特許第6141271号(P6141271)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6141271
(24)【登録日】2017年5月12日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】局所パージングによる大気分子汚染管理
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/06 20060101AFI20170529BHJP
   G01N 21/21 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   G01B11/06 Z
   G01N21/21 Z
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-519236(P2014-519236)
(86)(22)【出願日】2012年7月2日
(65)【公表番号】特表2014-521072(P2014-521072A)
(43)【公表日】2014年8月25日
(86)【国際出願番号】US2012045300
(87)【国際公開番号】WO2013006575
(87)【国際公開日】20130110
【審査請求日】2015年7月1日
(31)【優先権主張番号】61/504,271
(32)【優先日】2011年7月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/536,410
(32)【優先日】2012年6月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー−テンカー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クワック ヒドン
(72)【発明者】
【氏名】ディクソン ワード
(72)【発明者】
【氏名】カーク トーステン
(72)【発明者】
【氏名】ワーン ニーン−イー ネイ
(72)【発明者】
【氏名】サンデュ ジャグジート
【審査官】 ▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−537455(JP,A)
【文献】 特開平04−043905(JP,A)
【文献】 特開2008−159787(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/092121(WO,A2)
【文献】 実開平05−062828(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
G01N 21/00−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パージングチャンバの空洞内部にパージングガスを封じ込めるように構成された前記パージングチャンバと、
ウェハの表面の部分に前記チャンバの前記空洞からパージングガスを拡散するように構成された、前記パージングチャンバの表面の透過性部分であって、透過性媒体を備える第1の部分と、異なった等級の透過性媒体を備える第2の部分を備え、前記第2の部分が前記第1の部分よりも速い速度でパージングガスを拡散する透過性部分と、
照明光源から受け取られる照明を前記ウェハの前記表面の前記部分の測定場所に伝達するように構成され、前記測定場所から反射される照明を検出器に伝達するようにさらに構成されたアパーチャと
を備えるパージングガスでウェハの表面の部分をパージするための局所パージングツール。
【請求項2】
前記局所パージングツールが、パージガスソースからパージングガスを受け取るように構成され、パージングガスを前記パージングチャンバの前記空洞に伝達するようにさらに構成されたガス吸気口をさらに備える、請求項1に記載の局所パージングツール。
【請求項3】
前記局所パージングツールが、エネルギービームソースから発するエネルギービームを前記ウェハの前記表面の前記部分に伝達して、前記ウェハの前記表面の前記部分から大気分子汚染を移動させるように構成されたビームポートをさらに備える、請求項1に記載の局所パージングツール。
【請求項4】
前記局所パージングツールが、前記ウェハの前記表面の前記部分に近接する位置に前記局所パージングツールを作動させるように構成された作動アームに機械的に結合されるように構成される、請求項1に記載の局所パージングツール。
【請求項5】
前記アパーチャが前記パージングチャンバの前記表面の前記透過性部分内部に位置する、請求項1に記載の局所パージングツール。
【請求項6】
前記アパーチャが前記パージングチャンバの前記表面の前記透過性部分の前記第2の部分内部に位置する、請求項1に記載の局所パージングツール。
【請求項7】
局所的にパージされたウェハに光学計測を実行するためのシステムであって、
照明光源と、
ウェハの表面の部分の測定場所から反射される照明を受け取るように構成された検出器と、
前記ウェハの前記表面の前記部分をパージするように構成された局所パージングツールを備える局所パージングシステムであって、前記局所パージングツールが
パージングチャンバの空洞内部にパージングガスを封じ込めるように構成された前記パージングチャンバと、
前記チャンバの前記空洞からパージングガスの一部を前記ウェハの前記表面の前記部分に拡散するように構成された前記パージングチャンバの表面の透過性部分であって、透過性媒体を備える第1の部分と、異なった等級の透過性媒体を備える第2の部分を備え、前記第2の部分が前記第1の部分よりも速い速度でパージングガスを拡散する透過性部分と、
前記照明光源から受け取られる照明を前記ウェハの前記表面の前記部分の前記測定場所に伝達するように構成され、前記測定場所から反射される照明を前記検出器に伝達するようにさらに構成されたアパーチャと
を備える前記局所パージングシステムと
を備え、
前記局所パージングシステムが前記局所パージングツールに流体的に接続されるパージガスソースをさらに備える
システム。
【請求項8】
前記システムが、
偏光子および1つまたは複数の照明光学素子を含む照明アームであって、前記照明光源から前記測定場所に前記局所パージングツールの前記アパーチャを通して照明を伝達するように構成される前記照明アームと、
アナライザおよび1つまたは複数の収集光学素子を含む収集アームであって、前記測定場所から反射される照明を前記局所パージングツールの前記アパーチャを通して受け取るように構成され、前記局所パージングツールの前記アパーチャから受け取られる照明を前記検出器に伝達するようにさらに構成された前記収集アームと
をさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記局所パージングシステムが、前記パージガスソースと前記局所パージングツールとの間のパージングガスの流量を制御するように構成された流量制御装置をさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記局所パージングシステムが、前記流量制御装置に通信で結合されるコンピューティングシステムをさらに備え、前記コンピューティングシステムが流量を設定するための命令を前記流量制御装置に送信するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記局所パージングシステムが、前記局所パージングツールに機械的に結合され、前記ウェハの前記表面の前記部分に近接する位置に前記局所パージングツールを作動させるように構成された作動アームをさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記局所パージングシステムが、前記作動アームに通信で結合されるコンピューティングシステムをさらに備え、前記コンピューティングシステムが、前記ウェハの前記表面の前記部分に近接する前記位置に前記局所パージングツールを作動させるための前記作動アームに命令を送信するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記局所パージングシステムが、前記ウェハの前記表面の前記部分から大気分子汚染を移動させるために、前記局所パージングツールのビームポートを通してエネルギービームを前記ウェハの前記表面の前記部分に伝達するように構成されたエネルギービームソースをさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムが前記ウェハの薄膜の厚さを測定するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムが、
前記ウェハの前記表面の前記測定場所に近接する環境の前記湿度水準を検出するために構成された湿度センサと、
相対湿度と前記ウェハの薄膜の測定厚さの間の相関関係を確立する、
前記測定場所に近接する環境の初期の湿度水準測定値を取得する、
前記測定場所に近接する前記環境の以後の湿度水準測定値を取得し、前記以後の測定値が前記ウェハの前記薄膜の厚さ測定値に関係する、
前記初期の湿度水準測定値と前記以後の湿度水準測定値の差を計算する、
相対湿度と前記ウェハの前記薄膜の測定厚さの間の前記確立された相関関係、および前記初期の湿度水準測定値と前記以後の湿度水準測定値の前記計算された差を活用して前記厚さ測定値の厚さ補正値を決定する
ように構成された1台または複数のコンピューティングシステムと
をさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は以下に挙げる出願(複数の場合がある)(「関連出願」)に関し、これらの関連出願から利用可能でかつ有効な最先の出願日(複数の場合がある)の利益を主張する(たとえば、特許仮出願以外について利用可能な最先の優先日を主張する、または関連出願(複数の場合がある)の親出願、祖父出願、曾祖父出願等のありとあらゆる出願に関する特許仮出願ついての、米国特許法(USC35)第119条(e)項の下における利益を主張する)。
【0002】
(関連出願)
米国特許商標庁の法定外要件のため、本願は、2011年7月4日に出願された、Hidong Kwak、Ward Dixon、Torsten Kaack、Ning Yi Neil Wang、およびJagjit Sandhuを発明者とする、特許出願第61/504,271号の「ATMOSPHERIC MOLECULAR CONTAMINATION(AMC) CONTROL WITH NITROGEN LOCAL PURGING AFTER AMC CLEAN」と題する米国特許仮出願の正規の(非仮)特許出願を構成する。
【0003】
本発明は光計測学の分野に関し、特にウェハの表面の部分を局所的にパージして、測定精度を改善するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0004】
産業上の利用はより厳しい仕様の半導体デバイスを必要とし続けている。需要の高まりに応えるために、大部分の現代的な半導体製作プロセスは、シリコンウェハ等の所与の半導体ウェハに形成される薄膜についての特性情報を得るための薄膜度量衡システムおよび他の光学システムを含む。たとえば、薄膜は特に酸化物層、窒化物層、および/または金属層を含むことがある。結果として生じる半導体の適切な性能を保証するために、各薄膜の厚さおよび組成等の特性は製造プロセスの間厳しく管理されなければならない。したがって、半導体製造プロセスを通した多様なステップで光学システムが使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国出願公開第2008/0252889号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、最も現代的な光学システムの精度は、薄膜の表面に蓄積し、エリプソメータまたは他の光学システムによって測定されるまたは解析される膜厚または他の物理的特性を乱すことがある大気分子汚染「AMC」によって制限されている。大気分子汚染物質は、エネルギービームの使用または十分に高温への加熱等のさまざまな技法で薄膜の表面から除去できる。ただし、AMCはAMC除去と特性測定値の採取との合間に蓄積し続ける。したがって、正確な特性の測定および観察を行うためには薄膜表面清掃後の薄膜表面でのAMCの再蓄積を妨げることが必要である。よって、本発明はAMC蓄積を制御するための有効かつ相対的に安価な解決策を提供することにより上述の問題を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
パージングガスを用いたウェハの表面の部分の局所的なパージングのためのシステムおよび方法が開示される。一態様では、システムはパージングガスでウェハの表面の部分をパージするための局所パージングツールを含んでよく、局所パージングツールは、パージングチャンバの空洞内部にパージングガスを封じ込めるように構成されたパージングチャンバと、チャンバの空洞からウェハの表面の部分にパージングガスを拡散するように構成された、パージングチャンバの表面の透過性部分と、照明光源から受け取られる照明をウェハの表面の部分の測定場所に伝達するように構成され、測定場所から反射される照明を検出器に伝達するようにさらに構成されたアパーチャとを含む。
【0008】
