(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
真空に保持されたチャンバ内に表面波プラズマを形成してプラズマ処理を行うプラズマ処理装置において、マイクロ波生成機構で生成され、マイクロ波伝送路を伝送されたマイクロ波をチャンバ内に放射するマイクロ波放射アンテナであって、
マイクロ波放射面を有し、導電体からなるアンテナ本体と、
前記アンテナ本体に処理ガスを導入するための処理ガス導入口と、
前記アンテナ本体内で、導入された前記処理ガスを拡散させるためのガス拡散空間と、
前記アンテナ本体に設けられ、前記ガス拡散空間で拡散された処理ガスを前記チャンバ内へ吐出するための複数のガス吐出孔と、
前記アンテナ本体に前記ガス拡散空間および前記ガス吐出孔とは分離した状態で、前記マイクロ波伝送路に対応して複数設けられ、前記マイクロ波放射面側の端部からマイクロ波を放射するスロットと、
前記アンテナ本体の前記マイクロ波放射面側に、前記スロットが形成されたスロット形成領域を包含するように環状に設けられた環状誘電体部材と
を有し、
前記スロットおよび前記環状誘電体部材を通って放射されたマイクロ波により、前記マイクロ波放射面に金属表面波が形成されて、この金属表面波により表面波プラズマが生成され、
前記環状誘電体部材と前記アンテナ本体の前記スロットとの間はシールされ、
前記環状誘電体部材と前記アンテナ本体の前記スロットとの間のシールは真空シールであり、この真空シールにより前記チャンバ内の真空雰囲気の領域と、前記スロットを含む大気雰囲気の領域とが区画されており、
前記アンテナ本体は、平板状をなし、その中央部に前記マイクロ波伝送路が接続され、上部壁と前記マイクロ波放射面を有する下部壁とを有し、前記スロットに対応する部分に前記下部壁から前記上部壁に至る突出部が形成されて前記スロットは前記突出部内に形成され、前記上部壁と前記下部壁との間の前記吐出部以外の領域に前記ガス拡散空間が形成され、
前記複数のガス吐出孔は、前記下部壁の前記ガス拡散空間に対応した領域に設けられていることを特徴とするマイクロ波放射アンテナ。
前記複数のガス吐出孔は、アンテナ本体のマイクロ波放射面における、前記環状誘電体部材の外側の領域および内側の領域の両方に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波放射アンテナ。
前記環状誘電体部材は、前記アンテナ本体の前記マイクロ波放射面に形成された凹部に嵌め込まれていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマイクロ波放射アンテナ。
前記マイクロ波供給部は、前記マイクロ波放射アンテナに接続された、それぞれマイクロ波伝送路を有する複数のマイクロ波放射部を有し、前記マイクロ波放射アンテナは、前記複数のマイクロ波放射部に対応してそれぞれ複数のスロットを有することを特徴とする請求項4に記載のマイクロ波プラズマ源。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理は、半導体デバイスの製造に不可欠な技術であるが、近時、LSIの高集積化、高速化の要請からLSIを構成する半導体素子のデザインルールが益々微細化され、また、半導体ウエハが大型化されており、それにともなって、プラズマ処理装置においてもこのような微細化および大型化に対応するものが求められている。
【0003】
ところが、従来から多用されてきた平行平板型や誘導結合型のプラズマ処理装置では、生成されるプラズマの電子温度が高いため微細素子にプラズマダメージを生じてしまい、また、プラズマ密度の高い領域が限定されるため、大型の半導体ウエハを均一かつ高速にプラズマ処理することは困難である。
【0004】
そこで、高密度で低電子温度の表面波プラズマを均一に形成することができるRLSA(Radial Line Slot Antenna)マイクロ波プラズマ処理装置が注目されている(例えば特許文献1)。
【0005】
RLSAマイクロ波プラズマ処理装置は、表面波プラズマを発生させるためのマイクロ波を放射するマイクロ波放射アンテナとしてチャンバの上部に所定のパターンで複数のスロットが形成された平面スロットアンテナであるラジアルラインスロットアンテナ(Radial Line Slot Antenna)を設け、マイクロ波発生源から導かれたマイクロ波を、アンテナのスロットから放射させるとともに、その下に設けられた誘電体からなるマイクロ波透過板を介して真空に保持されたチャンバ内に放射し、このマイクロ波電界によりチャンバ内で表面波プラズマを生成し、これにより半導体ウエハ等の被処理体を処理するものである。
【0006】
ところで、特許文献1に記載された処理装置では、マイクロ波はチャンバの天壁から導入されるのに対し、処理ガスはチャンバの側壁に設けられたガス導入口から供給されている。しかしながら、この場合にはガスの流れを制御することが難しく、プラズマの均一性が不十分になる可能性がある。
