【実施例】
【0089】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例では、式(1)〜(4)で表される化合物として、下記の化合物U1〜U5を製造した。
【0090】
【化38】
【0091】
[合成例1]
<(2E,4E)−5−((1S,2S,3R,4aR,7S,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ヒドロキシ−1,3,7−トリメチルナフタレン−8−イル)−2−メチル−N−((ピリジン−3−イル)ペンタ−2,4−ジエンアミド(U1)の製造>
【0092】
【化39】
【0093】
<不斉アルキル化>
(S)−4−ベンジル−3−プロピオニルオキサリゾリジン−2−オン(a1)(1.12g,4.81mmol)を含むテトラヒドロフラン溶液(12.0mL)に対し、−78℃でナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのテトラヒドロフラン溶液(1.0M,9.6mL,9.61mmol)を滴下した。反応混合液を−78℃で15分間撹拌した後、(2E,4E)−1−ブロモヘキサ−2,4−ジエン(b1)(1.55g,9.61mmol)とテトラブチルアンモニウムヨージド(177mg,0.481mmol)を加え、室温まで昇温し1時間撹拌した。反応系に飽和塩化アンモニウム水溶液を0℃で加え反応を停止し、酢酸エチルを加え有機層を分取後、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過、減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィで精製し、(S)−3−((R,4E,6E)−2−メチルオクタ−4,6−ジエノイル)−4−ベンジルオキサゾリジン−2−オン(c1)(1.31g,87%)を得た。物性値は以下の通りである。
【0094】
IR(neat):1782,1697cm
−1;
1H NMR(CDCl
3):δ
7.38−7.08(m,5H,Ph),
6.05(dd,J=11.0,14.5Hz,1H,6−H),
6.03(dd,J=11.0,14.5Hz,1H,5−H),
5.61(dq,J=7.0,14.5Hz,1H,7−H),
5.55(ddd,J=7.0,7.5,14.5Hz,1H,4−H),
4.71(m,1H,1’−H),
4.18(dd,J=9.0,17.0Hz,1H,Bn),
4.14(dd,J=3.0,9.0Hz,1H,Bn),
3.85(ddq,J=7.0,7.0,13.5Hz,1H,2−H),
3.23(dd,J=3.5,13.5Hz,1H,1’−H),
2.68(dd,J=10.0,13.5Hz,1H,2’−H),
2.51(ddd,J=7.0,7.0,14.0Hz,1H,3−H),
2.24(ddd,J=7.5,7.5,14.0Hz,1H,3−H),
1.72(d,J=7.0Hz,3H,8−H),
1.18(d,J=7.0Hz,3H,2−Me);
HR MS:calcd for C
19H
23O
3NNa(M+Na
+)336.1570,found 336.1576.
【0095】
【化40】
【0096】
<還元>
水素化アルミニウムリチウム(472mg,12.5mmol)を含むテトラヒドロフラン溶液(12.0mL)に対し、0℃で(S)−3−((R,4E,6E)−2−メチルオクタ−4,6−ジエノイル)−4−ベンジルオキサゾリジン−2−オン(c1)(1.3g,4.15mmol)のテトラヒドロフラン溶液(5.0mL)を滴下し、反応混合液を室温で12時間撹拌した。反応系に水と4N水酸化ナトリウム水溶液を0℃で加え反応を停止し、セライト濾過後、減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィで精製し、(R,4E,6E)−2−メチルオクタ−4,6−ジエン−1−オール(d1)(473mg,81%)を得た。物性値は以下の通りである。
【0097】
IR(neat):3340cm
−1;
1H NMR(CDCl
3):δ
6.10−5.96(m,2H,5−H,6−H),
5.68−5.47(m,2H,4−H,7−H),
3.51(ddd,J=5.7,10.8,10.8Hz,1H,1−H),
3.46(ddd,J=6.0,10.8,11.7Hz,1H,1−H),
2.17(ddd,J=6.6,6.6,13.5Hz,1H,3−H),
1.95(ddd,J=6.9,6.9,13.5Hz,1H,3−H),
1.77−1.55(m,1H,2−H),
1.74(d,J=5.7Hz,3H,8−H),
1.30(dd,J=5.4,5.7Hz,1H,OH),
0.92(d,J=6.9Hz,3H,2−Me);
HR MS:calcd for C
19H
23O
3NNa(M+Na
+)140.1201,found 140.1202.
【0098】
【化41】
【0099】
<酸化>
モレキュラーシーブス4Å(401mg)と(R,4E,6E)−2−メチルオクタ−4,6−ジエン−1−オール(d1)(93.7mg,0.669mmol)の塩化メチレン溶液(6.7mL)に0℃でN−メチルモルホリン−N−オキシド(235mg,2.01mmol)と過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(23.5mg,0.0669mmol)を加え、反応混合物を30分間撹拌した。ゲル濾過後、減圧濃縮して粗生成物を得、精製すること無く、そのまま次の反応に用いた。
【0100】
<向山アルドール反応>
スズ(II)トリフラート(362mg,0.870mmol)の塩化メチレン溶液(3,7mL)に対し、室温でN−(((R)−1−メチルピロリジン−2−イル)メチル)ナフタレン−1−アミン(225mg,0.937mmol)とジブチルスズ(IV)ジアセテート(330mg,0.937mmol)を加えた。反応混合液を−78℃にした後、上記の粗生成物と((Z)−1−(エチルチオ)プロパ−1−エニロキシ)トリメチルシラン(e1)(152mg,0.803mol)を加え、3時間撹拌した。反応系に飽和重曹水を−78℃で加え反応を停止し、セライト濾過後、塩化メチレンを加え有機層を分取し、水層を塩化メチレンで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過、減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物を薄層カラムクロマトグラフィで精製し、(2R,3S,4R,6E,8E)−S−エチル 3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルデカ−6,8−ジエンチオアート(f1)(106mg,62%)を得た。物性値は以下の通りである。
【0101】
IR(neat):3502,1681cm
−1;
1H NMR(CDCl
3):δ
6.10−5.93(m,2H,7−H,8−H),
5.70−5.52(m,1H,9−H),
5.60−5.40(m,1H,6−H),
3.71(ddd,J=4.5,5.7,5.7Hz,1H,3−H),
2.88(dq,J=7.5,12.5Hz,1H,SEt),
2.87(dq,J=7.5,12.5Hz,1H,SEt),
2.84(dq,J=5.7,6.9Hz,1H,2−H),
2.14(ddd,J=6.9,6.9,13.8Hz,1H,5−H),
2.06(d,J=4.5Hz,1H,OH),
1.96(ddd,J=7.2,7.2,13.8Hz,1H,5−H),
1.74(d,J=6.0Hz,3H,10−H),
1.66(dddq,J=5.7,6.9,6.9,7.2Hz,1H,4−H),
1.26(t,J=7.5Hz,3H,SEt),
1.24(d,J=6.9Hz,3H,2−Me),
0.96(d,J=6.9Hz,3H,4−Me);
HR MS:calcd for C
14H
24O
2SNa(M+Na
+)279.1389,found 279.1379.
