特許第6147905号(P6147905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニ・チャーム株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6147905-陳列体、販売促進用ツール及び収容体 図000002
  • 特許6147905-陳列体、販売促進用ツール及び収容体 図000003
  • 特許6147905-陳列体、販売促進用ツール及び収容体 図000004
  • 特許6147905-陳列体、販売促進用ツール及び収容体 図000005
  • 特許6147905-陳列体、販売促進用ツール及び収容体 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6147905
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】陳列体、販売促進用ツール及び収容体
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20170607BHJP
   G09F 5/00 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
   A47F5/00 E
   G09F5/00 A
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-254927(P2016-254927)
(22)【出願日】2016年12月28日
(62)【分割の表示】特願2016-148887(P2016-148887)の分割
【原出願日】2016年7月28日
【審査請求日】2016年12月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】尚永 孝一
(72)【発明者】
【氏名】小林 進一郎
【審査官】 大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−68979(JP,A)
【文献】 特開2010−64794(JP,A)
【文献】 特表2008−528183(JP,A)
【文献】 特開2002−177105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00、7/00
G09F 5/00
B65D 85/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品を収容した収容体と、
販売促進用のツールと、
前記収容体と前記ツールを陳列する棚と、を有し、
前記ツールは、前記吸収性物品の吸収容量に対応する容量を有する液状又はジェル状の物質と、前記液状又はジェル状の物質を包むフィルムと、を含み、
前記フィルム内に気体が含まれている、陳列体。
【請求項2】
前記ツールは、前記液状又はジェル状の物質の容量に対応する吸収容量を有する吸収性物品の前記吸収容量を示す数字を有し、
前記収容体は、前記収容体によって収容された吸収性物品の吸収容量を示す数字を有する、請求項1に記載の陳列体。
【請求項3】
前記ツールの前記数字のフォント、前記ツールの前記数字の背景の色、前記ツールの前記数字の背景の模様のうちの少なくとも1つが、前記収容体の前記数字のフォント、前記収容体の前記数字の背景の色、前記収容体の前記数字の背景の模様のうちの少なくとも1つと同じである、請求項2に記載の陳列体。
【請求項4】
前記ツールは、前記液状又はジェル状の物質の後側に、前記液状又はジェル状の物質を通して視認可能な文字であって前記収容体に対応付けられた文字を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の陳列体。
【請求項5】
互いに異なる吸収容量を有する前記吸収性物品を収容した複数の前記収容体と、
互いに異なる容量を有する前記液状又はジェル状の物質を含む複数の前記ツールと、を有し、
各々の前記ツールの前記液状又はジェル状の物質の容量は、各々の前記収容体に収容された前記吸収性物品の吸収容量に対応している、請求項1から4のいずれか1項に記載の陳列体。
【請求項6】
複数の前記ツールは、前記棚に、第1方向に並んで配列されており、
複数の前記収容体は、前記棚に、前記第1方向に並んで配列されており、
複数の前記収容体の配列の順序は、前記収容体に対応する前記ツールの配列の順序と同じである、請求項5に記載の陳列体。
【請求項7】
前記第1方向は水平方向であり、
複数の前記ツールは、複数の前記収容体の上又は下に陳列されている、請求項6に記載の陳列体。
【請求項8】
前記液状又はジェル状の物質は可撓性のフィルムに包まれている、請求項1から7のいずれか1項に記載の陳列体。
【請求項9】
