(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。加工装置の一例として、半導体ウェーハのレーザー加工装置2の外観斜視図が
図1に示されている。なお、本発明は、このようなレーザー加工装置の他にも、切削装置、ウォータージェット加工装置、洗浄装置、測定機器等の各種装置について適用可能である。
【0026】
図1に示すレーザー加工装置2は、加工ヘッド11を有するレーザー照射ユニット10等の加工手段がハウジング8内に収容された加工装置本体4と、加工装置本体4のハウジング8に装着された表示モニタ6などを有して構成される。
【0027】
レーザー照射ユニット10の下方には、チャックテーブル12がX軸方向及びY軸方向に移動可能であって、さらに、回転可能に配設されている。チャックテーブル12の上面は、被加工物を保持するための保持面として構成される。なお、加工時にウェーハWを保持する保持手段としては、チャックテーブル12のようにテーブルで構成する他、エッジクランプ(端を挟持する形態)による保持手段が使用されることも考えられる。
【0028】
14はウェーハWを複数収容可能なカセット24を載置するカセット載置台(エレベータ)であり、上下方向に移動可能に構成され、カセット24に収容されたウェーハWが適宜搬出、搬入されるようになっている。
【0029】
図2(A)に示すように、被加工物となるウェーハWは、例えば裏面が研削された厚さが200μmのシリコンウェーハからなっており、表面Waに互いに交差する複数の第一,第二の分割予定ライン(ストリート)16が格子状に形成されているとともに、該複数の分割予定ライン16によって区画された複数の領域にそれぞれデバイス15が形成されている。各デバイス15には、共通のパターンが形成される。
【0030】
図1に示すように、レーザー照射ユニット10の加工ヘッド11には、チャックテーブル12に保持されることになる被加工物(ウェーハW)を上方から撮像するための撮像装置13が付設されている。
【0031】
そして、撮像装置13では、
図2(A)に示されるような撮像画像30Aが撮像される。撮像画像30Aには、デバイス15Aに存在する特定の領域で定義されるパターンPが含まれる。このパターンPが他のパターンに比べて特殊な形状(画像)である場合などにおいて、パターンPはデバイス15Aの位置を特定するためのキーパターンPkとして選定されることになる。なお、
図2(A)では、撮像画像30A(撮像領域)とキーパターンPkの領域が異なるが、同じであってもよい。
【0032】
このキーパターンPkは、例えば、第一の分割予定ライン16のX軸方向との平行出し(θ合わせ)、及びカット位置検出、を装置が自動で行うつまりは、オートアライメントを実施する際に利用される。
【0033】
ここで、平行出し(θ合わせ)とカット位置検出を順に行うアライメントの一例を説明する。まず、平行出しについては、例えば、X軸方向において互いに離れた位置にあるデバイス15A,15Bについて撮像画像30A,30Bを取得するとともに、各撮像画像30A,30BのキーパターンPkを検出する。そして、この撮像画像30A,30BにおけるキーパターンPkのY軸方向の座標が一致するように、チャックテーブル12を回転させることで、X軸方向に離れた位置にあるキーパターンPkを結ぶ直線がX軸方向と平行となる。このようにして、第一の分割予定ライン16をX軸と平行にすることができる。
【0034】
次に、カット位置検出については、予め装置に記憶されたキーパターンPkからカット位置までの距離を参照し、当該距離の分だけキーパターンPkから離れた位置をカット位置とするものである。
【0035】
なお、このアライメントは、X軸方向に対する平行出しとカット位置検出に加え、Y軸方向に対する平行出しとカット位置検出がなされることで、一連の操作が完了されることになる。
【0036】
そして、このキーパターンPkを用いることでオートアライメントを実施することが可能となる。具体的には、
図3に示すように、まず、事前作業として、オペレータの操作により、登録用ワークピースWtの或るデバイス15Cの撮像画像30Cが撮像され、撮像画像30Cに含まれる特定の領域で定義されるパターンPがキーパターンPkとして選定される。この選定の際、オペレータは、特徴的な形状を有するパターンPを選定することになる。選定されたキーパターンPkは、制御装置5のメモリ5mにテンプレート画像Tmとして登録される。
