合(超音波金属接合)等によりキャップ接合部24と凹部32とを接合する。なお、矢印A方向又は矢印B方向のいずれか一方を固定で他方から加圧してもよい。
【0050】
また、キャップ接合部24と凹部32とを接合する際、
図2(c)に示すように、抵抗溶接する場合にはセラミックス、超音波接合する場合には金属等の固定治具51で固定する。具体的には、固定治具51の端子押え部51a、51bにより、キャップ31のキャップ側面部33b及びキャップ側面部33cを縁側(矢印Y方向)から押さえる。
【0051】
このように、固定治具51で固定しながら抵抗溶接もしくは超音波接合等することにより、電線41の導体42(
図2(a)参照)が長手方向Xの前方にだけ伸び、縁側(矢印Y方向)に伸びることがないため、効率よく抵抗溶接もしくは超音波接合等を行うことができる。
【0052】
キャップ接合部24と凹部32とを接合すると、キャップ31の内部に電線41を挿入する。具体的には、キャップ31の長手方向Xの後方の開口から電線41を挿入することにより電線41を装着する。
【0053】
キャップ31に電線41を装着すると、キャップ31の電線導体圧着部34により導体42が圧着され、絶縁被覆圧着部により導体被覆部43が圧着される。
【0054】
このように、キャップ31の先端を圧潰して形成された凹部32とキャップ接合部24とを接合(抵抗溶接もしくは超音波接合)するため、雌端子21に電線41を装着した際にキャップ31内部に水分が浸入することがなく導体42部分の腐食を防止することができる。
【0055】
また、キャップ31の先端を圧潰して形成された凹部32とキャップ接合部24とを接合するため、電線41を雌端子21に接続する際、電線41と雌端子21とを樹脂封止する必要がなく、樹脂を使用することによる樹脂検査等が不要となり、製造コストを低減することができる。
【0056】
さらに、上述したように、キャップ31には、キャップ底面部33aの両側縁から一対のキャップ側面部33b、33cが立設しているため、キャップ31とキャップ接合部24とを接合する際、キャップ31やキャップ接合部24が縁側(矢印Y方向)へ広がる等の構造的欠陥を抑制して確実な接合を行うことができる。
【0057】
また、凹部32はキャップ31の先端を圧潰して形成されているため、凹部32とキャップ接合部24とを接合すると、接合した部分が3枚板(凹部32が2枚、キャップ接合部24が1枚)となるため、抵抗溶接もしくは超音波接合等する際に接合した部分が薄くなることによる強度低下を抑制することができる。
【0058】
さらに、キャップ31の先端を潰すと幅方向(矢印Y方向)に広がるため、径の小さいキャップや先端が細いキャップを選択しなければならないが、本発明の第1実施形態では、キャップ31に凹部32が形成されているため、キャップ31の径を小さくすることなく雌端子21と電線41とをキャップ31を介して接続することができる。
【0059】
このようにして、本発明の第1実施形態に係る接続方法は、凹部32にキャップ接合部24を配置し、矢印A方向及び矢印B方向から加圧等して抵抗溶接もしくは超音波接合等することにより接続する。
【0060】
なお、本発明の第1実施形態では、凹部32のキャップ底面部33aにキャップ接合部24の当接表面部24aを配置して接合する場合について説明したが、凹部32のキャップ底面部33aにキャップ接合部24の当接背面部24b(
図1(a)参照)を配置して接合してもよい。この場合も、キャップ底面部33aやキャップ接合部24が縁側(矢印Y方向)へ広がる等の構造的欠陥を抑制して確実な接合を行うことができる。
【0061】
そして、上述した本発明の第1実施形態に係る接続方法では、凹部32にキャップ接合部24を配置し、抵抗溶接もしくは超音波接合等した後に電線41をキャップ31に挿入する場合について説明したが、キャップ31に凹部32を形成した後に電線41を挿入し、電線導体圧着部34と絶縁被覆圧着部とにより電線41を圧着した後、抵抗溶接もしくは超音波接合等してもよい。
【0062】
また、キャップ31に電線41を挿入し、電線導体圧着部34と絶縁被覆圧着部とにより電線41を圧着した後、キャップ31の先端に凹部32を形成し、凹部32にキャップ接合部24を抵抗溶接もしくは超音波接合等してもよい。
【0063】
次に、
