【文献】
TIMMS,P.L.,Boron-Fluorine Chemistry. I.Boron Monofluoride and Some Derivates,J.Am.Chem.Soc.,米国,1966年 3月29日,Vol.89,No.7,PP.1629-1632
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ホウ素含有固体は、三フッ化ホウ素との異なる反応性の結晶面を含む単結晶の形のホウ素含有固体を含み、単結晶の前記ホウ素含有固体の表面積の主要な分画が、単結晶の前記ホウ素含有固体のその他の結晶面より高い三フッ化ホウ素との反応性を有する結晶面の表面積を含む、請求項1に記載の反応器システム。
前記シールが、前記シールへの圧力を維持するために有効な分割フランジの下に配置された、パーフルオロエラストマー材料を含むOリングを備える、請求項11に記載の反応器システム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0024] 本開示は、流体と固体反応材料との反応から中間体及び最終生成物を生成するための反応システム及び方法に関する。特定の態様では、本開示は、反応器システム及びB
2F
4などのホウ素前駆体の製造方法に関する。
【0019】
[0025] より特定の態様では、本開示は、反応システム及びB
2F
4の製造プロセスを提供する。四フッ化二ホウ素は、−56℃の融点及び−34℃の標準沸点及び21℃で9.54barの蒸気圧を有する液化可能ガスである。
【0020】
[0026] 本開示の特定の態様では、四フッ化二ホウ素(B
2F
4)は、従来の三フッ化ホウ素前駆体よりも利点を提供する前駆体化合物であるが、それは一つには、ホウ素間化学結合の性質に起因して、三フッ化ホウ素よりも解離及びイオン化が有意により容易なためである。その結果、四フッ化二ホウ素の使用により、有意により高いビーム電流を達成することが可能である。原子質量単位(AMU)磁石選択を利用すれば、三フッ化ホウ素を前駆体として使用した場合に選択される場合と同一のイオン(
11B又は
11BF
2)を、同一のイオン注入ツールで、注入用に選択することが可能である。それに加えて、四フッ化二ホウ素は、安全性強化槽内に、例えば、ATMI, Inc.(Danbury, Connecticut, USA)からVACという商標で市販されている圧力調整供給槽内に、又は収着剤が四フッ化二ホウ素用の貯蔵媒体として機能する収着剤含有供給槽内に、供給されることが可能である。
【0021】
[0027] 本開示に従って四フッ化二ホウ素を製造するために、ホウ素又はホウ素含有化合物を高温でBF
3に接触させて中間体としてBFを発生させる。この配置構成の特定の実施形態では、三フッ化ホウ素は、2200℃までの高温、例えば、1000℃〜2200℃の範囲内の温度の反応ゾーンを有するホウ素含有固体床を通る。特定の用途で有用に利用し得るそのように広範な1000℃〜2200℃内の温度の部分範囲としては、部分範囲の下限温度が、任意の好適な値、例えば、1000℃、1050℃、1100℃、1150℃、1200℃、1250℃、1300℃、1350℃、1400℃、1450℃、1500℃、1550℃、1600℃、1650℃、1700℃、1750℃、1800℃、1850℃、1900℃、1950℃、2000℃、2050℃、2100℃、又は2150℃を有し得る、かつ、そのような部分範囲の上限が、部分範囲の下限よりも大きい値、例えば、特定の実施形態では、1050℃、1100℃、1150℃、1200℃、1250℃、1300℃、1350℃、1400℃、1450℃、1500℃、1550℃、1600℃、1650℃、1700℃、1750℃、1800℃、1850℃、1900℃、1950℃、2000℃、2050℃、2100℃、2150℃、又は2200℃の上限温度を有する、部分範囲が含まれる。BFを生成する本開示の広義の実施では、さらに他の温度範囲を利用することが可能であるか、又は本明細書に開示されている反応器システム及び方法を他の中間体及び最終生成物の生成に利用する場合、好適な特性の他の温度範囲を利用することが可能である。
【0022】
[0028] 本開示では、反応ゾーンの統合化されたアセンブリでの、ホウ素含有化合物とBF
3ガスとの反応における熱制御が考えられる。そのような温度の制御は、反応ゾーンでの温度の変化を調整し、反応ゾーンへの又は反応ゾーンからの熱エネルギーの通路が所望の平均温度を達成するために調整されるように、測定されるか、そうでなければ検出される。特に、反応ゾーンの温度条件は所定の温度範囲に熱的に制御される。
【0023】
[0029] このような熱制御は、熱電対、温度調節センサ、高温測定センサ、又は、温度を感知若しくはモニタするように構成されるその他の装置を、加熱冷却装置、プロセッサ、並びに加熱冷却装置と動作可能にリンクされるCPU及び/又はその他のコントローラと組み合わせて用いることにより達成されてもよい。このようなシステムは、温度センサが温度感知信号を生成し、信号がプロセッサに伝達され、次に、所望の設定点温度を維持するために必要に応じて加熱装置又は冷却装置を動かすように動作されてもよい。
【0024】
[0030] 一フッ化ホウ素は、反応器の反応ゾーン又は高温部で生成されるB
2F
4前駆体である。(i)BF
3+2B=3BFの反応のために、反応ゾーンの温度を一定のレベルに上げ、制御された方法で開始及び進めること、及び、(ii)高速の温度変化による反応器構成要素への熱衝撃を防ぐこと、が意図される単純な時間的温度プロファイルが使用されてもよい。
【0025】
[0031] 他の実施の形態では、その他の時間的温度プロファイルが特定の利点を提供し得る。例えば、初期温度勾配は、線形的、階段的、指数関数的、又は十分に急速な方法で反応ゾーンの温度を上昇させるために意図される任意のその他のプロファイルでもよい。温度プロファイルは、線形プロファイルとして維持されてもよく、又は、例えば、ホウ素固体は反応中に減少するため、その使用を増加させるその他の形でもよい。また、温度プロファイルはBF
3流動プロファイルと同期してもよい。温度低下は、線形的、階段的、指数関数的、又は反応器構成要素に熱衝撃を引き起こすことなく高温領域の高速冷却に最適な任意のその他の形でもよい。
【0026】
[0032] また、BF生成を最大にするために空間温度プロファイルを最適化することができてもよい。例えば、2つ以上の高周波(RF)加熱コイルを使用することにより、このようなプロファイルは、反応キャビティのいくつかの容積で反応ゾーンを構成するために調整されてもよい。2、3のRFコイルの強めあう干渉を用いて、BFの生成を改善するために、反応ゾーンの移動、サイズ若しくは形の変更、又は調整ができる。また、これは反応ゾーンの機械的な移動によって改良されてもよい。
【0027】
[0033] ホウ素含有固体と三フッ化ホウ素との反応時の圧力は、特定の実施形態では、任意の適切な値、例えば、10
−6〜1,000torrの範囲内の圧力であり得る。
【0028】
[0034] 中間体BFの生成に利用されるホウ素含有固体は、任意の適切なサイズ及び形状特性、例えば、反応ゾーン内の反応固体が三フッ化ホウ素に十分に接触して所望の量のフッ化ホウ素(BF)中間体を生成するように、BF
