(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プローブ高さ検出器は、前記プローブの先端に接触する接触面を有し、前記接触面に前記プローブの先端が接触したときの前記接触面の高さを前記プローブの先端の高さとして検出する接触式の検出器である請求項1に記載のプローバ。
前記プローブ高さ検出器の前記接触面は、前記プローブ位置検出カメラの高さに前記プローブ位置検出カメラのワーキングディスタンスを加えた高さよりも低い位置に設けられる請求項4に記載のプローバ。
前記プローブの先端の高さを検出するステップでは、前記プローブの先端に接触する接触面と、前記接触面への前記プローブの先端の接触を検出する線形可変差動変圧器と、を有する前記プローブ高さ検出器を用いて、前記プローブの先端の高さを検出する請求項7に記載のプローバの操作方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、プローブ位置検出カメラをZ軸方向に沿って上昇させた時に、オペレータの誤りやデータの入力間違え等によりプローブ位置検出カメラを上昇させすぎて、プローブとプローブ位置検出カメラとの衝突が発生する恐れがある。
【0008】
例えば、プローブカードを交換した後にプローブ位置検出カメラでプローブの先端を検出する場合には、プローブカードの交換によりプローブの長さ又は位置が変わるので、プローブ位置検出カメラとプローブとの衝突が発生することがある。なおプローブカードはチップ及び測定目的に応じて様々な種類が存在し、プローブカードの種類が変わるとプローブの長さが変わる場合がある。
【0009】
また例えば、オペレータ(又はユーザ)により構成データや品種パラメータなどの情報がプローバに入力され、その情報を使用してプローブ位置検出カメラを上昇させるが、その情報の入力を間違う場合がある。情報の入力を誤ってしまうと、その誤った情報に基づいて、プローブ位置検出カメラをZ軸方向に沿って上昇させてしまい、プローブとプローブ位置検出カメラとが衝突する場合がある。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、プローブとプローブ位置検出カメラとの衝突を防止するプローバ及びプローバの操作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の一の態様であるプローバは、ウエハの電極にプローブを接触させて検査を行うプローバであって、ウエハの電極とプローブとの相対的な位置合わせを行うためにプローブの先端位置を検出するプローブ位置検出カメラと、プローブ位置検出カメラとは別に設けられ、プローブ位置検出カメラの高さの基準となる基準面からのプローブの先端の高さを検出するプローブ高さ検出器と、プローブ高さ検出器の検出結果に基づいて、基準面からのプローブ位置検出カメラの高さを変化させる第1高さ調整機構と、を備える。
【0012】
本態様によれば、プローブ位置検出カメラとは別に設けられたプローブ高さ検出器によりプローブの先端の高さが検出され、検出されたプローブの先端の高さに基づいて第1高さ調整機構によりプローブ位置検出カメラの高さが変えられる。これにより、本態様は、プローブカードが入れ替えられたり、入力された情報(構成データ、品種パラメータ)に誤りがあったとしても、プローブ高さ検出器によりプローブの先端の高さの測定が行われるので、プローブの先端の高さが正確に検出され、プローブ位置検出カメラとプローブとの衝突の発生を防止することができる。
【0013】
好ましくは、プローブ高さ検出器は、プローブの先端に接触する接触面を有し、接触面にプローブの先端が接触したときの接触面の高さをプローブの先端の高さとして検出する接触式の検出器である。
【0014】
本態様によれば、プローブ高さ検出器は接触面を有し接触面をプローブの先端に接触させることにより、プローブの先端の高さを検出するので、プローブの先端の高さをより正確に早く検出することができる。
【0015】
好ましくは、プローブ高さ検出器は、接触面へのプローブの先端の接触を検出する線形可変差動変圧器を有している。
【0016】
本態様によれば、接触面に対するプローブの先端の接触の検出精度を向上させることができる。その結果、基準面からのプローブの先端の高さの測定精度を向上させることができる。また、接触面へのプローブの先端の接触に伴う接触面の移動量(押込量)及び接触に伴う押圧力を精度良く検出することができる。
【0017】
好ましくは、プローブ高さ検出器は、プローブ位置検出カメラと一体に設けられ、プローブ高さ検出器の接触面の高さは、プローブ位置検出カメラの対物レンズ端部の高さよりも高い位置に設けられる。
【0018】
本態様によれば、プローブ高さ検出器はプローブ位置検出カメラと一体に設けられているので、プローブ高さ検出器は、プローブ位置検出カメラの高さ調整機構により高さが変えられる。これにより、本態様は、プローブ高さ検出器の高さ調整機構を別途設ける必要がなく、高さ調整機構の数を減らすことができ高さ調整機構の制御の簡素化及びプローバの製造の簡素化を実現する。
【0019】
また本態様によれば、プローブ高さ検出器の接触面の高さは、プローブ位置検出カメラの高さよりも高い位置に設けられるので、プローブの先端がプローブ位置検出カメラに衝突する前にプローブ高さ検出器に接触するので、プローブ位置検出カメラとプローブの先端との衝突の発生を防止することができる。
【0020】
好ましくは、プローブ高さ検出器の接触面は、プローブ位置検出カメラの高さにプローブ位置検出カメラのワーキングディスタンスを加えた高さよりも低い位置に設けられる。
【0021】
