(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
半導体ボディ領域及び表面領域を含む半導体デバイスであって、前記半導体ボディ領域が、第1の導電型の電荷キャリアを含む第1の半導体領域を含み、且つ第2の導電型の電荷キャリアを含む第2の半導体領域を含み、前記半導体デバイスが、
前記表面領域に含まれ、負荷電流を前記半導体ボディ領域に供給するように配置されている第1の負荷接点構造と、
前記半導体ボディ領域の中に延び、センサ電極及び第1の誘電体を含む第1のトレンチであって、前記第1の誘電体が、前記センサ電極を前記第2の半導体領域から電気的に絶縁する第1のトレンチと、
前記センサ電極を前記第1の半導体領域に電気的に接続する導電経路と、
第1の半導体経路であって、前記第1の半導体領域が、少なくとも前記第1の半導体経路によって、前記第1の負荷接点構造に電気的に接続される第1の半導体経路と、
を更に含み、
前記半導体デバイスが、前記表面領域に含まれ、前記センサ電極の電位を受けるように配置されているセンサ接点構造を更に含み、
前記第1の半導体領域が、前記半導体ボディ領域の電気的なフローティング領域を含み、
前記第1の半導体経路が、前記半導体ボディ領域内に含まれ、第1の部分及び第2の部分を含み、
前記第1の半導体経路の前記第1の部分が、少なくとも前記負荷電流の一部を伝導するために配置され、
前記第1の半導体経路の前記第2の部分が、第1のpn接合を含み、前記第1のpn接合が、前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域との間のトランジションによって形成される、半導体デバイス。
第2の負荷接点構造を更に含み、前記第2の負荷接点構造が、前記半導体ボディ領域から外に前記負荷電流を接続するために配置される、請求項1に記載の半導体デバイス。
第2の半導体経路を更に含み、前記第1の半導体領域が、少なくとも前記第2の半導体経路によって、前記第2の負荷接点構造に電気的に接続され、前記第2の半導体経路が、前記半導体ボディ領域内に含まれる、請求項3に記載の半導体デバイス。
前記導電経路が、前記表面領域に含まれ、少なくとも1つのアイランドを含み、前記少なくとも1つのアイランドが、前記センサ電極を前記第1の半導体領域に電気的に接続し、前記第1の誘電体が、前記センサ電極を前記第1の半導体領域から電気的に絶縁する、請求項1に記載の半導体デバイス。
前記導電経路が、前記表面領域に含まれ、少なくとも1つのストライプを含み、前記少なくとも1つのストライプが、前記センサ電極を前記第1の半導体領域に電気的に接続し、前記第1の誘電体が、前記センサ電極を前記第1の半導体領域から電気的に絶縁する、請求項1に記載の半導体デバイス。
半導体ボディ領域及び表面領域を含む半導体デバイスであって、前記半導体ボディ領域が、第1の導電型の電荷キャリアを含む第1の半導体領域を含み、且つ第2の導電型の電荷キャリアを含む第2の半導体領域を含み、前記半導体デバイスが、
前記表面領域に含まれ、負荷電流を前記半導体ボディ領域に供給するように配置されている第1の負荷接点構造と、
前記半導体ボディ領域の中に延び、センサ電極及び第1の誘電体を含む第1のトレンチであって、前記第1の誘電体が、前記センサ電極を前記第2の半導体領域から電気的に絶縁する第1のトレンチと、
前記センサ電極を前記第1の半導体領域に電気的に接続する導電経路と、
第1の半導体経路であって、前記センサ電極が、少なくとも前記第1の半導体経路によって、前記第1の負荷接点構造に電気的に接続されている第1の半導体経路と、
を更に含み、
前記半導体デバイスが、前記表面領域に含まれ、前記センサ電極の電位を受けるように配置されているセンサ接点構造を含み、
前記第1の半導体領域が、前記半導体ボディ領域の電気的なフローティング領域を含み、
前記第1の半導体領域が、第1のセクション及び第2のセクションを含み、前記第1のセクションが、前記第2の導電型の電荷キャリアを含み、前記第2のセクションが、前記第1の導電型の電荷キャリアを含み、前記第1の半導体経路が、前記第1のセクション及び前記第2のセクションの両方を横切り、
前記負荷電流がフィールド電極を介して前記センサ電極まで伝達される、半導体デバイス。
半導体ボディ領域及び表面領域を含む半導体コンポーネントを有する半導体装置であって、前記半導体ボディ領域が、第1の導電型の電荷キャリアを含む第1の半導体領域を含み、且つ第2の導電型の電荷キャリアを含む第2の半導体領域を含み、前記半導体コンポーネントが、
前記表面領域に含まれ、負荷電流を前記半導体ボディ領域に供給するように配置されている第1の負荷接点構造と、
前記半導体ボディ領域の中に延び、センサ電極及び第1の誘電体を含む第1のトレンチであって、前記第1の誘電体が、前記センサ電極を前記第2の半導体領域から電気的に絶縁する第1のトレンチと、
前記センサ電極を前記第1の半導体領域に電気的に接続する導電経路と、
第1の半導体経路であって、前記第1の半導体領域が、少なくとも前記第1の半導体経路によって、前記第1の負荷接点構造に電気的に接続されている第1の半導体経路と、
前記半導体ボディ領域の中に延びる少なくとも1つの第2のトレンチであって、前記少なくとも1つの第2のトレンチが、制御電極及び第2の誘電体を含み、前記制御電極が、制御信号に依存して前記負荷電流を制御するために配置され、前記第2の誘電体が、前記制御電極を前記半導体ボディ領域から電気的に絶縁する少なくとも1つの第2のトレンチと、
を更に含み、
前記半導体コンポーネントが、前記表面領域に含まれ、前記センサ電極の電位を受けるように配置されているセンサ接点構造を更に含み、
前記第1の半導体領域が、前記半導体ボディ領域の電気的なフローティング領域を含み、
前記第1の半導体経路が、前記半導体ボディ領域内に含まれ、第1の部分及び第2の部分を含み、
前記第1の半導体経路の前記第1の部分が、少なくとも前記負荷電流の一部を伝導するために配置され、
前記第1の半導体経路の前記第2の部分が、第1のpn接合を含み、前記第1のpn接合が、前記第1の半導体領域と前記第2の半導体領域との間のトランジションによって形成される、半導体装置。
