(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
折り畳まれた複数個の吸収性物品を包装部材に挿入して包装体を生成する生成工程と、
前記包装体を圧縮方向に圧縮して、複数個の前記包装体である包装体群を段ボールに投入する投入工程であって、前記包装体の圧縮により前記圧縮方向における前記包装体群の長さが前記圧縮方向における前記段ボールの内寸よりも短くなった状態で前記包装体群を前記段ボールに投入する投入工程と、
投入された前記包装体群を、前記圧縮方向とは反対方向に膨張させることにより、前記包装体群の前記反対方向における両端部を前記段ボールの内面に当接させる当接工程と、
を有することを特徴とする吸収性物品の包装方法。
【0012】
このような吸収性物品の包装方法によれば、包装体群と段ボールとが適切に密着され、一体化される。そのため、包装体群が収容された段ボールの強度を向上させることが可能となり、包装体群が収容された段ボールが流通過程で潰れる不都合も生じにくくなる。
【0013】
かかる吸収性物品の包装方法であって、
前記投入工程においては、
前記包装体を圧縮する圧縮段階と、前記包装体群を前記段ボールに投入する投入段階と、が個別に設けられていることが望ましい。
【0014】
このような吸収性物品の包装方法によれば、包装部材を損傷させることなく包装体の圧縮を行うことが可能となる。
【0015】
かかる吸収性物品の包装方法であって、
前記圧縮段階においては、前記包装体を一つずつ圧縮し、
前記投入段階においては、圧縮された各々の前記包装体を前記段ボールに複数個まとめて投入することが望ましい。
【0016】
このような吸収性物品の包装方法によれば、包装体を崩すことなく包装体の圧縮を行うことが可能となる。
【0017】
かかる吸収性物品の包装方法であって、
前記投入工程においては、
前記包装体を前記吸収性物品の厚み方向に圧縮することが望ましい。
【0018】
このような吸収性物品の包装方法によれば、包装体が圧縮方向に変形しやすくなり、圧縮を容易に行うことができる。また、当該変形のしやすさに起因して、当接工程における包装体群の膨張による当接も円滑に行われる。
【0019】
かかる吸収性物品の包装方法であって、
前記生成工程においては、
前記吸収性物品を前記厚み方向に圧縮して複数個の前記吸収性物品を前記包装部材に挿入することが望ましい。
【0020】
このような吸収性物品の包装方法によれば、当接工程における包装体群の膨張による当接がより一層円滑に行われる。
【0021】
かかる吸収性物品の包装方法であって、
前記投入工程においては、
前記圧縮方向が前記段ボールの幅方向に沿うように、前記包装体群を前記段ボールに投入することが望ましい。
【0022】
このような吸収性物品の包装方法によれば、段ボールの外フラップの開放作業を非常に簡便に行うことが可能となる。
【0023】
かかる吸収性物品の包装方法であって、
前記投入工程においては、
前記圧縮方向が前記段ボールの奥行き方向に沿うように、前記包装体群を前記段ボールに投入することが望ましい。
【0024】
このような吸収性物品の包装方法によれば、段ボールの外フラップ及び内フラップの開放作業をバランス良く簡便に行うことが可能となる。
【0025】
かかる吸収性物品の包装方法であって、
前記投入工程においては、
前記包装体群を重力方向に投入することが望ましい。
【0026】
このような吸収性物品の包装方法によれば、包装体群が重力の助けを受けてスムーズに(引っ掛かること無く、すんなり)段ボールに投入される。
【0027】
かかる吸収性物品の包装方法であって、
前記投入工程においては、
前記包装体を互いに直交する複数の圧縮方向に圧縮して前記包装体群を段ボールに投入することが望ましい。
【0028】
このような吸収性物品の包装方法によれば、包装体群と段ボールとがより一層適切に密着され、一体化される。そのため、包装体群が収容された段ボールの強度をより一層向上させることが可能となり、包装体群が収容された段ボールが流通過程で潰れる不都合もより一層生じにくくなる。
【0029】
かかる吸収性物品の包装方法であって、
前記包装部材には、空気抜き用の穴が形成されていることが望ましい。
【0030】
このような吸収性物品の包装方法によれば、当該穴から空気が抜けることにより、包装部材が破けることなく包装体が適切に圧縮される。
【0031】
===本実施の形態に係る吸収性物品の包装方法について===
本実施の形態に係る吸収性物品の包装方法について、
図1乃至
