(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6137581
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】オン電流およびセルピラー製造を制御する、縦型NANDストリングのためのタングステンサリサイドゲートソース
(51)【国際特許分類】
H01L 27/115 20170101AFI20170522BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20170522BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20170522BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
H01L27/10 434
H01L29/78 371
【請求項の数】17
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-500251(P2016-500251)
(86)(22)【出願日】2014年2月13日
(65)【公表番号】特表2016-514370(P2016-514370A)
(43)【公表日】2016年5月19日
(86)【国際出願番号】US2014016286
(87)【国際公開番号】WO2014158413
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2015年9月9日
(31)【優先権主張番号】13/852,988
(32)【優先日】2013年3月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シムセク−エゲ、ファトゥマ エー.
(72)【発明者】
【氏名】パラット、クリシュナ ケー.
【審査官】
小山 満
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−035228(JP,A)
【文献】
特開2011−009328(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0031550(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0327339(US,A1)
【文献】
特開2008−192708(JP,A)
【文献】
特表2002−512450(JP,A)
【文献】
特開2011−249559(JP,A)
【文献】
特開2011−171698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/115−27/11597
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネルと、
セレクトゲートと、を備えるメモリデバイスであって、
前記チャネルは第1の端部および第2の端部を含み、前記チャネルの前記第1の端部は、ビットラインに連結されており、前記チャネルの前記第2の端部は、ソースに連結されており、
前記セレクトゲートは、前記ビットラインと前記チャネルとの間の伝導を選択的に制御すべく、前記チャネルの前記第2の端部に形成されており、タングステンサリサイド層を含み、
前記セレクトゲートと前記チャネルの前記第1の端部との間において、複数のワード線と、それぞれが前記複数のワード線のそれぞれに対応し、前記チャネルの長さに沿って互いに離間して形成された複数の不揮発性メモリセルと、
をさらに備える、メモリデバイス。
【請求項2】
前記複数の不揮発性メモリセルはポリシリコンを含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記複数の不揮発性メモリセルは、浮遊ゲート(FG)メモリセルを含む、請求項1または請求項2に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記メモリデバイスは、ソリッドステートドライブ(SSD)の部分を備える、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記メモリデバイスは、複数のメモリデバイスのアレイの部分を備える、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記セレクトゲートは、2つのポリシリコン層の間に形成されたタングステンサリサイド層を含む、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
チャネルと、
セレクトゲートと、を備えるメモリデバイスであって、
前記チャネルは第1の端部および第2の端部を含み、前記チャネルの前記第1の端部は、ビットラインに連結されており、前記チャネルの前記第2の端部は、ソースに連結されており、
前記セレクトゲートは、前記ビットラインと前記チャネルとの間の伝導を選択的に制御すべく、前記チャネルの前記第2の端部に形成されており、タングステンサリサイド層を含み、かつ、ポリシリコン層に隣接し、
前記セレクトゲートと前記チャネルの前記第1の端部との間において、複数のワード線と、それぞれが前記複数のワード線のそれぞれに対応し、前記チャネルの長さに沿って互いに離間して形成された複数の不揮発性メモリセルと、