【0007】
これに対して、特許文献2には、ラジアルラインスロットアンテナの下の誘電体部材を多数のガス放出孔を有するシャワープレートとして構成して、このシャワープレートを介して処理ガスをチャンバ内に導入する技術が開示されている。これによりシャワープレート直下の空間に処理ガスを均一に供給することができ、均一なプラズマが形成されるとしている。
【0008】
しかし、特許文献2の技術では、シャワープレートのガス空間でガスがプラズマ化してマイクロ波パワーが損失したり異常放電が生じたりするという問題点が生じる可能性がある。
【0009】
そこで、特許文献3には、マイクロ波アンテナと誘電体製のシャワープレートとの間にシャワープレートよりも比誘電率の低い誘電体からなるカバープレートを設けた構造が開示されている。これによりシャワープレートのガス空間を介した比誘電率の変化率を少なくして、シャワープレート内のガス空間でのパワー損失や異常放電を防止できるとしている。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
<プラズマ処理装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図であり、
図2は
図1のプラズマ処理装置に用いられるマイクロ波プラズマ源のマイクロ波放射アンテナ以外の構成を示す構成図、
図3はマイクロ波プラズマ源におけるマイクロ波供給部を模式的に示す平面図である。
【0024】
プラズマ処理装置100は、ウエハに対してプラズマ処理として例えばエッチング処理を施すプラズマエッチング装置として構成されており、気密に構成されたアルミニウムまたはステンレス鋼等の金属材料からなる略円筒状の接地されたチャンバ1と、チャンバ1内にマイクロ波プラズマを形成するためのマイクロ波プラズマ源2とを有している。チャンバ1の上部には開口部1aが形成されており、マイクロ波プラズマ源2はこの開口部1aからチャンバ1の内部に臨むように設けられている。
【0025】
チャンバ1内には被処理体である半導体ウエハW(以下ウエハWと記述する)を水平に支持するためのサセプタ11が、チャンバ1の底部中央に絶縁部材12aを介して立設された筒状の支持部材12により支持された状態で設けられている。サセプタ11および支持部材12を構成する材料としては、表面をアルマイト処理(陽極酸化処理)したアルミニウムや、AlNなどのセラミックス等が例示される。
【0026】
また、図示はしていないが、サセプタ11には、ウエハWを静電吸着するための静電チャック、温度制御機構、ウエハWの裏面に熱伝達用のガスを供給するガス流路、およびウエハWを搬送するために昇降する昇降ピン等が設けられている。さらに、サセプタ11には、整合器13を介して高周波バイアス電源14が電気的に接続されている。この高周波バイアス電源14からサセプタ11に高周波電力が供給されることにより、ウエハW側にプラズマ中のイオンが引き込まれる。なお、高周波バイアス電源14はプラズマ処理の特性によっては設けなくてもよい。
【0027】
チャンバ1の底部には排気管15が接続されており、この排気管15には真空ポンプを含む排気装置16が接続されている。そしてこの排気装置16を作動させることによりチャンバ1内が排気され、チャンバ1内を所定の真空度まで高速に減圧することが可能となっている。また、チャンバ1の側壁には、ウエハWの搬入出を行うための搬入出口17と、この搬入出口17を開閉するゲートバルブ18とが設けられている。
【0028】
マイクロ波プラズマ源2は、複数経路に分配してマイクロ波を出力するマイクロ波出力部30と、マイクロ波出力部30から出力されたマイクロ波を伝送しチャンバ1内に放射するためのマイクロ波供給部40とを有している。マイクロ波供給部40は、チャンバ1の上部に設けられた支持リング29に気密にシールされた状態で設けられた、マイクロ波の放射とガスの導入が可能なマイクロ波放射アンテナ45を有している。このマイクロ波放射アンテナ45はチャンバ1の天壁として構成されている。また、マイクロ波プラズマ源2は、プラズマを生成するためのプラズマ生成ガスや、成膜処理やエッチング処理を行うための処理ガスを供給するガス供給源110を有している。
【0029】
プラズマ生成ガスとしては、Arガス等の希ガスを好適に用いることができる。また、処理ガスとしては、成膜処理やエッチング処理等、処理の内容に応じて種々のものを採用することができる。
【0030】
図2に示すように、マイクロ波出力部30は、マイクロ波電源31と、マイクロ波発振器32と、発振されたマイクロ波を増幅するアンプ33と、増幅されたマイクロ波を複数に分配する分配器34とを有している。
【0031】
マイクロ波発振器32は、所定周波数(例えば、915MHz)のマイクロ波を例えばPLL発振させる。分配器34では、マイクロ波の損失ができるだけ起こらないように、入力側と出力側のインピーダンス整合を取りながらアンプ33で増幅されたマイクロ波を分配する。なお、マイクロ波の周波数としては、915MHzの他に、700MHzから3GHzを用いることができる。