前記収容体に収容された前記吸収性物品のサンプルが、前記棚の最も上に配置されており、
前記サンプルの下に、前記ツール及び前記収容体が配置されている、請求項1から8のいずれか1項に記載の陳列体。
【請求項10】
特定の吸収性物品を収容した収容体に対応付けられた販売促進用のツールであって、
前記ツールは、前記吸収性物品の吸収容量に対応する容量を有する液状又はジェル状の物質と、前記液状又はジェル状の物質を包むフィルムと、を含み、
前記フィルム内に気体が含まれている、ツール。
【請求項11】
前記ツールは、前記液状又はジェル状の物質の容量に対応する吸収容量を有する吸収性物品の吸収容量を示す数字を有し、
前記収容体は、前記収容体によって収容された吸収性物品の吸収容量を示す数字を有する、請求項10に記載のツール。
【請求項12】
前記ツールの前記数字のフォント、前記ツールの前記数字の背景の色、前記ツールの前記数字の背景の模様のうちの少なくとも1つは、前記収容体の前記数字のフォント、前記収容体の前記数字の背景の色、前記収容体の前記数字の背景の模様のうちの少なくとも1つと同じである、請求項11に記載のツール。
【請求項13】
前記ツールは、前記液状又はジェル状の物質の後側に、前記液状又はジェル状の物質を通して視認可能な文字であって前記収容体に対応付けられた文字を有する、請求項10から12のいずれか1項に記載のツール。
【請求項14】
前記液状又はジェル状の物質は可撓性のフィルムに包まれている、請求項10から13のいずれか1項に記載のツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品の販売促進用ツールと、吸収性物品を収容した収容体と、当該収容体と販売促進用ツールとを含む陳列体と、に関する。
【背景技術】
【0002】
商品が店頭に陳列される際、商品の近くにサンプルや販売促進用ツールが置かれることがある。特許文献1は、使い捨て吸収性物品用のディスプレイを開示している。このディスプレイは、消費者が吸収性物品の購入を決定する前に、吸収性物品のサンプルを調べることを可能とするためのツールである。
【0003】
特許文献1に記載されたディスプレイは、2つの面を有する平面的で透明な保護カバーと、保護カバーに取り付けられる引き綱と、使い捨て吸収性物品と、を含む。使い捨て吸収性物品は、保護カバー内に密封されている。保護カバーは、使い捨て吸収性物品に面する位置に設けられた少なくとも1つの開口を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3160971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたディスプレイでは、消費者は、使い捨て吸収性物品の見た目や肌触りを確認することができる。しかしながら、消費者は、そのような使い捨て吸収性物品がどのくらいの量の液体(体液)を吸収できるのかということを把握することが難しい。
【0006】
吸収性物品が吸収可能な液体の容量(吸収容量)は、吸収性物品のパッケージに数値によって記載されていることがある。しかしながら、消費者は、数値による表示では、吸収容量の具体的なイメージを特定し難いことがある。そのため、消費者は、どのくらいの吸収容量を有する吸収性物品を購入するべきか判断し難い。
【0007】
特に、吸収性物品としての軽失禁用のパッドを初めて購入しようとする消費者は、軽失禁用のパッドの購入を恥ずかしいと感じることがあり、店頭にて商品(軽失禁用のパッド)をじっくりと検討しないことがある。したがって、消費者は、商品(軽失禁用のパッド)をじっくりと検討せずに、自分自身に適していない失禁用のパッド、すなわち自分自身の失禁の量に合わない吸収容量を有する失禁用のパッドを選択してしまうこともある。
【0008】
したがって、吸収性物品の吸収容量を消費者によりわかり易くすることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様に係る陳列体は、吸収性物品を収容した収容体と、販売促進用のツールと、収容体とツールを陳列する棚と、を有する。ツールは、吸収性物品の吸収容量に対応する容量を有する液状又はジェル状の物質を含む。
【0010】
一態様に係るツールは、特定の吸収性物品を収容した収容体に対応付けられた販売促進用のツールであって、前記吸収性物品の吸収容量に対応する容量を有する液状又はジェル状の物質を含む。
一態様に係る収容体は、特定の容量を有する液状又はジェル状の物質を含む販売促進用のツールに対応する吸収容量を有する吸収性物品を収容している。
【発明の効果】
【0011】
上記態様によれば、吸収性物品の吸収容量を消費者によりわかり易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る陳列体の模式図である。