3が送達される反応ゾーン内への固体の充填を可能にするサイズ及び形状特性を有し得る。
【0029】
[0035] 前述の考察と合致して、本開示の広義の実施で使用される反応固体は、粉末、顆粒、ペレット、小板、基材担体粒子上の固体膜などを含めて、任意のサイズの粒子又は不連続形態で提供されてもよい。特に、均一、標準、二重、三重、及び多モード分布を含む最適化された粒子サイズ分布は、反応ゾーンでのホウ素含有固体のより優れた成形のために使用されてもよい。このような成形は、長期間にわたる反応、従って、より高いB
2F
4スループットをもたらす。それに加えて、固体反応粒子床の空隙体積を低減するために、かつ、固体反応粒子床を静止させるケーシングの単位体積あたりの反応固体の量を最大化するために、多モード粒子サイズ分布を利用することが可能である。固体粒子サイズ及び形は、粒子床のより優れた熱均一性及び/又は床を通してのより優れたガス流動挙動のために最適化されてもよい。
【0030】
[0036] 本開示の一態様では、ホウ素含有固体は、生成量及びスループットを上昇させるために、より反応する格子面をBF
3の方へ露出するように処理される。例えば、(lmn)格子面がBF生成においてより高い反応速度を有するとわかる場合、(lmn)面の表面積の高い分画を有するホウ素含有材料の単結晶の使用は有利となり得る。代替的に、有利な(lmn)格子面の低い分画による結晶子は、あまり反応しない格子面を隠して、より反応する面を優先して露出するように、マクロ組織に配置されることができる。
【0031】
[0037] より高温の反応ゾーンで使用される反応固体は、任意の適切なタイプであり得る。四フッ化二ホウ素などのホウ素化合物の生成では、固体ホウ素を好適な固体反応剤として例示的に記載してきた。他の実施形態では、ホウ素金属以外の反応固体をBF
3の接触に使用することが望ましいことがある。例えば、ホウ素は任意の好適なホウ素含有化合物に存在可能である。本開示の好ましい態様におけるホウ素含有化合物は、ホウ素原子が最も高い酸化状態でない。本発明の一態様では、以下のホウ素含有固体又はそれらの混合物は、BF
3との反応において、BFのより有効な生成のために使用され得る。(i)化学量論的式によるホウ素含有化合物、例えば、M
4B、M
3B、M
5B
2、M
7B
3、M
2B、M
5B
3、M
3B
2、M
11B
5、MB、M
10B
11、M
3B
4、M
2B
3、M
3B
5、MB
2、M
2B
5、MB
3、MB
4、MB
6、M
2B
13、MB
10、MB
12、MB
15、MB
18、MB
66など(ここでMは、いくつか化学量論組成のホウ化物が存在する周期表の元素、例えば、B
4C及びC(炭素)を表す)又は(ii)非化学量論的式によるホウ素含有化合物。また、このようなホウ素含有固体は、任意の2つ以上のホウ素含有化合物の混合物で使用されてもよく、混合物の各化合物は、独立して選択される。粒子床内の化合物の混合物は、最適な反応設計及び制御のために均一でも層状でもよい。
【0032】
[0038] 本開示の一態様では、反応ゾーンの組成物をホウ素含有固体の組成物と一致させることが望ましいこともある。特に、反応ゾーンの構成部品及び構成要素がカーボン又はグラファイトから作製される場合、B
4Cなどの炭化ホウ素は、反応ゾーンに追加の元素を導入しないというさらなる利点を提供し得る。
【0033】
[0039] ホウ素含有固体は、例えば、反応器装置のスケール及び反応キャビティ内のケーシング内に固体を保持すべく使用される保持構造に応じて、1mm〜5cmの範囲内の直径又は特性主要寸法を有し得る。保持構造は、1つ又は複数の任意の好適なタイプ、例えば、スクリーン、グリッド、ロッド、オフセットプレート、カップ、金属又は非金属のウールプラグなどであり得る。ホウ素含有固体は、凝縮ゾーンで捕獲されるように反応ゾーンからのBF中間体の排出を可能にする任意の好適な方式で配置構成されることが可能である。
【0034】
[0040] ホウ素含有固体が、中間体としてBFを生成するために高温でBF
3と接触した後、BF中間体及び未反応BF
3は、反応ゾーンから、BF中間体及び未反応BF
3が凝縮する凝縮ゾーンに排出される。凝縮ゾーンは、例えば、コールドトラップを含んでもよく、そこでは、BF中間体及び未反応BF
3は、コールドトラップの冷却又は冷蔵された表面で凝縮し、BFとBF
3との反応によりB
2F
4を生成する。
【0035】
[0041] 本開示の一実施形態では、反応器システムは表面に開口を有するケーシングの内部にホウ素含有固体反応剤を配置することにより利用され、ケーシングの底部には、ホウ素含有固体を支持してそれをケーシングの内部空間内に維持する保持構造が設けられており、保持構造を通って反応ガスが流動することができるようになっている。ケーシングは反応キャビティ内に挿入され、このキャビティは、例えば、石英又はグラファイトなどの好適な材料で形成された中空円筒の形状をとり得る。内側円筒表面がケーシングに対して離間した関係になるように、そのような円筒の内径はケーシングの直径よりも大きい。特定の配置構成では、ケーシング及び円筒は、それらの間に環状空間が形成されるように、互いに同軸状に配置されることが可能である。円筒及びケーシングは、液体窒素や他の伝熱冷却媒体などの好適な冷却剤又は他の冷却源により冷却される凝縮ゾーンと直接的な流体連通状態にある。
【0036】
[0042] この配置構成では、円筒形状の反応ゾーン内にケーシングを配置した状態で、ホウ素含有固体をケーシング内に充填してホウ素含有固体床を形成することが可能である。このアセンブリは、反応ゾーンに三フッ化ホウ素を送達するチューブにより懸架されることが可能であり、その結果、三フッ化ホウ素は、そのような反応ゾーン内でホウ素含有固体と反応してフッ化ホウ素(BF)中間体を生成する。
【0037】
[0043] BF中間体及び未反応BF
3は、好ましくは、反応ゾーンから凝縮ゾーンに直接排出される。そのような配置構成では、BF中間体及び未反応BF
3は、例えば、コールドトラップの表面で凝縮し、BFとBF
3との反応によりB
2F
4を生成する。十分な量のBF、BF
3、及びB
2F
4が凝縮した後、反応を停止させて凝縮ゾーンをより高い温度にすることにより、B
2F
4及びB
xF
y(高級/高分子量フッ化ホウ素種、ここでx及びyは化学量論的に適切な値を有する)及び未反応BF
3などの反応生成物を蒸発させる。次いで、B
2F
4含有ガス混合物を凝縮ゾーンからポンプで取り出して蒸留などの回収処理に付してB
2F
4を回収すると同時に、BF
3を回収して再循環させて反応器に戻すか、又は、他の処分又は使用に付すことが可能である。
【0038】
[0044] 凝縮ゾーンからの反応生成物成分の再循環は、本開示の特定の実装形態に有用であり得る。例えば、より低温の反応ゾーンからの反応生成物混合物のB
xF
y成分を加熱に付してそれを分解することにより、凝縮ゾーンの反応プロセスの回収副生成物として固体ホウ素を生成することが可能である。
【0039】
[0045] 特定の実施形態では、同様にグラファイト又はセラミックスで又はその代わりに他の適切な構成材料で形成され得る円筒状ケーシング内にホウ素含有固体を充填し、次いで、他の非調心配置をとることも可能であるが、好ましくはケーシングが円筒状キャビティ内に調心されるように、円筒状反応キャビティ内にケーシングが配置される。有利には、BF