前記半導体ボディ領域の中に延びる少なくとも1つの第3のトレンチであって、前記少なくとも1つの第3のトレンチが、フィールド電極及び第3の誘電体を含み、前記フィールド電極が、前記第1の負荷接点構造に電気的に接続され、前記第3の誘電体が、前記フィールド電極を前記半導体ボディ領域から電気的に絶縁する少なくとも1つの第3のトレンチを更に含む、請求項13に記載の半導体装置。
第2の負荷接点構造及び第2の半導体経路を更に含み、前記第2の負荷接点構造が、前記半導体ボディ領域から外に前記負荷電流を接続するために配置され、前記第1の半導体領域が、少なくとも前記第2の半導体経路によって、前記第2の負荷接点構造に電気的に接続されている、請求項13に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の詳細な説明において、添付の図面が参照される。図面は、本明細書の一部を形成し、図面には、本発明が実施され得る特定の実施形態が、実例として示されている。
【0022】
この点に関して、「上部」、「底部」、「下」「前」、「背後」「後ろ」、「先頭の」、「後端の」などの方向の用語は、説明されている図の向きに関連して用いられて得る。実施形態における部分が、多くの異なる向きに配置され得るので、方向の用語は、図のために使用され、決して限定的ではない。他の実施形態が利用されても良く、且つ構造的又は論理的な変更が、本発明の範囲から逸脱せずに行われ得ることを理解されたい。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で理解されるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって限定される。
【0023】
ここで、様々な実施形態の参照が詳細になされ、それらの実施形態の1つ又は複数の例が、図に示されている。各例は、説明として提供され、本発明の限定として意味されてはいない。例えば、一実施形態の一部として図示され説明されている特徴は、更なる実施形態を生成するために他の実施形態において又は他の実施形態と共に用いることができる。本発明が、かかる修正形態及び変形形態を含むことが意図されている。例は、添付の特許請求の範囲の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない特定の言葉を用いて説明される。図面は、一定の比率で作成されておらず、実例目的だけのためにある。明確にするために、同じ要素又は製造ステップは、別段の言及がなければ、異なる図面において同じ参照符号によって示されている。
【0024】
本明細書において用いられているような用語「水平」は、半導体基板又は半導体ボディ領域の水平面とほぼ平行な向きを示すことを意図している。これは、例えばウエハ又はダイの表面とすることができる。
【0025】
本明細書において用いられるような用語「鉛直」は、水平面と垂直に、即ち、半導体基板又は半導体ボディ領域の表面の法線方向と平行にほぼ配置される向きを示すことを意図している。
【0026】
本明細書において、pドープは、第1の導電型と呼ばれ、一方でnドープは、第2の導電型と呼ばれる。代替として、半導体デバイスは、第1の導電型をnドープとし、第2の導電型をpドープとできるように、反対のドーピング関係で形成することができる。
【0027】
本明細書で説明される特定の実施形態は、限定するわけではないが、IGBT又はMOSFET構造を有するモノリシックに集積された半導体デバイス、例えばストライプセル構成IGBTなどのパワー半導体デバイスに関する。
【0028】
本明細書で用いられるような用語「パワー半導体デバイス」は、高電圧阻止及びスイッチング並びに/又は高電流搬送及びスイッチング能力を備えた単一チップ上の半導体デバイスを示すことを意図している。換言すれば、パワー半導体素子は、典型的には例えば数百アンペアまでのアンペア範囲における高電流、及び/又は典型的には200V超、より典型的には600V以上の高電圧用に意図されている。
【0029】
本発明との関連において、用語「オーミック接触において」、「電気接触において」、「オーミック接続において」及び「電気的に接続された」は、半導体デバイスの2つの領域、セクション、部分若しくは一部間にか、1つ若しくは複数のデバイスの異なる端子間にか、又は半導体デバイスの端子若しくは金属被覆と部分若しくは一部との間に、低オーミック電気接続又は低オーミック電流経路が存在することを示すことを意図している。同じことは、以下で提示される半導体コンポーネント及び半導体装置の実施形態に当てはまる。
【0030】
図1は、鉛直断面のセクションにおける半導体デバイス1の実施形態を概略的に示す。半導体デバイスは、半導体ボディ領域12及び表面領域11を含む。半導体ボディ領域12は、第1の導電型の電荷キャリアを含む第1の半導体領域121、及び第2の導電型の電荷キャリアを含む第2の半導体領域122を含む。実施形態によれば、第1の半導体領域121は、第1の導電型の半導体領域であり、且つ/又は第2の半導体領域122は、第2の導電型の半導体領域である。
【0031】
例えば、第1の半導体領域121は、pウェルを含むか、又はそれぞれpウェルによって形成される。第2の半導体領域122は、半導体デバイス1のドリフト領域、例えばnドリフト領域を含むことができる。
【0032】
表面領域11は、第1の負荷接点構造13を含む。第1の負荷接点構造13は、半導体ボディ領域12の中に負荷電流を供給するように配置されている。例えば、負荷電流は、第1の負荷接点構造13に電気的に接続されている電圧源(図示せず)によって供給される。負荷電流は、第2の半導体領域122によって、半導体デバイス1を通して伝導され得る。
【0033】
半導体デバイス1は、半導体ボディ領域12の中に延びる第1のトレンチを更に含む。第1のトレンチ14は、センサ電極141及び第1の誘電体142を含む。第1の誘電体142は、センサ電極141を第2の半導体領域122から電気的に絶縁する。例えば、第1の誘電体142は、センサ電極141を第2の半導体領域122から分離する。導電経路16が、センサ電極141を第1の半導体領域121に電気的に接続する。
【0034】
