【実施例】
【0093】
(第1実施例)
以下、本願の各実施例を添付図面に基づいて説明する。まず、本願の第1実施例について
図1〜
図2および表1を用いて説明する。
図1(a)は第1実施例に係るズームレンズZL(ZL1)の広角端状態におけるレンズ構成図であり、
図1(b)は中間焦点距離状態におけるレンズ構成図であり、
図1(c)は望遠端状態におけるレンズ構成図である。第1実施例に係るズームレンズZL1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、全体として負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、全体として正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、全体として正の屈折力を有する第3レンズ群G3とを備えて構成される。そして、広角端状態から望遠端状態への変倍(ズーミング)の際、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が減少し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が増加するように、第1レンズ群G1および第2レンズ群G2がそれぞれ光軸に沿って移動し、第1レンズ群G1および第2レンズ群G2よりも少ない移動量で、第3レンズ群G3が単調に光軸に沿って像側に移動するようになっている。
【0094】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凹形状の負レンズL11と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL12とから構成される。第1レンズ群G1において、負レンズL11における像面I側のレンズ面と正レンズL12における両側のレンズ面とが非球面となっている。第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の第1の正レンズL21と、両凸形状の第2の正レンズL22と、両凹形状の負レンズL23と、両凸形状の第3の正レンズL24とから構成される。第2レンズ群G2において、第1の正レンズL21における両側のレンズ面が非球面となっている。また、第2の正レンズL22と負レンズL23は互いに接合された接合レンズとなっている。第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL31のみから構成される。なお、無限遠物体から至近距離物体(有限距離物体)へのフォーカシングは、第3レンズ群G3を光軸に沿って物体側へ移動させることにより行う。
【0095】
Fナンバーを決定する可変絞りS1は、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間(第2レンズ群G2の物体側近傍)に配置されており、広角端状態から望遠端状態への変倍(ズーミング)の際、第2レンズ群G2と同一軌道で移動するようになっている。本実施例では、可変絞りS1として絞り径を可変な虹彩絞りが用いられる。一方、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間(第2レンズ群G2の像面I側近傍)に固定絞りS2が配置されており、広角端状態から望遠端状態への変倍(ズーミング)の際、第2レンズ群G2と同一軌道で移動するようになっている。本実施例では、固定絞りS2としてフレアカット絞りが用いられる。また、第3レンズ群G3と像面Iとの間に配置されたフィルタ群FLは、ローパスフィルタや赤外カットフィルタ等から構成されている。
【0096】
以下に、表1〜表3を示すが、これらは第1〜第3実施例に係るズームレンズの諸元の値をそれぞれ掲げた表である。各表の[全体諸元]には、広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態の各状態におけるズームレンズZLの焦点距離f、FナンバーFno、画角2ω、可変絞り径φ、最大像高Ymaxの値をそれぞれ示す。また、[レンズ諸元]において、第1カラム(面番号)は物体側から数えた際のレンズ面の番号を、第2カラムRはレンズ面の曲率半径を、第3カラムDはレンズ面の光軸上の間隔を、第4カラムndはd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率を、第5カラムνdはd線(波長λ=587.6nm)に対するアッベ数をそれぞれ示している。なお、第1カラム(面番号)の右に付した*は、そのレンズ面が非球面であることを示す。また、曲率半径「∞」は平面を示し、空気の屈折率nd=1.000000はその記載を省略している。
【0097】
[非球面データ]において示す非球面係数は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、高さyにおける各非球面の頂点の接平面から各非球面までの光軸に沿った距離(サグ量)をX(y)とし、近軸曲率半径(基準球面の曲率半径)をRとし、円錐定数をκとし、n次(n=4,6,8,10)の非球面係数をAnとしたとき、次式(A)で表される。なお、各実施例において、2次の非球面係数A2は0であり、記載を省略している。また、[非球面データ]において、「E-n」は「×10
-n」を示す。
【0098】
X(y)=(y
2/R)/{1+(1−κ×y
2/R
2)
1/2}
+A4×y
4+A6×y
6+A8×y
8+A10×y
10 …(A)
【0099】
[可変間隔データ]には、広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態の各状態(無限遠合焦時)におけるズームレンズZLの焦点距離f、可変間隔、全長TL(ズームレンズZLの最初の光学面から最終の光学面(像面I)までの長さ)の値をそれぞれ示す。また、空気換算値としたバックフォーカスBFaと全長TLaの値も併せて示す。[レンズ群焦点距離]には、各レンズ群の焦点距離の値をそれぞれ示す。[非球面サグ量]には、第2レンズ群G2の最も物体側の正レンズにおける物体側のレンズ面の有効径内での最大サグ量Xの値を示す。[条件式対応値]には、各条件式の対応値を示す。
【0100】
なお、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離f、曲率半径R、その他の長さの単位は一般に「mm」が使われるが、光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、後述の第2〜第3実施例の諸元値においても、本実施例と同様の符号を用いる。
【0101】
下の表1に、第1実施例における各諸元を示す。なお、表1における第1面〜第19面の曲率半径Rは、
図1(c)における第1面〜第19面に付した符号R1〜R19に対応している。また、表1における群番号G1〜G3は、