をさらに備える、メモリデバイス。
【請求項8】
前記複数の不揮発性メモリセルはポリシリコンを含む、請求項7に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
前記複数の不揮発性メモリセルは、浮遊ゲート(FG)メモリセルを含む、請求項7または請求項8に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
前記メモリデバイスは、ソリッドステートドライブ(SSD)の部分を備える、請求項7から請求項9のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項11】
前記メモリデバイスは、複数のメモリデバイスのアレイの部分を備える、請求項7から請求項9のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項12】
前記セレクトゲートは、2つのポリシリコン層の間に形成されたタングステンサリサイド層を含む、請求項7から請求項11のいずれか一項に記載のメモリデバイス。
【請求項13】
縦型NANDストリングを形成する方法であって、
前記縦型NANDストリングのためのソース層を形成する段階と、
前記ソース層上にバッファ層を形成する段階と、
前記バッファ層上にセレクトゲート層を形成する段階と、
前記セレクトゲート層上にタングステンサリサイド層を形成する段階と、
前記タングステンサリサイド層上に複数の酸化物層およびポリシリコン層を交互に形成する段階と、
前記タングステンサリサイド層をエッチングストップとして使用し、前記複数の酸化物層およびポリシリコン層が交互に重なった層を貫通して、高アスペクト比のトレンチをエッチングする段階と、を備えており、
酸化物層は、前記タングステンサリサイド層上に形成される、方法。
【請求項14】
さらに、前記高アスペクト比のトレンチに沿って、酸化物層およびポリシリコン層の少なくとも1つの交互層に、不揮発性メモリセルを形成する段階を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの前記不揮発性メモリセルは、浮遊ゲート(FG)メモリセルまたはチャージトラップフラッシュ(CTF)メモリセルを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記縦型NANDストリングは、ソリッドステートドライブ(SSD)の部分を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記縦型NANDストリングは、複数のメモリデバイスのアレイの部分を含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の複数の技術に係る複数の実施形態は、半導体製造に関し、より具体的には複数の縦型NANDストリングの製造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の縦型NANDストリングは、高アスペクト比のピラー(トレンチ)エッチングを停止するために、酸化アルミニウム(Al酸化物)のエッチングストップ層を使用する。酸化アルミニウムのエッチングストップ層は、十分なエッチング選択比を有していないので、エッチングの停止を制御可能にすべく、比較的厚い酸化アルミニウムの層が必要である。比較的厚い酸化アルミニウム層は、NANDストリングのセレクトゲート(SG)と第1のワード線(WL)との間の、所望されない、より長いチャネル距離を引き起こし、それにより、NANDストリングチャネルの全長を十分活用できない。さらに、複数のドライエッチングのポリマーを取り除くために酸化アルミニウムの迅速なエッチングに使用される、フッ化水素(HF)酸、緩衝酸化物エッチング(BOE)液およびリン酸等の通常のウェットエッチング洗浄の複数の化学薬液は、容易に酸化アルミニウムをエッチングし、チャネルの側壁における酸化アルミニウム層に凹部を発生させ、それにより所望されない浮遊ゲート(FG)を形成し、NANDストリングのオン電流の悪化をもたらす。本明細書に開示された複数の実施形態は、限定ではなく、例示目的として示されており、複数の添付図面の複数の図において、複数の同一の参照番号は、複数の同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】NANDストリングの製造時に、従来、形成される縦型NANDストリングの例示的な実施形態の側断面図を示す。
【
図2】本明細書に開示された主題による、製造時の縦型NANDストリングの第1の例示的な実施形態の側断面図を示す。
【
図3】本明細書に開示された主題による、製造時の縦型NANDストリングの第1の例示的な実施形態の側断面図を示す。
【
図4】本明細書に開示された主題による、
図2の縦型NANDストリングの例示的な実施形態を形成するための例示的プロセスのためのフロー図を示す。
【
図5A】本明細書に開示された主題による、
図4の例示的プロセスの様々な段階を示す。
【
図5B】本明細書に開示された主題による、
図4の例示的プロセスの様々な段階を示す。
【
図5C】本明細書に開示された主題による、