図7を用いて説明する。なお、本実施の形態においては、吸収性物品として、大人用おむつ(以下、単に、おむつ1と呼ぶ)を例に挙げて説明する。
図1は、本実施の形態に係るおむつ1の包装方法の工程を説明するためのブロック図である。
図2は、本実施の形態に係るおむつ1を示した模式図である。
図3は、包装体生成工程の一例を説明するための模式図であり、本図には包装体生成装置52も表されている。
図4は、包装体群投入工程の圧縮段階の一例を説明するための模式図であり、本図には包装体圧縮装置62も表されている。
図5は、包装体群投入工程の投入段階の一例を説明するための模式図であり、本図には包装体群投入装置72も表されている。
図6は、本実施の形態に係る圧縮前後の包装体群15の圧縮方向における長さを示した模式図である。
図7は、本実施の形態に係る包装体群15が収容された段ボール20を示した模式図である。
【0032】
本実施の形態に係るおむつ1の包装方法は、折り畳まれた複数個のおむつ1を包装部材3(軟包材であるパッケージ)に挿入して包装体10(おむつ入りパッケージ)を生成し、生成された複数個の包装体10(当該複数個の包装体10を包装体群15とする)を段ボール20に投入して、最終的におむつ入り段ボール30を生成する方法である。当該おむつ1の包装方法は、包装体生成工程(生成工程に相当)と包装体群投入工程(投入工程に相当)と包装体群当接工程(当接工程に相当)を備えており、これらの工程がこの順に実施される。そして、これらの工程が実施されると、おむつ入り段ボール30が生成されることとなる。以下、具体的に説明する。
【0033】
図2には、本実施の形態に係るおむつ1が表されている。
図2の下図には、折り畳まれたおむつ1が、
図2の上図には、広げられたおむつ1が、それぞれ示されている。下図の折り畳まれたおむつ1は、上図に示した折り畳み線Aで上図のおむつを2つ折りにしたものである。そして、下図の折り畳まれたおむつ1が包装部材3に挿入されることとなる。つまり、おむつ1は、折り畳まれた(2つ折りされた)状態で、包装部材3に挿入される。
【0034】
なお、下図に示したように、折り畳まれたおむつ1は、略矩形状となる。そこで、当該矩形状の長辺方向を長手方向、短辺方向を短手方向と呼ぶ。また、長手方向及び短手方向に直交する方向を厚み方向(
図2の紙面を貫く方向)と呼ぶ。すなわち、折り畳まれたおむつ1に対し、互いに直交する3つの方向が定義される。
【0035】
そして、本実施の形態に係るおむつ1は、折り畳まれた(2つ折りされた)状態で、複数個が当該厚み方向に重ねられて、包装部材3に挿入される。つまり、おむつ1は、複数個のおむつ1の各々の長手方向と短手方向が揃えられた状態で、厚み方向に重ねられて包装部材3に挿入される(詳細については後述する)。
【0036】
次に、おむつ1の包装方法の各工程について説明する。なお、以下で説明する各工程は一例であり、各工程の実施方法や実施のための包装装置50は、これに限定されるものではない。
【0037】
先ず、
図1に示すように、包装体生成工程が実施される。この包装体生成工程においては、折り畳まれた複数個のおむつ1を包装部材3に挿入して包装体10を生成する処理が行われる。
【0038】
図3は、包装体生成工程の一例を説明するための模式図であり、包装体10が生成される様子を上方から見た図である。
【0039】
先ず、
図3の左上図に示すように、1つの包装部材3に挿入される数(枚数)のおむつ1が所定位置(つまり、おむつ1の挿入を開始する挿入開始位置)にセットされる。本例においては、複数個のおむつ1が厚み方向に並び、かつ、おむつ1の短手方向が上下方向(
図3の紙面を貫く方向)に沿った状態で、包装装置50(包装体生成装置52)の収容部54に複数個のおむつ1が入れられている。収容部54は、厚み方向の両端に位置するおむつ1に接触しておむつ1を支持(挟持)する支持部材54aを備えており、当該支持部材54aによりおむつ1全体が支持されている。
【0040】
そして、かかる状態で不図示の第一プッシャーが厚み方向に並んだ複数個のおむつ1を左上図の白矢印方向(押し進め方向)に押し進める。このことにより、
図3の右上図に示すように、厚み方向に並んだ複数個のおむつ1は、昇降収容部56へ移動する。この昇降収容部56は、厚み方向の両端に位置するおむつ1に接触して、おむつ1を支持(挟持)しかつ圧縮する圧縮部材56aを備えている。そして、厚み方向に並んだ複数個のおむつ1が昇降収容部56へ移動すると、圧縮部材56aが左上図の黒矢印方向(推し進め方向及び上下方向と交差する方向)に動いて、これらのおむつ1を圧縮する(左上図と右上図を比較参照)。
【0041】
