特許第6148160号(P6148160)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6148160
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】ウエーハの加工方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20170607BHJP
【FI】
   H01L21/78 S
   H01L21/78 L
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-240945(P2013-240945)
(22)【出願日】2013年11月21日
(65)【公開番号】特開2015-103556(P2015-103556A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年9月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100186897
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 さやか
(72)【発明者】
【氏名】関家 一馬
(72)【発明者】
【氏名】田渕 智隆
【審査官】 宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−108429(JP,A)
【文献】 特開2010−125782(JP,A)
【文献】 特開平10−193190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に格子状に形成された分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハを分割予定ラインに沿って分割するウエーハの加工方法であって、
分割予定ラインに対応して格子状に形成された仕切り部を備えた枠体を準備する枠体準備工程と、
ウエーハの表面または裏面にパウダー状の樹脂を敷設するとともに該枠体の仕切り部を分割予定ラインに対応して位置付けることにより、ウエーハの表面または裏面における分割予定ラインに対応する領域以外の領域をパウダー状の樹脂で被覆する樹脂被覆工程と、
該樹脂被覆工程が実施されたウエーハの表面または裏面に被覆されたパウダー状の樹脂を溶融して固化した後に該枠体を除去することにより、分割予定ラインに対応する領域以外の領域をマスキングするマスキング工程と、
該マスキング工程が実施されたウエーハをプラズマエッチングすることにより、分割予定ラインに沿って個々のデバイス分割するエッチング工程と、を含む、
ことを特徴とするウエーハの加工方法。
【請求項2】
該樹脂被覆工程は、該枠体の仕切り部を分割予定ラインに対応して位置付けて該枠体に超音波振動を付与することにより、ウエーハの表面または裏面に敷設されたパウダー状の樹脂を分割予定ラインに対応する領域から除去する、請求項1記載のウエーハの加工方法。
【請求項3】
該樹脂被覆工程は、該枠体の仕切り部を分割予定ラインに対応して位置付けた状態でパウダー状の樹脂を敷設する、請求項1記載のウエーハの加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に格子状に形成された分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハを分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割するウエーハの加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列された分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切断することによりデバイスが形成された領域を分割して個々のデバイスを製造している。
【0003】
上述した半導体ウエーハの分割予定ラインに沿った切断は、通常、ダイサーと呼ばれている切削装置によって行われている。この切削装置は、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削するための切削ブレードを備えた切削手段と、チャックテーブルと切削手段とを相対的に移動せしめる加工送り手段とを具備し、切削ブレードを回転しつつ被加工物を保持したチャックテーブルを加工送りすることにより、ウエーハを分割予定ラインに沿って切断する。
【0004】
しかるに、上述した切削装置の切削ブレードによってウエーハを切断すると、分割された個々のチップの外周に細かな欠けが生じやすく、チップの抗折強度を低下させる原因となっている。このような問題を解消するために、ウエーハの裏面にレジスト膜を被覆し、該レジスト膜の分割予定ラインに対応する領域を露光することにより現像して除去し、その後、ウエーハをレジスト膜側からプラズマエッチング等によって分割予定ラインに沿ってエッチングすることにより、ウエーハを分割予定ラインに沿って分割する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