図4の例示的プロセスの様々な段階を示す。
【
図5D】本明細書に開示された主題による、
図4の例示的プロセスの様々な段階を示す。
【
図5E】本明細書に開示された主題による、
図4の例示的プロセスの様々な段階を示す。
【
図5F】本明細書に開示された主題による、
図4の例示的プロセスの様々な段階を示す。
【
図5G】本明細書に開示された主題による、
図4の例示的プロセスの様々な段階を示す。
【
図5H】本明細書に開示された主題による、
図4の例示的プロセスの様々な段階を示す。
【
図5I】本明細書に開示された主題による、
図4の例示的プロセスの様々な段階を示す。図示の簡易性および/または明瞭性のため、複数の図面内に示される複数の要素は、必ずしも縮尺通りではないことが理解されるであろう。例えば、明瞭性のため、一部の要素の寸法は、他の要素に対して強調されている可能性がある。複数の図面の縮尺は、本明細書に示される様々な要素の正確な寸法および/または寸法比を表していない。さらに、適切と考えられる場合には、複数の図面間で複数の参照番号を繰り返し用いて、対応および/または類似する複数の構成要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本明細書に記載の複数の技術に係る複数の実施形態は、半導体製造に関し、より具体的には、複数の縦型NANDストリングの製造に関する。以下の詳細な説明において、本明細書に開示された複数の実施形態に完全な理解をもたらすべく、多くの具体的な詳細が記載されている。しかしながら、関連技術分野における当業者であれば、本明細書に開示された複数の実施形態は、1または複数の具体的な詳細がなくても、あるいは他の複数の方法、コンポーネント、材料等とともに実施可能であることが理解されるであろう。他の複数の例において、本明細書の複数の態様を不明瞭にするのを回避すべく、周知の複数の構造、材料、または操作は詳細に示されたり、または記載されたりしていない。
【0005】
本明細書を通して、「一実施形態」または「ある実施形態」という言及は、当該実施形態に関連して記載された特定の機能、構造、または特性が少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書にわたる、様々な箇所における「一実施形態で」または「ある実施形態で」という表現は、必ずしもすべてが同一の実施形態について言及していない。更に、複数の特定の機能、構造、または特性は、1または複数の実施形態において、任意の好適な方法で組み合わされ得る。さらに、本明細書において「例示的」という文言は、「例示、例、または実例として機能する」ことを意味すべく使用されている。本明細書において「例示的」として記載される任意の実施形態は、他の複数の実施形態に対し、必然的に好ましいまたは有利なものとして解釈されるべきではない。
【0006】
様々な操作は、特許請求された主題を理解するのに最も役立つ態様において、複数の個別の操作として順番に記載されてよい。しかしながら、記載の順序は、これらの操作が必然的に順序に依存するものであることを示唆するように解釈されるべきではない。実際、これらの操作は提示の順序で実行される必要はない。記載される複数の操作は、記載された実施形態とは異なる順序で実行されてよい。様々な追加的な操作が実行されてよく、および/または、記載された複数の操作は、複数の追加的な実施形態において省略されてよい。
【0007】
図1は、NANDストリングの製造時に、従来形成される縦型NANDストリング100の例示的な実施形態に係る側断面図を示す。
図1で示される製造の特定時点において、縦型NANDストリング100は、ソース101、第1の酸化物層102、pタイプポリシリコン材料から形成されるセレクトゲートソース(SGS)層103、酸化アルミニウム(Al酸化物)エッチングストップ層104、第2の酸化物層105、第1のnタイプポリシリコン層106、第3の酸化物層107、第2のnタイプポリシリコン層108、第4の酸化物層109、第3のnタイプポリシリコン層110、第5の酸化物層111、第4のnタイプポリシリコン層112、第6の酸化物層113、第5のnタイプポリシリコン層114、第7の酸化物層115、およびシリコン窒化物層等の化学機械的平坦化(CMP)層116を備える。縦型NANDストリング100はまた、複数の個々のフラッシュセル117(それらのうち、少数のフラッシュセル117のみが
図1に示される)、およびポリシリコンチャネル118を含む。
【0008】
NANDストリング100のポリシリコン層106が、ワード線WL0になる。同様に、ポリシリコン層108、110、112および114はそれぞれ、ワード線WL1からWL4になる。
図1の明瞭性のため、縦型NANDストリング100を含むすべての構造が示されているわけではないことを理解されたい。ポリシリコン層106、108、110、112および114は、pタイプポリシリコン材料から代替的に形成可能であることも理解されたい。さらに、縦型NANDストリング100の示される様々な層および構造は、周知の方法において形成されることを理解されたい。
【0009】