図1において、導電経路16は、点線によって概略的にのみ示されている。導電経路16の典型的な実施形態は、他の図に関連して説明される。
【0035】
導電経路16故に、第1の半導体領域121の電位は、センサ電極141に伝達される。従って、センサ電極141の電位は、第1の半導体領域121の電位とほぼ同一である。
【0036】
更に、第1の半導体領域121は、少なくとも第1の半導体経路15によって、第1の負荷接点構造13に電気的に接続されている。
図1に示されている実施形態によれば、第1の半導体経路15は、第2の半導体領域122を横切る。第2の半導体領域122が、負荷電流を少なくとも部分的に伝導し得るので、第1の半導体領域121の電位ひいてはセンサ電極141の電位は、負荷電流及び第2の半導体領域122をまたがる電圧降下の両方に依存する。
【0037】
表面領域11には、センサ接点構造27が更に含まれる。
図1において、このセンサ接点構造27もまた、単に概略的に示されている。センサ接点構造27を実現するための特定の例が、他の図に関連して説明される。いずれにせよ、センサ接点構造27は、センサ電極141の電位を受けるように配置されている。例えば、センサ接点構造27は、制御回路(
図1には図示せず)に接触されても良く、この制御回路は、センサ電極141の電位に依存して、半導体デバイス1を制御するため(例えば負荷電流を制御するため)に適合され得る。センサ電極141によって、第1の半導体領域121の電位は、センサ接点構造27の位置に伝達される。このようにして、第1の半導体領域121の電位は、センサ接点構造27に電気的に接続されている制御回路に、即ち、保護機能を実行するために第1の半導体領域121の電位が判定されなければならない位置に、供給することができる。
【0038】
第1の半導体領域121は、半導体デバイス1の電気的なフローティング領域であっても良い。例えば、第1の半導体領域121は、固定電位又は一定電位を示す半導体デバイス1の部分には電気的に接続されない。換言すれば、第1の半導体領域121の電位は、半導体ボディ領域12の活性領域の電位とすることができ、表面領域11内に位置するセンサ接点構造27に供給される。実施形態において、第1の半導体領域121は、第1の半導体経路15によってのみ、第1の負荷接点構造13に電気的に接続されている。
【0039】
この時点で、
図1に示されているように、表面領域11が、半導体ボディ領域12の上部に位置できるだけでなく、他の領域に、例えば半導体ボディ領域12の下に、又は半導体ボディ領域12の左、右、前及び/若しくは後ろの側部領域に広がっていてもよいことに留意されたい。
【0040】
図1に更に示されているように、センサ電極141を含む第1のトレンチ14は、他の目的には使用されない半導体デバイス1のトレンチであっても良い。例えば、ストライプセル構成のIGBTに関して、フィールド電極を含むトレンチ及びゲート電極を含むトレンチなどの複数のトレンチが、通常用いられる。実施形態によれば、かかるトレンチの電極の少なくとも1つは、制御電極又はフィールド電極としては用いられず、
図1に示されているようにセンサ電極141として用いられる。
【0041】
半導体経路15は、半導体ボディ領域12内に含まれ、第2の半導体領域122の部分を横切る。第1の半導体領域121と第2の半導体領域122との間のトランジションが、第1のpn接合を形成する。第2の半導体領域122が、負荷電流の少なくとも一部を伝導するので、半導体経路15をまたがる電圧降下は、負荷電流に依存する。第1の半導体経路15は、半導体ボディ領域12の高フィールド領域が、例えば半導体デバイス1の短絡動作中に拡大し得るセクションを含むことができる。従って、第1の半導体領域121の電位ひいてはセンサ電極141の電位は、負荷電流及び第2の半導体領域122をまたがる電圧降下の両方に依存する。
【0042】
第1の半導体領域121は、第1のトレンチ14の横方向全長(即ち鉛直断面の法線方向とほぼ平行な方向に延びる長さ)に沿って、又は代替として第1のトレンチ14の1つ又は複数の部分に沿ってのみ配置されても良い。例えば、前記1つ又は複数の部分は、更なる誘電体領域(図示せず)によって互いに分離されても良い。
【0043】
半導体デバイス1は、半導体ボディ領域12から外に負荷電流を接続するために配置される第2の負荷接点構造(
図1には図示せず)を含んでも良い。
【0044】
図2は、提案された測定原理をより良く理解するために、半導体デバイス1の等価回路5を概略的に示す。負荷電流は、第1の負荷接点構造13によって、半導体ボディ領域12に接続される。例えば、第1の負荷接点構造13は、半導体デバイス1のソース/エミッタ接点を含む。半導体ボディ領域12から外に負荷電流を接続するために、半導体デバイス1は、第2の負荷接点構造17(
図1には図示せず)を含んでも良い。例えば、第2の負荷接点構造17は、半導体デバイス1のドレイン/コレクタ接点を含む。
【0045】
センサ接点構造27が、第1の半導体領域121の電位とほぼ同一であるセンサ電極141の電位を受けるので、センサ接点構造27は、
図2に示されているように、少なくとも第1の半導体経路15によって第1の負荷接点構造13に電気的に接続されていると見なされても良い。等価回路5内において、第1の半導体経路15は、第1の部分151及び第2の部分152に分割することができる。
【0046】
第1の半導体経路15の第1の部分151は、第2の半導体領域122の一部によって形成される。第1の部分151をまたがる電圧降下は、負荷電流に依存し、可変抵抗器によって表される。更に、第1の部分151は、第2の半導体領域122内の拡大又は減少する空間電荷領域の場合に、可変抵抗を示しても良い。
【0047】
第1の半導体経路15の第2の部分152は、第1の半導体領域121と第2の半導体領域122との間のトランジションによって形成される前記第1のpn接合に対応し、従ってダイオードによって表される。
【0048】
第2の負荷接点構造17が半導体ボディ領域12から外に負荷電流を接続できるように、半導体ボディ領域12に含まれる第2の半導体経路18が、第2の負荷接点構造17に電気的に接続されている。第2の半導体経路18は、第2の半導体領域122の少なくとも一部を含んでも良い。
