(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アンテナは、前記軸の周りに複数周巻回され、前記ノズル部に近い直線部位が複数段積層されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
前記回転テーブルの中央から放射状に延びかつ回転テーブルの周方向に離れた2本の線に沿った側部を有する扇型状に処理領域を区画するように、前記真空容器の天板から下に向かう壁部を設け、
前記ノズル部は、前記処理領域の上流側に位置する壁部の近傍にて当該壁部に沿って伸びていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
前記回転テーブル上の基板における回転中心側の端部が当該回転テーブルの回転によって移動する時の速度をVI、前記基板における前記回転テーブルの周縁部側の端部が当該回転テーブルの回転によって移動する時の速度をVO、前記回転中心側の端部及び前記周縁部側の端部が通過する前記処理領域の長さ寸法を夫々LI、LOとすると、
(VI÷VO)と、(LI÷LO)と、が揃うように、前記壁部が配置されていることを特徴とする請求項5に記載のプラズマ処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板に対してプラズマ処理を行うにあたって、基板の面内において均一性の高い処理を行うことのできるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明
は、真空容器内にて基板に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置において、
基板を載置する基板載置領域を公転させるための回転テーブルと、
前記基板載置領域に対向し、プラズマ発生用のガスの吐出口が前記回転テーブルの外周部側から中心部側に向かって直線状に配列されたノズル部と、
前記ノズル部よりも前記回転テーブルの回転方向下流側にて当該ノズル部に沿って基板の通過領域を跨ぐように伸びる直線部位と、当該直線部位に対して平面で見た時に離間した領域に位置する部位と、を備えると共に、上下方向に伸びる軸の周りに巻回され、前記ガスが供給される処理領域に誘導プラズマを発生させるためのアンテナと、
前記アンテナと前記処理領域との間に当該処理領域とは気密に区画して設けられ、前記アンテナにより発生する電磁界のうち電界を遮断するための導電板と、前記導電板に、前記アンテナの対応する部位と各々直交して形成され、前記電磁界のうちの磁界を通過させるためのスリットの群と、を備えたファラデーシールドと、を備え、
前記アンテナは、前記軸の周りに複数周巻回され、
前記離間した領域に位置する部位は、当該直線部位に対して前記回転テーブルの回転方向下流側に配置されると共に、複数周巻回された前記部位のうち一の部位と他の部位とが前記回転テーブルの回転方向に沿って互いに位置ずれするように配置され、
少なくとも前記直線部位の下方側には前記スリットの群が形成され、前記直線部位の端部から屈曲する屈曲部位の下方側は、スリットの群が存在しない導電板の部位が位置することを特徴とする。
【0007】
前記離間した領域に位置する部位は、前記直線部位に対して前記回転テーブルの回転方向下流側に配置されていても良い。
前記アンテナは、前記直線部位に対して前記ノズル部とは反対側に位置する他の直線部位を備え、
前記他の直線部位の下方側には前記スリットの群が形成されていても良い。
前記アンテナは、前記軸の周りに複数周巻回され、前記ノズル部に近い直線部位が複数段積層されていても良い。
【0008】
前記回転テーブルの中央から放射状に延びかつ回転テーブルの周方向に離れた2本の線に沿った側部を有する扇型状に処理領域を区画するように、前記真空容器の天板から下に向かう壁部を設け、
前記ノズル部は、前記処理領域の上流側に位置する壁部の近傍にて当該壁部に沿って伸びていても良い。
【0009】
前記回転テーブル上の基板における回転中心側の端部が当該回転テーブルの回転によって移動する時の速度をVI、前記基板における前記回転テーブルの周縁部側の端部が当該回転テーブルの回転によって移動する時の速度をVO、前記回転中心側の端部及び前記周縁部側の端部が通過する前記処理領域の長さ寸法を夫々LI、LOとすると、
(VI÷VO)と、(LI÷LO)と、が揃うように、前記壁部が配置されていることが好ましい。
【0010】
本発明
は、真空容器内にて基板に対してプラズマ処理を行うプラズマ処理方法において、
回転テーブル上の基板載置領域に基板を載置して、回転テーブルによりこの基板を公転させる工程と、
この回転テーブルに対向して当該回転テーブルの外周部側から中心部側に向かって直線状に伸びるように設けられたノズル部から、このノズル部の長さ方向に沿って前記真空容器内における処理領域にプラズマ発生用のガスを供給する工程と、