次に、昇降収容部56は、
図3の左下図に示すように、厚み方向に並んだ複数個のおむつ1を圧縮した状態で上昇し、包装部材セット部58に対応(対向)する位置へ移動する。つまり、
図3の各図に示されているように、収容部54と包装部材セット部58は、高さ方向において互いに異なる位置に位置している(収容部54の高さを「高さA」、包装部材セット部58の高さを「高さB」としている)。本例においては、収容部54よりも包装部材セット部58の方が高い位置に位置している。そして、昇降収容部56は、収容部54に対応(対向)する位置(「高さA」)から、包装部材セット部58に対応(対向)する位置(「高さB」)へ上昇する(右上図と左下図を比較参照)。
【0042】
そして、かかる状態で不図示の第二プッシャー(第一プッシャーが「高さA」に位置しているのに対し、当該第二プッシャーは「高さB」に位置している)が、厚み方向に並んだ複数個のおむつ1を左下図の白矢印方向(押し進め方向)に押し進める。このことにより、
図3の右下図に示すように、厚み方向に並んだ複数個のおむつ1は、圧縮された状態で包装部材セット部58へ移動する。包装部材セット部58には、包装部材3が予めセットされているので、これらのおむつ1が、包装部材セット部58へ移動すると、包装部材3に挿入されることとなる。そして、最終的には、包装部材3の開口(挿入口)がヒートシールにより封止され、包装体10が生成される。
【0043】
このように、本実施の形態においては、おむつ1を厚み方向に圧縮して複数個のおむつ1を包装部材3に挿入する。したがって、圧縮前において、厚み方向に並んだ複数個のおむつ1の当該厚み方向の長さは包装部材3の内寸よりも長いのに対し、圧縮後には、当該厚み方向の長さが当該内寸よりも短い状態となる。そして、かかる状態で複数個のおむつ1が包装部材3に挿入される。
【0044】
次に、
図1に示すように、包装体群投入工程が実施される。この包装体群投入工程においては、複数個の包装体10である包装体群15を段ボール20に投入する処理が行われる。また、本工程では、前工程でおむつ1を厚み方向に圧縮して複数個のおむつ1を包装部材3に挿入したように、包装体10を当該厚み方向に圧縮して複数個の包装体10(包装体群15)を段ボール20に投入する。しかしながら、前工程では、圧縮部材56aでおむつ1を圧縮した状態で(圧縮しながら)複数個のおむつ1を包装部材3に挿入したが、本工程では、先ず、包装体圧縮装置62により包装体10を圧縮し、当該包装体圧縮装置62による圧縮を終えてから、複数個の包装体10(包装体群15)を段ボール20に投入する。つまり、本工程(包装体群投入工程)では、
図1に示すように、前工程とは異なり、包装体10を圧縮する圧縮段階と、包装体群15を段ボール20に投入する投入段階と、が個別に設けられている。
【0045】
また、前工程では、厚み方向に並んだ複数個のおむつ1をまとめて圧縮したが、本工程では、包装体10を一つずつ圧縮する。そして、圧縮段階で一つずつ圧縮された各々の包装体10を段ボール20に複数個まとめて投入する。
【0046】
以下では、最初に圧縮段階について説明し、その後に投入段階について説明する。
【0047】
図4は、包装体群投入工程の圧縮段階の一例を説明するための模式図である。
図4の上図は、包装体10が圧縮される様子を側方から見た図であり、
図4の下図は、包装体10が圧縮される様子を上方から見た図である。
【0048】
なお、本実施の形態においては、厚み方向に並んだ複数個のおむつ1が挿入された包装体10は、略直方体形状を有している。そのため、包装体10に対して、説明の都合上、以下の方向を定義する。すなわち、挿入されているおむつ1の当該厚み方向に沿う方向(おむつ1が並んだ方向)を長辺方向、挿入されているおむつ1の前記長手方向に沿う方向を中辺方向、挿入されているおむつ1の前記短手方向に沿う方向を短辺方向と呼ぶ。包装体10の短辺方向における長さよりも中辺方向における長さの方が長く、中辺方向における長さよりも長辺方向における長さの方が長くなっている。
【0049】
先ず、包装体10が包装装置50(包装体圧縮装置62)の第一ベルトコンベア63により黒矢印方向(進行方向)に運ばれる。包装体10は、第一ベルトコンベア63の第一ベルト63a上に中辺方向が進行方向に沿い短辺方向が上下方向に沿うように載置されている。そして、かかる状態で、第一駆動ローラー63bが回転駆動されることにより、第一ベルト63aが移動し、第一ベルト63aの移動と共に包装体10も移動する。なお、符号63cで表される部材は、第一従動ローラーである。
【0050】
