特許第6133561号(P6133561)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133561
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】砒素の処理方法
(51)【国際特許分類】
   B09C 1/10 20060101AFI20170515BHJP
   A62D 3/02 20070101ALI20170515BHJP
   A62D 3/33 20070101ALI20170515BHJP
   C02F 3/34 20060101ALI20170515BHJP
   C12N 1/20 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   B09B3/00 EZAB
   A62D3/02
   A62D3/33
   C02F3/34 Z
   C12N1/20 D
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-188810(P2012-188810)
(22)【出願日】2012年8月29日
(65)【公開番号】特開2014-46221(P2014-46221A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年1月14日
【審判番号】不服2016-5673(P2016-5673/J1)
【審判請求日】2016年4月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】504145342
【氏名又は名称】国立大学法人九州大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】沖部 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】平郡 伸一
(72)【発明者】
【氏名】浅野 聡
【合議体】
【審判長】 大橋 賢一
【審判官】 豊永 茂弘
【審判官】 中澤 登
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第6656722(US,B1)
【文献】 特開昭59−52583(JP,A)
【文献】 特開平6−7157(JP,A)
【文献】 特開平8−187092(JP,A)
【文献】 特開2008−245597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 3/00
A62D 3/02
A62D 3/33
A62D101/43
C02F 3/34
C12N 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶液又は土壌に含まれる砒素の処理方法であって、
前記溶液又は土壌に、処理対象である前記砒素としての三価砒素に加えて、二価鉄と、好熱性鉄酸化菌と、酵母エキスとを含有させ、前記溶液又は土壌に含まれる前記三価砒素を、前記溶液又は土壌中において前記好熱性鉄酸化菌を用いて五価砒素に酸化させる砒素酸化工程を含み、
前記二価鉄の前記三価砒素に対するモル比であるFe(II)/As(III)は、1.0以上3.5以下である、砒素の処理方法。
【請求項2】
酵母エキスの添加量は、前記溶液又は前記土壌に対して0.01w/v%以上である、請求項1に記載の砒素の処理方法。
【請求項3】
前記砒素酸化工程の後に、前記五価砒素を結晶性砒酸鉄として固定化する砒素固定化工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の砒素の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液又は土壌に含まれる砒素の処理方法に関し、詳細には、溶液又は土壌に含まれる砒素を、鉄酸化菌を利用して安定な形態で固定する砒素の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶液又は土壌に含まれる砒素を処理する手段として、砒酸塩を形成させて安定化する方法が広く知られている。溶液中の砒素を安定した形態で固定する方法としては、特許文献1に開示されているように砒酸鉄として沈殿析出させる方法や、特許文献2に開示されているような鉄の複合塩等の吸着剤に砒素を吸着させる方法がある。
【0003】
