(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6139418
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年5月31日
(54)【発明の名称】トレフィン
(51)【国際特許分類】
A61B 17/16 20060101AFI20170522BHJP
A61B 17/17 20060101ALI20170522BHJP
【FI】
A61B17/16
A61B17/17
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-558094(P2013-558094)
(86)(22)【出願日】2012年3月12日
(65)【公表番号】特表2014-515634(P2014-515634A)
(43)【公表日】2014年7月3日
(86)【国際出願番号】US2012028803
(87)【国際公開番号】WO2012125578
(87)【国際公開日】20120920
【審査請求日】2015年3月2日
(31)【優先権主張番号】61/451,749
(32)【優先日】2011年3月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/451,751
(32)【優先日】2011年3月11日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ・リ・ファン
(72)【発明者】
【氏名】バーナード・ジェイ・ブルク
(72)【発明者】
【氏名】レベッカ・アン・ブラウ
(72)【発明者】
【氏名】ベン・キム・グラフ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・アール・デイヴィス
【審査官】
佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−212449(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0099382(US,A1)
【文献】
米国特許第5197967(US,A)
【文献】
米国特許第6224603(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/16
A61B 17/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アダプタと、前記アダプタに結合されている細長いリーマーと、リーマー支持ステムとを備えているトレフィンにおいて、
前記リーマー支持ステムが、前記リーマー及び前記アダプタの内部に同心に取り付けられており、
前記リーマー支持ステムの少なくとも一部分が、前記トレフィンの長手軸線に沿って滑動可能に移動され、
前記リーマー支持ステムの遠位端には、骨係合歯が設けられており、
前記リーマー支持ステムと前記アダプタとが、前記リーマー支持ステムを前記アダプタに結合するための相補的な係合手段を含んでおり、
前記骨係合歯が骨を穿孔した後に前記相補的な係合手段が係合解除されると、これにより適切な軸線方向の力が前記リーマー支持ステムの遠位端に作用した場合に、前記リーマー支持ステムが、前記アダプタを通じて近位方向に滑動されることを特徴とするトレフィン。
【請求項2】
前記リーマー支持ステムには、挿管口腔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトレフィン。
【請求項3】
前記リーマー支持ステムには、挿管口腔が形成されており、これによりガイドワイヤが、前記リーマー支持ステム内に受容されることを特徴とする請求項2に記載のトレフィン。
【請求項4】
前記リーマーが、前記アダプタに取り外し可能に結合されていることを特徴とする請求項1に記載のトレフィン。
【請求項5】
前記リーマー支持ステムと前記アダプタとが、摩擦嵌合によって結合されていることを特徴とする請求項1に記載のトレフィン。
【請求項6】
前記リーマー支持ステムが、シャフトと折り畳み式カラーとを備えていることを特徴とする請求項1に記載のトレフィン。
【請求項7】
前記折り畳み式カラーと前記シャフトとが、前記折り畳み式カラーを前記シャフトに結合するための相補的な係合手段を含んでいることを特徴とする請求項6に記載のトレフィン。
【請求項8】
前記相補的な係合手段が係合解除されると、これにより適切な軸線方向の力が前記折り畳み式カラーの遠位端に作用した場合に、前記折り畳み式カラーが、前記シャフトを覆った状態で近位方向に滑動されることを特徴とする請求項7に記載のトレフィン。
【請求項9】
前記折り畳み式カラーと前記シャフトとが、摩擦嵌合によって結合されていることを特徴とする請求項6に記載のトレフィン。
【請求項10】
骨孔を形成すると共に骨材料を摘出するためのシステムにおいて、
前記システムが、請求項1〜9のいずれか一項に記載のトレフィンとガイドワイヤとを備えていることを特徴とするシステム。
【請求項11】
