特許第6133314号(P6133314)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133314
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】急速熱処理チャンバ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/324 20060101AFI20170515BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   H01L21/324 Q
   H01L21/324 T
   H01L21/324 K
   H01L21/316 S
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-539978(P2014-539978)
(86)(22)【出願日】2012年10月22日
(65)【公表番号】特表2015-501080(P2015-501080A)
(43)【公表日】2015年1月8日
(86)【国際出願番号】US2012061290
(87)【国際公開番号】WO2013066652
(87)【国際公開日】20130510
【審査請求日】2015年10月19日
(31)【優先権主張番号】61/632,807
(32)【優先日】2011年11月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/621,179
(32)【優先日】2012年4月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】モーリッツ, カーク
(72)【発明者】
【氏名】ハンター, アーロン ミュアー
【審査官】 桑原 清
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−526637(JP,A)
【文献】 特開2005−277242(JP,A)
【文献】 特開2011−176128(JP,A)
【文献】 特開平08−107071(JP,A)
【文献】 特開2005−303014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/324
H01L 21/316
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ャンバ本体と、
前記チャンバ本体内に配置される基板支持体であって、前記基板支持体は、前記基板支持体上に位置決めされた基板を加熱するため独立して加熱されるよう適合された複数のゾーンを有し、前記複数のゾーンの各々には、抵抗加熱素子が配置されている、前記基板支持体と、
前記チャンバ本体上に配置されるチャンバリッドとを備え、
前記チャンバリッドは、
アルミニウムを含むリッド本体であって、前記リッド本体はその中を貫通して配置される円形開口部を有する、ッド本体と、
前記円形開口部内に位置決めされ、前記基板支持体の上面に隣接する表面を有し、第1の直径を有する第1の部分と、前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する第2の部分を有する反射板と、
記反射板内に形成された開口部を貫通して配置され、前記基板の表面にわたる複数の場所において前記基板の温度を測定する複数の高温計であって、前記複数の高温計の各高温計は前記複数のゾーンのうちの各ゾーンに対応する、複数の高温計とを備える、チャンバ。
【請求項2】
前記抵抗加熱素子は、前記複数の高温計によって制御される、請求項1に記載のチャンバ。
【請求項3】
前記複数のゾーンは前記基板支持体上の中心に配置される円形の形状を有する第1のゾーンと、前記第1のゾーンを取り囲む第2のゾーンとを含む、請求項1または請求項2に記載のチャンバ。
【請求項4】
前記複数のゾーンは第3のゾーン、第4のゾーン、第5のゾーン及び第6のゾーンを更に含み、前記第3のゾーン、前記第4のゾーン、前記第5のゾーン及び前記第6のゾーンは前記第2のゾーンの径方向外側に配置される、請求項3に記載のチャンバ。
【請求項5】
前記第3のゾーン、前記第4のゾーン、前記第5のゾーン及び前記第6のゾーンはそれぞれ、前記基板支持体の外周の約90度にわたって延在する、請求項4に記載のチャンバ。
【請求項6】
前記チャンバ本体は、その内面上に配置される断熱ライナと、その中に形成され、温度制御用流体を収容するための流路とを更に備える、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のチャンバ。
【請求項7】
ルミニウムを含むチャンバ本体と、
前記チャンバ本体内に配置される支持体シャフトと、