3がケーシングの頂部から進入して、ホウ素含有固体を通り、そして反応キャビティが位置する有孔セクションに到達するように、ケーシングには、その下側セクションに孔が設けられている。BF
3反応剤とホウ素含有反応剤との反応から反応ゾーン内で生成されたBFは、ケーシングの孔から出た後、下方に流動して凝縮ゾーン内に入る。ケーシング及び反応キャビティの底部での閉塞は、ケーシングと反応キャビティとの間にギャップを設けることにより低減される。
図4に一例が示され、ここで、ケーシングアセンブリ31は、固体反応剤32、反応キャビティ33、及びケーシング34を含む。
【0040】
[0046] ケーシングと反応キャビティとを含む反応器アセンブリを位置決めする際、水平方向又は垂直方向又は反応器アセンブリの水平位置と垂直位置とのなす任意の角度の角度方向を利用することができる。反応キャビティ内に配置される有孔ケーシングの開口形状は、均一又は不均一な特性を有することが可能であり、円形であり得るか、又はケーシングからフッ化ホウ素及び三フッ化ホウ素を流出させる開放経路を維持すると同時に、三フッ化ホウ素とホウ素含有固体との適切な接触を行うという目的に合致する、他の幾何学形状を有し得る。ホウ素含有固体の形状及び/又はサイズは、均一又は不均一な特性を有し得る。
【0041】
[0047] より一般的には、反応キャビティ内のケーシングの開口の特性、並びに反応に利用されるホウ素含有固体のモルフォロジー、形状、結晶性、及びサイズは、ホウ素含有固体と三フッ化ホウ素との反応を最適化すべく個別に又は組合せで調整されることが可能なパラメータである。
【0042】
[0048] ケーシング及び/又は反応キャビティは、有利には、金属、石英、グラファイト、又は他の炭素質材料で形成されることが可能である。グラファイトは、そのような目的のケーシングに好適である。なぜなら、反応ゾーン、例えば、円筒状キャビティを含むゾーン及び反応固体を含有するケーシングに対して外接して配置された電気コイルの高周波(RF)場で誘導される振動電流により、そのような材料内に抵抗により容易に熱を発生させることが可能であるからである。RFコイルは、三フッ化ホウ素とホウ素含有固体との反応に必要とされる高温をそのような固体を保持するケーシング内で達成するための単純かつ効果的な配置構成を提供する。以上で説明したケーシングは、有孔特性を有し得るか、多孔性収着性透過性材料で構築し得るか、又は他の選択肢として内部での高温反応により生成された中間体を送出するための1つ又は複数の開口を有してよい。
【0043】
[0049] 反応ガスが流動する反応固体接触ゾーンにグラファイト材料を使用すること、及び、そのようなグラファイト材料を反応温度に抵抗加熱するためにRFコイルを使用することに関して、コイルの間隔、直径、形状、複数のコイルの使用などが、加えられるRF場のジオメトリ及び強度に影響を及ぼすことがわかるであろう。本明細書の開示に基づいて、当該技術の範囲内で、反応ゾーン内で反応固体と反応ガスとの反応生成物としてBF中間体の効率的生成を達成するために、RFコイルを適切に構築及び配置して、高温反応ゾーン内に有効な軸方向及び半径方向の温度プロファイルを提供することが可能である。
【0044】
[0050] ホウ素固体を含有するケーシングの構築にはグラファイトが好適であるが、2200℃までの温度に耐え、かつ対象となる全温度範囲にわたり三フッ化ホウ素に対して不活性であるかぎり、金属、セラミックス、又は他の高温材料を利用してもよい。
【0045】
[0051] 例えば、反応ゾーンの高温のための熱源は、伝導加熱、誘導加熱、対流加熱、抵抗加熱、及び輻射加熱のうちの少なくとも1つを含む加熱方式により反応ゾーン内を所定の温度に維持するように構成されることが可能である。そのような観点から、熱源は、反応ゾーン内を反応領域内での材料の堆積及び/又は凝縮を防止するのに有効な温度に維持するように、例えば、反応ゾーン内を1000℃〜2200℃の範囲内の温度に維持するように、構成されることが可能である。
【0046】
[0052] 一実施形態の反応器システムは3つの主要な部分を含む。
図1に示すように、反応器システム200は、プロセス及びパージガスが供給される上部1と、高温反応が生じる反応ゾーンを含む中間部2と、生成物が(例えば液体窒素によって)低温で冷却されて凝縮される凝縮ゾーンを含む底部3と、を備える。この実施形態の反応器システムは、高温反応のためのエネルギーを提供する誘導加熱システムと、熱管理のための冷却水システムと、極低温領域で反応物を冷却するための液体窒素デュワーと、を含む。液体窒素デュワーは、反応器システムの底部の温度の制御を支援する、連結された液圧リフトを有する。
図2及び
図3はこの反応器システムを図示する。
【0047】
[0053]
図2に示すように、この実施形態の反応器システム200の上部は、ビューポート11と、ガス入口チャンバ12と、アダプタフランジ13と、移行チャンバ14と、を備える。反応器システムの中間部は石英ジャケット19を備える。また、中間部は、
図4に示すケーシングアセンブリ31を備える。反応器システムの底部は、分割フランジ16と、下部フランジ17と、コールドトラップ18と、を備える。
【0048】
[0054]
図3に示すように、本開示のある実施形態に係る反応器システム200を含む、設置された反応器システムは、反応器21と、反応器支持部22と、液体窒素容器80と、液圧リフト90と、誘導加熱ステーション23と、を備える。
【0049】
[0055] 本開示のある実施形態では、中間種の生成に有効な温度及び圧力の条件下で固体材料に気体反応剤を接触させる反応ゾーンと、気体反応剤の未反応部分及び中間種を反応ゾーンから凝縮ゾーンに送出することを可能にする開口と、反応ゾーンを凝縮ゾーンに密閉して連結する、開口を取り囲んでいるシールと、を備える反応器システムが提供されてもよい。特定の実施形態では、開口は、反応領域からの中間種及び未反応気体反応剤の排出に適合するように、単一の開口により又はその代わりに複数の開口により、種々に構成されてもよい。開口は、例えば、中間種と未反応気体反応剤とをさらに反応させて最終生成物を生成するさらなる反応器への、中間種及び未反応気体反応剤の特定の排出を可能にする、管腔又は通路又は他の構造構成体により、構成されてもよい。
【0050】
[0056] 反応ゾーンを凝縮ゾーンと連結するシールは、化学的適合性、適用温度、シール圧、サイズ、及びコストなどの要件により選択される。シールは、真空又は過圧の状況下で、反応ゾーンと凝縮ゾーンとを密閉して連結することが可能でなければならない。シールは、さらに、気体反応剤の未反応部分及び中間種を反応ゾーンに送出できるように開口を完全に取り囲む。
【0051】
[0057] シールは、反応システムの動作時、現存する圧力及び温度条件の下で、反応ゾーンと凝縮ゾーンとの間に十分なシールを提供する任意の適切なサイズ、形、及び特性でもよい。シールは、一実施形態では、Oリングである。さらなる実施形態では、シールはパーフルオロエラストマー材料を含んでもよい。
【0052】
[0058] 一実施形態では、反応器システムの中間部の反応ゾーンは、水冷された二重壁の石英ジャケットである反応器を備えてもよい。このジャケットの中央に、高温反応のために加熱されるケーシング又はるつぼがある。反応生成物が凝縮して壁で固まるように、反応器システムの底部又は凝縮ゾーンは、ステンレス鋼で構成される槽であり、液体窒素に浸けられる。
