特許第6133594号(P6133594)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6133594
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】医療用チューブ及び可撓性可変機構
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20170515BHJP
【FI】
   A61B1/00 310C
   A61B1/00 310D
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-285254(P2012-285254)
(22)【出願日】2012年12月27日
(65)【公開番号】特開2014-124475(P2014-124475A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(73)【特許権者】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】飯嶋 一雄
(72)【発明者】
【氏名】徳宮 孝弘
(72)【発明者】
【氏名】正宗 賢
(72)【発明者】
【氏名】左 思洋
【審査官】 山口 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−512935(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0069715(US,A1)
【文献】 特表2009−507617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内蔵チューブと、
前記内蔵チューブを内挿する複数の円筒形状の節輪と、
前記複数の節輪が前記内蔵チューブを内挿しながら順次互いに連結することにより形成される管の周囲に設けられる管状の被覆チューブと、を備え、
前記節輪は、当該節輪の内側に他の前記節輪を嵌合可能な嵌合部と、他の前記節輪の嵌合部に嵌合可能な被嵌合部と、を備え、
前記嵌合部は、前記節輪の端部に向かう程径が大きくなっており、径方向と交わる方向に延在する切欠部を少なくとも1つ備え、
前記内蔵チューブと前記被覆チューブとの内圧が外圧より下がり、前記節輪の前記嵌合部の前記切欠部の間隔が狭まることにより、当該節輪の当該嵌合部と他の前記節輪の被嵌合部とが嵌合して、当該節輪と他の前記節輪とが固定される医療用チューブ。
【請求項2】
前記節輪の前記被嵌合部は、外面に前記円筒の円周方向に沿って複数の凸部を備え、
前記節輪の前記嵌合部は、内面に他の前記節輪の前記凸部と嵌合可能な複数の凹部を備
える請求項1に記載の医療用チューブ。
【請求項3】
前記節輪の前記嵌合部の前記切欠部の間隔が狭まることにより、当該節輪の前記嵌合部の前記複数の凹部と、他の前記節輪の前記被嵌合部の前記複数の凸部とが嵌合し、当該節輪と他の前記節輪とが固定される請求項2に記載の医療用チューブ。
【請求項4】
前記節輪の前記被嵌合部は、他の前記節輪の前記切欠部に挿入可能な突起部を備える請求項1乃至3の何れか一項に記載の医療用チューブ。
【請求項5】
前記節輪の前記嵌合部は、内面から突出する突出部を備え、
前記節輪の前記被嵌合部は、他の前記節輪の前記突出部を挿通可能な挿通切欠部を備える請求項1乃至4の何れか一項に記載の医療用チューブ。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の医療用チューブと、
前記内蔵チューブと前記被覆チューブとの内圧を制御する内圧制御部と、を備え、
前記内圧制御部が、前記内蔵チューブと前記被覆チューブとの内圧を外圧より下げることにより、前記節輪の前記切欠部の間隔が狭まり、複数の前記節輪同士が嵌合し、前記医療用チューブの形状が固定され、
前記内圧制御部が、前記内蔵チューブと前記被覆チューブとの内圧を外圧と略同じにすることにより前記節輪の前記切欠部の間隔が元に戻り、複数の前記節輪同士の嵌合が解除され、前記医療用チューブが湾曲可能となる可撓性可変機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療用チューブ及び可撓性可変機構に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、細長部材である管と、当該管の外周に設けられた突起(係止受け部)と、当該突起に係止可能な係止部と、管の外周を覆う密閉カバーと、密閉カバーと管との間の密閉空間に接続された流体の出入部と、を有する柔剛可変装置が記載されている。そして、特許文献1には、出入部から密閉空間の内部の空気を外部に排出することにより、係止部が管の突起に係止し、管の形状を固定状態とすることができることが記載されている。