前記ノズル部よりも前記回転テーブルの回転方向下流側にて当該ノズル部に沿って基板の通過領域を跨ぐように伸びる直線部位と、当該直線部位に対して平面で見た時に離間した領域に位置する部位と、を備えると共に上下方向に伸びる軸の周りに巻回されたアンテナにより、前記処理領域に誘導プラズマを発生させる工程と、
前記アンテナと前記処理領域との間に当該処理領域とは気密に区画して設けられた導電板により、前記アンテナにより発生する電磁界のうち電界を遮断すると共に、前記アンテナの対応する部位と各々直交するように前記導電板に形成されたスリットの群を介して前記電磁界のうち磁界を通過させる工程と、を含み、
前記アンテナは、前記軸の周りに複数周巻回され、
前記離間した領域に位置する部位は、当該直線部位に対して前記回転テーブルの回転方向下流側に配置されると共に、複数周巻回された前記部位のうち一の部位と他の部位とが前記回転テーブルの回転方向に沿って互いに位置ずれするように配置され、
少なくとも前記直線部位の下方側には前記スリットの群が形成され、前記直線部位の端部から屈曲する屈曲部位の下方側は、スリットの群が存在しない導電板の部位が位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、プラズマ発生用のガスを真空容器内に供給するためのノズル部を直線状に配置すると共に、電磁界(電界及び磁界)を発生させるアンテナの直線部位をこのノズル部の長さ方向に沿って形成している。そして、アンテナとノズル部との間にファラデーシールドを配置すると共に、前記直線部位に対向する位置におけるファラデーシールドにはスリットを形成して、アンテナによって発生する電磁界のうち電界を遮断して磁界を通過させている。一方、直線部位の両端から屈曲する部位に対向する位置にはスリットを形成せずに、電界に加えて磁界も遮断している。そのため、各々のスリットの形状を揃えることができるので、真空容器内に到達する磁界の量についてもノズル部の長さ方向に亘って均一化できる。従って、基板の面内において均一性の高い処理を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態に係るプラズマ処理装置の一例について、
図1〜
図8を参照して説明する。この装置は、
図1〜
図3に示すように、平面形状が概ね円形である真空容器1と、この真空容器1の中心に回転中心を有する回転テーブル2と、を備えており、ウエハWに対してプラズマを用いて成膜処理を行うように構成されている。この装置では、プラズマを発生させるにあたって、ウエハWの面内に亘って均一性の高い処理を行うことができるように、以下に説明するように当該装置の各部を構成している。
【0014】
真空容器1は、天板11及び容器本体12を備えており、天板11の上面側中央部に接続された分離ガス供給管51を介して窒素(N2)ガスが分離ガスとして供給される。回転テーブル2の下方側には、
図1に示すように、当該回転テーブル2上のウエハWを成膜温度例えば300℃に加熱するために、加熱機構であるヒータユニット7が設けられている。
図1中13はシール部材例えばOリングである。また、
図1中71aはヒータユニット7のカバー部材、7aはヒータユニット7を覆う覆い部材であり、72、73はパージガス供給管である。
【0015】
回転テーブル2の中心部には、概略円筒形状のコア部21が取り付けられており、回転テーブル2は、このコア部21の下面に接続された回転軸22によって、鉛直軸周りこの例では時計周りに回転自在に構成されている。回転テーブル2上には、
図2〜
図3に示すように、ウエハWを落とし込んで保持するために、円形の凹部24が基板載置領域として設けられており、この凹部24は、当該回転テーブル2の回転方向(周方向)に沿って複数箇所例えば5箇所に形成されている。
図1中23は駆動部(回転機構)であり、20はケース体である。
【0016】
凹部24の通過領域と各々対向する位置には、各々例えば石英からなる4本のノズル31、32、41、42が真空容器1の周方向に互いに間隔をおいて放射状に配置されている。これら各ノズル31、32、41、42は、例えば真空容器1の外周壁から中心部領域Cに向かってウエハWに対向して水平に伸びるように各々取り付けられている。この例では、後述の搬送口15から見て時計周りにプラズマ発生用ガスノズル32、分離ガスノズル41、処理ガスノズル31及び分離ガスノズル42がこの順番で配列されている。処理ガスノズル31及びプラズマ発生用ガスノズル32は、夫々処理ガス供給部及びノズル部をなしている。また、分離ガスノズル41、42は、各々分離ガス供給部をなしている。尚、
図2はプラズマ発生用ガスノズル32が見えるように後述のアンテナ83及び筐体90を取り外した状態、
図3はこれらアンテナ83及び筐体90を取り付けた状態を表している。
【0017】