別の態様では、システムは局所的にパージされたウェハで光学計測を実行するためのシステムを含んでよく、システムは照明光源と、ウェハの表面の部分の測定場所から反射される照明を受け取るように構成された検出器と、ウェハの表面の一部をパージするように構成された局所パージングツールを含む局所パージングシステムであって、局所パージングツールがパージングチャンバの空洞内部にパージングガスを封じ込めるように構成されたパージングチャンバ、チャンバの空洞からウェハの表面の部分にパージングガスの一部を拡散するように構成されたパージングチャンバの表面の透過性部分、および照明光源から受け取られた照明をウェハの表面の部分の測定場所に伝達するように構成され、測定場所から反射された照明を検出器に伝達するようにさらに構成されたアパーチャとを含む局所パージングシステムとを含む。システムは局所パージングツールに流体的に接続されたパージガスソースをさらに含んでよい。
【0009】
別の態様では、ウェハの表面の薄膜の厚さ測定値の厚さ補正値を決定するための方法が、相対湿度とウェハの表面の薄膜の測定厚さの間の相関関係を確立するステップと、ウェハの表面の部分の測定場所に近接する環境の初期の湿度水準測定値を取得するステップと、測定場所から薄膜の厚さ測定値を取得するステップであって、ウェハの表面の部分が厚さ測定値取得時に局所的にパージされる、厚さ測定値を取得するステップと、測定場所に近接する環境の以後の湿度水準測定値を取得するステップであって、以後の測定値が薄膜の厚さ測定値と関連付けられる、以後の湿度水準測定値を取得するステップと、初期の湿度水準測定値と以後の湿度水準測定値の差を計算するステップと、相対湿度と測定厚さの間の確立された相関関係、および初期の湿度水準測定値と以後の湿度水準測定値の計算された差を活用して薄膜の厚さ測定値の厚さ補正値を決定するステップとを含む。
【0010】
上記一般的な説明と以下の発明を実施するための形態の両方とも例示的かつ説明的にすぎず、本発明を請求される通りに必ずしも制限しないことが理解されるべきである。明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成する添付図面は本発明の実施形態を示し、一般的な説明と共に本発明の原理を説明する働きをする。
【0011】
本開示の多数の優位点は、添付図面を参照することによって当業者によってよりよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】局所的にパージされたウェハで光学計測を実行するためのシステムのブロック図である。
図1B】局所パージングツールを作動させるためのシステムのブロック図である。
図1C】パージガスソースから局所パージングツールへのパージングガスの流れを制御するためのシステムのブロック図である。
図1D】厚さ補正値を決定するためのシステムのブロック図である。
図2A】局所パージングツールの概念図である。
図2B】局所パージングツールの長手方向断面の概念図である。
図2C】局所パージングツールの長手方向断面からのパージングガス流れの概念図である。
図2D】ウェハの表面の部分に近接して位置付けられる局所パージングツールの概念図である。
図2E】局所パージングツールのパージングチャンバの表面の透過性部分の概念図である。
図3】厚さ補正値を決定するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで添付図面に示される、開示された主題を詳しく参照する。
【0014】
図1Aから図3を概して参照し、ウェハの表面の部分を局所的にパージするためのシステムおよび方法を本開示に従って説明する。光学システムは、半導体の製造で一般に利用されるシリコンウェハ等の基板上に形成される薄膜の物理的特性を測定するまたは解析するために一般的に活用される。炭化水素および他の汚染物質等の大気分子汚染(「AMC」)はウェハの表面に蓄積し、光学システムが、光学システムによって測定中または解析中の1枚または複数のウェハの物理的特性に関する適切な情報を入手するのを妨げる。本発明は、窒素、アルゴン、ネオンガス等を含むがこれらに限定されるものではないパージングガスを用いたウェハの表面の少なくとも一部の局所パージングによってウェハの表面でのAMCの蓄積を防ぐためのシステムおよび方法を対象としている。
【0015】
本開示を通して使用されるように、用語「ウェハ」は概して半導体材料または非半導体材料から形成される基板を指す。たとえば、半導体材料または非半導体材料は、単結晶シリコン、ガリウムヒ素、およびリン化インジウムを含むが、これらに限定されるものではない。ウェハは1つまたは複数の層を含んでよい。たとえば、係る層はレジスト、誘電材料、導電材料、および半導体材料を含んでよいが、これらに限定されるものではない。技術では多くの異なるタイプの係る層が既知であり、本明細書に使用される用語ウェハは、すべてのタイプの係る層が上に形成され得るウェハを包含することを目的とする。
【0016】
本開示を通して使用されるように、用語「薄膜」は概してウェハに形成される1つまたは複数の層を指す。たとえば、係る層はレジスト、誘電材料、導電材料、および半導体材料を含んでよいが、これらに限定されるものではない。技術では多くの異なるタイプの係る層が既知であり、本明細書に使用される用語薄膜は、ウェハに形成され得るすべてのタイプの係る層を包含することを目的とする。
【0017】
本開示を通して使用されるように、用語「光学システム」は概して、厚さ、組成、サイズ、形状、構造、構成、導電性、反射性、または任意の他の物理的測定値等の薄膜またはウェハの1つまたは複数の物理的特性を検出するために照明を活用する任意のシステムを指す。たとえば、光学システムは分光エリプソメータ、単一波長エリプソメータ、分光反射率計、単一波長反射率計、または任意の他の度量衡システムを含んでよいが、これらに限定されるものではない。本発明は度量衡システムに関連して説明されるが、本開示要素のいくつかまたはすべてを、測定を行うために光学技術を活用する検査システムまたは任意の他のシステムに拡張できることがさらに意図される。
【0018】
図1Aは、ウェハ112の表面の局所的にパージされた部分で計測を実行するためのシステム100を示す。一実施形態では、システム100は、ウェハ112の表面の部分の計測を提供するための光学システム107を含んでよい。システム100は、ウェハ112の表面の部分でのAMCの蓄積を妨げるためにパージングガスでウェハ112の表面の部分を局所的にパージするように構成された局所パージングシステム101をさらに含んでよい。ウェハ112の表面の部分は、ウェハ112の物理的特性の内の1つまたは複数の計測を提供するために、光学システム107が照明(たとえば、可視光、真空紫外線、紫外線、赤外線等)を伝達する測定場所を含んでよい。