【0053】
[0059] 一例として、
図3に示す液圧リフト90は、凝縮ゾーンで反応物を冷却及び凝縮するために、必要に応じて、極低温で冷却が可能である液体窒素又はその他の材料を含有するデュワー又は槽を、上下に移動させるために使用されてもよい。この移動は、必要に応じて、有効な冷却及び加温のための所定の要件により、自動化されてもよい。例えば、極低温領域は、極低温で冷却可能な材料を含有する槽を、最上位置と最下位置との間で、上方向及び下方向の選択された一方に移動させるように構成された液圧リフトの使用によって制御される。
【0054】
[0060] 二重壁の石英ジャケットが反応ゾーンのために使用され、ステンレス鋼円筒が凝縮ゾーンのために使用される実施形態では、真空下及び過圧下の両方で、石英と金属部品との間のシールを維持するために、パーフルオロエラストマー(FFKM)Oリングが使用される。このOリングを、反応ゾーンすなわち加熱されたるつぼと、凝縮ゾーンすなわち反応器の冷却された下部とに関連する上下両方の温度限界から保護するため、Oリングがそうでない場合にさらされる温度限界を最小にするように、水路が使用可能である。そうでない場合、これらの温度限界は、Oリングの寿命を減らし、すべてのプロセス条件下でシールを維持することを妨げる。
【0055】
[0061] Oリング上の圧縮を物理的に維持するために、高性能エンジニアリング熱可塑性プラスチックで構成される分割フランジが使用されてもよい。例えば熱可塑性プラスチックは、40%のガラス繊維入りのポリフェニレンサルファイド、ビスマレイミド、ポリスルホン、又はその他の高性能エンジニアリング熱可塑性プラスチックを含んでもよい。
図4は、本開示のある実施形態に係る反応器システム200のモデル断面図である。
図5は、
図4の反応器システム200の一部分を拡大したものである。図示されるように、Oリング41は下部フランジ17上で分割フランジ16の下に配置される。
図5の拡大図において、Oリングの圧縮が反応器システムの動作の要件により維持されるように、Oリング41、分割フランジ16、下部フランジ17、及びクッション層42は、コールドトラップ18(
図4)より上に配置される。また、石英ジャケット19は
図4及び
図5に示される。
【0056】
[0062] 分割フランジのための複合材料は、高温反応ゾーンで動作し、誘導加熱システムによって生成されるRF場と結合しない、その能力のために選択された。同様にカプリング効果を最小にするように、分割フランジを固定するために使用されるボルトは真鍮である。真鍮のボルトと分割フランジとの間だけでなく、分割フランジと石英ジャケットとの間でも、ポリ四フッ化エチレンなどのフルオロカーボンが、クッションとして、及び熱的分離の追加の層を提供するために両方で使用されてもよい。一実施形態では、窒素ガスは、Oリングシールのまわりに直接、その領域から酸素を移動するだけでなく、ボルトに冷却を提供するために、分割フランジでチャネルを通して吹きつけられる。
【0057】
[0063] 本開示のある実施形態では、水路により、下部フランジを通して水を循環させることができる。水の温度は、熱交換器を使用して約21℃程度に制御される。反応の高温工程の間、水は、下部フランジから熱を受けとるために使用され、Oリングを過熱から保護するために引き離す。Oリングを過熱すると、損傷を引き起こすことがある。反応器の底部が依然として液体窒素内にある高温工程の後、水路は、フランジ及びさらに具体的にはOリングが過剰に冷却されるのを防ぐために使用される。Oリングを過剰に冷却すると、その完全性を失って、リークを生じる原因になることがあり得る。
【0058】
[0064] 個別の実施形態では、反応ゾーンは金属反応器、すなわち、ケーシング及び反応キャビティなどのすべての構成材料が金属である反応器を含んでもよい。この実施形態では、金属シールが使用されてもよく、熱源は反応ゾーン内に配置されてもよい。例えば、熱源は、伝導加熱、誘導加熱、対流加熱、抵抗加熱、及び輻射加熱のうちの少なくとも1つを含む加熱方式により反応ゾーン内を所定の温度に維持するように構成されることが可能である。そのような観点から、熱源は、反応ゾーン内を反応領域内での材料の堆積及び/又は凝縮を防止するのに有効な温度に維持するように、例えば、反応ゾーン内を1000℃〜2200℃の範囲内の温度に維持するように、構成されることが可能である。全金属の反応器は、反応ゾーンと凝縮ゾーンとの間に存在する、又はシステム若しくはプロセス故障などの外部要因からの高い温度傾度により生じ得る高圧及びショックに耐えることができる。
【0059】
[0065] 三フッ化ホウ素及び単体ホウ素、又はホウ素含有固体が一フッ化ホウ素を生成するために反応する高温反応器の下流に、凝縮ゾーンは、より低温の反応器、例えばコールドトラップを含み、そのサイズ、形状及び特性は、選択的に変更されることができる追加のパラメータである。これらのパラメータは、凝縮ゾーン内の好適な真空状態を維持しながら、より高温の反応ゾーンから凝縮ゾーンに流動させられる中間体含有ストリームから材料のより均一な堆積を最適に達成するように調整されてもよい。コールドトラップが使用される場合、より高温の反応ゾーンからコールドトラップに流動させられる中間体含有ストリーム中に存在する材料の凝縮のための表面積を増大させるべく、例えば、コールドフィンガー、フィンなどの拡張表面構造体を、コールドトラップ内に設けることが可能である。
【0060】
[0066] 固体中間体(BF)の凝縮のために使用される凝縮ゾーン又はより低温のゾーンでは、液体窒素を例示的な冷却剤として記載してきた。本開示の特定の実施では、液体アルゴン、液体酸素、液体ヘリウムなどを含む他の冷却媒体を利用することが可能であるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
[0067] コールドトラップは、固体フッ化ホウ素残渣、例えば、式B
xF
y(式中、x及びyは、化学量論的に適切な値を有する)で示される高級/高分子量フッ化ホウ素種を除去するために、水で定期的に洗浄されることが可能である。動作時、コールドトラップは、液体窒素又は他の好適な寒剤で冷却されることが可能である。液体窒素を冷却剤として使用した場合、コールドトラップの底部の温度は−196℃程度とし得る。
【0062】
[0068] 一実施形態では、中間体含有反応混合物がコールドトラップに後続的に流動させられる場合、内部に三フッ化ホウ素を予備凝縮させることにより四フッ化二ホウ素の生成を増大させるように、コールドトラップを動作させてもよい。
【0063】
[0069] コールドトラップから抽出又は送出される反応生成物混合物は、5%、10%、20%、30%、40%、50%、又はそれを超える濃度の四フッ化二ホウ素を含有してもよく、残りの部分は、三フッ化ホウ素及び痕跡量の揮発性重質フッ化ホウ素である。
【0064】
[0070] 本開示の反応システムは、高効率連続操作のために、種々の特定の特性をもたせて、かつ種々の特定の配置で、展開されることが可能である。例えば、単一の反応キャビティとホウ素含有固体が充填される単一のケーシングとを含有する反応ゾーンの代わりに、高温反応器アセンブリは、複数の独立した反応キャビティと、互いに独立して動作、維持、及び再充填が可能な複数のケーシングと、を備えることが可能である。
