特許第6137536号(P6137536)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6137536
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】基板検査装置、及び基板検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/02 20060101AFI20170522BHJP
   G01R 27/02 20060101ALI20170522BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
   G01R31/02
   G01R27/02 R
   H05K3/00 T
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-94352(P2013-94352)
(22)【出願日】2013年4月26日
(65)【公開番号】特開2014-215239(P2014-215239A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】392019709
【氏名又は名称】日本電産リード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】山下 宗寛
【審査官】 名取 乾治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−139182(JP,A)
【文献】 特開2002−065628(JP,A)
【文献】 特開2009−002894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/02−31/06
G01R 27/02
H05K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に形成された回路パターンを検査する基板検査装置であって、
測定対象の回路パターンを複数経由させて電圧測定ループを形成する電圧測定ループ形成部と、
前記電圧測定ループに配置された電圧測定部と、
前記測定対象の回路パターンに電流を供給することが可能な電流供給部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記測定対象の回路パターンに電流を供給しない状態で、前記電圧測定部によって前記電圧測定ループの電圧を測定する補正電圧測定工程と、
前記測定対象の回路パターンに電流を供給した状態で、前記電圧測定部によって電圧を測定する回路パターン測定工程と、
前記回路パターン測定工程において測定された電圧を、前記補正電圧測定工程において測定された電圧によって補正する補正工程と、
を少なくとも実行し、
前記制御部は、前記回路パターン測定工程及び前記補正工程を、前記測定対象の複数の回路パターンのそれぞれについて実行することを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
請求項に記載の基板検査装置であって、
前記電圧測定ループ形成部は、測定対象の回路パターンを3つ以上経由させて前記電圧測定ループを形成することを特徴とする基板検査装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の基板検査装置であって、
前記電圧測定ループには、前記回路基板の両面を導通する回路パターンが偶数含まれていることを特徴とする基板検査装置。
【請求項4】
回路基板に形成された回路パターンを検査する基板検査方法であって、
測定対象の回路パターンを複数経由させて電圧測定ループを形成する電圧測定ループ形成工程と、
前記測定対象の回路パターンに電流を供給しない状態で、前記電圧測定ループに配置された電圧測定部によって前記電圧測定ループの電圧を測定する補正電圧測定工程と、
前記測定対象の回路パターンに電流を供給した状態で、前記電圧測定部によって電圧を測定する回路パターン測定工程と、
前記回路パターン測定工程において測定された電圧を、前記補正電圧測定工程において測定された電圧によって補正する補正工程と、
を含み、
前記回路パターン測定工程及び前記補正工程は、前記測定対象の複数の回路パターンのそれぞれについて実行されることを特徴とする基板検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板検査装置において、熱起電力の影響を除去するための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、回路基板に形成された複数の回路パターンを検査する基板検査装置が知られている。この種の基板検査装置は、例えば特許文献1に記載されている。
【0003】
図9に、回路基板11に形成された回路パターン12を、従来の基板検査装置によって検査している様子を模式的に例示する。図9の例の回路パターン12には、検査点13,14が形成されている。基板検査装置は、各検査点13,14に接触させることが可能な検査用のプローブ15を複数有している。
【0004】
基板検査装置は、検査点13,14の間の電位差を測定する電圧測定部19(電圧計)を備えている。また、基板検査装置は、回路パターン12に所定の電流を供給できる電流供給部17を備えている。