【0003】
特許文献2には、患者の身体の内部に挿入される本体が、偏向可能又は操向可能な軸を有し、当該軸は、互いに嵌め込み可能な複数の要素を備えることが記載されている。また、特許文献2には、当該要素の中心には、プルワイヤが貫通するプルワイヤ管腔、スコープ用管腔等を有し、プルワイヤに張力を印加すると、要素が圧迫され軸を所定の位置に固定することができることが記載されている。
【0004】
特許文献3には、内側導管と外側導管とを有する可撓性の操縦自在探査器具が記載されている。また、特許文献3には、内側導管が複数のほぼ円筒状のセグメントが可撓性ケーブルによって数珠つなぎに連結された構成を有することが記載されている。また、特許文献3には、ケーブルに弾性を与えると各セグメントが摩擦力によって動かないように固定されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2007−511247号公報
【特許文献2】特表平06−511163号公報
【特許文献3】国際公開2009/107792号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2では、ワイヤを用いて軸又は内側導管の固定化を行っているため、患者の身体に挿入する部分の径が太くなるという問題がある。
また、特許文献2に記載のセグメントは、ケーブルに弾性を与えていないとき、互いに空回りを起こしてしまうという問題がある。
なお、医療用チューブの可撓性としては、処置の部位に応じてある程度の柔軟性を備えた固定状態となるように医療用チューブを制御できることが求められる。しかし、特許文献1及び2に記載の医療用チューブは、当該固定状態となるように、制御することができないという問題がある。
また、特許文献3では、剛性の高い保持部材が管の長手方向に沿って設置されているため、管が湾曲する方向によって可撓性が異なってしまうという問題がある。すなわち、特許文献3に記載の導管は、可撓性に関して異方性を有してしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施の形態に係る医療用チューブは、内蔵チューブと、前記内蔵チューブを内挿する複数の円筒形状の節輪と、を備える。また、前記医療用チューブは、前記複数の節輪が、前記内蔵チューブを内挿しながら順次互いに連結することにより構成される。また、前記節輪は、当該節輪の内側に他の前記節輪を嵌合可能な嵌合部と、他の前記節輪の嵌合部に嵌合可能な被嵌合部と、を備える。また、前記嵌合部は、前記節輪の端部に向かう程径が大きくなっており、径方向と交わる方向に延在する切欠部を少なくとも1つ備える。また、前記節輪の前記嵌合部の前記切欠部の間隔が狭まることにより、当該節輪の当該嵌合部と他の前記節輪の被嵌合部とが嵌合して、当該節輪と他の前記節輪とが固定される。
【0008】
一実施の形態に係る可撓性可変機構は、前記複数の節輪が順次互いに連結することにより形成される管の周囲に設けられる管状の被覆チューブを備える前記医療用チューブと、前記内蔵チューブと前記被覆チューブとの内圧を制御する内圧制御部と、を備える。また、前記内圧制御部が、前記内蔵チューブと前記被覆チューブとの内圧を外圧より下げることにより、前記節輪の前記切欠部の間隔が狭まり、複数の前記節輪同士が嵌合し、前記医療用チューブの形状が固定される。また、前記内圧制御部が、前記内蔵チューブと前記被覆チューブとの内圧を外圧と略同じにすることにより前記節輪の前記切欠部の間隔が元に戻り、複数の前記節輪同士の嵌合が解除され、前記医療用チューブが湾曲可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、より柔軟性が高く且つ径のより小さい、可撓性可変な医療用チューブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る医療用チューブの節輪を示す斜視図である。
図2】実施の形態1に係る医療用チューブの節輪を示す断面図である。
図3A】実施の形態1に係る節輪を連結した状態を示す断面図である。
図3B】実施の形態1に係る節輪を連結した状態を示す断面図である。
図4】実施の形態2に係る医療用チューブの節輪を示す断面図である。
図5A】実施の形態2に係る節輪を連結した状態を示す断面図である。
図5B】実施の形態2に係る節輪を連結した状態を示す断面図である。
図6】実施の形態3に係る医療用チューブの節輪を示す斜視図である。
図7】実施の形態3に係る医療用チューブの節輪を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用可能な実施の形態について説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
実施の形態1.
