(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記突出部の前記遠位端上の多結晶ダイヤモンドの前記コーティングが、前記メサにわたる二乗平均平方根粗さを有し、前記遠位端からの前記所定の距離が、前記二乗平均平方根粗さの3〜5倍である、請求項3または4に記載の化学機械研磨パッドコンディショナー。
請求項14乃至18のいずれか一項に記載のパッドコンディショナーは、前記複数の突出部の前記遠位端を少なくとも被覆する多結晶ダイヤモンドのコーティングを含み、前記コーティングは前記粗さに適合しているパッドコンディショナー。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここで、
図1を参照すると、化学機械平坦化(CMP)プロセスにおけるパッドコンディショナー32を備えたウエハ研磨装置30が、本発明の一実施形態において示される。示されるウエハ研磨装置30は、CMPパッド38(ポリマーパッドなど)が取り付けられた上側面36を有する回転テーブル34を含む。ウエハ基板44が取り付けられたウエハヘッド42は、ウエハ基板44がCMPパッド38と接触するように配置される。一実施形態において、スラリー供給デバイス46が、研磨スラリー48をCMPパッド38に提供する。
【0025】
動作中、回転テーブル34は、CMPパッド38が、ウエハヘッド42、パッドコンディショナー32およびスラリー供給デバイス46の下で回転されるように回転される。ウエハヘッド42は、下向きの力FによってCMPパッド38と接触する。ウエハヘッド42はまた、それに取り付けられたウエハ基板44の研磨を補強するために線形の往復動作で回転および/または振動され得る。パッドコンディショナー32も、CMPパッド38と接触し、CMPパッド38の表面にわたって往復移動される。パッドコンディショナー32はまた、回転され得る。
【0026】
機能的に、CMPパッド38は、ウエハ基板44に研磨仕上げを与えるために制御された方法でウエハ基板44から材料を除去する。パッドコンディショナー32の機能は、CMPプロセスからのデブリが増加する研磨動作からのデブリを除去し、CMPパッド38の細孔を開け、それによって、CMPプロセスにおける除去速度を維持することである。
【0027】
図2A〜2C(まとめて
図2と呼ばれる)を参照すると、パッドコンディショナー52a、52bおよび52cが、本発明の実施形態において示される(まとめてパッドコンディショナー52と呼ばれる)。パッドコンディショナー52は、背面56および背面と反対側の前面58を有する基板54を含み得る。基板54の前面58は、第1の組の突出部62および第2の組の突出部64を含み得る。第1の組の突出部62は、基板54上に一体成形され、基板54の背面56から第1の組の突出部62の遠位面66まで測定され得る、面P1を中心とする第1の平均高さを有する。第2の組の突出部64も、基板54上に一体成形され、基板の背面56から第2の組の突出部64の遠位面68まで測定した際の、面P2を中心とする第2の平均高さを有し得る。
図2の示される実施形態において、第1の組の突出部62および第2の組の突出部64は、異なる平均高さを有するものとして互いに区別され得る。
【0028】
第1の組の突出部62および第2の組の突出部64は、基板に結合される研磨粒子とではなく、基板54と一体である。本発明のある形態において、第1の組の突出部62の1つ以上の突出部の遠位面66は、不規則な表面または粗面を有することができ、第2の組の突出部64の各突出部の遠位面68は、不規則な表面または粗面を有することができる。第1の組の突出部62および第2の組の突出部64は、例えば、多結晶ダイヤモンドのコーティングで、少なくともそれらの上面がコーティングされ得る。
【0029】
一実施形態において、突出部の遠位面66および68における粗さまたは不規則な表面は、炭化ケイ素に転化された多孔質黒鉛基板による粗さに少なくとも部分的に起因し得る。本発明の他の形態において、第1の組の突出部の1つ以上の突出部の上部は、平面を有することができ、第2の組の突出部の各突出部の上部は、平面を有することができる。
【0030】
第1の組の突出部62の平均高さは、第1の面P1を画定することができ、第2の組の突出部64の平均高さは、第2の面P2を画定することができる。一実施形態において、第1の面P1および第2の面P2は、互いにほぼ平行である。限定はされないが、例えば、平均高さを有する第3の組の突出部(図示せず)、平均高さを有する第4の組の突出部などのさらなる組の突出部も、基板またはセグメント54の表面上に形成され得る。基板54の背面56は、コンディショニング装置に結合または連結され得る。
【0031】
特定の実施形態において、第1の組の突出部62は、第2の突出部64の平均高さより高い平均高さを有する。すなわち、面P1は、P2より基板54の背面56から離れている。様々な実施形態において、パッドコンディショナーの基板またはセグメント54は、セラミック材料である。パッドコンディショナーのある形態において、セラミック材料は、炭化ケイ素を含む。セラミック材料は、例えば、ベータ炭化ケイ素またはベータ炭化ケイ素を含むセラミック材料であり得、これは、別個の炭素相または過剰の炭素を含み得る。
【0032】
一実施形態において、ニアネットシェイプ多孔質黒鉛前駆体からパッドコンディショナーを作製する方法が実施される。黒鉛ブロックが、加工されて、パッドコンディショナー52基板またはセグメント54のニアネットシェイプになり得る。本明細書において、「ニアネットシェイプ」は、最終的な形状および公差を得るために最小限の後処理加工を含む構成要素を示すのに使用される。一例において、多孔質黒鉛基板が、いくつかの形成プロセスのうちの1つを用いて、突出部およびチャネルなどの他の特徴を形成するようにテクスチャ加工される。次に、テクスチャ加工された黒鉛基板は、ニアネットシェイプ炭化ケイ素材料基板へと転化され得る。ニアネットシェイプ化炭化ケイ素は、ベータ炭化ケイ素であり得る。炭化ケイ素の加工は、炭化ケイ素の硬度のために困難で時間のかかるプロセスであるため、ニアネットシェイプ化多孔質黒鉛前駆体をニアネットシェイプ化炭化ケイ素パッドコンディショナー52へと転化することによるパッドコンディショナー52の形成は、炭化ケイ素を直接テクスチャ加工するのを上回るコスト優位性を提供することができる。
【0033】
図2A〜2Cは、本発明の実施形態のパッドコンディショナー52の非限定的な例を断面で示す。これらの例では、パッドコンディショナー基板54は、回転軸を有し、背面56は、基板54の前面58の第1の組の突出部62および第2の組の突出部64の平均高さによって画定される1つ以上の面に平行である。パッドコンディショナーの2つの面P1およびP2は、2つの切削面を効果的に画定する。ある形態において、基板は、3つ以上の切削面を含んでいてもよい。
【0034】
突出部は、基板(
図2Aまたは
図2C)の前面に形成され得、または突出部は、第1の基板(
図2B)に結合される第2の基板72に形成されてもよく、または突出部は、別個のセグメントである1つ以上の基板上に形成され得、このセグメントは、バッキングプレート(
図7および付随する説明を参照されたい)に結合される。パッドコンディショナー52の構成に応じて、突出部を有する基板または第1の基板は、コンディショニング装置の回転および/または移動装置(図示せず)に連結される。基板は、様々な形状を有することができ、ディスクの形状に限定されない。基板は、面内で回転するための回転軸を有し得る。
【0035】
図3A〜3D(まとめて
図3と呼ばれる)を参照すると、縁部領域82および中心領域84を有するパッドコンディショナー80が、本発明の実施形態において示される。
図3Aにおいて、縁部領域82は、中心領域84の突出部88の少なくともいくつかより低い高さの、面P2を中心とした平均高さを有する複数の突出部86(
図3A)または単一の突出部87(
図3C)を含む。突出部86および88は、基板またはセグメントにわたる領域またはフィールド(field)で形成される。示される実施形態において、突出部86および/または88は、一連の個々の台座(pedestal)であり得、または中心領域84を囲む連続した環状リングを形成し得る。