【0019】
図1Bを参照すると、局所パージングシステム101は、ウェハ112の表面の部分にパージングガスを拡散するように構成された局所パージングツール102を含んでよい。局所パージングツール102は、ウェハ112の表面の部分に近接して局所パージングツール102を手動でまたはコンピュータを利用して配置することによってウェハ112の表面の部分をパージするように構成されてよい。コンピュータを利用した配置を活用する一実施形態では、コンピューティングシステム126は、局所パージングツール102に機械的に結合された作動アーム133に通信で結合されてよい。コンピューティングシステム126は、所望される位置および向きに局所パージングツール102を適切に配置するための命令を作動アーム133に提供するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、所望される位置は、ユーザが選択するウェハ112の表面の部分に近接する位置であってよい。他の実施形態では、所望される位置は、測定場所に基づいてコンピューティングシステム126が決定する位置であってよい。作動アーム133は、1台または複数のモータ、サーボ、ステップモータ、液圧応用機械、ロボティクス、または局所パージングツール102を回転させるもしくは並進させるための任意の他の装置もしくは構成部品を含んでよい。コンピューティングシステム126は、作動アルゴリズム131を含むプログラム命令130で構成された、フラッシュメモリ素子、ソリッドステートメモリ素子、光メモリ素子、ランダムアクセスメモリ素子または他のスタティックメモリ素子もしくはダイナミックメモリ素子等の少なくとも1つのキャリア媒体128を含んでよい。局所パージングツール102等の機械的に結合された機器をロボット制御で回転させるまたは並進させるための電気信号を介して作動できるモータ、サーボまたは他の装置を制御するためのアルゴリズム等の作動アルゴリズムが技術で既知である。
【0020】
図1Cを参照すると、局所パージングシステム101は局所パージングツールに流体的に接続されるパージガスソース103を含んでよい。パージガスソース103は、局所パージングツール102にパージングガスを供給するように構成されてよい。パージガスソース103は、加圧タンクまたは任意の他の加圧容器等のパージングガスを封じ込めるための任意の適切な容器であってよい。
【0021】
追加の実施形態では、局所パージングシステム101は、パージガスソース103と局所パージングツール102との間で流体的に接続される流量制御装置124を含んでよい。流量制御装置124は、パージングガスが局所パージングツール102に供給される速度を制御するように構成されてよい。流量制御装置124は、1つまたは複数のバルブ、調節器、ポンプ、または流量制御装置124を局所パージングツール102に流体的に接続する少なくとも1本の導管105を通ってパージングガスが移動する圧力または速度を調節するための任意の他の手段を含んでよい。
【0022】
追加の実施形態では、流量制御装置124は、パージングガスが局所パージングツール102に流れる速度を設定するための命令を流量制御装置124に提供するように構成されたコンピューティングシステム126に通信で接続されてよい。コンピューティングシステム126は、流量制御アルゴリズム132を含むプログラム命令130で構成された、フラッシュメモリ素子、ソリッドステートメモリ素子、光メモリ素子、ランダムアクセスメモリ素子または他のスタティックメモリ素子もしくはダイナミックメモリ素子等の少なくとも1つのキャリア媒体128を含んでよい。流量制御装置124に含まれてよい圧力バルブを構成するためのアルゴリズム等の流量制御アルゴリズム132が技術で既知である。たとえば、流量制御アルゴリズム132は、流量制御装置124に、圧力バルブの機械的特性と所望される流量の間の相関関係に基づいて圧力バルブを作動させるように命令してよい。いくつかの実施形態では、10から100LPM(毎分リットル)のユーザが選択した速度が、パージングガスでウェハ112の表面の部分を局所的にパージするための所望される流量であってよい。10から100LPM範囲外の他の流量が、特定のパージングガスの特性および下にある薄膜またはウェハ112の組成に応じて所望となることがある。上述の流量範囲はほんの一例として含まれ、決してシステムを制限することを目的としていない。
【0023】
図1Dを参照すると、局所パージングシステムは測定場所に近接する環境の湿度水準を測定するために構成された湿度センサ136を含んでよい。環境は、ウェハ112の表面の部分に近接する局所的にパージされた環境であってよい。湿度センサ136はコンピューティングシステム126に通信で結合されてよく、コンピューティングシステム126に湿度水準測定値を伝達するようにさらに構成されてよい。コンピューティングシステム126は湿度センサ136から湿度水準測定値を受け取るように構成され、ウェハ112の薄膜の厚さ測定値の厚さ補正値を決定するようにさらに構成されてよい。厚さ補正値は、測定場所に近接する環境の湿度水準の変化、および相対湿度水準と薄膜の測定厚さの間の相関関係に基づいた、エラーレベル、偏差、歪み、または薄膜の測定厚さに対する調整であってよい。一実施形態では、相対湿度水準と薄膜の測定厚さの間の相関関係は、キャリア媒体でプログラミングされた既知の値を含んでよい。別の実施形態では、相関関係は較正アルゴリズムによって決定されてよい、または相関関係はユーザが選択した値であってよい。コンピューティングシステム126は、厚さ補正アルゴリズム134を含むプログラム命令130で構成された、フラッシュメモリ素子、ソリッドステートメモリ素子、光メモリ素子、ランダムアクセスメモリ素子または他のスタティックメモリ素子もしくはダイナミックメモリ素子等の少なくとも1つのキャリア媒体128を含んでよい。
【0024】
一実施形態では、厚さ補正アルゴリズム134は、コンピューティングシステム126が、(i)相対湿度水準と薄膜の測定厚さの間の相関関係を確立するステップと、(ii)測定場所に近接する環境の初期の湿度水準測定値を取得するステップと、(iii)光学システムの検出器106からウェハ112の薄膜の厚さ測定値を取得するステップと、(iv)環境の以後の湿度水準測定値を取得するステップであって、以後の湿度水準測定値が薄膜の測定厚さと関連付けられる、以後の湿度水準測定値を取得するステップと、(v)初期の湿度水準測定値と以後の湿度水準測定値の差を計算するステップと、(vi)相対湿度水準と薄膜の測定厚さの間の相関関係、および初期の湿度水準測定値と以後の湿度水準測定値の計算された差を活用して厚さ補正値を決定するステップの内の1つまたは複数を完了することを要求してよい。厚さ補正アルゴリズム134の上述の説明によって示唆される薄膜の測定厚さの厚さ補正値を決定する方法300をさらに詳しく説明する。