前記チャンバ本体内に配置され、前記支持体シャフトの上面と結合された基板支持体であって、前記基板支持体は前記基板支持体上に位置決めされた基板を加熱するために独立して加熱されるよう適合された複数のゾーンを有前記複数のゾーンの各々には、抵抗加熱素子が配置される基板支持体と、
前記チャンバ本体上に配置されるチャンバリッドとを備え、前記チャンバリッドは、
アルミニウムを含むリッド本体であって、前記リッド本体はその中を貫通して配置される円形開口部を有する、リッド本体と、
前記円形開口部内に位置決めされ、前記基板支持体の上面に隣接する表面を有する反射板であって前記反射板は、第1の直径を有する第1の部分と、前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する第2の部分を有し、前記反射板の前記第1の部分は前記円形開口部内の前記反射板を支持するために前記リッド本体の上面に位置決めされている、反射板と、
記反射板内に形成された開口部を貫通して配置され、前記基板の表面にわたる複数の場所において前記基板の温度を測定する複数の高温計であって、前記複数の高温計の各高温計は前記複数のゾーンのうちの1つのゾーンに対応する、複数の高温計とを備える、チャンバ。
【請求項8】
前記複数のゾーンは前記基板支持体上の中心に配置される円形の形状を有する第1のゾーンと、前記第1のゾーン取り囲む第2のゾーンとを含む、請求項7に記載のチャンバ。
【請求項9】
前記複数のゾーンは第3のゾーン、第4のゾーン、第5のゾーン及び第6のゾーンを更に含み、前記第3のゾーン、前記第4のゾーン、前記第5のゾーン及び前記第6のゾーンは前記第2のゾーンの径方向外側に配置される、請求項8に記載のチャンバ。
【請求項10】
複数の独立制御可能な抵抗加熱素子は、前記複数の高温計によって測定された温度に応答して調整され、前記チャンバ本体は、その内面に配置される断熱ライナを更に備える、請求項に記載のチャンバ。
【請求項11】
ルミニウムを含むチャンバ本体と、
前記チャンバ本体内に配置される基板支持体であって、前記基板支持体は前記基板支持体上に位置決めされた基板を加熱するために独立して加熱されるよう適合された複数のゾーンを有し、前記複数のゾーンの各々が抵抗加熱素子を備える、基板支持体と、
前記チャンバ本体上に配置されるチャンバリッドであって、前記チャンバリッドは、
アルミニウムを含むリッド本体であって、前記リッド本体はその中を貫通して配置される円形開口部を有する、リッド本体
前記円形開口部内に位置決めされ、前記基板支持体の上面に隣接する表面を有する反射板であって前記反射板は、第1の直径を有する第1の部分と、前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する第2の部分を有し、前記反射板の前記第1の部分は前記円形開口部内の前記反射板を支持するために前記リッド本体の上面に位置決めされている、反射板と、
記反射板内に形成された開口部を貫通して配置され、前記基板の表面にわたる複数の場所において前記基板の温度を測定する複数の高温計であって、前記複数の高温計の各高温計は前記複数のゾーンのうちの1つのゾーンに対応する、複数の高温計とを備える、チャンバリッドと、
前記各ゾーンの前記抵抗加熱素子に結合され、かつ前記複数の高温計に結合されるコントローラであって、前記コントローラは前記複数の高温計のそれぞれからの信号に基づいて、前記各ゾーンの前記抵抗加熱素子に印加される電力の量を制御するように適合された、コントローラとを備える、チャンバ。
【請求項12】
前記複数のゾーンは前記基板支持体上の中心に配置される円形の形状を有する第1のゾーンと、前記第1のゾーンを取り囲む第2のゾーンとを含む、請求項11に記載のチャンバ。
【請求項13】
前記複数のゾーンは第3のゾーン、第4のゾーン、第5のゾーン及び第6のゾーンを更に含み、前記第3のゾーン、前記第4のゾーン、前記第5のゾーン及び前記第6のゾーンは前記第2のゾーンの径方向外側に配置される、請求項12に記載のチャンバ。
【請求項14】
前記第3のゾーン、前記第4のゾーン、前記第5のゾーン及び前記第6のゾーンはそれぞれ、前記基板支持体の外周の約90度にわたって延在し、前記基板支持体は焼結窒化アルミニウムから形成され、前記抵抗加熱素子はモリブデンを含む、請求項13に記載のチャンバ。
【請求項15】
前記基板支持体を貫通して配置される複数のリフトピンであって、前記チャンバ本体内に位置決めされたリフト板と接触するよう適合された複数のリフトピンをさらに備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は一般的には急速熱処理(RTP)チャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