【0036】
図3Dの実施形態において、単一の縁部フィールド突出部92が、台座突出部96のフィールドに隣接する大きい台(platform)94を含む。
図3Dの画像において、台座突出部96は、基本寸法が約65μm、高さが約65μmであり、平方ミリメートル当たり約3つの突出部の密度を有する。大きい台94は、約40μmの平均高さとともに、約400μmの幅(
図3Cにおける基準点(b)から基準点(c)までの距離)を有する。
【0037】
図3Bに関して、コンディショニング基板またはセグメント80の縁部102が、より低い高さの円錐形の切削特徴部104を有する一方、基板またはセグメントの内側フィールドは、より高い高さの切頂四角錘突出部106(不規則な上面が図示されていない)を有する。
【0038】
突出部は、四角形、「U」形状、または「V」形状などであるがこれらに限定されない様々な断面のチャネルの形状であり得る陥凹によって隔てられる。ある実施形態において、陥凹したチャネルの側部および底部領域は、底部または谷の先端108で狭まる丸みを帯びた形状を有し、強度を増加させるためのより広くかつより厚い基本寸法を突出部に与える。
図3Cにおいて、例えば、縁部領域82の突出部87は、基板基部と中心領域の面P1との間に位置するものとして面P2を画定する、基板表面上の環状リングを形成し得る。
【0039】
図4A〜4Dを参照すると、先行技術(
図4Aおよび4B)の突出部110が、本発明の一実施形態(
図4Cおよび4D)の突出部112と比較される。
図4Aの突出部は、平面114を含み、その断面が、
図4Bに示される。これに対し、
図4Cの突出部112は、不規則なまたはテクスチャ加工された上面116を含み、断面が、
図4Dに示される。
【0040】
図5Aおよび5B(まとめて
図5と呼ばれる)を参照すると、第1の平均高さの突出部122および第2の平均高さの突出部124をそれぞれ有するパッドコンディショナー120aおよび120bが、本発明の一実施形態の基板またはセグメント132の縁部領域126および/または中心領域またはフィールド領域128にわたってあるパターンで形成される。突出部122、124は、CMPパッド上に切削領域を提供する様々な形状を有し得る。ある実施形態において、突出部122、124は、ピラミッド形、円錐、矩形、円筒形、ならびに平坦部を有するそれらの切頂形態(例えば、切頂円錐)などであるがこれらに限定されない幾何学的形状を有する。突出部122、124の遠位面は、四角形の縁部、丸みを帯びた縁部、または半径で破断された縁部を有し得る。例えば、
図5は、基板132の中心領域128におけるより高いピラミッド形または円錐形状の突出部(突出部122)、およびより高い突出部122の中で分散された、基板の外側または環状縁部領域126におけるより小さいピラミッド形または円錐形状の突出部(突出部124)の繰り返し可能なパターンを有するものとして基板132を示す。
図5Aに示されるより高い突出部122により、パッドコンディショナー120がCMP研磨パッドに強力に入り込むことができる一方、より小さい突出部124は、凝集といった欠陥をもたらし得る大きい穿孔を伴う過度のコンディショニングを防ぐ。
図5Bは、より高いフィールド突出部122および縁部領域126の突出部におけるより小さいリード(lead)を示す。フィールドにおける均一な特徴部は、研磨パッドにより平滑なテクスチャを与え(
図1の項目38)、これは、銅CMPなどの金属加工に有利である。
【0041】
特定の実施形態において、基板、セグメントまたは第2の基板は、2つ以上の異なる平均高さを有する突出部を有するであろう。突出部の高さは、基板またはセグメントの背面から、またはいくつかの任意の基準面から測定され得る。同じ平均高さの突出部は、パッドコンディショナーの切削面または切削領域を画定するのに使用され得る。パッドコンディショナーは、2つ以上の切削面を有し得る。例えば、再度
図3Aを参照すると、異なる平均高さを有する2組の突出部が示され、突出部のそれぞれが、テクスチャ加工されたまたは不規則な上面を有する。同じ平均高さP1を有するそれらの突出部は、第1の面内にある上面を有し、これらの突出部は、上面が第2の面内にある平均高さP2を有する突出部より高い。本発明のある形態において、第1の面は、第2または第3の面に平行である。
【0042】
上面の突出部高さおよび/または最も大きい面(aspect)、場合によっては上面の幅または直径は、10μm〜約200μm、ある実施形態において10〜100μmの範囲であり得る。突出部が尖った先端のような特徴部である場合、突出部は、突出部の半分の高さにおける最も大きい面によって特徴付けられ得る。基準面は、基板の背面であり得、または基板の背面が非平面(例えば、凹状または凸状、またはその他)である場合、3つ以上の突出部の上面に平行な外部基準面が使用され得る。例えば、再度
図5Bを参照すると、突出部の組を特徴付けるための基準面の使用に応じて、最も高い突出部が、平均高さH1aまたはH1b(それぞれ、基板の外部基準面または背面)によって特徴付けられ得、基板の縁部領域の近くのより小さい突出部は、平均高さH2aまたはH2b(それぞれ、基板の外部基準面または背面)によって特徴付けられ得、突出部の組の間の表面チャネルおよび間隙は、平均高さH3aまたはH3b(それぞれ、基板の外部基準面または背面)によって特徴付けられ得る。
【0043】
図6A〜6F(まとめて
図6と呼ばれる)を参照すると、異なる「突出部密度」を有する構成の様々な非限定的な例が、本発明の実施形態において示される。「突出部密度」は、平方単位の面積当たりの突出部の数として本明細書において定義される。突出部密度の非限定的な例は、平方ミリメートル当たり0.1個の突出部(すなわち、10mm
2の面積当たり1つの突出部)から平方ミリメートル当たり50個の突出部の範囲であり得る。一般に、より低い密度の突出部を用いて、単位面積当たりのCMPパッドにより強い力を加え、より高い密度の突出部より強力にパッドを切削することができる。尖った上面を有する突出部も、CMPパッドに単位当たりの接触面積により強い力を加え、平坦な、丸みを帯びた、または丸みのある(radius)上面を有する突出部よりも強力にCMPパッドを切削する傾向がある。
【0044】
本明細書において、「中心に位置する突出部」は、基板(またはセグメント)の中心点または質量中心に近接する基板またはセグメントのフィールド領域または区域に位置する突出部のサブセットを指し、この突出部のサブセットは、基板の1つ以上の縁部に向かって延在する。「周辺に位置する突出部」は、基板の前縁またはリムから始まり、内向きに延在する、基板またはセグメントの縁部領域に位置する突出部を指す。本発明のある実施形態において、周辺に位置する突出部の面積は、基板の面積の0.5%〜75%であり得、他の形態において、周辺に位置する突出部の面積は、基板の面積の10%〜35%であり得る。
【0045】
再度
図6を参照すると、突出部のサイズ(基本寸法)、突出部の密度、および上記の記載に示されるセグメント当たりの得られる突出部は以下のとおりである:85μmの基本寸法、平方ミリメートル当たり5つの突出部の密度、およびセグメント当たり1460個の突出部を有する突出部(
図6A);125μmの基本寸法、平方ミリメートル当たり1つの突出部、およびセグメント当たり290個の突出部を有する突出部(
図6B);125μmおよび85μmの基本寸法、平方ミリメートル当たり3つの突出部、セグメント当たり495個の125μmの基本寸法の突出部および375個の85μmの基本寸法の突出部を有する分散された突出部(
図6C);縁部にリードのある65μmの基本寸法の突出部、縁部にリードのない平方ミリメートル当たり3つの突出部、およびセグメント当たり880個の突出部(
図6D);125μmの基本寸法の突出部、平方ミリメートル当たり5つの突出部、およびセグメント当たり1460個の突出部(
図6E);および200μmの基本寸法の突出部、平方ミリメートル当たり2つの突出部、およびセグメント当たり585個の突出部(
図6F)。