図1(b)に示した本発明の第2実施形態に係る接続端子の接続方法について詳細に説明する。なお、本発明の第2実施形態に係る接続端子の接続方法は、本発明の第1実施形態に係る接続端子の接続方法と略同様の方法等であるため、同様の方法については説明を省略するものとする。
【0064】
図2(a)及び
図2(b)に示すように、まず、長手方向X(
図2(c)参照)の前方が閉塞し後方が開口した筒状周壁を有するキャップ31の長手方向Xの前方の先端を略凹形形状にプレス加工することにより凹部32を形成する。
【0065】
キャップ31の先端に凹部32が形成されると、キャップ接合部24と凹部32とを接合する。本発明の第2実施形態に係る接続方法は、特に導電性を有する一枚の金属製板を曲げ加工することにより形成された当接表面部24aと、接続側面部27a、27bとをキャップ31の凹部32の外周に配置する(
図1(b)参照)。
【0066】
そして、凹部32の外周にキャップ接合部24の当接表面部24a及び接続側面部27a、27bを配置した状態で矢印A方向及び矢印B方向から電流を流して加圧することによりキャップ接合部24と凹部32とを抵抗溶接、又は、矢印A方向及び矢印B方向から加圧しながら超音波振動を与えることによりキャップ接合部24と凹部32とを超音波接合(超音波金属接合)等
してキャップ接合部24と凹部32とを接合する。なお、矢印A方向又は矢印B方向のいずれか一方を固定で他方から加圧してもよい。
【0067】
また、キャップ接合部24と凹部32とを接合する際、
図2(c)に示すように、抵抗溶接する場合にはセラミックス、超音波接合する場合には金属等の固定治具51で固定する。具体的には、固定治具51の端子押え部51a、51bにより、キャップ31のキャップ側面部33b及びキャップ側面部33cを縁側(矢印Y方向)から押さえる。
【0068】
このように、固定治具51で固定しながら抵抗溶接もしくは超音波接合等することにより、電線41の導体42(
図2(a)参照)が長手方向Xの前方にだけ伸び、縁側(矢印Y方向)に伸びることがないため、効率よく抵抗溶接もしくは超音波接合等を行うことができる。
【0069】
キャップ接合部24と凹部32とを接合すると、キャップ31の内部に電線41を挿入する。具体的には、キャップ31の長手方向Xの後方の開口から電線41を挿入することにより電線41を装着する。
【0070】
キャップ31に電線41を装着すると、キャップ31の電線導体圧着部34により導体42が圧着され、絶縁被覆圧着部により導体被覆部43が圧着される。
【0071】
このように、キャップ接合部24には、当接表面部24aの両側縁から一対の接続側面部27a、27bが立設しているため、凹部33aとキャップ接合部24とを接合する際に凹部32が縁側(矢印Y方向)へ広がる等の構造的欠陥を抑制して確実な接合を行うことができる。
【0072】
このようにして、本発明の第2実施形態に係る接続方法は、凹部32の外周に当接表面部24a及び接続側面部27a、27bを配置し、矢印A方向及び矢印B方向から加圧等して抵抗溶接もしくは超音波接合等することによりキャップ接合部24と凹部32とを接続する。
【0073】
なお、本発明の第2実施形態では、当接表面部24aと、接続側面部27a、27bとをキャップ31の凹部32の外周に配置して接合する場合について説明したが、接続側面部27a、27bとをキャップ31の凹部32の内部に配置して接合してもよい。この場合も、キャップ底面部33aやキャップ接合部24が縁側(矢印Y方向)へ広がる等の構造的欠陥を抑制して確実な接合を行うことができる。
【0074】
そして、上述した本発明の第2実施形態に係る接続方法では、凹部32の外周に当接表面部24a及び接続側面部27a、27bを配置し、抵抗溶接もしくは超音波接合等した後に電線41をキャップ31に挿入する場合について説明したが、キャップ31に凹部32を形成した後に電線41を挿入し、電線導体圧着部34と絶縁被覆圧着部とにより電線41を圧着した後、抵抗溶接もしくは超音波接合等してもよい。
【0075】
また、キャップ31に電線41を挿入し、電線導体圧着部34と絶縁被覆圧着部とにより電線41を圧着した後、キャップ31の先端に凹部32を形成し、凹部32にキャップ接合部24を抵抗溶接もしくは超音波接合等してもよい。
【0076】
