特許第6134834号(P6134834)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6134834
(24)【登録日】2017年4月28日
(45)【発行日】2017年5月24日
(54)【発明の名称】半導体装置および電子端末
(51)【国際特許分類】
   G01D 21/00 20060101AFI20170515BHJP
   H04M 1/73 20060101ALI20170515BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20170515BHJP
【FI】
   G01D21/00 A
   H04M1/73
   H04M1/00 R
【請求項の数】15
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-74271(P2016-74271)
(22)【出願日】2016年4月1日
(62)【分割の表示】特願2012-89352(P2012-89352)の分割
【原出願日】2012年4月10日
(65)【公開番号】特開2016-153797(P2016-153797A)
(43)【公開日】2016年8月25日
【審査請求日】2016年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 孝之
【審査官】 藤田 憲二
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/083572(WO,A1)
【文献】 特開2011−139301(JP,A)
【文献】 特開平10−113343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 21/00
H04M 1/00,1/73
A61B 5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センシング対象に設けられた第1のセンサから出力された第1のセンサデータを記憶する記憶部と、
前記第1のセンサデータを用いて前記センシング対象の移動形態の判定処理を行う移動形態判定部と、
前記判定処理の結果である判定結果に対する信頼度を示す信頼性情報を生成する信頼性情報生成部と、
前記判定結果および前記信頼性情報を前記第1のセンサデータと関連付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記判定結果および前記信頼性情報を前記半導体装置の外部に送信する送信処理部を更に備えたことを特徴とする
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記信頼性情報生成部は、前記判定処理に要した時間が所定時間よりも長い場合は前記信頼度を第1の値に設定し、前記判定処理に要した時間が前記所定時間よりも短い場合には前記信頼度を前記第1の値よりも信頼度が高いことを示す第2の値に設定することを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記送信処理部は、送信要求に応じて前記第1のセンサデータを外部に送信し、
前記記憶制御部は、前記送信要求がない場合に、前記第1のセンサデータを前記記憶部から削除可能とすることを特徴とする
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記移動形態判定部は、前記判定結果が妥当でないことを示す情報を受信した場合、前記判定処理の実行条件を変更することを特徴とする
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記移動形態判定部は、前記判定結果が妥当でないことを示す情報を受信した場合、前記第1のセンサとは異なる第2のセンサを用いて前記判定処理を行うことを特徴とする
請求項4に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記移動形態判定部は、前記第1のセンサデータの変化状態が所定の閾値を超える場合に、前記センシング対象の移動形態の判定処理を行う
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記移動形態判定部は、前記センシング対象の移動が、歩行による移動であるか乗り物による移動であるかを判定する
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記移動形態判定部は、前記第1のセンサデータおよび第2のセンサから出力される第2のセンサデータを用いて前記判定処理を行う
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1のセンサは加速度センサであり、
前記第2のセンサは地磁気センサである
請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記信頼性情報生成部は、同じ内容の前記判定結果が連続する場合には、同じ内容の前記判定結果が連続しない場合と比較して、前記信頼度を高く設定する
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項12】
第1のセンサデータを出力する第1のセンサと、前記第1のセンサを制御する半導体装置と、前記半導体装置と通信可能に設けられた主制御部と、を備えた電子端末であって、
前記半導体装置は、
前記第1のセンサデータを記憶する記憶部と、
前記第1のセンサデータを用いて前記電子端末の移動形態の判定処理を行う移動形態判定部と、