【0065】
[0071] 一フッ化ホウ素と三フッ化ホウ素との反応による四フッ化二ホウ素の生成に使用される凝縮ゾーンを考慮すると、そのようなゾーンは、コールドトラップのキャビティ内に移送されてBF、BF
3、及びB
2F
4を受容及び凝縮するプレート部材や拡張表面付きプレート部材などの十分に冷却された表面要素を含むコールドトラップとして、提供されることが可能である。そのような受容プレート部材が凝縮材料で十分に被覆された後、例えば、好適に構成されたコンベヤー又はその他の輸送システムによって、それを凝縮ゾーンから移送して新しい受容プレート部材で置き換える。
【0066】
[0072] 他の配置構成では、反応器システム内の低温区画コールドトラップの上に高温アセンブリを位置決めすることが可能である。そのようなアセンブリを任意の好適な方式で反応器システムの異なる区画に移動させることにより、反応器の残りの部分に対して隔離された状態で、BF、BF
3、及びB
2F
4が特定のコールドトラップ区画に堆積するように配置させることが可能である(例えば、反応器の残りの部分で洗浄を行うか、又は他のコールドトラップ区画にすでに堆積された凝縮生成物の「送出」を行う)。
【0067】
[0073] B
2F
4生成物が凝縮ゾーンで生成された後、B
2F
4生成の次の工程は、B
2F
4のさらなる蒸留精製及び回収のための、反応器からのB
2F
4含有ガス混合物の抽出である。
【0068】
[0074] より一般的には、本開示によって考えられるように、反応ガスに接触させるホウ素含有固体を利用して、多種多様なタイプのホウ素含有化合物を合成することが可能であり、それらは任意の数のホウ素原子を含み得る。一実施形態では、ホウ素含有化合物は少なくとも2個のホウ素原子を含有する。別の実施形態では、ホウ素含有化合物は、B
2F
4などの二ホウ素化合物、三ホウ素化合物、(F
2B)
3BCOなどの四ホウ素化合物、五ホウ素化合物、六ホウ素化合物、七ホウ素化合物、八ホウ素化合物、九ホウ素化合物、十ホウ素化合物、十一ホウ素化合物、十二ホウ素化合物などから、フラーレンのB80類似体などのB80までの化合物を含めて、2〜80個のホウ素原子を含有する。
【0069】
[0075] 他の実施形態では、ホウ素含有化合物は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11個のホウ素原子を含有し得る。さらなる実施形態は、クラスターホウ素化合物を含み得る。さらに他の実施形態では、ホウ素含有化合物は二ホウ素化合物であり得る。他の実施形態では、ホウ素含有化合物は、いくつかの化合物、例えば、ジボラン以外の二ホウ素化合物を含む化合物を除いて、明確に定義できる。従って、本開示では、本開示の広義の範囲内に、多種多様なクラスのホウ素含有化合物が考えられ、その排他的な明細書に、包含的又は選択的にさまざまに明示されてもよいことがわかるであろう。
【0070】
[0076] 本開示のある実施形態によると、回収ゾーンは、反応生成物及び未反応BF
3ガスを回収するための凝縮ゾーンの下流に配置されてもよい。このような実施形態では、凝縮ゾーンでのB
2F
4生成の後、凝縮された材料は暖められてガス混合物を生成する。反応器からのガス混合物は、B
2F
4のさらなる蒸留のために抽出される。反応システムから得られるこのようなガス混合物は、一般的に、B
2F
4、BF
3、及び揮発性重量フッ化ホウ素(B
xF
y)を含有する。通常、B
xF
y内容物は最大1〜2%である。しかし、一部のB
xF
y種は不安定になり、B
2F
4分解を引き起こし得る。(i)反応システムの凝縮ゾーンからのB
xF
y抽出を防ぐ、又は、(ii)生成物の抽出又は回収の間、B
2F
4及びBF
3だけが捕獲されるように、これらのB
xF
y種を除去する、のいずれかが非常に望ましい。さらに、このような粒子がシステムの弁及びその他の構成要素に損傷を与える可能性があるため、捕集槽へのトランスファーラインで、反応器からの任意の粒子の移動を防ぐことが重要である。
【0071】
[0077] 一実施形態では、回収ゾーンは、B
2F
4のさらなる捕集/蒸留のために、凝縮されたBF
3及びB
2F
4を揮発する凝縮ゾーンの段階的な加温によって、凝縮ゾーンからガス混合物の抽出を実現するように動作する。この配置で、ガスは、凝縮ゾーンと槽との間の圧力降下を利用して、極低温で捕集槽に移動される。B
xF
y種は任意の所定の温度で、BF
3及びB
2F
4より低い蒸気圧を有するため、インライン低温トラップが、ガス混合物ストリームからB
xF
y種を凝縮するために使用されてもよい。この目的のために選ばれる温度及びトラップ入口圧力は、B
2F
4又はBF
3の過度の凝縮を防ぐように選択されなければならない。例えば57℃で、B
2F
4は約160のトール圧を示すが、反応器は、トラップでB
2F
4を凝縮することなく、この圧力まで動作することができる。
【0072】
[0078] 一実施形態では、粗生成物、BF
3/B
2F
4を反応器から抽出するためのプロセスは、反応器の凝縮ゾーンと捕集円筒又は槽との間の差圧に依存する。差圧は、捕集槽、好ましくは1ガロンステンレス鋼円筒を、液体窒素に部分的に浸漬することによって冷却することで設定される。これを行うことにより、結果として、反応器と材料が流動可能な捕集槽との間でこのような差圧になる円筒で、BF
3及びB
2F
4は凝縮する。反応システムにおいて、デュワーの高さは、凝縮されたガスを蒸発できる指定の高さである。しかしながら、凝縮ゾーンの温度は、所望の温度、圧力、及び流量を十分に提供する任意の方法で制御されてもよい。例えば、デュワーの高さ調節を自動化することによって蒸発率を制御することができる。
【0073】
[0079] 回収ゾーンは、濾過ゾーンをさらに含んでもよく、それによって、システムの粒子が適切なフィルタで除去されてもよい。このようなフィルタは、好都合にはシステムのガス搬送ラインに配置されてもよい任意のタイプを含む。例えば、フィルタは15μmのフィルタエレメントを含むインラインフィルタでもよい。
【0074】
[0080] B
2F
4のさらなる捕集/蒸留のための、ガス混合物の回収又は抽出を促進するために、キャリヤガスが使用されてもよい。一例として、一実施形態では、ヘリウムが反応器に送られ、(i)凝縮されたガスの加熱を促進し、(ii)トランスファーラインを通した捕集槽への材料流動を増加させる。
【0075】
[0081] 種々の実施形態では、より高速な抽出率が、反応器システムの選択的な熱制御によって達成され得る。一実施形態では、凝縮ゾーンは、自然に加熱可能であり、その圧力は、液体窒素でデュワーのレベルを下げるか上げることによって制御される。しかしながら、これは、結果として気化速度を十分に制御できずに温度傾度を生じることがあり、抽出中、ガス混合物の内容物が十分に制御されないことがある。好ましい一実施形態では、改善された熱制御配置が、他のB
xF
y種の抽出なしに、BF
3及びB
2F
4を優先的に除去することをもたらすために使用される。例えばこれは、加熱工程により、反応器システムのすべての低温アセンブリを均一温度に維持することによって、及び温度を、その他の(望ましくない)B