【0046】
図7A〜7Dを参照すると、パッドコンディショナーアセンブリ150a、150bおよび150cが、本発明の実施形態において示される。パッドアセンブリ150a、150bおよび150c(まとめてパッドアセンブリ150と呼ばれる)はそれぞれ、下にある基板またはバッキングプレート154に固定されるコンディショニングセグメント152a、152bおよび152c(まとめてコンディショニングセグメント152と呼ばれる)を含む。コンディショニングセグメント152は、上記の様々な実施形態(例えば、
図2、3および5)について説明されるように、2つ以上の異なる平均高さの突出部を有し得る。一実施形態において、セグメントは、エポキシなどの接着剤を用いて、バッキングプレート154に結合される。
【0047】
図7B、7Dおよび7Eに最もよく示されているように、各コンディショニングセグメント152は、異なる突出部特性を有するかまたは突出部を全く有さない中心またはフィールド領域156および1つ以上の縁部領域158を含み得る。一実施形態において、セグメントの少なくともいくつかの縁部領域158は、中心領域156の突出部より低い高さを有する突出部を含み(例えば、
図5)、縁部領域158の突出部に対して減少した力およびせん断を与えることができる。
【0048】
図7Eおよび7Fを参照すると、セグメント152eが、縁部領域158eおよび中心またはフィールド領域156eを含み、フィールド領域156eは、溝線または溝162を含み、ここで、突出部は、かなり減少された高さを有するか、あるいは、突出部を全く有さない。溝線または溝162は、より高い切頂四角錘突出部166の中で切頂四角錘突出部164の集団として
図7Fに示される。溝162間の領域は、異なる特性を有することもでき;すなわち、第1の対の溝162a間のゾーンは、異なるパターン、突出部の高さ、突出部の密度および/または特徴部の粗さなどの、第2の対の溝162b間のゾーンとは異なる特性を有し得る。
【0049】
機能的に、縁部領域158における特徴部のより低い高さは、研削(dressing)プロセス中のデブリの除去に役立ち得る。基板基部と中心領域の面P1との間にあるものとして面P2を画定する台座突出部または環状突出部(例えば、
図3Cおよび5B)を有することは、コンディショニングセグメント152の縁部領域158に位置する特徴部に対する応力を軽減する働きを果たす。コンディショニングセグメント152eの溝または溝線162などのより小さいおよび/またはより短い突出部の領域は、パッドのデブリおよびスラリーの解放または除去も提供することができる。
【0050】
1つ以上のコンディショニングセグメント152はそれぞれ、同じ、均一な突出部プロファイルを有し得るか、または1つ以上のコンディショニングセグメント152は、各コンディショニングセグメント152中の突出部の2つ以上の群の同じ組合せを有し得る。コンディショニングセグメント152はそれぞれ、所与のセグメント上に均一な突出部プロファイルも有し得るが、突出部プロファイルはセグメント間で異なる。別の実施形態において、コンディショニングセグメント152は、様々な突出部プロファイルの異なる組合せを有し得る。非限定的な例は、
図7B中の「A」と表示された位置におけるコンディショニングセグメント152bの縁部領域158およびフィールド領域156として、
図5Aの縁部領域128およびフィールド領域126を有し、
図7B中の「B」と表示された位置におけるコンディショニングセグメント152bの縁部領域158およびフィールド領域156として、
図5Bのセグメント縁部領域128およびフィールド領域126を有することである。
【0051】
本明細書に示される様々なパッドコンディショナー、パッドコンディショナーアセンブリおよびコンディショニングセグメントは、そのサイズまたは面積が限定されないが、例えば、標準的な101.6mm(4インチ)の直径のディスク形状で作製され得る。アセンブリのある実施形態において、バッキングプレート154が、コンディショニング装置に結合される。バッキングプレート154は、通常、直径が約50.8mm(2インチ)〜101.6mm(4インチ)の範囲のディスクの形態であるが;他の形状およびサイズが、パッドコンディショナーまたはコンディショニングセグメント用のバッキングプレート154として使用されてもよい。バッキングプレート154の厚さは、約1.27mm(0.05インチ)〜約12.7mm(0.5インチ)の範囲、任意に1.27mm(0.05インチ)〜3.81mm(0.15インチ)の範囲であり得る。
【0052】
図8A〜8C(まとめて
図8と呼ばれる)を参照すると、パッドコンディショナーまたはセグメント170a、170bおよび170c(まとめてパッドコンディショナー170と呼ばれる)が、本発明の実施形態において示される。パッドコンディショナー170は、縁部領域172にわたって中心領域174に向かって高さが単調に増加する突出部を備えた縁部領域172を有する。例えば、
図8Aは、パッドコンディショナー170aの一部を示し、ここで、基板の縁部176に近接する高さH4の2つ以上の突出部または突出部の列が、より低い高さを有し、突出部高さは、高さH3およびH2によって示されるように、中心領域174に向かって単調に増加し、最終的な最も高い高さH1は、中心領域174における高さである。
図8Bにおいて、パッドコンディショナー170bの縁部領域172は、基板の縁部176に近接するH5から、パッドコンディショナー170bの中間部に向かって高さH4、H3およびH2へ、中心領域174における最終的な高さH1へと高さが単調に増加する突出部高さを有する。
図8Cにおいて、パッドコンディショナー170cは、パッドコンディショナー170cの縁部176に近接するH5の高さから、基板の中心領域174に向かってH4、H3およびH2の高さへ、高さH1へと単調に増加する突出部高さを有するものとして示される。
図8Cの中心領域174における突出部は、H1およびH5などであるがこれらに限定されない、異なる高さを有するものとして示される。
図8の示される実施形態は、より多いかまたはより少ない数の、縁部領域172にわたる突出部または突出部の列、および/または縁部領域172にわたる突出部のタイプおよび形状の異なる組合せを含み得る。
【0053】
ある実施形態において、第1の組の台座突出部の平均高さは、第1の組の突出部の3つ以上の列の一部にわたる第1の環状ゾーンの周りで一定または実質的に一定であり、第2の組の突出部の平均高さは、第2の組の突出部の3つ以上の列の一部にわたる第2の環状ゾーンの周りで一定または実質的に一定であり、第1の組の突出部の平均高さは、基板の環状領域において、またはパッドコンディショナーの回転軸に垂直な半径方向軸に沿って、第2の組の突出部の平均高さへと変化する。
【0054】
機能的に、縁部領域172における突出部の単調に増加する高さにより、CMPパッド38中へのパッドコンディショナー170(すなわち、
図1のパッドコンディショナー32)の侵入を緩和することができる。パッドコンディショナー170の外縁176から中心に向かって単調に増加する高さの台座突出部または環状突出部を有することで、パッドコンディショナー170が、CMPパッド38の切削に移行することができ、パッドコンディショナー170の縁部領域172に位置する特徴部に対する応力を軽減することができる。
【0055】
特定の実施形態において、様々な基板および突出部の表面は、少なくとも、修復プロセス中にCMPパッド38(
図1)と接触するパッドコンディショナー32の部分において、不規則であるか、またはランダムにテクスチャ加工された表面、不均一な表面および/または粗面を有する。これらの表面特性は、多孔質ニアネットシェイプ化黒鉛基板を炭化ケイ素へと転化することから得られる。場合によっては、基板表面の不規則なテクスチャは、出発黒鉛基板の気孔率と、ニアネットシェイプ化黒鉛の突出部および他の特徴を作製するのに使用される成形または加工方法との組合せに起因する。他の実施形態において、突出部の遠位面は平坦である。1つ以上の突出部を有し、平面または粗面のいずれかを有する基板材料が、パッドコンディショナーとして使用され得る。