前記判定処理の結果である判定結果に対する信頼度を示す信頼性情報を生成する信頼性情報生成部と、
前記判定結果および前記信頼性情報を前記第1のセンサデータと関連付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、
を備える
電子端末。
【請求項13】
前記半導体装置は、前記判定結果および前記信頼性情報を前記主制御部に送信し、前記主制御部からの送信指示に基づいて前記第1のセンサデータを前記主制御部に送信する送信処理部を更に備えた
請求項12に記載の電子端末。
【請求項14】
前記主制御部は、前記半導体装置から送信された前記信頼性情報によって示される前記信頼度に応じて前記送信指示を前記半導体装置に供給し、前記送信指示に基づいて前記半導体装置から送信された前記第1のセンサデータに基づいて前記電子端末の移動形態の判定処理を行う
請求項13に記載の電子端末。
【請求項15】
前記主制御部は、前記半導体装置から送信された前記信頼性情報によって示される前記信頼度に応じて前記第1のセンサデータとは異なるセンサから出力されるセンサデータを用いて前記電子端末の移動形態の判定処理を行う
請求項13または請求項14に記載の電子端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば加速度センサからの入力信号に基づいて、電子端末を所有するユーザの移動形態を判別する半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、加速度センサを用いてユーザの移動形態を判別することが行われている。具体的には、ユーザに加速度センサを取り付けて、そこから取得されたデータから移動形態ごとに特徴的な加速度の変化を検出することでユーザの移動形態の判定を行っている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−30643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、スマートフォンに代表される電子端末においては、電子端末の消費電力を低減して駆動時間を延長するために、データ処理用プロセッサの消費電力を低減するために、データ未処理期間はプロセッサを停止状態(サスペンド状態)とすることが求められている。しかし、ユーザの移動形態を定期的に判別するためには、絶えずセンサからの情報を取得し続ける必要があり、このような場合にはデータ処理用のプロセッサをサスペンド状態にすることが難しく、電子端末の消費電力を低減する上で問題となってくる。
そこで、センサからの情報を取得するためのプロセッサとして、消費電力の低いサブプロセッサ(マイクロコントローラ)を電子端末の通常処理に用いるプロセッサとは別途設けて、センサ制御を行わせることで消費電力の増加を抑止することが考えられる。しかし、そのような消費電力を抑えたプロセッサを用いる場合には、データ処理能力も低下することが考えられるため、移動形態の判定処理を行うための処理量を従来のプロセッサと同様とすることは難しく、限られたデータ量と処理時間とで移動形態の判定処理を行うことが求められる。また、消費電力の大きいセンサや複数のセンサを用いて判定制度を向上させることも困難である。
【0005】
本発明は、電子端末に、電子端末の機能を実現するための通常のデータ処理用メインプロセッサと、メインプロセッサよりも消費電力の低いセンサ制御用サブプロセッサを設けた場合でも、精度よくユーザの移動形態を判定する半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の半導体装置は、センシング対象に設けられた第1のセンサから出力された第1のセンサデータを記憶する記憶部と、前記第1のセンサデータを用いて前記センシング対象の移動形態の判定処理を行う移動形態判定部と、前記判定処理の結果である判定結果に対する信頼度を示す信頼性情報を生成する信頼性情報生成部と、前記判定結果および前記信頼性情報を前記第1のセンサデータと関連付けて前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電子端末に、電子端末の機能を実現するための通常のデータ処理用メインプロセッサと、メインプロセッサよりも消費電力の低いセンサ制御用のサブプロセッサを設けた場合でも、精度よくユーザの移動形態を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る電子端末の構成図である。
図2図1における移動形態判定動作の説明図である。
図3】実施の形態に係る移動形態判定処理を示すフローチャートである。
図4】実施の形態に係るメインプロセッサとの通信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
図1は、本発明に係る電子端末の構成図であり、例えばスマートフォンである。加速度センサ1は、ユーザの歩行や乗り物による移動などによって電子端末に加わった加速度を検出する加速度センサである。加速度センサ1には、例えば三軸の加速度センサを用いることができる。また、加速度センサに加えて、地磁気センサ5も備えるようにしてもよい。この場合、地磁気センサ5については、通常電源OFF状態としておき、使用するときにのみ電源をONにすることで消費電力を低減することができる。
【0011】