【0005】
以上のように構成された基板検査装置は、電流供給部17によって回路パターン12に所定の電流i[A]を供給するとともに、このとき検査点13,14の間に生じた電圧降下を電圧測定部19によって測定する。回路パターン12の検査点13,14の間の電気抵抗をR[Ω]とすれば、当該検査点13,14の間に生じる電圧降下の大きさはiR[V]となる。
【0006】
基板検査装置は、回路パターン12に供給した電流iの大きさと、電圧測定部19によって測定された電圧降下iRの大きさと、に基づいて、当該回路パターン12の電気抵抗Rを求める。基板検査装置は、求めた電気抵抗Rの値に基づいて、回路パターン12が正常か否かを判断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−139182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この種の基板検査装置においては、検査用のプローブ15と、検査点13又は14と、が接触することにより、ゼーベック効果による熱起電力が発生し得る。従って、図9の電圧測定部19は、検査点13,14の間に生じる電圧降下iRのみを純粋に測定することはできず、熱起電力の影響を受ける。ここで、ゼーベック効果によって生じる熱起電力が電圧測定部19の測定結果V[V]に及ぼす影響をV0[V]とすれば、当該測定結果Vは、以下のように表すことができる。
V=iR+V0
【0009】
従って、回路パターン12に生じた電圧降下(iR)の大きさを正確に測定するためには、電圧測定部19による測定結果Vから熱起電力V0の影響を除去するように補正することが望ましい。しかしながら、一般に、熱起電力V0の大きさは未知である。
【0010】
従来、熱起電力V0は誤差の範囲と考えられていた。このため、従来は、熱起電力V0の影響を除去する補正は特に行われていなかった。
【0011】
ところが、近年はワークの薄コア化やコアレス化が進み、回路基板11の厚みが薄くなった分、回路パターン12の電気抵抗も小さくなっている。このため、近年の検査装置では、微小な電気抵抗を精度良く測定できることが要求されており、熱起電力V0の影響を無視できなくなってきている。
【0012】
そこで、近年では、熱起電力V0の影響を除去するように補正を行うことが考えられている。このためには、図9の測定を行った後、回路パターン12に供給する電流の大きさを変えて、もう一度測定を行う。例えば図10のように、1回目の測定(図9)とは反対方向の電流(−i[A])を回路パターン12に供給し、電圧測定部19によって電圧を測定する。このときの電圧測定部19による電圧の測定結果(2回目の測定結果)をV’とすれば、
V’= −iR+V0
となる。ここで、1回目の測定(図9)と2回目の測定(図10)で熱起電力V0の大きさが変化していないとみなせば、1回目の測定結果Vと2回目の測定結果V’の差を取ることにより、熱起電力V0の影響をキャンセルできる。即ち、
V−V’=2iR
となる。従って、
R=(V−V’)/2i
により、回路パターン12の電気抵抗Rを精度良く求めることができる。なお、以下の説明では、以上のようにして熱起電力V0の影響をキャンセルする方法を、単に「従来の検査方法」と呼ぶ場合がある。
【0013】
上記の従来の検査方法は、熱起電力V0の影響を除去するために、1つの回路パターンに対して少なくとも2回の測定が必要である。このため、熱起電力の影響を補正しない場合に比べて、単純計算で2倍の検査時間がかかる。
【0014】
このように、従来の基板検査装置において、熱起電力V0の影響を除去する補正を行う場合には、回路基板の検査時間が長くなってしまうという課題があった。
【0015】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、熱起電力の影響を除去しつつ、高速な検査が可能な基板検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0016】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0017】
本願発明の観点によれば、回路基板に形成された回路パターンを検査する基板検査装置の以下の構成が提供される。即ち、この基板検査装置は、電圧測定ループ形成部と、電圧測定部と、電流供給部と、制御部と、を備える。前記電圧測定ループ形成部は、測定対象の回路パターンを経由して電圧測定ループを形成する。前記電圧測定部は、前記電圧測定ループに配置される。前記電流供給部は、前記測定対象の回路パターンに電流を供給することが可能である。前記制御部は、補正電圧測定工程と、回路パターン測定工程と、補正工程と、を少なくとも実行可能である。前記補正電圧測定工程では、前記測定対象の回路パターンに電流を供給しない状態で、前記電圧測定部によって電圧を測定する。前記回路パターン測定工程では、前記測定対象の回路パターンに電流を供給した状態で、前記電圧測定部によって電圧を測定する。前記補正工程では、前記回路パターン測定工程において測定された電圧を、前記補正電圧測定工程において測定された電圧によって補正する。
【0018】