前記システムが、一組の圧縮プライヤーを備えていることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記圧縮プライヤーが、一組のレバーを備えており、
前記レバー同士が、前記レバーの遠位領域に配置されている支点において回動可能に結合されていることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記圧縮プライヤーが、レバーの前記遠位端にジョー一式を備えており、支点の近位に一組のハンドルを備えていることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記ジョーが、一組の対向配置されている相補的な形状のプレートから形成されていることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムが、圧縮された骨を圧縮プライヤーのジョーから取り除くためのプランジャを備えていることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、医療器具及び医療手法に関し、より具体的には、靭帯を再建するための医療器具及び医療手法に関する。
【背景技術】
【0002】
事故を原因として、靭帯が裂傷又は断裂する場合がある。従って、このような損傷した靭帯を修復又は置換するために様々な医療手法が発展してきている。
【0003】
例えばヒトの膝では、前十字靭帯(すなわち“ACL”)及び後十字靭帯(すなわち“PCL”)が、脛骨の先端部と大腿骨の基端部との間を延在している。前十字靭帯(すなわち“ACL”)は、例えばスポーツに関連した負傷を原因として裂傷又は断裂する場合がある。
【0004】
その結果として、様々な医療手法が、ACLを再建するために発展してきている。
【0005】
多くの場合において、ACLは、断裂したACLを移植靭帯に置換することによって再建される。より具体的には、このような医療手法では、一般に、骨孔は脛骨の先端部と大腿骨の基端部との両方に形成され、この場合には、移植靭帯の一方の端部が大腿骨孔内に位置しており、移植靭帯の他方の端部が脛骨孔内に位置しており、移植靭帯の中間部分が大腿骨の基端部から脛骨の先端部に至るまで延在している。移植靭帯の端部それぞれが、移植靭帯が大腿骨の基端部と脛骨の先端部との間において元々のACLと略同一の態様で且つ略同一の機能を有して延在しているように、様々な公知な方法で対応する骨孔内に係止されている。当該移植靭帯は、周囲の解剖学的構造と協働することによって、概略的に膝に対する正常な機能を回復させることができる。
【0006】
移植靭帯の両端部それぞれを大腿骨孔及び脛骨孔内に係止するための様々な方法が知られている。既知の処置では、移植靭帯の端部が骨孔内に配置された後に、整形外科用ヘッドレスネジすなわち締付用ネジ(interference screw)を利用することによって、移植靭帯が所定の位置に固定される。当該方法によって、移植靭帯の端部が骨孔内に配置された後に、締付用ネジが骨構内を前進し、これにより締付用ネジが骨孔に対して平行に延在すると同時に、移植靭帯と骨孔の側壁との両方に係合する。このような配置では、締付用ネジは、骨孔の対向する側壁と係合するように横方向に移植靭帯を移動させ、これによりいわゆる“締まり嵌め”で移植靭帯を元々の靭帯が繋がっていた骨に固定することができる。その後に、所定の時間(例えば数か月)が経過すると、移植靭帯と元々の靭帯が繋がっていた骨とがその接触点において共に成長し、これにより移植靭帯と骨とが自然に強く結合される。締付用ネジは、移植靭帯を骨孔内に固定するための効果的な手段であることが明らかになっている。しかしながら、締付用ネジ自体は、骨孔内の空間を大きな割合で占有しているので、移植靭帯と骨孔との接触の程度が限定されてしまう。従って、これにより、骨が移植靭帯に対して内成長する領域が制限され、さらには、結合部の強度に影響を及ぼす。一般的な締付用ネジは、骨が移植靭帯に結合する潜在的な領域のうち約50%の領域を阻害していると見積もられている。
【0007】
このような問題を解決するための一の方法は、締付用ネジを生体吸収性材料から作ることである。これにより、所定の時間が経過すると
締付用ネジが吸収され、骨が、移植靭帯に対して、骨孔の全周を中心として内成長することができる。概して、当該方法は、臨床的に成功を収めている。
【0008】
しかしながら、これら生体吸収性を有している締付用ネジは、依然として幾つかの欠点を抱えている。臨床的証拠は、移植靭帯に対する骨の内成長の性質が元々の靭帯に対する骨の内成長の性質と相違すること、及び、生体吸収性高分子が良好に整えられた組織基質ではなく繊維性の腫瘤に置き換えられることを示唆している。約3年程度の相当の期間に亘って吸収が行われるが、この間には、締付用ネジが存在しているので、人工靭帯に対する骨の内成長が依然として制限されている。さらに、多くの患者にとっては、吸収は完了しておらず、相当量の異質な物体が体内に残存している。生体吸収性を有している締付用ネジは、適切な強度を得るために非常に大きくなる傾向にあり、例えば一般的には、締付用ネジの直径(すなわち外径)が8mm〜12mmであり、締付用ネジの長さが20mm〜25mmである。これにより、上述の問題は幾らか悪化される。