RTPはシリコンウエハのような基板を数秒以内に1200℃以上の温度まで加熱する製造プロセスである。RTPはドーパント活性化、熱酸化又は金属リフローを含む、種々の用途に用いられる場合がある。
【0003】
1つのタイプの既存のRTPチャンバは、処理中の基板を急速に加熱するためランプのアレイを利用する。ランプに印加される電力の量、したがって、そこから発生する熱の量はチャンバ内に配置される複数の高温計に接続されるコントローラによって制御される。他のタイプのチャンバは、加熱される基板支持体を利用し、抵抗測定デバイスを用いて温度を制御することができる。既存のRTPチャンバは、製造設備のためにかなり大きな投資を必要とし、それゆえ、デバイスを生産するコストが上昇する。
【0004】
したがって、改善されたRTPチャンバが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態は、一般的にはRTPチャンバに関する。そのチャンバは、一般的にチャンバ本体と、チャンバリッドとを含む。チャンバ本体は、基板支持体上に位置決めされた基板を加熱するため抵抗ヒータの複数の区域を有する基板支持体を含む。また、チャンバ本体は、任意で、熱応力を緩和する冷却チャネルと、その中に配置され、熱処理中に発生した熱を封じ込めるための断熱ライナとを含む。チャンバリッドは、その中を貫通する開口部を有するリッド本体と、開口部内に配置される反射板とを含む。複数の高温計が反射板内に位置決めされ、基板支持体の区域に対応する、基板の全域にわたる複数の場所で基板の温度を測定する。各区域の温度は、複数の高温計からの信号に応じて調整される。
【0006】
一実施形態では、チャンバは、チャンバリッドと、チャンバ本体とを備える。基板支持体は、チャンバ本体内に配置され、基板支持体上に位置決めされる基板を加熱するため独立して加熱されることができる複数の区域を有する。チャンバリッドは、チャンバ本体上に配置され、その中を貫通して配置される円形開口部を有する。チャンバリッドは、円形開口部内に位置決めされ、基板支持体の上面に隣接する表面を有する反射板も含む。複数の高温計は、反射板内に形成された開口部を貫通して配置され、基板の表面の全域にわたる複数の場所で基板の温度を測定する。複数の高温計の各高温計は、複数の区域のうちの1つの区域に対応する。
【0007】
別の実施形態では、チャンバは、アルミニウムを含むチャンバ本体と、チャンバリッドとを備える。基板支持体は、チャンバ本体内に配置され、基板支持体上に位置決めされた基板を加熱するため独立して加熱されることができる複数の区域を有する。チャンバリッドは、チャンバ本体上に配置され、アルミニウムを含むリッド本体を含む。リッド本体は、その中を貫通して配置される円形開口部を有する。反射板は、円形開口部内に位置決めされ、基板支持体の上面に隣接する表面を有する。複数の高温計は、反射板内に形成された開口部を貫通して配置され、基板の表面の全域にわたる複数の場所で基板の温度を測定する。複数の高温計の各高温計は、複数の区域のうちの1つの区域に対応する。
【0008】
別の実施形態では、チャンバは、アルミニウムを含むチャンバ本体と、チャンバリッドと、コントローラとを備える。基板支持体は、チャンバ本体内に配置される。基板支持体は、基板支持体上に位置決めされた基板を加熱するため独立して加熱されることができる複数の区域を有する。複数の区域のうちの各区域は、抵抗加熱素子を備える。チャンバリッドは、チャンバ本体上に配置され、アルミニウムを含むリッド本体を含む。リッド本体は、その中を貫通して配置される円形開口部を有する。反射板は、円形開口部内に位置決めされ、基板支持体の上面に隣接する表面を有する。複数の高温計は、反射板内に形成された開口部を貫通して配置され、基板の表面の全域にわたる複数の場所で基板の温度を測定する。複数の高温計の各高温計は、複数の区域のうちの1つの区域に対応する。チャンバは、各区域の抵抗加熱素子に結合され、かつ複数の高温計に結合されるコントローラも含む。コントローラは、複数の高温計のそれぞれからの信号に基づいて、各区域の抵抗加熱素子に印加される電力の量を制御するように適合される。
【0009】
本発明の先に記載された特徴を細部にわたって理解することができるように、複数の実施形態を参照することによって、先に手短に要約された本発明の更に詳細な説明を行うことができ、それらの実施形態のうちの幾つかが添付の図面において例示される。しかしながら、本発明は他の同様に実効的な実施形態を受け入れることができるので、添付の図面が本発明の典型的な実施形態のみを示すこと、それゆえ、本発明の範囲を限定するものと見なされるべきでないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態による、RTPチャンバの断面図である。
図2】本発明の実施形態による、RTPチャンバの断面図である。