【0102】
【化42】
【0103】
<ヒドロキシ基保護>
(2R,3S,4R,6E,8E)−S−エチル 3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルデカ−6,8−ジエンチオアート(f1)(96.7mg,0.378mmol)を含む塩化メチレン溶液(1.9mL)に対し、0℃で2,6−ルチジン(0.17mL,1.51mmol)とt−ブチルジメチルシリルトリフラート(0.20mL,0.755mmol)を加え、反応混合液を0℃で1時間撹拌した。反応系に飽和重曹水を0℃で加え反応を停止し、塩化メチルを加え有機層を分取後、水層を塩化メチルで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過、減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィで精製し、(2R,3S,4R,6E,8E)−S−エチル−3−tert−ブチルジメチルシロキシ−2,4−ジメチルデカ−6,8−ジエンチオアート(g1)(137mg,98%)を得た。物性値は以下の通りである。
【0104】
IR(neat):1685cm
−1;
1H NMR(CDCl
3):δ
6.01(dd,J=13.5,23.5Hz,1H,8−H),
5.99(dd,J=13.5,23.5Hz,1H,7−H),
5.58(dq,J=6.5,13.5Hz,1H,9−H),
5.46(dq,J=6.5,8.5,13.5Hz,1H,6−H),
3.89(dd,J=3.0,6.5Hz,1H,3−H),
2.85(q,J=7.5Hz,2H,SEt),
2.78(dq,J=6.5,7.0Hz,1H,2−H),
2.21(ddd,J=5.5,6.5,14.0Hz,1H,5−H),
1.88(ddd,J=8.5,9.0,14.0Hz,1H,5−H),
1.73(d,J=6.5Hz,3H,10−H),
1.75−1.57(m,1H,4−H),
1.24(q,J=7.5Hz,3H,SEt),
1.18(d,J=7.0Hz,3H,2−Me),
0.90(s,9H,TBS),
0.87(d,J=7.0Hz,3H,4−Me),
0.06(s,3H,TBS),
0.04(s,3H,TBS);
HR MS:calcd for C
20H
38O
2SSiNa(M+Na
+)393.2254,found 393.2246.
【0105】
【化43】
【0106】
<還元>
(2R,3S,4R,6E,8E)−S−エチル−3−tert−ブチルジメチルシロキシ−2,4−ジメチルデカ−6,8−ジエンチオアート(g1)(86.9mg,0.235mmol)を含む塩化メチレン溶液(4.7mL)に対し、−78℃で水素化ジイソブチルアルミニウムのn−ヘキサン溶液(1.0M,0.755mL,0.755mmol)を加え、5分間撹拌した。反応系にメタノールと飽和ロッシェル塩水溶液を−78℃で加え反応を停止し、塩化メチルを加え有機層を分取後、水層を塩化メチルで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過、減圧濃縮して粗生成物を得、精製すること無く、そのまま次の反応に用いた。
【0107】
<ウィティッヒ反応>
上記の粗生成物を含むトルエン溶液(2.4mL)に対し、室温で(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸エチル(h1)(245mg,0.705mmol)を加え、120℃まで昇温し3時間撹拌した。反応混合液を減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィで精製し、(2E,4S,5S,6R,8E,10E)−エチル 5−tert−ブチルジメチルシロキシ−4,6−ジメチルドデカ−2,8,10−トリエノアート(i1)(73.9mg,83%)を得た。物性値は以下の通りである。
【0108】
IR(neat):1720cm
−1;
1H NMR(CDCl
3):δ
6.99(dd,J=8.5,15.5Hz,1H,3−H),
6.01(dd,J=12.5,23.5Hz,1H,10−H),
5.99(dd,J=12.0,23.5Hz,1H,9−H),
5.77(d,J=15.5Hz,1H,2−H),
5.58(dq,J=7.0,13.5Hz,1H,11−H),
5.46(ddd,J=7.0,7.5,14.5Hz,1H,8−H),
4.19(q,J=7.0Hz,2H,OEt),
3.51(dd,J=4.0,6.5Hz,1H,5−H),
2.51(ddq,J=6.5,7.5,8.5Hz,1H,4−H),
2.14(ddd,J=6.5,7.0,13.5Hz,1H,7−H),
1.73(d,J=7.0Hz,3H,12−H)
1.90(ddd,J=6.0,8.5,13.5Hz,1H,7−H),
1.68−1.54(m,1H,6−H),
1.29(t,J=7.0Hz,3H,OEt),
1.04(d,J=7.5Hz,3H,4−Me),
0.91(s,9H,TBS),
0.82(d,J=7.5Hz,3H,6−Me),
0.06(s,3H,TBS),
0.05(s,3H,TBS);
HR MS:calcd for C
22H
40O
3SiNa(M+Na
+)403.2639,found 403.2651.