【0009】
特許文献1は、代替的な方法を開示しており、移植靭帯を骨に固定するための複合材料から成る締付用ネジについて説明している。複合材料から成る締付用ネジは、骨が移植靭帯に対して内成長している間において締付用ネジを所定位置に設置すると共に移植靭帯を所定位置に保持するために必要な、ネジフレームを備えている。好ましくは、ネジフレームは生体吸収性高分子から作られており、内成長コアは吸収性高分子から形成されている骨格構造であるので、複合材料から成る締付用ネジは、時間が経過すると、手術部位からほぼ完全に消失する。当該骨格構造は、脱灰された骨から形成されている同種移植片である場合がある。
【0010】
ネジフレームは、少なくとも幾つかのネジ山の中間に延在している開口部を含んでいる。これら開口部は、骨孔の側壁と内成長コアとの接触を実現する。
【0011】
患者自身の骨材料から形成されている自家移植片の内成長コアを利用することが望ましい。上述のように、十字靭帯の再建及び他の類似するタイプの再建手術では、骨孔内に挿入するための腱又は靭帯が必要とされる。好ましくは、骨孔は、断裂した靭帯又は腱が元々繋がっていた部位に配設される。このような配設は、解剖学的に配設されると言われる。骨孔の長さは、移植片が堅牢性及び強度について適切な係合を実現するのに十分であることを必要とする。骨孔が形成された場合には、穿孔具は、一般に集められておらず、穿孔プロセスにおいて洗い流される。
【0012】
代替的な方法では、骨孔が形成されたときに、骨のコアが後々のために摘出される。一般に、外科医は、骨を患者から摘出するために、コアリングトレフィンシステム(coring trephine system)を利用し、摘出された骨は、結果として生じた欠陥を充填することによって治癒を促進させるために利用されるだろう。骨を摘出する前に、ガイドワイヤが、骨孔が形成される予定の経路に沿って骨を貫通して穿孔する。コアリングトレフィンシステムが、ガイドワイヤによって案内される経路を再び穿孔する前に挿入され、ガイドワイヤ全体を介して滑動される。
【0013】
上述のコアリングトレフィンシステム特有の問題は、トレフィンがガイドワイヤと同心に穿孔することを維持することが困難であることである。この問題は、特許文献2に開示されるさらなる処置ステップを含むことによって解決可能であるが、当該処置ステップでは、ガイドピンが脛骨を通じて穿孔された後にガイドピンを取り除く必要がある。環状のガイドピンを導入した後に、挿入されたコアソー(core saw)が利用される。他のシステムは、穿孔している際にコアリングリーマーを安定させるために、さらなる装置を必要とする。しかしながら、これらシステム及び方法は、穿孔している際にトレフィンを調整するためのさらなるステップ(及び装置)を必要とするので、一層複雑となり、処置を実行するために必要な時間を増大させる。
【0014】
従って、一層良好な関節鏡所見方法を求めるニーズが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開第2008/021474号
【特許文献2】米国特許第5423823号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
広義には、本発明は、アダプタとリーマーとリーマー支持ステムとを備えているトレフィンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一の実施態様は、アダプタと、アダプタに結合されている細長いリーマーと、リーマー支持ステムとを備えているトレフィンであって、リーマー支持ステムが、リーマー及びアダプタの内部に同心に取り付けられており、リーマー支持ステムの少なくとも一部分が、トレフィンの長手軸線に沿って滑動可能に移動可能とされる、トレフィンを提供する。好ましくは、リーマー支持ステムには、挿管口腔が形成されている。より好ましくは、リーマー支持ステムにも挿管口腔が形成されており、これによりガイドワイヤがリーマー支持ステム内に受容可能とされる。これにより、トレフィンは、骨の内部に挿入されているガイドワイヤ覆って滑動可能に取り付けられる。その結果として、トレフィンは、ガイドワイヤに直接係合させることによって、さらなるガイドを必要とせず、骨を摘出するために利用可能とされる。
【0018】
好ましくは、リーマーは、アダプタに取り外し可能に結合されている。
【0019】
適切には、リーマー支持ステムとアダプタとが、リーマー支持ステムをアダプタに結合するための相補的な係合手段を含んでいる。
【0020】
好ましくは、相補的な係合手段が係合解除され、これにより適切な軸線方向の力がリーマー支持ステムの遠位端に作用した場合に、リーマー支持ステムが、アダプタを通じて近位方向に滑動可能とされる。代替的には、リーマー支持ステムとアダプタとが、摩擦嵌合によって結合される。好ましくは、リーマー支持ステムは、アダプタと取り外し可能に結合されている。
【0021】