本態様によれば、プローブ高さ検出器の接触面の高さは、プローブ位置検出カメラの高さにプローブ位置検出カメラのワーキングディスタンスを加えた高さよりも低い位置に設置されている。これにより、本態様は、プローブ位置検出カメラがプローブの先端を検出しているときに、プローブ高さ検出器がプローブの先端に接触して、プローブ位置検出カメラの検出動作の障害となることを防止する。
【0022】
好ましくは、プローブ高さ検出器は、プローブ位置検出カメラとは独立して設けられ、基準面からのプローブ高さ検出器の高さを変化させる第2高さ調整機構を更に備える。
【0023】
本態様によれば、プローブ高さ検出器はプローブ位置検出カメラとは独立して設けられており、プローブ高さ検出器の高さを変化させる高さ調整機構を備える。これにより本態様は、プローブ高さ検出器とプローブ位置検出カメラとが独立に高さ調整するので、より効率よくプローブの先端の高さを検出することができる。
【0024】
本発明の他の態様であるプローバの操作方法は、ウエハの電極にプローブを接触させて検査を行うプローバの操作方法であって、プローブ位置検出カメラとは別に設けられるプローブ高さ検出器を用いて、プローブ位置検出カメラの高さの基準となる基準面からのプローブの先端の高さを検出するステップと、プローブ高さ検出器の検出結果に基づいて、基準面からのプローブ位置検出カメラの高さを変化させるステップと、プローブ位置検出カメラを用いて、ウエハの電極とプローブとの相対的な位置合わせを行うためにプローブの先端位置を検出するステップと、を含む。
【0025】
好ましくは、プローブの先端の高さを検出するステップでは、プローブの先端に接触する接触面と、接触面へのプローブの先端の接触を検出する線形可変差動変圧器と、を有するプローブ高さ検出器を用いて、プローブの先端の高さを検出する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、プローブ位置検出カメラと、プローブ位置検出カメラとは別に設けられたプローブ高さ検出器とが設けられ、第1高さ調整機構はプローブ高さ検出器が検出したプローブの先端の高さに基づいて、プローブ位置検出カメラの高さを変化させるので、プローブ位置検出カメラとプローブとの衝突の発生を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面にしたがって本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0029】
<第1の実施形態>
図1は、本発明が適用されるウエハテストシステムの第1の実施形態を示した概略構成図である。同図に示すように、ウエハテストシステム100は、ウエハW上の各チップの電極にプローブ25を接触させるプローバ10と、プローブ25に電気的に接続され、電気的検査のために各チップに電流や電圧を印加し特性を測定するテスタ30とで構成される。
【0030】
プローバ10は、基台11と、その上に設けられた移動ベース12と、Y軸移動台13と、X軸移動台14と、Z軸移動・回転部15と、ウエハチャック16と、プローブ位置検出カメラ18と、プローブ高さ検出器20、高さ調整機構21、27と、ウエハアライメントカメラ19と、ヘッドステージ22と、ヘッドステージ22に設けられたカードホルダ23と、カードホルダ23に取り付けられるプローブカード24と、プローバ10及びテスタ30の各部を制御する制御部60(コンピュータ)と、を有する。プローブカード24には、プローブ25が設けられる。
【0031】
移動ベース12と、Y軸移動台13と、X軸移動台14と、Z軸移動・回転部15は、ウエハチャック16を3軸方向及びZ軸周りに回転する移動回転機構を構成する。移動回転機構については広く知られているので、ここでは説明を省略する。
【0032】
ウエハチャック16は、複数のチップが形成されたウエハWを真空吸着により保持し、また、ウエハチャック16の内部には、チップを高温状態、例えば、最高で150℃、又は低温状態、例えば最低で−40℃、で電気的特性検査が行えるように、加熱/冷却源としての加熱/冷却機構(加熱冷却機構)が設けられる。加熱/冷却機構としては、公知の適宜の加熱器/冷却器が採用できるものであり、例えば、面ヒータの加熱層と冷却流体の通路を設けた冷却層との二重層構造にしたものや、熱伝導体内に加熱ヒータを巻き付けた冷却管を埋設した一層構造の加熱/冷却装置など、様々のものが考えられる。また、電気加熱ではなく、熱流体を循環させるものでもよく、またペルチエ素子を使用してもよい。
【0033】
ウエハチャック16は、Z軸移動・回転部15の上に取り付けられており、上述した移動回転機構により3軸方向(X、Y、Z軸方向)に移動可能であると共に、Z軸周りの回転方向(θ方向)に回転可能である。
【0034】
ウエハWが保持されるウエハチャック16の上方には、プローブカード24が配置される。プローブカード24は、プローバ10の筺体の天板を構成するヘッドステージ22の開口部に取り付けられたカードホルダ23が装着される。
【0035】
プローブカード24は、検査するチップの電極配置に応じて配置されたプローブ25を有し、検査するチップに応じて交換される。なお、プローブカード24は、プローブ保持部の一例である。
【0036】
テスタ30は、テスタ本体31と、テスタ本体31に設けられたコンタクトリング32とを備えている。プローブカード24には、各プローブ25に接続される端子が設けられており、コンタクトリング32はこの端子に接触するように配置されたスプリングプローブを有する。テスタ本体31は、図示していない支持機構により、プローバ10に対して保持される。
【0037】