図2】販売促進用のツールの一例を示す模式図である。
図3】販売促進用のツールの別の一例を示す模式図である。
図4図2に示す販売促進用のツールに対応する吸収性物品を収容した収容体の一例を示す模式図である。
図5図3に示す販売促進用のツールに対応する吸収性物品を収容した収容体の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0014】
一態様に係る陳列体は、吸収性物品を収容した収容体と、販売促進用のツールと、前記収容体と前記ツールを陳列する棚と、を有し、前記ツールは、前記吸収性物品の吸収容量に対応する容量を有する液状又はジェル状の物質を含む。
【0015】
販売促進用のツールは、吸収性物品が液体を吸収できる吸収容量に対応する容量を有する液状又はジェル状の物質を含む。これにより、消費者は、液状又はジェル状の物質を見ることによって、視覚的に吸収性物品の吸収容量を把握することができる。したがって、消費者は、棚に陳列された吸収性物品(収容体)の吸収容量を具体的にイメージし易く、棚に陳列された特定の吸収性物品が自分自身に適したものであるかどうかを判断し易くなる。
【0016】
特に、吸収性物品が失禁用パッドやおりものシート等である場合、消費者は、自分自身が排出する体液の量を視覚的に把握していることがある。このような場合、消費者は、吸収容量に対応する容量を有する液状又はジェル状の物質を含むツールを見ることによって、棚に陳列された特定の吸収性物品(収容体)が自分自身に適したものであるかどうかを判断し易くなる。
【0017】
また、消費者は、販売促進用のツールを持つことによって、吸収性物品の吸収容量を、液状又はジェル状の物質の重量によっても感じることができる。これにより、消費者に、自分自身に合った吸収性物品(収容体)であるかどうかを思考させることができる。
【0018】
さらに、消費者は、見慣れない新規なツールを見ることにより、実際の吸収性物品(収容体)に興味を持つ。これにより、吸収性物品の販売を促進する効果が得られる。
【0019】
好ましい一態様に係る陳列体によれば、前記ツールは、液状又はジェル状の物質の容量に対応する吸収容量を有する吸収性物品の前記吸収容量を示す数字を有し、前記収容体は、前記収容体によって収容された吸収性物品の吸収容量を示す数字を有する。
【0020】
本態様によれば、ツールと収容体が吸収容量を示す同一の数字を有するので、消費者は、特定の販売促進用のツールに対応する収容体(吸収性物品)を容易に特定することができる。これにより、消費者は、陳列用の棚から、特定の吸収性物品を容易に見つけることができる。
【0021】
好ましい一態様に係る陳列体によれば、前記ツールの前記数字のフォント、前記ツールの前記数字の背景の色、前記ツールの前記数字の背景の模様のうちの少なくとも1つが、前記収容体の前記数字のフォント、前記収容体の前記数字の背景の色、前記収容体の前記数字の背景の模様のうちの少なくとも1つと同じである。
【0022】
本態様によれば、消費者は、特定の販売促進用のツールに対応する収容体(吸収性物品)をより容易に特定することができる。これにより、消費者は、陳列用の棚から、特定の吸収性物品をより容易に見つけることができる。
【0023】
好ましい一態様に係る陳列体によれば、前記ツールは、前記液状又はジェル状の物質の後側に、前記液状又はジェル状の物質を通して視認可能な文字であって前記収容体に対応付けられた文字を有する。
【0024】
液状又はジェル状の物質を通して視認可能な文字が、そのツールに対応する吸収性物品を収容した収容体に対応付けられた文字、例えば商品名等であるため、消費者は、ツールに対応する吸収性物品(収容体)を棚からより容易に見つけることができる。
【0025】
また、液状又はジェル状の物質を通して視認可能な領域は、消費者の注意を惹きやすい領域であるため、消費者へ情報、例えば商品名を与える効果が高いという利点も得られる。
【0026】
好ましい一態様に係る陳列体よれば、陳列体は、互いに異なる吸収容量を有する前記吸収性物品を収容した複数の前記収容体と、互いに異なる容量を有する前記液状又はジェル状の物質を含む複数の前記ツールと、を有し、各々の前記ツールの前記液状又はジェル状の物質の容量は、各々の前記収容体に収容された前記吸収性物品の吸収容量に対応している。
【0027】
本態様によれば、消費者は、視覚的に複数の吸収性物品(収容体)の吸収容量を把握することができる。これにより、消費者は、どのくらいの吸収容量を有する吸収性物品を購入するべきか判断し易くなる。
【0028】
好ましい一態様に係る陳列体よれば、複数の前記ツールは、前記棚に、第1方向に並んで配列されており、複数の前記収容体は、前記棚に、前記第1方向に並んで配列されており、複数の前記収容体の配列の順序は、前記収容体に対応する前記ツールの配列の順序と同じである。