各ノズル31、32、41、42は、流量調整バルブを介して夫々以下の各ガス供給源(図示せず)に夫々接続されている。即ち、処理ガスノズル31は、Si(シリコン)を含む処理ガス例えばDCS(ジクロロシラン)ガスなどの供給源に接続されている。プラズマ発生用ガスノズル32は、例えばアンモニア(NH3)ガスなどのプラズマ発生用ガスの供給源に接続されている。分離ガスノズル41、42は、分離ガスである窒素ガスのガス供給源に各々接続されている。これらガスノズル31、32、41、42の外周面には、ガス吐出孔33が各々形成されており、このガス吐出孔33は、回転テーブル2の半径方向に沿って複数箇所に例えば等間隔に配置されている。ガス吐出孔33は、ガスノズル31、41、42では下面に形成され、プラズマ発生用ガスノズル32では回転テーブル2の回転方向上流側の側面に形成されている。
図2及び
図3における31aは、処理ガスノズル31の上方側を覆うノズルカバーである。
【0018】
処理ガスノズル31の下方領域は、処理ガスの成分をウエハWに吸着させるための吸着領域P1となる。また、プラズマ発生用ガスノズル32の下方側の領域(後述の筐体90の下方領域)は、ウエハWに吸着した処理ガスの成分とプラズマ発生用ガスのプラズマとを反応させるための反応領域(処理領域)P2となる。分離ガスノズル41、42は、各領域P1、P2を分離する分離領域Dを形成するためのものである。分離領域Dにおける真空容器1の天板11には、
図2及び
図3に示すように、概略扇形の凸状部4が設けられており、分離ガスノズル41、42は、この凸状部4内に収められている。
【0019】
次に、プラズマ発生用ガスから誘導プラズマを発生させるための構成について詳述する。プラズマ発生用ガスノズル32の上方側には、
図3及び
図4に示すように、金属線をコイル状に巻回したアンテナ83が配置されており、このアンテナ83は、
図7に示すように、平面で見た時に回転テーブル2の中央部側から外周部側に亘ってウエハWの通過領域を跨ぐように配置されている。また、アンテナ83は、回転テーブル2の表面から垂直に伸びる軸(鉛直軸)の周りに複数周この例では3周巻回されている。即ち、アンテナ83は、上下方向に3段(3周)に亘って当該アンテナ83の周回部分が積層されており、各々の周回部分の端部同士が互いに直列に接続されて、共通の高周波電源85に整合器84を介して接続されている。この例では、高周波電源85は、周波数及び出力電力が例えば夫々13.56MHz及び5000Wとなっている。
【0020】
既述のアンテナ83における3層の周回部分のうち下段の周回部分は、
図5及び
図7に示すように、回転テーブル2の半径方向に沿って伸びる概略矩形(長方形)領域を囲むように形成されている。従って、前記下段の周回部分は、回転テーブル2の回転方向上流側及び下流側の部位と、回転テーブル2の中心側及び外縁側の部位とが各々直線状に形成されている。具体的には、前記回転方向上流側及び下流側の部位は、回転テーブル2の半径方向に沿うように、言い換えるとプラズマ発生用ガスノズル32の長さ方向に沿うように各々形成されている。また、前記中心側及び外縁側の部位は、回転テーブル2の接線方向に沿うように各々形成されている。
【0021】
ここで、アンテナ83における前記下段の周回部分のうち、回転テーブル2の回転方向上流側にてプラズマ発生用ガスノズル32の長さ方向に沿って形成された部位を直線部位83aと呼ぶと共に、当該直線部位83aに対向する位置にて直線状に形成された部位を対向部位83bと呼ぶものとする。また、前記下段の周回部分のうち、直線部位83a及び対向部位83bにおける各々の一端側及び他端側から伸び出す他の部分(残りの部分)を巻回部位83cと呼ぶものとする。下段の周回部分では、直線部位83aは、平面で見た時に、プラズマ発生用ガスノズル32に対して、回転テーブル2の回転方向下流側に僅かに離間した位置に配置されている。
【0022】
アンテナ83における前記下段の周回部分の上方側に積層された中段の周回部分は、当該下段の周回部分とほぼ同形状となるように形成されており、直線部位83a、対向部位83b及び巻回部位83cを備えている。中段の周回部分では、直線部位83aは、下段の周回部分における直線部位83aの上層側に積層されている。一方、中段の周回部分における対向部位83bは、下段の周回部分の対向部位83bに対して、回転テーブル2の回転方向下流側に離間した位置に配置されている。そして、中段の周回部分では、対向部位83bは、回転テーブル2上のウエハWに近接する(後述の絶縁部材94に接触する)位置にて、プラズマ発生用ガスノズル32の長さ方向に沿うように直線状に配置されている。
【0023】
アンテナ83における中段の周回部分の上層側に積層された上段の周回部分についても、直線部位83a、対向部位83b及び巻回部位83cを備えており、当該直線部位83aは、下層側の直線部位83aの上に積層されている。上段の周回部分の対向部位83bは、中段の周回部分の対向部位83bに対して、回転テーブル2の回転方向下流側に離間した位置において、プラズマ発生用ガスノズル32の長さ方向に沿うように、回転テーブル2上のウエハWに近接する位置にて直線状に配置されている。尚、