プローブ位置検出カメラ18は、ウエハWの電極とプローブ25との相対的な位置合わせを行うためにプローブ25の先端の位置を検出する。プローブ位置検出カメラ18は、X軸移動台14の上に取り付けられており、X軸移動台14及びY軸移動台13によりウエハチャック16と一体となってXY方向に移動可能である。また、プローブ位置検出カメラ18のZ軸方向の昇降駆動は、制御部60に制御される高さ調整機構21により行われる。プローブ位置検出カメラ18は、プローブカード24のプローブ25を下方から撮像してプローブ25の先端位置を検出する。プローブ25の先端の水平面内の位置(X及びY座標)はカメラの座標により検出され、垂直方向(Z軸方向)の位置、すなわちプローブ25の先端の高さ(プロービング高さ)はカメラの焦点位置で検出される。プローブ位置検出カメラ18による検出結果は、制御部60に入力される。プローブ位置検出カメラ18は、例えば対物レンズ18aを備えた針合せ顕微鏡を備えたカメラが使用される(
図2参照)。
【0038】
ウエハアライメントカメラ19は、プローブカード24が配置されるプローブ領域に隣接したアライメント領域に配置される。ウエハアライメントカメラ19は、図示しない支柱によって支持されており、図示しないカメラ昇降機構によってZ軸方向(上下方向)に移動可能である。このカメラ昇降機構は、公知の直線的な移動機構であればよく、例えばリニアガイド機構、ボールネジ機構等により構成されており、制御部60からの出力によって駆動される。ウエハアライメントカメラ19は、ウエハチャック16に保持されたウエハWを上方から撮像してウエハWの表面に形成されたチップの電極(チップ表面電極)の位置を検出する。ウエハアライメントカメラ19による検出結果は、制御部60に入力される。制御部60では、ウエハアライメントカメラ19で得られた情報とプローブ位置検出カメラ18で得られたプローブ25の先端の位置情報とをもとに、公知の画像処理技術を用いて、プローブ25とウエハWのチップの電極(チップ表面電極)のXY面内の二次元的な位置整合を自動で行う。
【0039】
プローブ高さ検出器20は、プローブ位置検出カメラ18とは別に設けられ、プローブ位置検出カメラ18の高さの基準となる基準面からのプローブ25の先端の高さを検出する。プローブ高さ検出器20は、いわゆる接触式の検出器であって、物理的にプローブ25の先端に接触することにより、プローブ25の先端の高さを検出する。プローブ高さ検出器20は、プローブ25の先端に物理的に接触して、プローブ25の先端の高さを検出できるものであれば特に限定されるものではなく、公知の技術が適用される。ここで、基準面とはプローバ10の全般において高さの基準となる面であり、任意に設定されるものである。例えば基準面は、X軸移動台14の上面に設定される。なお、プローブ高さ検出器20は物理的な接触によりプローブ25の先端を検出するものには限定されず、公知のプローブ25の先端を検出する技術も採用することができる。例えば、プローブ高さ検出器20は、非接触式の方法によりプローブ25の先端を検出してもよい。
【0040】
プローブ高さ検出器20は、接触面20aとセンサ機構20bとを備える(
図3参照)。接触面20aはプローブ25の先端に接触し、接触した時にセンサ機構20bに信号を出力する。そして、センサ機構20bは接触面20aから出力された信号と高さ調整機構27から出力されている高さに関する信号とを受信し、プローブの先端の高さに関する情報を制御部60に出力する。すなわちセンサ機構20bは、接触面20aにプローブ25の先端を接触させ、接触面20aにプローブ25の先端が接触した時点の接触面20aの高さをプローブ25の先端の高さとして制御部60に出力する。
【0041】
プローブ位置検出カメラ18の高さ調整機構21(第1高さ調整機構)は、制御部60の制御によってプローブ位置検出カメラ18をZ軸方向に沿って昇降駆動させる。高さ調整機構21は、プローバ10の制御部60(
図4)により制御されており、ユーザや制御部60に組み込まれたプログラムにより昇降駆動が制御される。例えば、高さ調整機構21は、プローブ高さ検出器20の検出結果に基づいて、基準面からのプローブ位置検出カメラ18の高さを変化させる。すなわち高さ調整機構21は、プローブ高さ検出器20が測定したプローブ25の先端の高さに基づいて、プローブ位置検出カメラ18をプローブ25の先端からワーキングディスタンス離れた高さに調整する。このように、プローブ高さ検出器20が一度検出したプローブの先端の高さを使用してプローブ位置検出カメラの高さが調整されるので、プローブ位置検出カメラ18を上昇させすぎてしまうことが防止され、プローブ位置検出カメラ18がZ軸方向に沿った昇降駆動によりプローブ25の先端に衝突することを防止することができる。
【0042】
プローブ高さ検出器20の高さ調整機構27(第2高さ調整機構)は、プローブ高さ検出器20をZ軸に沿って昇降駆動させる。高さ調整機構27は、上述した高さ調整機構21とは独立して設けられており、高さ調整機構21と同様に制御部60に制御されて、プローブ高さ検出器20を昇降駆動させる。
【0043】
制御部60は、ウエハテストシステム100の全般(プローバ10・テスタ30)を制御することができ、コンピュータで構成されている。制御部60は、ウエハテストシステム100の各部に接続されており(図示は省略)、ウエハテストシステム100の各部からの信号の受信及び各部への信号の送信を行うことができる。制御部60を構成するコンピュータは、入力部62及び表示部61を有しており、ユーザは入力部62により情報を入力し、制御部60は表示部61に情報を表示することによりユーザにエラーなどを報知する。
【0044】
図2は、プローブ位置検出カメラ18のみでプローブ25の先端の高さを検出する場合を示す概念図である。
【0045】
