(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず、本発明の増粘剤について説明する。
本発明の増粘剤は、ポリアクリル酸ナトリウム及びカルボキシビニルポリマーを含有することを特徴とする。
【0012】
上記ポリアクリル酸ナトリウムは、下記式に示すアクリル酸ナトリウム単位
−CH
2−CH(COONa)−
からなる水溶性高分子であり、既に増粘剤として良く知られている。
【0013】
上記ポリアクリル酸ナトリウムとしては、その種類は特に限定されないが、その0.5重量%水溶液を、ブルックフィールド粘度計で20rpm、25℃で測定した際における粘度が、1,500〜12,000mPa・s、1,500〜3,000mPa・s或いは8,000〜12,000mPa・sのものが好ましい。
その理由は、粘度が1,500mPa・s未満のポリアクリル酸ナトリウムでは外用組成物に粘性を付与し難く、12,000mPa・sを超える増粘剤では、外用組成物とした場合に塗り広げにくいからである。
【0014】
上記ポリアクリル酸ナトリウムとしては、市販品も好適に用いることができ、その具体例としては、例えば、レオジック250H、レオジック260H(以上、粘度:8,000〜12,000mPa・s)、レオジック252L、レオジック262L(以上、粘度:1,500〜3,000mPa・s)(いずれも東亜合成社製)等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0015】
上記カルボキシビニルポリマーは、アクリル酸系の親水性架橋ポリマーであり、従来公知の増粘剤である。
ここで、上記カルボキシビニルポリマーとしては、その種類は特に限定されないが、その0.2重量%水溶液を、ブルックフィールド粘度計で12rpm、20℃、pH7.5で測定した際における粘度が、2,000〜30,000mPa・s、4,000〜7,500mPa・s、6,000〜14,000mPa・s或いは16,000〜28,000mPa・sのものが好ましい。
その理由は、後述するように、カルボキシビニルポリマーを少量添加した場合においても、ポリアクリル酸ナトリウムと共存させることにより、その組成物の粘度を著しく増大させることができるからである。また、これらより高い粘度のカルボキシビニルポリマーを用いた場合、外用組成物を製造する際にダマが生じる等の障害が生じる傾向があるからである。
【0016】
また、上記カルボキシビニルポリマーとしては、市販品も好適に用いることができ、その具体例としては、例えば、カーボポールC−981、カーボポールC980、カーボポールC−2984、カーボポールC−5984、カーボポールC−1382、カーボポールC−941、カーボポールC−934P、カーボポールC−934、カーボポールC−940、カーボポールC−1342、カーボポールC−974P、カーボポール980NF、カーボポール981NF、カーボポール5984EP、カーボポールETD2050(いずれもBFGoodrich社製)等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
これらのなかでは、カーボポールC−981(粘度:4,000〜7,500mPa・s)、カーボポールC980(粘度:16,000〜28,000mPa・s)及びカーボポールETD2050(粘度:6,000〜14,000mPa・s)が好ましい。
【0017】
なお、本発明において、増粘剤の粘度は、日本薬局方(第十六改正)の粘度測定方法における第2方(回転粘度計法)の「単一円筒形回転粘度計(ブルックフィールド型粘度計)」を用いた方法に準じて測定した粘度である。
【0018】
本発明の増粘剤は、上記ポリアクリル酸ナトリウムと上記カルボキシビニルポリマーとを含有することを技術的特徴としており、両者が共存することにより増粘剤として極めて特異的な挙動を示し、そのため、低濃度で高い粘度を付与することができ、増粘剤の使用量を抑えることができるとの優れた効果を奏する。
これについてもう少し詳しく説明する。
【0019】
上記ポリアクリル酸ナトリウムは、通常、濃度に依存した粘度を示す増粘剤であり、上記ポリアクリル酸ナトリウムを含有する組成物では、ポリアクリル酸ナトリウムの濃度が増加するとともに比例的にその濃度も増加する。このことは、既に知られており、また後述する試験例1からも明らかである。
これに対し、本発明の通り、ポリアクリル酸ナトリウムとともにカルボキシビニルポリマーが共存する場合、両者を含有する組成物の粘度は、それぞれの増粘剤の濃度から予想される範囲を超えて著しく増大する。
具体的には、例えば、カルボキシビニルポリマーとして、組成物の粘度にほとんど影響を与えないような少量のカルボキシビニルポリマー(例えば、0.1〜0.6重量%のカルボキシビニルポリマー)を添加した場合でも、ポリアクリル酸ナトリウムと共存させることにより、その組成物の粘度を著しく増大させることができるのである。
そのため、本発明の増粘剤を用いることにより、上記増粘剤を配合する組成物に、少量(低濃度)の増粘剤で、高い粘度を付与することができるため、例えば、医薬品や化粧品等に使用した場合には有効成分の濃度を高めることができ、増粘剤を配合する組成物の設計の自由度が向上するとともに、経済的にも有利となる。
【0020】
次に、本発明の外用組成物について説明する。
