(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
押出機によりゴム材料をコア材に被覆して被覆物を得る工程と、当該被覆物を前記押出機に連結した架橋設備に通し、前記被覆されたゴム材料を架橋する工程とを含み、前記架橋する工程は、前記架橋設備に、100℃以上180℃未満で、常圧から0.2MPa未満の過熱水蒸気が供給されて行なわれることを特徴とする電線・ケーブルの製造方法。
【背景技術】
【0002】
絶縁電線・ケーブルの被覆材料の加硫方法には、流動床法、熱風架橋法、電子線照射法、溶融塩法、加圧蒸気法、高周波加硫法等の連続加硫方法や、鉛、ポリメチルペンテン(TPX:登録商標)などを被覆し、ドラム巻き取り後、缶加硫するバッチ加硫方法がある。これらは、対象物の厚さ、形状、構造、長さ、被覆材料の種類等によりどの加硫方法が最も適しているか選定され、適用されているが、加硫装置価格、加硫速度、取り扱い性、製品性能等々からそれぞれ一長一短がある。
【0003】
連続加硫方法のうち、流動床法や熱風架橋法は、常圧下、高温にした管中に加硫対象物を通し加熱・加硫する方法である。前者はガラスビーズが存在するが、空気伝熱が主体であるため加硫対象物への伝熱特性が劣り、製造スピードが遅い欠点がある。
【0004】
電子線照射法は、電子線の強度により材料への浸透厚さに制限があり、一般的に厚肉の製品よりも薄肉絶縁電線の製造に適している。更に、押出し工程と照射工程とが別工程になるため、一旦ドラムに巻き取る必要があり、その場合、未加硫被覆材料は変形を受ける問題があるため、絶縁材料は常温で変形し難いものに限られている。
【0005】
無機塩(例えば、トーレック:硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウムの混合物)の溶融高温液体中で加硫させる溶融塩法は、常圧・加圧下の両者で加硫可能であるが、塩を加熱・溶融するのに長時間を要することや、一旦溶融後、冷却固化するのを防ぐため、長期間加熱しておく必要があり、多大な電力量を必要とする。更に、加硫後、加硫対象物に付着した塩を水洗する必要があり、この水処理が必要などの欠点がある。
【0006】
加圧水蒸気法は、長尺加硫対象物の加硫方法として製造スピードが速く、電線・ケーブル等の加硫には多用されている。絶縁電線ではあまり問題ないが、加硫時に高圧が加わることからケーブルの場合、ゴム被覆層そのものの変形、ゴム被覆層のコアへの凹みによる変形、絶縁体そのものの変形を受ける問題がある。
【0007】
この問題をさけるため、バッチ式で温度がやや低く、高い圧力が加わらない缶加硫方法がある。
【0008】
しかし、本方法では、押出直後、缶加硫前のドラム巻取時に起こるゴム材料の変形を抑えるため、押出し後、鉛やポリメチルペンテン(TPX:登録商標)などを一旦被覆・加硫後、これらを剥離するなど面倒な工程を伴い、製造に長時間を要する。また、変形抑制のための被覆を行っても抑制が不十分なため、架橋後に変形を修理する工程があり、製造コストが高いという問題があった。さらに、丸型ケーブルの変形抑制に適用可能な被覆工程も、平型ケーブルの場合には適用できず、架橋後の変形修理工程が必要不可欠となっていた。
【0009】
一方、過熱水蒸気は、蒸気を大気圧下で加熱して100℃以上にしたもので、以前より存在したが、熱としての利用より動力として適用するだけであった。最近になり食品調理の分野への適用が見直され、過熱水蒸気つき電子レンジが各メーカーから上市されている。
【0010】
また、特許文献1〜3では、過熱水蒸気を用いてゴムや熱可塑性樹脂を加硫させることが提案されている。
【0011】
過熱水蒸気は、下記の特徴を有している。
(1)加熱空気に比べて熱容量が大きいので被加熱物を急速に加熱することができ、加熱時間を短縮できる。
(2)加熱空気に比べて約2倍程度の定圧比熱を有し、加熱能力に優れている。
(3)潜熱のエネルギーを有するので、加熱空気に比べエンタルピーが大きい。
(4)空気による伝熱は対流伝熱に限られるが、過熱水蒸気では対流伝熱に加えて放射伝熱、凝縮伝熱によっても伝熱する「複合伝熱作用」により熱効率が良い。
(5)飽和水蒸気に比べて単位体積あたりの水分量が少ないため、湿熱と乾熱の性質をあわせ持っている。
【0012】
過熱水蒸気の生成は電気ヒータによるものと電磁誘導加熱による方法がある。過熱水蒸気は100℃以下の対象物に当たると凝縮、この表面に水滴が発生し、過熱水蒸気の存在により再蒸発するが、その潜熱のため過熱水蒸気の熱を奪い、対象物の温度上昇が100℃でしばらく停滞する結果、100℃以上に上昇するまでに一定の時間が必要となる。
【0013】