【0025】
いくつかの実施形態では、湿度センサ136は、局所パージングツール102付きの局所パージングシステム101に関連して上述されたが、係るシステムに限定されない。代わりに、湿度センサ136はウェハ112の表面の測定場所に近接する任意の大気管理環境内に配置されてよい。
【0026】
図2Aから図2Eは、局所パージングツール102の多くの態様および多様な実施形態を示す。図2Aおよび図2Bを参照すると、局所パージングツール102は、パージングチャンバ202の内部部分を構成するパージング空洞216内部にパージングガスを封じ込めるように構成されたパージングチャンバ202を含んでよい。局所パージングツール102は、パージガスソース103からパージングガスを受け取るように構成され、受け取られたパージングガスの一部をパージングチャンバ202のパージング空洞216に伝達するようにさらに構成されたガス吸気口214をさらに含んでよい。局所パージングツール102は、ガス吸気口214とパージングチャンバ202との間にガス吸気チャンバ212をさらに含んでもよい。
【0027】
図2Cを参照すると、ガス吸気チャンバ212は、ガス吸気チャンバ212の内部部分を構成するガス吸気空洞220内部に、ガス吸気口214を通してパージガスソース103から受け取られたパージングガスの一部を封じ込めるように構成されてよい。ガス吸気チャンバ212は、パージングチャンバ202のパージング空洞216の実質的な部分を通してパージングガスの一部を分配するようにさらに構成されてよい。ガス吸気チャンバ212は、ガス吸気口214を通して受け取られたパージングガスを、パージング空洞216を通して実質的に均等に分配できるようにしてよい。たとえば、ガス吸気チャンバ212は、ガス吸気チャンバ212を通してガス吸気口214からパージングチャンバ202に流れるパージングガスを分散させるための構造要素を含んでよい。いくつかの実施形態では、パージングチャンバ202はガス吸気チャンバ212の要素の内の1つまたは複数を含んでよい。
【0028】
図2Bに示されるように、局所パージングツール102はパージングチャンバ202の表面の透過性部分206を含んでよい。透過性部分206は、ウェハ112の表面の部分を局所的にパージするためにパージング空洞216内部からパージングガスを拡散するように構成されてよい。透過性部分206は、パージングガスが透過可能な多孔質材を含んでよい。図2Eを参照すると、透過性部分206は第1の部分226および第2の部分228をさらに含んでよい。第2の部分228とは異なる速度でパージングガスを拡散するように第1の部分226を構成し得るように、第1の部分226は第2の部分228とは異なる等級の透過性媒体であってよい。たとえば、いくつかの実施形態では、パージングガスがウェハ112の表面の部分の残りに拡散される速度よりも速い速度でパージングガスを測定場所近傍で拡散することが望ましいことがある。
【0029】
図2Aに示されるように、局所パージングツール102は、光学システム107から照明を受け取るように構成されたアパーチャ208をさらに含んでよい。アパーチャ208は、光学システム107の検出器に照明を伝達するようにさらに構成されてよい。局所パージングツール102は、アパーチャ208がウェハ112の表面の部分の測定場所に近接して位置し得るように位置付けされてよい。アパーチャ208は、光学システム107から受け取られる照明を測定場所に伝達するように構成されてよい。アパーチャ208は、測定場所から反射される照明を(収集アームを介して)光学システム107の検出器106に伝達するようにさらに構成されてよい。したがって、アパーチャは、光学システム107が照明を活用して、局所パージングツール102に近接する測定場所でウェハ112の物理的特性を測定または解析できるように構成されてよい。
【0030】
一実施形態では、アパーチャ208はパージングチャンバ202の表面の透過性部分206内部に位置してよい。この点で、アパーチャは、光学システム107の照明光源から照明を受け取るように構成される一方で、透過性部分206を通して拡散されるパージングガスによる測定場所の局所パージングを可能にしてよい。特に、図2Cは、局所パージングツール102の一実施形態におけるパージングガス流れ218を示す。透過性部分206から拡散されるパージングガスは、測定場所を含むウェハ112の表面の部分がパージされ得るようにウェハ112の表面の部分に流れてよい。また、AMCがアパーチャ208に進入してウェハ112の表面の局所的にパージされた部分を汚染できないように、パージングガスはウェハ112の表面の部分から逸れて、ウェハ112の表面の部分から離れた方向でアパーチャ208を通って流れてもよい。
【0031】
別の実施形態では、アパーチャ208はパージングチャンバ202の表面の透過性部分206の第2の部分228に位置してよい。パージングガスがアパーチャ周辺で拡散される速度が、パージングガスがウェハ112の表面の部分の残りに拡散される速度と異なるように、第2の部分228は第1の部分226とは異なる速度でパージングガスを拡散するように構成されてよい。たとえば、第2の部分228は第1の部分226よりも高い等級の多孔質材を含んでよく、したがってパージングガスはアパーチャ208の周辺でより速い速度で拡散される。さらに、アパーチャ208は、パージングガスがウェハ112の表面の局所的にパージされた部分の残り全体で拡散される速度よりも速い速度で測定場所に近接して拡散されるように測定場所に近接して位置してよい。
【0032】
図2Aに示されるように、局所パージングツール102は、エネルギービームソースを働かせるように、またはウェハ112の表面の部分からAMCを移動させるためのエネルギービームを受け取るように構成されたビームポート224をさらに含んでよい。エネルギービームソースおよびウェハの表面からAMCを移動させるためのエネルギービームは、KLA−TENCOR CorporationのiDESORBER技術に使用されるもの等、技術で既知である。ビームポート224は、ウェハ112の表面の部分の局所パージングの前にまたはウェハ112の表面の部分の局所パージングと同時に表面の部分からAMCを取り除くためにエネルギービームの少なくとも一部をウェハ112の表面の部分に伝達するようにさらに構成されてよい。
【0033】