本発明の外用組成物は、本発明の増粘剤を含有することを特徴とする。
ここで、外用組成物とは、経皮投与により有効成分を作用させるための組成物であり、医薬品や医薬部外品であっても良いし、化粧品であっても良い。
上記外用組成物の剤型としては、例えば、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、リニメント剤、ローション剤、乳剤、懸濁剤、エアゾール剤、液剤等が挙げられ、これらのなかでは、ゲル剤、クリーム剤又は軟膏剤のいずれかが好ましい。
【0021】
上記外用組成物における本発明の増粘剤の含有量は特に限定されないが、上記ポリアクリル酸ナトリウム及び上記カルボキシビニルポリマーともに、それぞれ独立して0.1〜3.0重量%であることが好ましい。
その理由は、0.1重量%未満では外用組成物に粘性を付与することが難しく、3.0重量%より多いと塗布する際によれやべたつきを感じ、使用感が悪くなることがあるからである。
上記増粘剤の含有量は、特に、上記ポリアクリル酸ナトリウムの濃度が1.0〜3.0重量%で、カルボキシビニルポリマーの含有量が0.1〜1.0重量%であることが好ましい。本発明の増粘剤を使用する効果を特に顕著に享受することができるからである。
【0022】
上記外用組成物は、上記増粘剤以外に、薬効成分等の有効成分、各種添加剤等を任意成分として適宜含有する。
上記有効成分としては特に限定されないが、例えば、例えば、デキサメタゾン、塩酸デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、塩酸ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、吉草酸プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロンなどのステロイド剤;ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、マレイン酸クロルフェニラミンなどの抗ヒスタミン剤;グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸モノアンモニウム、アラントイン、サリチル酸、サリチル酸グリコールなどの抗炎症剤;塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェノール、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、アンモニア水、スルファジアジン、フェノールなどの殺菌剤;クロタミトンなどの鎮痒剤;コロジオン、ヒマシ油などの皮膚保護剤;ノナン酸バニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプシコシド、カプサイシン、カプサイシノイド、ジヒドロキシカプサイシン、カプサンチン等のカプサイシン類似体、トウガラシエキス、トウガラシチンキ、トウガラシ末などのトウガラシ由来物質等の血行促進剤;リモネン、テルピノレン、メンタン、テルピネン等のp−メンタン、これから誘導される単環式モノテルペン系炭化水素化合物等のテルペン系炭化水素化合物、イソプレゴール、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、1−(2−ヒドロキジフェニル)−4−(3−ニトロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロキシピリミジン−2−オン、エチルメンタンカルボキサミド、p−メンタン−3,8−ジオール、3,8−ジヒドロキシ−p−メンタン−3−9−ジオール、トリアルキル置換シクロヘキサンカルボキシアマイド等のメントール類縁化合物など清涼化剤;塩酸プロカイン、リドカインなどの局所麻酔剤;ペニシリン類、セファロスポリン類、アミノグリコシド類、マクロライド類などの抗生物質;グリセオフルビン、アムホテリシンBなどの抗真菌剤;オキサトミド、塩酸セチリジンなどの抗アレルギー剤;クロニジン、カプトプリルなどの抗高血圧剤;ニトログリセリン、硝酸イソソルビドなどの冠血管拡張剤;ニフェジピン、ニカルジピンなどのカルシウム拮抗剤;ピンドロール、プロプラノールなどのβブロッカー;テオフィリン、塩酸プロカテロールなどの気管支拡張剤;ハイドロサイアザイドなどの降圧利尿剤;塩酸ドパミン、ジキタリスなどの強心剤;バルプロ酸ナトリウム、フェニトインなどの抗てんかん剤;スコポラミンなどの抗めまい剤;ハロペリドールなどの抗精神病剤;塩酸フルラゼパム、フェノバルビタールなどの睡眠調整剤;5−フルオロウラシル、マイトマイシンC及びブレオマイシンなどの抗悪性腫瘍剤;エストラジオール、インスリンなどのホルモン剤;ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類(誘導体を含む)等が挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0023】