代替的には、リーマー支持ステムは、シャフトと折り畳み式カラーとを備えている。好ましくは、折り畳み式カラーとシャフトとが、折り畳み式カラーをシャフトに結合するための相補的な係合手段を含んでいる。好ましくは、相補的な係合手段が係合解除されると、これにより適切な軸線方向の力が折り畳み式カラーの遠位端に作用した場合に、折り畳み式カラーがシャフトを覆って近位方向に滑動可能とされる。代替的には、折り畳み式カラーとシャフトとが摩擦嵌合によって結合されている。好ましくは、折り畳み式カラーが、シャフトと取り外し可能に結合されている。
【0022】
骨孔を形成すると共に骨材料を摘出するためのシステムは、上述のトレフィンとガイドワイヤとを備えている。
【0023】
適切には、当該システムは、一組の圧縮プライヤーを備えている。好ましくは、圧縮プライヤーは、レバーの遠位領域に配置された支点において回動可能に結合されている、一組のレバーを備えている。好ましくは、圧縮プライヤーは、レバーの遠位端にジョー一式と、支点の近位に一組のハンドルを備えている。好ましくは、ジョーは、一組の互いに対して反対側に配置された相補的な形状のプレートから形成されている。
【0024】
適切には、当該システムはプランジャをさらに備えている。プランジャは、圧縮された骨を圧縮プライヤーのジョーから取り除くために利用可能とされる。関節鏡視下靭帯再建手術において骨孔を形成すると共に骨材料を摘出するための方法は、
i)骨を穿孔して、ガイドワイヤを骨に挿入するステップと、
ii)骨に係合させるために、ガイドワイヤを覆った状態で上述のトレフィンを滑動させるステップと、
iii)トレフィンを骨の内部に前進させることによって骨孔を拡大させるステップと、
を備えている。
【0025】
当該方法では、靭帯が前十字靭帯であり、骨が脛骨である。
【0026】
本発明の上述の実施態様及び他の実施態様については、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の第1の実施例におけるトレフィンの分解側面図である。
【
図2】
図1に表わす実施例における、アダプタとリーマー支持ステムの遠位端との拡大図である。
【
図3】
図1に表わす実施例の組み立てられた状態における、アダプタ及びリーマー支持ステムの拡大図である。
【
図4】部分的に組み立てられたトレフィンの側面図である。
【
図5】
図1に表わす組み立てられたトレフィンの側面図である。
【
図6A】
図1に表わす組み立てられたトレフィンの側面図である。
【
図6B】
図1に表わす組み立てられたトレフィンの断面図である。
【
図6C】
図1に表わす組み立てられたトレフィンの拡大断面図である。
【
図7】
図1に表わす組み立てられたトレフィンのアダプタの斜視断面図である。
【
図8A】
図1のトレフィンの利用を表わす斜視図である。
【
図8B】
図1のトレフィンの利用を表わす斜視図である。
【
図8C】
図1のトレフィンの利用を表わす斜視図である。
【
図8D】
図1のトレフィンの利用を表わす斜視図である。
【
図8E】
図1のトレフィンの利用を表わす斜視図である。
【
図9A】
図1のトレフィンと共に利用するための圧縮プライヤーの斜視図である。
【
図9B】
図1のトレフィンと共に利用するための圧縮プライヤーの斜視図である。
【
図9C】
図1のトレフィンと共に利用するための圧縮プライヤーの斜視図である。
【
図11】本発明の第2の実施例におけるトレフィンを第1の側面から見た分解図である。
【
図12】
図10に表わす組立られたトレフィンの側面図である。
【
図13】
図10に表わすトレフィンのカラー集合体の分解図である。
【
図14】
図10に表わすカラー集合体とトレフィンのリーマーの遠位端との拡大側面図である。
【
図15】
図10に表わすトレフィンのアダプタとリーマー支持ステムとを第1の側面から見た拡大斜視図である。
【
図16】
図14に表わす組み立てられたアダプタとリーマー支持ステムとを第1の側面から見た拡大斜視図である。
【
図17】
図16に表わす組み立てられたトレフィンの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1〜
図5は、本発明の一の実施例におけるトレフィン10の分解図である。トレフィン10は、アダプタ11とリーマー12とリーマー支持ステム13とから形成されている。アダプタ11とリーマー12とリーマー支持ステム13とはそれぞれ、挿管内腔を含んでいる。アダプタ11は、近位レッグ15と遠位ヘッド20との間に挿置されている本体14を含んでいる。本体14は、アダプタ11の外面とアダプタ11の挿管内腔との間に延在しているチャネル21を含んでいる。プランジャ22は、チャネル21内において移動可能とされ、プランジャ22の少なくとも一部分が、アダプタ11の挿管内腔内部に延在している。一連のスプリングワッシャ23は、本体14に装着された外部カラー又は外部キャップと組み付けられた形態において、プランジャ22を挿管内腔に向かって付勢するように動作する。このような構成については、