xF
y種が揮発しない所定の温度に制限することによって、達成されてもよい。この手法の使用は、特に有利な結果を達成するために、キャリヤガス、低温トラップ、及びフィルタを使ってさらに強化できる。
【0076】
[0082] 重質フッ化ホウ素B
xF
yの相当量は、B
2F
4生成の副生成物として生成されてもよい。主要量は、通常、反応器システムの構成要素及びトラップで保持される、しかし、より少ない量はシステムを通して散らばる。重質B
xF
y種の蓄積及び散らばりは、結果として複数の望ましくない影響(ラインの閉塞、弁故障など)が出る可能性があるが、より重要なことは、反応器の重質B
xF
y種の過度の増強により、高温反応工程時に、反応器の圧力が上がり、流入するBF及びBF
3の十分な冷却が妨げられ、その結果、B
2F
4スループット及び生成量が低下する可能性があることである。この状況を改善するために、一実施形態では、重質B
xF
y種は。加水分解されて反応器システムから除去される。これは手動で行うことができるが、面倒で危険な作業である。好ましくは、自動化方法が、高い生産性を達成するために使用される。さまざまな方法が、残渣除去を促進するために使用されてもよい。1つのアプローチでは、水蒸気による重質BxFy種の最初の加水分解の後に、水洗及び暖かいガスによる乾燥が続く。別のアプローチでは、結果として生成されたBF
3及びホウ素のリサイクルにより、B
xF
yの熱分解が、反応ゾーン又はその中の任意の構成要素をベークアウトすることで達成される。別のアプローチでは、B
xF
yの除洗は、重質B
xF
y種をXeF
2、F
2、NF
3、O
2、O
3、COなどの活性化合物と反応させて残渣を生成し、続けて、残った残渣を機械的に除去することで行う。別のアプローチでは、重質B
xF
y種は、残渣を揮発させるために、ハロゲン含有剤と反応させてもよい。システムのB
xF
yの効果を最小にするこれらのアプローチはいずれも、単一の方法で使用されても組合せで使用されてもよい。
【0077】
[0083] 固体/流体反応により中間体を生成するための高温アセンブリと、中間体とのさらなる流体反応を行うためのコールドトラップなどのより低温のアセンブリと、を含む反応器系は、任意の好適なジオメトリ、サイズ及びスケールを有してよい。ただし、反応ゾーン及びコールドトラップは、さらなる反応により最終生成物を生成するためのコールドトラップゾーン内への中間生成物を含むガス混合物の流動を可能にすべく、流体流動連通状態にある。
【0078】
[0084] 装置及び反応器システム、並びに、固体材料から化合物又はその中間体を調製する方法は、2011年8月28日に出願された米国特許出願13/219,706号で開示され、その開示は、あらゆる目的のため、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0079】
[0085] 三フッ化ホウ素を高温で単体ホウ素又はホウ素含有固体と反応させて一フッ化ホウ素を生成し、得られた一フッ化ホウ素を低温で、例えば極低温で、三フッ化ホウ素と反応させて四フッ化二ホウ素(B
2F
4)及びより重質のフッ化ホウ素化合物を生成する、種々の反応器構成が本開示の範囲内で考えられる。三フッ化ホウ素と単体ホウ素との反応は可逆的であるので、反応器構成は、望ましくは、BF生成に有利なように対応する反応を制御する任意の好適な方式で中間体一フッ化ホウ素の生成を最大化するように構成される。
【0080】
[0086] 三フッ化ホウ素ガスをホウ素含有固体に接触させるためのシングルパス(一回通過)フロー配置のほかに、本開示では、フッ化ホウ素(BF)の高速連続生産を達成すべく、三フッ化ホウ素を再循環させて、再循環ループに導入された補充三フッ化ホウ素により増量する配置構成が考えられる。
【0081】
[0087] BF
3とBF中間体を生成するホウ素との間での反応に基づくB
2F
4の生成において、先のB
2F
4生成サイクルから(例えば、リサイクルゾーンで)リサイクルされるBF
3を利用することは有益であり得る。しかし、このようなアプローチを使用する場合、生成されるB
2F
4の量は、リサイクルされたBF
3内の不純物のために減少し得る。このような不純物の性質は完全には理解されていないが、不純物はそれ自体比較的揮発性で、BF
3とともに反応システムから抽出される前駆体から生成されてもよいと考えられている。不純物によるB
2F
4スループット抑制の正確なメカニズムは、完全には理解されていないが、BF
3とホウ素との間の反応における不純物の抑制作用に関連すると思われている。
【0082】
[0088] リサイクルされたBF
3の単純な凍結脱気精製により、B
2F
4スループットが30〜40%改善されることが実証されている。凍結脱気法は、例えば、互いに蒸気圧が大きく異なり、混和性が低い化合物から成る混合物の分別のために使用されてもよい。例えば、窒素及び酸素は、窒素及び酸素を液体窒素で凍結し、しばらくの間それをわずかに溶融させる間に溶媒の上でポンピングしている窒素及び酸素により、複数の溶媒から効率的に除去されてもよい。このような手順は、空気の構成要素から高い程度への溶媒の精製を可能とする。
【0083】
[0089] 同法は、リサイクルされたBF
3の精製に使用されてもよい。作業仮説は、不純物がBF
3とともに移動するB
2F
4のプロセス中に生成されるということである。不純物は、BF
3とホウ素との間の反応速度を抑制する別の揮発性化学物質の前駆体である。リサイクルされたBF
3の単一の凍結脱気精製の使用により、B
2F
4スループットは30〜40%改善され得る。このようなアプローチでは、リサイクルされたBF
3を有する槽は、適切な冷媒、例えば液体窒素による−196℃の温度などの極低温への冷却によって適切な温度に冷却され、続いて予定時間、槽ヘッドスペースがポンピングされ、その後、槽は暖められる。槽温度、冷却及び加温の速度、並びに冷却/加温サイクルの数は、BF
3純度の最適化及び/又は精製時間の削減のために選ばれてもよい。
【0084】
[0090] 本開示の反応器システムは、反応固体に接触させて中間生成物を生成し、中間体の後続反応により最終生成物を得るために、供給ガスの処理時に所望の運転条件を達成すべく、任意の好適なモニタ要素及び制御要素、アセンブリ、並びに配置を利用することができる。
【0085】
[0091] 例えば、コールドトラップの圧力をモニタして、トラップ内を一定した低真空状態に確実に維持することが可能であり、また、マスフローコントローラ、流量制御弁、流量制限オリフィス要素、ガス流量調整器、圧力スイッチなどの流量制御器を利用して、反応固体に接触させるためのより高温の反応ゾーンへの反応ガスの流動を調整してもよい。一般的には、適切な特性の中間生成物及び最終生成物が得られるように、反応器システムを有利には操作する役割を担う任意の好適なモニタ装置及び制御装置を配設することができる。
【0086】
[0092] 従って、反応固体接触反応ゾーン内さらには最終生成物の生成に利用される中間生成物処理ゾーン内の温度及び圧力を制御するために、モニタ要素及び制御要素、アセンブリ、並びに配置を利用することが可能である。他の選択肢として、プロセスシステムの有利な動作を達成すべく、他のモニタ方式及び制御方式を利用して、他のシステム変数及びパラメータを調整してもよい。