[2.第3の実施形態]
次に、
図3を参照して、本発明の第3実施形態に係る接続構造体及び接続端子との接続方法について詳細に説明する。なお、本発明の第3実施形態に係る接続構造体及び接続方法は、本発明の第1実施形態に係る接続構造体及び接続方法と略同様の構成等を有するため、同様の構成等については説明を省略するものとする。また、第1実施形態に係る接続構造体と同様の構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0077】
はじめに、
図3を参照して、本発明の第3実施形態に係る接続構造体について詳細に説明する。
図3は、本発明の第3実施形態に係る接続構造体を示す斜視図である。
【0078】
図3に示すように、本発明の第3実施形態に係る接続構造体1111は、本発明の第1実施形態に係る接続構造体1と同様に、雄端子(図示省略)と電気的に接続する雌端子421と、銅合金製のキャップ(圧着部)31とで略構成されている。
【0079】
そして、特に本発明の第3実施形態に係る雌端子421のキャップ接合部424は、端子接続部22の
箱下面部25bと一体に形成されているトランジション部26と、このトランジション部26の一辺から立設した立設部28と、この立設部28の一辺からトランジション部26の面と平行な面を有する当接表面部24aと、この当接表面部24aの両側縁から下方向へ延設した一対の接続側面部27a、27bとから構成されている。
【0080】
このため、キャップ接合部424は、トランジション部26と当接表面部24aとが立設部28により階段状の段差を有しており、接続側面部27a、27bが当接表面部24aの両側縁から下方向へ延設している。
【0081】
上記のように構成された
接続構造体1111は、当接表面部24aと接続側面部27a、27bとから構成された凹形形状のキャップ接合部24を凹部32の外周に位置させて、抵抗溶接もしくは超音波接合等によってキャップ接合部24と凹部32とを接合する。
【0082】
次に、本発明の第3実施形態に係る接続端子の接続方法について詳細に説明する。まず、長手方向X(
図2(c)参照)の前方が閉塞し後方が開口した筒状周壁を有するキャップ31長手方向Xの前方(
図2(c)参照)の先端を略凹形形状にプレス加工することにより凹部32を形成する。
【0083】
キャップ31の先端に凹部32が形成されると、キャップ接合部24と凹部32とを接合する。本発明の第3実施形態に係る接続方法は、特に導電性を有する一枚の金属製板を曲げ加工することにより形成された当接表面部24aと、接続側面部27a、27bとをキャップ31の凹部32の外周に配置する(
図1(b)参照)。
【0084】
そして、凹部32の外周にキャップ接合部24の当接表面部24a及び接続側面部27b、27cを配置した状態で矢印A方向及び矢印B方向から電流を流して加圧することによりキャップ接合部24と凹部32とを抵抗溶接、又は、矢印A方向及び矢印B方向から加圧しながら超音波振動を与えることによりキャップ接合部24と凹部32とを超音波接合(超音波金属接合)等によりキャップ接合部24と凹部32とを接合する。なお、矢印A方向又は矢印B方向のいずれか一方を固定で他方から加圧してもよい。
【0085】
また、キャップ接合部24と凹部32とを接合する際、
図2(c)に示すように、抵抗溶接する場合にはセラミックス、超音波接合する場合には金属等の固定治具51で固定する。具体的には、固定治具51の端子押え部51a、51bにより、キャップ31のキャップ側面部33b及びキャップ側面部33cを縁側(矢印Y方向)から押さえる。
【0086】
このように、固定治具51で固定しながら抵抗溶接もしくは超音波接合等することにより、電線41の導体42(
図2(a)参照)が長手方向Xの前方にだけ伸び、縁側(矢印Y方向)に伸びることがないため、効率よく抵抗溶接もしくは超音波接合等を行うことができる。
【0087】
キャップ接合部24と凹部32とを接合すると、キャップ31の長手方向X後方の開口から電線41を挿入することにより電線41を装着する。
【0088】
キャップ31に電線41を装着すると、キャップ31の電線導体圧着部34により導体42が圧着され、絶縁被覆圧着部により導体被覆部43が圧着される。
【0089】