以上の補正電圧測定工程により、電圧測定ループに生じる熱起電力の影響を測定できる。従って、補正電圧測定工程での測定値を用いて、熱起電力の影響を除去する補正を行うことができる。補正電圧測定工程では、回路パターンに電流を流さないので、突入電力がなく、電圧を即座に測定できる。このため、補正電圧測定工程は、回路パターンの電圧降下を測定する場合に比べて、高速に完了させることが可能である。従って、熱起電力の影響を除去するために回路パターンの電圧降下を2回測定していた従来の検査方法に比べて、測定にかかる時間を短縮できる。
【0019】
以上の基板検査装置は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記電圧測定ループ形成部は、測定対象の回路パターンを複数経由させて前記電圧測定ループを形成する。そして、前記制御部は、前記回路パターン測定工程及び前記補正工程を、前記測定対象の複数の回路パターンそれぞれについて実行する。
【0020】
このように、測定対象の複数の回路パターンを経由して電圧測定ループを形成することにより、1つの電圧測定ループによって複数の回路パターンを測定できる。熱起電力の影響は1度測定しておけば良く、測定対象の各回路パターンの測定も1回ずつで良い。従って、熱起電力の影響を除去するために回路パターンごとに2回の測定が必要な従来の検査方法に比べて、測定回数を減らし、測定に必要な時間を短縮できる。
【0021】
上記の基板検査装置において、前記電圧測定ループ形成部は、測定対象の回路パターンを3つ以上経由させて前記電圧測定ループを形成することが好ましい。
【0022】
このように、多数の回路パターンを経由させて電圧測定ループを形成できる。これにより、1つの電圧測定ループで測定できる回路パターンの数が多くなるので、測定に必要な時間を短縮する効果を高めることができる。
【0023】
上記の基板検査装置において、前記電圧測定ループには、前記回路基板の両面を導通する回路パターンが偶数含まれていることが好ましい。
【0024】
これによれば、基板の表面と裏面を接続するための配線を必要とせずに、電圧測定ループを閉じることができる。これにより、電圧測定ループの面積を小さくできるので、ノイズの影響を受けにくくなり、測定精度を向上させることができる。
【0025】
本願発明の別の観点によれば、回路基板に形成された回路パターンを検査する基板検査方法が以下のとおり提供される。即ち、この基板検査方法は、電圧測定ループ形成工程と、補正電圧測定工程と、回路パターン測定工程と、補正工程と、を少なくとも含む。前記電圧測定ループ形成工程では、測定対象の回路パターンを経由して電圧測定ループを形成する。前記補正電圧測定工程では、前記測定対象の回路パターンに電流を供給しない状態で、前記電圧測定ループに配置された電圧測定部によって電圧を測定する。前記回路パターン測定工程では、前記測定対象の回路パターンに電流を供給した状態で、前記電圧測定部によって電圧を測定する。前記補正工程では、前記回路パターン測定工程において測定された電圧を、前記補正電圧測定工程において測定された電圧によって補正する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係る基板検査装置の全体的な構成を示す正面図。
図2】第1実施形態の補正電圧測定工程を示す模式図。
図3】電圧測定ループを説明する図。
図4】第1回路パターン測定工程を示す模式図。
図5】第2回路パターン測定工程を示す模式図。
図6】第2実施形態を示す模式図。
図7】第2実施形態の電圧測定ループを説明する図。
図8】変形例を示す図。
図9】従来の基板検査方法を説明する図。
図10】従来の基板検査方法を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。この第1実施形態に係る基板検査装置10の概略的な正面図を図1に示す。
【0028】
図1に示すように、基板検査装置10は、筐体30を有している。筐体30の内部空間には、検査対象の回路基板を載置するための基板載置台20と、第1検査部21と、第2検査部22と、が設けられている。
【0029】
基板載置台20は、検査対象の回路基板11を載置可能に構成されている。第1検査部21は、基板載置台20に載置された回路基板11の上方に位置する。第2検査部22は、基板載置台20に載置された回路基板11の下方に位置する。検査部21,22は、それぞれ、多数のプローブ(接触端子)15を有する検査治具23と、前記検査治具23を保持する保持体24を有している。
【0030】
また、基板検査装置10は、治具移動機構25を備えている。治具移動機構25は、筐体30の内部空間において、第1検査部21及び第2検査部22を適宜移動させることができるように構成されている。
【0031】
以上のように構成された基板検査装置10は、基板載置台20に載置された回路基板11に対して検査部21,22を移動させることにより、当該回路基板11が有する回路パターン上に形成された検査点に対して、プローブ15を接触させることができる。
【0032】
検査点にプローブ15を接触させた様子を、図2に模式的に示す。図2に例示した回路基板11には、第1回路パターン41及び第2回路パターン42が形成されている。なお、これは図示のために簡略化したものであり、実際の回路基板には数十から数千の回路パターンが形成されている場合がある。
【0033】