マイクロコントローラ2は、サブプロセッサ3とメモリ4とから構成される。マイクロコントローラ2は、それ以外にも求められる機能に応じて例えば、音声合成機能などさまざまな機能を備えても良い。サブプロセッサ3は、加速度センサ1からの出力信号を用いてスマートフォンを所持しているユーザの移動形態の判定処理を行うものである。判定結果、判定結果に対する信頼度情報および加速度センサから取得したデータは、メモリ4に記憶される。判定結果については、最新の判定結果のみを記憶するようにしても良いし、過去数世代分の判定結果を記憶するようにしても良い。なお、メモリ3は揮発性メモリでもよく、電源切断時にもデータを保持したい場合には、不揮発性メモリとしてもよい。また、信頼度が所定の条件となった場合に、加速度センサからの加速度データに加えて地磁気センサからの地磁気データも併用してユーザの移動形態を判定してもよい。
【0012】
メインプロセッサ10は、スマートフォンにおいて実現される各種機能、たとえば、電子メール送信機能、スケジュール管理機能、音楽再生機能等を実行する。また、マイクロコントローラ2に対して移動形態判定結果データの送信指示を行うとともに、マイクロコントローラから受信したデータを用いて、表示部11に各種表示等を行うものである。表示部11は、例えば液晶ディスプレイであり、表示内容の一例としては、電子メール本文の内容や、マイクロコントローラ2から送信された移動形態の判定結果などが表示される。主メモリ12は、メインプロセッサ10が使用する各種データを記憶するものである。入力部13は、ユーザからのデータ入力を受け付けるものである。例えば、タッチパネル、マイクロフォン、キーボード等で実現される。GPS(Global Positioning System)14は、ユーザの位置情報を取得するものである。
【0013】
次にマイクロコントローラ2内のサブプロセッサ3による移動形態判定動作について、図2図3を用いて説明を行う。
【0014】
サブプロセッサ3は、加速度センサ1からのデータ取得タイミングになったかを判定する(S31)。取得タイミングの場合には(S31 Yes)、加速度センサから図2に示すような加速度データを取得してマイクロコントローラ2内のメモリ4に記憶する(S32)。一方、取得タイミングではない場合には(S31 No)、取得タイミングとなるまで待機する。ここで加速度データ取得のタイミングとしては、例えば一定時間ごとにおこなうようにしてもよい。
【0015】
サブプロセッサ3は、取得した加速度データ中の所定の範囲の加速度データを用いて、その変化状態から移動形態の判定を行う(S33)。例えば、取得した加速度データ中の先頭からデータの変化状態を確認して所定の閾値を超える変化状態となった場合に、移動形態を判定するようにしても良い。また、判定内容としては、静止状態、歩行中、乗り物に乗って移動(自転車、自動車、電車)などと判定するようにしてもよく、さらに、乗り物種別についても判定するようにしてもよい。
【0016】
続いてサブプロセッサ3は、判定結果の信頼度を決定する(S34)。ここで信頼度としては、例えば、信頼度80%以上を示す値、信頼度60%以上で80%未満を示す値、信頼度60%未満を示す値というように、複数の値とすることができる。ここでは一例として3通りに分ける場合を例示しているが、それ以外にも2通りに分けても良いし、4通り以上としても良い。
【0017】
また、信頼度の決定の仕方として、移動形態の判定にかかった時間(加速度データが閾値を超えるまでにかかった時間)が閾値よりも長い場合は信頼度が低いと判断して、信頼度を低く設定し、逆に短い場合には信頼度が高いと判断して高く設定することができる。それ以外にも、判定結果の遷移状態が安定しないとき(例えば自転車→自動車→自転車)は信頼度を低く、同じ判定結果が続いたときは信頼度を高くするようにしても良く、これらを併用してもよい。ここで閾値としては、一定の値としても良いし、前回の判定にかかった時間を用いて、今回判定にかかった時間が前回の判定にかかった時間よりも長いか短いかを判断するようにしても良い。
【0018】
続いてサブプロセッサ3は、判定結果とその信頼度を示す信頼度情報について、上記S32で記憶させた加速度データと関連付けてメモリ4に記憶させる(S35)。そして移動形態の判定処理を終了する。
【0019】
なお、信頼度の低い状態が一定期間続いた場合には、加速度センサ1に加えて地磁気センサ5も併用するようにしてもよく、この場合は、地磁気センサから取得された地磁気データについて前述の加速度データに対する処理と同様の処理をすればよい。
【0020】
次にメインプロセッサから移動形態の判定結果の送信依頼をマイクロコントローラ2が受信した場合の送信処理について図4を用いて説明を行う。
【0021】
サブプロセッサ3は、メインプロセッサ10からの送信指示を受信したことを検出すると(S41)、マイクロコントローラ2内のメモリ4に記憶されている判定結果と判定結果に対する信頼度を示す信頼度情報とをメインプロセッサ10に対して送信する(S42)。
【0022】
サブプロセッサ3は、送信処理に対するメインプロセッサ10からの応答を受信すると(S43)、受信データ内に、加速度センサから取得した加速度データの送信指示が含まれているかを確認する(S44)。送信指示が含まれていた場合(S44 Yes)、サブプロセッサ3は、加速度データをメモリ4から読み出してメインプロセッサ10に対して送信する(S45)。一方、送信指示が含まれていなかった場合には(S44 No)、加速度データをメモリ4から削除可能であると判断して削除する(S46)。なお、加速度データは、このように送信不要とされた段階で削除しても良いし、その段階から一定時間経過した後やメモリ4の残容量が一定値(たとえば80%)以下となった場合に削除するようにしても良い。
【0023】