図6及び
図7では、アンテナ83を破線にて描画しており、
図7ではウエハWを実線で描画している。
【0024】
従って、
図4に示すように、プラズマ発生用ガスノズル32に対して回転テーブル2の回転方向下流側に隣接する位置では、直線部位83aが上下方向に3段に積層されており、一方前記位置から回転テーブル2の回転テーブル2の回転方向下流側に離間した位置では、対向部位83bが横並びに3箇所に配置されている。そのため、後述するように、プラズマ発生用ガスノズル32の近傍位置では既述のアンモニアガス(プラズマ発生用ガス)のプラズマが速やかに発生し、一方前記近傍位置から回転テーブル2の回転方向下流側に離間した位置では、不活性化したアンモニアガスの再プラズマ化が起こる。
【0025】
以上説明したアンテナ83は、真空容器1の内部領域から気密に区画されるように配置されている。即ち、既述のプラズマ発生用ガスノズル32の上方側における天板11は、平面的に見た時に概略扇形に開口しており、例えば石英などからなる筐体90によって気密に塞がれている。この筐体90は、
図5及び
図8に示すように、上方側周縁部が周方向に亘ってフランジ状に水平に伸び出すと共に、中央部が真空容器1の内部領域に向かって窪むように形成されており、この筐体90の内側に前記アンテナ83が収納されている。この筐体90は、固定部材91により、天板11に固定されている。尚、固定部材91については、
図1及び
図2以外では描画を省略している。
【0026】
筐体90の下面は、当該筐体90の下方領域への窒素ガスなどの侵入を阻止するために、
図1及び
図8に示すように、外縁部が周方向に亘って下方側(回転テーブル2側)に向かって垂直に伸び出して壁部92をなしている。この壁部92における回転テーブル2の回転方向上流側の部位と回転方向下流側の部位とは、
図5及び
図8から分かるように、当該回転テーブル2の中央から放射状に且つ回転テーブル2の周方向に互いに離間するように伸び出している。また、壁部92における回転テーブル2の外周側の部位は、
図4に示すように、当該回転テーブル2の外周縁よりも外側に位置している。そして、この壁部92の内周面、筐体90の下面及び回転テーブル2の上面により囲まれた領域を「反応領域P2」と呼ぶと、この反応領域P2は、平面で見た時に、壁部92によって扇型状となるように区画されている。既述のプラズマ発生用ガスノズル32は、この反応領域P2の内部において回転テーブル2の回転方向上流側の端部にて前記壁部92の近傍に配置されている。
【0027】
即ち、壁部92の下端部は、
図8に示すように、プラズマ発生用ガスノズル32が挿入される部位については当該プラズマ発生用ガスノズル32の外周面に沿って上方側に湾曲し、一方残りの部位については周方向に亘って回転テーブル2に近接する高さ位置となるように配置されている。既述のプラズマ発生用ガスノズル32のガス吐出孔33は、
図4に示すように、反応領域P2の周囲を囲む壁部92のうち回転テーブル2の回転方向上流側の壁部92に向かって横向きに形成されている。
【0028】
ここで、既述のように、ウエハWは、回転テーブル2によって公転して、各ノズル31、32の下方側の領域P1、P2を通過する。そのため、回転テーブル2上のウエハWでは、回転中心側の端部と、回転テーブル2の外周部側の端部とにおいて、各領域P1、P2を通過する時の速度(角速度)が異なる。具体的には、ウエハWの直径寸法が300mm(12インチサイズ)の場合には、前記回転中心側の端部では、前記外周部側の端部と比べて、速度が1/3になる。
【0029】
即ち、回転テーブル2の回転中心から前記回転中心側のウエハWの端部までの距離をsとすると、当該回転中心側のウエハWの端部が通る円周の長さ寸法DIは、(2×π×s)となる。一方、前記外周部側の端部が通る円周の長さ寸法DOは、(2×π×(s+300))となる。そして、回転テーブル2の回転により、ウエハWは、前記長さ寸法DI、DOを同じ時間内で移動する。そのため、回転テーブル2上のウエハWにおける回転中心側の端部及び外周部側の端部の夫々の速度をVI及びVOとすると、これら速度VI、VOの比R(VI÷VO)は、(s÷(s+300))となる。そして、前記距離sが150mmの場合には、前記比Rは、1/3となる。
【0030】
従って、アンモニアガスのプラズマのように、ウエハW上に吸着したDCSガスの成分との反応性がそれ程高くないプラズマを使用する場合には、単にプラズマ発生用ガスノズル32の近傍にてアンモニアガスをプラズマ化しただけだと、ウエハWの外周部側では中心部側よりも薄膜(反応生成物)が薄くなるおそれがある。
【0031】
そこで、本発明では、ウエハWに対して均一なプラズマ処理を行うために、壁部92の形状を調整している。具体的には、