また、土壌中の砒素を安定した形態で固定する方法としては、特許文献3に開示されているような砒酸鉄として固定化する方法がある。これらは、いずれの方法も鉄化合物として安定化している。その他、安定性が良く、溶出性の低い砒素の化合物としては、例えば、砒酸カルシウム、砒酸アルミニウム等がある。砒酸カルシウムとして安定化させる方法については、特許文献4,5に開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1,3に開示されている方法は、コストパフォーマンスが低く、経済的な処理方法とはいえない。また、特許文献2に開示されている方法は、吸着剤の合成という煩雑な作業を必要とし、やはり経済的ではない。さらに、特許文献4,5に開示されている方法は、熱処理が必要であるためエネルギー消費が多く、また、長期安定性や形成の容易さを考慮すると、砒酸カルシウムよりも砒酸鉄による安定化が好ましい。
【0005】
そして、上記特許文献1〜5に開示されているいずれの方法も、五価砒素については容易に安定化できるものの、三価砒素の除去には薬剤の添加による酸化を必要とするか、或いは除去自体が困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−18978号公報
【特許文献2】特開2005−87834号公報
【特許文献3】特許第3802264号公報
【特許文献4】特表平8−501249号公報
【特許文献5】特開2007−83183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、溶液又は土壌に含まれる砒素を短時間で処理することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、従来では補助栄養源としてしか捉えられていないペプトン類及び/又はエキス類が、補助栄養源としての機能のほか、菌を活性化させ、特異的な速さで砒素を処理できるという機能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
具体的には、以下のようなものを提供する。
【0010】
(1)本発明は、二価鉄と、三価砒素と、ペプトン類及び/又はエキス類とを含有する溶液又は土壌に含まれる三価砒素を、好熱性鉄酸化菌を用いて五価砒素に酸化させる砒素酸化工程を含む、砒素の処理方法。
【0011】
(2)また、本発明は、前記ペプトン類及び/又は前記エキス類の添加量が前記溶液又は前記土壌に対して0.01w/v%以上である、(1)に記載の砒素の処理方法である。
【0012】
(3)また、本発明は、前記砒素酸化工程の後に、前記五価砒素を結晶性砒酸鉄として固定化する砒素固定化工程をさらに含む、(1)又は(2)に記載の砒素の処理方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、溶液又は土壌に含まれる砒素を短時間で処理できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】培地中の全砒素濃度の経時変化を示す。
図2】培地中の三価砒素濃度の経時変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
【0016】
本発明は、溶液又は土壌に含まれる砒素の処理方法であり、二価鉄と、三価砒素と、ペプトン類及び/又はエキス類とを含有する溶液又は土壌に含まれる三価砒素を、好熱性鉄酸化菌を用いて五価砒素に酸化させる砒素酸化工程を含む。
【0017】
<好熱性鉄酸化菌>
好熱性鉄酸化菌は、鉄鉱山の採鉱場やそこで発生した廃水、鉄分を多く含む地下水や湖沼の深層水等、自然界に広く分布している。中でも、有機成分による生育阻害の程度が過度でない菌種を用いることが好ましい。有機成分によって過度に生育阻害を受ける菌種であると、好熱性鉄酸化菌がペプトン類及び/又はエキス類によって生育阻害を受ける可能性があるためである。
【0018】
本発明の実施に好適な好熱性鉄酸化菌として、例えば、Acidianus brierleyi、Acidianus infernus、Acidianus ambivalens等のAcidianus(アシディアヌス)属、Sulfobacillus thermosulfidooxidans、Sulfobacillus acidophillus等のSulfobacillus(スルフォバチルス)属、Acidimicrobium ferrooxidans等のAcidimicrobium(アシジミクロビウム)属、Sulfolobus acidocaldarius、Sulfolobus solfataricus、Sulfurococcus mirabilis等のSulfolobus(スルフォロブス)属等が挙げられる。これらの好熱性鉄酸化菌は、公的な菌保存機関から入手可能である。
【0019】
好熱性鉄酸化菌の接種量は、砒素含有培地1mlに対し、1.0×10cells以上2.0×10cells以下であることが好ましい。1.0×10cells未満であると、菌数が不足しているため、培地中の砒素を短時間では処理できない可能性がある点で好ましくない。
【0020】
<溶液又は土壌(培地)>
培地は、二価鉄と、三価砒素と、ペプトン類及び/又はエキス類とを含有する。
【0021】