【0056】
本明細書に記載されるパッドコンディショナーの様々な実施形態が、非限定的な例によって、約8.9ニュートン(2重量ポンド(lbf))〜44.5ニュートン(10重量ポンド(lbf))の範囲の付加力F(
図1)で使用され得る。構成に応じて、本発明の様々なパッドコンディショナーは、これらの付加力で、1時間当たり約5μm〜約60μmのCMPパッドの切削速度、またはある構成では、1時間当たり約20μm〜約40μmの範囲の切削速度、またはさらに他の、より強力な構成では、1時間当たり約40μm〜約60μmの範囲の切削速度を達成することができる。パッドの切削速度は、例えば、「パッドコンディショナーの標準化機能試験(Standardized Functional Tests of Pad Conditioners)」、ビシャル・コースラ(Vishal Khosla)ら、589〜592頁、第11回ULSI多層相互接続のための化学機械平坦化に関する国際会議議事録(Proceedings,Eleventh International Chemical Mechanical Planarization for ULSI Multilevel Interconnection Conference)(CMP−MIC会議(CMP−MIC Conference))、2006年2月21〜23日、カリフォルニア州フレモント(Fremont CA)、米国議会図書館番号89−644090(その中に含まれる明確な定義を除いて、内容全体が参照により本明細書に援用される)に開示される方法によって測定され得る。
【0057】
図9を参照すると、異なるサイズの交錯されたまたは分散された突出部192を有するパッドコンディショナーまたはコンディショニング部分190が、本発明の一実施形態において示される。突出部サイズの例は、85μmの基本寸法(参照符号194によって表される)および125μmの基本寸法(参照符号196によって表される)である。125μmのサイズの突出部196は、マトリクス状のパターンを画定する(すなわち、反復するマトリクスパターンで均一に分布される)。同様に、85μmのサイズの突出部194は、マトリクス状であり、かつ125μmのサイズの突出部196によって形成されるパターンの中で分散されるパターンを画定する。
【0058】
図10を参照すると、本発明の一実施形態の走査型電子顕微鏡(SEM)画像200が示され、突出部202a、202bおよび202cは、基板上で様々な基本寸法およびパターンを有する。この実施形態において、より大きい基本寸法を有する突出部202aは、コンディショニングヘッド206の中心ゾーン204aを占めるパターンを画定し、中間の基本寸法を有する突出部202bは、コンディショニングヘッドの中間ゾーン204bを占め、より小さい基本寸法を有する突出部202cは、コンディショニングヘッドの外側ゾーン204cを占める。この特定の実施形態において、基部の寸法が異なる突出部202a、202bおよび202cは、分散も交錯もされない。
【0059】
図11A〜11Dを参照すると、基板と一体でありかつ正面方向216に延在する第1の組の突出部212および第2の組の突出部214を有する基板210が、本発明の一実施形態において示される。この実施形態において、第1の組の突出部212は、名目上、1つの平均高さH1にあり、第2の組の突出部214は、名目上、第2の平均高さH2にあり(
図11B)、平均高さH1は、平均高さH2より高い。「正面方向」216は、基板210の前面または「床」218にほぼ垂直でありかつ基板210の前面または「床」218から離れて延在する方向である。名目上、より高い高さを有する第1の組の突出部212は、代わりに、「大きい突出部」と本明細書においては称される。名目上、より低い高さを有する第2の組の突出部214は、代わりに、「小さい突出部」と称される。
【0060】
第1の組の突出部212および第2の組の突出部214のそれぞれは、遠位端215(
図11B)を有するものとして特徴付けられ得る。第1の組の突出部212は、第1の位置合せ面222の第1の変動220の範囲内の遠位端215を有することができ、第1の位置合せ面222は、前面218にほぼ平行である。本明細書において、「変動」は、一連の突出部の最も高い遠位端と最も低い遠位端との間の高さの差として定義され、高さは、位置合せ面に垂直であるものとして定義される。一実施形態において、第1の組の突出部212は、互いに対して一定かつ所定の関係で第1の位置合せ面222に近接して位置する。
【0061】
第2の組の突出部214は、第2の位置合せ面228の第2の変動226の範囲内の遠位端215を含むことができ、第2の位置合せ面228は、前面218にほぼ平行であり、第2の組の突出部214は、互いに対して一定かつ所定の関係で第2の位置合せ面228に位置する。
【0062】
第1の位置合せ面222および第2の位置合せ面228は、それぞれ「上側」および「下側」の位置合せ面とも呼ばれ、「上側」は、位置合せ面が基板210の床218から最も遠いことを意味する。第1の組の突出部212が、第2の(「下側の」)位置合せ面228を通って延在しており;したがって、第2の位置合せ面228上の第1の組の突出部212と第2の組の突出部214との間にも、一定かつ所定の関係が存在し得ることが留意される。
【0063】
第1の位置合せ面222は、第1の変動220または第2の変動226のいずれかより大きいオフセット距離232だけ、正面方向216に第2の位置合せ面228から名目上オフセットされているものとして特徴付けられ得る。オフセット距離232は、変動220または226のいずれかの倍数または因数より大きいものとして、あるいは固定の寸法または寸法の範囲として特徴付けられ得る。変動220、226の寸法の典型的および非限定的な範囲は、5μm〜50μmである。ある実施形態において、変動220、226は、10μm〜25μmの範囲であり得る。変動220、226は、最小値より大きく、かつ最大値より小さいものとしても特徴付けられ得る。オフセット距離232のための変動220、226の典型的および非限定的な倍数または因数は、1または2より大きい。オフセット距離232の典型的および非限定的な値は、10μm〜80μmの範囲である。
【0064】
一実施形態において、第1の組の突出部212および第2の組の突出部214のそれぞれの第1の平均高さH1および第2の平均高さH2は、平均「山谷」高低差(
図11Bに示される)である。突出部の山谷高低差は、遠位端215と公称床基準面238との間の平均距離として定義される。公称床基準面238は、床の218の平均レベルを通過する面である。用いられる作製プロセスは、不均一に加工された表面をもたらし得るため、床218は、高度な粗さおよびランダム性を有し、これにより、平均レベルを測定するのが困難になり得る。したがって、突出部の平均山谷高低差を特徴付ける一方法は、大きい突出部の最小の平均山谷高低差および小さい突出部の最大の平均山谷高低差を確定することである。このような特徴付けにより、床基準面238の位置についての高レベルの不確実性が許容され得る。特徴付けの別の方法は、以下の
図16に関して説明される、各突出部の「突出高さ」を測定することである。
【0065】
所与の突出部の組(例えば、第1の突出部の組212または第2の突出部の組214)の突出部間の一定かつ所定の関係を特徴付けるための一方法は、「位置合せ軸」242を画定することである。「位置合せ軸」242は、突出部を正面方向216に通過する軸であり、基板210上の正確な位置に寄与し得る。作製プロセスに応じて、所与の突出部が、実質的に、それぞれの位置合せ軸242を中心としてもまたは中心としなくてもよい。すなわち、例えば、レーザ加工を実施する作製プロセスが、小さい公差の範囲内で位置合せ軸を中心とした突出部を製造することができる。一方、例えば、研磨加工技術を実施する作製プロセスは、特に遠位端に近接する断面において、それぞれの位置合せ軸から実質的にオフセットされた重心を有する断面を有する突出部を製造し得る。
【0066】
後者の場合が
図11Dに示され、