【0037】
そして、実際に加工が行われる多量の処理用ワークピースWsについてオートアライメントがなされる際には、制御装置5の処理プログラム5pは、処理用ワークピースWsのデバイス15Aの撮像を実行して撮像画像30Aを取得するとともに、撮像画像30Aの中に含まれることが予定されるキーパターンPkをパターンマッチングにより検出する。
【0038】
このパターンマッチングの際には、例えば、
図4(A)に示すように、撮像画像30A内において、テンプレート画像Tmと同一の縦横画素数を有するマッチング用枠MWを縦横方向に1ピクセル単位でずらした際に、その都度、マッチング用枠MW内に含まれる被マッチング領域Mgと、メモリ5mに登録されたテンプレート画像Tmを対比し、複数ある被マッチング領域Mgの中で、テンプレート画像Tmと最も相関性が高い被マッチング領域Mgが、キーパターンPkとして検出されることになる。
【0039】
以上のようにパターンマッチングによるキーパターンPkの検出処理がなされるが、被マッチング領域Mgとテンプレート画像Tmの相関性の数値が低い場合には、当該被マッチング領域Mgが本来はキーパターンPkであるにもかかわらず、検出されないことが生じ得る。つまり、キーパターンPkが検出できないといったエラーが生じることになってしまう。
【0040】
このようなエラーは、例えば、登録用ワークピースWtの表面が汚れており、この汚れがテンプレート画像Tmに映り込んでいる場合には、発生確率が高くなってしまうものと考えられる。
【0041】
さらに、
図2(B)、及び、
図4(B)に示すように、裏面研削されたウェーハWの裏面Wbから赤外線カメラ(IRカメラ)を利用して撮像した撮像画像30Dに含まれるウェーハWの表面側のパターンPをキーパターンPkとし、当該キーパターンPkをテンプレート画像Tmとして登録していた場合には、当該テンプレート画像Tmに研削による研削痕(ソーマーク)が映り込む。この場合、処理用ワークピースWsについては、同一のものが実質的に存在しない研削痕をも含めてパターンマッチングが実施されることになるため、キーパターンPkが検出されないエラーの発生確率が高いものとなってしまう。
【0042】
加えて、
図3に示す処理用ワークピースWsの表面が汚れており、この汚れが撮像画像30Aに映り込んでいることによって、相関性が低く算出され、キーパターンPkが検出されないエラーが発生するといったことも懸念される。
【0043】
そこで、このようなエラーの発生確率を低下させ、高精度なパターンマッチングを実現可能とするために、本発明では、以下に説明する特徴的な方法が実施される。
【0044】
以下では、
図5に示すように、ウェーハWの裏面Wbからウェーハの表面側のパターンを撮像する場合の例を用いて説明する。
【0045】
まず、
図5に示すように、登録用ワークピースWtの裏面側からウェーハ表面側のキーパターンPkを含む撮像画像30Cを取得する撮像画像形成ステップを実施する。
【0046】
撮像画像30Cの取得は、例えば、登録用ワークピースWtをチャックテーブル12(
図1)にセットするとともに、例えば赤外線カメラからなる撮像装置13によって登録用ワークピースWtのデバイス15Cの一部のエリアを撮像することで行われる。
【0047】
この撮像画像30Cの取得はオペレータのマニュアル操作によって行うほか、自動処理によって行ってもよい。なお、撮像画像30Cには、パターンマッチングにおいて高い相関性が得られるようにするために、特徴的な形状を有するパターンP(キーパターンPk)が含まれるものとする。
【0048】
次いで、
図6に示すように、撮像画像30Cをトレースしキーパターンの外周縁を描画してキーパターン
図Pzを形成する描画ステップを実施する。
【0049】
本実施形態では、表示モニタ6上に撮像画像30Cが表示されるとともに、当該撮像画像30Cに含まれるキーパターンPkの輪郭をオペレータが上からタッチッペン9でトレース(なぞる)ことによって、キーパターン
図Pzを描画できるようになっている。ここで描画されたキーパターン
図Pzには、仮に撮像画像30Cに傷や汚れ、研削痕等の異物(ノイズ要因)が写り込んだとしても、これらの異物が存在せず、キーパターンPkの輪郭のみが描画されたものとなる。
【0050】
尚、タッチペン9とするほか、マウスなど各種の入力装置、或いは、人指によって、キーパターン