絶縁電線・ケーブルの製造に過熱水蒸気を適用した公知例として、80℃以上の温度で押出し成形されたポリマやゴム材料を、加圧下で過熱水蒸気により連続的に加熱、加硫することにより、被覆材料の発泡を防止すると共に絶縁体を変形させることなく低加圧下(0.2MPa以上)で過熱水蒸気を熱媒体とし、連続的に絶縁電線・ケーブル等を加熱・加硫を行うことができる加硫方法がある(特許文献4参照)。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0022】
図1は、本発明の
参考形態に係るケーブルの横断面図である。例えば、銅からなる導体1に、EPR(エチレンプロピレンゴム)等からなる絶縁体2を被覆した電線10が形成され、その電線10を3本撚り合わせ、その外周に、ポリクロロプレン等からなるシース3が被覆されてケーブル100が形成される。
【0023】
〔電線・ケーブルの製造方法〕
図2は、本発明の実施形態に係る電線・ケーブルの製造方法の工程の概略を示す図であり、電線10やケーブル100の絶縁体やシースを構成するゴム材料を架橋する工程を中心に示したものである。
【0024】
本発明の実施形態に係る電線・ケーブルの製造方法は、押出機によりゴム材料をコア材に被覆して被覆物を得る工程と、当該被覆物を前記押出機に連結した架橋設備に通し、前記被覆されたゴム材料を架橋する工程とを含み、前記架橋する工程は、前記架橋設備に、100℃以上180℃未満で、常圧から0.2MPa未満の過熱水蒸気が供給されて行なわれることを特徴とする。
【0025】
先ず、ゴム材料が押出機20からダイス21に押し出され、コア送り出し機22から、導体や電線等のコア材23がダイス21を挿通するように送り出され、そのコア材23にゴム材料が押し出し被覆される。その後、当該被覆物はスプライスボックス24、過熱水蒸気架橋設備25に順次、通される。過熱水蒸気架橋設備25にて過熱水蒸気供給装置26から過熱水蒸気が供給されて押し出し被覆材が架橋される。架橋後の製品30(電線10、ケーブル100)は、水冷管27を通して冷却され、ウォーターシール28を通過後、製品巻き取り機29に巻き取られる。
【0026】
過熱水蒸気供給装置26から過熱水蒸気架橋設備25に供給する過熱水蒸気は、過熱水蒸気架橋設備25の少なくとも一箇所から供給される。
図2では、過熱水蒸気架橋設備25の入口部、中間部、出口部の三箇所から供給される。また、過熱水蒸気架橋設備25には圧力調整弁31が接続され、圧力調整弁31により、過熱水蒸気架橋設備25内の圧力が常圧(約0.1MPa)から0.2MPa未満となるように保持される。好ましくは、常圧から0.17MPa以下となるように保持され、より好ましくは、常圧から0.15MPa以下となるように保持され、さらに好ましくは、常圧から0.13MPa以下となるように保持される。最も好ましくは、常圧となるように保持される。
【0027】
過熱水蒸気は、常圧から0.2MPa未満、最も好ましくは常圧下で加熱されるため架橋時に高圧が加わることがなく、ケーブルに被覆されたゴム材料が変形を受けることがない。また、背景技術で述べた通り、被加熱物を急速に加熱できるためケーブルに被覆されたゴム材料の短時間の架橋が可能であり、ドラム巻取までに架橋させることでドラム巻取時のケーブル自重による変形を抑えることが可能である。
【0028】
架橋設備25内の温度は、生産性及びゴム材料の熱劣化を考慮すると100℃以上180℃未満に保持することが好ましく、140℃以上180℃未満に保持することがより好ましく、最も好ましくは150℃以上180℃未満に保持することが好ましい。
【0029】
架橋時間は被覆材料の厚み(1〜10mm程度)を考慮すると、3分間より長く行なわれることが好ましい。3.5分以上10分以下であることがより好ましく、4分以上8分以下であることがさらに好ましく、4分以上6分以下であることが最も好ましい。ただし、シラン架橋のように架橋系の異なる材料や被覆材料の厚い製品に関しては更なる架橋時間が必要な場合もあり、具体的な架橋時間に関してはこの範囲に限定されるものではない。
【0030】
図3は、本発明の他の実施形態に係る電線・ケーブルの製造方法の工程の概略を示す図であり、基本的には
図2と同じであるが、過熱水蒸気架橋設備25の外周に加熱装置としての外部ヒータ32を設け、過熱水蒸気供給装置26からの過熱水蒸気を、過熱水蒸気架橋設備25の入口部、中間部の二箇所から供給する形態としたものである。
【0031】
以上において、電線・ケーブルの被覆材は、押出機20から押出されると共に、ダイス21でコア材23に被覆され、過熱水蒸気架橋設備25内では、常圧から0.2MPa未満の過熱水蒸気を熱媒体として連続的に加熱され、被覆材の架橋が行われる。