図6Cを参照して詳しく後述する。アダプタレッグ15は、アダプタレッグ15の近位端に向かって延在している平坦領域25を含んでいる。平坦領域25を介して、トレフィン10はドリル(図示しない)に接続可能とされる。遠位ヘッド20は、一組の互いに反対向きに且つ径方向に延在しているピン30を含んでいる。
【0029】
リーマー12は、アダプタ11の遠位ヘッド20の外径より大きい内径を有している円筒状部材から形成されている。これにより、リーマー12は、組み立てられた状態においてアダプタヘッド20に沿って滑動可能とされる。これについては、
図4及び
図5を参照して以下において説明する。リーマー12の遠位端には、一連の骨係合ブレード又は骨係合歯31が形成されており、リーマー12の近位端には、一組のアダプターピン係合溝32が互いに対して反対側に形成されている。アダプターピン係合溝32が略T字状に形成されているので、リーマー12はバヨネット式機構でアダプター11にロック可能とされる。ピン及び溝から成る機構について、一組の反対側に配設された相補的なピン及び溝を一例として説明したが、3つ以上の相補的なピン及び溝から成る他の適切な機構であれば、本発明に適用することができる。
【0030】
リーマー支持ステム13は、円筒状部材から形成されており、アダプタ11の遠位ヘッド20の内径より小さい外径を有している。これにより、リーマー支持ステム13の近位端は、アダプタ11の遠位ヘッド20内部に挿入可能とされる(
図2及び
図3参照)。リーマー支持ステム13の近位端は、先細りになっている錘状端部を含んでおり、これにより、リーマー支持ステム13をアダプタ11内に挿入することを補助している。リーマー支持ステム13の遠位端は、僅かに拡大されたヘッド34を含んでおり、拡大されたヘッド34自体は、骨係合歯35を含んでいる。リーマー支持ステム13の近位領域には、リーマー支持ステム13の外面と挿管内腔との間に延在している開口部33が形成されている。リーマー支持ステム13がアダプタ11内部に挿入された場合には、アダプタ11の挿管内腔内部に延在しているプランジャ22の一部分が、リーマー支持ステム13の開口部33と係合すると共に開口部33の内部に延在しているので、アダプタ11とリーマー支持ステム13との両方をロックすることができる。周囲マーク40は、開口部33から離隔した近位領域において、リーマー支持ステム13内に又はリーマー支持ステム13の外面に配設されている。
【0031】
図2及び
図3は、トレフィン10のアダプタ11及びリーマー支持ステム13が互いに係合した場合における、アダプタ11とリーマー支持ステム13の遠位端との詳細図である。レーザーマーク40は、リーマー支持ステム13の開口部33とアダプタ11のプランジャ22との係合を補助するために、利用者がリーマー支持ステム13の挿入深さを知ることができるように設けられている。
【0032】
図4及び
図5は、トレフィン10の組立の最終段階を表わす。
図4及び
図5では、リーマー12は、一般的には使い捨てであるが、リーマー支持ステム13に沿って滑動可能とされる。リーマー12の遠位に位置するアダプターピン係合溝32は、アダプタ11のピン30と嵌合され、リーマー12は、僅かに回転させることによってピン30に所定位置でロックされる。
【0033】
図6A、
図6B、
図6C、及び
図7は、リーマー支持ステム13とアダプタ11との係合機構の詳細図である。図示の如く、プランジャ22は、リーマー支持ステム13の開口部と係合しているスプリングワッシャ23によって、リーマー支持ステム13に向かって付勢されている。以下に詳述するように、トレイフィン10の利用時には、十分に大きい力がリーマー支持ステム13の遠位端に作用した場合には、これによりプランジャ22と開口部33との係合が解除され、リーマー支持ステム13がトレフィンの他の部分に対して近位方向に前進される。言うまでもなく、スプリングワッシャ23は、バネ又は他の適切な付勢手段に置き換えることができる。
【0034】
図8A、
図8B、及び
図8Cは、本発明におけるトレフィンシステムの利用を表わす。トレフィンシステムは、骨孔を形成するためのトレフィンと、摘出された骨を切断及び成形することを補助するための圧縮プライヤー(
図9及び関連する以下の説明を参照)と、国際公報第2008/021474号に関連する上述の締付用ネジの中心に骨を埋め戻すことを補助するための器具とを含んでいる。トレフィンシステムは、様々な異なる大きさのリーマーと、靭帯再建手術のために必要とされる様々な大きさの骨孔に対応するリーマー支持ステムとを含んでいる。
【0035】
靭帯再建手術における第1のステップは、例えば脛骨孔が形成されるであろう経路に沿ってガイドワイヤ41を脛骨内に挿入することである(
図8A参照)。このことは、外部ドリルガイド(図示しない)を利用することによって実現される。損傷した前十字靭帯を整復するための一般的な靭帯再建手術では、直径2.4mmのガイドワイヤ41が利用される。次に、外科医は、適切な大きさのトレフィンアダプタ11と、リーマー支持ステム13と、利用する予定の移植片の直径に適合するリーマー12とを選択する。アダプタ11、リーマー支持ステム13、及びリーマー12の直径の大きさは同一とされるべきである。その後に、リーマー支持ステム13は、アダプタ11の内部に挿入され、リーマー支持ステム13の周囲レーザーマーク40がアダプタ11の遠位端と一致した場合にアダプタ11内に適切に配設され、プランジャ22が、開口部33に係合される(