図11Dは、マトリクス状のグリッド246上の位置合せ軸242ならびに下側の位置合せ面218に近接する第1の組の突出部212および第2の組の突出部214の仮想断面を示す。位置合せ軸242は、突出部を通過する一方、必ずしも突出部内で中心とされるとは限らないことに留意されたい。オフセットは、
図11Dの突出部212の1つの断面212aに明示され、これは、それぞれの位置合せ軸242からオフセットされた断面212aの重心243を示す。断面212aはまた、主要寸法241(すなわち、断面の最長寸法)を有するものとして特徴付けられ得る。ある実施形態において、重心243は、主要寸法241の少なくとも5%の距離だけ、位置合せ軸242からオフセットされている。
【0067】
一実施形態において、第1の組の突出部212および/または第2の組の突出部214は、
図11Dに示されるように、基板210の少なくとも一部にわたって、マトリクス状の配置にある(すなわち、反復するマトリクスパターンで均一に分布される)。他の実施形態において、分布は、固定した関係にある一方、基板210の床216にわたって寸法間隔が変化し得る(例えば、
図10を参照されたい)。特定の実施形態において、複数の突出部のそれぞれは、上部または「メサ」244を有するものとしてさらに特徴付けられ得る。メサ244は、それぞれの突出部の上部、または突出部の遠位端215を囲む突出部の最上領域、例えば実質的に丸みを帯びたピークにおいて比較的平坦な部分を含み得る。
【0068】
メサ244の境界は、遠位端215に対して「メサ深さ」248(
図11C)の範囲内にあるものとして確定され得る。メサ深さ248は、メサ244の粗さ、コーティング厚さの粗さまたは粗さ、または位置合せ面変動の1つなどの特徴パラメータの倍数または倍数の範囲内にあるものとして特徴付けられ得る。メサ深さ248の典型的および非限定的な寸法は、約0.3μm〜20μmである。メサ深さ248の別の非限定的な寸法は、突出部上のコーティングのRMS粗さの約3〜10倍である。あるいは、メサ244は、それぞれの位置合せ面上で、最大または最小寸法を有するものとして、あるいは寸法の範囲内にあるものとして特徴付けられ得る。
【0069】
別の実施形態において、メサ244は、それぞれの突出部の高さの一定の割合の範囲内にある突出部の領域として画定される。非限定的な例として、メサ244は、遠位端215の突出高さの10%または25%の範囲内の突出部の領域として画定され得る(以下の添付の
図16で説明される)。また、突出高さの他の上側部分は、例えば、2%〜50%の範囲のメサ深さ248を画定するように用いられ得る。
【0070】
メサ244は、矩形、台形、卵形、円形または多角形などの、様々な形状で形成され得る。用いられる加工プロセスに応じて、メサ244の角隅部は、丸みを帯びていてもよく、縁部はいくらか不規則であり得る。例えば、研磨加工技術によって形成される三角形の形状は、一般に、角を丸められた先端または角隅部を有し、メサ244の境界は、一般に、
図12に示されるように、不規則であろう。
【0071】
図13Aおよび13Bを参照すると、それぞれ平面図および斜視図により、基板251のレーザ共焦点顕微鏡画像250aおよび250bが、本発明の一実施形態において示される。画像250aおよび250bのトポグラフィーは、黒色の最高高さ(突出部252)および白色の最低高さを示し、その間は段階的なグレースケールである。黒色領域(ピーク高さ)は、250aおよび250bの突出部252が、マトリクス状のグリッドを画定することを示す。
【0072】
これらの画像は、5/mm
2の突出部密度で125μmの基本寸法を有する突出部252の画像である。250aおよび250bで画像化された基板の部分は、実質的に均一な高さになるように加工されているが、画像化された特定の基板上の突出部の高さは、約35μm〜約55μmの範囲であった(すなわち、20μmの変動を有する45μmの平均ピーク高さ)。
【0073】
図13Cを参照すると、本発明の一実施形態の前面258の部分からの一連の突出部256の輪郭254が示される。輪郭254、ならびにレーザ共焦点顕微鏡画像250aおよび250bは、突出部256を含む、前面258の不均一なまたは粗い微細表面を示す。前面258のピークおよび陥凹の両方の高さの大きい変動は、基板の多孔性の性質に起因し得る。
【0074】
図14A〜14C(まとめて
図14と呼ばれる)を参照すると、それぞれ、分散された大きい突出部264および小さい突出部266を有するパッドコンディショナー262の一部のレーザ共焦点顕微鏡画像260aおよび260bが、本発明の一実施形態において示される。画像は、不規則な面または粗面化された実施形態を示し、画像に捉えられた大きい突出部264は、小さい突出部266より高い高さを有する。画像化された大きい突出部264が、小さいピーク266より高い一方、ある実施形態において、全ての「大きい突出部」が、全ての「小さい突出部」より高いわけではないことが留意される。すなわち、特定の実施形態において、「大きい」および「小さい」突出部の呼称は、それらの高さ寸法によってではなく、互いに対するそれらの位置またはパターンによって確定される。本発明の特定の実施形態のこの態様は、
図15に関して以下に説明される。
【0075】
図15を参照すると、それぞれ大きい突出部および小さい突出部の高さの変動を有する突出高さの統計的分布の例272aおよび272bを示すグラフ270が、本発明の一実施形態において示される。各統計的分布272aおよび272bは、それぞれ、2つの別個の突出部集団274aおよび274bを表すと考えられ得る。この非限定的な例において、大きい突出部272aの統計的分布は、約50μmの中心または平均突出高さ276aを有する一方、小さい突出部272bの統計的分布は、約35μmの中心または平均高さ276bを有する。これらの特定の分布の標準偏差は、約5μmのオーダーである。標準偏差の例および非限定的な範囲は、1μm〜20μmのオーダーである。
【0076】
また、突出部集団274aおよび274bの両方を組み合わせて標準化した、「組み合わされた」標準化された分布282が、
図15に示される。組み合わされた、標準化された分布282は、二峰性分布として特徴付けられ得、約40μmの第1の極大および50μmよりわずかに小さい第2の極大を有する。組み合わされた、標準化された分布282のピークの間の分布および離隔距離は、一般に、個々の突出部集団274aおよび274bの間の離隔が増加するにつれて大きくなるであろう。離隔が十分に小さい場合、組み合わされた分布は、1つのみのピークを有する単峰性分布に統合され得る(図示せず)。
【0077】
2つの統計的分布272および274が重複することに留意されたい。物理的に、これは、少なくとも示される例について、いわゆる「大きい」突出部集団274aの特定の構成要素より高い突出高さを実際に有するいわゆる「小さい」突出部集団274bの構成要素が存在することを意味する。所与の突出部が属する集団(274aまたは274b)を、突出高さのみによって決定することができないこのような場合;所与の集団の構成要素を確定するために、異なる測定基準が必要とされる。
【0078】
集団を特定するための一方法は、位置合せ軸(例えば、
図11Aの位置合せ軸242)の所定の位置によるものである。特定の実施形態において、大きい突出部集団274aのあらゆる構成要素および小さい突出部集団274bのあらゆる構成要素のx−y位置が知られている。したがって、所定の位置に基づいて突出部を分類することができる。
【0079】
集団を特定するための別の方法は、基本寸法によるものである。特定の加工プロセスが、様々な寸法の高さおよびメサを生成する傾向がある一方、様々な加工プロセスは、実質的に一定の基本寸法の集団を生成する傾向がある。本明細書において、「基本寸法」は、直径、矩形の辺、あるいはほぼ楕円の形状の長軸または短軸などの、突出部の基部におけるまたは突出部の基部に近接する特徴部の寸法として定義される。例えば、基本寸法は、基板の床218から、または最低包囲輪郭線306(以下の
図16および付随する説明を参照されたい)から突出部までの短い距離で測定され得る。これらの基準点からの距離は、一定の長さ(例えば、5〜20μm)または突出部の高さにおける一定の割合(例えば、5〜20%)であり得る。一実施形態において、突出部の高さは、実質的に類似している一方、基本寸法は、2つ以上の別個の集団を画定する。したがって、様々な集団が、基本寸法に応じて分類され得る。