図2(A)は、プローブ位置検出カメラ18が正常にプローブ25の先端の検出を行う場合の概念図である。プローブ位置検出カメラ18がプローブ25の先端の高さの検出を行う場合は、先ずユーザにより入力部62を介して制御部60に構成データや品種パラメータなどが入力され、入力された値に基づいて制御部60においてウエハチャック16とプローブ25の先端との間の距離Aが算出される。そしてプローブ位置検出カメラ18は、算出された距離Aに基づいてプローブ位置検出カメラ18とプローブ25の先端がワーキングディスタンス(図中ではWDと記載)離れる高さ(ワーキングディスタンス高さ)まで一気に高さ調整機構21で上げられる。なおこの場合、ウエハチャック16の高さは既知である。
【0046】
ここで構成データとは、プローバ10の各種機能の設定パラメータや顕微鏡など搭載機器の取付位置の座標値などのデータで、プローバ10毎に固有のデータとして制御部60のHDDに格納される。
【0047】
例えば構成データには、プローバの座標基準からプローブカード取り付け面までの高さ寸法が含まれる。
【0048】
品種パラメータとは、製品ウエハWや、その上のチップのサイズや配置など、製品の仕様を記録したデータである。品種パラメータは、ユーザによって任意に作成されるデータで、通常は制御部60のHDDに記憶される。
【0049】
また、プローブカード24は製品ウエハWの仕様に合わせて専用に製作されるので、プローブカード24の個別情報も含まれる。例えば、品種パラメータには、プローブカード24の基板面からプローブ25の先端までの高さ寸法も含まれる。
【0050】
ワーキングディスタンス高さに上げられたプローブ位置検出カメラ18は、プローブへのオートフォーカスを行い、プローブ25の先端の検出及びプローブ25の先端の高さの検出を行う。ここで、プローブ位置検出カメラ18を上昇させる手法として、プローブ位置検出カメラ18にオートフォーカスを行わせながらプローブ25の検出を継続させて少しずつプローブ位置検出カメラ18を上昇させる手法も考えられる。しかし、このようなプローブ位置検出カメラ18を少しずつ上げる手法では、長い作動時間を要してしまいスループットの観点より好ましくない。
【0051】
図2(B)は、プローブ位置検出カメラ18とプローブ25の先端との衝突が発生してしまう場合の一例を示す図である。
【0052】
構成データや品種パラメータなどの入力に間違えがあると、制御部60は、
図2(A)で説明を行ったような距離Aを正確に算出することができない。
図2(B)で示した場合には、プローブ25の先端とウエハチャック16との距離は
図2(A)と同様に距離Aと算出されるべきであるのに、制御部60は距離B(距離B>距離A)と誤って算出している。制御部60は、誤って算出された距離Bに基づいて高さ調整機構21を制御してプローブ位置検出カメラ18をワーキングディスタンス高さに一気に引き上げるので、プローブ位置検出カメラ18はプローブ25の先端と衝突してしまう。プローブ位置検出カメラ18とプローブ25との衝突は、プローブ25及びプローブカード24の破損、及びプローブ位置検出カメラ18の破損という問題を引き起こす。
【0053】
本発明の一態様によれば、
図2で説明したようなプローブ位置検出カメラ18とプローブ25の先端との衝突を防止することができる。
【0054】
次に、
図3及び
図4により本発明におけるプローブ高さ検出器20を使用したプローブ25の先端の高さ検出に関して説明する。
【0055】
図3は、プローブ高さ検出器20により行われるプローブ25の先端の検出に関して説明する図である。
【0056】
図3(A)は、プローブ高さ検出器20によりプローブ25の高さを検出することを説明する図である。プローブ位置検出カメラ18がプローブ25の先端にフォーカスを合わせる場合又はワーキングディスタンス高さに上げられる場合には、先ずプローブ高さ検出器20によりプローブ25の位置が検出される。具体的には、プローブ高さ検出器20は、高さ調整機構27によりプローブ25の先端に接触するまで上げられる。プローブ高さ検出器20はプローブ25に接触面20aで接触したときにセンサ機構20bに信号を出力し、センサ機構20bは、接触面20aから出力された信号と、高さ調整機構27から出力される高さを示す信号に基づいて、プローブ25の先端の高さに関する情報を制御部60に送信する(
図4を参照)。
【0057】
図4は、制御部60に入力される情報及び制御部60から出力される情報を機能ブロックとともに概念的に示した図である。
【0058】
図4に示すように、制御部60には、プローブ高さ検出器20の実測値であるプローブ25の先端の高さに関する情報が入力される。また、制御部60には、ユーザによって入力部62を介して入力された構成データや品種パラメータが入力され、制御部60は、入力された構成データや品種パラメータによりウエハチャック16とプローブ25の先端との距離を算出する。
【0059】
その後制御部60は、プローブ高さ検出器20で検出されたプローブ25の高さと、構成データ及び品種パラメータから算出されたプローブ25の高さとを比較する。そして制御部60は、比較の結果により基準面からのプローブ位置検出カメラ18の高さを変化させる指令を高さ調整機構21に出力する。制御部60は、構成データや品種パラメータなどから算出されたプローブ25の高さと、プローブ高さ検出器20で検出されたプローブ25の高さの比較において様々な手法を用いることができる。例えば、制御部60は、閾値を用いて、閾値の範囲内であれば高さが一致している判断し、閾値の範囲外であれば高さが一致していないと判断してもよい。
【0060】
そして、制御部60は、構成データや品種パラメータなどで算出されたプローブ25の高さと、プローブ高さ検出器20で検出されたプローブ25の高さと同じである場合には、入力された構成データや品種パラメータは正しいものであったと判断する。例えば