図7に示すように、回転テーブル2上のウエハWにおける回転中心側の端部が通過する反応領域P2の長さ寸法と、前記ウエハWにおける回転テーブル2の外周部側の端部が通過する反応領域P2の長さ寸法とを夫々LI、LOとすると、これら長さ寸法LI、LOの比(LI÷LO)は、1/3となっている。即ち、回転テーブル2上のウエハWが反応領域P2を通過する速度に応じて、壁部92の形状(反応領域P2の寸法)を設定している。そして、後述するように、反応領域P2においてアンモニアガスのプラズマを充満させていることからも、ウエハW上ではプラズマ処理が面内に亘って均一に行われる。
【0032】
筐体90とアンテナ83との間には、
図4、
図5及び
図6に示すように、アンテナ83において発生する電磁界のうち電界成分が下方に向かうことを阻止すると共に、電磁界のうち磁界を下方に通過させるためのファラデーシールド95が配置されている。即ち、ファラデーシールド95は、上面側が開口する概略箱型となるように形成されており、電界を遮断するために、導電性の板状体である金属板(導電板)により構成されると共に接地されている。このファラデーシールド95の底面には、前記金属板に矩形の開口部を形成してなるスリット97が磁界を通過させるために設けられている。
【0033】
各々のスリット97は、当該スリット97に隣接する他のスリット97と連通しておらず、言い換えると各々のスリット97の周囲にはファラデーシールド95を構成する金属板が周方向に亘って位置している。スリット97は、アンテナ83の伸びる方向に対して直交する方向に形成されており、アンテナ83の下方位置にて当該アンテナ83の長さ方向に沿って複数箇所に等間隔で配置されている。そして、スリット97は、プラズマ発生用ガスノズル32の上方側に対応する位置には形成されておらず、従って当該プラズマ発生用ガスノズル32の内部におけるアンモニアガスのプラズマ化を阻止している。
【0034】
ここで、スリット97は、
図5及び
図6に示すように、アンテナ83のうち回転テーブル2の中心部から外周部に向かって直線状に伸びる部位(直線部位83a、対向部位83b)の下方位置に形成されている一方、当該部位以外の下方側には形成されていない。具体的には、スリット97は、アンテナ83のうち直線部位83aと対向部位83bとの間にて回転テーブル2の接線方向に沿って伸びる部分と、これら直線部位83a及び対向部位83bの端部位置にて屈曲する部分とに対応する領域には、形成されていない。
【0035】
即ち、アンテナ83の周方向に亘ってスリット97を形成しようとすると、アンテナ83が屈曲する部分(R部分)では、スリット97についても当該アンテナ83に沿って屈曲して配置される。しかしながら、前記屈曲する部分においてアンテナ83の内側に対応する領域では、互いに隣接するスリット97、97同士が連通してしまうおそれがあり、その場合には電界を遮断する効果が小さくなってしまう。一方、互いに隣接するスリット97、97が連通しないようにスリット97の幅寸法を狭くすると、ウエハW側に到達する磁界成分の量が直線部位83aや対向部位83bよりも減少する。更に、アンテナ83の外側に対応する領域にて互いに隣接するスリット97、97同士の間の離間寸法を広げると、磁界成分と共に電界成分についてもウエハW側に到達して、当該ウエハWにチャージングダメージを与えてしまうおそれもある。
【0036】
そこで、本発明では、各々のスリット97を介してアンテナ83からウエハW側に到達する磁界成分の量を揃えるために、ウエハWが通過する位置を跨ぐように直線部位83aを配置すると共に、この直線部位83aの下方側にスリット97を形成している。そして、直線部位83aの両端から伸び出す屈曲部分の下方側には、スリット97を形成せずに、いわばファラデーシールド95を構成する導電板を配置して、電界成分のみならず磁界成分も遮断している。そのため、後述するように、回転テーブル2の半径方向に亘ってプラズマの発生量が均一化する。
【0037】
従って、ある任意の位置におけるスリット97を見た時、当該スリット97の開口幅は、このスリット97の長さ方向に亘って寸法が揃っている。そして、スリット97の前記開口幅は、ファラデーシールド95における他の全てのスリット97において揃うように調整されている。言い換えると、スリット97は、直線部位83aに対して回転テーブル2の回転方向上流側に離間した位置から、対向部位83bに対して回転テーブル2の回転方向下流側に離間した位置までに亘って、直線部位83aや対向部位83bに直交する長い溝状の開口部を複数箇所に互いに平行となるように形成して構成されている。そして、前記開口部の途中部位における直線部位83aと対向部位83bとの間の領域に、補強用のリブ(帯状の導電体)を直線部位83aや対向部位83bに沿って複数箇所に配置している。
【0038】