【0029】
棚に陳列された商品を見る消費者の視線は、あるところから一方向に連続的に移動することが多いため、複数の収容体の配列の順序が、それらの収容体に対応するツールの配列の順序と同じであることによって、消費者は、ツールに対応する吸収性物品(収容体)を棚からより容易に見つけることができる。
【0030】
好ましい一態様に係る陳列体よれば、前記第1方向は水平方向であり、複数の前記ツールは、複数の前記収容体の上又は下に陳列されている。
【0031】
陳列用の棚を上から下、又は下から上に見た消費者が、ツールと収容体(吸収性物品)とを容易に対応づけることができる。特に、消費者の視線は、陳列用の棚の上から下、又は下から上に連続的に移動することが多いので、ツールが収容体の上又は下に配置されていることによって、消費者は、ツールに対応する吸収性物品(収容体)を棚からより容易に見つけることができる。
【0032】
好ましい一態様に係る陳列体よれば、前記液状又はジェル状の物質は可撓性のフィルムに包まれている。
【0033】
前記液状又はジェル状の物質が可撓性のフィルムに包まれていると、触感に優れたツールが提供される。具体的には、消費者がフィルムに包まれた液状又はジェル状の物質を押すと、フィルムに包まれた液状又はジェル状の物質が変形する。これにより、消費者は、ツールを触りたいという感情を覚え、実際の商品(収容体)にも興味を持つことがある。これにより、商品の販売を促進する効果が得られる。
【0034】
好ましい一態様に係る陳列体よれば、前記収容体に収容された前記吸収性物品の前記サンプルが、前記棚の最も上に配置されており、前記サンプルの下に、前記ツール及び前記収容体が配置されている。
【0035】
消費者にとって最も注意を引く棚の最も上にサンプルを置くことで、消費者の視線が棚の最も上に行き易くなる。消費者の視線が下方に動くにつれて、消費者は、上述したツールや実際の製品(収容体)を認識する。これにより、商品の販売を促進する効果がより得られる。
【0036】
一態様によれば、特定の吸収性物品を収容した収容体に対応付けられた販売促進用のツールは、前記吸収性物品の吸収容量に対応する容量を有する液状又はジェル状の物質を含む。
【0037】
販売促進用のツールは、吸収性物品が液体を吸収できる吸収容量に対応する容量を有する液状又はジェル状の物質を含む。これにより、消費者は、液状又はジェル状の物質を見ることによって、ツールに対応付けられた吸収性物品の吸収容量を視覚的に把握することができる。したがって、消費者は、店頭にてツールに対応付けられた吸収性物品の吸収容量を具体的にイメージし易く、棚に陳列された特定の吸収性物品(収容体)が自分自身に適したものであるかどうかを判断し易くなる。
【0038】
特に、吸収性物品が失禁用パッドやおりものシート等である場合、消費者は、自分自身が排出する体液の量を視覚的に把握していることがある。このような場合、消費者は、吸収容量に対応する容量を有する液状又はジェル状の物質を含むツールを見ることによって、棚に陳列された特定の吸収性物品(収容体)が自分自身に適したものであるかどうかを判断し易くなる。
【0039】
また、消費者は、販売促進用のツールを持つことによって、吸収性物品の吸収容量を、液状又はジェル状の物質の重量によっても感じることができる。これにより、消費者に、自分自身に合った吸収性物品(収容体)であるかどうかを思考させることができる。
【0040】
さらに、消費者は、見慣れない新規なツールを見ることにより、実際の吸収性物品(収容体)に興味を持つ。これにより、商品の販売を促進する効果が得られる。
【0041】
好ましい一態様によれば、前記ツールは、液状又はジェル状の物質の容量に対応する吸収容量を有する吸収性物品の前記吸収容量を示す数字を有し、前記収容体は、前記収容体によって収容された吸収性物品の吸収容量を示す数字を有する。
【0042】
本態様によれば、ツールと収容体が吸収容量を示す同一の数字を有するので、消費者は、特定の販売促進用のツールに対応する収容体(吸収性物品)を容易に特定することができる。これにより、消費者は、陳列用の棚から、特定の吸収性物品を容易に見つけることができる。
【0043】
好ましい一態様に係るツールよれば、前記ツールの前記数字のフォント、前記ツールの前記数字の背景の色、前記ツールの前記数字の背景の模様のうちの少なくとも1つは、前記収容体の前記数字のフォント、前記収容体の前記数字の背景の色、前記収容体の前記数字の背景の模様のうちの少なくとも1つと同じである。
【0044】
本態様によれば、消費者は、特定の販売促進用のツールに対応する収容体(吸収性物品)をより容易に特定することができる。これにより、消費者は、陳列用の棚から、特定の吸収性物品をより容易に見つけることができる。
【0045】