縦型NANDストリング100の製造時に、従来、絶縁性のエッチングストップ層104が使用される場合、セレクトゲートソース(SGS)103と、第1のワード線(WL0)106との間に、所望されない大きな距離Xが形成される。例えば、セレクトゲートSG103とWL0 106との間の距離に対し、50nm未満の距離Xが所望される場合、酸化アルミニウムのエッチングストップ層104を使用する従来の技術は受け入れられない可能性がある。というのは、ピラーエッチングのためのプロセス制御には、45nmを超える酸化アルミニウムの厚みが必要であるので、SGからWL0までの距離Xは所望される50nmを超える結果になるからである。さらに、プロセス制御は、化学的気相成長(CVD)により堆積される、20nmのオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)酸化物を必要とする。酸化アルミニウム層104のためのウェットエッチング速度は、SG103とWL0 106との間の所望される距離に対し、高速すぎる。また、ピラーエッチングプロセスは、チャネル118のための高アスペクト比のエッチングを達成すべく、高重合速度を有するので、後のウェット洗浄に対する複数の選択肢は限定される。さらに、ピラーウェットエッチング洗浄中、チャネル側壁の酸化アルミニウムに、約7nmの凹部が不可避的に形成される。凹部は、酸化アルミニウムのエッチングストップ層104内に所望されない浮遊ゲート(FG)119を形成し、それによりデバイス100の「オン」電流に悪影響を与える。つまり、オン電流がチャネルの複数の側壁を流れ、酸化アルミニウムの凹部、すなわち、酸化アルミニウム領域における浮遊ゲートの存在、により電流経路が変更される。このことおよび/または距離Xの増大により、縦型NANDストリングをオンにし、制御することが、より難しくなる。
【0010】
図2は、本明細書に開示された主題による、製造時の縦型NANDストリング200の第1の例示的な実施形態の側断面図を示す。例示的な一実施形態において、縦型NANDストリング200は、例えば、ソリッドステートメモリまたはソリッドステートドライブ(SSD)のための複数のNANDストリングのアレイの部分を形成し得る。
図2で示される製造の特定時点において、縦型NANDストリング200は、ソース201、ドープされたポリシリコンバッファ層202、第1の酸化物層203、pタイプポリシリコン材料から形成されたセレクトゲートソース(SGS)層204、タングステンサリサイド(WSix)層205、第2の酸化物層206、第1のnタイプポリシリコン層207、第3の酸化物層208、第2のnタイプポリシリコン層209、第4の酸化物層210、第3のnタイプポリシリコン層211、第5の酸化物層212、第4のnタイプポリシリコン層213、第6の酸化物層214、第5のnタイプポリシリコン層215、第7の酸化物層216、および限定はされないがシリコン窒化物層等の化学機械的平坦化(CMP)層217を備える。縦型NANDストリング200はまた、複数の個々のフラッシュセル218(それらのうち、少数のフラッシュセルのみが
図2に示される)、およびポリシリコンチャネル219を含む。ソース201に対向するポリシリコンチャネル219の端部は、最終的に、ビットライン(BL)(不図示)に連結される。
【0011】
図2に示される例示的な実施形態において、ポリシリコン207がワード線WL0になる。同様に、ポリシリコン層209、211、213および215がそれぞれワード線WL1からWL4になる。
図2の明瞭性のため、縦型NANDストリング200を含むすべての構造が示されているわけではないことを理解されたい。ポリシリコン層207、209、211、213および215は、pタイプポリシリコン材料から形成可能であることも理解されたい。さらに、縦型NANDストリング200の示される様々な層および構造は、周知の方法において形成されることを理解されたい。さらに、本明細書に開示の主題は、複数の浮遊ゲート(FG)縦型NANDデバイスに限定されず、複数のチャージトラップフラッシュ(CTF)NANDデバイス等の複数の他の縦型トランジスタ構造等にも適用可能であり、限定はされないがソリッドステートメモリまたは複数のソリッドステートドライブ(SSD)等の積層されたピラー縦型NANDの複数のスケーリングアプローチにおける性能を高め得る。
【0012】
図2に示される例示的な実施形態において、WSix層205は、約20nmの厚みに形成され得、約30:1のアスペクト比を有する複数のピラー(すなわち、複数のチャネル)を形成すべく、エッチングストップ層として使用され得る。従って、WSix層205は、セレクトゲート(SGS)204の部分となり、SGSからWL0までの距離Y
1は、約30nmに減少され、それによりデバイス200のオン電流も減少させる。さらに、WSix層205は、複数のフラッシュセル218を形成するために使用される複数のIPD側壁除去技術と互換性があるので、従来、酸化アルミニウムのエッチングストップ層が使用される場合(すなわち
図1)に形成される所望されないエッチングストップの凹部および所望されない浮遊ゲートは、事実上除去される。
【0013】
図3は、本明細書に開示された主題による、製造時の縦型NANDストリング300の第1の例示的な実施形態の側断面図を示す。例示的な一実施形態において、縦型NANDストリング300は、例えば、ソリッドステートメモリまたはソリッドステートドライブ(SSD)のための複数のNANDストリングのアレイの部分を形成し得る。