以上説明したファラデーシールド95とアンテナ83との間には、これらファラデーシールド95とアンテナ83との絶縁を取るために、例えば石英からなる絶縁部材94が介在しており、この絶縁部材94は、上面側が開口する概略箱型形状をなしている。尚、
図7では、アンテナ83とウエハWとの位置関係を示すために、ファラデーシールド95を省略している。また、
図4以外については、絶縁部材94の描画を省略している。
【0039】
回転テーブル2の外周側において当該回転テーブル2よりも僅かに下位置には、環状のサイドリング100が配置されており、このサイドリング100の上面には、互いに周方向に離間するように2箇所に排気口61、62が形成されている。これら2つの排気口61、62のうち一方及び他方を夫々第1の排気口61及び第2の排気口62と呼ぶと、第1の排気口61は、処理ガスノズル31と、当該処理ガスノズル31よりも回転テーブルの回転方向下流側における分離領域Dとの間において、当該分離領域D側に寄った位置に形成されている。第2の排気口62は、プラズマ発生用ガスノズル32と、当該プラズマ発生用ガスノズル32よりも回転テーブルの回転方向下流側における分離領域Dとの間において、当該分離領域D側に寄った位置に形成されている。従って、第2の排気口62は、回転テーブル2の回転中心と、壁部92における反応領域P2側の縁部が回転テーブル2の外周縁と交差する2つの点と、を結ぶ概略三角形の頂点付近に位置している。
【0040】
第1の排気口61は、処理ガス及び分離ガスを排気するためのものであり、第2の排気口62は、プラズマ発生用ガス及び分離ガスを排気するためのものである。そして、筐体90の外縁側におけるサイドリング100の上面には、当該筐体90を避けてガスを第2の排気口62に通流させるための溝状のガス流路101が形成されている。これら第1の排気口61及び第2の排気口62は、
図1に示すように、各々バタフライバルブなどの圧力調整部65の介設された排気管63により、真空排気機構である例えば真空ポンプ64に接続されている。
【0041】
天板11の下面における中央部には、
図1に示すように、天板から下方側に突出する突出部5が配置されており、この突出部5によって、中心部領域Cにおいて処理ガスとプラズマ発生用ガスとが互いに混ざり合うことを防止している。即ち、突出部5は、回転テーブル2側から天板11側に向かって周方向に亘って垂直に伸びる壁部と、天板11側から回転テーブル2に向かって周方向に亘って垂直に伸びる壁部と、を回転テーブル2の半径方向に交互に配置した構成を採っている。
【0042】
真空容器1の側壁には、
図2〜
図4に示すように、図示しない外部の搬送アームと回転テーブル2との間においてウエハWの受け渡しを行うための搬送口15が形成されており、この搬送口15はゲートバルブGより気密に開閉自在に構成されている。また、この搬送口15を臨む位置における回転テーブル2の下方側には、回転テーブル2の貫通口を介してウエハWを裏面側から持ち上げるための昇降ピン(いずれも図示せず)が設けられている。
【0043】
また、この成膜装置には、
図1に示すように、装置全体の動作のコントロールを行うためのコンピュータからなる制御部120が設けられており、この制御部120のメモリ内には後述の成膜処理を行うためのプログラムが格納されている。このプログラムは、後述の装置の動作を実行するようにステップ群が組まれており、ハードディスク、コンパクトディスク、光磁気ディスク、メモリカード、フレキシブルディスクなどの記憶媒体である記憶部121から制御部120内にインストールされる。
【0044】
次に、上述実施の形態の作用について説明する。先ず、ゲートバルブGを開放して、回転テーブル2を間欠的に回転させながら、図示しない搬送アームにより搬送口15を介して回転テーブル2上に例えば5枚のウエハWを載置する。次いで、ゲートバルブGを閉じ、真空ポンプ64により真空容器1内を引き切りの状態にすると共に、回転テーブル2を例えば2rpm〜240rpmで時計周りに回転させる。そして、ヒータユニット7によりウエハWを例えば300℃程度に加熱する。
【0045】
続いて、処理ガスノズル31からDCSガスを吐出すると共に、反応領域P2における圧力が真空容器1内の他の領域よりも陽圧となるように、プラズマ発生用ガスノズル32からアンモニアガスを吐出する。また、分離ガスノズル41、42から分離ガスを吐出し、分離ガス供給管51及びパージガス供給管72、73からも窒素ガスを吐出する。そして、圧力調整部65により真空容器1内を予め設定した処理圧力に調整する。また、アンテナ83に対して高周波電力を供給する。
【0046】
吸着領域P1では、ウエハWの表面にDCSガスの成分が吸着して吸着層が生成する。この時、吸着領域P1をウエハWが通過するにあたって、回転テーブル2の外周部側では中央部側よりも移動速度が速い。そのため、前記外周部側では前記中央部側よりも吸着層の膜厚が薄くなろうとする。しかしながら、DCSガスの成分の吸着は速やかに起こるので、吸着領域P1をウエハWが通過すると、吸着層はウエハWの面内に亘って均一に形成される。