【0032】
マイクロ波供給部40は、マイクロ波放射アンテナ45(
図2では図示せず)の他、分配器34にて分配されたマイクロ波をチャンバ1内へ導く複数のアンテナモジュール41を有している。各アンテナモジュール41は、分配されたマイクロ波を主に増幅するアンプ部42と、マイクロ波放射部43とを有している。
図3に示すように、マイクロ波供給部40は、アンテナモジュール41を7個有しており、各アンテナモジュール41のマイクロ波放射部43が、円周状に6個およびその中心に1個、円形をなすマイクロ波放射アンテナ45の上に配置されている。
【0033】
マイクロ波放射アンテナ45は、後述するように、上述した複数のマイクロ波放射部43が接続され、プラズマ生成ガスや処理ガスを吐出するシャワー構造となっており、ガス供給源110から延びるガス配管111がマイクロ波放射アンテナ45に接続されている。そして、マイクロ波放射アンテナ45からチャンバ1内に導入されたプラズマ生成ガスは、マイクロ波放射アンテナ45から放射されたマイクロ波によりプラズマ化され、このプラズマにより、同じくマイクロ波放射アンテナ45からチャンバ1内に導入された処理ガスが励起され、処理ガスのプラズマが生成される。
【0034】
アンプ部42は、位相器46と、可変ゲインアンプ47と、ソリッドステートアンプを構成するメインアンプ48と、アイソレータ49とを有している。
【0035】
位相器46は、マイクロ波の位相を変化させることができるように構成されており、これを調整することにより放射特性を変調させることができる。例えば、各アンテナモジュール毎に位相を調整することにより指向性を制御してプラズマ分布を変化させることができる。また、隣り合うアンテナモジュールにおいて90°ずつ位相をずらすようにして円偏波を得ることができる。また、位相器46は、アンプ内の部品間の遅延特性を調整し、チューナ内での空間合成を目的として使用することができる。ただし、このような放射特性の変調やアンプ内の部品間の遅延特性の調整が不要な場合には位相器46は設ける必要はない。
【0036】
可変ゲインアンプ47は、メインアンプ48へ入力するマイクロ波の電力レベルを調整し、プラズマ強度調整するためのアンプである。可変ゲインアンプ47を各アンテナモジュール毎に変化させることによって、発生するプラズマに分布を生じさせることもできる。
【0037】
ソリッドステートアンプを構成するメインアンプ48は、例えば、入力整合回路と、半導体増幅素子と、出力整合回路と、高Q共振回路とを有する構成とすることができる。
【0038】
アイソレータ49は、マイクロ波放射アンテナ45で反射してメインアンプ48に向かう反射マイクロ波を分離するものであり、サーキュレータとダミーロード(同軸終端器)とを有している。サーキュレータは、マイクロ波放射アンテナ45で反射したマイクロ波をダミーロードへ導き、ダミーロードはサーキュレータによって導かれた反射マイクロ波を熱に変換する。
【0039】
次に、
図4〜8を参照して、マイクロ波放射部43およびマイクロ波放射アンテナ45について詳細に説明する。
図4はマイクロ波放射部43およびマイクロ波放射アンテナ45を示す断面図、
図5はマイクロ波放射部43の給電機構を示す
図4のAA′線による横断面図、
図6はマイクロ波放射部43のチューナ60におけるスラグと滑り部材を示す
図4のBB′線による横断面図、
図7はマイクロ波放射アンテナ45のスロットの形状および配置の一例を示す平面図、
図8はマイクロ波放射アンテナ45のマイクロ波放射面を示す底面図である。
【0040】
図4に示すように、マイクロ波放射部43は、マイクロ波を伝送する同軸構造のマイクロ波伝送路(導波路)44と、マイクロ波伝送路44に設けられたチューナ60とを有している。そして、マイクロ波放射部43の導波路44を経て、各マイクロ波放射部43に対応してマイクロ波放射アンテナ45に設けられたスロット(後述)からチャンバ1内にマイクロ波が放射され、そのマイクロ波によりチャンバ1内で表面波プラズマを形成するようになっている。
【0041】
マイクロ波伝送路44は、筒状の外側導体52およびその中心に設けられた棒状の内側導体53が同軸状に配置されて構成されており、マイクロ波伝送路44の先端にマイクロ波放射アンテナ45が設けられている。マイクロ波伝送路44においては、内側導体53に給電され、外側導体52が接地されている。外側導体52および内側導体53の上端には反射板58が設けられている。
【0042】
マイクロ波伝送路44の基端側にはマイクロ波(電磁波)を給電する給電機構54が設けられている。給電機構54は、マイクロ波伝送路44(外側導体52)の側面に設けられたマイクロ波電力を導入するためのマイクロ波電力導入ポート55を有している。マイクロ波電力導入ポート55には、アンプ部42から増幅されたマイクロ波を供給するための給電線として、内側導体56aおよび外側導体56bからなる同軸線路56が接続されている。そして、同軸線路56の内側導体56aの先端には、外側導体52の内部に向けて水平に伸びる給電アンテナ90が接続されている。