上述したプラズマエッチングによってウエーハを分割予定ラインに沿って分割する方法は、切削ブレードによる切削と異なり分割溝に沿って欠けが生ずることがなくデバイスの抗折強度を向上させることができるとともに、ウエーハの直径が450mm、600mmと大口径になっても全ての分割予定ラインを同時進行でエッチングして個々のデバイスに分割できるので生産性が向上するというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−120834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
而して、上述したプラズマエッチングによってウエーハを分割予定ラインに沿って分割する方法は、ウエーハの裏面に被覆されたレジスト膜の分割予定ラインに対応する領域を露光して除去するための露光装置および現像装置が必要となり、設備費が高価になるという問題がある。
【0008】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、露光装置および現像装置を用いることなくプラズマエッチングによってウエーハを分割予定ラインに沿って分割することができるウエーハの加工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、表面に格子状に形成された分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハを分割予定ラインに沿って分割するウエーハの加工方法であって、
分割予定ラインに対応して格子状に形成された仕切り部を備えた枠体を準備する枠体準備工程と、
ウエーハの表面または裏面にパウダー状の樹脂を敷設するとともに該枠体の仕切り部を分割予定ラインに対応して位置付けることにより、ウエーハの表面または裏面における分割予定ラインに対応する領域以外の領域をパウダー状の樹脂で被覆する樹脂被覆工程と、
該樹脂被覆工程が実施されたウエーハの表面または裏面に被覆されたパウダー状の樹脂を溶融して固化した後に該枠体を除去することにより、分割予定ラインに対応する領域以外の領域をマスキングするマスキング工程と、
該マスキング工程が実施されたウエーハをプラズマエッチングすることにより、分割予定ラインに沿って個々のデバイス分割するエッチング工程と、を含む、
ことを特徴とするウエーハの加工方法が提供される。
【0010】
上記樹脂被覆工程は、枠体の仕切り部を分割予定ラインに対応して位置付けて枠体に超音波振動を付与することにより、ウエーハの表面または裏面に敷設されたパウダー状の樹脂を分割予定ラインに対応する領域から除去する。
また、上記樹脂被覆工程は、枠体の仕切り部を分割予定ラインに対応して位置付けた状態でパウダー状の樹脂を敷設する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるウエーハの加工方法においては、ウエーハに形成された分割予定ラインに対応して格子状に形成された仕切り部を備えた枠体を準備する枠体準備工程と、ウエーハの表面または裏面にパウダー状の樹脂を敷設するとともに枠体の仕切り部を分割予定ラインに対応して位置付けることにより、ウエーハの表面または裏面における分割予定ラインに対応する領域以外の領域をパウダー状の樹脂で被覆する樹脂被覆工程と、樹脂被覆工程が実施されたウエーハの表面または裏面に被覆されたパウダー状の樹脂を溶融して固化した後に枠体を除去することにより、分割予定ラインに対応する領域以外の領域をマスキングするマスキング工程と、マスキング工程が実施されたウエーハをプラズマエッチングすることにより、分割予定ラインに沿って個々のデバイス分割するエッチング工程とを含んでいるので、露光装置および現像装置が不要となり、設備費を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明によるウエーハの加工方法によって分割されるウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図。
図2】本発明によるウエーハの加工方法において用いる分割予定ラインに対応して格子状に形成された仕切り部を備えた枠体の斜視図および要部を拡大して示す断面図。
図3】本発明によるウエーハの加工方法の樹脂被覆工程におけるパウダー状樹脂敷設工程の説明図。
図4】本発明によるウエーハの加工方法の樹脂被覆工程における樹脂除去工程の説明図。
図5】本発明によるウエーハの加工方法における樹脂被覆工程の他の実施形態を示す説明図。
図6】本発明によるウエーハの加工方法におけるマスキング工程の説明図。
図7】本発明によるウエーハの加工方法におけるエッチング工程を実施するためのプラズマエッチング装置の断面図。
図8】本発明によるウエーハの加工方法におけるエッチング工程が実施されたウエーハの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明によるウエーハの加工方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1には、本発明に従って加工される被加工物であるウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図が示されている。図1に示す半導体ウエーハ2は、例えば厚みが100μmのシリコンウエーハからなっており、表面2aに複数の分割予定ライン21が格子状に形成されているとともに、該複数の分割予定ライン21によって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイス22が形成されている。なお、半導体ウエーハ2の外周には、表面2aから裏面2bに渡り結晶方位を表すノッチ23が形成されている。