二価鉄の例として、硫酸第一鉄(FeSO)、二硫化鉄(FeS)等の二価鉄化合物、黄鉄鉱、磁硫鉄鉱等の二価鉄を含む硫化鉄鉱物等が挙げられ、これらを1種又は2種以上の組み合わせて用いることができる。ただし、二価鉄化合物の1つである塩化第一鉄(FeCl)については、好熱性鉄酸化菌が塩素イオンにより生育阻害を受けやすいため、その使用は好ましいとはいえない。
【0022】
三価砒素の初期濃度は、1000ppm以下であることが好ましい。1000ppmを超えると、三価砒素の初期濃度が高すぎる結果、好熱性鉄酸化菌の生育が遅くなる点で好ましくない。
【0023】
三価砒素に対する二価鉄のモル比であるFe(II)/As(III)の上限は、特に限定されるものではないが、20以下であることが好ましく、5.0以下であることがより好ましく、3.5以下であることが特に好ましい。20を超えると、好熱性鉄酸化菌が砒素をほとんど処理せずに二価鉄を栄養源として優先的に摂取する結果、培地中の砒素を短時間では処理できない可能性があるため、好ましくない。
【0024】
Fe(II)/As(III)の下限は、特に限定されるものではないが、1.0未満であると、好熱性鉄酸化菌が死滅し、培地中の砒素を短時間で処理できない可能性があるため、1.0以上であることが好ましい。
【0025】
本発明では、好熱性鉄酸化菌は、溶液又は土壌に含まれる二価鉄イオンを三価鉄イオンに酸化し、この三価鉄が溶液又は土壌に含まれる三価砒素を五価砒素に酸化すると考えられる。
4Fe2++O+4H→4Fe3++2HO ・・・(1)
2Fe3++HAsO+H0→2Fe2++HAsO+2H
・・・(2)
【0026】
ところで、本発明において、培地は、二価鉄及び三価砒素のほか、ペプトン類及び/又はエキス類を含有する。添加するペプトン類及び/又はエキス類は、特に限定されるものではないが、例としては、Beef Extract、Yeast Extract等のエキス類、Soytone、Peptone、Tryptone等のペプトン類が挙げられる。本発明は、培地にペプトン類及び/又はエキス類を加えたことを特徴としており、本発明の本質は、ペプトン類及び/又はエキス類が単に補助栄養源として機能するだけでなく、二価鉄/三価砒素含有培地に好熱性鉄酸化菌を加えた系において、砒素の酸化速度を大幅に向上できることを見出したことにある。ペプトン類及び/又はエキス類の添加量は、砒素含有培地に対して0.01w/v%以上であることが好ましい。
【0027】
好熱性鉄酸化菌の多くは好酸性であり、強酸性領域で良好に生育する。そのため、溶液又は土壌のpHは2.2以下であることが好ましい。また、温度環境は、好熱性鉄酸化菌が良好に生育する至適生育温度に設定することが好ましい。
【0028】
<砒素の固定化>
上記化学式(1)及び(2)によって生成する五価砒素を、再溶出し難い安定な結晶性の砒酸鉄の形態で固定化するため、例えば、下記化学式(3)のように、五価砒素を結晶性の砒酸鉄の形態で固定化してもよい。
Fe3++HAsO+2HO→FeAsO・2H0+3H
・・・(3)
【0029】
砒酸鉄は、非晶状態では安定せず、結晶状態となることで安定し、再溶出し難くなる。なお、砒素を安定な結晶性の砒酸鉄の形態で固定化するためには、例えば、常圧下で好熱性鉄酸化菌により二価鉄を三価鉄に酸化させながら砒素と反応させるとよい。
【実施例】
【0030】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
【0031】
【表1】
【0032】
[実施例1]
表2に示す組成の硫酸第一鉄を除いた9K培地200mLに、8.95mmol/Lの硫酸第一鉄七水和物(FeSO・7HO)と、6.67mmol/Lの亜砒酸カリウム(NaAsO)とを加え(三価砒素に対する二価鉄のモル比Fe(II)/As(III)=1.3)、希硫酸でpH1.5に調整した。これに、好熱性鉄酸化菌であるAcidianus brierleyi(保存機関:Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH German Collection of Microorganisms and Cell Cultures,保存番号:1651)を1.0×10cell/mLとなるように接種した後、該培地にyeast extractを0.02g(0.01(w/v)%)添加し、70℃の恒温槽にて回転数100rpmの条件で振盪した。
【0033】
【表2】
【0034】
[実施例2]
硫酸第一鉄七水和物の添加量を17.9mmol/Lにし、三価砒素に対する二価鉄のモル比Fe(II)/As(III)を2.8としたこと以外は、実施例1と同様の方法にてサンプルを振盪した。
【0035】
[実施例3]
硫酸第一鉄七水和物の添加量を26.8mmol/Lにし、三価砒素に対する二価鉄のモル比Fe(II)/As(III)を4.0としたこと以外は、実施例1と同様の方法にてサンプルを振盪した。