【0047】
反応領域P2では、既述のように第2の排気口62の位置を設定しているため、プラズマ発生用ガスノズル32から吐出されたアンモニアガスは、回転テーブル2の回転方向上流側における壁部92に衝突した後、
図9に示すように、当該第2の排気口62に向かって直線的に通流する。そして、アンモニアガスは、第2の排気口62に向かう途中の経路にて、
図10に示すように、アンテナ83の直線部位83aが3段に積層された部位の下方側において、磁界によって速やかにプラズマ化されてアンモニアラジカル(プラズマ)となる。このプラズマは、既述のようにスリット97の開口幅を回転テーブル2の半径方向に亘って揃えているため、当該半径方向に沿って発生量(濃度)が揃う。こうしてプラズマは、第2の排気口62に向かって通流していく。
【0048】
そして、アンモニアラジカルは、ウエハWとの衝突などにより不活性化してアンモニアガスに戻ると、直線部位83aに対して第2の排気口62側に配置された対向部位83bから発生する磁界によって再度プラズマ化する。従って、
図11に示すように、反応領域P2では、当該反応領域P2において真空容器1内の他の領域よりも陽圧となるように設定していることからも、アンモニアガスのプラズマが充満する。
【0049】
また、反応領域P2の寸法を既述のように設定しているため、回転テーブル2上のウエハWから見ると、プラズマが供給される時間が回転テーブル2の半径方向に亘って揃う。従って、反応領域P2をウエハWが通過すると、当該ウエハW上の吸着層が面内に亘って均一に窒化されて反応層(窒化シリコン膜)が形成される。こうして回転テーブル2の回転により各ウエハWが吸着領域P1及び反応領域P2を交互に通過することにより、反応層が多層に亘って積層されて薄膜が形成される。
【0050】
以上の一連のプロセスを行っている間、筐体90の外周側におけるサイドリング100にガス流路101を形成しているので、各ガスは、筐体90を避けるように、当該ガス流路101を通って排気される。また、筐体90の下端側周縁部に壁部92を設けていることから、当該筐体90内への窒素ガスの侵入が抑えられる。
【0051】
更に、吸着領域P1と反応領域P2との間に窒素ガスを供給しているので、処理ガスとプラズマ発生用ガス(プラズマ)とが互いに混合しないように各ガスが排気される。また、回転テーブル2の下方側にパージガスを供給しているため、回転テーブル2の下方側に拡散しようとするガスは、前記パージガスにより排気口61、62側へと押し戻される。更に、中心部領域Cに分離ガスを供給しているため、当該中心部領域Cでは処理ガスとプラズマ発生用ガスやプラズマとの混合が抑制される。
【0052】
上述の実施の形態によれば、プラズマ発生用ガスノズル32を回転テーブル2の中心部側と外縁部側との間に直線状に配置して、このプラズマ発生用ガスノズル32の長さ方向に沿うようにアンテナ83の直線部位83aを設けている。そして、スリット97が形成されたファラデーシールド95をアンテナ83とプラズマ発生用ガスノズル32との間に配置して、このスリット97について、直線部位83aの両端から屈曲して伸びる部位の下方側には形成せずに、前記直線部位83aに対応する部位だけに設けている。そのため、各々のスリット97の形状を揃えることができるので、各スリット97を通過する磁界の量についても揃えることができ、従ってウエハWの面内に亘って均一性の高い処理を行うことができる。
【0053】
また、筐体90の下面側周縁部に壁部92を周方向に亘って形成すると共に、当該壁部92により囲まれる領域である反応領域P2について、真空容器1の他の領域よりも陽圧となるようにアンモニアガスの吐出量を調整している。更に、プラズマ発生用ガスノズル32を反応領域P2における回転テーブル2の回転方向上流側に配置すると共に、このプラズマ発生用ガスノズル32の吐出孔33について、前記回転方向上流側における壁部92に対向するように形成している。そのため、反応領域P2への窒素ガスの侵入を阻止できるので、当該反応領域P2に亘ってウエハWとプラズマとの接触領域を広く確保することができる。
【0054】
そして、回転テーブル2の回転速度によって内周側と外周側との間で生じる速度差が解消されるように、反応領域P2のレイアウトを調整している。従って、既述のように回転テーブル2の半径方向に亘ってプラズマの量が均一化され、更にプラズマとウエハWとの接触時間が均一化されているので、ウエハWの面内に亘って均一なプラズマ処理を行うことができる。即ち、既に詳述したように、DCSガスについてはウエハWに速やかに吸着するので、吸着領域P1をそれ程広く形成しなくても、吸着層はウエハWの面内に亘って均一に形成される。一方、この吸着層を反応させるにあたっては、アンモニアガスのプラズマはそれ程反応性が高くない。そのため、プラズマの濃度及びプラズマとウエハWとの接触時間を均一化することにより、反応生成物の膜厚をウエハWの面内に亘って均一化できる。