続いてサブプロセッサ3は、受信データ内に含まれている判定結果の妥当性を確認する(S47)。判定結果が妥当でないとメインプロセッサによって判断された場合(S47 No)、サブプロセッサは判定条件の変更を行う。変更の一例としては、加速度センサ1による判定に加えて、または加速度センサ1に変えて、地磁気センサ5を用いることが考えられる。この場合、地磁気センサは通常動作停止状態とし、信頼度を向上させたい場合のみ動かすようにすることで、消費電力を低減したまま、判定結果の信頼性を向上させることができる。また、他の判定条件の変更方法として、メインプロセッサ10から通知された、メインプロセッサ10による判定結果と一致するように、判定に用いる閾値を変更するようにしても良い。このように、メインプロセッサ10からの判定結果に対する妥当性についてのフィードバックを受けるようにすることで、マイクロコントローラ2が動的に移動形態の判定処理を変更することが可能となり、判定処理の信頼性を向上させることが可能である。
【0024】
また、上記のように、メインプロセッサ10から送信指示を受信する方法に加えて、信頼度や判定種別が変化したことをサブプロセッサ3で判断して、変化があった時にのみ、サブプロセッサ3からメインプロセッサ10に割り込みなどで通知する方法も可能である。この方法の場合、メインプロセッサ10は処理が必要なときだけ動作すればよくなることになるため、より消費電流の削減が可能である。
【0025】
続いて、サブプロセッサ3から、判定結果と信頼度を受信したメインプロセッサ10の信頼度情報に基づいた判定結果に対する処理について説明を行う。
【0026】
例えば、信頼度が80%以上の場合は、サブプロセッサ3に対して、加速度データ送信不要と応答するとともに、サブプロセッサ3から受信した判定結果を表示部11に対して表示する。また信頼度が60%以上で80%未満の場合には、サブプロセッサ3に対してデータ送信必要と応答し、受信したデータを用いて自ら判定処理を行うようにしても良い。この場合、メインプロセッサは、サブプロセッサよりも処理能力が高いため、サブプロセッサよりも長時間分の加速度データを用いて移動形態を判定することで、判定結果の信頼性を向上させることが可能となる。また、この場合は新たなセンサからデータを取得する必要がないため、センサ起動に伴う消費電力の増加を抑止することも可能である。次に、信頼度が60%未満の場合には、サブプロセッサ3に対して、加速度データ送信不要と応答するとともに、例えばGPS等の他のセンサを用いてメインプロセッサ10が判定処理を行い、サブプロセッサ3の判定結果に対する補正処理を行う。この場合、加速度センサからのデータだけでは移動形態の確定を行うことが難しい可能性があるため、他のセンサからの情報も用いて補正処理を行うことが好ましい。
【0027】
続いて、メインプロセッサ10による検証ならびに補正結果をサブプロセッサ3にフィードバックする動作について説明を行う。
【0028】
メインプロセッサ10は、信頼度が80%以上の場合は、所定のタイミング又は所定の回数信頼度80%以上が継続した場合に、判定結果が妥当であるか検証処理を行う。検証方法としては、加速度データを取得して行っても良いし、他のセンサを用いて行うようにしても良い。そして判定結果が妥当であると判断した場合には、妥当であるとサブプロセッサ3に通知し、一方妥当でない場合には、サブプロセッサ3に妥当でない旨と補正結果の通知を行う。また信頼度が60%以上で80%未満の場合には、マイクロコントローラ2から受信した加速度データを用いて、メインプロセッサ10が判定した結果が、サブプロセッサ3から通知された判定結果と一致した場合には、妥当であるとサブプロセッサ3に通知し、不一致の場合には、サブプロセッサ3に妥当でない旨と補正結果の通知を行う。信頼度が60%未満の場合には、他のセンサを用いたメインプロセッサ10による判定結果が、サブプロセッサ3から通知された判定結果と一致した場合には、妥当であるとサブプロセッサ3に通知し、不一致の場合には、サブプロセッサ3に妥当でない旨と補正結果の通知を行う。このように、メインプロセッサ10側での検証動作と補正処理の結果をサブプロセッサ3に対して通知することで、以後のサブプロセッサ3での判定処理の精度を高めることが可能である。
【0029】
以上、図1図4を用いて説明したように、本例によれば、メインプロセッサ10よりも消費電力の低いサブプロセッサ3で電子端末を所持するユーザの移動形態の一次判定を行い、判定結果に対する信頼度が高い場合はメインプロセッサ側での補正動作を省略することで、電子端末の消費電力を低減することができる。また、サブプロセッサ3から通知された判定結果に対する信頼度が低い場合にはメインプロセッサ10で補正処理を行うことにより、判定結果に対する信頼度を向上させることができる。さらに、補正結果をサブプロセッサ3に通知することにより、サブプロセッサ3の判定条件を変更することができるため、サブプロセッサ側の判定精度を動的に向上させることができ、結果としてメインプロセッサ側の補正処理を低減することが可能となり、更なる消費電力の低減を図ることが可能となる。
【0030】
なお、本発明は、図1図4を用いて説明した例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、本例では、加速度センサ、地磁気センサ、GPS等を用いて説明を行っているが、これらのセンサに限られるものではない。
【符号の説明】
【0031】
1 加速度センサ
2 マイクロコントローラ
3 サブプロセッサ
4 メモリ
5 地磁気センサ
10 メインプロセッサ
11 表示部
12 主メモリ
13 入力部
14 GPS
20 電子端末
図1
図2
図3
図4