好ましい一態様に係るツールよれば、前記ツールは、前記液状又はジェル状の物質の後側に、前記液状又はジェル状の物質を通して視認可能な文字であって前記収容体に対応付けられた文字を有する。
【0046】
液状又はジェル状の物質を通して視認可能な文字が、そのツールに対応する吸収性物品を収容した収容体に対応付けられた文字、例えば商品名等であるため、消費者は、ツールに対応する商品(収容体)を棚からより容易に見つけることができる。
【0047】
また、液状又はジェル状の物質を通して視認可能な領域は、消費者の注意を惹きやすい領域であるため、消費者へ情報、例えば商品名を与える効果が高いという利点も得られる。
【0048】
好ましい一態様に係るツールによれば、前記液状又はジェル状の物質は可撓性のフィルムに包まれている。
【0049】
液状又はジェル状の物質が可撓性のフィルムに包まれていると、触感に優れたツールが提供される。具体的には、消費者がフィルムに包まれた液状又はジェル状の物質を押すと、フィルムに包まれた液状又はジェル状の物質が変形する。これにより、消費者は、ツールを触りたいという感情を覚え、実際の商品(収容体)にも興味を持つことがある。これにより、商品の販売を促進する効果が得られる。
【0050】
一態様に係る収容体は、特定の容量を有する液状又はジェル状の物質を含む販売促進用のツールに対応する吸収容量を有する吸収性物品を収容している。
【0051】
本態様に係る吸収性物品を収容した収容体は、特定の容量を有する液状又はジェル状の物質を含む販売促進用のツールと対応付けられている。具体的には、吸収性物品の吸収容量が、販売促進用のツールの液状又はジェル状の物質の容量と対応づけられている。これにより、消費者は、ツールの液状又はジェル状の物質を見ることによって、視覚的に吸収性物品の吸収容量を把握することができる。したがって、吸収性物品を収容した収容体と上記ツールが両方店頭に陳列されている場合に、消費者は、ツールによって吸収性物品の吸収容量を具体的にイメージし易く、その吸収性物品が自分自身に適したものであるかどうかを判断し易くなる。
【0052】
好ましい一態様に係る収容体によれば、前記ツールは、液状又はジェル状の物質の容量に対応する吸収容量を有する吸収性物品の前記吸収容量を示す数字を有し、前記収容体は、前記収容体によって収容された吸収性物品の吸収容量を示す数字を有し、前記収容体の前記数字のフォント、前記収容体の前記数字の背景の色、前記収容体の前記数字の背景の模様のうちの少なくとも1つが、前記ツールの前記数字のフォント、前記ツールの前記数字の背景の色、前記ツールの前記数字の背景の模様のうちの少なくとも1つと同じである。
【0053】
本態様によれば、消費者は、吸収性物品を収容した収容体が、どの販売促進用のツールと対応しているかを視覚的により容易に特定することができる。これにより、消費者は、特定の吸収性物品に対応するツールをより容易に見つけることができる。したがって、ツールの液状又はジェル状の物質を見ることにより、それに対応する吸収性物品が自分自身に適したものであるかどうかを把握することができる。
【0054】
(2)陳列体の構成
以下、図1図5を参照して、一実施形態に係る陳列体について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0055】
図1は、一実施形態に係る陳列体の模式図である。陳列体10は、吸収性物品を収容した収容体300a,300bと、販売促進用のツール200a,200bと、収容体300a,300bとツール200a,200bを陳列する棚100と、を有する。吸収性物品は、特に限定されないが、失禁用パッドやおりものシート等であってよい。吸収性物品は、特に、購買能力を有する消費者自身によって使用されるものであることが好ましい。
【0056】
より具体的には、陳列体10は、互いに異なる吸収容量を有する吸収性物品を収容した複数の収容体300a,300bと、互いに異なる容量を有する液状又はジェル状の物質220a,220bを含む複数のツール200a,200bと、を有する。
【0057】
棚100は、ツール200a,200b及び収容体300a,300bを陳列可能であれば、どのような構成であってもよい。好ましくは、棚100は、高さ方向に商品を複数段に並べられ、かつ水平方向に商品を複数並べられるように構成されている。
【0058】
図2は、販売促進用のツール200aを示す模式図である。図3は、販売促進用のツール200bを示す模式図である。図4は、図2に示す販売促進用のツール200aに対応する吸収性物品を収容した収容体300aの一例を示す模式図である。図5は、図3に示す販売促進用のツール200bに対応する吸収性物品を収容した収容体300bの一例を示す模式図である。
【0059】