図3(A)及び(B)に示すように制御部60は、プローブ高さ検出器20により検出された基準面(ウエハチャック16の上面)から距離Aと、構成データや品種パラメータなどで算出されたプローブ25の高さである距離Bと、を比較し、B(ニアリーイコール)Aであると判定する。その後、制御部60は、
図3(B)に示すようにプローブ位置検出カメラ18はワーキングディスタンス高さまで一気に上げる指令を高さ調整機構21に出力し、プローブ位置検出カメラ18はオートフォーカスを行いプローブ25の先端の検出を行う。すなわち、プローブ位置検出カメラ18は、プローブ高さ検出器20により検出されたプローブ25の先端の高さに基づいてZ軸方向に昇降駆動され、ワーキングディスタンス高さに移動させられる。
【0061】
一方で、構成データや品種パラメータなどで設定されたプローブ25の高さと、プローブ高さ検出器20で取得されたプローブ25の高さと同じでない場合には、制御部60は、入力された構成データや品種パラメータなどが間違いであったと判断し、表示部61にエラー表示を行ってユーザに知らせ、プローバ10の動作を停止させる。これにより、
図2(B)で説明を行ったようなプローブ25とプローブ位置検出カメラ18との衝突を防止することができる。
【0062】
別の態様として、制御部60が入力された構成データや品種パラメータなどが間違いであったと判定した場合には、入力された値の代わりにプローブ高さ検出器20で取得されたプローブ25の高さを用いて、プローブ位置検出カメラ18をワーキングディスタンス高さに上げてもよい。これにより、入力された構成データや品種パラメータが誤りであっても、プローバ10を停止させることなく、測定を継続させることができる。
【0063】
図5は、プローバ10の操作方法を示したフロー図である。
図5に示される操作方法では、プローブ高さ検出器20により検出されたプローブ25の高さに基づいて、構成データや品種パラメータにより算出されたプローブ先端高さの判断が行われる場合である。
【0064】
先ず、ユーザは入力部62を介して構成データ及び品種パラメータを制御部60に入力する。その後制御部60は、入力された構成データ及び品種パラメータに基づいてプローブ25の先端の高さを算出する(ステップS10)。次に、プローブ高さ検出器20によりプローブ25の高さが検出される(ステップS11)。具体的には、プローブ高さ検出器20は、高さ調整機構27により上げられて、プローブ25に接触してプローブ25の高さを検出する。
【0065】
そして制御部60は、構成データ及び品種パラメータに基づいて算出されたプローブ25の先端の高さと、プローブ高さ検出器20により実際に検出されたプローブ25の先端の高さとの比較を行う。制御部60は、両者が一致していない場合には、表示部61にエラーを示す警告表示を行わせる(ステップS14)。
【0066】
一方、制御部60は、両者が一致している場合には、高さ調整機構21に対して、プローブ位置検出カメラ18をワーキングディスタンス高さまで上げる指令を出力する。その後、プローブ位置検出カメラ18は、指令に基づいてワーキングディスタンス高さまで上げられる(ステップS13)。
【0067】
図6は、プローバ10の他の操作方法を示したフロー図である。
図6に示した他の操作
方法では、構成データや品種パラメータに基づいてプローブ25の先端の高さを算出せずに、プローブ高さ検出器20により検出されたプローブ高さに基づいてプローブ位置検出カメラ18が上げられる。
【0068】
先ず、プローブ高さ検出器20によりプローブ25の高さが検出される(ステップS20)。具体的には、プローブ高さ検出器20が高さ調整機構27により上げられて、プローブ25に接触してプローブ25の先端の高さが検出される。そして、制御部60は、検出されたプローブ25の先端の高さに基づいて、プローブ25の先端からプローブ位置検出カメラ18のワーキングディスタンス離れた高さ(ワーキングディスタンス高さ)を算出し、高さ調整機構21に指令を出力する(ステップS21)。
【0069】
その後、プローブ高さ検出器20により検出されたプローブ25の先端の高さに基づいて、ワーキングディスタンス高さまでプローブ位置検出カメラ18の高さを変化させる(ステップS22)。
図6で示したように、構成データや品種パラメータを入力してプローブ25の先端の高さを算出せずに、プローブ高さ検出器20により検出されたプローブ25の先端の高さを使用してもよい。
【0070】
上述の各構成及び機能は、任意のハードウェア、ソフトウェア、或いは両者の組み合わせによって適宜実現可能である。例えば、上述の処理ステップ(処理手順)をコンピュータに実行させるプログラム、そのようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(非一時的記録媒体)、或いはそのようなプログラムをインストール可能なコンピュータに対しても本発明を適用することが可能である。
【0071】
<第2の実施形態>
次に第2の実施形態に関して説明する。
【0072】
図7は、本発明が適用されるウエハテストシステム100の第2の実施形態を示した概略構成図である。なお、
図1で既に説明を行った箇所は同じ符号を付し説明は省略する。
【0073】
図7に示されたプローバ10は、
図1に示されたプローバ10に対して、プローブ高さ検出器20がプローブ位置検出カメラ18と一体で設けられている点で異なる。
【0074】