以下、この半導体ウエーハ2を分割予定ライン21に沿って個々のデバイス22に分割するウエーハの加工方法について説明する。
【0015】
本発明によるウエーハの加工方法においては、半導体ウエーハ2に形成された分割予定ライン21に対応して格子状に形成された仕切り部を備えた枠体を準備する(枠体準備工程)。この枠体について図2の(a)および(b)を参照して説明する。図2の(a)および(b)に示す枠体3は、上記分割予定ライン21に対応して格子状に形成された仕切り部31を備えている。従って、仕切り部31によって区画された領域32は中空となる。この枠体3は、金属またはシリコンによって形成されており、外周には上記半導体ウエーハ2の外周に形成されたノッチ23と対応する合いマークとしての凹溝33が形成されている。このように構成された枠体3の仕切り部31には、フッ素樹脂コーティング等の離型処理が施されている。
【0016】
次に、半導体ウエーハ2の表面または裏面にパウダー状の樹脂を敷設するとともに枠体3の仕切り部31を分割予定ライン21に対応して位置付けることにより、半導体ウエーハ2の表面または裏面における分割予定ライン21に対応する領域以外の領域をパウダー状の樹脂で被覆する樹脂被覆工程を実施する。この樹脂被覆工程を実施するには、先ず半導体ウエーハ2の表面または裏面にマスキング用のパウダー状の樹脂を敷設する(パウダー状樹脂敷設工程)。このパウダー状樹脂敷設工程は、図3の(a)に示すように保持テーブル4上に図示の実施形態においては半導体ウエーハ2の裏面2b側を剥離可能なノリによって貼着して保持する。従って、保持テーブル4上に保持された半導体ウエーハ2は、表面2aが上側となる。このようにして、保持テーブル4上に半導体ウエーハ2を保持したならば、図3の(a)に示すようにパウダー状樹脂供給手段5を保持テーブル4上に保持された半導体ウエーハ2上に位置付けて作動することにより、図3の(b)に示すように保持テーブル4上に保持された半導体ウエーハ2の表面2aにパウダー状の樹脂50が敷設される。半導体ウエーハ2の表面2aに敷設するパウダー状の樹脂50の厚さは、50μm程度でよい。なお、パウダー状の樹脂50としては、プラズマエッチングガスによってエッチングされないエポキシ樹脂をパウダー状にしたものを用いることができる。
【0017】
上述したパウダー状樹脂敷設工程を実施したならば、図4の(a)および(b)で示すように枠体3の仕切り部31を分割予定ライン21に対応して位置付けパウダー状の樹脂50に押圧する。このとき、枠体3の外周に形成された凹溝33を半導体ウエーハ2の外周に形成されたノッチ23と対応するように位置付ける。この結果、パウダー状の樹脂50における分割予定ライン21に対応する領域が除去され、分割予定ライン21に対応する領域以外の領域がパウダー状の樹脂50で被覆される(樹脂除去工程)。この樹脂除去工程を実施する際には、枠体3に超音波振動を付与することにより、半導体ウエーハ2の表面または裏面に敷設されたパウダー状の樹脂を分割予定ライン21に対応する領域から除去することが望ましい。
【0018】
ここで、樹脂被覆工程の他の実施形態について、図5を参照して説明する。
樹脂被覆工程の他の実施形態においては、図5の(a)に示すように枠体3の仕切り部31を分割予定ライン21に対応して位置付ける。次に図5の(b)に示すようにパウダー状樹脂供給手段5を作動して枠体3の上方からパウダー状の樹脂50を供給する。この結果、図5の(c)に示すように枠体3の仕切り部31によって区画された中空の領域32にパウダー状の樹脂50が敷設される。
【0019】
次に、樹脂被覆工程が実施された半導体ウエーハ2の表面または裏面(図示の実施形態においては表面2a)に被覆されたパウダー状の樹脂50を溶融して固化した後に枠体3を除去することにより、分割予定ライン21に対応する領域以外の領域をマスキングするマスキング工程を実施する。なお、以下において説明する実施形態のマスキング工程は、上記図3および図4に示す樹脂被覆工程が実施された半導体ウエーハ2に対して実施する例を示す。このマスキング工程は、先ず半導体ウエーハ2の表面または裏面(図示の実施形態においては表面2a)に被覆されたパウダー状の樹脂50を溶融して固化する樹脂溶融固化工程を実施する。この樹脂溶融固化工程は、図6の(a)で示すように上記樹脂被覆工程が実施された状態で、半導体ウエーハ2の上側に位置付けられた枠体3の上方から加熱ヒーター6を作動してパウダー状の樹脂50(図4の(b)参照)を加熱する。この結果、図6の(b)で示すようにパウダー状の樹脂50が溶融固化せしめられ樹脂膜500が形成される。このようにして樹脂溶融固化工程を実施したならば、図6の(c)で示すように枠体3を半導体ウエーハ2から除去することにより分割予定ライン21に対応する領域以外の領域に樹脂膜500が形成される(枠体除去工程)。このとき、枠体3の仕切り部31にはフッ素樹脂コーティング等の離型処理が施されているので、枠体3を取り外す際に仕切り部31に樹脂膜500が付着することがなく、仕切り部31に樹脂膜500が付着することによるバリの発生を防止することができる。以上のようにして樹脂溶融固化工程および枠体除去工程からなるマスキング工程を実施することにより、半導体ウエーハ2の表面2aには、図6の(d)で示すように分割予定ライン21に対応する領域以外の領域が樹脂膜500によってマスキングされる。