収容体300a,300bは、複数の吸収性物品を収容する包装シート303を有する。収容体300a,300bは、収容体によって収容された吸収性物品の吸収容量を示す数字310a,310bを有することが好ましい。この数字310a,310bは、包装シート303に記載されていてよい。ここで、吸収性物品の吸収容量は、吸収性物品が液体(使用者の体液)を吸収可能な容量であり、予め決められた設計値である。
【0060】
また、包装シート303には、収容体の種類を示す文字、例えば収容体の商品名が記載されている。
【0061】
販売促進用のツール200a,200bは、保持体202と、液状又はジェル状の物質220a,220bと、を含む。保持体202は、ツール200a,200bを棚100に設置可能に構成されている。保持体202は、例えば厚紙によって構成することができる。例えば、保持体202は、棚100の前面に直接取り付け可能に構成されていてもよく、或いは不図示の紐によって棚100に取り付け可能に構成されていてもよい。
【0062】
液状又はジェル状の物質220a,220bは、可撓性のフィルムに包まれていることが好ましい。可撓性のフィルムとしては、例えば塩化ビニル樹脂からなるフィルムを挙げることができる。可撓性のフィルムに包まれた液状又はジェル状の物質220a,220bは、保持体202に保持されている。液状又はジェル状の物質220a,220bが可撓性のフィルムに包まれていると、触感に優れたツール200a,200bが提供される。具体的には、消費者がフィルムに包まれた液状又はジェル状の物質220a,220bを押すと、フィルムに包まれた液状又はジェル状の物質220a,220bが変形する。これにより、消費者は、ツールを触りたいという感情を覚え、実際の商品(収容体)にも興味を持つことがある。これにより、商品の販売を促進する効果が得られる。
【0063】
特に、ジェル状の物質は、消費者に対してより優れた触感を与えるという観点からより好ましい。
【0064】
なお、フィルムに包まれた液状又はジェル状の物質220a,220bを押したときの触感を向上させる観点から、密閉された可撓性のフィルム内の気体(空気)の体積は、密閉された可撓性のフィルム内の液状又はジェル状の物質220a,220bの体積の5%以下であることが好ましい。
【0065】
液状又はジェル状の物質220a,220bは、それぞれのツールに対応する吸収性物品の吸収容量に対応する容量を有する。本実施形態では、第1のツール200aが、第1の吸収性物品を収容した収容体300aに対応し、第2のツール200bが、第2の吸収性物品を収容した収容体300bに対応する。ここで、第1の吸収性物品の吸収容量は、一例として3ccである。また、第2の吸収性物品の吸収容量は、一例として50ccである。したがって、第1のツール200aは、実質的に3ccの液状又はジェル状の物質220aを有する。さらに、第2のツール200bは、実質的に50ccの液状又はジェル状の物質220aを有する。
【0066】
このように、各々のツール200a,200bの液状又はジェル状の物質220a,220bの容量は、各々の収容体300a,300bに収容された吸収性物品の吸収容量に対応している。
【0067】
本実施形態では、液状又はジェル状の物質220a,220bの容量は、それらに対応する吸収性物品の吸収容量と実質的に一致している。この代わりに、液状又はジェル状の物質の容量は、それらに対応する吸収性物品の吸収容量に対して20%程度の誤差を有していてもよい。
【0068】
販売促進用のツール200a,200bが吸収性物品の吸収容量に対応する容量を有する液状又はジェル状の物質220a,220bを含むことにより、消費者は、液状又はジェル状の物質220a,220bを見ることによって、視覚的に吸収性物品の吸収容量を把握することができる。したがって、消費者は、棚100に陳列された吸収性物品(収容体)の吸収容量を具体的にイメージし易く、棚100に陳列された特定の吸収性物品が自分自身に適したものであるかどうかを判断し易くなる。
【0069】
特に、吸収性物品が失禁用パッドやおりものシート等である場合、消費者は、自分自身が排出する体液の量を視覚的に把握していることがある。このような場合、消費者は、吸収容量に対応する容量を有する液状又はジェル状の物質220a,220bを含むツール200a,200bを見ることによって、棚100に陳列された特定の吸収性物品(収容体)が自分自身に適したものであるかどうかを判断し易くなる。
【0070】
また、消費者は、販売促進用のツール200a,200bを持つことによって、吸収性物品の吸収容量を、液状又はジェル状の物質220a,220bの重量によっても感じることができる。これにより、消費者に、自分自身に合った吸収性物品(収容体)であるかどうかを思考させることができる。なお、このような観点から、液状又はジェル状の物質220a,220bの密度は、体液の密度に近いことが好ましい。具体的には、液状又はジェル状の物質220a,220bの密度は、0.7〜2.0g/Lの範囲であることが好ましい。