【0049】
図1に関連して既に詳述したように、センサ接点構造27は、制御回路に接続されても良い。従って、制御回路は、半導体ボディ領域12の第1の半導体領域121の電位ひいては活性領域の電位を判定し得る。
【0050】
図3は、鉛直断面のセクションにおける半導体デバイス1の更なる実施形態を概略的に示す。この実施形態によれば、導電経路16は、表面領域11に含まれ、アイランド161を含み、アイランド161は、センサ電極141を第1の半導体領域121に電気的に接続する。アイランド161は、第1の負荷接点構造13から電気的に絶縁される。
【0051】
更に、第1のトレンチ14の第1の誘電体142は、センサ電極141をまた第1の半導体領域121から電気的に絶縁する。例えば、第1の誘電体142は、センサ電極141をまた第1の半導体領域121から分離する。
図3による実施形態において、第1の半導体領域121は、第1のトレンチ14に隣接する2つのウェルを含む。下記において、これらの2つのウェルは、第1の半導体領域121と呼ばれる。実施形態において、第1の半導体領域121は、それぞれの第1の半導体経路15によってのみ、第1の負荷接点構造13にそれぞれ電気的に接続されている。
【0052】
図3に示されている半導体デバイス1は、複数の第2のトレンチ21を更に含み、各第2のトレンチ21は、半導体ボディ領域12の中に延び、制御電極211及び第2の誘電体212を含む。各制御電極211は、半導体デバイス1に供給される制御信号に依存して、負荷電流を制御するために配置される。各制御電極211は、第2の誘電体212によって、半導体ボディ領域12から絶縁される。例えば、制御電極211は、半導体デバイス1のゲート電極を含む。
【0053】
図3に示されている半導体デバイス1は、複数の第3のトレンチ22を更に含み、各第3のトレンチ22もまた、半導体ボディ領域12の中に延び、フィールド電極221及び第3の誘電体222を含み、フィールド電極221は、第1の負荷接点構造13に電気的に接続される。各フィールド電極221は、第3の誘電体222によって、半導体ボディ領域12から電気的に絶縁される。
【0054】
トレンチ14、21及び22を互いにより容易に区別するために、第1のトレンチは、「D」(検出)でラベル付けされ、第2のトレンチは、「G」(ゲート)でラベル付けされ、第3のトレンチは、「S」(ソース)でラベル付けされる。
【0055】
図3に示されている半導体デバイス1は、第1の導電型の電荷キャリアを含む第3の半導体領域123を更に含む。
図3に示されているように、これらの第3の半導体領域123は、第1の負荷接点構造13の第1の負荷接点131と電気的に接触する複数のそれぞれのウェルによって形成されても良い。実施形態によれば、第3の半導体領域123は、第1の導電型の半導体領域である。
【0056】
図3に示されているように、各第1の負荷接点131は、それぞれの第3の半導体領域123と接触する多くの第1の負荷接点溝132を呈しても良い。
【0057】
アイランド161と第1の負荷接点131との間に配置されたカプセル封止部19は、アイランド161と第1の接点131との間の電気的絶縁を保証する。例えば、アイランド161は、負荷接点構造13から電気的に絶縁され、従来の電気接点機構に従って第1の半導体領域121及びセンサ電極141の両方に電気的に接続される金属層を含む。
【0058】
図3に示されている実施形態に従って要約すると、第1の領域121の電位、即ち、第1のトレンチ14と、それに隣接する第3のトレンチ22との間の電気的なフローティングメサの電位は、センサ電極141に電気的に接続されている。センサ電極141によって、電位は、センサ接点構造27(
図3には図示せず)に「伝達」される。
【0059】
例えば、半導体デバイス1は、複数のかかるアイランド161を含み、これらの複数のアイランド161は、第1の負荷接点構造13と接触するボンドフット(
図3には図示せず)の位置を基準にして、表面領域11に分配されても良い。
【0060】
ここで、
図4、
図5、及び
図6A〜6Cに関連し、半導体デバイス1の表面領域11の或る典型的な態様が説明される。
図4〜
図6Cは、それぞれ、1つ又は複数の実施形態に係る半導体デバイス1の水平断面のセクションを概略的に示し、
図4は、
図5に示されている領域Aの態様を概略的に示す。
【0061】
図4は、半導体デバイス1の実施形態の水平断面のセクションひいては半導体デバイス1の上面図を概略的に示す。
図3に示されている実施形態と同様に、半導体デバイス1は、2つの第3のトレンチ22によって隣接される第1のトレンチ14を含む。第3のトレンチ22の隣に、それぞれの第2のトレンチ21が配置されている。
【0062】
第2のトレンチ21に含まれる制御電極211は、制御電極接触手段241によって電気的に接触されても良く、制御電極接触手段241は、それぞれの溝によって実現されても良い。制御電極接触手段241は、制御接点ランナー244によって互いに電気的に接続することができる。制御接点ランナー244は、半導体デバイス1を制御するためのドライバ(図示せず)によって(例えば前記制御信号を供給するゲートドライバによって)接触され得る制御接点構造24の一部を形成しても良い。例えば、ドライバの制御信号出力は、制御接触パッド245(
図5に示されている)によって、制御接点構造24に電気的に接続されても良い。
【0063】
同様に、第3のトレンチ22に含まれるフィールド電極221は、フィールド電極接触手段137によって電気的に接触されても良く、フィールド電極接触手段137は、それぞれの溝によって実現されても良い。フィールド電極接触手段137は、第1の負荷接点金属133によって互いに電気的に接続することができる。第1の負荷接点金属133との電気接触を確立するために、第1の負荷接点ランナー134が、
図5にもまた示されているように、オプションとして設けられても良い。
図4はまた、第3の半導体領域123と接触する前記第1の負荷接点溝132を概略的に示す。
【0064】
上記で説明したように、第1のトレンチ14に含まれるセンサ電極141は、前記アイランド161(
図4には図示せず、