図2に例示した回路パターン41,42は、互いに絶縁している。また、図2に例示した回路パターン41,42は、それぞれ回路基板11の上面(第1面)と下面(第2面)を導通するように形成されている。各回路パターン41,42には、プローブ15を接触させることができる検査点が少なくとも2つ形成されている。例えば、図2に例示した第1回路パターン41は、回路基板11の上面側に検査点43を、下面側に検査点44を有している。また、図2に例示した第2回路パターン42は、回路基板11の上面側に検査点45を、下面側に検査点46を有している。なお、図2は簡略化したものであり、実際の回路基板は数百から数千の検査点を有する場合がある。
【0034】
プローブ15は、伝導性を有する針状ないし線状の部材である。図2に示すように、第1検査部21が備える複数のプローブ15は、検査対象の回路基板11の上面(第1面)に形成された検査点43,45……に接触可能に設けられている。同様に、第2検査部32が備える複数のプローブ15は、検査対象の回路基板11の下面(第2面)に形成された検査点44,46……に接触可能に設けられている。なお、図2では、検査部21,22がそれぞれ4本のプローブを有している様子が描かれているが、これは図示のために簡略化したものであり、実際の装置は数百から数千のプローブ15を有している場合がある。
【0035】
検査部21,22は、検査点のそれぞれに対して、2本のプローブ15を接触させることができるように構成されている。これは、本実施形態の基板検査装置10が、いわゆる四端子法によって、検査点の間の電気抵抗を測定するように構成されているためである。即ち、各検査点に接触している2本のプローブ15のうち、一方は電流供給用のプローブであり、他方は電圧測定用のプローブとなっている。
【0036】
図1に示すように、上下の検査部21,22は、それぞれ、保持体24内に、電流供給部17、電流測定部18、及び電圧測定部19を有している。また、上下の検査部21,22の保持体24内には、信号切換部26が配置されている。基板検査装置10は、信号切換部26を制御可能な制御部27を備えている。この制御部27は、CPU、ROM、RAM等からなるコンピュータとして構成されている。制御部27は、回路基板11に形成された回路パターン等に関するデータを保持している。
【0037】
電流供給部17は、所定の電流(本実施形態の場合は直流電流)を供給できるように構成されている。図2等に示すように、信号切換部26は、電流測定用のプローブ15と、電流供給部17の正極側の端子と、の間の接続/非接続状態を切り換え可能なスイッチを、電流測定用のプローブ15ごとに有している。なお、図2等においては、説明のうえで不要なスイッチ及び配線の図示を適宜省略している。
【0038】
電流測定部18は、流れた電流を測定できるように構成されている。図2等に示すように、信号切換部26は、電流測定用のプローブ15と、電流測定部18の正極側の端子と、の間の接続/非接続状態を切り換え可能なスイッチを、電流測定用のプローブ15ごとに有している。なお、図2等においては、説明のうえで不要なスイッチ及び配線の図示を適宜省略している。また、電流測定部18の負極側の端子は、接地されている。
【0039】
制御部27は、信号切換部26の前記スイッチを適宜制御することにより、電流測定用の各プローブ15を、電流供給部17に接続した状態、電流測定部18に接続した状態、又は電流供給部17と電流測定部18の何れにも接続していない状態、の何れかの状態に切り換えることができる。
【0040】
例えば図4のように、制御部27は、信号切換部26を適宜制御することにより、第1回路パターン41の検査点43に接触している電流測定用のプローブ15を、電流供給部17に接続する。またこのとき、制御部27は、信号切換部26を適宜制御することにより、第1回路パターン41の別の検査点44に接触している電流測定用のプローブ15を、電流測定部18に接続する。なおこのとき、制御部27は、上記以外の電流測定用のプローブ15を、電流供給部17にも電流測定部18にも接続しない状態としておく。これにより、第1回路パターン41の検査点43,44の間に所定の電流を電流供給部17によって供給するとともに、このとき流れた電流の大きさを電流測定部18によって測定できる。
【0041】
同様に、例えば図5のように、制御部27は、信号切換部26を適宜制御することにより、第2回路パターン42の検査点45に接触している電流測定用のプローブ15を、電流供給部17に接続する。またこのとき、制御部27は、信号切換部26を適宜制御することにより、第2回路パターン42の別の検査点46に接触している電流測定用のプローブ15を、電流測定部18に接続する。なおこのとき、制御部27は、上記以外の電流測定用のプローブ15を、電流供給部17にも電流測定部18にも接続しない状態としておく。これにより、第2回路パターン42の検査点45,46の間に所定の電流を電流供給部17によって供給するとともに、このとき流れた電流の大きさを電流測定部18によって測定できる。
【0042】
以上のように、制御部27は、信号切換部26を適宜制御することにより、回路基板11が備える任意の回路パターンに対して電流を供給するとともに、そのとき当該回路パターンに流れた電流の大きさを測定できる。
【0043】