図6C参照)。その後に、リーマー12は、リーマー支持ステム13を覆った状態で滑動され、ピン30とアダプターピン係合溝32とがロックされた状態で係合されることによって所定位置に固定され、完全に組み立てられたトレフィンが、アダプタレッグを介してドリルに取り付けられる(図示しない)。
【0036】
その後に、リーマー支持ステム13の遠位端に形成された骨係合歯35が、ガイドワイヤ41が脛骨内に挿入される地点において骨と係合するに至るまで、トレフィン組立体は、ガイドワイヤ41を覆った状態で前進される。トレフィン組立体がさらに前進すると、最初にリーマー支持ステム13が骨を浅く穿孔し、リーマー12の骨係合歯31が骨に係合する。その後に、リーマー12を前進させるために必要な力が、アダプタ11の本体14内に配置されているプランジャ22を開口部33の内部から取り外すのに十分な大きさとなるので、リーマー支持ステム13は、アダプタ11の本体14を通じて近位方向に移動し、リーマー12が脛骨を通じて前進した場合にその移動を停止する。リーマー12は、リーマー12の遠位端が脛骨プラトーにおいて脛骨の皮質と任意の軟組織の残部との両方を完全に突き抜けるまで前進する(
図8D参照)。当該ステップにおいて、トレフィンシステムの内部で摘出された骨を脛骨孔から容易に且つ確実に取り除くことができる。
【0037】
トレフィンシステムから摘出された骨は、最初にアダプタ11及びリーマー支持ステム13をガイドワイヤ41から係合解除することによって取り除かれる。その後に、
図8Eに表わすように、摘出された骨プラグ42がリーマー12の切断されていない近位端から出るように、リーマー12はガイドワイヤ41及び骨プラグ42から取り外される。摘出された骨は、例えば膝蓋骨、脛骨、及び大腿骨内の欠陥を充填することによって治癒を促進させるために利用される。骨プラグ42が特許文献1に開示される締付用ネジと共に利用される場合には、一連の圧縮プライヤーがガイドワイヤによって骨を切断し、適切な骨プラグを成形するために必要とされるだろう。これについては後述する。
図9A、
図9B、及び
図9Cは、骨を切断及び圧縮するための一連の医療プライヤー50を表わす。医療プライヤー50は、一組のレバー51から成り、一組のレバー51は、レバー51の遠位領域に配置されている支点において回動可能に結合されている。一連のジョー53が、レバー51の遠位端に配設されており、支点52の近位領域は、一組のハンドル54を形成している。このような構成の機械的利点は、利用者の把持力を増大させ、ジョー53内に保持された物体に集中させることができることにある。プライヤー50は、手で扱うには小さすぎる物体を操作及び切断するために利用することができる。
【0038】
ジョー53は、一組の対向する相補的な形状に成形された成形プレート55から形成されている。
図9Bに明確に表わすように、ハンドル54を把持している利用者によって成形プレート55同士が接合された場合には、一連のシリンドリカルな空洞60が形成される。従って、例えば骨組織がジョー53同士の間にすなわち成形プレート55同士の間に挟み込まれた場合には、圧力がハンドル54に作用し、骨組織がシリンドリカルな空洞60内で圧縮されるので、骨組織が円柱状のプラグ42に成形される。成形プレート55のエッジ61は先鋭化しているので、円柱状の骨プラグ42を成形すること、及び、医療プライヤー50のジョー53内に残存している関連する骨組織から骨プラグ42を切断することを補助することができる。図示の実施例では、成形プレート55が、連続する3つの相補的な溝を含んでおり、3つの相補的な溝は、ジョー53が接合した場合に3つのシリンドリカルな空洞60を形成する。溝それぞれが異なる半径を有している場合には、それぞれ直径が相違する3つの円柱状の骨プラグを提供することができる。代替的な実施例では、図示しないが、溝それぞれの半径が同一であるので、3つの同一の円柱状の骨プラグ42を提供することができる。また、ハンドル54は、開いた状態においてハンドル54ひいてはジョー53を付勢するための、バネ62の形態をした付勢手段と、ハンドル54及びジョー53を所望の位置にロックするための、親指で操作可能なラッチとを含んでいる。また、プランジャ工具64(
図9C参照)は、医療プライヤー50と共に利用することによって円柱状の骨プラグを取り除くことを補助するために準備されている。これについては、以下に詳述する。プランジャ工具64は、平坦な近位ヘッド65と、細長い本体66と、遠位ピン69とを含んでいる。遠位ピン69の直径は、医療プライヤー50の閉じられた成形プレート55によって形成されたシリンドリカルな空洞60のうち少なくとも1つの空洞の直径に相当している。
【0039】
図9A〜
図9Cに表わす上述の医療プライヤー50は、本発明におけるトレフィンシステムと共に利用可能とされる。依然としてガイドワイヤ41に取り付けられている摘出された骨がトレフィンシステムから取り除かれる段階において(