包装体10が第一ベルトコンベア63により移動すると、やがて、包装体10は、第二ベルトコンベア64に至り、第二ベルトコンベア64上に載置される。そして、包装体10は、第二ベルトコンベア64により黒矢印方向(進行方向)に運ばれる。包装体10は、第二ベルトコンベア64上においても、中辺方向が進行方向に沿い短辺方向が上下方向に沿うように載置され、第二駆動ローラー64bが回転駆動されることにより、第二ベルト64aが移動し、第二ベルト64aの移動と共に包装体10も移動する。なお、符号64cで表される部材は、第二従動ローラーである。
【0051】
第二ベルト64aの移動と共に包装体10が移動すると、やがて、包装体10は、一対の第三ベルトコンベア65の開口Mに至る。この一対の第三ベルトコンベア65は、所謂プレスコンベアであり、第二ベルト64aの幅方向(換言すれば、包装体10の長辺方向)において包装体10を挟む位置に配置されている。つまり、第三ベルトコンベア65の一対の第三ベルト65aは、その幅方向が第二ベルト64aの幅方向と直交するように設けられており、双方の第三ベルト65aの間には空間S(この空間Sの入り口が前記開口Mである)が形成されている。そして、第二ベルトコンベア64により運ばれた包装体10は開口Mから当該空間Sに侵入するようになっている。
【0052】
第二ベルト64aの幅方向(包装体10の長辺方向)における当該空間Sの幅は、前記開口Mにおいては包装体10の長辺方向の長さよりも大きいが、包装体10が移動するにつれて徐々に当該空間Sの幅(換言すれば、一対の第三ベルト65aの間隔)が狭くなるように一対の第三ベルト65aが配置されている。そして、当該空間Sの幅(一対の第三ベルト65aの間隔)が最も狭くなる箇所では、その幅(間隔)が包装体10の長辺方向の長さより小さくなっている。そのため、第二ベルトコンベア64により運ばれた包装体10は、当該箇所に至ると長辺方向(換言すれば、おむつ1の厚み方向)に圧縮されることとなる(包装体10の圧縮方向を
図4において黒矢印で示す)。なお、一対の第三ベルト65aは、第三駆動ローラー65bが回転駆動されることにより移動するが、第三駆動ローラー65bは、この移動速度が第二ベルト64aの移動速度と同じとなるように制御されている。また、第三ベルトコンベア65には、複数の第三フリーローラー65cが設けられており、この第三フリーローラー65cは、空間Sの幅(一対の第三ベルト65aの間隔)を所定の値に維持しつつ、包装体10を圧縮方向に押圧する役割を果たす。
【0053】
また、第二ベルトコンベア64(により運ばれる包装体10)の上方には、第四ベルトコンベア66が設けられている。すなわち、第四ベルトコンベア66は、第四ベルトコンベア66と第二ベルトコンベア64が上下方向において包装体10を挟むような位置に位置している。つまり、第四ベルトコンベア66の第四ベルト66aは、その幅方向が第三ベルト65aの幅方向と直交するように設けられており、第二ベルト64a及び第三ベルト65aと協働して、前述した空間Sを形成している。
【0054】
第四ベルト66aは、上下方向(包装体10の短辺方向)における当該空間Sの幅(換言すれば、第二ベルト64aと第四ベルト66aの間隔)が包装体10の短辺方向の長さと同じになるように、配置されている。そのため、第四ベルトコンベア66(第四ベルト66a)は、包装体10が長辺方向に圧縮された際にその反動で包装体10が短辺方向に膨らむことがないように、念のため包装体10を押さえる役割を果たす。なお、第四ベルト66aは、第四駆動ローラー66bが回転駆動されることにより移動するが、第四駆動ローラー66bは、この移動速度が第二ベルト64a及び第三ベルト65aの移動速度と同じとなるように制御されている。また、第四ベルトコンベア66には、複数の第四フリーローラー66cが設けられており、この第四フリーローラー66cは、第二ベルトコンベア64に設けられた第二フリーローラー64dと協働して、空間Sの幅(第二ベルト64aと第四ベルト66aの間隔)を所定の値に維持しつつ、包装体10を押圧する役割を果たす。
【0055】
このように、本実施の形態においては、包装体群投入工程の圧縮段階で、包装体圧縮装置62より包装体10が圧縮される。なお、本実施の形態においては、包装部材3に不図示の空気抜き用の穴(本実施の形態においては、包装部材開封用のミシン目がこの穴に該当する)が形成されているため、包装体10が圧縮される際に当該穴から空気が抜けることにより、包装部材3が破けることなく包装体10が適切に圧縮される。
【0056】