電圧測定部19は、電圧を測定できるように構成されている。図2等に示すように、信号切換部26は、電圧測定用のプローブ15と、電圧測定部19の正極側の端子と、の間の接続/非接続状態を切り換え可能なスイッチを、電圧測定用のプローブ15ごとに有している。また、図2等に示すように、信号切換部26は、電圧測定用のプローブ15と、電圧測定部19の負極側の端子と、の間の接続/非接続状態を切り換え可能なスイッチを、電圧測定用のプローブ15ごとに有している。なお、図2等においては、説明のうえで不要なスイッチ及び配線の図示を適宜省略している。
【0044】
また、図2等に示すように、信号切換部26は、電圧測定用のプローブ15同士を短絡する相互接続バス31を有している。また信号切換部26は、前記相互接続バス31と、電圧測定用のプローブ15と、の間の接続/非接続状態を切り換え可能なスイッチを、電圧測定用のプローブ15ごとに有している。なお、図2等においては、説明のうえで不要なスイッチ及び相互接続バス31の図示を適宜省略している。
【0045】
制御部27は、信号切換部26の前記スイッチを適宜制御することにより、複数の回路パターンを経由した電圧測定ループを形成できる。
【0046】
例えば図2の例では、制御部27は、信号切換部26を適宜制御することにより、第1回路パターン41の検査点43に接触している電圧測定用のプローブ15を、電圧測定部19の正極側端子に接続する。またこのとき、制御部27は、信号切換部26を適宜制御することにより、第2回路パターン42の検査点45に接触している電圧測定用のプローブ15を、電圧測定部19の負極側端子に接続する。またこのとき、制御部27は、信号切換部26を適宜制御することにより、第1回路パターン41の検査点44に接触している電圧測定用のプローブ15と、第2回路パターン42の検査点46に接触している電圧測定用のプローブ15とを、相互接続バス31によって接続する。これにより、図2の例では、第1回路パターン41及び第2回路パターン42を経由した電圧測定ループが形成されている。
【0047】
電圧測定ループをわかり易く示すために、図2の回路を更に模式的にして図3に示す。図3に示すように、電圧測定ループ29は、閉じたループ状に形成された電気回路であり、その途中に電圧測定部19が直列で挿入されている。図2及び図3に例示した電圧測定ループ29は、第1回路パターン41及び第2回路パターン42を経由して形成されている。
【0048】
以上の構成により、制御部27は、信号切換部26を適宜制御することにより、回路基板11が備える任意の回路パターンを経由させて電圧測定ループ29を形成することができる。従って、本実施形態の制御部27と信号切換部26は、電圧測定ループ形成部であると言うことができる。
【0049】
続いて、本実施形態の基板検査装置10を用いた基板検査方法について、図2から図5を参照して説明する。
【0050】
まず、制御部27は、信号切換部26を適宜制御することにより、測定対象の複数の回路パターンを経由させて、電圧測定ループを構成する(電圧測定ループ形成工程)。この様子を、図2に例示する。図2の場合、回路基板11に形成された第1回路パターン41及び第2回路パターン42が測定対象となっている。この図2の場合、制御部27は、測定対象の第1回路パターン41及び第2回路パターン42を経由させて、電圧測定ループ29を形成している(図3参照)。
【0051】
続いて、制御部27は、信号切換部26を適宜制御することにより、測定対象の回路パターンの検査点に接触しているプローブ15の何れも電流供給部17に接続していない状態とする(図2の状態)。これにより、測定対象の回路パターン41,42の何れにも電流が供給されていない状態となる。
【0052】
この状態で、制御部27は、電圧測定部19によって電圧を測定する(補正電圧測定工程)。これにより、電圧測定ループ29に発生している熱起電力が電圧測定部19の測定結果に及ぼす影響の大きさV0(以下、単に「熱起電力V0」と呼ぶ)を測定できる。制御部27は、このとき測定した熱起電力V0の値を記憶しておく。
【0053】
続いて、制御部27は、測定対象の回路パターンに電流を供給して、そのとき流れた電流の大きさを電流測定部18によって測定するとともに、そのとき生じた電位差(電圧降下)を電圧測定部19によって測定する(回路パターン測定工程)。制御部27は、上記の回路パターン測定工程を、測定対象の回路パターン41、42のそれぞれに対して実施する。
【0054】
例えば制御部27は、信号切換部26を適宜制御することにより、図4に示すように、測定対象である第1回路パターン41の2つの検査点43,44の間に電流を供給する。そして制御部27は、このとき流れた電流の大きさを電流測定部18で検出する。このときの電流測定部18による電流の測定結果をi1とする。第1回路パターン41の2つの検査点43,44の間の電気抵抗をR1とすれば、検査点43,44の間には、電圧降下(i11)が生じるはずである。制御部27は、検査点43,44の間に生じた電圧降下を電圧測定部19で測定する。このときの電圧測定部19による電圧降下の測定結果を、V1とする。説明の便宜上、以上の測定を「第1回路パターン測定工程」と呼ぶ。
【0055】