このように、キャップ接合部24には、当接表面部24aの両側縁から一対の接続側面部27b、27cが立設しているため、凹部33aとキャップ接合部24とを接合する際に凹部32が縁側(矢印Y方向)へ広がる等の構造的欠陥を抑制して確実な接合を行うことができる。
【0090】
なお、本発明の第3実施形態では、当接表面部24aと、接続側面部27a、27bとをキャップ31の凹部32の外周に配置して接合する場合について説明したが、接続側面部27a、27bとをキャップ31の凹部32の内部に配置して接合してもよい。この場合も、キャップ底面部33aやキャップ接合部24が縁側(矢印Y方向)へ広がる等の構造的欠陥を抑制して確実な接合を行うことができる。
【0091】
そして、上述した本発明の第3実施形態に係る接続方法では、凹部32の外周に当接表面部24a及び接続側面部27a、27bを配置し、抵抗溶接もしくは超音波接合等した後に電線41をキャップ31に挿入する場合について説明したが、キャップ31に凹部32を形成した後に電線41を挿入し、電線導体圧着部34と絶縁被覆圧着部とにより電線41を圧着した後、抵抗溶接もしくは超音波接合等してもよい。
【0092】
また、キャップ31に電線41を挿入し、電線導体圧着部34と絶縁被覆圧着部とにより電線41を圧着した後、キャップ31の先端に凹部32を形成し、凹部32にキャップ接合部24を抵抗溶接もしくは超音波接合等してもよい。
【0093】
[3.作用効果]
このようにして、本発明の実施形態に係る接続構造体1、11、1111は、他の端子と接続するための端子接続部(端子接続部22から延在するキャップ接合部24、424)と、被覆電線(電線41)の導体42部分を収容して圧着可能な圧着部(キャップ31)とを有する接続端子(雌端子21、221、421)の接続構造体1、11、1111であって、圧着部は、キャップ形状で形成され、キャップ形状の先端を圧潰して形成された凹部32と端子接続部とを接合(抵抗溶接もしくは超音波接合)した
【0094】
また、本発明の実施形態に係る接続構造体1、11、1111は、圧着部(キャップ31)は、キャップ形状の先端を圧潰することにより形成されたキャップ底面部33aと、このキャップ底面部33aの両側縁から立設した一対のキャップ側面部33b、33cとを有する。
【0095】
さらに、本発明の実施形態に係る接続構造体1、11、1111、は、端子接続部(キャップ接合部24、424)は、接続底面部(当接表面部24a)と、この接続底面部の両側縁から立設した一対の接続側面部27a、27bとが形成されており、接続底面部及び接続側面部27a、27bが圧着部(キャップ31)に内接又は外接して接合される。
【0096】
また、本発明の実施形態に係る接続方法は、他の端子と接続するための端子接続部(端子接続部22から延在するキャップ接合部24、424)と、被覆電線(電線41)の導体42部分を収容して圧着可能な圧着部(キャップ31)とを有する接続端子(雌端子21、221、421)の接続方法であって、圧着部は、キャップ形状で形成され、キャップ形状の先端を圧潰して凹部32を形成し、凹部32と端子接続部とを接合する
【0097】
本発明の実施形態に係る接続構造体1、11、1111によれば、キャップ31の先端を圧潰して形成された凹部32とキャップ接合部24、424とを接合(抵抗溶接もしくは超音波接合)するため、雌端子21、221、421に電線41を装着した際にキャップ31内部に水分が浸入することがなく導体42部分の腐食を防止することができる。
【0098】
また、キャップ31の先端を圧潰して形成された凹部32とキャップ接合部24、424とを接合するため、電線41を雌端子21、221421に接続する際、電線41と雌端子21、221、421とを樹脂封止する必要がなく、樹脂を使用することによる製造コストを低減することができる。
【0099】
さらに、キャップ31の先端を圧潰して形成された凹部32とキャップ接合部24、424とを接合するため、樹脂を使用することによる樹脂検査等が不要となり、製造コストを低減することができる。
【0100】
また、凹部32はキャップ31の先端を圧潰して形成されているため、凹部32とキャップ接合部24、424とを接合すると、接合した部分が3枚板(凹部32が2枚、キャップ接合部(24、424)が1枚となるため、抵抗溶接もしくは超音波接合等する際に接合した部分が薄くなることによる強度低下を抑制することができる。