プローブ高さ検出器20は、プローブ位置検出カメラ18に一体に設けられており、プローブ位置検出カメラ18の高さ調整機構21により高さが調整される。すなわち、プローブ高さ検出器20とプローブ位置検出カメラ18とはアーム29を介して一体に設けられることにより、一つの高さ調整機構により高さを調整することができるので、高さ調整の制御がより簡素化される。また、高さ調整機構の設置を一つ省略することもできるので、プローバ10の設計及び組立が簡素化される。また、プローブ高さ検出器20がプローブ位置検出カメラ18に一体に設けられていることにより、プローブ高さ検出器20は温度の影響が抑制される。すなわち、一般にプローブ位置検出カメラ18は温度変化小さいので、プローブ高さ検出器20がプローブ位置検出カメラ18に一体に設けられることにより、プローブ高さ検出器20は温度変化の影響が抑制される。一方例えば、プローブ位置検出カメラ18がウエハチャック16に設けられる場合には、ウエハチャック16は温度変化が−60℃〜200℃あるので、プローブ高さ検出器20は温度変化の影響を受けやすい。
【0075】
なお、プローブ高さ検出器20は、公知の技術によりプローブ位置検出カメラ18に一体に設けられる。
図7ではプローブ高さ検出器20は、アーム29によりプローブ位置検出カメラ18の側方に設けられているが他の手段によって取り付けられてもよい。
【0076】
図8は、プローブ高さ検出器20とプローブ位置検出カメラ18とが一体に設けられる場合に行われるプローブ25の先端の検出に関して説明する図である。
【0077】
図8(A)に示すように、プローブ高さ検出器20がプローブ位置検出カメラ18と一体に設けられる場合には、プローブ高さ検出器20の接触面20aの高さは、プローブ位置検出カメラ18の対物レンズ18aの端部の高さよりも高い位置に設けられることが好ましい。これにより、プローブ25がプローブ位置検出カメラ18の対物レンズ18aに衝突する前に、プローブ高さ検出器20の接触面20aによりプローブ25の先端を検出することができる。また、プローブ高さ検出器20の接触面20aは、プローブ位置検出カメラ18の高さにワーキングディスタンスを加えた高さよりも低い位置に設けられる。これにより、プローブ位置検出カメラ18がオートフォーカスを行ってプローブ25の先端を検出することを妨げない。
【0078】
図8(B)は、プローブ高さ検出器20によってプローブ25の先端の高さの測定に関して示す図である。プローブ高さ検出器20は、プローブ位置検出カメラ18と一体に設けられており、プローブ位置検出カメラ18の高さ調整機構21により昇降駆動されてプローブ25の先端の高さを測定する。
【0079】
図8(C)は、ワーキングディスタンス高さに移動させたプローブ位置検出カメラ18を示す図である。プローブ位置検出カメラ18は、プローブ高さ検出器20により検出されたプローブ25の先端の高さに基づいて、高さ調整機構21によりワーキングディスタンス高さに移動する。ここで、プローブ位置検出カメラ18とプローブ高さ検出器20との高さ関係は一体に設けられており不変であるので、制御部60は、プローブ高さ検出器20により検出されたプローブ25の先端の高さに応じて、プローブ位置検出カメラ18の高さを容易に制御することができる。さらに、プローブ高さ検出器20の接触面20aとプローブ位置検出カメラ18の対物レンズ18aとの距離は、一体に設けられているのでZ軸方向、X軸方向、及びY軸方向(
図7参照)において極めて短くなっている。したがって、プローブ高さ検出器20の接触面20aでプローブ25の先端を検出してからプローブ25の先端にプローブ位置検出カメラ18のフォーカスを合わせるための移動時間を短くすることができる。
【0080】
<プローブの先端の高さ検出の応用例>
次に、上述で説明したプローブ25の先端の高さの検出を応用した態様に関して説明する。
【0081】
プローブ25の先端の高さ検出は、様々な態様に応用可能である。特にプローブ25の先端の正確な高さを必要とする態様に好適に応用することが可能である。例えば、上述したプローブ25の先端の高さ検出は、プローブ25のプローブカード24の傾きの検出に適用することができる。
【0082】
図9は、従来より一般に行われているカードホルダ23又はカードホルダ23に設置されるプローブカード24の傾き検出の方法に関して説明する図である。
図9に示す場合では、プローブカード24の代わりに平行度確認治具70をカードホルダ23にセッティングして、カードホルダ23の傾きを検出する。具体的には、カードホルダ23にセッティングされた平行度確認治具70の表面の高さをプローブ位置検出カメラ18により複数回検出することにより、カードホルダ23の傾きを検出する。
【0083】
プローブカード24のプローブ25の先端をプローブ位置検出カメラ18で検出しようとすると、プローブ先端の検出に時間を要してしまいプローバ10のスループットが低下する。そこで平行度確認治具70をプローブカード24の代わりに用いると、平行度確認治具70は表面が平たい面であるので、プローブ位置検出カメラ18によっても比較的短時間で焦点を合わせることができる。なお、平行度確認治具70は、例えばプローブカード24に似せて加工された金属プレートである。
【0084】
しかしながら、平行度確認治具70を使用してカードホルダ23の傾き検出を行うと、平行度確認治具70の加工精度が傾き検出の精度に影響してしまう。また、平行度確認治具70での傾き検出が終了した後に、プローブカード24をカードホルダ23にセッティングしなければならず、スループットが低下してしまう。
【0085】
そこで、本例では、上述したプローブ高さ検出器20を使用したプローブ25の先端の高さの検出を応用してプローブカード24に使用したカードホルダ23(又はプローブカード24)の傾きの検出を行う。
【0086】
図10及び
図11は、本例のカードホルダ23又はプローブカード24の傾き検出に関して説明する図である。