【0071】
さらに、消費者は、見慣れない新規なツール200a,200bを見ることにより、実際の吸収性物品(収容体)に興味を持つ。これにより、吸収性物品の販売を促進する効果が得られる。
【0072】
ツール200a,200bは、液状又はジェル状の物質の容量220a,220bに対応する吸収容量を有する吸収性物品の吸収容量を示す数字210a,210bを有することが好ましい。
【0073】
本態様によれば、ツール200a,200bと収容体300a,300bが吸収容量を示す同一の数字を有するので、消費者は、特定の販売促進用のツール200a,200bに対応する収容体(吸収性物品)を容易に特定することができる。これにより、消費者は、陳列用の棚から、特定の吸収性物品を容易に見つけることができる。
【0074】
ツール200a,200bの数字210a,210bのフォント、ツール200a,200bの数字の背景212a,212bの色、ツール200a,200bの数字の背景212a,212bの模様のうちの少なくとも1つが、収容体300a,300bの数字310a,310bのフォント、収容体300a,300bの数字の背景312a,312bの色、収容体300a,300bの数字の背景312a,312bの模様のうちの少なくとも1つと同じであることが好ましい。
【0075】
本実施形態では、具体的には、第1のツール200aに付された数字210aのフォントと、第1の収容体300aに付された数字310aのフォントが同じであり、第2のツール200bに付された数字210bのフォントと、第2の収容体300bに付された数字310bのフォントが同じである。さらに、第1のツール200aに付された数字210aの背景212aの色と、第1の収容体300aに付された数字310aの背景312aの色が同じであり、第2のツール200bに付された数字210bの背景212bの色と、第2の収容体300aに付された数字310bの背景312bの色が同じである。なお、背景312a,312bの色は、互いに異なる吸収容量を有する吸収性物品を収容した収容体ごとに異なっている。
【0076】
本態様によれば、消費者は、特定の販売促進用のツールに対応する収容体(吸収性物品)をより容易に特定することができる。これにより、消費者は、陳列用の棚から、特定の吸収性物品をより容易に見つけることができる。
【0077】
ツール200a,200bは、液状又はジェル状の物質220a,220bの後側に、液状又はジェル状の物質220a,220bを通して視認可能な文字であって収容体に対応付けられた文字230を有する。文字230は、例えば、ツールに対応づけられた吸収性物品の商品名であってよい。
【0078】
液状又はジェル状の物質220a,220bを通して視認可能な文字が、そのツールに対応する吸収性物品を収容した収容体に対応付けられた文字230、例えば商品名等であるため、消費者は、ツールに対応する吸収性物品(収容体)を棚100からより容易に見つけることができる。
【0079】
また、液状又はジェル状の物質220a,220bは、消費者の目を惹き、消費者によって触られ易いところであるため、液状又はジェル状の物質220a,220bを通して視認可能な文字は、消費者の注意を惹きやすい。したがって、消費者へ情報、例えば商品名を与える効果が高く、消費者に自然と商品を想起させることができるようになるという利点も得られる。特に、液状又はジェル状の物質220a,220bを通して視認可能な文字が、液状又はジェル状の物質220a,220bの中央に配置されている場合、消費者にその文字230から得られる情報、例えば商品名を想起させ易くすることができる。
【0080】
液状又はジェル状の物質220a,220bは、青緑系、青系又は青紫系の色を有することが好ましい。青緑系、青系又は青紫系の色とは、マンセル表色系によって「BG」、「B」又は「PB」によって表される色相に属する色を意味する。これにより、液状又はジェル状の物質220a,220bが体液のような液体に対応付けられているということを消費者に対して視覚的に表すことができる。また、液状又はジェル状の物質220a,220bを目立たせることができる。
【0081】
ツール200a,200bは、初めて購入する消費者向けのものであることを示すマーク240を有していてもよい。これにより、初めて吸収性物品を購入する消費者、すなわち商品に関する理解が乏しい消費者に対して商品購入をサポートできるツール200a,200bであることを示すことができる。特に初めて失禁用パッドやおりものシートを購入する消費者は、どのくらい体液を排出するかを視覚的に認識しているが、どの吸収性物品が適切かということまでわかっていないことが多い。そのため、ツール200a,200bを吸収性物品の購入に伴う処方箋として利用することができる。