追加の態様では、ウェハ112の表面の部分がパージされ得るように、ウェハ112の表面に近接する所望される位置または向きで局所パージングツール102の並進移動または回転移動の内の少なくとも1つを可能にするために、局所パージングツール102が作動アーム(不図示)に機械的に結合されるように構成されてよい。図2Aを参照すると、局所パージングツール102は、作動アームが局所パージングツール102を所望される位置に作動させ得るように作動アームを機械的に働かせるように構成されたブラケット210を含んでよい。いくつかの実施形態では、所望される位置はユーザによって選択された位置または測定場所に従って決定された位置であってよい。
【0034】
再び図1Aを参照し、システム100の一実施形態をさらに詳しく説明する。システム100はウェハ112を受け取るように構成されてよい。ウェハ112は1枚または複数の薄膜を含んでよい。ウェハ112は、ウェハ112の表面の部分の測定場所で照明を受け取るように構成されてよい。ウェハ112は、測定場所から照明を反射するようにさらに構成されてよい。システムは、計測の過程でウェハ112を保持するように構成された試料ステージ114をさらに含んでよい。試料ステージ114は、所望される位置または向きにウェハ112を作動させるようにさらに構成されてよい。試料ステージ114は、ウェハ112が測定場所で照明を受け取ることができるようにする位置にウェハ112を作動させるようにさらに構成されてよい。
【0035】
システム100は、ウェハ112の1つまたは複数の物理的特性を測定するために計測を提供するように構成された光学システム107をさらに含んでよい。光学システム107は、ウェハ112の表面の部分に照明を提供するために構成された照明アーム108を含んでよい。照明アーム108は、ウェハ112の表面の部分に照明を提供するための照明光源104を含んでよい。照明光源104は、(たとえば、真空紫外線、紫外線、可視、赤外線等の)電磁スペクトル内の1つまたは複数の波長で一般に識別される、技術で既知の1つまたは複数の照明光源を含んでよい。照明アーム108は、照明光源104から受け取られる照明を偏光させるための偏光子116をさらに含んでよい。偏光子116は、特に直線偏光子等の技術で既知の1つまたは複数の偏光素子を含んでよい。照明アーム108は、照明光源104から受け取られる照明を変調するために1つまたは複数の照明光学素子118(たとえば、リターダ、1/4波長板、焦点光学部品、位相変調器等)をさらに含んでよい。照明アーム108は、照明光源104からウェハ112の表面の部分の測定場所に照明を伝達するようにさらに構成されてよい。測定場所は、照明アーム108から受け取られる照明の少なくとも一部を反射してよい。
【0036】
光学システム107は、ウェハ112の表面の部分の測定場所から反射される照明を受け取るように構成された収集アーム110を含んでよい。収集アーム110は、測定場所から反射される照明を受け取るように構成された検出器106を含んでよい。検出器106は、照明の特性(たとえば、振幅、位相、極性、周波数等)を解析するまたは測定するための分光計等の技術で既知の任意の適切な検出器であってよい。収集アーム110は、測定場所から反射される照明を偏光させるためにアナライザ122をさらに含んでよい。アナライザ122は、特に直線偏光子等の技術で既知の1つまたは複数の偏光素子を含んでよい。収集アーム110は、測定場所から反射される照明を変調するために1つまたは複数の収集光学素子120(たとえば、リターダ、1/4波長板、焦点光学部品、位相変調器等)をさらに含んでよい。
【0037】
システム100は、パージングガスでウェハ112の表面の部分を局所的にパージするために構成された局所パージングシステム101をさらに含んでよい。局所パージングシステム101のパージガスソース103はウェハ112の表面の部分全体でパージングガスを拡散して、ウェハ112の表面の部分でのAMCの蓄積を妨げるために局所パージングツール102にパージングガスを供給するように構成されてよい。局所パージングツール102のアパーチャ208は、光学システム107の照明アーム108から照明を受け取るように構成されてよい。アパーチャ208は、照明アーム108から受け取られる照明をウェハ112の表面の部分の測定場所に伝達するようにさらに構成されてよい。アパーチャ208は、測定場所から反射される照明を光学システム107の収集アーム110に伝達するようにさらに構成されてよい。この点で、光学システム107は、ウェハ112の表面の部分が局所的にパージされる間に、ウェハ112の表面の部分の測定場所でのウェハ112の物理的特性の内の1つまたは複数を測定するように構成されてよい。
【0038】
一実施形態では、システム100はウェハ112の薄膜の厚さを測定するために構成されてよい。光学システム107の照明アーム108は、局所パージングツール102のアパーチャ208を通して測定場所に照明を伝達してよい。測定場所から反射される照明は局所パージングツール102のアパーチャ208を通して光学システム107の収集アーム110に伝達されてよい。収集アーム110は、検出器106によって受け取られた照明に関する情報をコンピューティングシステム126に送信するようにさらに構成されてよい。コンピューティングシステム126は、偏光解析法に一般に使用されるそれらのアルゴリズム等の技術で既知のアルゴリズムを活用して薄膜の厚さを決定するようにさらに構成されてよい。
【0039】
追加の実施形態では、システム100は以下で説明する方法300を用いてウェハ112の薄膜の厚さ測定値を補正するために構成されてよい。薄膜の厚さ測定は、ウェハ112の表面でのAMS蓄積等の大気変数によって歪曲されることがある。補正された厚さ値に厚さ測定値を調整するための厚さ補正値は、相対湿度水準と薄膜の測定厚さの間の相関関係を活用することで決定され得る。図1Dを参照すると、システム100は、ウェハ112の表面の部分に近接する環境の湿度水準を検出するように構成された1台または複数の湿度センサ136を含んでよい。一実施形態では、湿度センサ136は、局所パージングツール102のパージングチャンバ202の空洞216内部に位置してよい。別の実施形態では、湿度センサ136は、局所パージングツール102の外面に位置してよい。上述の例は、湿度センサ136に考えられる場所を示すことだけを目的としているが、ウェハ112の表面の部分に近接した環境に関して湿度センサ136の配置を制限するように解釈されるべきではない。湿度センサ136は、キャリア媒体128でプログラム命令130から厚さ補正アルゴリズム134を実行するように構成されたコンピューティングシステム126に通信で結合されてよい。