図3で示される製造の時点において、縦型NANDストリング300は、ソース301、n
+タイプポリシリコンバッファ層302、第1の酸化物層303、pタイプポリシリコン材料から形成された第1のセレクトゲートソース(SGS)層304、タングステンサリサイド(WSix)層305、pタイプポリシリコン材料から形成された第2のセレクトゲート(SGS)層306、第2の酸化物層307、第1のnタイプポリシリコン層308、第3の酸化物層309、第2のnタイプポリシリコン層310、第4の酸化物層311、第3のnタイプポリシリコン層312、第5の酸化物層313、第4のnタイプポリシリコン層314、第6の酸化物層315、第5のnタイプポリシリコン層316、第7の酸化物層317、および限定はされないがシリコン窒化物層等の化学機械的平坦化(CMP)層318を備える。縦型NANDストリング300はまた、複数の個々のフラッシュセル319(それらのうち、少数のフラッシュセル319のみが
図3に示される)、およびポリシリコンチャネル320を含む。ソース301に対向するポリシリコンチャネル320の端部は、最終的に、ビットライン(BL)(不図示)に連結される。
【0014】
図3に示される例示的な実施形態において、ポリシリコン308がワード線WL0になる。同様に、ポリシリコン層310、312、314および316がそれぞれワード線WL1からWL4になる。
図3の明瞭性のため、縦型NANDストリング300を含むすべての構造が示されているわけではないことを理解されたい。ポリシリコン層308、310、312、314および316は、pタイプポリシリコン材料から形成可能であることも理解されたい。さらに、縦型NANDストリング300の示される様々な層および構造は、周知の方法において形成されることを理解されたい。さらに、本明細書に開示の主題は、複数の浮遊ゲート(FG)縦型NANDデバイスに限定されず、複数のチャージトラップフラッシュ(CTF)NANDデバイス等の複数の他の縦型トランジスタ構造等にも適用可能であり、限定はされないがソリッドステートメモリまたは複数のソリッドステートドライブ(SSD)等の積層されたピラー縦型NANDの複数のスケーリングアプローチにおける性能を高め得る。
【0015】
図3に示される例示的な実施形態において、WSix層305は、第1のSGS層304と、第2のSGS層306との間に形成され、
図2に示される例示的な実施形態200によってもたらされるすべての利点を提供する。つまり、WSix層305は、約20nmの厚みに形成され得、約30:1のアスペクト比を有する複数のピラー(すなわち、複数のチャネル)を形成するためのエッチングストップ層として使用され得る。従って、WSix層305は、SGS304および306の部分となり、SGSからWL0までの距離Y
2は約30nmに減少される。さらに、WSix層305は、複数のフラッシュセル319を形成するために使用される複数のIPD側壁除去技術と互換性があるので、従来、酸化アルミニウムのエッチングストップ層が使用される場合(
図1)に形成される所望されないエッチングストップの凹部および所望されない浮遊ゲートは、事実上除去される。さらに、この例示的な実施形態のためのWSix層305は、2つのポリシリコン層の間に形成されるので、WSix層305の面と、SG層304および306の面との間の界面の付着力は、例示的な実施形態200(
図2)のWSix層205と、第2の酸化物層206との間の界面の付着力より強い。
【0016】
図4は、本明細書に開示の主題による、縦型NANDストリング200(
図2)を形成するための例示的プロセス400のフロー図を示す。
図5A〜5Iは、例示的プロセス400の様々な段階を示す。
【0017】
図4のブロック401は、プロセス400への例示的なエントリポイントを表す。
図5Aは、
図2に示される例示的な縦型NANDストリングの一実施形態500を製造するための一例示的なエントリポイントを示す。
図5Aに示されるように、周知の方法を使用して、様々な層が堆積される。特に、デバイス500は、ドープされたポリシリコン材料層またはWSix材料層から形成されたソース層501を備える。ソース材料501がWSixから形成される場合、n
+タイプバッファポリシリコン材料層502が、ソース層501上に形成される。ソース材料501がドープされたポリシリコンから形成される場合、バッファ層502は必要とされない。第1の酸化物層503がバッファポリシリコン層502上に形成される。酸化物層503に好適な複数の材料は、限定はされないが、TEOS酸化物、およびオゾン/オルトケイ酸テトラエチル(O
3/TEOS)等の高アスペクト比プロセス(HARP)の酸化膜を含む。セレクトソースゲート(SGS)層504は、第1の酸化物層503上に形成される。WSix‐SGS層505は、SGS層504上に形成される。(この時点において、
図3に示される例示的な縦型NANDストリングの一実施形態が所望される場合、第2のSGS層が、WSix‐SGS層505上に形成される。)
【0018】
図4のプロセスの例示的なエントリポイント(ブロック401)および