【0082】
複数のツール200a,200bは、棚100に、第1方向に並んで配列されていてよい。また、ツール200a,200bに対応する複数の収容体300a,300bは、棚100に、第1方向、すなわちツール200a,200bの配列方向と同じ方向に並んで配列されている。一例として、第1方向は、水平方向である。ツール200a,200bは、対応する収容体(吸収性物品)300a,300bの付近に配置されることが好ましい。
【0083】
複数の収容体300a,300bの配列の順序は、収容体300a,300bに対応するツール200a,200bの配列の順序と同じである。本実施形態では、吸収容量の小さい吸収性物品を収容した収容体ほど図1の左側に配置されている。さらに、吸収容量の小さい吸収性物品に対応したツールほど図1の左側に配置されている。
【0084】
棚に陳列された商品を見る消費者の視線は、あるところから一方向に連続的に移動することが多いため、複数の収容体300a,300bの配列の順序が、それらの収容体に対応するツールの配列の順序と同じであることによって、消費者は、ツールに対応する吸収性物品(収容体)を棚100からより容易に見つけることができる。
【0085】
複数の収容体300a,300bは、水平方向に並べられており、複数のツール200a,200bは、複数の収容体300a,300bの上又は下に陳列されていることが好ましい。より好ましくは、複数のツール200a,200bは、棚100における収容体300a,300bが置かれた段と、その段の上側又は下側に隣接する段との間に配置される。
【0086】
これにより、陳列用の棚100を上から下、又は下から上に見た消費者が、ツール200a,200bと収容体(吸収性物品)300a,300bとを容易に対応づけることができる。特に、消費者の視線は、陳列用の棚100の上から下、又は下から上に連続的に移動することが多いので、ツール200a,200bが収容体300a,300bの上又は下に配置されていることにより、消費者は、ツール200a,200bに対応する吸収性物品(収容体)を棚100からより容易に見つけることができる。
【0087】
収容体300a,300bに収容された吸収性物品のサンプル400a,400bが、棚100の最も上に配置されている。サンプル400a,400bの下に、ツール200a,200b及び収容体300a,300bが配置されている。
【0088】
消費者にとって最も注意を引く棚100の最も上にサンプル400a,400bを置くことで、消費者の視線が棚100の最も上に行き易くなる。消費者の視線が下方に動くにつれて、消費者は、上述したツール200a,200bや実際の商品(収容体)300a,300bを認識する。これにより、商品の販売を促進する効果がより得られる。特に、複数のツール200a,200bが複数の収容体300a,300bの上又は下に陳列されている場合には、消費者の視線が、最も上のサンプル400a,400bから下に移動するにつれて、消費者は、サンプルに対応する吸収性物品(収容体)とツール200a,200bとを見つけることができる。これにより、消費者の目線の一連の動きの範囲に、サンプル400a,400b、収容体300a,300b、ツール200a,200bが存在することで、消費者は、ツールに対応する吸収性物品(収容体)を棚からより容易に見つけることができる。
【0089】
サンプル400a,400bは、収容体300a,300bに収容された実際の吸収性物品そのものであってもよい。この代わりに、サンプル400a,400bは、収容体300a,300bに収容された実際の吸収性物品の一部であってもよい。
【0090】
サンプル400a,400bは、各々のサンプルに対応する吸収性物品を収容した収容体300a,300bと同じ順序で同一方向に並んでいてもよい。この場合、消費者は、どのサンプル400a,400bがどの収容体300a,300bに対応づけられているかわかり易くなる。
【0091】
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0092】
10 陳列体
100 棚
200a,200b 販売促進用のツール
220a,220b 液状又はジェル状の物質
300a,300b 収容体
400a,400b サンプル
【要約】
【課題】吸収性物品の吸収容量を消費者によりわかり易くする。
【解決手段】陳列体10は、吸収性物品を収容した収容体300a,300bと、販売促
進用のツール200a,200bと、収容体とツールを陳列する棚100と、を有する。
ツール200a,200bは、吸収性物品の吸収容量に対応する容量を有する液状又はジ
ェル状の物質を含む、陳列体。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5