【0080】
上記の例示および説明が、一般に、2つの別個の突出部集団を有するパッドコンディショナーに関するが、本発明は、そのように限定されない。すなわち、独自の中心突出高さの3組以上の突出部が用いられ得ると考えられる。このようなパッドコンディショナーは、大きい突出部、小さい突出部および少なくとも1つの中間の突出部の組を有するものとして特徴付けられ得、個々の集団の中心の離隔間の離隔が十分に大きい場合、本明細書に示される二峰性分布より多くの極大を有する「多峰性」分布(例えば、「三峰性」)を生成し得る。
【0081】
図16および16Aを参照すると、突出部のマトリクスの一部の地形的表現290が、本発明の一実施形態について示される。地形的表現は、位置合せ軸294をそれぞれが有する4つの突出部292a、292b、292cおよび292d(まとめて突出部292と呼ばれる)を示す。基板の「床」296は、非常に深い局部的な陥凹298を有し得る。例えば、
図13C中に表示される「ピーク」および「陥凹」は、床基準面238(
図11B)が位置する場所に応じて、正面方向に類似の寸法を有するものと解釈され得る。このような極端でランダムな局部的な陥凹は、床基準面238の平均または中央の位置を配置する際に大きい変動を生じ得る。
【0082】
陥凹298は、加工方法によるアーチファクトであり得る。すなわち、研磨加工技術は、例えば、レーザ加工技術より不均一な前面を生成する傾向があり得る。陥凹298はまた、基板材料のアーチファクトであり得る。特定の基板材料は、多孔質であり得、いくつかのこのような材料は、他のものより大きく広い範囲の細孔径を有する。ある実施形態において、細孔径は、20μm以上である。加工技術にかかわらず、材料の気孔率および/または細孔径が大きくなるほど、陥凹が大きくなる。
【0083】
床296のトポグラフィーの大きい変動を有する基板に対応するために、「突出高さ」の測定基準が、突出部の高さを確定するために定義される。本明細書において使用される際の「突出高さ」300は、突出部304の遠位端302(最高の高さ点)と、突出部のそれぞれの位置合せ軸294のみを囲み、他の位置合せ軸を囲まない最低包囲輪郭線306(
図16A)との間の距離として定義される。
図16の突出部の最低輪郭線306が、
図16により強い線強さで示される。
【0084】
一実施形態において、小さい突出部の平均突出高さは、大きい突出部の平均突出高さの特定の割合の一定の変動または標準偏差の範囲内であるものとして表され得る。非限定的な例として、小さい突出部は、5%の標準偏差の範囲内で、大きい突出部の平均突出高さの40%の平均突出高さを有することができ、ここで、全ての割合は、大きい突出部の平均突出高さに対して言及される。小さい(または中間の)突出部の平均高さの非限定的な範囲は、大きい突出部の平均突出高さの約20%〜約80%である。付随する標準偏差の非限定的な範囲は、1%未満〜約20%である。
【0085】
上に記載される平均高さおよび平均「山谷」高低差は、上の段落中の突出高さ範囲の代わりに置き換えられ得ることが留意される。
一般に、様々な位置合せ軸308のための最低包囲輪郭線306の高度は、床296の全体的な粗さより厳しい公差の範囲内である。したがって、最低包囲輪郭線306の使用により、突出部高さが測定される元になるベースラインを確定するのに伴う不正確性が減少され得る。
【0086】
図17を参照すると、多結晶CVDダイヤモンド層322で被覆された突出部320が、本発明の一実施形態において示される。パッドコンディショナーの様々な実施形態は、CMPパッドコンディショナーおよびベータ炭化ケイ素基板材料に幾何学的形状の突出部を形成するための方法を含む。突出部は、コンディショナーを含む他の入手可能なダイヤモンド結晶と同じサイズ範囲であり得る。しかしながら、ある実施形態において、突出特徴部は、特定のCMPパッドコンディショニング用途に合わせて調整された所定の様々なサイズおよび高さを有する。一実施形態において、多結晶CVDダイヤモンドなどのコーティング層が、これらの突出部のいくつかの少なくとも上側表面上に堆積される。
【0087】
基板突出部をコーティングする多結晶CVDダイヤモンド層のファセットは、コンディショニングされるCMPパッドに細孔を開け、凹凸を形成するための切削動作を提供する。基板上の突出部は、多結晶ダイヤモンドコーティングを堆積するための表面を提供し、また、コンディショナーおよびパッド境界面に力の集中を生じさせる。
【0088】
ニアネットシェイプ化黒鉛基板が、炭化ケイ素基板へと転化される実施形態では、基板の細孔構造は、場合によっては、突出部の上に多結晶ダイヤモンドコーティングの成長のために有用な不規則な表面または粗面も提供し得る。したがって、ニアネットシェイプ化黒鉛基板前駆体の利点は、高い多孔度であり得、これにより、表面におけるより高い変動性および粗さならびに堆積時の多結晶CVDダイヤモンドフィルムのより高い粗度、特に突出部の上面の粗さが達成され得る。
【0089】
突出部の平均高さは、狭い範囲内で変化してもよく、これは、多結晶ダイヤモンドコーティングの微結晶における凹凸ならびに下にある炭化ケイ素の凹凸の差を許容する。一連の突出部の高さは、類似の突出部の複数の高さの平均によって確定することができ、標準偏差を含み得る。突出部は、複数の突出部の上面の表面の平均粗さによってさらに特徴付けられ得る。突出部の上部の表面の粗さは、ダイヤモンド微結晶の表面の凹凸および下にある炭化ケイ素の表面の凹凸に少なくとも部分的に起因し得る。
【0090】
多結晶CVDダイヤモンド322のコーティングの典型的および非限定的な厚さは、2μm〜30μmであり、サンプリング長さ(sampling length)が考慮されない場合は二乗平均平方根粗さが0.5μm〜10μmであり、8μmのサンプリング長さsが考慮される場合は0.05μm〜1.0μmである。本明細書において、「サンプリング長さ」は、粗さデータが蓄積された長さである。
【0091】
基板またはセグメント上に突出部を作製するためのいくつかの製造方法が利用可能である。黒鉛または炭化ケイ素基板の表面をテクスチャ加工する方法の非限定的な例としては、ワイヤ放電加工(EDM)、マスク研磨加工、ウォータージェット加工、フォト研磨加工、レーザ加工、および従来の磨砕(milling)が挙げられる。加工技術の例が、松村らへの米国特許出願公開第2006/0055864号明細書、ならびにメノア(Menor)らへのPCT公報番号、国際公開第2011/130300号パンフレットに開示されており、これらの文献は、その中に含まれる明確な定義を除いて、開示内容全体が参照により本明細書に援用される。選択される方法は、基板の異なる領域に様々なサイズおよび高さの突出部を作製するための柔軟性を提供し得る。黒鉛における突出部および突出部間のチャネルなどの加工特徴部は、SiCの極端な硬度のために、類似の特徴部をSiCに直接形成するよりはるかに費用がかからない。
【0092】
黒鉛基板が炭化ケイ素へと転化された後、それは、例えば、その中に含まれる明確な定義を除いて、内容全体が参照により本明細書に援用される、1993年2月16日に発行されたガーグ(Garg)らの米国特許第5,186,973号明細書に開示されるような熱フィラメントCVD(HFCVD)プロセスを用いて、多結晶ダイヤモンド層でコーティングされ得る。例えば、多結晶ダイヤモンドの層を作製するためのHFCVDプロセスは、加熱されたフィラメントによって、炭化水素と水素との混合物を含有する供給ガス混合物を活性化する工程と、活性化されたガス混合物を、突出部を備えた、加熱された基板またはセグメントにわたって流して、多結晶ダイヤモンドフィルムを堆積する工程とを含む。水素中に約0.1%〜約10%の炭化水素を含有し得る供給ガス混合物は、大気圧以下の圧力、すなわち約13.33kPa(100トル)以下で熱的に活性化されて、W、Ta、Mo、Reまたはそれらの混合物で作製される加熱されたフィラメントを用いて、炭化水素ラジカルおよび水素原子が生成される。フィラメントの温度は、約1800℃〜2800℃の範囲である。基板は、約600℃〜約1100℃の範囲の堆積温度に加熱され得る。