【0032】
押出機20での押出し温度を80℃以上にすると、過熱水蒸気架橋設備25内で、過熱蒸気が被覆材に触れ、冷やされ、水になり、再蒸発する時間を極力短時間に抑えることができる。その結果、被覆材の温度上昇が100℃にとどまる時間を最小限にできる。
【0033】
また、被覆材を常圧から0.2MPa未満の過熱水蒸気で加熱することにより、架橋時の材料の変形を防止することができる。
【0034】
過熱水蒸気は、被過熱物体に接触すると、結露(蒸気の液化)し、温度が100℃に留まろうとする性質がある。そのため、80℃以上の温度で材料を押出すことにより、過熱水蒸気の結露による100℃での停滞時間を短縮することが可能となる。その結果、架橋の進行を早めることができる。また、80℃以下では100℃での停滞時間が長くなり、架橋の進行が遅くなるため、生産性に劣る。
【0035】
過熱水蒸気は、時間と共に100℃に戻ろうとする性質があり、過熱水蒸気架橋設備25が長い場合、途中で温度低下を招くおそれがある。これを防ぐため、次のような方法が取られる。
【0036】
一つは過熱水蒸気の供給量を増す方法、二つ目は過熱水蒸気の架橋設備への導入を1箇所だけでなく、
図2〜3に示すように複数箇所設け、温度の低下を防止する方法、三つ目は、
図3に示すように架橋設備の一部を外部より加熱装置(ヒーター等)で加熱する方法である。
【0037】
電線・ケーブルのサイズ構造にも左右されるが、これらを単独又は複数組み合わせることにより、架橋設備内部の温度の低下を防ぐことができ、被覆材料の架橋反応をスムーズに進めることができる。
【0038】
過熱水蒸気は、最も好ましくは常圧下での使用のため、過熱水蒸気供給装置26は加圧仕様とする必要がなく、設備コストを抑えることができる。
【0039】
過熱水蒸気架橋設備25内の底部には未架橋被覆材料の変形・キズ防止のため、ガイドロール等を取り付けておくことが望ましい。
【0040】
ゴム材料としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン・プロピレンゴム(EPR)、エチレン・プロピレン・ジエンターポリマー(EPDM)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ポリクロロプレンゴム(CR)、塩素化ポリエチレン(CPE)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、シリコーンゴム(VMQ)、各種液状ゴム等のゴム材料が挙げられる。これらは架橋剤、可塑剤、滑剤、充填剤、難燃剤、着色剤等の一般的な配合剤を添加してよい。
【0041】
対象製品としては、電線(絶縁電線)・ケーブル類であるが、この変形として異型を含むソリッド押出成型物、ホース類がある。後の二者は、内部に直線状金属線や金属、天然・合成ポリマ糸を編んだタイプを含んだ構造のものに特に適している。
【0042】
押出機20の成型温度は、好ましくは80℃以上、100℃以下である。押出し温度がこれに以上になると、過熱水蒸気による架橋前のプレ架橋が進行し過ぎて、一部分の粘度が上昇してしまい、「つぶ」や「ふくれ」などの外観不良が生じるためである。
【0043】
押出機20前後には、図示していないが、芯線、コア送り出し機、これらのアキュムレータ、製品巻き取り機、外径測定器、アキュムレータ等の必要な設備を備えることができる。
【0044】
〔電線・ケーブル〕
本発明の
参考形態に係る電線・ケーブルは、本発明の実施形態に係る上記製造方法により製造された
ものである。
【0045】
本発明の
参考形態に係る電線・ケーブルの被覆層(ゴム材料)は、ASTM D621(圧縮クリープ試験法)に基づく、加熱変形試験機による荷重試験(40℃、700g/cm
2で24時間)におけるドラム巻取時の圧縮変形率(永久変形)が3%以下である。好ましい
参考形態においては、当該圧縮変形率が2.5%以下であり、より好ましい
参考形態においては、当該圧縮変形率が2%以下であり、さらに好ましい
参考形態においては、当該圧縮変形率が1.5%以下であり、最も好ましい
参考形態においては、当該圧縮変形率が1%以下である。また、当該被覆層の架橋時の厚み変形率も3%以下である。好ましい
参考形態においては、当該厚み変形率が2.5%以下であり、より好ましい
参考形態においては、当該厚み変形率が2%以下であり、最も好ましい
参考形態においては、当該厚み変形率が1.5%以下である。
【実施例】
【0046】
以下に、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0047】