上記添加剤としては特に限定されず、例えば、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、コーンスターチ、トラガントガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、カラギーナン、マンナン、アガロース、デキストリン、カルボキシメチルデンプン、ポリビニルアルコール、メトキシエチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、プルラン等のポリマー類、ミツロウ、オリーブ油、カカオ油、ゴマ油、ダイズ油、ツバキ油、ラッカセイ油、牛油、豚油、鶏油、ラノリン等の油脂類、白色ワセリン、黄色ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、セレシンワックス、スクワラン、軽質流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、ゲル化炭化水素(例えば、商品名プラスチベース、ブリストルマイヤーズスクイブ社製)、ステアリン酸等の高級脂肪酸、セタノール、オクチルドデカノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール、ポリエチレングリコール(例えば、マクロゴール400、マクロゴール4000等)、プロピレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、濃グリセリン等の多価アルコール、モノオレイン酸エステル、ステアリン酸グリセリド、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル類、ジメチルポリシロキサン、生理食塩水等などの基剤;ポリビニルピロリドンなどの溶解補助剤;タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、酸化チタン、軽質無水ケイ酸などの無機充填剤;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸二水素ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、乳酸、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、塩酸、リン酸、無水リン酸一水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム、リン酸三水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、クエン酸緩衝液、クエン酸−リン酸緩衝液、リン酸緩衝液などのpH調整剤;セラミド、レシチン、ソルビトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウムなどの保湿剤;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、ホウ酸、ホウ砂などの防腐剤;コンドロイチン硫酸ナトリウムなどの粘稠剤;ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどの酸化防止剤;ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの界面活性剤;モノステアリン酸ポリエチレングリコール、セトステアリルアルコール、ポリエキシエチレンセトステアリルエーテルなどの乳化剤;エデト酸ナトリウム等の安定剤;老化防止剤;組織賦活剤;香料;着色剤;温感・温熱成分;エキス類;溶剤;消包剤;懸濁剤;軟化剤;分散剤;賦形剤;滑沢剤;酸化防止剤;防腐剤;保存剤;可塑剤;等が挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0024】
上記有効成分及び上記添加剤の配合量は特に限定されず、上記外用組成物の処方に応じて適宜選択すればよい。
また、上記外用組成物は、増粘剤としてポリアクリル酸ナトリウム及びカルボキシビニルポリマー以外の成分を含有していてもよい。
【0025】
上記外用組成物の粘度は特に限定されないが、5,000〜150,000mPa・sであることが好ましく、30,000〜150,000mPa・sであることがより好ましい。これら範囲の粘度を有する外用組成物はチューブ等の容器から取り出しやすく、かつ手に取って塗り広げやすいものであり、このような範囲の粘度を有する外用組成物を調整する場合、特に本発明の増粘剤を用いるのが好適だからである。
【0026】
上記外用組成物は、そのpHが6〜8であることが好ましい。pHがこの範囲にあると、ポリアクリル酸ナトリウムにカルボキシビニルポリマーを共存させることにより粘度を増加させる効果をより確実に享受することができるからである。また、皮膚に塗布した際の刺激の点からもpHは8以下であることが好ましい。
なお、上記外用組成物のpHは、必要に応じてpH調整剤、塩基性の有効成分等を配合することで調整すれば良い。
【0027】
上記外用組成物は、その剤型に応じて常法によって製造することができ、例えば、本発明の増粘剤とともに、上述した有効成分や各種添加剤等の任意成分を混合することにより製造することができる。
製造時における、温度、各成分の添加の順番、混合時間等の条件は、各成分の物理的または化学的性質、濃度、機器の能力等に応じて、当該分野の技術常識に基づいて適宜選択すれば良い。