図10では、プローブ高さ検出器20により、カードホルダ23にセッティングされたプローブカード24の傾きが検出されている。
【0087】
プローブ高さ検出器20はプローブ位置検出カメラ18に一体に設けられており、プローブ位置検出カメラ18の高さ調整機構21により昇降駆動されており、プローブ25の先端に接触することによりプローブ25の先端の高さが検出される。
【0088】
図11は、制御部60に入力される情報及び制御部60から出力される情報を機能ブロックとともに概念的に示した図である。
【0089】
図11に示すように、制御部60には、プローブ高さ検出器20からの実際に測定をして求めたプローブ25の先端の高さに関する情報が複数入力される。ここで、プローブ25の先端の高さが複数入力されるのは、プローブカード24の傾き又はカードホルダ23の傾きを算出するためである。したがって、例えばプローブ高さ検出器20は、異なる3点のプローブ25の先端の高さを制御部に送信して、制御部60はプローブカード24の傾きを出力する。なお、本願では特に検出された傾きに基づいて傾きを調整する傾き調整機構に関しては説明をしていないが、公知の傾き調整機構により検出された傾きに基づいて傾きが調整されてもよい。
【0090】
次に、上述した応用例において、さらにプローブ位置検出カメラ18によってもプローブカード24の傾きの検出を行う例を説明する。
【0091】
図12には、プローブ位置検出カメラ18によってプローブカード24の傾きが検出されている。この場合、プローブ位置検出カメラ18は、プローブ高さ検出器20により検出されたプローブ25の先端の高さに基づいて、プローブ25の先端の高さを検出する。すなわち
図3及び
図8で説明したように、プローブ位置検出カメラ18は、プローブ高さ検出器20により検出されたプローブ25の先端の高さに基づいて、高さ調整機構21によりワーキングディスタンス高さに移動され、その後プローブ25の先端の高さを検出する。プローブ位置検出カメラ18は、上述したプローブ高さ検出器20の場合と同様に、異なる複数の点におけるプローブ25の先端の高さを検出し、制御部60は検出されたプローブ25の先端の高さに基づいてプローブカード24の傾きを検出する。
【0092】
このように、本例ではプローブ高さ検出器20及びプローブ位置検出カメラ18から出力されたプローブ25の先端の高さに基づいて、プローブカード24の傾きを検出する。
【0093】
図13は、本例のプローブカード24(カードホルダ23)の傾きを検出する手順を示したフロー図である。
図13では、プローブ高さ検出器20及びプローブ位置検出カメラ18によりプローブ25の先端の高さが検出され、傾きを検出する例を示している。
【0094】
先ず、プローブ高さ検出器20により、プローブ25の先端の高さが複数回測定され、測定結果が制御部60に送信される(第1の高さ検出ステップ:ステップS30)。複数回の測定は異なる点で行われ、プローブ高さ検出器20はX軸方向及びY軸方向に移動してプローブ25の先端の高さを測定する。
【0095】
次に、プローブ位置検出カメラ18により、プローブ25の先端の高さが複数測定され、測定結果が制御部60に送信される(第2の高さ検出ステップ:ステップS31)。プローブ位置検出カメラ18もプローブ高さ検出器20と同様に、複数回の異なる点でプローブ25の先端の高さの検出を行う。ここでプローブ位置検出カメラ18は、プローブ高さ検出器20で予め検出されたプローブ25の先端の高さに基づいて、ワーキングディスタンス高さに移動されてプローブ25の先端にオートフォーカスを行う。したがって、プローブ位置検出カメラ18のプローブ25の先端を探索している時間を短縮することができるので、プローバ10のスループットの低下が抑制される。
【0096】
その後制御部60は、プローブ高さ検出器20及びプローブ位置検出カメラ18から出力された複数のプローブ25の先端の高さに基づいて、プローブカード24の傾きを算出する(傾き検出ステップ:ステップS32)。ここで、制御部60は、プローブ高さ検出器20で検出されたプローブ25の先端の高さに基づいて傾きを検出し、その後プローブ位置検出カメラ18で検出されたプローブ25の先端の高さに基づいて傾きを検出する。制御部60は、プローブ25の先端の高さをより高精度で検出できるプローブ位置検出カメラ18の検出結果も使用して傾き検出を行うので、より正確な傾きの検出を行うことができる。
【0097】
<別実施形態のプローブ高さ検出器>
図14は、別実施形態のプローブ高さ検出器100を説明するための説明図である。
図14に示すように、別実施形態のプローブ高さ検出器100は、線形可変差動変圧器(Linear Variable Differential Transformer)であるLVDT106を用いて既述の基準面からのプローブ25の先端の高さを検出する。このプローブ高さ検出器100は、ベース102と、エアベアリング103と、上下可動部104と、コイルバネ105と、LVDT106と、を備えている。
【0098】
ベース102は、不図示の支持部材により高さ調整機構27の上方で支持されている。ベース102は略環状に形成されており、このベース102の中心にはZ軸方向(上下方向)に平行な貫通穴102aが形成されている。このベース102の上面には、エアベアリング103が設けられている。
【0099】
エアベアリング103は、略円筒状に形成されており、Z軸方向に平行な保持穴103aを有している。この保持穴103aの中心のXY軸方向の位置と、既述の貫通穴102aの中心のXY軸方向の位置とは一致している。符号Cは、保持穴103a及び貫通穴102aの双方の中心を通る中心軸である。エアベアリング103は、保持穴103aに挿通された後述の上下可動部104の上下移動軸110をZ軸方向に移動自在に保持する。