図8E参照)、
図10Aに表わすように、医療プライヤー50は、摘出された骨をガイドワイヤ41から取り外すために利用可能とされる。摘出された骨プラグ42がガイドワイヤ41から取り外されると、開いたジョー53が、摘出された骨プラグ42の周囲に配置され、摘出された骨プラグ42を保持する。その後に、成形プレート55の切断縁部を利用することによって、さらなる圧力を医療プライヤー50のハンドル54に作用させると、これにより骨プラグ42が成形され小さくなる。閉じられたジョー53のシリンドリカルな空洞60の圧縮作用によって、摘出された骨が圧縮及び再成形される。次に、締付ネジが骨孔内の所定位置に配置された場合に、適切な時期に骨プラグ42を上述の締付ネジに送り出すための準備をするためにジョー53が閉じられた状態で、ラッチ63が医療プライヤー50をロックするために閉じられる。
【0040】
図10Bを参照すると、骨孔71内に配置されている挿入された締付用ネジ70を埋め戻す際に、医療プライヤー50は、ジョー53に付された適切な大きさのレーザーマーク72を締付ネジ70の中心に位置合わせすることによって、締付用ネジ70の直上に位置決めされる。その後に、プランジャ工具64(図示しない)は、医療プライヤー50のジョー53の反対側の端部に挿入され、骨プラグ42を締付用ネジ70の中心に移動させるために前進される。
【0041】
上述のトレフィンシステムは、穿孔する際にリーマーがガイドワイヤに対して相対的に移動することを防止することによって、骨材料の中心を正確に割り出すことができる。また、当該トレフィンシステムは、数少ないデバイスの利用によって実現とされ、一層容易に摘出ステップを実施可能とされるので顕著に時間を節約することができる。上述のように、優位なトレフィンシステム及び当該トレフィンシステムを利用するための方法は、適切な骨プラグを実現するためのさらなるステップ又はさらなるガイドを含んでいる。上述のトレフィンシステムは、さらなる器具を必要とせず、又はさらなる方法ステップを必要とせず、一層効果的に骨プラグを作るために利用可能とされる。
【0042】
図11〜
図17は、本発明におけるトレフィンの代替的な実施例をあ表わす。
図11は、本発明の第2の実施例におけるトレフィン10′の分解図である。トレフィン10′は、アダプタ11′とリーマー12′と折り畳み式カラー75とリーマー支持ステム13′とから形成されている。アダプタ11′、リーマー12′、折り畳み式カラー75、及びリーマー支持ステム13′それぞれが、挿管内腔を含んでいる。アダプタ11′は、近位レッグ15′と遠位ヘッド20′との間に挿置されている本体14′を含んでいる。本体14′は、アダプタ11′の外面とアダプタ11′の挿管内腔との間で延在しているチャネル21′(
図17参照)を含んでいる。プランジャすなわちピン(図示しない)は、チャネル21′内部において移動可能とされ、プランジャの少なくとも一部分が、アダプタ11′の挿管内腔の内部に延在している。プランジャは、本体14′に装着されている外部カラー又は外部キャップと共に挿管方向に向かって付勢されている。アダプタレッグ15′は、アダプタレッグ15′の近位端に、トレフィン10′をドリル(図示しない)に接続可能とする平坦領域25′を含んでいる。遠位ヘッド20′は、組み立てられた状態においてリーマー12′に係合するための一連の径方向溝を含んでいる。このことについては、
図16を参照して以下に詳述する。
【0043】
リーマー12′は、円筒状部材から形成されており、リーマー12′の遠位端には、一連の骨係合ブレード又は骨係合歯31′が形成されており、リーマー12′の近位端には、一組のアダプターピン係合溝32′が互いに対して反対側に形成されている(
図16参照)。アダプターピン係合溝32′は、略L字状に形成されており、これによりバヨネット方式でリーマー12′をアダプタ11′にロックすることができる。このことについては、
図16を参照して後述する。リーマー12′の側面には、対向する一組の開口部80が形成されている。リーマー支持ステム13′は、円筒状部材から形成されており、リーマー支持ステム13′の外径は、アダプタ11′の遠位ヘッド20′の内径より小さい。これにより、リーマー支持ステム13′の近位端が、アダプタ11′の遠位ヘッド20′の内部に向かって滑動可能となる(
図15参照)。リーマー支持ステム13′の近位端は、1つ以上の平坦領域73を含んでおり、これによりリーマー支持ステム13′は、組み立てられた時及び利用時にアダプタ11′から独立して回転することが防止される。また、リーマー支持ステム13′の近位領域は、周方向溝74を含んでいる。リーマー支持ステム13′がアダプタ11′の内部に滑入した場合に、アダプタ11′の挿管内腔の内部に延在しているアダプタ11′のプランジャの一部分が周方向溝74と係合することによって、アダプタ11′及びリーマー支持ステム13′が共にロックされる。
【0044】