図3及び5に示す)によって、第1の半導体領域121に電気的に接続されても良い。第1のトレンチに含まれるセンサ電極141は、センサ電極接触手段274によって電気的に接触されても良く、センサ電極接触手段274は、溝によって実現されても良い。センサ接点構造27は、電極接触手段274と電気的に接触するセンサ接点ランナー271を含んでも良い。第1の半導体領域121がセンサ電極141に電気的に接続されるので、センサ接点ランナー271は、第1の半導体領域121の電位とほぼ同じ電位を示す。
【0065】
図5に関して、たとえ第1の負荷接点ランナー134、制御接点ランナー244、及びセンサ接点ランナー271が、それぞれのラインによってそれぞれ表されても、
図4に示されているように、これらのランナーが、ゼロより大きな幅を確かに示しても良いことに留意されたい。第1の負荷接点ランナー134と制御接点ランナー244との間、制御接点ランナー244とセンサ接点ランナー271との間、及びセンサ接点ランナー271と第1の負荷接点金属133との間には、ランナー134、244、271及び第1の負荷接点金属133を互いに電気的に絶縁するためのカプセル封止用酸化物が配置されても良い。
【0066】
第1の半導体領域121とセンサ電極141との間の電気接触を確立するために、
図5に示されているように、複数の前記アイランド161が設けられても良い。各アイランド161は、それぞれの絶縁構造163によって、第1の負荷接点金属133から電気的に絶縁されても良い。更に、各アイランド161は、別個の、空間的に分離された導電領域を構成しても良い。
【0067】
図4及び
図5に説明された実施形態に従って要約すると、第1の領域121の電位、即ち第1のトレンチ14と、これに隣接する第3のトレンチ22との間の電気的なフローティングメサの電位は、センサ電極141に電気的に接続されている。センサ電極141によって、電位は、センサ接点構造27のセンサ接点ランナー271に「伝達」される。
【0068】
複数のアイランド161を位置付ける典型的な方法に関して、
図6A〜6Cを参照する。
図6Aに示されている実施形態によれば、アイランド161は、第1のトレンチ14に沿って分配されても良く、アイランド161は、それぞれの絶縁構造163によって、第1の負荷接点金属133から電気的に絶縁される。絶縁構造163は、
図3に示されているように、カプセル封止部19の一部を形成しても良い。
【0069】
代替又は追加として、アイランド161は、
図6C及び
図5に示されているパターン構造に従って配置されても良い。
【0070】
幾つかのアイランド161に対する代替又は追加として、導電経路16は、
図6Cに示されているような、表面領域11にも含まれるストライプ162を含んでも良い。ストライプ162は、第1の半導体領域121とセンサ電極141との間の電気接続を実現する。例えば、ストライプ162は、
図6Bに示されている全チップ長さLに沿って、第1の半導体領域121と電気的に接触する。絶縁構造163は、ストライプ162が、第1の負荷接点金属133から電気的に絶縁されることを保証する。
【0071】
図5に示されているように、センサ接点構造27は、センサ接触パッド272を更に含んでも良い。例えば、このセンサ接触パッド272は、前記制御回路に電気的に接続されるボンドワイヤ(図示せず)によって接触されても良い。代替として、制御回路は、センサ接点構造27内に含まれても良い。従って、半導体デバイス1は、かかる制御回路をモノリシックに集積することができる。代替として、制御回路は、センサ接点構造27上に実装されても良い。制御回路の典型的な実施形態が、他の図に関連して説明される。
【0072】
制御接触パッド245及びセンサ接触パッド272の位置は、交換されても良い。
【0073】
図7は、半導体デバイス1の別の実施形態の断面図におけるセクションを概略的に示す。この実施形態において、導電経路16は、第1のトレンチ14の側壁内に囲まれる第1のプラグ164によって実現される。換言すれば、第1のプラグ164は、センサ電極141を第1の領域121に電気的に接続する導電経路16を実現するために、第1のトレンチ14の第1の誘電体142を遮る。更に、表面領域11内に含まれる第1のカプセル封止用手段251及び第2のカプセル封止用手段252が、センサ電極141を第1の負荷接点131から電気的に絶縁する。
【0074】
第1のトレンチ14に隣接する第3のトレンチ22の第3の誘電体222は、第1の半導体領域121をフィールド電極221から電気的に絶縁する。この実施形態において、アイランド161もストライプ162も、センサ電極141と第1の半導体領域121との間の電気接触を実現するためには必要とされない。
【0075】
図7においてV
Dと呼ばれる、センサ電極141の電位は、センサ接点構造27(
図7には図示せず)によって受けることができる。
【0076】
図8は、半導体デバイス1の更に別の実施形態の断面図におけるセクションを概略的に示す。この実施形態において、導電経路16は、第1のトレンチ14の一部である第1のプラグ164を含む。第1のプラグ164は、センサ電極141が第1の半導体領域121に電気的に接続されるように、第1のトレンチの第1の誘電体142を遮る。更に、表面領域11内に含まれる第1のカプセル封止用手段251及び第2のカプセル封止用手段252は、第1の半導体領域121を第1の負荷接点131から電気的に絶縁する。
【0077】
第1の半導体領域121は、第3のトレンチ22の一部であるフィールド電極プラグ223によって、第3のトレンチ22のフィールド電極221に更に電気的に接続される。換言すれば、フィールド電極プラグ223は、第1の半導体領域121がフィールド電極221に電気的に接続されるように、第3のトレンチの第3の誘電体222を遮る。
【0078】
図8に示されている実施形態によれば、第1の半導体領域121は、第1のセクション121−2及び第2のセクション121−3を含み、第2のセクション121−3は、第1の導電型の電荷キャリアを含んでも良く、第1のセクション121−2は、第2の導電型の電荷キャリアを含んでも良い。この実施形態において、センサ電極141は、第1の半導体経路15及びフィールド電極221によって、第1の負荷接点構造13(