【0087】
[0093] 本開示の反応システムは、反応領域内を所定の温度及び圧力の条件に設定維持すべく、例えば、反応領域の圧力を所定の範囲内に及び/又は反応領域の温度を所定の範囲内に設定維持すべく、構築配置されたプロセス制御系を含み得る。種々の実施形態では、反応領域の温度は、1000℃〜2200℃の範囲内であり得る。反応領域内の圧力は、任意の好適なレベルに維持されることが可能である。種々の実施形態では、反応領域内の圧力は、10
−6〜1,000torrの範囲内、より好ましくは0.10torr〜10torrの範囲内であり得る。反応領域内には、上流部分からその下流部分に圧力勾配が存在する。反応領域が円筒形態の反応器ハウジングの内部空間内に存在する特定の実施例では、円筒の出口の圧力は、種々の実施形態では、10
−2〜10
−3torrの範囲内であり得る。
【0088】
[0094] 気体反応剤の流量は、中間生成物の適切な生成レベルを提供するように選択可能である。気体反応剤が三フッ化ホウ素である一実施形態では、流量は、500sccm〜1200sccmの範囲内、さらにはより効率的な冷却を行ってより高い範囲内にすることが可能であり、流動方向は、反応固体との接触を最適化すべく変更されることが可能である。大きなサイズの反応器にスケールアップする場合、それに対応してより大きい流量のBF
3を利用することが可能である。
【0089】
[0095] 効率的に本開示の反応器システムを使用するためには、反応器システムの洗浄に関連するダウンタイムを削減又は最小化する必要がある。固体ホウ素と三フッ化ホウ素との反応による一フッ化ホウ素の生成に使用される高温反応器の表面上の堆積物の発生率は低いにもかかわらず、いくらかの残渣が長期間の運転にわたり反応器内で生成され蓄積されるため、反応器の定期的な洗浄が必要となろう。そのような洗浄は、任意の好適な洗浄剤を用いて任意の好適な方式で実施することができる。種々の実施形態では、反応器表面の洗浄は、フッ素、二フッ化キセノン、三フッ化窒素などの気相洗浄剤を用いて、そのような洗浄剤のプラズマ活性化を併用して又は併用せずに、実施することができる。
【0090】
[0096] 本開示に係る凝縮ゾーン又はより低温の反応ゾーンは、下流のポンプ、コンプレッサ、又は他の流路要素に有害であり得る種などの反応生成物混合物の特定の成分を除去するために、種々の方法で拡張可能である。例えば、生成物の回収のために、複数のトラップを備えてもよい。
【0091】
[0097] 一実施形態によると、反応器システムの洗浄は、各接続ポイントで二重弁を用いて達成されてもよい。一例として、二重弁は、プロセスガスのための接続ポイント、パージガスのための接続ポイント、及び生成物抽出のための接続ポイントで使用されてもよい。下記の
図7において、弁は、AV10、AV11、及びMV05の隣に配置される。洗浄が行われるとき、弁間の接続は分離され、反応器のハードウェアは必要に応じて、洗浄されてオフラインである別の領域に再配置することができる。使用されたシステムが洗浄されている間、予備の清潔なシステムを再設置することができ、生成物材料を生成し続けるために使用することができる。
【0092】
[0098] 代替的に、システムは、所定の位置の部品をきれいにするために、水又はその他の清浄液をシステムの異なる部品に注入可能とする方法で構成されてもよい。この配置により、廃棄物を捕獲するために、洗浄プロセスのすべての副生成物を含有し、スクラッバシステムに導き、及び/又はシステムから排出することを可能とする。
【0093】
[0099] 本開示の利点及び機能は、以下の説明を参照してさらに説明され、それは本開示の範囲を、いかなる意味においても限定するものとして解釈すべきではなく、むしろ、その特定の用途での本開示の実施形態の例示的なものとして解釈すべきである。
【0094】
[00100]
図7は、本開示の一実施形態による統合化された反応器システムのプロセス図である。プロセス図は、反応器システム及びB
2F
4の回収及び生成のために統合化されたシステムのその他の構成要素を含む。図示されるようにプロセス制御装置は表される。粗B
2F
4含有材料(BF
3/B
2F
4混合物)を生成するためのプロセスフローは、マスフローコントローラを使用して制御された流動の速度での、供給円筒からのBF
3ガスの流動及び反応器へのガスの送出を含む。反応器において、BF
3ガスは、反応器の中間部で加熱されるるつぼに詰め込まれた金属ホウ素片と反応する。BF
3ガスとホウ素との反応による生成物は、反応器の底部で捕獲され、液体窒素で冷却される。この高温反応工程が完了すると、BF
3ガス流動は止められ、液体窒素槽は降ろされ、そして、反応生成物は暖機が可能となる。ガスは、暖められると反応器の底部から抽出され、コールドトラップ、次に濾過ゾーンを通して導かれて、最後に捕獲円筒で収集される。図示されているさらなる装置及び配管は、排出、パージ、及びシステムのリークチェックのために含まれる。
【0095】
[00101]
図7に示すように、1つ又は複数の供給円筒10又は20からのBF
3ガスは、ライン5又は15を経由してBF
3ガス供給ゾーン36に流れ、そして反応器50へのライン25を通しての流動により反応ゾーンに流れる。BF
3ガス供給マニホールドは、適切な流量制御器FC1、圧力変換器PT1及びPT2、圧力調整器RG1、圧力スイッチPS1及びPS2、空気圧弁AV02〜AV09、手動弁MV04、粒子フィルタFT1、並びに電磁弁マニホールドSVM1を含有する。電磁弁マニホールドは、処理弁を動かすために使用される制御箱からの電気信号を受け取る一組の空気圧弁である。
【0096】
[00102] マスフロープロファイルは、反応を起こすために必要なBF
3の量を制御するために使用されてもよい。システムは、マスフローコントローラFC1、2つの変換器PT1及びPT2、並びに二段調整器RG1を含む。システムは、円筒10又は20から源として、HP(高圧) BF
3及び/又はVAC BF
3を使用する。圧力変換器を使用してモニタされるように、手動圧力制御からの出口圧力は約20〜22torrで維持される。HP円筒からのBF
3流動は、マスフローコントローラ入口圧力がおよそ650torrであるように、二段調整器RGlによって制御される。HP BF
3円筒は、反応から、有用な副生成物として生成される、リサイクルされたBF
3を含有してもよい。廃ガスはベントライン37に放出されてもよい。
【0097】
[00103] 離れた加熱ステーション(図示せず)は、反応ゾーンを加熱するために使用可能である。反応器50を取り囲み、反応ゾーンに熱を提供する加温コイル(図示せず)などの、その他の加熱装置の配置が使用可能である。反応器50は、運転ごとに、システムをシールする前に反応器に手動で詰め込まれる固体出発原料として、反応物ホウ素金属を含有する。統合化されたシステムは、バッチ操作として運転することができる。
【0098】
[00104] 動作時には、BF