折り畳み式カラー75は、リーマー12′の内径より小さい外径を有している管状部材であり、挿管内腔を有している。挿管内腔の直径は、リーマー支持ステム13′の外形より大きい。カムプレート81の形態をした、リーマー12′と係合するための手段が、折り畳み式カラー75の近位端に配置されている。これにより、折り畳み式カラー75は、リーマー12′の内部で且つリーマー支持ステム13′に沿って滑動可能となる。
図12は、完全に組み立てられたトレフィン10′を表わす。
【0045】
図13は、折り畳み式カラー75の分解図である。折り畳み式カラー75の遠位端には、先鋭化された遠位先端部82が形成されており、折り畳み式カラー75の近位端には、一組のフランジ付スロット83が形成されている。カムプレート81は、フランジ付スロット82の内部に収容されており、一連のバネ84によって外方に付勢されている。遠位カラーキャップ85は、一組のネジ90によって折り畳み式カラー75に固定されており、カムプレート81がフランジ付スロット83を遠位方向に滑動させることを防止する。バネ84によって、カムプレート81がフランジ付スロット83の内部において移動可能となる。
【0046】
図14に表わすように、トレフィン10′を組み立てる際に、圧力をカムプレート81に作用させ、折り畳み式カラー75をリーマー12′の内部に前進させることによって、折り畳み式カラー75がリーマー12′内に装填される。カムプレート81をリーマー12′の側壁に形成された開口部80に係合させ、カムプレート81を開口部80に嵌め込むことによって、折り畳み式カラー75がリーマー12′の内部にロックされる。折り畳み式カラー75は、トレフィン10′に装着されたドリルが回転により自身を骨の内部に向かって前進された場合にロックされるように、且つ、ドリルの逆回転によりリーマー12′の内部に後退するように構成されている。これにより、リーマー12′は、骨組織を摘出する場合に折り畳み式カラー75を覆った状態で移動することができる。代替的な構成では、カムプレート81の代わりに、バネによって径方向外向きに付勢される玉軸受又は球状カップが利用される(図示しない)。当該代替的な実施例では、折り畳み式カラーは、類似する方式でリーマーの内部において所定位置に保持されているが、上述のように一方向においてロックされる訳ではない。従って、リーマーの内部における摩擦嵌合を解除するのに十分な大きさの力が折り畳み式カラーに作用すると、トレフィンが骨の内部に向かって前進されているので、折り畳み式カラーが折り畳まれ、これによりリーマーが、折り畳み式カラーに沿って移動すると同時に骨組織を摘出する。
【0047】
トレフィン10′を組み立てる際に、リーマー支持ステム13′は、アダプタ11′の内部及び外部に向かって滑動可能とされ、平坦領域73によって、リーマー支持ステム13′がアダプタ11′から独立して回転することが防止される(
図15参照)。1つ以上のプランジャ22′が周方向溝74と係合すると、これによりプランジャ22′がアダプタ11′から脱落することが防止される。
【0048】
さらに、ストッパ縁部91によって、リーマー支持ステム13′が切断中にアダプタ11′を通じて移動することが防止される。
【0049】
図16を参照すると、アダプタ11′の遠位ヘッド20′は一組の同心カラー92を含んでおり、径方向溝93が同心カラー92同士の間に配置されている。一組のピン94が径方向溝93内に配置されており、アダプターピン係合溝32′がリーマー12′の近位端において滑動され、リーマー12′とアダプタ11′とを係合するために相互にロックされる。アダプタ11′のアダプターピン係合溝32′の内部においてピンをロックすることによって、切断時においてアダプタ11′を安定化させ、リーマー12′がアダプタ11′から脱落することを防止することができる。
【0050】
図17は、組み立てられたトレフィン10′の断面図である。
【符号の説明】
【0051】
10 トレフィン
10′ トレフィン
11 アダプタ
11′ アダプタ
12 リーマー
12′ リーマー
13 リーマー支持ステム
13′ リーマー支持ステム
14 本体
14′ 本体
15 近位レッグ(アダプタレッグ)
15′ 近位レッグ
20 遠位ヘッド(アダプタヘッド)
20′ 遠位ヘッド
21 チャネル
21′ チャネル
22 プランジャ
22′ プランジャ
23 スプリングワッシャ
25 平坦領域
25′ 平坦領域
30 ピン
31 骨係合ブレード(骨係合歯)
31′ 骨係合ブレード(骨係合歯)
32 アダプターピン係合溝
32′ アダプターピン係合溝
33 開口部
34 拡大されたヘッド
35 骨係合歯
40 周囲マーク(レーザーマーク)
41 ガイドワイヤ
42 骨プラグ
50 医療プライヤー
51 レバー
52 支点
53 ジョー
54 ハンドル
55 成形プレート
60 空洞
61 エッジ
62 バネ
63 ラッチ
64 プランジャ工具
65 近位ヘッド
66 本体
69 遠位ピン
70 締付用ネジ
71 骨孔
72 レーザーマーク
73 平坦領域
74 周方向溝
75 折り畳み式カラー
81 カムプレート
82 遠位先端部
83 フランジ付スロット
84 バネ
85 遠位カラーキャップ
91 ストッパ縁部
92 同心カラー
93 径方向溝
94 ピン