実施の形態1に係る医療用チューブ100の構成について図1図3を参照して説明する。図1は、実施の形態1に係る医療用チューブ100の節輪1を示す斜視図である。図2は、実施の形態1に係る医療用チューブ100の節輪1を示す断面図である。図3は、実施の形態1に係る節輪1を連結した状態を示す断面図である。
医療用チューブ100は、図3に示すように、内蔵チューブ200と、内蔵チューブ200を内挿する複数の円筒状の節輪1を備えている。また、医療用チューブ200は、複数の節輪1が、内蔵チューブ200を内挿しながら順次互いに連結するころにより構成される。
【0013】
具体的には、図3に示すように、節輪1は、当該節輪1の円筒の穴部に内蔵チューブ200を内挿する。また、複数の節輪1は、当該節輪1の円筒の穴部に内蔵チューブ200を内挿しながら、互いに連結する。
また、図3に示すように、医療用チューブ100は、複数の節輪1が連結することにより形成される管の周囲に設けられる管状の被覆チューブ300をさらに備える。換言すれば、被覆チューブ300は、複数の節輪1が連結することにより形成される管の外周を覆っている。
なお、内蔵チューブ200及び被覆チューブ300は、湾曲可能な素材で形成されている。また、被覆チューブ300は、患者の身体の内部に挿入可能な素材で形成されている。
また、医療用チューブ100は、以下に詳述するように、複数の節輪1同士が固定されずに連結している場合湾曲可能であり、複数の節輪1同士が固定されて連結している場合その形状が固定される。
また、節輪1の製造方法としては、節輪1に用いられる素材により各種一般的な方法が使用可能であり、特に限定されるものではなく、例えば、各種の樹脂、金属等の加工方法等を用いることができる。例えば、節輪1は、金型成形により製造されてもよいし、切削加工により製造されてもよい。
【0014】
また、節輪1は、図1図2に示すように、当該節輪1の内側に他の節輪1を嵌合可能な嵌合部11と、他の節輪1の嵌合部11に嵌合可能な被嵌合部12と、を備える。
また、嵌合部11の径は、節輪1の端部に向かう程大きくなっている。また、嵌合部11は、径方向と交わる方向に延在する切欠部13を少なくとも1つ備える。
本実施の形態1では、切欠部13は、2つ設けられている。なお、切欠部13の形状及び数は本実施の形態に限定されるものではない。
【0015】
また、節輪1は、嵌合部11の切欠部13の間隔が狭まったり元に戻ったりすることが可能な程度に、柔軟な素材で形成されている。
図3Aに、節輪1と他の節輪1とが固定されずに連結している状態を示し、図3Bに、節輪1と他の節輪1とが固定されて連結している状態を示す。また、図3は、簡略的な図であるが、図3Aは、節輪1の嵌合部11の切欠部13の間隔が狭まっていない状態を示す。一方、図3Bは、節輪1の嵌合部11の切欠部13の間隔が狭まっている状態を示す。そして、図3に示すように、節輪1の嵌合部11の切欠部13の間隔が狭まることにより、当該節輪1の当該嵌合部と他の節輪1の被嵌合部12とが嵌合して、当該節輪1と他の節輪1とが固定される。
【0016】
より具体的には、節輪1の被嵌合部12は、外面に、当該節輪1の円筒の円周方向に沿って複数の凸部14を備える。また、節輪1の嵌合部11は、内面に、他の節輪1の凸部14と嵌合可能な複数の凹部15を備える。そして、図3に示すように、節輪1の嵌合部11の切欠部13の間隔が狭まることにより、一の節輪1の被嵌合部12の複数の凸部14と、他の節輪1の嵌合部11の複数の凹部15とが嵌合する。これにより、当該一の節輪1と他の節輪1とが固定される。
【0017】
なお、嵌合部11の凹部15、及び、被嵌合部12の凸部14は、節輪1同士を互いに嵌合可能とするための形状の一例である。そのため、嵌合部11と被嵌合部12との嵌合面の形状は、本実施の形態に限定されるものではない。例えば、嵌合部11の凹部15及び被嵌合部12の凸部14は、節輪1の円周方向に沿って設けられていなくてもよい。