図Pzを描画できる構成としてもよい。さらに、オペレータによるトレースのほか、プログラムによって、撮像画像30Cのエッジ(輪郭)を検出し、自動で描画を行うこととしてもよい。また、四角形、円、線、折れ線などの幾何学図の描画ができるツールにてトレースすることとしてもよい。
【0051】
次いで、描画ステップで形成したキーパターン
図PzをターゲットパターンTpとして設定するターゲットパターン設定ステップが実施される。
【0052】
具体的には、
図5に示すように、キーパターン
図Pzが制御装置5のメモリ5mに登録される。そして、このターゲットパターンTPは、他の撮像画像についてパターンマッチングを実施する際に参照されることで、高精度なパターンマッチングが実現できることになる。
【0053】
つまり、異物を含まないキーパターン
図PzがターゲットパターンTpとして設定されることで、パターンマッチングにおいて参照されるターゲットパターンTpには、キーパターン
図Pzの輪郭のみが含まれるものとなり、高精度なパターンマッチングが実現できることになる。
【0054】
ターゲットパターンTpを設定した後のパターンマッチングの一例として、
図5に示す処理用ワークピースWsについて、二箇所のキーパターンを検出し、平行だし(θ合わせ)を実施する場合について説明する。
【0055】
まず、登録用ワークピースWtの撮像画像30Cが取得されるとともに、撮像画像30Cに含まれるキーパターンPkがトレースされることによってキーパターン
図Pzが作成され、このキーパターン
図PzがターゲットパターンTpとして設定される。なお、キーパターン
図Pzの作成、及び、ターゲットパターンTpを設定する処理は、ティーチング処理(Teaching処理)とも称される。また、登録用ワークピースWtの撮像画像30Cをトレースしてキーパターン
図Pzを描画するほか、処理用ワークピースWsの撮像画像30Aをトレースしてキーパターン
図Pzを描画することとしてもよい。
【0056】
次いで、処理用ワークピースWsの一箇所目のデバイス15Aの撮像画像30Aに対し、ターゲットパターンTpとのパターンマッチングが行なわれる。
【0057】
ここで、撮像画像30Aが撮像される箇所は、例えば、登録用ワークピースWtの撮像画像30Cが撮像された位置と同一とすることができる。
【0058】
さらに、処理用ワークピースWsの二箇所目のデバイス15Bの撮像画像30Bに対し、ターゲットパターンTpとのパターンマッチングが行なわれる。
【0059】
ここで、二箇所目の撮像画像30Bが撮像される箇所は、一箇所目の撮像画像30Aの位置からX軸方向にずれた位置とされる。
【0060】
そして、以上の二箇所でのパターンマッチングにおいては、異物を含まないターゲットパターンTpが参照されるため、各撮像画像30A,30Bに含まれるであろうキーパターンPkに対して高い相関性が得られ、高精度なパターンマッチングが実施されることになる。
【0061】
なお、各箇所でのパターンマッチングは、
図7の例にも示されるように、例えば、撮像画像30Aにおいて、ターゲットパターンTp(キーパターン
図Pz)と同一の縦横画素数を有するマッチング用枠MWを縦横方向に1ピクセル単位でずらした際に、その都度、マッチング用枠MW内に含まれる被マッチング領域Mgと、ターゲットパターンTpを対比し、複数ある被マッチング領域Mgの中で、ターゲットパターンTpと最も相関性が高い被マッチング領域Mgが、キーパターンPkとして検出されることになる。
【0062】
そして、以上のように合計二箇所についてパターンマッチングを実施することで、上述したように、第一の分割予定ライン16(
図2)の平行だし(θ合わせ)を実施することができる。
【0063】
また、ターゲットパターンTp(キーパターン
図Pz)は、
図2のY軸方向の第二の分割予定ライン16について、処理用ワークピースWsを90度回転させた後に、アライメントを実施する場合にも参照される。
【0064】
そして、同様にして、二枚目、三枚目、それ以降の処理用ワークピースWsについても同様に、メモリ5mに登録されたターゲットパターンTpを用いることで、高精度なパターンマッチングを実施することができる。
【0065】
なお、従来は、登録用ワークピースWtを用いて登録されたテンプレート画像をそのまま用いて、後のパターンマッチングを行うものに過ぎなかったため、テンプレート画像に異物が含まれる場合には、キーパターンPkが検出されないエラーが生じる可能性が高かった。これに対し、上記の実施形態では、異物を含まないキーパターン