【0109】
【化44】
【0110】
<酸化及びエヴァンスアルドール反応>
(R,4E,6E)−2−メチルオクタ−4,6−ジエン−1−オール(d1)(110mg,0.784mmol)の塩化メチレン溶液(3.93mL)に、室温でジメチルスルホキシド(0.20mL)とトリエチルアミン(0.20mL)を加えた。反応混合液を0℃にした後、三酸化イオウ−ピリジン錯体(374mg,2.35mmol)を加えて室温で反応混合物を1時間撹拌した。この反応混合物を、別途調製したボランエノラート溶液にカニュレーションで加えて1時間撹拌後、0℃に昇温し1時間撹拌した。反応系にメタノール、緩衝溶液(pH7)及び過酸化水素水を加えて30分間撹拌した後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加え有機層を分取後、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィで精製し、(4S)−3−((2R,3S,4R,6E,8E)−3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルデカー6,8−ジエノイル)−4−ベンジルオキサゾリジノン−2−オン(p1)(273mg,94%)を得た。
【0111】
上記のボランエノラート溶液は、以下のように調製した。(R)−4−ベンジル−3−プロピオニルオキサリゾリジン−2−オン(n1)(220mg,0.943mmol)の塩化メチレン溶液(3.93mL)に、0℃でジブチルボロントリフラートの塩化メチレン溶液(1.0M,0.940mL,0.940mmol)とトリエチルアミン(0.130mL,0.983mmol)を加えた。反応混合液を0℃で10分間撹拌したものを直ちに反応に用いた。
【0112】
(4S)−3−((2R,3S,4R,6E,8E)−3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルデカー6,8−ジエノイル)−4−ベンジルオキサゾリジノン−2−オン(p1)の物性値は以下の通りである。
[α]
D24 −39.9(c 1.01,CHCl
3);
IR(neat):3471,1782cm
−1;
1H NMR(CDCl
3):δ
7.40−7.10(m,5H,Ph),
6.10−5.90(m,2H,7’−H,8’−H),
5.60(qd,J=7.0,13.0Hz,1H,9’−H),
5.51(td,J=7.0,14.5Hz,1H,6’−H),
4.73−4.60(m,1H,4’−H),
4.21(dd,J=8.5,12.5Hz,1H,Bn),
4.19(dd,J=2.5,12.5Hz,1H,Bn),
3.99(dq,J=3.5,6.0Hz,1H,2’−H),
3.71(ddd,J=3.5,4.0,7.5Hz,1H,3’−H),
3.25(dd,J=2.5,13.5Hz,1H,5−H),
2.78(dd,J=8.5,13.5Hz,1H,5−H),
2.59(d,J=3.5Hz,1H,OH),
2.20(ddd,J=6.0,7.0,13.0Hz,1H,5’−H),
1.94(ddd,J=7.5,8.5,13.0Hz,1H,5’−H),
1.80−1.63(m,1H,4’−H),
1.73(d,J=7.0Hz,3H,10’−H),
1.28(d,J=6.0Hz,3H,2’−Me),
0.98(d,J=7.5Hz,3H,4’−Me);
13C NMR(CDCl
3):δ177.3(1’),152.8(2),135.0(Ph),132.2(7’),131.5(8’),129.4(Ph),129.0(6’),128.9(Ph),127.4(Ph),127.3(9’),74.7(3’),66.1(Bn),55.1(4’),39.9(2’),37.7(5),36.5(5’),35.9(4’),17.9(10’),15.0(4’−Me),11.5(2’−Me);
HR MS:calcd for C
22H
29O
4NNa(M+Na
+)394.1989,found 3394.1981.
【0113】
【化45】
【0114】
<ワインレブアミドへの変換>
N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.63g,16.7mmol)のテトラヒドロフラン溶液(45.7mL)に対し、0℃でトリメチルアルミニウムのn−ヘキサン溶液(1.0M,16.7mL,16.7mmol)を加え反応混合液を0℃で15分間撹拌した後、室温まで昇温して15分間撹拌した。反応混合液に0℃で(4S)−3−((2R,3S,4R,6E,8E)−3−ヒドロキシ−2,4−ジメチルデカー6,8−ジエノイル)−4−ベンジルオキサゾリジノン−2−オン(p1)(2.68g,7.21mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10.0mL)を加えて15分間撹拌した。反応系に1M塩酸を加え反応を停止し、塩化メチレンを加え有機層を分取後、水層を塩化メチレンで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過、減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィで精製し、(2R,3S,4R,6E,8E)−3−ヒドロキシ−N−メトキシ−2,4−ジメチルデカ−6,8−ジエナミド(q1)(1.75g,95%)を得た。物性値は以下の通りである。
【0115】
[α]
D27 +1.9(c 1.28,CHCl
3);
IR(neat):3433,1643cm
−1;
1H NMR(CDCl
3):δ
6.10−5.93(m,2H,7−H,8−H),
5.65−5.45(m,2H,6−H,9−H),
3.70(d,J=5.0Hz,3H,OMe),
3.64−3.56(m,1H,3−H),
3.52−3.44(m,1H,OH),
3.20(d,J=4.0Hz,3H,NMe),
3.20−3.08(m,1H,2−H),
2.25−2.10(m,1H,5−H),
2.00−1.90(m,1H,5−H),
1.80−1.63(m,1H,4−H),
1.72(d,J=6.0Hz,3H,10−H),
1.17(d,J=7.0Hz,3H,2−Me),
1.00(d,J=6.5Hz,3H,4−Me);
13C NMR(CDCl
3):δ178.0(1),132.1(8),131.4(7),129.1(9),127.2(6),75.0(3),61.5(OMe),36.6(4),36.2(2),35.4(5),31.9(NMe),17.9(10),15.2(2−Me),11.1(4−Me);
HR MS:calcd for C
14H
25O
3NNa(M+Na
+)278.1727,found 278.1735.
【0116】
【化46】
【0117】
<ヒドロキシ基保護>
(2R,3S,4R,6E,8E)−3−ヒドロキシ−N−メトキシ−2,4−ジメチルデカ−6,8−ジエナミド(q1)(1.75g,6.86mmol)を含む塩化メチレン溶液(68.6mL)に対し、0℃で2,6−ルチジン(3.16mL,27.4mmol)とt−ブチルジメチルシリルトリフラート(2.77mL,10.3mmol)を加え、反応混合液を0℃で30分間撹拌した。反応系に飽和塩化アンモニウム水溶液を0℃で加え反応を停止し、塩化メチレンを加え有機層を分取後、水層を塩化メチレンで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過、減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィで精製し、(2R,3S,4R,6E,8E)−3−tert−ブチルジメチルシロキシ−N−メトキシ−2,4−ジメチルデカ−6,8−ジエナミド(r1)(2.53g,99%)を得た。物性値は以下の通りである。
【0118】
[α]
D25 +5.6(c 0.720,CHCl
3);
IR(neat):1666cm
−1;
1H NMR(CDCl
3):δ
6.08−5.90(m,2H,7−H,8−H),
5.56(qd,J=7.0,21.0Hz,1H,9−H),
5.48(td,J=7.5,14.5Hz,1H,6−H),
3.89(d,J=7.5,8.5Hz,1H,3−H),
3.69(s,3H,OMe),
3.16(s,3H,NMe),
3.30−2.95(m,1H,3−H),
2.33−2.15(m,1H,5−H),
2.00−1.80(m,1H,5−H),
1.72(d,J=7.5Hz,3H,10−H),
1.63−1.44(m,1H,4−H,),
1.14(d,J=7.0Hz,3H,2−Me),
0.92(s,9H,TBS),
0.81(d,J=6.0Hz,3H,4−Me),
0.10(s,3H,TBS),
0.08(s,3H,TBS);
13C NMR(CDCl
3):δ177.0(1),131.7(8),131.5(7),130.8(9),126.7(6),77.0(3),61.4(OMe),38.9(2),38.6(4),37.2(5),32.2(NMe),26.2(TBS),18.4(TBS),18.0(10),15.8(2−Me),13.5(4−Me),−3.69(TBS),−3.72(TBS);
HR MS:calcd for C
20H
39O
3NNa(M+Na
+)392.2591,found 392.2607.