図5Aのデバイス500に戻り、第2の酸化物層506は、WSix層505上に形成され、第1のnタイプのポリシリコン層507が酸化物層506上に形成される。縦型NANDストリングが含むことになるフラッシュセルの数により、酸化物およびnタイプポリシリコンの複数の層が交互に形成される。
図5A〜5Iに示される例示的な縦型NANDストリングは、5つのフラッシュセルを有することになり、よって、酸化物層508、510、512および514とnタイプポリシリコン層509、511、513および515が酸化物層506上に交互に形成される。本明細書に開示された主題による、縦型NANDストリングの複数の実施形態は、5つのフラッシュセルより多いまたは少ないフラッシュセルを有し得ることを理解されたい。酸化物層516は、nタイプポリシリコン層515上に形成される。窒化物キャップ層517は、酸化物層516上に形成される。酸化物キャップ層518は、窒化物キャップ層517上に形成される。カーボン等のハードマスク層519は、酸化物キャップ層518上に形成され、レジスト層520はハードマスク層519上に形成される。複数の代替的な実施形態において、キャップ層518は、窒化物材料、ポリシリコン材料またはHi‐K絶縁材料から形成され得る。
【0019】
図5Bにおいて、WSix層505の中で停止する、ピラーエッチング(
図4のブロック402)が周知の方法で実行され、最終的にデバイス500のチャネルになる、高アスペクト比のトレンチ521を形成する。
図5Bは、ハードマスク層519およびレジスト層520が除去されていることも示す。デバイス500は、5段のフラッシュセルのみを有することになるが、本明細書に開示の主題は、そのように限定されず、さらに多くの段(約40)のフラッシュセルを有し得ることを理解されたい。
【0020】
図5Cにおいて、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)エッチングが、トレンチ521内で実行され(ブロック403)、nタイプポリシリコン層507、509、511、513および515を522においてエッチングバックする。
図5Cの明瞭性のため、少数の箇所のみが示されている。WSix層505はTMAHエッチングによって影響を受けず、それにより、縦型NANDストリングの形成のために、酸化アルミニウムエッチングストップ層が従来使用される場合に形成される、所望されないエッチングストップ凹部および浮遊ゲートを回避する。
図5Dでは、Inter Poly Dielectric(IPD)材料523がトレンチ521および複数のエッチバックされた箇所522に周知の方法で形成される(ブロック404)。複数のエッチバックされた箇所522を埋めるべく、浮遊ゲート(FG)ポリシリコン材料524が形成される(ブロック405)。
【0021】
図5Eでは、周知のドライエッチング技術が実行され(ブロック406)、IPD材料523、ポリシリコン材料524およびWSix層505を貫通して、トレンチ521の底部521aをエッチングし、バッファポリシリコン層502のすぐ上方の酸化物層503内で停止する。
図5Fでは、いずれかのWL‐WLショートを防ぐべく、残存するFGポリシリコン材料523をトレンチ521から除去する、周知のウェットエッチング技術が実行される(ブロック407)。さらに、周知のシリコン窒化物エッチング液を使用して、IPD材料523が除去される。WSix層505は元の状態を保っている。これに対し、従来のプロセスでは、酸化アルミニウムは元の状態を保てず、所望されないエッチングストップの凹部および所望されない浮遊ゲートが形成されるであろう。
【0022】
図5Gでは、トンネル酸化物層525が周知の方法で、トレンチ521内に形成される(ブロック408)。トンネル酸化物層525のための好適な材料は、限定はされないが、周知の急熱CVD(RTCVD)プロセスによって堆積される高温酸化物(HTO)を含む。次に、トンネル酸化物層をその後のエッチングから保護すべく、ポリシリコンライナ526がトンネル酸化物層525上に形成される(ブロック409)。その後のエッチングはトレンチ521の底部から、バッファポリシリコン502およびポリシリコンライナ526を除去する。
図5Hでは、その後のドライエッチングが、ポリシリコンライナ526を除去(ブロック410)し、トレンチの底部521bから、バッファポリシリコン502およびポリシリコンライナ526を除去しつつ、デバイス500の上部からキャップ層518も除去する。さらに、より優れたチャネルの導通のため、別のエッチング(ポストパンチ洗浄)洗浄が実行され、チャネルとソース層501との間に残存するSGS酸化物をすべて除去し、その結果、チャネルがソース層501に対する電気的接触を形成する。
【0023】
図5Iで、トレンチ521は周知の方法で、ポリシリコン527で埋められ(ブロック411)、チャネルを形成し、周知のポリCMP技術が使用され、チャネルから余分なポリシリコンが除去される。
【0024】
これらの変形は、上記詳細な説明を考慮して、なし得る。以降の特許請求の範囲において使用される複数の用語は、本明細書および特許請求の範囲で開示される、複数の特定の実施形態に対する範囲を限定するものと解釈されるべきではない。むしろ、本明細書に開示された複数の実施形態の範囲は、以降の特許請求の範囲によって決定されるべきであり、特許請求の範囲は、クレーム解釈に係る複数の確立された理論に従い、解釈されるべきである。