なお、上記の回路パターン測定工程において、電圧測定ループ形成部(制御部27及び信号切換部26)は、電圧測定用のプローブ15が接続されているスイッチの状態を、補正電圧測定工程の状態から変更しないように構成されている。従って、上記の第1回路パターン測定工程における電圧測定ループ29の構成(図4)は、補正電圧測定工程において熱起電力V0を測定したときの状態(図2及び図3の状態)から変わっていないことを指摘しておく。即ち、図2及び図3の電圧測定ループ29は、測定対象の第1回路パターン41を経由して構成されている。従って、当該電圧測定ループ29中に配置された電圧測定部19は、そのままの状態で第1回路パターン41を測定できるのである。
【0056】
同様に、制御部27は、信号切換部26を適宜制御することにより、図5に示すように、もう1つの測定対象である第2回路パターン42の2つの検査点45,46の間に電流を供給する。そして制御部27は、このとき流れた電流の大きさを電流測定部18で検出する。このときの電流測定部18による電流の測定結果をi2とする。第2回路パターン42の2つの検査点45,46間の電気抵抗をR2とすれば、検査点45,46の間には、電圧降下(i22)が生じるはずである。制御部27は、検査点45,46の間に生じた電圧降下を電圧測定部19で測定する。このときの電圧測定部19による電圧降下の測定結果を、V2とする。説明の便宜上、以上の測定を「第2回路パターン測定工程」と呼ぶ。
【0057】
なお、上記の第2回路パターン測定工程(図5)における電圧測定ループ29の構成は、補正電圧測定工程において熱起電力V0を測定したときの状態(図2及び図3の状態)から変わっていないことを指摘しておく。即ち、図2及び図3の電圧測定ループ29は、測定対象の第2回路パターン42を経由して構成されている。従って、当該電圧測定ループ29中に配置された電圧測定部19は、そのままの状態で第2回路パターン42を測定できるのである。
【0058】
ところで、電圧測定ループ29にはゼーベック効果による熱起電力が生じ得るので、第1回路パターン測定工程における電圧降下の測定結果V1、及び第2回路パターン測定工程における電圧降下の測定結果V2には、それぞれ熱起電力の影響が含まれている。しかし前述のように、第1回路パターン測定工程(図4)においても、第2回路パターン測定工程(図5)においても、電圧測定ループ29の構成は補正電圧測定工程(図2及び図3)の時点から変化していない。従って、当該電圧測定ループ29に生じている熱起電力は、補正電圧測定工程、第1回路パターン測定工程、及び第2回路パターン測定工程を通して変化していないとみなすことができる。
【0059】
即ち、第1回路パターン測定工程における電圧測定部19の測定結果V1は、補正電圧測定工程で測定された熱起電力V0を使って以下のように表現できる。
1=i11+V0
【0060】
同様に、第2回路パターン測定工程における電圧測定部19の測定結果V2は、補正電圧測定工程で測定された熱起電力V0を使って以下のように表現できる。
2=i22+V0
【0061】
そこで制御部27は、第1回路パターン測定工程における電圧測定部19の測定結果V1と、第2回路パターン測定工程における電圧測定部19の測定結果V2を、それぞれ、補正電圧測定工程で測定した熱起電力V0の値を用いて補正する(補正工程)。
【0062】
より具体的には、制御部27は、第1回路パターン測定工程における電圧測定部19の測定結果V1から、補正電圧測定工程で測定した熱起電力V0を減算することにより、熱起電力の影響をキャンセルする。
1−V0=i11
これにより、制御部27は、第1回路パターン41に生じていた電圧降下の大きさ(i11)を、正確に取得できる。
【0063】
同様に、制御部27は、第2回路パターン測定工程における電圧測定部19の測定結果V2から、補正電圧測定工程で測定した熱起電力V0を減算することにより、熱起電力の影響をキャンセルする。
2−V0=i22
これにより、制御部27は、第2回路パターン42に生じていた電圧降下の大きさ(i22)を、正確に取得できる。
【0064】
以上のように、本実施形態の基板検査装置10を用いた基板検査方法によれば、熱起電力の影響を除去して、回路パターン41,42に生じた電圧降下を正確に測定できる。
【0065】
なお、従来の検査方法では、熱起電力の影響を除去するために、各回路パターンにつき2回の電圧測定が必要であった。従って、従来の検査方法で2つの回路パターン41,42を測定するためには、計4回の電圧測定が必要である。
【0066】
これに対し、本実施形態の基板検査方法によれば、2つの回路パターン41,42を測定するために必要な電圧測定の回数は、計3回(補正電圧測定工程、第1回路パターン測定工程、及び第2回路パターン測定工程)で済む。このように、本実施形態の検査方法によれば、測定回数を、従来の4回から3回に減らすことができる。従って、従来に比べて、単純計算で約1.33倍の測定速度向上を実現できる。
【0067】
なお、補正電圧測定工程は、熱起電力V0のみを測定すればいいので、回路パターン測定工程に比べて高速に完了させることが可能である。即ち、補正電圧測定工程では、何れの回路パターンにも電流を流さないので、突入電流がなく、電圧を即座に測定できる。従って、この補正電圧測定工程における電圧測定は、回路パターンに電流を供給して行う電圧測定の1回分よりも高速化できる。このように、補正電圧測定工程を高速化できる分、本実施形態の基板検査方法は、従来の検査方法の1.33倍よりも更に高速化することも可能である。
【0068】