【0119】
【化47】
【0120】
<還元>
(2R,3S,4R,6E,8E)−3−tert−ブチルジメチルシロキシ−N−メトキシ−2,4−ジメチルデカ−6,8−ジエナミド(r1)(1.23g,3.33mmol)を含むテトラヒドロフラン溶液(33.3mL)に対し、−78℃で水素化ジイソブチルアルミニウムのn−ヘキサン溶液(1.0M,8.32mL,8.32mmol)を加え、2.5時間撹拌した。反応系にメタノールと飽和ロッシェル塩水溶液を−78℃で加え反応を停止し、酢酸エチルを加え有機層を分取後、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過、減圧濃縮して粗生成物を得、精製すること無く、そのまま次の反応に用いた。
【0121】
<ウィティッヒ反応>
上記の粗生成物を含むトルエン溶液(33.3mL)に対し、室温で(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸エチル(h1)(3.48g,9.99mmol)を加え、110℃まで昇温し1.5時間撹拌した。反応混合液を減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィで精製し、(2E,4S,5S,6R,8E,10E)−エチル 5−tert−ブチルジメチルシロキシ−4,6−ジメチルドデカ−2,8,10−トリエノアート(i1)(1.22g,96%)を得た。
【0122】
【化48】
【0123】
<環化>
(2E,4S,5S,6R,8E,10E)−エチル 5−tert−ブチルジメチルシロキシ−4,6−ジメチルドデカ−2,8,10−トリエノアート(i1)(71.5mg,0.188mmol)を含むトルエン溶液(9.4mL)を140℃まで昇温し3日間撹拌した。反応混合液を減圧濃縮して粗生成物を得、精製すること無く、そのまま次の反応に用いた。
【0124】
<還元>
上記の粗生成物を含む塩化メチレン溶液(9.4mL)に対し、0℃で水素化ジイソブチルアルミニウムのn−ヘキサン溶液(1.0M,0.560mL,0.560mmol)を加え、30分間撹拌した。反応系にメタノールと飽和ロッシェル塩水溶液を0℃で加え反応を停止し、塩化メチルを加え有機層を分取後、水層を塩化メチルで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過、減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィで精製し、(1S,2S,3R,4aR,7S,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−8−(ヒドロキシメチル)−1,3,7−トリメチルナフタレン−2−tert−ブチルジメチルシロキシオール(j1)(24.4mg,38%)と(1S,2S,3R,4aS,7R,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−8−(ヒドロキシメチル)−1,3,7−トリメチルナフタレン−2−tert−ブチルジメチルシロキシオール(j2)(30.3mg,48%)とを得た。物性値は以下の通りである。
【0125】
1S,2S,3R,4aR,7S,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−8−(ヒドロキシメチル)−1,3,7−トリメチルナフタレン−2−tert−ブチルジメチルシロキシオール(j1)
IR(neat):3348cm
−1;
1H NMR(CDCl
3):δ
5.72(ddd,J=3.0,3.5,9.0Hz,1H,5−H),
5.60(ddd,J=2.5,2.5,9.0Hz,1H,4−H),
3.78(ddd,J=4.0,7.5,11.0Hz,1H,1−H),
3.52(ddd,J=5.0,5.5,11.0Hz,1H,1−H),
2.88(dd,J=9.0,9.5Hz,1H,9−H),
1.88−1.74(m,3H,2−H,6−H,7−H),
1.59−1.49(m,1H,8−H),
1.49−1.38(m,1H,10−H),
1.19(d,J=5.7Hz,3H,3−Me),
1.09−1.00(m,2H,7−H,11−H),
1.02(d,J=6.0Hz,3H,8−Me),
0.98(d,J=6.0Hz,3H,10−Me),
0.92(s,9H,TBS),
0.06(s,3H,TBS),
0.05(s,3H,TBS);
HR MS:calcd for C
20H
38O
2SiNa(M+Na
+)361.2533,found 361.2520.
【0126】
1S,2S,3R,4aS,7R,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−8−(ヒドロキシメチル)−1,3,7−トリメチルナフタレン−2−tert−ブチルジメチルシロキシオール(j2)
IR(neat):3309cm
−1;
1H NMR(CDCl
3):δ
5.54(ddd,J=2.5,3.0,10.0Hz,1H,5−H),
5.38(dd,J=1.0,10.0Hz,1H,4−H),
3.56(dd,J=7.5,10.5Hz,1H,1−H),
3.52(dd,J=7.0,10.5Hz,1H,1−H),
2.83(dd,J=8.5,9.5Hz,1H,9−H),
2.20−2.28(m,1H,6−H),
2.03−1.93(m,2H,2−H,3−H),
1.75−1.60(m,2H,7−H,8−H),
1.58−1.45(m,2H,10−H,11−H),
1.36(s,1H,1−OH),
1.28(dddd,J=2.0,5.0,12.5,13.5Hz,1H,7−H),
1.11(d,J=7.0Hz,3H,3−Me),
1.00(d,J=6.5Hz,3H,8−Me),
0.92(d,J=7.0Hz,3H,10−Me),
0.9(s,9H,TBS),
0.078(s,6H,TBS);
HR MS:calcd for C
20H
38O
2SiNa(M+Na
+)361.2533,found 361.2529.