【0093】
本発明の形態のCMPパッドコンディショナー基板および突出部における多結晶CVDダイヤモンド層の全厚は、0.1μm〜2ミリメートル、ある形態において、約10μm〜50μm、さらに他の形態において、約10μm〜30μmの厚さの範囲であり得る。
【0094】
また、炭化ケイ素または窒化ケイ素のCVDコーティングが、多結晶ダイヤモンド層の適用の前の最終的なコーティングとしてまたは断続的なコーティングとして、ニアネットシェイプ化炭化ケイ素基板または加工された炭化ケイ素基板の1つ以上の表面に適用され得る。コーティング後、基板は、その最終的な形状へと組み立てられてから、分散され、包装され得る。炭化ケイ素の直接の加工を用いて、突出部およびチャネルを形成することもでき、任意に、その後、多結晶ダイヤモンド、炭化ケイ素および/または窒化ケイ素コーティングが続く。ある実施形態において、パッドコンディショナーは、突出部の少なくとも表面の上に複数の凹凸(不規則な表面または粗面)を有する。摩擦および摩耗が、これらの上面において生じる。
【0095】
図18Aおよび18Bを参照すると、突出部の粗さを保ちながら、多結晶CVDダイヤモンドの層で突出部をコーティングする能力が、本発明の一実施形態において示される。
図18Aの画像は、突出部342および周囲の基板344が多結晶CVDダイヤモンドでコーティングされる前の突出部342の画像である。
図18Aが示すように、基板344は、基板344の表面および突出部342の表面の両方の上に、不規則な表面または粗面を有する。
図18Aの突出部は、約200μmの基本寸法を有する。
【0096】
図18Bの画像は、本発明の一実施形態の多結晶CVDダイヤモンドの層でコーティングされた突出部346および基板348のSEM画像である。画像化された突出部346は、約65μmの基本寸法を有する。多結晶CVDダイヤモンドは、突出部における不規則形状を含む、突出部346および基板348の凹凸に付着し、不規則な表面または粗面に適合することに留意されたい。
【0097】
したがって、多結晶CVDダイヤモンドコーティングは、多結晶CVDダイヤモンドの硬度および耐久性を提供しながら、下にある基板および突出特徴部の形状に適合する起伏のある粗い形状を提供する。結果として、使用中に研磨パッドと接触するパッドコンディショナーの全ての表面が、切削および表面のテクスチャ加工に関わる。ある実施形態において、凹凸は、約0.5μm〜約10μmの範囲の平均高さを有してもよく;他の実施形態において、凹凸の高さ範囲は、約0.5μm〜約5μmの範囲であってもよく、さらに他の実施形態において、約1μm〜約3μmの範囲であってもよい。
【0098】
炭化ケイ素、またはニアネットシェイプ化炭化ケイ素へと転化されるニアネットシェイプ化黒鉛は、URL:www.poco.com/AdditionalInformation/Literature/ProductLiterature/SiliconCarbide/tabid/194/Default.aspxで、ワールドワイドウェブで入手可能な、「炭化ケイ素の特性および特徴(Properties and Characteristics of Silicon Carbide)」、A.H.ラシェド(Rashed)編、2002年、ポコグラファイト社(Poco Graphite Inc.)、テキサス州ジケーター(Decatur,TX)(ポコ(Poco)の参照文献)に開示される方法および材料によって作製することができ、この文献は、その中に含まれる明確な定義を除いて、内容全体が参照により本明細書に援用される。ポコの参照文献には、SUPERSIC(登録商標)−1、SiC材料の特性が、典型的に、20.5%の全気孔率に対して19%の平均開放気孔率および2.5%の平均閉鎖気孔率を有するものとして開示されている(ポコの参照文献、p.7)。SUPERSIC(登録商標)−1は、基板の前駆体としても使用され得る。例えば突出部は、ニアネットシェイプ化基板を形成するためのフォト研磨プロセスによって、SUPERSIC(登録商標)−1基板に形成され得る。炭化ケイ素は、ポコグラファイト(Poco Graphite)、テキサス州ジケーターから同様に入手可能な、SUPERSIC(登録商標)またはSUPERSIC(登録商標)−3Cも含み得る。ニアネットシェイプ化炭化ケイ素へと転化され得るニアネットシェイプ化基板のための黒鉛も、ポコグラファイト(Poco Graphite)から入手可能である。
【0099】
本発明のある実施形態において、炭化ケイ素は、反応焼結炭化ケイ素材料(ここで、反応焼結炭化ケイ素は、細孔構造にケイ素が浸透された焼結されたアルファ炭化ケイ素粉体である)ではない。
【0100】
本発明の特定の実施形態において、x線回折によって測定した際の炭化ケイ素相は、ベータ炭化ケイ素を含み、他の形態において、炭化ケイ素は、ベータ炭化ケイ素(β−SiC)のみであり、さらに他の形態において、炭化ケイ素は、本質的にβ−SiCである。本発明のなおさらに他の形態において、(相対的なピーク面積に基づいて)x線回折によって測定した際の炭化ケイ素は、50%を超えるβ−SiC相である。パッドコンディショナーのある形態において、遊離ケイ素は、x線回折によってベータ炭化ケイ素中で検出することができない。炭化ケイ素は、任意に、炭素構造または炭素相を含有してもよい。
【0101】
本発明の形態で使用される、炭化ケイ素(SiC)、ならびにニアネットシェイプ化黒鉛および炭化ケイ素前駆体は、その中に含まれる明確な定義を除いて、内容全体が参照により本明細書に援用される、米国特許第7,799,375号明細書(ラシェド(Rashed)ら、2010年9月21日)に開示される方法および材料によって部分的または全体的に作製され得る多孔質で高密度の炭化ケイ素を含み得る。ラシェドは、「ある開放気孔率を有する多孔質炭化ケイ素プリフォームが提供される。開放気孔率は、好ましくは、約10%〜約60%の範囲である」ことを開示しており(ラシェド、第5欄、44〜46行)、18〜19%、0.3%、0.2%および2.3%の開放気孔率の具体例が、表1に示されている(ラシェド、第7欄、36〜50行)。一例において、ポコグラファイト(Poco Graphite)製の多孔質黒鉛基板が、一酸化ケイ素ガスの存在下で、1800℃で加熱されて、多孔質黒鉛が多孔質炭化ケイ素基板へと転化され得る。したがって、本発明のある形態において、突出部を備えたニアネットシェイプ化多孔質黒鉛基板が、一酸化ケイ素ガスの存在下で、1800℃で加熱されて、ニアネットシェイプ化多孔質黒鉛がニアネットシェイプ化多孔質炭化ケイ素に転化され得る。
【0102】
表面粗さは、山谷粗さ、平均粗さ、および二乗平均平方根(RMS)粗さを含む、いくつかの方法で特徴付けられ得る。山谷粗さ(Rt)は、表面の最も高い点と最も低い点との間の高さの差の尺度である。平均粗さ(Ra)は、表面上の、粗い、起伏のある、尖状の、またはとげ状の突出部の相対的な程度の尺度であり、ピークとその平均線との差の絶対値の平均として定義される。RMS粗さ(Rq)は、ピークと谷との間の距離の二乗平均平方根平均である。本明細書において、「Rp」は、サンプル長さの中心線の上の最も高いピークの高さであり、「Rpm」は、サンプル長さの全てにわたるRp値の全ての平均であり、「Ra」は、平均粗さであり、「Rq」は、RMS粗さであり、「Rt」は、山谷粗さである。様々な粗さパラメータは、基板および突出部上面の各位置で測定され得る。
【0103】
図19Aおよび19Bを参照すると、本発明の一実施形態のパッドコンディショナーの切削速度402が、コンディショニングされた研磨パッドの表面仕上げ404とともに示される。
図19Aにおいて、突出部は、mm
2当たり3つの突出部の密度で、名目上、125μmの基本寸法を有する(例えば、四角形、直径またはその他)。
図19Bにおいて、突出部は、mm
2当たり3つの突出部の密度で、名目上、65μmの基本寸法を有する。
図19は、本発明のこの実施形態のプロセス制御および均一性を示す。
【0104】