【0101】
さらに、キャップ31の先端を潰すと幅方向(例えば、
図2(c)の矢印Y方向)に広がるため、径の小さいキャップや先端が細いキャップを選択しなければならないが、本発明の実施形態では、キャップ31に凹部32が形成されているため、キャップ31の径を小さくすることなく雌端子21、221、421と電線41とをキャップ31を介して接続することができる。
【0102】
また、固定治具51で固定しながら抵抗溶接もしくは超音波接合等する場合には、電線41の導体42が長手方向(
図1の長手方向X方向)の前方にだけ伸び、縁側方向(
図1の矢印Y方向)に伸びることがないため、効率よく抵抗溶接もしくは超音波接合等を行うことができる。
【0103】
さらに、本発明の実施形態に係る接続構造体1、11、1111によれば、キャップ31には、キャップ底面部33aの両側縁から一対のキャップ側面部33b、33cが立設しているため、キャップ31とキャップ接合部24、424とを接合する際、キャップ31やキャップ接合部24、424が縁側(例えば、
図2(c)の矢印Y方向)へ広がる等の構造的欠陥を抑制して確実な接合を行うことができる。
【0104】
また、本発明の実施形態に係る接続構造体11、1111によれば、当接表面部24aの両側縁から一対の接続部側面部27b、27cが立設しているため、キャップ31とキャップ接合部24、424とを接合する際、キャップ31やキャップ接合部24、424が縁側(例えば、
図2(c)の矢印Y方向)へ広がる等の構造的欠陥を抑制して確実な接合を行うことができる。
【0105】
さらに、本発明の実施形態に係る接続方法によれば、キャップ31の先端を圧潰して形成された凹部32とキャップ接合部24、424とを接合(抵抗溶接もしくは超音波接合)するため、雌端子21、221、421に電線41を装着した際にキャップ31内部に水分が浸入することがなく導体42部分の腐食を防止することができる。
【0106】
また、キャップ31の先端を圧潰して形成された凹部32とキャップ接合部24、424とを接合するため雌端子21、221、421に接続する際、電線41と雌端子21、221、421とを樹脂封止する必要がなく、樹脂を使用することによる製造コストを低減することができる。
【0107】
このように、本発明の接続構造体1、11、1111及び接続方法によれば、電線41内への水分の浸入を防止しつつ、製造コストの低減を図ることが可能な接続構造体1、11、1111及び接続方法を提供することができる。
【0108】
以上、本発明の接続端子及び接続方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【0109】
例えば、本発明の実施形態では、接続端子は雌端子21である場合について説明したが、これに限定されない。例えば、キャップ接合部24、424を有する接続端子であれば、端子接続部22に挿入する挿入タブを有する雄端子でもよい。
【0110】
また、本発明の実施形態では、凹部32とキャップ接合部24、424とを抵抗溶接もしくは超音波接合する場合について説明したが、その他の接合方法へ適宜変更が可能である。
【0111】
さらに、本発明の実施形態では、凹部32にキャップ接合部24を配置し、抵抗溶接もしくは超音波接合等した後に電線41をキャップ31に挿入する場合について説明したが、キャップ31に凹部32を形成した後に電線41を挿入し、電線導体圧着部34と絶縁被覆圧着部とにより電線41を圧着した後、抵抗溶接もしくは超音波接合等してもよい。
【0112】
また、キャップ31に電線41を挿入し、電線導体圧着部34と絶縁被覆圧着部とにより電線41を圧着した後、キャップ31の先端に凹部32を形成し、凹部32にキャップ接合部24を抵抗溶接もしくは超音波接合等してもよい。
【0113】
さらに、本発明の実施形態では、キャップ31の凹部32とキャップ接合部24、424とを矢印A方向及び矢印B方向(
図2(c)参照)から電流を流して加圧することにより抵抗溶接により接合する場合、もしくは、矢印A方向及び矢印B方向から加圧しながら超音波振動を与えることにより超音波接合(超音波金属接合)により接合する場合について説明したが、矢印A方向又は矢印B方向のいずれか一方を固定で他方から加圧してもよい。