【0127】
【化49】
【0128】
<酸化>
1S,2S,3R,4aR,7S,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−8−(ヒドロキシメチル)−1,3,7−トリメチルナフタレン−2−tert−ブチルジメチルシロキシオール(j1)(20.3mg,0.0601mmol)の塩化メチレン溶液(0.60mL)に0℃でN−メチルモルホリン−N−オキシド(21.1mg,0.180mmol)と過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(2.1mg,0.000601mmol)を加え、反応混合物を30分間撹拌した。ゲル濾過後、減圧濃縮して粗生成物を得、精製すること無く、そのまま次の反応に用いた。
【0129】
<ホーナー・ワズワース・エモンス反応>
(E)−エチル ジエチルホスホノ−3−メチルブタ−3−エノアート(31.7mg,0.120mmol)を含むテトラヒドロフラン溶液(1.0mL)に対し、−78℃でリチウムビス(トリメチルシリル)アミドのテトラヒドロフラン溶液(1.0M,0.110mL,0.110mmol)を滴下した。反応混合液を−78℃で10分間撹拌した後、上記の粗生成物のテトラヒドロフラン溶液(0.50mL)を加え、室温まで昇温し14時間撹拌した。反応系に飽和塩化アンモニウム水溶液を0℃で加え反応を停止し、酢酸エチルを加え有機層を分取後、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィで精製し、(2E,4E)−エチル 5−((1S,2S,3R,4aR,7S,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−2−tert−ブチルジメチルシロキシ−1,3,7−トリメチルナフタレン−8−イル)−2−メチルペンタ−2,4−ジエノアート(k1)(18.9mg,71%)を得た。物性値は以下の通りである。
【0130】
IR(neat):1705,1635cm
−1;
1H NMR(CDCl
3):δ
7.18(ddd,J=0.5,1.0,10.0Hz,1H,3−H),
6.24(dd,J=11.5,15.0Hz,1H,4−H),
6.09(dd,J=10.5,15.0Hz,1H,5−H),
5.58(ddd,J=3.0,4.5,9.5Hz,1H,8−H),
5.47(ddd,J=2.0,2.5,9.5Hz,1H,9−H),
4.21(dq,J=1.0,7.5Hz,2H,OEt),
2.85(dd,J=9.5,9.5Hz,1H,13−H),
2.46(ddd,J=5.5,9.0,10.5Hz,1H,6−H),
2.25−2.14(m,1H,7−H),
1.93(s,3H,2−Me),
1.91−1.82(m,1H,10−H),
1.74(ddd,J=3.0,3.5,13.0Hz,1H,11−H),
1.59−1.48(m,1H,12−H),
1.44−1.32(m,1H,14−H),
1.31(t,J=7.0Hz,3H,OEt),
1.10−0.80(m,2H,11−H,15−H)
1.00(d,J=6.5Hz,3H,7−Me),
0.98(d,J=6.5Hz,3H,14−Me),
0.95(d,J=7.0Hz,3H,12−Me),
0.90(s,9H,TBS),
0.06(s,6H,TBS);
HR MS:calcd for C
27H
46O
3SiNa(M+Na
+)469.3108,found 469.3102.
【0131】
【化50】
【0132】
<加水分解>
(2E,4E)−エチル 5−((1S,2S,3R,4aR,7S,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−2−tert−ブチルジメチルシロキシ−1,3,7−トリメチルナフタレン−8−イル)−2−メチルペンタ−2,4−ジエノアート(k1)(17.1mg,0.0383mmol)のテトラヒドロフラン(0.50mL)とメタノール(0.25mL)の混合溶液に0℃で4N水酸化リチウム水溶液(0.30mL)を加え、室温まで昇温し1日間撹拌した。反応系に1N塩酸水溶液を0℃で加え反応を停止し、酢酸エチルを加え有機層を分取後、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物は精製すること無く、そのまま次の反応に用いた。
【0133】
<アミド化>
上記の粗生成物を含む塩化メチレン溶液(1.3mL)に対し、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物(18.4mg,0.0536mmol)と4−ジメチルアミノピリジン(14.0mg,0.115mmol)を加えた。反応混合液を10分間撹拌した後、3−アミノメチルピリジン(0.0400mL,0.383mmol)を加え室温で14時間撹拌した。そのまま反応混合液をカラムクロマトグラフィで精製し、(2E,4E)−5−((1S,2S,3R,4aR,7S,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−2−tert−ブチルジメチルシロキシ−1,3,7−トリメチルナフタレン−8−イル)−2−メチル−N−((ピリジン−3−イル)ペンタ−2,4−ジエンアミド(m1)(19.2mg,99%)を得た。物性値は以下の通りである。
【0134】
IR(neat):1643,1520cm
−1;
1H NMR(CDCl
3):δ
8.63−8.45(m,2H,Py),
7.72−7.60(m,1H,Py),
6.95(d,J=10.0Hz,1H,3−H),
6.20(dd,J=11.0,14.5Hz,1H,4−H),
6.14−6.02(m,1H,Py),
6.05(dd,J=10.5,14.5Hz,1H,5−H),
5.56(ddd,J=2.5,4.0,9.5Hz,1H,8−H),
5.46(ddd,J=2.0,2.5,9.5Hz,1H,9−H),
4.56(d,J=6.5Hz,1H,Bn),
4.54(d,J=6.5Hz,1H,Bn),
2.85(dd,J=9.0,9.5Hz,1H,13−H),
2.45(ddd,J=6.0,8.5,10.0Hz,1H,6−H),
2.25−2.10(m,1H,7−H),
1.96(s,3H,2−Me),
1.90−1.80(m,1H,10−H),
1.73(ddd,J=3.5,4.0,13.0Hz,1H,11−H),
1.68−1.55(m,1H,NH),
1.60−1.45(m,1H,12−H,),
1.42−1.30(m,1H,14−H),
1.05−0.80(m,2H,11−H,15−H),
0.99(d,J=6.5Hz,3H,7−Me),
0.96(d,J=6.5Hz,3H,14−Me),
0.93(d,J=7.0Hz,3H,12−Me),
0.90(s,9H,TBS),
0.06(s,6H,TBS);
HR MS:calcd for C
31H
48O
2N
2SiNa(M+Na
+)531.3377,found 531.3352.
【0135】
【化51】
【0136】
<脱保護>
(2E,4E)−5−((1S,2S,3R,4aR,7S,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−2−tert−ブチルジメチルシロキシ−1,3,7−トリメチルナフタレン−8−イル)−2−メチル−N−((ピリジン−3−イル)ペンタ−2,4−ジエンアミド(m1)(17.7mg,0.0348mmol)のテトラヒドロフラン(0.80mL)とメタノール(0.80mL)の混合溶液に0℃で12N塩酸(0.16mL)を加え、室温まで昇温し14時間撹拌した。反応系に4N水酸化リチウム水溶液を0℃で加え反応を停止し、ジエチルエーテルを加え有機層を分取後、水層をジエチルエーテルで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過、減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィで精製し、(2E,4E)−5−((1S,2S,3R,4aR,7S,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ヒドロキシ−1,3,7−トリメチルナフタレン−8−イル)−2−メチル−N−((ピリジン−3−イル)ペンタ−2,4−ジエンアミド(13.0mg,95%)(U1)を得た。物性値は以下の通りである。
この化合物は、国際特許第2005/070856の実施例5の化合物と同じ化合物であり、物性値は一致していた。
【0137】
IR(neat):3317,1643cm
−1;
1H NMR(CDCl
3):δ
8.63−8.45(m,2H,Py),
7.67(d,J=8.0Hz,1H,Py),
6.97(d,J=10.0Hz,1H,3−H),
6.23(dd,J=11.0,15.0Hz,1H,4−H),
6.15−6.03(m,1H,Py),
6.10(dd,J=5.5,15.0Hz,1H,5−H),
5.58(ddd,J=3.0,4.0,9.5Hz,1H,8−H),
5.47−5.40(m,1H,9−H),
4.45(d,J=6.5Hz,2H,Bn),
2.73(dd,J=9.5,9.5Hz,1H,13−H),
2.47(ddd,J=5.0,9.5,10.5Hz,1H,6−H),
2.25−2.12(m,1H,7−H),
1.96(s,3H,2−Me),
1.92−1.81(m,1H,10−H),
1.75(ddd,J=3.5,3.5,14.0Hz,1H,11−H),
1.58−1.40(m,2H,12−H,NH),
1.35−1.20(m,2H,11−H,14−H),
1.13−0.97(m,1H,15−H),
1.07(d,J=6.5Hz,3H,7−Me),
1.04(d,J=6.5Hz,3H,14−Me),
0.94(d,J=6.5Hz,3H,12−Me);
HR MS:calcd for C
25H
34O
2N
2Na(M+Na
+)417.2512,found 417.2507.