圧縮された包装体10は、不図示のベルトコンベアで包装体群投入装置72へ運ばれ、包装体群投入工程の投入段階が包装体群投入装置72により実行される。
【0057】
図5は、包装体群投入工程の投入段階の一例を説明するための模式図であり、包装体群15が段ボール20に投入される様子を上方から見た図である。
【0058】
先ず、
図5に示すように、1つの段ボール20に挿入される数の包装体10が所定位置(つまり、包装体10の投入を開始する投入開始位置)にセットされる。本例においては、3つの包装体10が中辺方向に並び、かつ、包装体10の長辺方向が上下方向(
図5の紙面を貫く方向)に沿った状態で、包装装置50(包装体群投入装置72)の収容部74に3つの包装体10が入れられている。収容部74は、中辺方向の両端に位置する包装体10に接触して包装体10を支持(挟持)する支持部材74aを備えており、当該支持部材74aにより包装体10全体が支持されている。
【0059】
そして、かかる状態で不図示のプッシャーが3つの包装体10を白矢印方向(押し進め方向)に押し進める。このことにより、3つの包装体10(包装体群15)は、段ボールセット部76へ移動する。段ボールセット部76には、段ボール20が、段ボール20の高さ方向が白矢印方向(押し進め方向)に沿い、段ボール20の幅方向が上下方向(
図5の紙面を貫く方向)に沿うように、予めセットされている。したがって、3つの包装体10(包装体群15)が、段ボールセット部76へ移動すると、段ボール20に挿入されることとなる。なお、段ボール20は、底部のフラップのみが閉じられテープで貼り付けられた状態でセットされ(
図5では、頂部のフラップの記載を省略)、3つの包装体10(包装体群15)の投入後に、頂部のフラップが閉じられテープで貼り付けられる。そして、最終的に、おむつ入り段ボール30が生成される。
【0060】
また、前述した通り、包装体群15は、各々の包装体10が圧縮段階で圧縮された後に、段ボール20に投入される。包装体10が圧縮段階で圧縮されると、包装体10の圧縮状態は暫くの間(本実施の形態では、30分程度)維持されるため、この圧縮状態が維持されている間に投入段階を開始する。したがって、投入段階においては、当該圧縮状態の包装体10(が並んだ包装体群15)が段ボール20に投入されることとなる。
【0061】
かかる事項を、
図6を用いてより具体的に説明する。
図6の左図及び右図には、包装体群15が、
図6の中央図には、段ボール20がそれぞれ表されている。
図6の左図と右図の違いは、包装体10の圧縮の有無である。つまり、
図6の左図に示された包装体群15は、包装体10が圧縮されている包装体群15(圧縮された包装体群15とする)であって、段ボール20に投入される際の包装体群15である。つまり、左図の包装体群15が中央図の段ボール20に投入されることとなる。一方、
図6の右図に示された包装体群15は、圧縮前の包装体10を段ボール20に投入する際の形態と同じとなるように3つ並べたもの(圧縮前の包装体群15とする)である。
【0062】
右図及び中央図に示すように、圧縮前の包装体群15の圧縮方向における長さL3は、段ボール20の内寸L2よりも長くなっている。したがって、圧縮前の包装体群15は段ボール20に投入できない状態となっている。
【0063】
そして、左図及び中央図に示すように、各々の包装体10が圧縮段階で圧縮されると、包装体10の圧縮により圧縮方向における包装体群15の長さL1が圧縮方向における段ボール20の内寸L2よりも短い状態となる。そして、当該状態で包装体群15が段ボール20に投入されることとなる。
【0064】
次に、
図1に示すように、包装体群当接工程が実施される。
【0065】
図7は、本実施の形態に係る包装体群15が収容された段ボール20を示した模式図である。
図7の左図は、段ボール20を上方から見た図であり、
図7の右図は、段ボール20の中身の様子を表すため頂部のフラップ(外フラップ22及び内フラップ24)の記載を省略したものであり、
図7の左図と同じものである。
【0066】
圧縮された包装体群15が段ボール20に投入されて時間が経過すると、当該包装体群15は、
図7の右図に示すように、前記圧縮方向とは反対方向(当該反対方向を
図7の右図において黒矢印で示す)に膨張する。そして、包装体群15の当該反対方向の両端部15aが段ボール20の内面に当接する。つまり、包装体群15が段ボール20に投入された際には当該圧縮方向(反対方向)において存在していた包装体群15と段ボール20との間の隙間が、包装体群15の膨張により存在しなくなり、包装体群15と段ボール20とが密着することとなる。そのため、製造されたおむつ入り段ボール30の強度が強くなる。