【0036】
[実施例4]
硫酸第一鉄七水和物の添加量を36.0mmol/Lにし、三価砒素に対する二価鉄のモル比Fe(II)/As(III)を5.4としたこと以外は、実施例1と同様の方法にてサンプルを振盪した。
【0037】
[比較例1]
硫酸第一鉄七水和物及びyeast extractを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法にてサンプルを振盪した。
【0038】
[比較例2]
yeast extractを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法にてサンプルを振盪した。
【0039】
[比較例3]
硫酸第一鉄七水和物の添加量を17.9mmol/Lにし、三価砒素に対する二価鉄のモル比Fe(II)/As(III)を2.8としたこと、及びyeast extractを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法にてサンプルを振盪した。
【0040】
[比較例4]
硫酸第一鉄七水和物の添加量を26.8mmol/Lにし、三価砒素に対する二価鉄のモル比Fe(II)/As(III)を4.0としたこと、及びyeast extractを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法にてサンプルを振盪した。
【0041】
[比較例5]
硫酸第一鉄七水和物の添加量を36.0mmol/Lにし、三価砒素に対する二価鉄のモル比Fe(II)/As(III)を5.4としたこと、及びyeast extractを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法にてサンプルを振盪した。
【0042】
[比較例6]
比較例3と同じ組成の培地を、好熱性鉄酸化菌を接種せずに振盪した。
【0043】
実施例及び比較例のサンプルを1日間、2日間、4日間、6日間、8日間、10日間(比較例については11日間)、及び14日間振盪させた後のそれぞれについて、遠心分離し、上澄み液と沈殿物とに分けた。そして、上澄み液について全As濃度及びAs(III)濃度を測定した。全As濃度は、ICP発光分光分析装置VISTA MPX(SIIナノテクノロジー社製)を用いてICP−AES法により測定し、As(III)濃度は、ナノバンドエクスプローラー(GL Science社製)を用いてストリッピングボルタンメトリー法により測定した。全As濃度の測定結果を表3及び図1に示し、As(III)濃度の測定結果を表4及び図2に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
特に、図1及び図2によると、二価鉄と、三価砒素と、ペプトン類及び/又はエキス類とを含有する溶液又は土壌に含まれる三価砒素を、好熱性鉄酸化菌を用いて五価砒素に酸化させる砒素酸化工程を含む場合、振盪開始から2日後までの傾きがペプトン類及び/又はエキス類とを含有しない場合の傾きとは著しく異なる。このことから、ペプトン類及び/又はエキス類を含有する培地を用いると、特異的な速度で上澄み液中のAs濃度を減少できることが確認された(実施例1〜4)。二価鉄のモル比であるFe(II)/As(III)については、Fe(II)/As(III)が1.0以上5.0以下であるとより短時間でAs(III)濃度を減少でき(実施例1〜3)、1.0以上3.5以下であるとさらに短時間でAs(III)濃度を減少できることが確認された(実施例1及び2)。
【0047】
各実施例について、沈殿物を構成する元素の価数をX線光電子分光法で分析したところ、五価であったことから、培地中の砒素は三価から五価に酸化し、酸化後の五価砒素の一部は、結晶性砒酸鉄として固定化したものと思われる。また、As(III)濃度は未酸化のAs濃度を示し、上澄み液中の全As濃度とAs(III)濃度との差は、酸化後の五価のAs(V)のうち固定化されていないAs濃度を示すと考えられる。また、上澄み液中の初期の全As濃度と上澄み液中の全As濃度との差は、結晶性砒酸鉄として固定化したAsの量を示すと考えられる。
【0048】
一方、二価鉄を全く加えない場合、As濃度の有意な減少は認められなかった(比較例1)。また、二価鉄を実施例と同じ割合で加えた場合であっても、ペプトン類及び/又はエキス類を含有しない場合、ペプトン類及び/又はエキス類を含有する場合に比べ、As(III)濃度が有意に減少するまでに長時間を要することが確認された(比較例2〜5)。とりわけ、Fe(II)/As(III)が5を超える場合、As濃度の有意な減少は認められなかった(比較例5)。また、対照実験として、好熱性鉄酸化菌を接種せず、ペプトン類及び/又はエキス類を含有しない場合も測定したが、As濃度は変化しなかった(比較例6)。
図1
図2