【0138】
[合成例2]
<(2E,4E)−5−((1S,2S,3R,4aS,7R,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ヒドロキシ−1,3,7−トリメチルナフタレン−8−イル)−2−メチル−N−((ピリジン−3−イル)ペンタ−2,4−ジエンアミド(U2)の製造>
合成例1において、中間体として得られた、1S,2S,3R,4aR,7S,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−8−(ヒドロキシメチル)−1,3,7−トリメチルナフタレン−2−tert−ブチルジメチルシロキシオール(j1)の代わりに、1S,2S,3R,4aS,7R,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−8−(ヒドロキシメチル)−1,3,7−トリメチルナフタレン−2−tert−ブチルジメチルシロキシオール(j2)を用いる他は、合成例1と同様に反応を行った。
【0139】
【化52】
【0140】
<酸化>
1S,2S,3R,4aS,7R,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−8−(ヒドロキシメチル)−1,3,7−トリメチルナフタレン−2−tert−ブチルジメチルシロキシオール(j2)(16.0mg,0.0473mmol)の塩化メチレン溶液(0.47mL)に0℃でN−メチルモルホリン−N−オキシド(16.6mg,0.142mmol)と過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(1.7mg,0.000473mmol)を加え、反応混合物を30分間撹拌した。ゲル濾過後、減圧濃縮して粗生成物を得、精製すること無く、そのまま次の反応に用いた。
【0141】
<ホーナー・ワズワース・エモンス反応>
(E)−エチル ジエチルホスホノ−3−メチルブタ−3−エノアート(40.0mg,0.151mmol)を含むテトラヒドロフラン溶液(0.50mL)に対し、−78℃でリチウムビス(トリメチルシリル)アミドのテトラヒドロフラン溶液(1.0M,0.140mL,0.140mmol)を滴下した。反応混合液を−78℃で10分間撹拌した後、上記の粗生成物のテトラヒドロフラン溶液(0.50mL)を加え、室温まで昇温し14時間撹拌した。反応系に飽和塩化アンモニウム水溶液を0℃で加え反応を停止し、酢酸エチルを加え有機層を分取後、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィで精製し、(2E,4E)−エチル−5−((1S,2S,3R,4aS,7R,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−2−tert−ブチルジメチルシロキシ−1,3,7−トリメチルナフタレン−8−イル)−2−メチルペンタ−2,4−ジエノアート(k2)(13.7mg,65%)を得た。物性値は以下の通りである。
【0142】
IR (neat):1705,1635cm
−1;
1H NMR(CDCl
3):δ
7.16(d,J=12.0Hz,1H,3−H),
6.30(dd,J=12.0,15.0Hz,1H,4−H),
6.04(dd,J=8.5,15.0Hz,1H,5−H),
5.57(ddd,J=2.5,3.0,10.0Hz,1H,8−H),
5.50(ddd,J=2.0,2.5,10.0Hz,1H,9−H),
4.20(q,J=7.0Hz,3H,OEt),
2.94(dd,J=7.5,8.0Hz,1H,9−H),
2.53(ddd,J=4.0,4.5,8.5Hz,1H,6−H),
2.37−2.28(m,1H,10−H),
2.11−2.00(m,1H,7−H),
1.93(s,3H,2−Me),
1.79−1.63(m,2H,11−H,14−H),
1.63−1.53(m,1H,12−H),
1.39(ddd,J=4.5,5.0,9.5Hz,1H,15−H),
1.30(t,J=7.0Hz,2H,OEt),
1.24(ddd,J=5.0,10.0,14.0Hz,1H,11−H),
1.07(d,J=7.0Hz,3H,7−Me),
1.02(d,J=6.5Hz,3H,14−Me),
0.94(d,J=6.5Hz,3H,12−Me),
0.90(s,9H,TBS),
0.04(s,6H,TBS);
HR MS:calcd for C
27H
46O
3SiNa(M+Na
+)469.3108,found 469.3104.
【0143】
【化53】
【0144】
<加水分解>
(2E,4E)−エチル−5−((1S,2S,3R,4aS,7R,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−2−tert−ブチルジメチルシロキシ−1,3,7−トリメチルナフタレン−8−イル)−2−メチルペンタ−2,4−ジエノアート(k2)(10.9mg,0.0244mmol)のテトラヒドロフラン(0.60mL)とメタノール(0.30mL)の混合溶液に0℃で4N水酸化リチウム水溶液(0.30mL)を加え、室温まで昇温し16時間撹拌した。反応系に1N塩酸水溶液を0℃で加え反応を停止し、酢酸エチルを加え有機層を分取後、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物は精製すること無く、そのまま次の反応に用いた。
【0145】
<アミド化>
上記の粗生成物を含む塩化メチレン溶液(1.3mL)に対し、2−メチル−6−ニトロ安息香酸無水物(10.1mg,0.0293mmol)と4−ジメチルアミノピリジン(8.9mg,0.0732mmol)を加えた。反応混合液を10分間撹拌した後、3−アミノメチルピリジン(0.0240mL,0.244mmol)を加え室温で12時間撹拌した。そのまま反応混合液をカラムクロマトグラフィで精製し、(2E,4E)−5−((1S,2S,3R,4aS,7R,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−2−tert−ブチルジメチルシロキシ−1,3,7−トリメチルナフタレン−8−イル)−2−メチル−N−((ピリジン−3−イル)ペンタ−2,4−ジエンアミド(m2)(12.4mg,100%)を得た。物性値は以下の通りである。
【0146】
IR(neat):1643,1527cm
−1;
1H NMR(CDCl
3):δ
8.63−8.43(m,2H,Py),
7.72−7.58(m,1H,Py),
6.91(d,J=11.0Hz,1H,3−H),
6.27(dd,J=11.0,15.0Hz,1H,4−H),
6.18−6.06(m,1H,Py),
5.98(dd,J=8.0,15.5Hz,1H,5−H),
5.56(ddd,J=2.5,3.0,10.0Hz,1H,8−H),
5.49(ddd,J=2.0,2.5,10.0Hz,1H,9−H),
4.54(d,J=5.5Hz,2H,Bn),
2.94(dd,J=7.5,8.0Hz,1H,13−H),
2.50(ddd,J=4.0,4.5,9.0Hz,1H,6−H),
2.34−2.25(m,1H,10−H),
2.10−1.98(m,1H,7−H),
1.96(d,J=1.0Hz,3H,2−Me),
1.80−1.60(m,2H,11−H,14−H),
1.37(ddd,J=4.0,5.0,9.5Hz,1H,15−H),
1.30−1.17(m,2H,11−H,NH),
1.05(d,J=7.0Hz,3H,7−Me),
1.01(d,J=7.0Hz,3H,14−Me),
0.94(d,J=7.0Hz,3H,12−Me),
0.90(s,9H,TBS),
0.03(s,6H,TBS);
HR MS:calcd for C
31H
48O
2N
2SiNa(M+Na
+)531.3377,found 531.3370.