以上で説明したように、本実施形態の電圧測定ループ形成部(制御部27及び信号切換部26)は、測定対象の複数の回路パターン41,42を経由して電圧測定ループ29を形成する。制御部27は、補正電圧測定工程において、前記測定対象の回路パターン41,42の何れにも電流を供給しない状態で、電圧測定部19によって熱起電力V0を測定する。制御部27は、回路パターン測定工程において、測定対象の回路パターン41,42の何れか1つに電流を供給した状態で、電圧測定部19によって電圧降下を測定する。また制御部27は、補正工程において、前記回路パターン測定工程において測定された電圧降下を、補正電圧測定工程において測定された熱起電力V0の値を用いて補正する。
【0069】
以上の補正電圧測定工程により、電圧測定ループ29に生じる熱起電力V0を測定できる。従って、補正電圧測定工程で測定された熱起電力V0の値を用いて、当該熱起電力V0の影響を除去する補正を行うことができる。補正電圧測定工程では、何れの回路パターン41,42にも電流を流さないので、突入電力がなく、電圧を即座に測定できる。このため、補正電圧測定工程は、回路パターンの電圧降下を測定する場合に比べて、高速に完了させることが可能である。従って、従来の検査方法に比べて、測定にかかる時間を短縮できる。
【0070】
また、本実施形態の制御部27は、回路パターン測定工程及び補正工程を、測定対象の複数の回路パターン41,42それぞれについて実行する。
【0071】
即ち、本実施形態では、測定対象の複数の回路パターン41,42を経由して電圧測定ループ29を形成しているので、1つの電圧測定ループ29によって複数の回路パターン41,42を測定できる。熱起電力V0は1度測定しておけば良く、測定対象の各回路パターンの測定も1回ずつで良い。従って、熱起電力の影響を除去するために回路パターンごとに2回の測定が必要な従来の検査方法に比べて、測定回数を減らし、測定に必要な時間を短縮できる。
【0072】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。なお、この第2実施形態の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0073】
上記の第1実施形態において、電圧測定ループ形成部(制御部27及び信号切換部26)は、測定対象の2つの回路パターン41,42を経由させて電圧測定ループ29を形成していた。しかしながら、電圧測定ループ29に含ませる回路パターンの数は2つに限らず、3つ以上であっても良い。
【0074】
例えば図6に示す第2実施形態は、電圧測定ループ形成部(制御部27及び信号切換部26)が、測定対象の5つの回路パターン(第1回路パターン51、第2回路パターン52、第3回路パターン53、第4回路パターン54、及び第5回路パターン55)を経由させて、電圧測定ループを形成した例を示している。
【0075】
第2実施形態の電圧測定ループをわかり易く示すために、図6の回路を更に模式的にして図7に示す。第1実施形態と同様に、第2実施形態の電圧測定ループ59も閉じたループ状に形成されており、その途中に電圧測定部19が直列で挿入されている。
【0076】
このように、測定対象の5つの回路パターン51,52,53,54,55を経由させて電圧測定ループ59を形成すれば、1つの電圧測定ループ59で5つの回路パターンを測定できる。従ってこの場合、制御部27は、何れの回路パターン51,52,53,54,55にも電流を供給しない状態で熱起電力V0を測定する(補正電圧測定工程)とともに、5つの回路パターンそれぞれについて電圧降下の測定(回路パターン測定工程)を行い、それぞれの測定結果を、補正電圧測定工程で測定した熱起電力V0で補正する(補正工程)。従って、図6及び図7に示した第2実施形態の電圧測定ループ59を利用して測定を行う場合、制御部27は、補正電圧測定工程を1回と、回路パターン測定工程を5回、の計6回の電圧測定を行うことになる。
【0077】
これに対し、従来の検査方法では、5つの回路パターン51,52,53,54,55のそれぞれに対して2回ずつ電圧測定を行う必要があるので、計10回の測定が必要である。このように、図6及び図7に示した第2実施形態によれば、測定回数を、従来の10回から6回に減らすことができるので、従来の検査方法に比べて、単純計算で約1.66倍の測定速度向上を実現できる。従って、この第2実施形態では、第1実施形態(1.33倍)よりも、測定速度を向上させる効果が高くなっている。
【0078】
このように、本願発明の基板検査方法によれば、電圧測定ループに含まれる測定対象の回路パターンの数が多いほど、測定速度を向上させる効果をより大きくできる。電圧測定ループに含ませる回路パターンの数に制限はなく、制御部27及び信号切換部26が対応できる限りの任意数の回路パターンを経由させて電圧測定ループを形成できる。例えば、100個の回路パターンを経由して電圧測定ループを形成することも可能である。
【0079】
以上で示したように、第2実施形態の電圧測定ループ59には、測定対象の回路パターンが3以上(具体的には5つ)含まれている。
【0080】
このように、多数の回路パターンを経由させて電圧測定ループ59を形成できる。これにより、1つの電圧測定ループ59で測定できる回路パターンの数が多くなるので、測定に必要な時間を短縮する効果を高めることができる。