図8には図示せず)に電気的に接続されている。第1の半導体経路15は、第1のセクション121−2及び第2のセクション121−3の両方を横切る。前の
図1〜7に典型的に示されている実施形態に関連して説明したように、フィールド電極221は、第1の負荷接点構造13に電気的に接続されても良い。
【0079】
従って、第1のセクション121−2と第2のセクション121−3との間のトランジションは、第2のpn接合を形成し得る。
図8に示されているように、第1のプラグ164は、第1のセクション121−2とのみ接触し、第2のセクション121−3とは接触せず、フィールド電極プラグ223は、第2のセクション121−3とのみ接触し、第1のセクション121−2とは接触していない。
【0080】
第1の半導体領域121は、絶縁された半導体領域124と更に接触する。第1の誘電体142及び第3の誘電体222は、絶縁された半導体領域124と、第1のセクション121−2及び第2のセクション121−3を含む第1の半導体領域121との両方を、第2の半導体領域122から電気的に絶縁する。換言すれば、第1の誘電体142及び第3の誘電体222は、絶縁された半導体領域124と、第1のセクション121−2及び第2のセクション121−3を含む第1の半導体領域121との両方を、第2の半導体領域122から分離する。従って、第1の半導体領域121は、第2の半導体領域122から絶縁され得る。
【0081】
例えば、センサ電極141の電位及びフィールド電極221の電位の両方を測定することによって、第2のpn接合をまたがる電圧降下が、センサ電極141及びフィールド電極221に電気的に接続された制御回路によって判断され得る。第2のpn接合をまたがる電圧降下が、半導体ボディ領域12の温度に依存するので、半導体ボディ領域12の温度は、
図8に概略的に示されているような構造を用いることによって、判定することができる。
【0082】
例えば、絶縁された半導体領域124と同様に、第1の半導体領域121の第1のセクション121−2及び第2のセクション121−3の両方は、単結晶材料を含む。更に、第1の半導体領域121の第1のセクション121−2は、第2の半導体領域122と同じ材料からなっても良く、第1の半導体領域121の第2のセクション121−3は、半導体ボディ領域12の第3の半導体領域123(
図8には図示せず)の材料と同一の材料からなっても良い。従って、第2のpn接合をまたがる電圧降下は、負荷電流を伝導する半導体ボディ領域12のかかる領域の温度を示す。
【0083】
第1のセクション121−2及び第2のセクション121−3によって第2のpn接合を形成する代わりに、第1のセクション121−2及び第2のセクション121−3の少なくとも1つは、それが、例えば、セレニウム(Se)ドーピング又は硫黄(S)ドーピングなどの不純物ドーピングによって、又は第1のセクション121−2及び/若しくは第2のセクション121−3を金属材料で形成することによって固有抵抗を示すように設計されても良い。
【0084】
図9は、半導体デバイス1の更に別の実施形態の鉛直断面におけるセクションを概略的に示す。
図9に示されている半導体デバイス1の一般的な構成は、
図3に示されている実施形態に関連して既に説明された構成にほぼ対応する。従って、導電経路16は、センサ電極141を第1の半導体領域121に電気的に接続する前記アイランド161を含む。
【0085】
図9に示されている実施形態において、第1の半導体領域121は、第1の半導体領域121の上部に接触セクション121−1を含む。例えば、これらの接触セクション121−1は、第1の半導体領域121の高度にドープされたn領域又は高度にドープされたp領域である。しかしながら、これらの接触セクション121−1は、オプションとしてのみ実現される。また、第3の半導体領域123は、それらのそれぞれの上部に、対応する接触セクション123−1を含む。また、第3の半導体領域123のこれらの接触セクション123−1は、高度にドープされたn領域とすることができる。従って、半導体デバイス1を製造する場合に、第1の半導体領域121及び第3の半導体領域123の両方は、同じ処理ステップ内で製造することができる。また、第1のトレンチ14は、第2のトレンチ21及び/又は第3のトレンチ22と同じ空間的寸法を示しても良い。従って、半導体デバイスを製造する場合に、第1のトレンチ14並びに第2のトレンチ21及び/又は第3のトレンチ22は、両方とも同じ処理ステップ内で製造することができる。
【0086】
図9に示されている半導体デバイス1の実施形態によれば、センサ抵抗器26が、第1の負荷接点構造13をセンサ電極141に電気的に接続する。
図9に概略的に示されている第1の測定ポイント273において、第1の領域121の電位とほぼ同一であり
図9においてV
Dと呼ばれるセンサ電極141の電位を判定することができる。第2の測定ポイント136において、第1の負荷接点構造13の電位、即ち
図9においてV
Sと呼ばれる第1の負荷接点131の電位を判定することができる。
【0087】
第1の負荷接点構造13とセンサ電極141との間の電圧降下IV
D―V
SIは、負荷電流及びセンサ抵抗器26の抵抗に依存する。したがって、センサ抵抗器26の抵抗を知り、前記電圧降下IV
D−V
SIを判定すれば、半導体ボディ領域12を通って流れる負荷電流は判定することができる。
図9に示されている略図とは異なり、センサ抵抗器26はまた、他の目的には使用されない利用可能なトレンチ(
図9には図示せず)によって、モノリシックに集積されても良い。追加又は代替として、センサ抵抗器26は、半導体ボディ領域12の外部に、例えば
図5に概略的に表現されているように、センサ接触パッド272と第1の負荷接点金属133との間に配置することができる。
【0088】
図10は、半導体コンポーネント6の実施形態の鉛直断面におけるセクションを概略的に示す。半導体コンポーネント6の上部は、
図3及び
図9に関連して既に説明された構成にほぼ対応する構成を示す。更に、半導体コンポーネント6の半導体ボディ領域12は、フィールドストップ層125、及びフィールドストップ層125に隣接するコレクタ層126を含む。半導体ボディ領域12は、第2の負荷接点層171によって終端され、第2の負荷接点層171は、