【0020】
次に、上述したマスキング工程が実施された半導体ウエーハ2をプラズマエッチングすることにより、分割予定ライン21に沿って個々のデバイス分割するエッチング工程を実施する。このエッチング工程は、図7に示すプラズマエッチング装置を用いて実施する。図7に示すプラズマエッチング装置7は、装置ハウジング71と、該装置ハウジング71内に上下方向に対向して配設された下部電極72と、上部電極73を具備している。下部電極72は、円盤状の被加工物保持部721と、該被加工物保持部721の下面中央部から突出して形成された円柱状の支持部722とからなっている。なお、支持部722には、高周波電圧印加手段74に接続されている。
【0021】
上記上部電極73は、円盤状のガス噴出部731と、該ガス噴出部731の上面中央部から突出して形成された円柱状の支持部732とからなっており、支持部732が高周波電圧印加手段74に接続されている。このようにガス噴出部731と円柱状の支持部732とからなる上部電極73は、ガス噴出部731が下部電極72を構成する被加工物保持部721と対向して配設されている。上部電極73を構成する円盤状のガス噴出部731には、下面に開口する複数の噴出口731aが設けられている。この複数の噴出口731aは、ガス噴出部731に形成された連通路731bおよび支持部732に形成された連通路732aを介してガス供給手段75に連通されている。ガス供給手段75は、六フッ化イオウ(SF6)等のプラズマ化用ガスを供給するようになっている。
【0022】
以上のよう構成されたプラズマエッチング装置7を用いて上記エッチング工程を実施するには、下部電極72を構成する被加工物保持部721上に上記マスキング工程が実施された半導体ウエーハ2を保持した保持テーブル4を載置する。従って、被加工物保持部721上に載置された保持テーブル4に保持されている半導体ウエーハ2は、表面に被覆された樹脂膜500が上側となる。
【0023】
次に、ガス供給手段75を作動してプラズマ化するプラズマ化用ガスを上部電極73に供給する。ガス供給手段75から供給されたプラズマ化用ガスは、支持部732に形成された連通路732aおよびガス噴出部731に形成された連通路731bを通して複数の噴出口731aから下部電極72の被加工物保持部721上に保持された半導体ウエーハ2の表面(上面)に向けて噴出される。このようにプラズマ化用ガスを供給した状態で、高周波電圧印加手段74から下部電極72と上部電極73との間に高周波電圧を印加する。これにより、プラズマ化用ガスがプラズマ化して下部電極72と上部電極73との間の空間にプラズマが発生し、このプラズマ化した活性物質が半導体ウエーハ2の表面(上面)に作用する。この結果、半導体ウエーハ2は図8に示すように、上記マスキング工程が実施され樹脂膜500が除去されたエッチング領域としての分割予定ライン21に沿ってエッチングされ、分割予定ライン21に沿って個々のデバイス22に分割される。
このようにしてエッチング工程が実施され分割予定ライン21に沿って分割された個々のデバイス22は、保持テーブル4に保持された状態で次工程であるピックアップ工程に搬送される。
【0024】
以上のように本発明によるウエーハの加工方法においては、半導体ウエーハ2に形成された割予定ライン21に対応して格子状に形成された仕切り部31を備えた枠体3を準備する枠体準備工程と、半導体ウエーハ2の表面または裏面にパウダー状の樹脂を敷設するとともに枠体3の仕切り部31を分割予定ライン21に対応して位置付けることにより、半導体ウエーハ2の表面または裏面(図示の実施形態においては表面2a)における分割予定ライン21に対応する領域以外の領域をパウダー状の樹脂で被覆する樹脂被覆工程と、樹脂被覆工程が実施された半導体ウエーハ2の表面または裏面(図示の実施形態においては表面2a)に被覆されたパウダー状の樹脂を溶融して固化した後に枠体3を除去することにより、分割予定ライン21に対応する領域以外の領域をマスキングするマスキング工程と、マスキング工程が実施された半導体ウエーハ2をプラズマエッチングすることにより、分割予定ライン21に沿って個々のデバイスに分割するエッチング工程とからなっているので、露光装置および現像装置が不要となり、設備費を抑制することができる。
【符号の説明】
【0025】
2:半導体ウエーハ
21:分割予定ライン
22:デバイス
3:枠体
4:保持テーブル
5:パウダー状樹脂供給手段
6:加熱ヒーター
7:プラズマエッチング装置
72:下部電極
73:上部電極
74:高周波電圧印加手段
75:ガス供給手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8