図3図1及び図2に示されるチャンバリッドの等角図である。
図4図1及び図2に示される基板支持体の上平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解するのを容易にするために、複数の図面に共通する同一の要素を指示するために、可能であれば同一の参照番号が使用されている。1つの実施形態において開示される要素は、具体的に記載されなくても、他の実施形態においても有益に利用される場合もあることが企図される。
【0012】
本発明の実施形態は、一般的にはRTPチャンバに関する。そのチャンバは、一般的にチャンバ本体と、チャンバリッドとを含む。チャンバ本体は、基板支持体上に位置決めされた基板を加熱するため抵抗ヒータの複数の区域を有する基板支持体を含む。また、チャンバ本体は、任意で、熱応力を緩和する冷却チャネルと、その中に配置され、熱処理中に発生した熱を封じ込めるための断熱ライナとを含む。チャンバリッドは、その中を貫通する開口部を有するリッド本体と、開口部内に配置される反射板とを含む。複数の高温計が反射板内に位置決めされ、基板支持体の区域に対応する、基板の全域にわたる複数の場所で基板の温度を測定する。各区域の温度は、複数の高温計からの信号に応じて調整される。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態によるRTPチャンバ100の断面図である。RTPチャンバ100は、その中に位置決めされる基板101を熱処理するように適合される。RTPチャンバは、チャンバ本体102と、その上に配置されるチャンバリッド104とを含む。チャンバ本体102は、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成され、チャンバ圧を約10トル〜約350トルなどの、1トル〜約800トルの範囲内に保持するように適合される。チャン本体102は、処理中にチャンバ本体102を冷却するために、その中に形成され、その中を通して温度制御流体を流動させる流路106を含む。チャンバ本体102を冷却することによって、基板101の加熱中の熱応力に起因してチャンバ本体102に劣化が生じる確率を小さくする。窒化アルミニウムなどの断熱材から形成されるライナ107が、チャンバ本体102の内面に沿って配置され、チャンバ本体内への熱の封じ込めを容易にし、かつ熱処理効率を高める。流路106は、ライナ107と共同して、チャンバ本体102が熱処理中にかけられる熱応力に耐えることを可能にしながら、アルミニウムなどの低コストの材料がチャンバ本体102を形成するために利用されることを可能にする。
【0014】
基板支持体108がチャンバ本体102内に位置決めされる。基板支持体108を、焼結窒化アルミニウムから形成することができ、処理中の基板101の加熱を容易にするために、その中に埋め込まれた抵抗加熱素子などの複数の加熱素子110を含む。加熱素子110を、モリブデンから形成することができ、支持体シャフト112を貫通して配置されるワイヤによって電源117に結合される。加熱素子110は伝導によって基板101の加熱を提供し、基板を約25℃〜約500℃などの、約25℃〜約900℃の範囲内の温度まで加熱することができる。熱の伝導は、放射などの他のタイプの加熱よりも、状況によってはより望ましい場合がある。例えば、放射は、基板に熱を供給するために、多数の高価な電球を必要とする。しかしながら、電球は交換を頻繁に必要とするかも知れず、従って、加熱ランプを利用するチャンバを稼働するためのコストを増加させる。さらに、電球は不均一に照明するかも知れず、従って、最終的に製造されたデバイスの品質を低下させる。抵抗加熱素子110などの抵抗加熱素子は、頻繁な交換を必要とせず、稼働するための費用が、よりかからない。
【0015】
支持体シャフト112は、ニッケルから形成されることができ、基板支持体108の下側に結合され、基板支持体108を支持する。支持体シャフト112はリフタアセンブリ114に結合され、リフタアセンブリ114は、図示されるように、チャンバリッド104に隣接する処理位置内に基板101を位置決めするのを容易にするため、ステッパモータなどのアクチュエータ116を含む。また、リフタアセンブリ114は、スリットバルブなどの開口部118を通って、チャンバ本体102から基板101を取り出すのを容易にする。リフタアセンブリ114は、基板支持体108を垂直方向に作動させて、リフトピン120がチャンバ本体102内に位置決めされたリフト板122と接触することを可能にするように適合される。リフトピン120とリフト板122との接触は、基板支持体108が下げられるにつれて、基板支持体108の表面から基板101を持ち上げる。基板101は、ロボット(図示せず)による、開口部118を通ってチャンバ本体102から基板101の除去を可能にする位置で、リフトピン120上に保持される。基板101を、裏返して、チャンバ本体102内に位置決めすることもできる。