【0043】
給電アンテナ90は、例えば、アルミニウム等の金属板を削り出し加工した後、テフロン(登録商標)等の誘電体部材の型にはめて形成される。反射板58から給電アンテナ90までの間には、反射波の実効波長を短くするためのテフロン(登録商標)等の誘電体からなる遅波材59が設けられている。なお、2.45GHz等の周波数の高いマイクロ波を用いた場合には、遅波材59は設けなくてもよい。このとき、給電アンテナ90から反射板58までの距離を最適化し、給電アンテナ90から放射される電磁波を反射板58で反射させることで、最大の電磁波を同軸構造のマイクロ波伝送路44内に伝送させる。
【0044】
給電アンテナ90は、
図5に示すように、マイクロ波電力導入ポート55において同軸線路56の内側導体56aに接続され、電磁波が供給される第1の極92および供給された電磁波を放射する第2の極93を有するアンテナ体91と、アンテナ体91の両側から、内側導体53の外側に沿って延び、リング状をなす反射部94とを有し、アンテナ体91に入射された電磁波と反射部94で反射された電磁波とで定在波を形成するように構成されている。アンテナ体91の第2の極93は内側導体53に接触している。
【0045】
給電アンテナ90がマイクロ波(電磁波)を放射することにより、外側導体52と内側導体53との間の空間にマイクロ波電力が給電される。そして、給電機構54に供給されたマイクロ波電力がマイクロ波放射アンテナ45に向かって伝播する。
【0046】
チューナ60は、チャンバ1内の負荷(プラズマ)のインピーダンスをマイクロ波出力部30におけるマイクロ波電源の特性インピーダンスに整合させるものであり、外側導体52と内側導体53との間のマイクロ波伝送路44を上下に移動する2つのスラグ61a,61bと、反射板58の外側(上側)に設けられたスラグ駆動部70とを有している。
【0047】
これらスラグのうち、スラグ61aはスラグ駆動部70側に設けられ、スラグ61bはマイクロ波放射アンテナ45側に設けられている。また、内側導体53の内部空間には、その長手方向に沿って例えば台形ネジが形成された螺棒からなるスラグ移動用の2本のスラグ移動軸64a,64bが設けられている。
【0048】
図6に示すように、スラグ61aは、誘電体からなる円環状をなし、その内側に滑り性を有する樹脂からなる滑り部材63が嵌め込まれている。滑り部材63にはスラグ移動軸64aが螺合するねじ穴65aとスラグ移動軸64bが挿通される通し穴65bが設けられている。一方、スラグ61bは、スラグ61aと同様、ねじ穴65aと通し穴65bとを有しているが、スラグ61aとは逆に、ねじ穴65aはスラグ移動軸64bに螺合され、通し穴65bにはスラグ移動軸64aが挿通されるようになっている。これによりスラグ移動軸64aを回転させることによりスラグ61aが昇降移動し、スラグ移動軸64bを回転させることによりスラグ61bが昇降移動する。すなわち、スラグ移動軸64a,64bと滑り部材63とからなるねじ機構によりスラグ61a,61bが昇降移動される。
【0049】
内側導体53には長手方向に沿って等間隔に3つのスリット53aが形成されている。一方、滑り部材63は、これらスリット53aに対応するように3つの突出部63aが等間隔に設けられている。そして、これら突出部63aがスラグ61a,61bの内周に当接した状態で滑り部材63がスラグ61a,61bの内部に嵌め込まれる。滑り部材63の外周面は、内側導体53の内周面と遊びなく接触するようになっており、スラグ移動軸64a,64bが回転されることにより、滑り部材63が内側導体53を滑って昇降するようになっている。すなわち内側導体53の内周面がスラグ61a,61bの滑りガイドとして機能する。
【0050】
滑り部材63を構成する樹脂材料としては、良好な滑り性を有し、加工が比較的容易な樹脂、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を好適なものとして挙げることができる。
【0051】
上記スラグ移動軸64a,64bは、反射板58を貫通してスラグ駆動部70に延びている。スラグ移動軸64a,64bと反射板58との間にはベアリング(図示せず)が設けられている。また、内側導体53の下端には、導体からなる底板67が設けられている。スラグ移動軸64a,64bの下端は、駆動時の振動を吸収するために、通常は開放端となっており、これらスラグ移動軸64a,64bの下端から2〜5mm程度離隔して底板67が設けられている。なお、この底板67を軸受け部としてスラグ移動軸64a,64bの下端をこの軸受け部にて軸支させてもよい。
【0052】