3ガスは、ホウ素金属と高温で反応し、中間体BFを生成する反応器50に流れ込む。反応器の反応によるBF及びその他の生成物は、凝縮ゾーン70で捕獲されて、液体窒素で冷却される。液圧リフト90は、凝縮ゾーンで反応物を冷却するために、必要に応じて、液体窒素槽80を上げ下げする。反応器は、高温運転中、例えば自動液体窒素移送充填方法により、−195℃に維持される。この方法では、約180Lの液化窒素を有する液体窒素デュワーは、その端部でフリットに取り付けられた分配ライン(例えば、Ratermann低温貯蔵分配ライン)に連結している。ラインは、液体窒素の分配を制御するPLCプログラムに従って動作し、低温アセンブリの所望の温度プロファイルを維持する。
【0099】
[00105] 反応による生成物が冷却された後、BF
3ガスの流動は止められ、液圧リフト90は窒素槽80を降ろし、反応生成物は暖機できる。反応生成物が所定のレベルまで暖機された後、生成物はコールドトラップ46にライン45を通して導かれる。
【0100】
[00106] コールドトラップ46は
図6に図示される。コールドトラップは、重質フッ化ホウ素材料が主反応器槽から捕集円筒に移動することを防ぐために使用される。
図6は、本開示の例示的な実施形態に係る1つのコールドトラップの構成を示す。コールドトラップアセンブリ61は、反応器ゾーンからのコールドトラップへの入口62、パージガス入口63、濾過ゾーンへのトラップ出口64、ベントへのトラップ出口67、及びデュワー66を含む。デュワー66は、重質フッ化ホウ素を捕らえることに好都合である温度を得るためにドライアイス又は液体窒素で冷却されたスラッシュを保持し、一方、BF
3及びB
2F
4材料は捕集円筒100へと通過できる。
【0101】
[00107] 図示されるように、4つのトラップは、ラインが制限される場合に、ガスが流れるための代替経路を提供する直列/平行構成である。システムの構成は、捕集効率に基づいて最適化される。変化し得るパラメータには、冷却溶液の温度及びトラップの形状寸法を含む。さらにプロセスを制御するために、チラー(図示せず)が、より正確にトラップの温度を制御するために、又は、生成量及びスループットを最大化するようにプロセスの異なる段階の温度を調整するために、使用されてもよい。
【0102】
[00108] コールドトラップ46を通過した後、生成物はライン55を通ってフィルタ56及び57を含有するフィルタゾーン58に流れる。
【0103】
[00109] 濾過システムは、5000torr程度の入口及び出口圧力(すなわち、フィルタエレメントを横切る圧力降下)を測定する2つの圧力変換器(PT6及びPT7)と、15μmのフィルタエレメントを有する、平行に配置された2つのインラインフィルタ56及び57と、を含む。粗製品(B
2F
4、BF
3、B
xF
yの反応生成物混合物)の移動中、混合物は、選択されたフィルタの1つを通って流れ、そうではない場合、閉塞問題を起こすか、その一因となる可能性のある粗い捕集円筒100に入る任意の固体粒子を除去する。圧力降下はフィルタ全体で測定される。新しいフィルタエレメントの場合、差圧(デルタP)は約30〜40torrであるが、古い/使用されたフィルタは約40〜70torrのデルタPを有し得る。目詰まりがフィルタにある場合、制御要素及び制御プログラムは、粗流動を止めることなく、有効な処理中にフィルタを切り替えられるように動作する。濾過システムは、フィルタを通した流動を行うための、弁AV23〜AV31を含む適切な装置要素と、粒子フィルタFT2及びFT3と、圧力スイッチPS7及びPS9と、弁MV07と、圧力調整器RGと、SVM2と、を含む。
【0104】
[00110] 濾過後、生成ガスは、ライン65を通して流され、最後に捕集円筒100に収集され、出口ライン75を通して除去される。入口85は、窒素でシステムを洗い流すために使用されてもよい。反応システム内の反応による副生成物は、出口95を通してスクラッバ装置又はキャビネット(図示せず)に除去される。このような処理のための適切な特性のスクラッバ装置は、技術的に公知である。例えば、本開示の反応システムで潜在的に有用である1つのスクラッバ装置は、お互いが直列に連結されるCS Clean System 32 gal Novapure(登録商標) Canister down-flow S447D (100%) scrubber及び32 gal Novapure(登録商標) Canister down-flow S520 (100%) scrubberが備えられる二重スクラッバキャビネットシステムである。これらの二重スクラッバは、フッ化物スクラッバ及び水素化物スクラッバを含む。S447D装置はモレキュラーシーブ上でLiOHを使用し、S520装置はホプカライト(MnO
2/CuOが3:1で混合)を利用する。このようなスクラッバ装置は、HF及びB
2H
6センサを備える2つのHoneywell MDAセンサ装置によってモニタされる90パーセント点を有する。BF
3及びB
2F
4は、反応器システムのポンプからの危険なガス状流出物の主成分であるが、若干の量の重質フッ化ホウ素(B
3F
5、B
8F
12、及びその他のB
xF
y種)並びにHFが同様に予想される。マニホールドパージルーチンの間、又は、システムラインから望ましくないガスを廃棄している間、ガスはスクラッバにも送られる。以下の表は、各ガスに対する洗浄能力を示す。
【0106】
[00111] 2つのドライポンプ、MDP(分子ポンプ)48及びACP122P真空ポンプ86を含む真空アセンブリは、反応器システムの動作中に使用され、それは必要に応じて、反応のために、すべてのプロセスシステムを約10
−6torrの真空度にすることができる。MDPは、27000rpmの低回転速度を有し、偶然の空気流入、ショックベント、又はジャイロ作用を含む状況の下で動作するのに分に頑丈であり、10mbar〜10
−5mbarの吸排気性能、400sccmの最大流速を有する。ADPポンプは100℃の温度で動作し、10
−2torrの圧力レベルを維持することが可能な、摩擦なし及びオイルフリーポンプメカニズムを含む。
【0107】
[00112] ライン35を経たタンク30からのヘリウムは、プロセスシステムを洗浄又はパージするために使用されてもよい。
【0108】
[00113] 種々の態様、実現形態、及び実施形態に関して、システム及び方法を説明してきたが、そのような態様、実現形態、及び実施形態がいずれも、本開示の任意の他の態様、実現形態、及び実施形態との任意の組合せで存在可能であることは、わかるであろう。従って、本開示は、個別に又は特定的に記載された適合する特徴のすべての順列及び組合せを、そのような特徴の対応する集合内に包含するとみなされるものとする。さらに、本開示の反応器システム及び方法の特定の実現形態では、そのさらなる実施形態として、本明細書に特定的に開示された個々の特徴のいずれか1つ又は複数が、本明細書に開示された任意の他の特徴又は特徴の組合せから選択的に排除されてもよいことは、わかるであろう。
【0109】
[00114] 以上のように、特定の態様、特徴、及び例示的実施形態に関して、本開示を本明細書に説明してきたが、本開示の利用が、そのように限定されるものではなく、本開示の分野の当業者であれば、本明細書の説明に基づいて自明なことであろうが、多数の他の変形形態、変更形態、及び代替実施形態に拡張され、それらを包囲することは、わかるであろう。従って、以下で特許請求される本発明は、広義に解釈され、その趣旨及び範囲内にそのような変更形態、修正形態、及び他の選択肢の実施形態をすべて包含すると解釈されるものとする。