図2に関連して既に例として言及した第2の負荷接点構造17の一部とすることができる。第2の負荷接点構造17は、半導体ボディ領域12から外に負荷電流を接続するために配置される。例えば、コレクタ層126は、第1の導電型の電荷キャリアを含み、フィールドストップ層125は、第2の導電型の電荷キャリアを含む。
【0089】
半導体コンポーネント6の構造は、例えばIGBT、例えばストライプセル構成IGBT、縦型MOSFETなどを構成するために用いられても良い。
【0090】
半導体コンポーネント6の第1の半導体領域121は、少なくとも前記第1の半導体経路15によって、第1の負荷接点構造13に電気的に接続されている。更に、第1の半導体領域121は、少なくとも第2の半導体経路18によって、第2の負荷接点構造17に電気的に接続されている。即ち、センサ電極141は、第1の負荷接点構造13からも、第2の負荷接点構造17からも電気的に絶縁されない。
【0091】
図11は、制御回路3に接続された並列回路4の実施形態を概略的に示す。制御回路3は、保護機能を実行するために配置されても良い。並列回路4は、例えば、
図10に示されているような実施形態に係る半導体コンポーネント6と同様に、半導体コンポーネント6と並列に接続された更なる半導体コンポーネント6’を含む。半導体コンポーネント6及び6’のそれぞれは、互いに空間的に分離される。例えば、半導体コンポーネント6及び6’は、それぞれ、別個のハウジングを含んでも良い。
【0092】
制御回路3は、半導体6の動作を制御するために、半導体コンポーネント6の第2のトレンチ21の制御電極211に接続されている。例えば、制御回路3は、
図5に関連して既に言及した制御接触パッド245に電気的に接続されている。従って、制御回路3は、制御接触パッド245を介して、半導体コンポーネント6の制御電極211に制御信号を供給し得る。同じ制御信号はまた、更なる半導体コンポーネント6’によって受信される。これらの更なる半導体コンポーネント6’のそれぞれはまた、それぞれの更なる半導体コンポーネント6’内に含まれる対応する制御電極に電気的に接続される対応する制御接触パッド245’を含んでも良い。例えば、制御回路3は、半導体コンポーネント6の温度が所定の閾値を超えた場合に、且つ/又は半導体コンポーネント6によって伝導される負荷電流が所定の閾値を超えた場合に、半導体コンポーネント6及び更なる半導体コンポーネント6’をオフにするように構成されても良い。
【0093】
更なる半導体コンポーネント6’は、
図10に示されている半導体コンポーネント6と類似の構成を示しても良い。しかしながら、更なる半導体コンポーネント6’は、導電経路によって第1の半導体領域に電気的に接続される、第1のトレンチに含まれるそれぞれのセンサ電極を必ずしも含まなければならない必要はない。例えば、第1の半導体コンポーネント6’は、第1のトレンチ14の代わりに、更なる制御電極211を含むそれぞれの更なる第2のトレンチ21をそれぞれ含む。アイランド161の代わりに、
図10に示されている2つの第1の半導体領域121ではなく更なる第3の半導体領域123と電気的に接触する更なる第1の負荷接点131が設けられも良い。従って、更なる半導体コンポーネント6’はまた、前記センサ接点構造27を必ずしも含まない。別の実施形態において、更なる半導体コンポーネント6’はまた、導電経路によって第1の半導体領域に電気的に接続される、第1のトレンチに含まれるそれぞれのセンサ電極を含む。即ち、前記他の実施形態において、更なる半導体コンポーネント6’は、半導体コンポーネント6の構造とほぼ同一の構造を示す。
【0094】
しかしながら、
図11に示されている並列回路4の実施形態において、ただ1つのコンポーネント、即ち半導体コンポーネント6は、
図10に典型的に示されている構造と、センサ接触パッド272を含む対応するセンサ接点構造27と、を示す。センサ接触パッド272は、制御回路3に電気的に接続されている。従って、制御回路3は、センサ電極141の電位を判定することが可能であり、従って、半導体コンポーネント6の温度及び/又は負荷電流を判定し得る。例えば、温度が所定の閾値を超え、且つ/又は負荷電流が所定の閾値を超えた場合に、制御回路3は、対応する制御信号を制御接触パッド245及び更なる制御接触パッド245’に供給することによって、半導体コンポーネント6及び更なる半導体コンポーネント6’の両方のターンオフを引き起こしても良い。
【0095】
換言すれば、並列回路4の半導体コンポーネント6及び更なる半導体コンポーネント6’を保護するために、コンポーネント6及び6’の1つが
図10に示されているような構造を示すことだけが必要である。更なる半導体コンポーネント6’は、前記センサ接点構造27も、センサ電極141を含む前記第1のトレンチ14も、対応する第1及び第2の半導体経路15及び18も、前記導電経路16も含む必要がない。導電経路16が前記アイランド161を含むことを
図10がたとえ示したとしても、導電経路16がまた、
図7及び
図8に関連して説明された第1のプラグ164によって形成され得ることに留意されたい。
図11は、半導体コンポーネント6−6’の1つにおける半導体ボディ領域12の活性領域の電位に基づいた保護機能を提供できるために、半導体コンポーネント6及び6’の並列回路4内において、これらの半導体コンポーネント6及び6’の1つだけが、先の図に関連して典型的に説明された構造を示す必要があるという一般概念をかなり概略的に示す。
【0096】
図12は、半導体装置7の実施形態を概略的に示す。半導体装置7は、半導体コンポーネント6、例えば
図10に示されているような半導体コンポーネント6を含む。
【0097】
制御信号243が、制御接点構造24によって、制御電極211に供給される。制御接点構造24は、抵抗242を示しても良い。例えば、第2の負荷接点構造17は、インダクタンスなどの電気的負荷(
図12には図示せず)に接続されている。第1の負荷接点構造13は、グランド35に接続されている。センサ接点構造27は、センサ電極141の電位を制御回路3に供給する。