【0081】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0082】
以上の実施形態では、電圧測定ループ形成部が、測定対象の回路パターンを複数経由させて電圧測定ループを形成するものとした。これにより、1つの電圧測定ループによって複数の回路パターンを測定できるので、従来の検査方法に比べて電圧測定の回数を減らすことができる。しかしながら、これに限らず、電圧測定ループ形成部は、測定対象の回路パターンを1つだけ経由させて電圧測定ループを形成しても良い。この場合、当該電圧測定ループでは1つの回路パターンしか測定できないので、補正電圧測定工程と、回路パターン測定工程と、がそれぞれ1回ずつ、計2回の測定が必要となり、測定回数の面では従来の検査方法と変わらない。しかしながら、前述のように、補正電圧測定工程における電圧測定は、回路パターンの電圧降下を測定する場合に比べて高速に完了させることが可能である。従って、電圧測定ループが測定対象の回路パターンを1つしか経由していない場合であっても、従来の検査方法に比べて測定時間を短縮する効果を得ることができる。
【0083】
上記第1実施形態では、電圧測定ループ29を構成する回路パターン41,42は、何れも回路基板11の上面と下面を導通しているものとしたが、必ずしもこれに限らない。例えば、図6及び図7に示した第2実施形態では、回路基板11の上面に形成された第3回路パターン53を経由させて電圧測定ループ59を形成している。このように、回路基板の上面と下面を導通しない回路パターンを経由して、電圧測定ループを形成することもできる。
【0084】
ただし、電圧測定ループには、回路基板11の両面を導通する回路パターンが偶数含まれていることが好ましい。
【0085】
これを説明するために、回路基板11の両面を導通する回路パターンが、電圧測定ループに奇数しか含まれていない場合を、図8に例示する。即ち、図8の例では、第1回路パターン51、第2回路パターン52,第3回路パターン53及び第4回路パターン54を経由して、電圧測定ループが形成されている。この4つの回路パターンのうち、回路基板11の両面を導通しているのは、第1回路パターン51、第2回路パターン52、及び第4回路パターン54の3つ(奇数)のみである。
【0086】
このように、回路基板11の両面を導通する回路パターンが、電圧測定ループに奇数しか含まれていない場合であっても、本願発明を適用することはできる。ただしこの場合、電圧測定ループを閉じるために、第1検査部21側と、第2検査部22側と、を接続する配線60が別途必要になる(図8参照)。このため、電圧測定ループの面積が大きくなり、ノイズの影響を受け易くなる。
【0087】
この点、第1実施形態(図2)や第2実施形態(図6)のように、回路基板11の両面を導通する回路パターンが、電圧測定ループに偶数含まれていれば、上記のような配線60を必要とせず電圧測定ループを閉じることができる。これにより、電圧測定ループの面積が小さくなるので、ノイズの影響を受けにくくなり、測定精度を向上させることができる。
【0088】
また、電圧測定ループには、回路基板11の両面を導通する回路パターンが全く含まれていなくても良い。例えば、電圧測定ループは、回路基板11の上面(第1面)に形成された回路パターン(例えば図6の第3回路パターン53のようなもの)のみを経由して形成されていても良い。なお、この場合、回路基板11の上面側だけで測定を行うことができるので、第2検査部22は省略することもできる。また例えば、電圧測定ループは、回路基板11の下面(第2面)に形成された回路パターンのみを経由して形成されていても良い。なお、この場合、回路基板11の下面側だけで測定を行うことができるので、第1検査部21は省略することもできる。
【0089】
上記実施形態では、電圧測定ループに含まれる回路パターンの全てについて、電圧降下を測定している。しかしこれに限らず、電圧測定ループに含まれる回路パターンのいくつかは、電圧降下を測定しなくても良い。即ち、測定対象ではない回路パターンを経由させて、電圧測定ループを形成することもできる。例えば、図6の場合において、第1回路パターン51と第2回路パターン52の電圧降下のみを測定し、残りの回路パターン53,54,55の電圧降下は測定しない(つまり、回路パターン53,54,55は測定対象ではない)、ということも可能である。本願発明の効果を得るためには、測定対象の回路パターンが、少なくとも1つ、電圧測定ループに含まれていれば良い。
【0090】
補正電圧測定工程、回路パターン測定工程、及び補正工程を行う順番は、補正工程の前に補正電圧測定工程及び回路パターン測定工程が完了している必要がある他は、特に限定されない。例えば、回路パターン測定工程を行ったあとで、補正電圧測定工程を行っても良い。また、上記第1実施形態では、測定対象の回路パターン41,42を全て測定し終えた後で、各測定結果を補正するように説明しているが、これに限らず、例えば、各回路パターンの測定を終えるたびに、その測定結果を逐次補正しても良い。
【符号の説明】
【0091】
10 基板検査装置
11 回路基板
17 電流供給部
19 電圧測定部
26 信号切換部(電圧測定ループ形成部)
27 制御部(電圧測定ループ形成部)
41,42 回路パターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10