スラグ駆動部70は筐体71を有し、スラグ移動軸64aおよび64bは筐体71内に延びており、スラグ移動軸64aおよび64bの上端には、それぞれ歯車72aおよび72bが取り付けられている。また、スラグ駆動部70には、スラグ移動軸64aを回転させるモータ73aと、スラグ移動軸64bを回転させるモータ73bが設けられている。モータ73aの軸には歯車74aが取り付けられ、モータ73bの軸には歯車74bが取り付けられており、歯車74aが歯車72aに噛合し、歯車74bが歯車72bに噛合するようになっている。したがって、モータ73aにより歯車74aおよび72aを介してスラグ移動軸64aが回転され、モータ73bにより歯車74bおよび72bを介してスラグ移動軸64bが回転される。なお、モータ73a,73bは例えばステッピングモータである。
【0053】
なお、スラグ移動軸64bはスラグ移動軸64aよりも長く、より上方に達しており、したがって、歯車72aおよび72bの位置が上下にオフセットしており、モータ73aおよび73bも上下にオフセットしているので、モータおよび歯車等の動力伝達機構のスペースが小さく、筐体71が外側導体52と同じ径となっている。
【0054】
モータ73aおよび73bの上には、これらの出力軸に直結するように、それぞれスラグ61aおよび61bの位置を検出するためのインクリメント型のエンコーダ75aおよび75bが設けられている。
【0055】
スラグ61aおよび61bの位置は、スラグコントローラ68により制御される。具体的には、図示しないインピーダンス検出器により検出された入力端のインピーダンス値と、エンコーダ75aおよび75bにより検知されたスラグ61aおよび61bの位置情報に基づいて、スラグコントローラ68がモータ73aおよび73bに制御信号を送り、スラグ61aおよび61bの位置を制御することにより、インピーダンスを調整するようになっている。スラグコントローラ68は、終端が例えば50Ωになるようにインピーダンス整合を実行させる。2つのスラグのうち一方のみを動かすと、スミスチャートの原点を通る軌跡を描き、両方同時に動かすと位相のみが回転する。
【0056】
マイクロ波伝送路44の先端部には、マイクロ波放射アンテナ45に接するように遅波材82が設けられている。遅波材82の中心には導体からなる円柱部材82aが貫通しており、この円柱部材82aが底板67とマイクロ波放射アンテナ45とを接続している。したがって、内側導体53が底板67および円柱部材82aを介してマイクロ波放射アンテナ45に接続されている。なお、外側導体52の下端はマイクロ波放射アンテナ45まで延びており、遅波材82の周囲は外側導体52で覆われている。
【0057】
遅波材82は、真空よりも大きい誘電率を有しており、例えば、石英、セラミックス、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂やポリイミド系樹脂により構成されており、真空中ではマイクロ波の波長が長くなることから、マイクロ波の波長を短くしてアンテナを小さくする機能を有している。遅波材82は、その厚さによりマイクロ波の位相を調整することができ、マイクロ波放射アンテナ45の表面(マイクロ波放射面)が定在波の「はら」になるようにその厚さを調整する。これにより、反射が最小で、マイクロ波の放射エネルギーが最大となるようにすることができる。
【0058】
マイクロ波放射アンテナ45は、平面状をなしスロットを有する平面スロットアンテナとして構成されており、円板状をなし、その下面がマイクロ波放射面となるアンテナ本体121と、アンテナ本体121に形成された、各マイクロ波放射部43のマイクロ波伝送路44を伝送されてきたマイクロ波をチャンバ内に放射するための複数のスロット122と、アンテナ本体121の内部に形成された、処理ガスを拡散するためのガス拡散空間123と、ガス拡散空間123にプラズマ生成ガスや処理ガスを導入するガス導入口124と、ガス拡散空間123からチャンバ1に臨むように延びる複数のガス吐出孔125と、アンテナ本体121のマイクロ波放射面側に、各マイクロ波放射部43のスロット122に対応するように環状に設けられた環状誘電体部材126とを有する。
【0059】
アンテナ本体121は導電体、典型的には金属で形成されている。アンテナ本体121を構成する導電体としてはアルミニウムや銅のような電気伝導率の高い金属が好ましい。アンテナ本体121は、上部壁121aと、シャワープレートとして構成される下部壁121bとを有している。
【0060】
上記ガス導入口124は、上部壁121aに設けられており、ガス供給源110から延びるガス配管111が接続され、ガス供給源110から供給されたAr等のプラズマ生成ガスや、炭化フッ素ガス(例えばC
4F
8)等の処理ガスが、ガス導入口124を介してガス拡散空間123に導入される。ガス吐出孔125は、下部壁121bに形成され、ガス拡散空間123に導入されたガスをチャンバ1内に吐出するようになっている。
【0061】