図Pzの描画を行ってターゲットパターンTpを設定することになるため、エラーが生じる確率を抑えることが可能となる。
【0066】
また、以上の例で説明した平行出し(θ合わせ)のほかにも、カット位置検出、加工位置を検出するためのアライメント、カーフチェック(ウェーハに加工された溝の位置、幅、チッピングの有無等の確認)、顕微鏡の高さ位置調整による照準合わせ(オートフォーカス)、といった各種動作においても、ターゲットパターンTpを参照することで、高精度な動作を実施することが可能となる。
【0067】
また、ターゲットパターンTpを用いたパターンマッチングがなされるワークピースとしては、上述した半導体ウェーハなどの被加工物のほか、測定対象となる被測定物や、洗浄対象となる被洗浄物も含まれる。
【0068】
以上のようにして、本発明を実施することができる。
即ち、ワークピース上のキーパターンを検出するためのターゲットパターン設定方法であって、登録用ワークピースWt上のキーパターンPkを含む撮像画像30Cを取得する撮像画像形成ステップと、撮像画像30CをトレースしキーパターンKpの外周縁を描画してキーパターン
図Pzを形成する描画ステップと、描画ステップで形成したキーパターン
図PzをターゲットパターンTpとして設定するターゲットパターン設定ステップと、を備えたことを特徴とするターゲットパターン設定方法とする。
【0069】
これにより、仮にターゲットパターンTpを取得するために撮像した撮像画像30Cに傷や汚れ、研削痕等の異物(ノイズ要因)が写り込んだとしても、キーパターン
図Pzを描画する際に除去できるため、従来よりも高精度なパターンマッチングが可能となる。
【0070】
さらに、上述のようにパターンマッチングにおいて参照されるターゲットパターンTpの異物を除去して高精度なパターンマッチングを実現することに加え、パターンマッチングがされる対象となる処理用ワークピースWsの撮像画像30Aに画像処理を施して、更に高精度なパターンマッチングを実施することとしてもよい。
【0071】
以下詳述すると、撮像画像30Aに複数の画像処理をそれぞれ施して複数のワークピース処理画像T1,T2を形成するワークピース処理画像形成ステップを実施する。
【0072】
本実施形態では、
図8に示すように、撮像画像30Aにフィルタ処理S1を施し、更に、2値化処理S2を施すことによって、複数のワークピース処理画像T1,T2が形成されるようになっている。
【0073】
ここで、フィルタ処理40は、周知の画像処理方法により実施することができ、例えば、パターンのエッジ(輪郭)を検出するためのエッジ検出フィルタが用いられる。例としては、以下の式で代表される各種エッジ検出フィルタを使用することができる。そして、複数のエッジ検出フィルタを用いることによって、各エッジ検出フィルタの特性に応じた画像が形成されることになる。
【0080】
また、2値化処理S2は、フィルタ処理40された画像について、例えば、白と黒の二色のみからなる画像に変換する処理である。この場合の閾値は、例えば、230、235、240、245、250といったように複数設定することができる。そして、複数の閾値を用いることによって、各閾値に応じた画像が形成されることになる。
【0081】
本実施形態では、
図9に示すように、上述した合計6種類のエッジ検出フィルタと、合計5種類の閾値(A〜E)を用いることで、合計30種類の画像処理が実施され、合計30個のワークピース処理画像T1〜T30が形成される。
【0082】
そして異なる画像処理が施された合計30個のワークピース処理画像T1〜T30は、
図8のワークピース処理画像T1〜T3の例に示されるように、それぞれ異なった画像となる。そして、例えば、もともと撮像画像30Aに傷や汚れ、研削痕などの異物(ノイズ要因)が含まれていた場合であっても、画像処理によって、この異物が効果的に除去されたワークピース処理画像の形成を図ることができる。
【0083】
例えば、
図8の例では、ワークピース処理画像T1では異物として研削痕(ソーマーク)が現れているところ、ワークピース処理画像T3では、この研削痕が効果的に除去された画像として形成されるようになっている。
【0084】
なお、上述したエッジ検出フィルタや2値化処理に加え、例えば、移動平均フィルタやメディアンフィルタ等を用いた平滑化処理を実施することとしてもよい。
【0085】
次いで、