【0040】
図3を参照し、厚さ測定値の厚さ補正値を決定するための方法を本発明の一実施形態に従って示す。方法300は、(i)ステップ302、相対湿度水準と薄膜の測定厚さの間の相関関係を確立すること、(ii)ステップ304、測定場所に近接する環境の初期の湿度水準測定値を取得すること、(iii)ステップ306、光学システム107を用いてウェハ112の表面の部分の測定場所でウェハ112の薄膜の厚さ測定を行うこと、(iv)ステップ308、環境の以後の湿度水準測定値を取得することであって、以後の湿度水準測定値が薄膜の測定厚さに関係する、以後の湿度水準測定値を取得すること、(v)ステップ310、初期の湿度水準測定値と以後の湿度水準測定値の差を計算すること、および(vi)ステップ312、相対湿度水準と薄膜の測定厚さの間の相関関係および初期の湿度水準測定値と以後の湿度水準測定値の計算された差を活用して厚さ補正値を決定することを含んでよい。
【0041】
ステップ302で、相対湿度水準と薄膜の測定厚さの間の相関関係は、既知の値または近似値を活用することで確立されてよい。たとえば、相関関係はコンピューティングシステム126のキャリア媒体128でプログラミングされた標準値もしくは許容値であってよい、または相関関係値はユーザが選択した値であってよい。代わりに、相対湿度水準と薄膜の測定厚さの間の相関関係値は、以下のステップ、つまり(i)薄膜の初期の厚さ測定値を取得するステップと、(ii)初期の厚さ測定値と関連付けられる初期の湿度水準測定値を取得するステップと、(iii)薄膜の以後の厚さ測定値を取得するステップと、(iv)以後の厚さ測定値と関連付けられる以後の湿度水準測定値を取得するステップと、(v)初期の厚さ測定値と以後の厚さ測定値の差を計算するステップと、(vi)初期の湿度水準測定値と以後の湿度水準測定値の差を計算するステップと、(vii)初期の厚さ測定値と以後の厚さ測定値の計算された差、および初期の湿度水準測定値と以後の湿度水準測定値の計算された差を活用して相対湿度と測定厚さの間の相関関係を決定するステップの内の1つまたは複数を含む較正方法によって確立されてよい。
【0042】
ステップ304で、初期の湿度水準は湿度センサ136からコンピューティングシステム126に通信されてよい。一実施形態では、湿度センサ136は、AMCをウェハ112の表面の部分から移動するまたは取り除くときとほぼ同時にまたは直後に初期湿度水準測定を行うように構成されてよい。AMCはエネルギービームを用いてまたはウェハ112もしくはウェハ112の表面の部分を十分に高温に加熱することで取り除き得る。
【0043】
ステップ306で、システム100の光学システム107の検出器106は、ウェハ112の表面の部分の測定場所から反射される照明を受け取ることによってウェハの薄膜の1回または複数の測定を行うように構成されてよい。検出器106は、測定場所から反射される照明に関するデータをコンピューティングシステム126に通信するようにさらに構成されてよい。コンピューティングシステム126は、測定場所から反射される照明に関する、検出器106から受信されるデータを活用してウェハ112の薄膜の厚さ測定値を計算するようにさらに構成されてよい。
【0044】
ステップ308で、湿度センサ136は1回または複数の以後の湿度水準測定を行ってよく、その内の1つは厚さ測定が光学システム107によって行われたときの湿度水準に一致するまたは関係する。湿度センサ136は、厚さ測定に一致するまたは関係する以後の湿度水準をコンピューティングシステム126に通信してよい。
【0045】
ステップ310で、コンピューティングシステム126は、光学システム107によって行われる厚さ測定に一致する、初期の湿度水準と以後の湿度水準との差を計算するように構成されてよい。コンピューティングシステム126は、初期の湿度水準測定値と以後の湿度水準測定値の数学的な差を見つけ出すことで差を計算するように構成されてよい。代わりに、コンピューティングシステム126は、高度な数学技法(たとえば、多項式近似、微分方程式、数値変換等)を活用して差を計算するように構成されてもよい。
【0046】
ステップ312で、コンピューティングシステム126は、初期の湿度水準測定値と以後の湿度水準測定値の差と、相対湿度水準と薄膜の測定厚さの相関関係の間の数学的な関係性を活用してエラーレベル、偏差、歪み、調整または他の補正変数等の厚さ補正値を決定するようにさらに構成されてよい。コンピューティングシステム126は、薄膜の厚さ測定値に厚さ補正値を適用して、ウェハ112の薄膜の補正された厚さ値を決定するようにさらに構成されてよい。
【0047】
本開示を通して説明する多様なステップが単一コンピューティングシステム126によって、または代わりに複数コンピューティングシステム126によって実行されてよいことが認識されるべきである。さらに、光学システム107または局所パージングシステム101等のシステム100の異なるサブシステムは、上述されたステップの内の少なくとも一部を実行するために適したコンピューティングシステムを含んでよい。したがって、上記説明は本発明に対する制限としてではなく、単に実例として解釈されるべきである。さらに、1つまたは複数のコンピューティングシステム126は、本明細書に説明する方法実施形態のいずれかの任意の他のステップ(複数の場合がある)を実行するように構成されてよい。
【0048】
コンピューティングシステム126は、パーソナルコンピューティングシステム、メインフレームコンピューティングシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、または技術で既知の任意の他の装置を含んでよいが、これらに限定されるものではない。一般に、用語「コンピューティングシステム」は、メモリ媒体からの命令を実行する1台または複数のプロセッサを有する任意の装置を包含すると広義に定義されてよい。
【0049】
本明細書に説明する方法等の方法を実装するプログラム命令130は、キャリア媒体128で送信されてよい、またはキャリア媒体128に記憶されてよい。キャリア媒体は、有線伝送リンク、ケーブル伝送リンク、または無線伝送リンク等の伝送媒体であってよい。また、キャリア媒体128は、読取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスクもしくは光ディスク、または磁気テープ等の記憶媒体を含んでもよい。
【0050】