スロット122は、上部壁121aからガス拡散空間123を経て下部壁121bを貫通して形成されている。ガス拡散空間123においてスロット122は、下部壁121bから突出する突出部127の内部に形成されている。これにより、スロット122を通過するマイクロ波とガス拡散空間123を流れるガスとが分離され、マイクロ波放射アンテナ45の内部でプラズマが生成されることが回避される。突出部127の上端には上部壁121aとの間をガスシールするシール部材127aが設けられている。
【0062】
スロット122内には誘電体が充填されていてもよい。スロット122に誘電体を充填することにより、マイクロ波の実効波長が短くなり、スロット全体の厚さ(アンテナ本体121の厚さ)を薄くすることができる。スロット122に充填する誘電体としては、例えば、石英、セラミックス、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂やポリイミド系樹脂を用いることができる。
【0063】
各マイクロ波放射部43からのマイクロ波の放射特性を決定するマイクロ波放射面でのスロット122の形状は、マイクロ波放射部43毎に、例えば、
図7に示すようになっている。具体的には、4個のスロット122が全体形状が円周状になるように均等に形成されている。これらスロット122は全て同じ形状であり、円周に沿って細長い形状に形成されている。これらスロット122は、アンテナ本体121のマイクロ波放射面におけるマイクロ波放射部43の中心軸に対応する点Oに対して対称に配置されている。
【0064】
スロット122の円周方向の長さは(λg/2)−δであり、スロット122の中心位置にマイクロ波電界強度のピークがくるように設計されている。ただし、λgはマイクロ波の実効波長であり、δは円周方向(角度方向)に電界強度の均一性が高くなるように微調整する微調整成分(0を含む)である。λgは、
λg=λ/ε
s1/2
と表すことができる。ただし、ε
sはスロットに充填される誘電体の誘電率であり、λは真空中のマイクロ波の波長である。なお、スロット122の長さは約λg/2に限らず、λg/2の整数倍から微調整成分(0を含む)を引いたものであればよい。
【0065】
4個のスロット122のうち隣接するもの同士の継ぎ目部分は、一方のスロット122の端部と他方のスロット122の端部とが径方向に所定間隔をおいて内外で重なるように構成されている。これにより、周方向にスロットが存在しない部分がないようにされ周方向の放射特性が均一になるように設計されている。スロット122は、円周方向に沿って中央部122aと左側端部122bと右側端部122cの3つの部分に分かれており、左側端部122bおよび右側端部122cが略扇形(円弧状)をなし、これらがそれぞれ外周側および内周側に配置され、中央部122aは、これらを繋ぐ直線状となっている。そして、左側端部122bと隣接するスロットの右側端部とが、左側端部122bが外側になるように配置され、右側端部122cと隣接するスロットの左側端部とが、右側端部122cが内側になるように配置される。中央部122aと左側端部122bと右側端部122cとは、略均等の長さを有している。すなわち、中央部122aが(λg/6)−δ
1、その両側の左側端部122bおよび右側端部122cがそれぞれ(λg/6)−δ
2および(λg/6)−δ
3の長さとなる。ただし、δ
1,δ
2、δ
3は円周方向(角度方向)に電界強度の均一性が高くなるように微調整する微調整成分(0を含む)である。隣接するスロットがオーバーラップする部分の長さは等しいほうが好ましいので、δ
2=δ
3であることが好ましい。
【0066】
スロット122は、その内周が、アンテナ本体121の点Oから(λg/4)±δ′の位置になるように形成される。ただし、δ′は径方向の電界強度分布を均一にするために微調整する微調整成分(0を含む)である。なお、中心からスロット内周までの長さは約λg/4に限らず、λg/4の整数倍に微調整成分(0を含む)を加えたものであればよい。
【0067】
このようなマイクロ波放射アンテナ45は、各マイクロ波放射部43において、電界強度が低いスロットの端部を重ねて配置することにより、その部分の電界強度を高くすることができ、結果的に、周方向(角度方向)の電界強度分布を均一にすることができる。
【0068】
なお、各マイクロ波放射部43に対応するスロットの数は4個に限らず、3個であっても5個以上であっても同様の効果を得ることができる。また、スロット形状は
図7のものに限らず、例えば複数の円弧状のスロットが円周上に均等に形成されたもの等他のものであってもよい。
【0069】
また、スロット122は左側端部122bと右側端部122cのオーバーラップ部分の間隔が狭いので、その間隔のままとなるようにガス拡散空間123に突出部127を形成すると、ガス拡散空間123におけるガスコンダクタンスが小さくなってガス流速の均一性が小さくなるおそれがある。そのような場合には、スロット122の突出部127および上部壁121aに対応する部分において、スロット122は左側端部122bと右側端部122cのオーバーラップ部分の間隔を広くしてもよい。その場合には、スロット122の突出部127および上部壁121aに対応する部分と、下部壁121bに対応する部分とで段差が生じることとなる。