図10に示すように、ワークピース処理画像形成ステップで形成した複数のワークピース処理画像T1〜T30と、上述のターゲットパターンTp(キーパターン
図Pz)をパターンマッチングにて相関性を算出し、最も高い相関性を有した領域(被マッチング領域Mg)をキーパターンとして検出する。この例では、ワークピース処理画像T15の被マッチング領域Mgが、キーパターンとして検出されることになる。
【0086】
ここでの相関性の算出は、周知の相関式を用いて実施することができ、例えば、下記式7にて示される相関式(NCC Normalized Cross−Correlation)を使用することができる。
【0088】
なお、この他にも、相関式として、例えば、SSD(Sum of Squared Difference)やSAD(Sum of Absolute Difference)、ZNCC(Zero−mean Normalized Cross−Correlation)等を利用してもよい。
【0089】
以上のようにして、パターンマッチングがされる対象となる処理用ワークピースWsの撮像画像30Aに画像処理を施して、更に高精度なパターンマッチングを実施することが可能となる。
【0090】
即ち、上述したターゲットパターン設定方法で設定されたターゲットパターンTpをもとにワークピース上のキーパターンを検出するキーパターン検出方法であって、
図10にも参照されるように、ワークピースを撮像しターゲットパターンTpとのパターンマッチングでワークピース上からキーパターンPkを検出する検出ステップを備え、検出ステップでは、ワークピースを撮像した撮像画像30Aに複数の画像処理をそれぞれ施して複数のワークピース処理画像T1〜T30を形成するとともに(ワークピース処理画像形成ステップ)、各ワークピース処理画像T1〜T30とターゲットパターンTpとの相関性をそれぞれ算出し、最も高い相関性を有した領域をキーパターンとして検出する、キーパターンの検出方法とするものである。
【0091】
これによれば、マッチングされる側の画像である撮像画像30Aについて、複数のワークピース処理画像T1〜T30が形成されることになり、マッチングされる側の画像についても、傷や汚れ、研削痕等の異物(ノイズ要因)が写り込んだとしても、この異物を効果的に除去することができる。
【0092】
そして、複数のワークピース処理画像T1〜T30と、ターゲットパターンTpとを、全組み合わせで対照し、キーパターンPkの検出と、相関性の算出がなされる。
【0093】
この処理用ワークピースWsの撮像画像についての画像処理は、処理用ワークピースWsの一枚一枚についてそれぞれ実施し、各処理用ワークピースWsについて最もターゲットパターンTpと相関性の高いワークピース処理画像を形成する画像処理の種別を都度選定し、同一の処理用ワークピースWsについては、当該種別の画像処理を利用することとしてもよい。
【0094】
或いは、同一ロットの複数枚の処理用ワークピースWsを処理する場合において、例えば、一枚目の処理用ワークピースWsについて相関性が高かった画像処理種別を、以降の画像処理において優先的に利用することとしてもよい。
【0095】
次に、キーパターン
図Pzを用いた、オートフォーカスについて
図11を用いて説明する。撮像装置13には顕微鏡13aが設けられており、Z軸方向に図示せぬレンズを移動させることで、撮像対象の撮像領域に対する焦点が合わせられるようになっている。
【0096】
オートフォーカスをする際には、まず、Z軸方向の高さ位置H1〜H4において撮像画像G1〜G4を取得し、各撮像画像G1〜G4と、キーパターン
図Pzのパターンマッチングを実施する。
【0097】
そして、最も高い相関性を呈した撮像画像G1〜G4が撮像された高さ位置が、撮像領域に対して最も焦点が合っているものとして、当該高さ位置がレンズのオートフォーカス位置(撮像対象とレンズの距離)として定義される。
【0098】
このようにオートフォーカスに際し、キーパターン
図Pzを参照し、キーパターンとのパターンマッチングを実施することでレンズ高さを定義することができる。
【0099】
パターンマッチングについては、トレースによって作成されたキーパターン
図Pzが参照されるため、高精度なオートフォーカスが実現されることになる。
【0100】
さらに、撮像画像G1〜G4についても画像処理を行って、各撮像画像G1〜G4について複数の処理画像を形成し、各処理画像とキーパターン
図Pzのパターンマッチングを実施することとしてもよい。