【0055】
また、直線部位83aを上下方向に積層して、一方対向部位83bについては回転テーブル2の回転方向に沿って横並びに配置している。従って、直線部位83aの下方位置にてアンモニアガスのプラズマが速やかに発生し、一方プラズマが不活性化して生成するアンモニアガスについては前記対向部位83bの下方側にて再プラズマ化する。そのため、既述のように、反応領域P2においてプラズマを広く滞留させることができる。そして、アンモニアガスの再プラズマ化を行うにあたって、当該再プラズマ化に必要な磁界成分の分だけ対向部位83bを配置しており、余分な対向部位83bは設けていない。更に、直線部位83aと対向部位83bとを共通の高周波電源85に接続している。従って、装置のコストアップを抑制しながら、以上説明したように均一性の高い処理を行うことができる。
更に、プラズマ発生用ガスノズル32の上方側にはスリット97を形成していないので、当該プラズマ発生用ガスノズル32の内部あるいは外壁に反応生成物などの付着物が付着することを抑制できる。
【0056】
図12は、本発明の他の実施の形態を示している。即ち、対向部位83bについては、上下方向に積層しても良い。あるいは、直線部位83aや対向部位83bを備えたアンテナ83とは別に、プラズマの不活性化によって生成したアンモニアガスの再プラズマ化を行うための補助アンテナ300を当該アンテナ83に対して回転テーブル2の回転方向下流側に配置しても良い。補助アンテナ300については、アンテナ83の高周波電源85に接続しても良いし、あるいは高周波電源85とは別の図示しない高周波電源に接続しても良い。
【0057】
図13は、筐体90の下方側におけるアンモニアガスの分布をシミュレーションした結果を示しており、プラズマ発生用ガスノズル32から反応領域P2に供給されたアンモニアガスは、当該反応領域P2にて拡散しながら第2の排気口62に向かって通流していることが分かる。従って、第2の排気口62について、筐体90に対して回転テーブル2の回転方向下流側且つ回転テーブル2の外側に配置することにより、反応領域P2に亘ってアンモニアガス(プラズマ)を拡散させることができると言える。
【0058】
既述の
図6などでは、直線部位83aだけでなく対向部位83bについても直線状に形成したが、対向部位83bについては曲線状に配置して、平面で見た時にアンテナ83がいわば半円状となるように形成しても良い。そして、この対向部位83bについても、長さ方向に沿ってスリット97を配置しても良い。即ち、本発明では、プラズマ発生用ガスノズル32の近傍にてウエハWが通過する領域に対応する部位ではアンテナ83を直線状に配置すれば良く、従って他の部分(対向部位83bや巻回部位83c)については曲線状に形成しても良い。また、対向部位83bに近接する巻回部位83cにスリット97を形成しても良い。即ち、本発明において「スリット97を形成していない巻回部位83c」とは、アンテナ83のうち直線部位83aの両端から各々屈曲して伸びる部分であり、既述の例ではアンテナ83が上下方向に3巻された巻回部位83cを指している。アンテナ83としては、鉛直軸周りに3段に巻回することに代えて、1段だけ巻回しても良い。
また、プラズマ発生用ガスノズル32としては、既述のガスインジェクター方式に代えて、下面側が開口すると共に回転テーブル2の半径方向に沿って伸びる概略箱状体を真空容器1内に設けて、この箱状体の長さ方向にガス吐出孔33を形成した構成を用いても良い。
【0059】
以上説明した装置を用いて成膜する成膜種としては、窒化シリコン膜に代えて、酸化シリコン(SiO2)膜や窒化チタン(TiN)膜などを成膜しても良い。酸化シリコン膜の場合には、プラズマ発生用ガスとして例えば酸素(O2)ガスが用いられる。窒化チタン膜の場合には、吸着ガス及びプラズマ発生用ガスとして、夫々チタンを含む有機系のガス及びアンモニアガスが用いられる。また、酸化シリコン膜や窒化チタン膜以外にも、窒化物、酸化物あるいは水素化物からなる反応生成物の成膜に本発明を適用しても良い。窒化物、酸化物及び水素化物を夫々成膜する場合に使用されるプラズマ発生用ガスとしては、夫々アンモニアガス、酸素ガス及び水素(H2)ガスなどが挙げられる。
【0060】
また、吸着領域P1から見て回転テーブル2の回転方向下流側且つ反応領域P2から見て回転テーブル2の回転方向上流側の位置に、以上説明したプラズマ発生用ガスノズル32や筐体90を配置して、当該位置において別のプラズマ処理を行っても良い。この場合には、前記別のプラズマ処理は、アルゴン(Ar)ガスをプラズマ発生用ガスとして用いることにより、ウエハW上に生成した反応生成物のプラズマ改質処理を行っても良い。また、このようなプラズマ改質処理を行う場合には、反応生成物を複数層積層する度に、当該プラズマ改質処理を行っても良い。即ち、回転テーブル2が複数回回転する毎に、プラズマ改質処理を行っても良い。