図20を参照すると、本発明の一実施形態の研磨パッド切削速度412を、急峻な切削速度低下曲線を有し、ダイヤモンドの剥離/除去が起こりやすい典型的なダイヤモンドコンディショナーの従来の粗い凹凸および微細な凹凸のあるコンディショナーの切削速度414と比較した。
図20の傾向は、本発明の実施形態の少なくとも2つの利点を示す:第1に、本発明の実施形態の研磨パッドの切削速度414は、典型的なダイヤモンドコンディショナーの従来のコンディショナーの切削速度416よりかなり低い。より低い切削速度414は、研磨パッドから除去される材料の減少につながり、したがって、研磨パッドの寿命が延長される。第2に、本発明の実施形態の研磨パッドの切削速度414は、従来のコンディショナーの切削速度416より一貫性があるため、材料除去の予測がより容易になる。
【0105】
図21を参照すると、本発明の一実施形態のパッドコンディショナーと市販のパッドコンディショナーとの銅研磨の結果の比較
図420が示される。比較のために、本発明のパッドコンディショナーの実施形態は、5/mm
2の突出部密度で85μmの基本寸法の突出部を含む微細な粗さであり、市販のパッドコンディショナーは、アラカ(Araca)APD−800CMP研磨装置(富士フイルムプラナーソリューションズ(FujiFilm Planar Solutions)、モデル番号CSL9014C)であった。両方のパッドコンディショナーを、業界標準のIC1000パッド上で、銅スラリーで実装した。
【0106】
図21に示されるように、本発明のパッドコンディショナーのウエハ除去速度(「RR」)422は、市販のパッドコンディショナー(参照符号424)の10807.16pm/秒(6483A/分)と比較して、13957.79pm/秒(8373オングストローム毎分(A/分))である。各システムについて得られる研磨パッド表面仕上げの粗さ(Ra)も提供され、これは、白丸のデータ点426および428によって表される。データは、本発明の実施形態のパッドコンディショナーの研磨パッド表面仕上げ426が、市販のパッドコンディショナーの約5.3μmのRaの表面仕上げ428と比較して、約3.8μmのRaであることを示す。
【0107】
したがって、本発明のこの実施形態は、市販のパッドコンディショナーのものよりも平滑な研磨パッド表面仕上げを提供しながら、より高いウエハ除去速度を提供する。したがって、本発明のパッドコンディショナーの実施形態を用いて処理された研磨パッドの性能は、パッド切削速度(例えば、
図20)がより低い(すなわち、より少ない材料が研磨パッドから除去される)としても、市販のコンディショナーを用いて処理された研磨パッドの性能を達成するかまたはそれを超える。
【0108】
図22を参照すると、本発明の一実施形態のパッドコンディショナーと市販のパッドコンディショナーとの間の、パッド切削速度440(μm/時)およびパッド表面粗さ(Ra)の比較グラフが示される。比較のために、本発明の一実施形態のパッドコンディショナーが、名目上、125μmの基本寸法およびmm
2当たり3つの突出部を有する突出部を含んでいた一方、市販のパッドコンディショナーは、
図21の説明において記載されるとおりであった(「粗い凹凸の比較例(Comp Aggressive)」)。丸で示されるデータセット442および444は、切削速度(右軸)に該当する一方、四角形で示されるデータセット446および448は、パッド表面仕上げ(左軸)に該当する。白丸を有するデータセット442および白い四角形を有するデータセッ446は、市販の製品に該当する一方、黒丸を有するデータセット444および黒い四角形を有するデータセット448は、本発明に該当する。
【0109】
図に示されるように、パッド切削速度およびパッド表面粗さは、市販のパッドコンディショナーと比較して、本発明の一実施形態のパッドコンディショナーについて比較的一定である。本発明の一実施形態の表面仕上げはまた、典型的に、市販のパッドコンディショナーを用いるよりも平滑であった。
【0110】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される際、単数形(「a」、「an」、および「the」)は、文脈上特に明示されない限り、複数形の言及を含む。したがって、例えば、単数形の「突出部」への言及は、1つ以上の突出部および当業者に公知のその均等物などへの言及である。特に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または均等な方法または材料が、本発明の実施形態の実施または試験に使用され得る。本明細書に挙げられる全ての刊行物は、その中に含まれる明確な定義を除いて、全体が参照により援用される。本明細書中のいかなる記載も、本発明が先行発明に基づいてこのような開示に先行する権利を有さないことを承認するものとして解釈されるべきではない。「任意選択の」または「任意に」は、その後に記載される事象または状況が、起こってもまたは起こらなくてもよいこと、およびその説明が、事象が起こる場合および事象が起こらない場合を含むことを意味する。本明細書における全ての数値は、明示されているか否かにかかわらず、「約」という用語によって修飾され得る。「約」という用語は、一般に、当業者が記載される値と同等とみなし得る(すなわち、同じ機能または結果を有する)数の範囲を指す。ある実施形態において、「約」という用語は、記載される値の±10%を指し、他の実施形態において、「約」という用語は、記載される値の±2%を指す。様々な構成要素または工程を「含む(comprising)」(「含むが、これらに限定されない」を意味するものと解釈される)という用語で組成物および方法が記載されるが、これらの組成物および方法は、様々な構成要素および工程「本質的にからなる(consist essentially of)」または「からなる(consist of)」こともでき、このような用語は、本質的に限定される(closed)構成要素群を定義するものと解釈されるべきである。
【0111】
本発明が、1つ以上の実施に関して示され、記載されてきたが、本明細書および図面を読んで理解することに基づいて、均等な修正および変更が、当業者に想到されるであろう。本発明は、全てのこのような変更および修正を含み、以下の特許請求の範囲のみによって限定される。さらに、本発明の特定の特徴または態様が、いくつかの実施のうちの1つのみに関して開示されていることがあるが、このような特徴または態様は、任意の所与の用途または特定の用途に必要で有利であり得る場合、他の実施の1つ以上の他の特徴または態様と組み合わせられ得る。さらに、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「備える(with)」という用語、またはそれらの活用形が詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかで使用される範囲で、このような用語は、「含む(comprising)」という用語と同様に包括的であることが意図される。また、「例示的な(exemplary)」という用語は、最良ではなく、単に例を意味することが意図される。本明細書に示される特徴、層および/または要素が、簡潔さおよび理解しやすさのために互いに対して特定の寸法および/または配向で示されること、および実際の寸法および/または配向が、本明細書に示されるものとかなり異なり得ることも理解されよう。
【0112】
本発明が、その特定の実施形態を参照してかなり詳細に説明されてきたが、他の形態が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲は、この説明に限定されるものではなく、複数の形態が本明細書の範囲内に含まれる。様々な組成物および方法が記載されるが、本発明が、記載される特定の分子、組成物、設計、方法またはプロトコルに限定されない(これらは変化し得るため)ことが理解されるべきである。また、本明細書に使用される用語が、特定の形態または実施形態のみを説明するためのものであり、添付の特許請求の範囲のみによって限定される本発明の範囲を限定することが意図されていないことも理解されるべきである。