【0098】
具体的には、制御回路3は、制御トランジスタ31、例えばMOSトランジスタを含み、センサ電極141の電位は、制御トランジスタ31の制御入力部311に供給される。制御トランジスタ31の負荷出力部313は、グランド35に接続されている。制御トランジスタ31の負荷入力部312は、制御ダイオード32及び制御ツェナーダイオード33(Zダイオードとも呼ばれる)によって、制御接点構造24に電気的に接続されても良い。従って、制御トランジスタ31の動作は、センサ電極141の電位によって直接制御され、センサ電極141の電位は、第1の半導体領域121の電位とほぼ同一である。制御回路3が、制御電極211に更に電気的に接続されるので、制御回路3は、センサ電極141の電位に依存して、半導体コンポーネント6の動作を制御しても良い。
【0099】
制御回路3の動作の更なるオプションの態様に関して、特許文献1が参照され、前記文献の内容が、参照することにより、その全体が本明細書の一部をなす。
【0100】
制御回路3は、半導体コンポーネント6にモノリシックに集積されても良い。代替として、制御回路3は、半導体コンポーネント6の外部に(即ち、半導体コンポーネント6の半導体基板上ではない)配置されても良い。それでも、制御回路3及び半導体コンポーネント6は、同じハウジング(図示せず)内に含むことができる。
【0101】
上記において、幾つかの図面は、第1のトレンチ14が、2つの第2のトレンチ21によって又は2つの第3のトレンチ22によって隣接されることを示した。しかしながら、他の実施形態において、第1のトレンチ14に隣接する第2のトレンチ21又は第3のトレンチ22の代わりに、更なる第1のトレンチがまたあっても良い。
【0102】
上記において、半導体デバイス、半導体コンポーネント、及び半導体装置に関する実施形態が説明された。例えば、これらの実施形態は、シリコン(Si)に基づいている。従って、単結晶半導体領域又は層、例えば、典型的な実施形態の半導体領域121、121−2、121−3、122、123、123−1、124は、典型的には単結晶Si領域又はSi層である。他の実施形態において、多結晶又はアモルファスシリコンが用いられても良い。
【0103】
しかしながら、半導体ボディ領域12が、半導体デバイス/コンポーネント/装置を製造するのに適した任意の半導体材料で作製できることを理解されたい。かかる材料の例は、限定するわけではないが、幾つか名前を挙げれば、シリコン(Si)又はゲルマニウム(Ge)などの元素半導体材料と、シリコンカーバイド(SiC)又はシリコンゲルマニウム(SiGe)などのIV族化合物半導体材料と、ガリウムナイトライド(GaN)、ガリウムヒ素(GaAs)、ガリウムリン(GaP)、インジウムリン(InP)、インジウムガリウムリン(InGaPa)、アルミニウムガリウムナイトライド(AlGaN)、アルミニウムインジウムナイトライド(AlInN)、インジウムガリウムナイトライド(InGaN)、アルミニウムガリウムインジウムナイトライド(AlGaInN)、インジウムガリウムヒ素リン(InGaAsP)などの2元、3元又は4元III−V族半導体材料と、カドミウムテルル(CdTe)及び水銀カドミウムテルル(HgCdTe)などの2元又は3元II−VI半導体材料とを含む。前述の半導体材料はまた、ホモ接合半導体材料と呼ばれる。2つの異なる半導体材料を組み合わせる場合に、ヘテロ接合半導体材料が形成される。ヘテロ接合半導体材料の例は、限定するわけではないが、アルミニウムガリウムナイトライド(AlGaN)−アルミニウムガリウムインジウムナイトライド(AlGaInN)、インジウムガリウムナイトライド(InGaN)−アルミニウムガリウムインジウムナイトライド(AlGaInN)、インジウムガリウムナイトライド(InGaN)−ガリウムナイトライド(GaN)、アルミニウムガリウムナイトライド(AlGaN)−ガリウムナイトライド(GaN)、インジウムガリウムナイトライド(InGaN)−アルミニウムガリウムナイトライド(AlGaN)、シリコン−シリコンカーバイド(Si
xC
1−x)及びシリコン−SiGeヘテロ接合半導体材料を含む。パワー半導体用途のために、現在は主としてSi、SiC、GaAs及びGaN材料が用いられる。
【0104】
具体的には、カプセル封止部19は、イミドを含むか、又はイミドからなっても良い。前記アイランド161及び前記第1の負荷接点131は、必ずしも同じ材料からならなければならない必要はない。例えば、第1の負荷接点131は、銅を含むか、又は銅からなっても良く、アイランド161は、チタン(Ti)などの障壁材料を含むか、又は障壁材料からなっても良い。センサ電極141は、ポリシリコンを含むか、又はポリシリコンからなっても良い。第1のプラグ164及び/又はフィールド電極プラグ223は、チタン(Ti)及び/若しくはタングステン(W)などの障壁材料を含むか、又は障壁材料からなっても良い。
【0105】
「下」、「下方」、「下部」、「上方」、「上部」などの空間的な相対語は、第2の要素に対する一要素の位置決めを示すための説明の容易さのために用いられる。これらの用語は、図に表現された向きとは異なる向きに加えて、それぞれのデバイスの異なる向きを包含するように意図されている。更に、「第1の」、「第2の」などの用語もまた、様々な要素、領域、セクション等を示すために用いられ、且つまた限定的であるようには意図されていない。同様の用語は、説明の全体を通して同様の要素を指す。
【0106】
本明細書で用いられているように、用語「有する」、「含む(containing)」、「含む(including)」、「含む(comprising)」、「示す」などは、言及された要素又は特徴の存在を示すオープンエンドの用語であり、追加の要素又は特徴を排除しない。「a」、「an」及び「the」は、文脈が明白に別段の指示をしていない限り、単数と同様に複数も含むように意図されている。
【0107】
上記の範囲の変形形態及び適用形態を念頭において、本発明が、前述の説明によって限定されず、添付の図面によっても限定されないことを理解されたい。その代わりに、本発明は、特許請求の範囲及びそれらの法的均等物によってのみ限定される。