【0067】
このように、包装体当接工程においては、一定の時間を経過させることにより、投入された包装体群15を、前記圧縮方向とは反対方向に膨張させ、包装体群15の当該反対方向における両端部15aを段ボール20の内面に当接させる処理が行われる。
【0068】
以上の工程により、おむつ1の包装方法が完了し、おむつ入り段ボール30が製造されることとなる。なお、製造された当該おむつ入り段ボール30から包装体10(包装体群15)を取り出した際には、包装体10(包装体群15)は圧縮前の状態に戻るため、包装体10(包装体群15)の圧縮方向における長さは段ボール20の内寸よりも長くなる。
【0069】
===本実施の形態に係る吸収性物品(おむつ1)の包装方法の有効性について===
上述したように、本実施の形態に係るおむつ1の包装方法は、折り畳まれた複数個のおむつ1を包装部材3に挿入して包装体10を生成する包装体生成工程と、包装体10を圧縮方向に圧縮して、複数個の包装体10である包装体群15を段ボール20に投入する包装体群投入工程であって、包装体10の圧縮により前記圧縮方向における包装体群15の長さL1が前記圧縮方向における段ボール20の内寸L2よりも短くなった状態で包装体群15を段ボール20に投入する包装体群投入工程と、投入された包装体群15を、前記圧縮方向とは反対方向に膨張させることにより、包装体群15の前記反対方向における両端部15aを段ボール20の内面に当接させる包装体群当接工程と、を有することとした。
【0070】
そのため、包装体群15が収容された段ボール20(おむつ入り段ボール30)の強度を向上させることが可能となる。
【0071】
すなわち、従来においては、包装体群投入工程において包装体群を段ボールに投入し易くする目的で、包装体群の長さを段ボールの内寸よりも小さめに設定していたため、段ボールに投入された包装体群の端部と段ボールとの間には隙間が生じていた。そのため、包装体群と段ボールとが密着されず、包装体群が収容された段ボールの強度が弱いという課題が生じていた。したがって、当該包装体群が収容された段ボールが流通過程で潰れる不都合が生じる場合があった。
【0072】
これに対し、本実施の形態においては、包装体10の圧縮により圧縮方向における包装体群15の長さL1が圧縮方向における段ボール20の内寸L2よりも短くなった状態で包装体群15を段ボール20に投入し、投入された包装体群15を、当該圧縮方向とは反対方向に膨張させることにより、包装体群15の当該反対方向における両端部15aを段ボール20の内面に当接させるため、包装体群と段ボールとが適切に密着され、一体化される。そのため、製造されたおむつ入り段ボール30の強度(つまり、丈夫さ)を向上させることが可能となり、おむつ入り段ボール30が流通過程で潰れる不都合も生じにくくなる。
【0073】
また、包装体群15の前記反対方向における両端部15aが段ボール20の内面に当接する状態、すなわち、当該反対方向における包装体群15と段ボール20との間に隙間がない状態とすることができるため、包装体群15の大きさに応じて準備する段ボール20の大きさをより小さくすることができる。そのため、段ボールコストの削減や、パレットに搭載可能なおむつ入り段ボール30の数を増加させることによる流通コストの削減も実現することが可能となる。
【0074】
===その他の実施形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
【0075】
上記実施の形態においては、吸収性物品として大人用のおむつを例に挙げたが、これに限定されるものではなく、吸収性物品であればどのようなものでも構わない。例えば、子供用のおむつであってもよいし、ナプキンであってもよい。
【0076】
また、上述した各工程は、
図3乃至
図5に示したような機械化されたものではなく、手作業で行うようにしてもよい。
【0077】
また、上記実施の形態に係る包装体群投入工程おいては、包装体10を圧縮する圧縮段階と、包装体群15を段ボール20に投入する投入段階と、が個別に設けられていることとした。
【0078】
しかしながら、これに限定されるものではなく、双方が個別に設けられていないこととしてもよい。例えば、包装体生成工程(
図3)と類似した方法により、圧縮部材で包装体10(包装体群15)を圧縮した状態(圧縮しながら)で包装体群15を段ボール20に投入することとしてもよい。
【0079】