【0147】
【化54】
【0148】
<脱保護>
(2E,4E)−5−((1S,2S,3R,4aS,7R,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−2−tert−ブチルジメチルシロキシ−1,3,7−トリメチルナフタレン−8−イル)−2−メチル−N−((ピリジン−3−イル)ペンタ−2,4−ジエンアミド(20.1mg,0.0396mmol)のテトラヒドロフラン(0.35mL)とメタノール(0.35mL)の混合溶液に0℃で12N塩酸(0.07mL)を加え、室温まで昇温し10時間撹拌した。反応系に4N水酸化リチウム水溶液を0℃で加え反応を停止し、ジエチルエーテルを加え有機層を分取後、水層をジエチルエーテルで抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過、減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィで精製し、(2E,4E)−5−((1S,2S,3R,4aS,7R,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ヒドロキシ−1,3,7−トリメチルナフタレン−8−イル)−2−メチル−N−((ピリジン−3−イル)ペンタ−2,4−ジエンアミド(15.0mg,96%)(U2)を得た。物性値は以下の通りである。
【0149】
IR(neat):3317,1644cm
−1;
1H NMR(CDCl
3):δ
8.60−8.45(m,2H,Py),
7.70−7.60(m,1H,Py),
6.90(d,J=11.5Hz,1H,3−H),
6.26(ddd,J=1.0,11.0,15.0Hz,1H,4−H),
6.12−6.00(m,1H,Py),
6.04(dd,J=8.0,15.0Hz,1H,5−H),
5.60(ddd,J=3.0,3.0,10.0Hz,1H,8−H),
5.46(dd,J=1.0,10.0Hz,1H,9−H),
4.54(d,J=6.0Hz,2H,Bn),
2.70(dd,J=9.0,9.5Hz,1H,13−H),
2.58−2.50(m,1H,6−H),
2.34−2.25(m,1H,10−H),
2.18−12.08(m,1H,7−H),
1.96(d,J=1.0Hz,3H,2−Me),
1.71(ddd,J=3.5,4.0,14.0Hz,1H,11−H),
1.68−1.54(m,1H,14−H),
1.54−1.38(m,2H,12−H,NH),
1.36(ddd,J=3.5,4.0,10.5Hz,1H,15−H),
1.25(ddd,J=5.0,12.5,14.0Hz,1H,11−H),
1.11(d,J=7.5Hz,3H,7−Me),
1.10(d,J=6.5Hz,3H,14−Me),
0.99(d,J=6.5Hz,3H,12−Me);
HR MS:calcd for C
25H
34O
2N
2Na(M+Na
+)417.2512,found 417.2508.
【0150】
[合成例3]
<(2E,4E)−5−((1S,2S,3R,4aS,7S,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,5,6,7,8,8a−デカヒドロ−2−ヒドロキシ−1,3,7−トリメチルナフタレン−8−イル)−2−メチル−N−((ピリジン−3−イル)ペンタ−2,4−ジエンアミド(U3)の合成>
合成例1において、中間体として得られた、1S,2S,3R,4aR,7S,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−8−(ヒドロキシメチル)−1,3,7−トリメチルナフタレン−2−tert−ブチルジメチルシロキシオール(j1)を水素化する工程を更に含む他は、合成例1と同様に反応を行った。得られた化合物U3の物性値は以下の通りである。
【0151】
【化55】
【0152】
1H NMR(CDCl
3):δ
8.56−8.52(m,2H,Py),
7.67(d,J=7.0Hz,1H,Py),
7.28−7.26(m,1H,NH),
6.96(d,J=10.0Hz,1H,3−H),
6.19−6.16(dd,J=11.0,15.0Hz,2H,4−H,Py),
6.09(dd,J=10.5,15.0Hz,1H,5−H),
4.55(d,J=6.0Hz,2H,NCH
2),
2.69(dd,J=9.5,9.5Hz,1H,6’−H),
2.25−2.15m,1H,4’−H),
1.95(s,3H,2−Me),
1.85−0.86(m,20H,1’−H,2’−H,3’−H,4’a−H,5’−H,7’−H,8’−H,8’a−H,3’−Me,5’−Me,7’−Me),
HR MS:calcd for C
25H
37O
2N
2(M+H
+)397.2850,
found 397.2834.