図1の構造のケーブル100を下記の通りの方法で作製した。
【0048】
ここで、ケーブル100(電線10:3本×22mm2)の各部位のサイズは以下の通りである。
導体構成(外径/素線本数/素線径):7mm/20本/0.45mm
絶縁体厚さ:1.2mm
シース厚さ:2.7mm
仕上り外径:26mm
【0049】
絶縁体は、硫黄加硫EPR(赤、白、黒の各色)を導体上に所定の厚さに押出し被覆後、過熱水蒸気により架橋して得た。
【0050】
これら3本撚り合わせた後、90mmベント式押出し機により、表1に示したポリクロロプレンを含むシース材料を5m/分及び10m/分の速度で押出し被覆した。
【0051】
【表1】
【0052】
次に、表2に示す各条件により架橋を行ない、ケーブル製品(3 PNCT:3種EPゴム絶縁クロロプレンキャブタイヤケーブル)を得た。
【0053】
架橋前後のケーブルのシース材料の厚みを比較し、架橋時の変形率を評価した。また、ドラム(巻き取り機29)巻取直前のケーブルのシース材料を採取し、その表面から2mmの厚さに切削したものを10mm×10mm×2mmのシートに加工し、ドラム巻取時の圧縮変形率の測定に供した。
【0054】
実施例1〜3及び比較例1〜2と鉛被缶加硫標準品の製造条件と評価結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
架橋時及びドラム巻取時の変形率は規格値≦3%とし、それ以外は鉛被缶加硫の標準条件で得られた製品の値と比較し、総合判断した。
【0057】
各特性の評価方法は、次の通りである。
【0058】
(1)架橋時の厚み変形率:
架橋前後のケーブルのシース断面を顕微鏡にて観察し、シース厚みの変化を測定した。鉛被缶加硫標準品の場合も同様である。厚み変形率は、下記の式で算出した。
【0059】
厚み変形率(%)=[{架橋前のシース厚み−架橋後のシース厚み}/{架橋前のシース厚み}]×100
【0060】
(2)ドラム巻取時の圧縮変形率:
ASTM D621(圧縮クリープ試験法)に基づき「加熱変形試験機」により、40℃、700g/cm
2の条件で24時間、試料に荷重をかけ、その後、荷重を除き、23℃、50RH%の室内に24時間保管後のシート厚みを測定し、初期のシート厚みに対する圧縮変形率(永久変形)を評価した。温度条件(40℃)は、夏季の現場の温度より選定した。また、面圧条件(700g/cm
2)は、製品ケーブルをドラムに全て巻いた状態で最下層のケーブルにかかる荷重と、ケーブル直径の10%変形した際の面積より見積もった。圧縮変形率は、下記の式で算出した。
【0061】
圧縮変形率(%)=[{初期のシート厚み−除荷24時間後のシート厚み}/{初期のシート厚み}]×100
【0062】
(3)製造コスト:
製造コストは、鉛被缶加硫標準品の製造コストと同等のものを×(不合格)、10%未満のコスト低減率のものを△(合格)、10%以上のコスト低減率のものを〇(合格)とした。
【0063】
実施例1〜3は何れもシース材料(CR−1、CR−2)は標準的なポリクロロプレンゴムを使用し、押出し被覆後、常圧に近い圧力下で150℃に調整した過熱水蒸気で架橋したもので、架橋設備通過後の厚み変形率、ドラム巻取時の圧縮変形率は規格値(≦3%)を満足し、製造コストは従来の鉛被缶加硫で得られた製品よりも優れている。従って、実施例1〜3は何れも総合判定で合格であった。
【0064】
これに対し、比較例1は過熱水蒸気処理を行っていないため、ドラム巻取時の耐変形性を全く有しておらず、変形率が22.3%と極めて大きい。従って、総合判定は不合格であった。
【0065】
また、比較例2は過熱水蒸気の圧力を0.2MPaとしているため、未架橋のシース材料を変形させてしまう(変形率3.2%)。また、加圧仕様の設備としているため、製造コストも常圧使用の場合に比べて高くなってしまう。さらに、変形率が3%以上であり、変形修理コストを要するため、製造コストがアップする。従って、総合判定は不合格であった。
【0066】
従来の鉛被缶加硫標準品は、ドラム巻取前に架橋工程が入らないために、シース材料そのものの耐変形性はなく変形率は20.8%であった。また、製造コストは従来通りのため×(不合格)である。従って、総合判定は不合格であった。
【0067】
以上より、ゴム材料を押出後、100℃以上180℃未満、常圧から0.2MPa未満の過熱水蒸気で架橋させることで、架橋中の変形が無く、ドラム巻取時の自重による変形も起こらない耐変形性を有し、製造コストの低いケーブルとすることができる。
【0068】
上記実施例では、ケーブルのシース材料で説明したが、本発明はシース材料の他に種々の製品、例えば、異型を含むソリッド押出成型物、ホース類にも適用できる。