本明細書に説明する方法のすべては、記憶媒体の方法実施形態の内の1つまたは複数のステップの結果を記憶することを含んでよい。結果は本明細書に説明する結果のいずれかを含んでよく、技術で既知の任意の方法で記憶されてよい。記憶媒体は本明細書に説明する任意の記憶媒体または技術で既知の任意の他の適切な記憶媒体を含んでよい。結果を記憶した後、記憶媒体で結果にアクセスし、本明細書に説明する方法実施形態またはシステム実施形態のいずれかで結果を使用し、ユーザに表示するためにフォーマットし、別のソフトウェアモジュール、方法またはシステム等によって使用することができる。さらに、結果は「恒久的に」、「半恒久的に」、「一時的に」またはある期間記憶されてよい。たとえば、記憶媒体はランダムアクセスメモリ(RAM)であってよく、結果は記憶媒体で必ずしも無期限に持続しなくてもよい。
【0051】
上述された方法の実施形態のそれぞれが、本明細書に説明する任意の他の方法(複数の場合がある)の任意の他のステップ(複数の場合がある)を含んでよいことがさらに意図される。さらに、上述された方法の実施形態のそれぞれは、本明細書に説明するシステムのいずれかによって実行されてよい。
【0052】
当業者は、本明細書に説明するプロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術を達成できる多様な手段(たとえば、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)があること、および好ましい手段が、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術が展開される状況に伴い変わることを理解する。たとえば、実装者が、速度および精度が最重要であると判断する場合、実装者はおもにハードウェアおよび/またはファームウェアの手段を選んでよい。代わりに、柔軟性が最重要である場合、実装者は主にソフトウェア実装を選んでよい。またはさらに再び代わりに、実装者はハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの何らかの組合せを選んでよい。したがって、本明細書に説明するプロセスおよび/または装置および/または他の技術を達成し得るいくつかの考えられる手段があり、その手段の内のいずれも、活用される任意の手段が、手段が展開される状況および実装者の特定の懸念(たとえば、速度、柔軟性、または予測性)に応じた選択肢であり、その内のいずれかが変わることがあるという点で他よりも本質的に優れていない。当業者は、実装の光学的な態様が通常光学的に配向されたハードウェア、ソフトウェアおよびまたはファームウェアを利用することを認識する。
【0053】
当業者は、本明細書に示されるやり方で装置および/またはプロセスを説明し、その後エンジニアリング方式を使用して、説明した係る装置および/またはプロセスをデータ処理システムの中に統合することが技術で一般的であることを認識する。すなわち本明細書に説明する装置および/またはプロセスの少なくとも一部を、妥当な量の実験作業を介してデータ処理システムの中に統合することができる。当業者は、典型的なデータ処理システムが一般に、システムユニット筐体、ビデオ表示装置、揮発性メモリおよび不揮発性メモリ等のメモリ、マイクロプロセッサおよびデジタルシグナルプロセッサ等のプロセッサ、オペレーティングシステム、ドライバ、グラフィックユーザインタフェース、およびアプリケーションプログラム等の計算エンティティ、タッチパッドまたは画面等の1台または複数の対話装置、および/またはフィードバックループおよび制御モータ(たとえば、位置および/または速度を感知するためのフィードバック、構成要素および/または量を移動させるおよび/または調整するための制御モータ)を含む制御システムの内の1つまたは複数を含むことを認識する。典型的なデータ処理システムは、データコンピューティング/通信システムおよび/またはネットワークコンピューティング/通信システムに通常見られるもの等の市販の適切なあらゆる構成要素を活用して実装されてよい。
【0054】
本明細書に説明する主題は、異なる他の構成要素の中に含まれる、または異なる他の構成要素と接続されるいろいろな構成要素を示すことがある。示されている係るアーキテクチャが単に例示的であること、および実際には、同じ機能性を達成する多くの他のアーキテクチャを実装できることが理解されるべきである。概念的な意味では、同じ機能性を達成するための構成要素のどのような構成も、所望される機能性が達成されるように効果的に「関連付けられる」。したがって、特定の機能性を達成するために本明細書で結合される任意の2つの構成要素は、アーキテクチャまたは中間構成要素に関わりなく所望される機能性が達成されるように互いと「関連付けられる」として見ることができる。同様に、このように関連付けられる任意の2つの構成要素を、所望される機能性を達成するために互いに「接続されている」または「結合されている」として見なすことができ、このように関連付けられることが可能な任意の2つの構成要素を、所望される機能性を達成するために互いと「結合可能」であると見なすこともできる。結合可能の特定の例は、物理的に接合可能な構成要素および/または物理的に相互作用する構成要素および/または無線で相互作用可能な構成要素および/または無線で相互作用する構成要素および/または論理的に相互作用する構成要素および/または論理的に相互作用可能な構成要素を含むが、これらに制限されるものではない。
【0055】
本明細書に説明する本主題の特定の態様を示し、説明してきたが、本明細書の教示に基づき、本明細書に説明する主題およびそのより幅広い態様から逸脱することなく変更および修正を加え得ること、したがって添付の特許請求の範囲は係るすべての変更および修正を、本明細書に説明する主題の真の精神および範囲内にあるとしてその範囲内に包含するべきであることが当業者に明らかになる。
【0056】
さらに、本発明が添付特許請求の範囲によって定義されることが理解されるべきである。
【0057】
本発明の特定の実施形態を示してきたが、本発明の多様な変更形態および実施形態が、上記開示の範囲および精神から逸脱することなく当業者によって作成され得ることは明らかである。したがって、本発明の範囲は本明細書に添付される特許請求の範囲によってのみ制限されるべきである。
【0058】
本開示およびその付随する優位点の多くが上述の説明によって理解されると考えられ、開示されている主題から逸脱することなく、またはその重要な優位点のすべてを犠牲にすることなく構成要素の形式、構造および配置において多様な変更をなしてよいことは明らかである。説明している形式は単に例示的にすぎず、係る変更を包含し、含むことが以下の特許請求の範囲の意図である。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3