【0070】
アンテナ本体121の下部壁121bのマイクロ波放射面側には、スロット122に対応する部分に環状をなす凹部128を有しており、この凹部128に環状誘電体部材126が嵌め込まれている。凹部128には段差128aが形成されており、環状誘電体部材126はこの段差128aに対応するフランジ部126aを有している。これにより環状誘電体部材126が下部壁121bに支持されている。環状誘電体部材126は、アンテナ本体121のマイクロ波放射面側に、各マイクロ波放射部43のスロット122が形成された領域であるスロット形成領域を包含する(覆う)ように設けられている(
図8のアンテナ本体121の底面図参照)。また、下部壁121bの凹部128に臨む環状誘電体部材126に対応する部分には、スロット122の内側部分および外側部分にシール部材128bが設けられており、環状誘電体部材126がスロット122を密閉するようになっている。シール部材128bは真空シールとして機能し、それより下の真空領域と、それより上の大気領域とを区画している。
【0071】
環状誘電体部材126を構成する誘電体としては、例えば、石英、セラミックス、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂やポリイミド系樹脂を用いることができる。
【0072】
なお、
図8に示すように環状誘電体部材126は円環状に設けられているが、三角環状、四角環状等の多角環状であってもよい。
【0073】
図4および
図8に示すように、アンテナ本体121に形成されたガス吐出孔125は、マイクロ波放射面における環状誘電体部材126の外側領域および内側領域の両方に設けられている。
【0074】
マイクロ波放射アンテナ45には、直流電圧を印加するようにすることもできる。これにより、マイクロ波電力を印加した場合に、マイクロ波放射アンテナ45の表面に形成される金属表面波を伝播するシースの厚さを制御することができる。これにより、プラズマの電子密度分布、イオン密度分布、ラジカル密度分布を最適化することができる。
【0075】
本実施形態において、メインアンプ48と、チューナ60と、マイクロ波放射アンテナ45とは近接配置している。そして、チューナ60とマイクロ波放射アンテナ45とは1/2波長内に存在する集中定数回路を構成しており、かつマイクロ波放射アンテナ45、遅波材82は合成抵抗が50Ωに設定されているので、チューナ60はプラズマ負荷に対して直接チューニングしていることになり、効率良くプラズマへエネルギーを伝達することができる。
【0076】
プラズマ処理装置100における各構成部は、マイクロプロセッサを備えた制御部140により制御されるようになっている。制御部140はプラズマ処理装置100のプロセスシーケンスおよび制御パラメータであるプロセスレシピを記憶した記憶部や、入力手段およびディスプレイ等を備えており、選択されたプロセスレシピに従ってプラズマ処理装置を制御するようになっている。
【0077】
<プラズマ処理装置の動作>
次に、以上のように構成されるプラズマ処理装置100における動作について説明する。
【0078】
まず、ウエハWをチャンバ1内に搬入し、サセプタ11上に載置する。そして、ガス供給源110からガス配管111を介してプラズマ生成ガス、例えばArガスをマイクロ波放射アンテナ45のガス拡散空間123に導入し、ガス吐出孔125から吐出しつつ、マイクロ波プラズマ源2のマイクロ波出力部30から、マイクロ波供給部40の各アンテナモジュール41のアンプ部42およびマイクロ波放射部43を伝送されてきたマイクロ波をマイクロ波放射アンテナ45のスロット122および環状誘電体部材126を介してチャンバ1内に放射させ、マイクロ波放射アンテナ45の表面に金属表面波を形成し、表面波プラズマを生成する。また、同じくガス供給源110からガス配管111を介してプラズマ生成ガスおよび処理ガスをマイクロ波放射アンテナ45に供給する。これらのガスはアンテナ本体121内のガス拡散空間123を経てガス吐出孔125からチャンバ1内に吐出される。そして、これらのガスは表面波プラズマにより励起されてプラズマ化し、処理ガスのプラズマによりウエハWにプラズマ処理、例えばエッチング処理が施される。
【0079】
上記表面波プラズマを生成するに際し、マイクロ波プラズマ源2では、マイクロ波出力部30のマイクロ波発振器32から発振されたマイクロ波電力はアンプ33で増幅された後、分配器34により複数に分配され、分配されたマイクロ波電力はマイクロ波供給部40へ導かれる。マイクロ波供給部40においては、このように複数に分配されたマイクロ波電力が、ソリッドステートアンプを構成するメインアンプ48で個別に増幅され、マイクロ波放射部43のマイクロ波伝送路44に給電され、マイクロ波伝送路44を伝送され、遅波材82を透過し、マイクロ波放射アンテナ45のスロット122および環状誘電体部材126を介してチャンバ1内へ放射される。そして、マイクロ波放射アンテナ45表面に形成されるシース中に金属表面波が形成され、この表面波によりチャンバ1内の空間に表面波プラズマを生成する。