【0153】
[合成例4]
<(2E,4E)−5−((1S,2S,3R,4aR,7S,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ヒドロキシ−1,3,7−トリメチルナフタレン−8−イル)−2−エチル−N−((ピリジン−3−イル)ペンタ−2,4−ジエンアミド(U4)の製造>
合成例1において、上記式(11)に該当する化合物として、(E)−エチル ジエチルホスホノ−3−メチルブタ−3−エノアートの代わりに(E)−エチル ジエチルホスホノ−3−エチルブタ−3−エノアートを用いる他は、合成例1と同様に反応を行った。得られた化合物U4の物性値は以下の通りである。
【0154】
【化56】
【0155】
IR(neat):3317,1643,1597cm
−1;
1H NMR(CDCl
3):δ
8.60−8.45(m,2H,Py),
7.72−7.58(m,1H,Py),
7.30−7.21(m,1H,Py),
6.77(d,J=10.8Hz,1H,3−H),
6.30−6.12(m,1H,NH),
6.22(dd,J=10.8,14.8Hz,1H,4−H),
6.04(dd,J=10.4,14.8Hz,1H,5−H),
5.57(ddd,J=2.8,4.4,9.6Hz,1H,2’−H),
5.44(ddd,J=1.6,2.0,9.6Hz,1H,1’−H),
4.54(d,J=5.6Hz,2H,NCH
2),
2.72(dd,J=9.6,9.6Hz,1H,6’−H),
2.53−2.33(m,1H,4’−H),
2.42(q,J=7.6Hz,2H,2−Et),
2.25−2.06(m,1H,3’−H),
1.90−1.80(m,1H,8’a−H),
1.74(ddd,J=3.2,3.8,13.2Hz,1H,8’−H),
1.55−1.36(m,1H,7’−H),
1.36−1.30(m,1H,5’−H),
1.13−0.84(m,2H,4’a−H,8’−H),
1.05(t,J=7.6Hz,3H,2−Et),
1.05(d,J=6.4Hz,3H,5’−Me),
1.03(d,J=6.8Hz,3H,7’−Me),
0.94(d,J=7.2Hz,3H,3’−Me);
13C NMR(CDCl
3):δ169.2(1),149.1(Py),148.8(Py),146.7(5),135.7(Py),134.7(3),134.3(Py),133.2(2’),132.7(1’),131.5(2),123.7(4 or Py),123.6(Py or 4),82.1(6’),49.7(4’),45.9(4’a),43.8(5’),41.8(8’a),41.3(NCH
2),39.5(7’),39.2(8’),36.5(3’),20.6(2−Et),19.1(7’−Me),18.0(5’−Me),16.5(3’−Me),14.2(2−Et);
HR MS:calcd for C
26H
37O
2N
2(M+H
+)409.2850,found 409.2844.
【0156】
[合成例5]
<(2E,4E)−5−((1S,2S,3R,4aR,7S,8S,8aS)−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタヒドロ−2−ヒドロキシ−1,3,7−トリメチルナフタレン−8−イル)−N−((ピリジン−3−イル)ペンタ−2,4−ジエンアミド(U5)の製造>
合成例1において、上記式(11)に該当する化合物として、(E)−エチル ジエチルホスホノ−3−メチルブタ−3−エノアートの代わりに(E)−メチル ジエチルホスホノブタ−3−エノアートを用いる他は、合成例1と同様に反応を行った。得られた化合物U5の物性値は以下の通りである。
【0157】
【化57】
【0158】
1H NMR(CDCl
3):δ
8.54−8.51(m,2H,Py),
7.66(d,J=7.5Hz,1H,Py),
7.31−7.24(m,2H,3−H,NH),
6.17−6.14(m,1H,4−H),
6.09−6.06(m,1H,2−H),
5.87(br s,1H,Py),
5.80−5.76(m,1H,5−H),
5.57−5.56(m,1H,2’−H),
5.46−5.44(m,1H,1’−H),
4.54(d,J=6.5Hz,2H,NCH
2),
2.73(dd,J=9.5,10.0Hz,1H,6’−H),
2.43−2.42(m,1H,4’−H),
2.25−2.12(m,1H,3’−H),
1.90−0.86(m,15H,4’a−H,5’−H,7’−H,8’−H,8’a−H,3’−Me,5’−Me,7’−Me),
HR MS:calcd for C
24H
33O
2N
2(M+H
+)381.2537,found 381.2531.
【0159】
<抗がん性試験>
[試験例1]
合成例1で得られた化合物U1及び天然物由来の日本新薬製AMF−26について、ヒト培養がん細胞に対する細胞増殖抑制活性を調べた。がん細胞として、ヒトがん細胞株39系(肺がん7系、胃がん6系、大腸がん5系、卵巣がん5系、脳腫瘍6系、乳がん5系、腎がん2系、前立腺がん2系及びメラノーマ1系)を使用した。各細胞を96ウェルプレートに播いて一晩培養し、翌日段階希釈した各化合物を添加し、2日間培養後、細胞増殖をスルホローダミンBによる比色定量で測定した。細胞増殖曲線から、50%細胞増殖抑制濃度(GI
50)を算出した。表1にLogGI
50を示す。また、各化合物ごとにLogGI
50の平均値を求め、平均値と個々の細胞でのLogGI
50との差を、平均値を中心とした棒グラフに表したフィンガープリントを作成した。平均値に比べてLogGI
50が小さい細胞株は薬剤感受性が高いことを示している。また、
図1には化合物のがん種の選択性を示唆するフィンガープリントを示す。
合成品の化合物U1は天然物由来のAMF−26と同様の細胞増殖抑制活性を示した。
【0160】
【表1】
【0161】
[試験例2]
合成例2で得られた化合物U2について、ヒト培養がん細胞に対する細胞増殖抑制活性を調べた。がん細胞として、乳がん細胞株HBC−5、MCF−7、大腸がん細胞株KM−12、HCT−15、HCT−116、肺がん細胞株NCI−H23、胃がん細胞株MKN45を使用した。各細胞を96ウェルプレートに播いて一晩培養し、翌日段階希釈した各化合物を添加し、2日間培養後、細胞増殖をスルホローダミンBによる比色定量で測定した。細胞増殖曲線から、50%細胞増殖抑制濃度(GI
50)を算出した。表2に、化合物U2のLogGI
50を、試験例1で得られた化合物U1及びAMF−26の結果と共に示す。化合物U1の立体異性体である化合物U2も、化合物U1、AMF−26と同様に細胞増殖抑制活性を示した。
【0162】
【表2】
【0163】
<ゴルジ体散在化能評価試験>
化合物U1及びAMF−26について、ヒト培養がん細胞に対するゴルジ体散在化活性を調べた。がん細胞としてヒト乳がん細胞株HBC−4及びBSY−1を用いた。
各細胞を24ウェルガラス底プレートに播いて二晩培養後、段階希釈した化合物を添加し、1時間培養した。次いで細胞を固定し、ゴルジ体マーカーである抗GBF1抗体を用いて免疫蛍光細胞染色を行い、視野中の全細胞におけるゴルジ体散在化細胞の割合を計測した。薬物濃度と正常なゴルジ体を有する細胞の割合との関係を示すゴルジ体散在化曲線を
図2に示す。
図2に示すように、薬剤濃度の増加につれてゴルジ体散在率が上昇し、添加薬剤がゴルジ体阻害を起こすことが示された。また、
図2より50%散在化濃度(EC
50)を算出した。表3にLogEC
50を示す。合成品の化合物U1は天然物由来のAMF−26と同様のゴルジ体散在化活性を示した。
【0164】
【表3】