また、嵌合部11の凹部15の深さ、及び、被嵌合部12の凸部14の高さを調節することにより、節輪1同士の嵌合力を調節することができる。また、嵌合部11に設けられる凹部15の長さ、及び、被嵌合部12の凸部14の長さを調節することにより、節輪1同士の嵌合力を調節することができる。
【0018】
また、実施の形態1に係る可撓性可変機構は、上述の医療用チューブ100と、内蔵チューブ200と被覆チューブ300との内圧を制御する内圧制御部(図示省略)と、を備える。
そして、内圧制御部が、内蔵チューブ200と被覆チューブ300との内圧を外圧より下げることにより、節輪1の切欠部13の間隔が狭まり、複数の節輪1同士が嵌合し、医療用チューブ100の形状が固定される。
一方、内圧制御部が、内蔵チューブ200と被覆チューブ300との内圧を外圧と略同じにすることにより節輪1の切欠部13の間隔が元に戻り、複数の節輪1同士の嵌合が解除され、医療用チューブ100が湾曲可能となる。
【0019】
内圧制御部は、例えば、内蔵チューブ200と被覆チューブ300との間の流体(気体や液体等)を出し入れすることにより、内蔵チューブ200と被覆チューブ300との内圧を制御する。なお、内圧制御部は、節輪1の切欠部13の間隔を狭めたり、元に戻したりする制御を行うもの一例である。よって、可撓性可変機構は、内圧制御部の代わりに、被覆チューブ300を外周側から押圧することにより、節輪1の切欠部13の間隔を狭めるものを備えてもよい。
【0020】
以上、説明したように、実施の形態1に係る医療用チューブ100は、内蔵チューブと、内蔵チューブ200を内挿する複数の円筒形状の節輪1を備える。また、医療用チューブ100は、複数の節輪1が内蔵チューブ200を内挿しながら順次互いに連結することにより構成される。換言すれば、内蔵チューブ200を内挿するように、複数の節輪1を当該内蔵チューブに順次装着することにより、医療用チューブ100が構成される。また、節輪1は、当該節輪1の内側に他の節輪1を嵌合可能な嵌合部11と、他の節輪1の嵌合部11に嵌合可能な被嵌合部12と、を備える。嵌合部11は、節輪1の端部に向かう程径が大きくなっており、径方向と交わる方向に延在する切欠部13を少なくとも1つ備える。また、節輪1の嵌合部11の切欠部13の間隔が狭まることにより、当該節輪1の当該嵌合部11と他の節輪1の被嵌合部12とが嵌合して、当該節輪1と他の節輪1とが固定される。
【0021】
これにより、医療用チューブ100に駆動ワイヤを設けたり、内蔵チューブ200の外周に剛性の高い保持部材との係止部を設けたりしなくとも、節輪1同士を嵌合させるだけで医療用チューブ100の形状を固定することができる。そのため、より柔軟性が高く且つ径のより小さい、可撓性可変な医療用チューブ100を提供することができる。
【0022】
また、実施の形態1に係る可撓性可変機構は、複数の節輪1が順次互いに連結することにより形成される管の周囲に設けられる管状の被覆チューブ300を備える医療用チューブ100と、内蔵チューブ200と被覆チューブ300との内圧を制御する内圧制御部と、を備える。そして、内圧制御部が、内蔵チューブ200と被覆チューブ300との内圧を外圧より下げることにより、節輪1の切欠部13の間隔が狭まり、複数の節輪1同士が嵌合し、医療用チューブ100の形状が固定される。一方、内圧制御部が、内蔵チューブ200と被覆チューブ300との内圧を外圧と略同じにすることにより、節輪1の切欠部13の間隔が元に戻り、複数の節輪1同士の嵌合が解除され、医療用チューブ100が湾曲可能となる。
【0023】
これにより、内蔵チューブ200と被覆チューブ300との内圧を制御するだけで医療用チューブ100の可撓性を制御することができる。換言すれば、より容易な構成で、医療用チューブ100の可撓性を制御することができる。
【0024】
実施の形態2.