【0016】
チャンバリッド104はチャンバ本体102上に位置決めされる。チャンバリッド104はリッド本体123と、反射板124とを含む。反射板124は円形の形状を有し、リッド本体123内に位置する円形開口部126内に配置される。反射板124は、リッド本体123の上面上に反射板124を支持するため円形開口部126よりも大きな直径を有する環状縁部132を有する。環状縁部は反射板124をリッド本体123に固定するためのボルトなどの締め具134を収容するために、その中を貫通する複数の開口部を有する。反射板124は、円形開口部126内に位置決めされ、円形開口部126を通って延在する。反射板124の表面136が基板101に隣接して位置決めされる。反射板124は、反射板124を貫通して配置され、基板101の温度を測定する高温計128の精度を高めるために、金、銀、ニッケル、アルミニウム又はロジウムから形成されるか、又は、金、銀、ニッケル、アルミニウム又はロジウムでコーティングされる。一実施形態では、反射板124は、約0.90以上などの、約0.50以上の反射率を有することができる。反射板124は一般的に、基板支持体108に概ね等しいか、約1パーセント大きいなどの、基板支持体108よりもわずかに大きい直径を有する。
【0017】
一般的に、1つの高温計128は、その中に個々の加熱素子110を有する基板支持体108の1つの区域に対応する基板101の温度を測定するように適合される(図1には4つの高温計のみが示される)。しかしながら、温度監視を強化するために、基板支持体108の各区域が、2つ以上の対応する高温計を有することができることが企図される。各高温計128はコントローラ130に結合され、コントローラ130は同様に電源117に結合される。コントローラ130は、電源117によって各加熱素子110に印加される電力を制御することによって、基板支持体108の各区域の閉ループ制御を容易にする。必要であれば、高温計128は、チャンバリッド104から締め具134を取り外し、反射板124をリッド本体123から分離し、そして、高温計128を露出させることによって容易に、かつ迅速に交換されることができる。
【0018】
高温計128は、正確かつ安価な、基板101の温度測定及び制御を容易にする。高温計は、基板支持体に埋め込まれた従来の抵抗温度測定デバイスとは異なり、その上に基板が位置決めされる基板支持体の温度を測定するとういうよりはむしろ、基板温度を直接測定することができる。基板の温度を直接測定することによって、基板のより正確な熱処理が提供される。さらに、高温計128を、基板支持体内に埋め込まれた抵抗温度測定デバイスよりも、より容易に交換することができる。
【0019】
図2は、本発明の別の実施形態による、RTPチャンバ200の断面図を示す。RTPチャンバ200はRTPチャンバ100に類似しているが、RTPチャンバ200ではライナ107が除外されている点が異なる。RTPチャンバ200はライナを含まないので、RTPチャンバ200の温度は、RTPチャンバ100の温度と比べて異なって制御される。例えば、流路106を通る冷却剤の流量を増やしてもよい。それに加えて、又はその代わりに、アルミニウム合金又はステンレス鋼などの、より高い温度に耐えることができる材料を用いて、RTPチャンバ200を建設してもよい。さらに、その中に流体チャネル180を有する水冷式の支持ブラケット182を基板支持体108に結合して、RTPチャンバ200の冷却を促進することができることが企図されている。そのような実施形態では、流路106を任意で削除することができる。
【0020】
図3は、図1及び図2に示されるチャンバリッド104の等角図である。チャンバリッド104のそれぞれ構成要素をより明確に図示するために、反射板124及びリッド本体123は分離されて示される。リッド本体123は一般的に、アルミニウム合金又はアルミニウムなど、チャンバ本体102(図1に示される)と同じ材料から形成される。反射板124は環状縁部132を貫通して配置される複数の開口部340を含む。開口部340は、その中に締め具を挿入するために、リッド本体123内に形成される開口部342(仮想線で示される)と一直線に並べられる。開口部342を通ってチャンバ本体102が汚れるのを防ぐために、開口部342は一般的に、リッド本体123を完全に貫通しては形成されない。基板101(図1に示される)の温度測定を容易にするため、反射板124の表面136を貫通して複数の高温計128が露出される。図3に示される実施形態では、6個の高温計が示されており、6個の高温計のそれぞれは、図4に示される基板支持体108の6つの加熱区域のうちの1つに対応する。温度監視の精度を高めるために、区域あたり2つ以上の高温計128を利用できることが企図される。