また、外用組成物に含まれる各成分を混合する場合、その粘度が高いと各成分を均一に混合しにくい場合がある。そこで、本発明の増粘剤を使用する場合には、ポリアクリル酸ナトリウム及びカルボキシビニルポリマーのいずれか一方の増粘剤と、他の成分とを粘度が低い状態で混合し、その後、他方の増粘剤を添加して外用組成物の粘度を所定の粘度にしてもよい。これにより、各成分が均一に混合され、所定の粘度を有する外用組成物をより容易に製造することができる。
【実施例】
【0028】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0029】
(試験例1)
下記表1に示す濃度の各成分とともに、増粘剤として2.0〜3.5重量%の濃度のポリアクリル酸ナトリウム(東亜合成社製、レオジック260H)を配合した組成物を調製し、その粘度を測定した。具体的には、ポリアクリル酸ナトリウムを精製水で膨潤させ、別途、ジフェンヒドラミン、リドカイン、イソプロピルメチルフェノール、1,3−ブチレングリコール及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を加熱混合、溶解させたものと混合攪拌した後、軽質無水ケイ酸及びジメチルポリシロキサンを混合分散させ、pH調整剤(リン酸とリン酸緩衝液)でpHを6.7付近に調整した。なお、精製水の量は、ポリアクリル酸ナトリウムに併せて調整した。結果を表2及び
図1に示した。
図1は、ポリアクリル酸ナトリウムの濃度(配合量)と粘度との関係をプロットしたグラフである。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
なお、本試験例における粘度の測定方法は、以下の通りである。
ブルックフィールド粘度計(LVDV−II+)でスピンドルFを使用し、スクリュー管No.4(24×50、マルエル社製)に上記組成物10gを充填し、計測開始から5分後の粘度を測定した。なお、計測は、回転速度4rpm、室温(23〜27℃)で行った。
【0033】
(実施例
2〜
8、比較例1〜3)
下記表3に示す濃度の各成分とともに、増粘剤として2.5重量%の濃度のポリアクリル酸ナトリウム(東亜合成社製、レオジック260H)と、0.1〜1.0重量%の濃度のカルボキシビニルポリマー(BFGoodrich社製、カーボポールC980)を配合した組成物を調製し、その粘度を測定した。具体的には、ポリアクリル酸ナトリウムとカルボキシビニルポリマーをそれぞれ精製水で膨潤させ、別途、ジフェンヒドラミン、リドカイン、イソプロピルメチルフェノール、1,3−ブチレングリコール及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を加熱混合、溶解させたものと混合攪拌した後、軽質無水ケイ酸及びジメチルポリシロキサンを混合分散させ、pH調整剤(リン酸とリン酸緩衝液)でpHを6.7付近に調整した。なお、精製水の量は、増粘剤に併せて調整した。結果を表4及び
図2に示した。
図2は、実施例
2〜
8及び
比較例1〜8で作製した組成物におけるカルボキシビニルポリマーの濃度(配合量)と粘度との関係をプロットしたグラフである。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
(
比較例4〜8)
下記表5に示す濃度の各成分とともに、増粘剤として0.1〜1.0重量%の濃度のカルボキシビニルポリマー(BFGoodrich社製、カーボポールC980(CVP980))を配合した組成物を実施例
2〜
8及び比較例1〜3と同様に調製し、その粘度を測定した。結果を表6、
図2及び
図3に示した。
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
(実施例11〜
17、比較例9〜10)
下記表7に示す濃度の各成分とともに、増粘剤として2.0重量%の濃度のポリアクリル酸ナトリウム(東亜合成社製、レオジック260H)と、0.2〜1.0重量%の濃度のポリアクリル酸(BFGoodrich社製、カーボポールC980)を配合した組成物を実施例
2〜
8及び比較例1〜3と同様に調製し、その粘度を測定した。結果を表8及び
図3に示した。
図3は、実施例11〜
17及び
比較例4〜10で作製した組成物におけるカルボキシビニルポリマーの濃度(配合量)と粘度との関係をプロットしたグラフである。
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】
以上の通り、ポリアクリル酸ナトリウムにカルボキシビニルポリマーを共存させた場合、カルボキシビニルポリマーの配合量が少量であっても、粘度が著しく増大することが明らかとなった。
【0043】
(処方例)
本発明の外用組成物は、既に説明した通り、ゲル剤やクリーム剤でも良く、その他の剤型でよい。実施例に示した外用組成物の処方は、ゲル剤に関するものであり、クリーム剤に関する処方としては、例えば、下記表9に示した処方例が例示できる。具体的には、ポリアクリル酸ナトリウムとカルボキシビニルポリマーをそれぞれ精製水で膨潤させ、これらを攪拌混合し、エデト酸ナトリウムを加え溶解させ(予製(1))、別途、ジメチルポリシロキサン以外の残りの成分を加熱混合、溶解させ(予製(2))、予製(1)と予製(2)を混合攪拌の後、ジメチルポリシロキサンを混合分散させ、pH調整剤(リン酸とリン酸緩衝溶液)でpHを6.7付近に調整した。
なお、本発明の外用組成物の処方は、勿論、上述した実施例や下記処方例に限定されるものではない。
【0044】
【表9】