実施の形態2に係る医療用チューブ100Aの構成について図4図5を参照して説明する。図4は、実施の形態2に係る医療用チューブ100Aの節輪1Aを示す断面図である。図5は、実施の形態2に係る節輪1Aを連結した状態を示す断面図である。具体的には、図5Aに、節輪1と他の節輪1とが固定されずに連結している状態を示し、図5Bに、節輪1と他の節輪1とが固定されて連結している状態を示す。
図4図5に示すように、実施の形態2にかかる医療用チューブ100Aは、節輪1Aが突起部16を備える点のみが、実施の形態1にかかる医療用チューブ100と異なる。よって、同様の構成については同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0025】
節輪1Aの被嵌合部12は、他の節輪1Aの切欠部13に挿入可能な突起部16を備える。突起部16の形状は、切欠部13に挿入可能な形状であればよい。また、突起部16の高さは、突起部16が、嵌合部11の切欠部13が形成されている部分の外面より突出する程度に高い。これにより、一の節輪1Aと他の節輪1Aとが連結するときに、一の節輪1Aの突起部16が他の節輪の切欠部13に挿入されることにより、当該突起部16が切欠部13に引っかかるようになり、一の節輪1Aと他の節輪1Aとが空回りするのを防ぐことができる。
なお、突起部16の形状は、切欠部13に挿入可能で、かつ、切欠部13に引っかかるように形成されていればよく、本実施の形態に限定されるものではない。
【0026】
実施の形態2に係る医療用チューブ100Aによれば、一の節輪1Aと他の節輪1Aとが連結するときに、一の節輪1Aの突起部16が他の節輪の切欠部13に挿入されることにより、当該突起部16が切欠部13に引っかかるようになり、一の節輪1Aと他の節輪1Aとが空回りするのを防ぐことができる。換言すれば、医療用チューブ100Aに回転トルクを加えた場合に、節輪1A同士の空回りが防止され、回転トルクに対する医療用チューブの追従性を向上することができる。
【0027】
実施の形態3.
実施の形態3に係る医療用チューブの構成について図6を参照して説明する。図6は、実施の形態3に係る医療用チューブの節輪1Bを示す斜視図である。図7は、実施の形態3に係る医療用チューブの節輪1Bを示す側面図である。
図6図7に示すように、実施の形態3にかかる医療用チューブは、節輪1Cが突出部17及び挿通切欠部18を備える点のみが、実施の形態2にかかる医療用チューブ100Aと異なる。よって、同様の構成については同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0028】
節輪1Bの嵌合部11は、内面から突出する突出部17を備える。
また、節輪1Bの被嵌合部12は、他の節輪の突出部17を挿通可能な挿通切欠部18を備える。
【0029】
突出部17は、図6図7において、突出部17は、挿通切欠部18に挿通可能な幅及び長さで嵌合部11の内面から突出している。図6図7においては、突出部17は略直方体形状となっているが、突出部17の形状は、挿通切欠部18に挿通可能な形状であればよく、本実施の形態に限定されない。
挿通切欠部18は、節輪1Bの端部から被嵌合部12が略矩形形状に切り欠かれた部分である。挿通切欠部18の幅及び長さは、突出部17を挿通可能な大きさとなっている。なお、挿通切欠部18の形状は、突出部17を挿通可能な形状であればよく、本実施の形態に限定されない。
【0030】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0031】
1、1A、1B 節輪
11 嵌合部
12 被嵌合部
13 切欠部
14 凸部
15 凹部
16 突起部
17 突出部
18 挿通切欠部
100、100A 医療用チューブ
200 内蔵チューブ
300 被覆チューブ
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7