【0100】
また、エアベアリング103には、その外周面から保持穴103aの内面に貫通した不図示のエア供給穴が形成されており、このエア供給穴を介して不図示のエア源から供給されたエアが保持穴103a内に供給される。これにより、保持穴103aの内面と上下移動軸110の外面との間に不図示のエア層が形成されるので、上下移動軸110がエアベアリング103(保持穴103a)により非接触でガイドされる。
【0101】
さらに、エアベアリング103の下端部の外周面には、その周方向に沿って環状の鍔部103bが形成されている。
【0102】
上下可動部104は、エアベアリング103により非接触でZ軸方向に移動自在に保持される。この上下可動部104は、上下移動軸110と、ストッパリング111と、バネ受け部112と、ステージ台座113と、ステージ114と、を備える。
【0103】
上下移動軸110は、既述の通り、エアベアリング103の保持穴103aに挿通され、エアベアリング103により非接触でZ軸方向に移動自在に保持される。この上下移動軸110の外周面の下端部には、略環状のストッパリング111が外嵌されている。また、上下移動軸110の上面には、バネ受け部112が固定されている。
【0104】
ストッパリング111の外径は、保持穴103aの直径よりも大きく形成されている。バネ受け部112は、円板部112aと、この円板部112aの下面に設けられた嵌合部112bとを備える。円板部112aの外径は、コイルバネ105の外径よりも大きく形成されている。嵌合部112bは、コイルバネ105の上側の開口部に嵌合する。
【0105】
ステージ台座113は、バネ受け部112の上面に固定されている。このステージ台座113の上面には、ステージ114が固定される。ステージ114の上面は既述の接触面20aとなる。
【0106】
コイルバネ105は、Z軸方向に圧縮された状態で鍔部103bとバネ受け部112との間に取り付けられる。コイルバネ105の下側の開口部には既述のエアベアリング103の上端部が挿入される。これにより、コイルバネ105の下端が鍔部103bの上面に当接する。一方、コイルバネ105の上側の開口部には、既述の嵌合部112bが嵌合する。このため、コイルバネ105は、バネ受け部112を介して上下可動部104の各部(ステージ114等)をZ軸方向の上方へ付勢する。その結果、ストッパリング111が保持穴103aの下側の開口縁部に当接し、ステージ114のZ軸方向の高さ位置が一定に維持される。
【0107】
LVDT106は、ベース102の下面に設けられている。このLVDT106は、鉄心などのコア106aと、コイル106bとを備える。コア106aは、上下移動軸110の下面に固定されており、Z軸方向の下方に延びている。このコア106aの中心軸は、既述の中心軸Cと一致している。コア106aは、上下移動軸110(上下可動部104)と一体にZ軸方向に移動する。
【0108】
コイル106bは、Z軸方向に平行な略円筒形状を有している。このコイル106bの内部には、コア106aが非接触で挿入されている。コイル106bは、入力電圧(交流)により励磁される一次コイル(不図示)と、コア106aのZ軸方向の変位により出力電圧(誘起電圧)が発生する二次コイル(不図示)と、を有している。
【0109】
微小移動検出部118は、コイル106bに入力電圧を供給すると共に、コア106aのZ軸方向の変位に応じてコイル106bから出力される出力電圧を検出する。微小移動検出部118は、コイル106bから出力される出力電圧に基づき、コア106a、すなわち上下可動部104(ステージ114等)のZ軸方向の微小移動を検出する。
【0110】
上記構成のプローブ高さ検出器100によれば、高さ調整機構27がプローブ高さ検出器100をZ軸方向の上方へ移動させることにより、ステージ114の接触面20aがプローブ25の先端に接触すると、上下可動部104(ステージ114等)及びコア106aがZ軸方向の下方に微小移動される。これにより、コア106aの微小移動に応じてコイル106bから出力された出力電圧が微小移動検出部118に入力される。このため、微小移動検出部118が上下可動部104(ステージ114等)のZ軸方向の微小移動、すなわち、接触面20aに対するプローブ25の先端の接触を検出できる。これ以降は、既述のプローブ高さ検出器20と同じであるので、具体的な説明は省略する。
【0111】
このように、プローブ高さ検出器100では、LVDT106を用いて接触面20aに対するプローブ25の先端の接触を検出するので、この接触の検出精度[接触応答性(敏感性)]を向上させることができる。その結果、既述の基準面からのプローブ25の先端の高さの測定精度を向上させることができる。また、接触面20aへのプローブ25の先端の接触に伴うステージ114等のZ軸方向の移動量(押込量)及び接触に伴うZ軸方向の押圧力を精度良く検出することができる。
【0112】
以上で本発明の例に関して説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
プローバ10は、ウエハWの電極にプローブ25を接触させて検査を行うプローバ10であって、ウエハWの電極とプローブ25との相対的な位置合わせを行うためにプローブ25の先端位置を検出するプローブ位置検出カメラ18と、プローブ位置検出カメラ18とは別に設けられ、プローブ位置検出カメラ18の高さの基準となる基準面からのプローブの先端の高さを検出するプローブ高さ検出器20と、プローブ高さ検出器20の検出結果に基づいて、基準面からのプローブ位置検出カメラ18の高さを変化させる第1高さ調整機構21と、を備える。