圧縮部材で包装体10(包装体群15)を圧縮した状態で(圧縮しながら)包装体群15を段ボール20に投入する場合には、包装体10の外面(つまり、包装部材3)が、圧縮部材と接触し、かつ、圧縮部材により圧力をかけられた状態で、包装体10(包装体群15)が段ボール20への投入のためにプッシャー等により押されるから、包装部材3が圧縮部材と摺擦され摩擦熱が発生し、当該摩擦熱による包装部材3の損傷が起こる可能性がある。これに対し、本実施の形態は、包装部材3を損傷させることなく包装体10の圧縮を行うことが可能となる点でより望ましい。
【0080】
また、上記実施の形態に係る圧縮段階においては、包装体10を一つずつ圧縮し、投入段階においては、圧縮された各々の包装体10を段ボール20に複数個まとめて投入することとした。
【0081】
しかしながら、これに限定されるものではなく、段ボール20にまとめて投入する複数個の包装体10をまとめて圧縮することとしてもよい。
【0082】
複数個の包装体10をまとめて圧縮する場合には、複数個の包装体10を圧縮部材で挟んで押圧した際に、当該複数個の包装体10が崩れてしまう(包装体10が整列して並んだ状態が維持できなくなる)可能性がある。これに対し、本実施の形態は、包装体10を崩すことなく包装体10の圧縮を行うことが可能となる点でより望ましい。
【0083】
また、上記実施の形態に係る包装体群投入工程においては、包装体10をおむつ1の厚み方向に圧縮することとした。すなわち、包装体10を圧縮する際の圧縮方向を包装体10に内包されているおむつ1の厚み方向に沿わせることとした。
【0084】
しかしながら、これに限定されるものでなく、例えば、おむつ1の前記長手方向や前記短手方向に包装体10を圧縮することとしてもよい。
【0085】
ただし、包装体10を前記厚み方向に圧縮する場合には、前記長手方向や前記短手方向に圧縮する場合と比べて、包装体10が圧縮方向に変形しやすくなり、圧縮を容易に行うことができる。また、当該変形のし易さに起因して、包装体当接工程における包装体群15の膨張による当接も円滑に(滞りなく)行われる。この点で、上記実施の形態の方が望ましい。
【0086】
また、上記実施の形態においては、これに加えて、包装体生成工程においても、おむつ1を前記厚み方向に圧縮して複数個のおむつ1を包装部材3に挿入することとしたので、包装体当接工程における包装体群15の膨張による当接がより一層円滑に行われることとなる。
【0087】
また、包装体群投入工程においては、包装体群15を重力方向に投入することとしてもよい。すなわち、上記実施の形態においては、
図5に示したように、重力方向と直交する方向(すなわち、横方向)に包装体群15を投入することとしたが、重力方向(すなわち、上下方向)に投入することとしてもよい。
【0088】
かかる場合には、包装体群15が重力の助けを受けてスムーズに(引っ掛かること無く、すんなり)段ボール20に投入されるというメリットが生ずる。
【0089】
また、包装体群投入工程においては、包装体10を互いに直交する複数の圧縮方向に圧縮して包装体群15を段ボール20に投入することとしてもよい。すなわち、上記実施の形態においては、包装体10を三方向(長辺方向、中辺方向、短辺方向)のうちの一方向のみに圧縮することとしたが、二方向に圧縮するようにしてもよいし、三方向に圧縮するようにしてもよい。
【0090】
かかる場合には、包装体群15と段ボール20とがより一層適切に密着され、一体化される。そのため、包装体群15が収容された段ボール20の強度をより一層向上させることが可能となり、包装体群15が収容された段ボール20が流通過程で潰れる不都合もより一層生じにくくなる。
【0091】
<<<上記実施の形態の変形例について>>>
上記実施の形態の変形例(以下、上記実施の形態を第一実施形態、変形例を第二実施形態とも呼ぶ)について、
図8及び
図9を用いて説明する。
図8は、
図6に対応した図であり、変形例に係る圧縮前後の包装体群15の圧縮方向における長さを示した模式図である。
図9は、
図7に対応した図であり、変形例に係る包装体群15が収容された段ボール20を示した模式図である。
【0092】
第一実施形態においては、段ボール20に3つの包装体10(包装体群15)を投入することとしたが、第二実施形態においては、段ボール20に6つの包装体10(包装体群15)を投入する。
【0093】
図8の上図及び下図には、包装体群15が、
図8の中央図には、段ボール20がそれぞれ表されている。
図6の上図と下図の違いは、包装体10の圧縮の有無である。つまり、
図6の上図に示された包装体群15は、包装体10が圧縮されている包装体群15(圧縮された包装体群15とする)であって、段ボール20に投入される際の包装体群15である。つまり、上図の包装体群15が中央図の段ボール20に投入されることとなる。一方、