【0021】
図4は、図1及び図2に示される基板支持体108の平面図である。基板支持体108は、焼結窒化アルミニウムから形成されることができ、区域451〜456などの複数の区域を含む。各区域451〜456は、対応する独立した加熱素子410a〜410f(仮想線で示される)を含み、加熱素子410a〜410fは基板支持体108内に埋め込まれ、各区域451〜456の独立温度制御を提供するために、独立して制御されることができる。加熱素子410a〜410fを、モリブデンなどの材料から形成することができる。
【0022】
区域451は円形の形状をしており、基板支持体108上の中心に配置される。区域451は、基板支持体108の上面の約5パーセント〜約15パーセント、例えば、約10パーセントを覆うことができる。区域451は、円形の形状を有する加熱素子410aによって加熱される。区域452は区域451の周囲を囲む。区域452は基板支持体108の上面の約55パーセント〜約70パーセント、例えば、約63パーセントを覆うことができる。区域452は円形の形状である加熱素子410bによって加熱される。区域453〜456は区域452の外周の周囲に配置され、区域453〜456はそれぞれ区域452の外周の約90度を覆う。各区域453〜456は、基板支持体108の上面の約3パーセント〜約10パーセント、例えば、約6.6パーセントを覆う。区域453〜456は、その上に配置される基板の周囲のエリアの正確な温度制御を容易にする。基板の外縁付近から熱が除去されることに起因して、基板の周囲のエリアは通常、平均基板温度から逸脱する温度を有する可能性が最も高いエリアである。したがって、区域453〜456のサイズが相対的に小さいことは、基板の外縁の正確な温度制御を容易にし、一方、基板の加熱の大部分は内側区域451及び452によってもたらされる。
【0023】
各高温計128の温度検知の位置は、基板支持体108の表面上に仮想線で示される。温度検知点460a〜460fは一般的に、各区域451〜456上の実質的に中心に位置決めされるが、温度検知点460bは例外である。区域452は環状の形状である。しかしながら、区域452は単一の加熱素子410bしか含まないので、区域452の温度は概ね一貫している。したがって、温度検知点460bを一般的に、区域452に沿った任意の場所に位置決めすることができ、それでも正確な温度測定値をもたらすことができる。基板支持体108及びその上に支持される基板の温度制御を更に正確にするために、更なる高温計又は更なる加熱素子を利用できることが企図される。
【0024】
本発明の実施形態は、効率的で、かつ安価な加熱デバイス及び温度検知デバイスを利用して、低コストのRTPチャンバを提供する。チャンバはアルミニウム又はアルミニウム合金の構成要素を利用し、それにより、他の金属、例えば、ステンレス鋼と比べて、チャンバの構成要素のより安価での製作を可能にする。熱処理中に利用される処理温度によっては溶融する場合があるアルミニウム又はアルミニウム合金の使用は、断熱ライナ及び冷却チャネルを使用することにより可能にされる。チャンバは断熱ライナを利用して、チャンバ内で実行される熱処理の効率を高め、それにより、チャンバを稼働するためのコストを削減し、並びにチャンバの構成要素を望ましくない加熱から保護する。RTPチャンバ本体内に配置される1つ又は複数の冷却チャネルは、RTPチャンバの内部容積が、チャンバ本体材料の融点を超える温度まで迅速に加熱されることを可能にする。1つ又は複数の冷却チャネルは、加熱プロセス中に、チャンバ本体をチャンバ本体材料の融点より低い温度に保持し、それにより、チャンバ本体の完全性を維持する。
【0025】
また、チャンバは、その中に埋め込まれた加熱素子を有する基板支持体を利用して、その上に位置決めされた基板を伝導によって加熱する。熱伝導は、基板を加熱する効率的なやり方であり、電球を利用するシステムのように、コストがかかる構成要素を頻繁に交換する必要がない。基板温度は、高温計によって測定され、基板に加えられる熱の量は閉ループを用いて制御される。高温計は、基板支持体温度を測定するため抵抗温度測定デバイスを使用するとういうよりはむしろ、基板温度が直接測定されることを可能にする。基板の温度を直接測定することは、基板のより正確な熱処理を容易にする。
【0026】
これまでの説明は本発明の実施形態に向けられてきたが、その基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の他の実施形態及び更なる実施形態を考案することができ、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3
図4