【0080】
本実施形態では、マイクロ波もガスもチャンバ1の天壁を構成するマイクロ波放射アンテナ45からチャンバ1内に導入されるので、ガスの流れの制御性を良好にすることができ、またマイクロ波の放射方向とガスの流れ方向が重なり、ガスを効率的にプラズマ化することができる。
【0081】
このとき、マイクロ波が通過するスロット122とガス拡散空間123が突出部127で分離され、ガス吐出孔125もスロット122と分離されており、かつマイクロ波放射アンテナ45は導体(金属)であってマイクロ波は透過しない。このため、ガスがガス拡散空間123およびガス吐出孔125を通過する際にガスはプラズマ化せず、本質的に、ガスがプラズマ化して生じるパワー損失や異常放電等の不都合は生じない。また、従来、マイクロ波放射アンテナの先端側に設けられていた誘電体部材(マイクロ波透過窓)にシャワー構造を形成しようとすると、異常放電等の問題に加えて、加工が難しいという問題点もあるが、本実施形態のように金属製のマイクロ波放射アンテナ45には比較的容易にガス吐出孔125を形成することができる。
【0082】
さらに、アンテナ本体121のマイクロ波放射面側に、各マイクロ波放射部43のスロット形成領域を包含する(覆う)ように環状誘電体部材126が設けられているのでマイクロ波が均一に供給され、より均一なプラズマ処理を行うことができる。すなわち、スロット122から直接マイクロ波が放射される場合には、スロット122に対応する部分のマイクロ波が強くなる傾向があり、マイクロ波が必ずしも均一に供給されないが、環状誘電体部材126を設けることにより、スロット122を通過したマイクロ波は環状誘電体部材126を透過してチャンバ1内に放射されるため、マイクロ波が面内方向に均されてより均一にマイクロ波を供給することができる。このため、表面波プラズマを均一に形成することができ、均一なプラズマ処理を行うことができる。
【0083】
さらにまた、マイクロ波放射面の環状誘電体部材126の外側領域および内側領域の両方にガス吐出孔125が形成されているので、マイクロ波放射面において環状誘電体部材126が形成された領域以外にはガス吐出孔125が形成されていることとなり、処理ガスを均一にチャンバ1内に供給することができる。このため、上記のようにマイクロ波が均一に供給されることと相俟って、表面波プラズマをより均一に形成することができる。
【0084】
図9は、(a)環状誘電体部材126を設けずにアンテナ本体121のマイクロ波放射面までスロット122を設けた場合と、(b)環状誘電体部材126を設けた場合について、マイクロ波の電界分布を比較して示す図である。この図から環状誘電体部材126を設けることにより、マイクロ波の電界分布が均一になることが確認された。
【0085】
さらにまた、環状誘電体部材126を設けない場合には、スロットの内部がチャンバ内と同じ真空雰囲気となり、プラズマ中の電子がスロット内に入り込んで異常放電を生じるおそれがあるが、本実施形態では、下部壁121bの凹部128に臨む環状誘電体部材126に対応する部分に真空シールとしてのシール部材128bを設け、環状誘電体部材126がスロット122を密閉する構成としたのでこのような不都合は生じない。すなわち、シール部材128bによって環状誘電体部材126がスロット122を真空シールすることにより、スロット122の内部は真空雰囲気のチャンバ1とは遮断されて大気雰囲気となり、プラズマ中の電子がスロット122内に入り込むことがないため、スロット122内で異常放電が生じることを確実に防止することができる。
【0086】
<他の適用>
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の思想の範囲内において種々変形可能である。例えば、マイクロ波出力部30やマイクロ波供給部40の構成等は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、アンテナから放射されるマイクロ波の指向性制御を行ったり円偏波にしたりする必要がない場合には、位相器は不要である。また、マイクロ波放射部43において、遅波材82は必須ではない。
【0087】
また、上記実施形態では複数のマイクロ波放射部を設けた例について示したが、マイクロ波放射部は一個であってもよい。
【0088】
さらに、上記実施形態においては、プラズマ処理装置としてエッチング処理装置を例示したが、これに限らず、成膜処理、酸化処理および窒化処理を含む酸窒化膜形成処理、アッシング処理等の他のプラズマ処理にも用いることができる。さらに、被処理基板は半導体ウエハWに限定されず、LCD(液晶ディスプレイ)用基板に代表されるFPD(フラットパネルディスプレイ)基板や、セラミックス基板等の他の基板であってもよい。