図6の下図に示された包装体群15は、圧縮前の包装体10を段ボール20に投入する際の形態と同じとなるように6つ並べたもの(圧縮前の包装体群15とする)である。
【0094】
なお、上図と下図から明らかなように、第二実施形態においても、第一実施形態と同様、圧縮方向は、包装体10の長辺方向に沿っている。また、圧縮方向が、おむつ1の厚み方向に沿っている点も、第一実施形態と同様である。
【0095】
下図及び中央図に示すように、圧縮前の包装体群15の圧縮方向における長さL6は、段ボール20の内寸L5よりも長くなっている。したがって、圧縮前の包装体群15は段ボール20に投入できない状態となっている。なお、圧縮前の包装体群15の圧縮方向における長さL6は、第一実施形態における長さL3とは異なり、包装体3個分の長さとなっている。
【0096】
そして、上図及び中央図に示すように、各々の包装体10が圧縮段階で圧縮されると、包装体10の圧縮により圧縮方向における包装体群15の長さL4が圧縮方向における段ボール20の内寸L5よりも短い状態となる。そして、当該状態で包装体群15が段ボール20に投入されることとなる。
【0097】
圧縮された包装体群15が段ボール20に投入されて時間が経過すると、当該包装体群15は、
図9の右図に示すように、前記圧縮方向とは反対方向(当該反対方向を
図9の右図において黒矢印で示す)に膨張する。そして、包装体群15の当該反対方向の両端部15aが段ボール20の内面に当接する。つまり、包装体群15が段ボール20に投入された際には当該圧縮方向(反対方向)において存在していた包装体群15と段ボール20との間の隙間が、包装体群15の膨張により存在しなくなり、包装体群15と段ボール20とが密着することとなる。そのため、製造されたおむつ入り段ボール30の強度が強くなる。
【0098】
なお、
図7に示したとおり、第一実施形態においては、圧縮方向が段ボール20の幅方向に沿うように、包装体群15を段ボール20に投入することとなる。そのため、前記反対方向も段ボール20の幅方向に沿うこととなる。一方で、
図9に示したとおり、第二実施形態においては、圧縮方向が段ボール20の奥行き方向に沿うように、包装体群15を段ボール20に投入することとなる。そのため、前記反対方向も段ボール20の奥行き方向に沿うこととなる。
【0099】
そして、かかる相違点が、以下で説明するそれぞれのメリットを生じさせる。すなわち、第一実施形態では、前記反対方向が段ボール20の幅方向に沿うため、段ボール20には、
図7の黒矢印で示した当接圧力が常にかかっている。そのため、包装体10を段ボール20から取り出すために、ユーザー等が、外フラップ22を開ける際には、当該当接圧力が外フラップ22開放の助けとなる。つまり、ユーザー等が、一対の外フラップ22に係っているテープを剥がした際には、当該当接圧力によって外フラップ22が自動的に半開き状態となり、以降の外フラップ22開放作業を簡便に行うことが可能となる。
【0100】
一方、第二実施形態では、前記反対方向が段ボール20の奥行き方向に沿うため、段ボール20には、
図9の黒矢印で示した当接圧力が常にかかっている。そのため、ユーザー等が、一対の外フラップ22に係っているテープを剥がした際には、当該当接圧力によって内フラップ24が自動的に半開き状態になり、この半開き状態へと移行する内フラップ24が外フラップ22を上方へ押圧することにより外フラップ22も半開き状態となる。第二実施形態においては、第一実施形態と比べると、双方のフラップの半開き度合いは小さくなるものの、外フラップ22だけでなく内フラップ24も半開き状態となる。したがって、外フラップ22の開放作業を非常に簡便に行うことを重視するのならば、前者の方の優位性が高く、双方のフラップの開放作業をバランス良く簡便に行うことを重視するのであれば、後者の方の優位性が高い。
【解決手段】折り畳まれた複数個の吸収性物品を包装部材に挿入して包装体を生成する生成工程と、前記包装体を圧縮方向に圧縮して、複数個の前記包装体である包装体群を段ボールに投入する投入工程であって、前記包装体の圧縮により前記圧縮方向における前記包装体群の長さが前記圧縮方向における前記段ボールの内寸よりも短くなった状態で前記包装体群を前記段ボールに投入する投入工程と、投入された前記包装体群を、前記圧縮方向とは反対方向に膨張させることにより、前記包装体群の前記反対方向における両端部を前記段ボールの内面に当接させる当接工程と、を有することを特徴とする。