図1における各レンズ群G1〜G3に対応している。また、第1実施例において、第2面、第3面、第4面、第6面、および第7面の各レンズ面は非球面形状に形成されている。
【0102】
(表1)
[全体諸元]
ズーム比=4.744
広角端状態 中間焦点距離状態 望遠端状態
f 5.25 11.65 24.91
Fno 1.86 3.50 5.88
2ω 89.91° 46.47° 22.12°
φ 8.80 6.98 6.98
Ymax 4.30 4.85 4.85
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
1 -325.2300 0.7000 1.81000 40.99
2* 6.4609 3.6126
3* 14.8609 1.5500 2.14780 17.34
4* 25.2256 D4
5 ∞ 0.3500 (可変絞り)
6* 7.9487 2.5500 1.72903 54.04
7* -103.5336 0.1000
8 9.3639 2.6000 1.77250 49.62
9 -25.2879 0.6000 2.00100 29.14
10 5.2126 1.0513
11 20.5000 1.9000 1.57957 53.74
12 -23.1490 0.3000
13 ∞ D13 (固定絞り)
14 24.8104 2.0000 1.60300 65.44
15 -35.7710 D15
16 ∞ 0.4000 1.51680 64.12
17 ∞ 0.3000
18 ∞ 0.5000 1.51680 64.12
19 ∞ 0.5300
[非球面データ]
第2面
κ=0.2618,A4=1.17435E-05,A6=1.31694E-06,A8=-4.48411E-08,A10=3.76222E-10
第3面
κ=1.0000,A4=-5.84911E-05,A6=-3.75428E-08,A8=4.84872E-10,A10=0.00000E+00
第4面
κ=1.0000,A4=-8.03957E-05,A6=0.00000E+00,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
第6面
κ=0.4297,A4=0.00000E+00,A6=2.50421E-09,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
第7面
κ=1.0000,A4=5.581669E-05,A6=-5.00534E-07,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
[可変間隔データ]
広角端状態 中間焦点距離状態 望遠端状態
(無限遠) (無限遠) (無限遠)
f 5.25 11.65 24.91
D4 19.6486 7.2725 1.6300
D13 4.8443 13.5334 30.1052
D15 2.8508 2.2801 2.0561
TL 46.3876 42.1299 52.8363
BFa 4.2742 3.7035 3.4795
TLa 46.0810 41.8233 52.5286
[レンズ群焦点距離]
群番号 群初面 群焦点距離(f1〜f3)
G1 1 -12.19
G2 6 12.49
G3 14 24.60
[非球面サグ量]
X=1.3827
[条件式対応値]
条件式(1) Nd1=2.14780
条件式(2) Nd2=2.00100
条件式(3) νd1=17.34
条件式(4) Nd2+(0.05×νd2)=3.45800
条件式(5) X×Ymax/(fw×TLw)=0.02441
条件式(6) f2F/f2=0.81860
条件式(7) Nd2F+(0.02×νd2F)=2.80983
条件式(8) Nd2F=1.72903
条件式(9) ft/(−f1)=2.04269
条件式(10) f2/(fw×ft)
1/2=1.09236
【0103】
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(10)が全て満たされていることが分かる。
【0104】
図2(a)〜(c)は、第1実施例に係るズームレンズZL1の諸収差図である。ここで、
図2(a)は広角端状態(f=5.25mm)における無限遠合焦時の諸収差図であり、
図2(b)は中間焦点距離状態(f=11.65mm)における無限遠合焦時の諸収差図であり、
図2(c)は望遠端状態(f=24.91mm)における無限遠合焦時の諸収差図である。各収差図において、FNOはFナンバーを、Yは像高を、ωは半画角をそれぞれ示す。また、各収差図において、dはd線(λ=587.6nm)、gはg線(λ=435.8nm)における収差をそれぞれ示す。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。以上、収差図の説明は他の実施例においても同様である。
【0105】
そして、各収差図より、第1実施例では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有していることがわかる。その結果、第1実施例のズームレンズZL1を搭載することにより、デジタルスチルカメラCAMにおいても、優れた光学性能を確保することができる。
【0106】
(第2実施例)
以下、本願の第2実施例について
図3〜
図4および表2を用いて説明する。
図3(a)は第2実施例に係るズームレンズZL(ZL2)の広角端状態におけるレンズ構成図であり、
図3(b)は中間焦点距離状態におけるレンズ構成図であり、
図3(c)は望遠端状態におけるレンズ構成図である。第2実施例に係るズームレンズZL2は、第1実施例に係るズームレンズZL1と同様の構成であり、各部に第1実施例の場合と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0107】
下の表2に、第2実施例における各諸元を示す。なお、表2における第1面〜第19面の曲率半径Rは、
図3(c)における第1面〜第19面に付した符号R1〜R19に対応している。また、表2における群番号G1〜G3は、
図3における各レンズ群G1〜G3に対応している。また、第2実施例において、第2面、第3面、第4面、第6面、および第7面の各レンズ面は非球面形状に形成されている。
【0108】
(表2)
[全体諸元]
ズーム比=4.744
広角端状態 中間焦点距離状態 望遠端状態
f 5.25 11.65 24.91
Fno 1.86 3.51 5.91
2ω 89.95° 46.54° 22.12°
φ 8.80 6.98 6.98
Ymax 4.30 4.85 4.85
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
1 -3585.4492 0.8000 1.80139 45.46
2* 6.4743 3.8654
3* 13.7378 1.5500 2.14780 17.34
4* 20.3100 D4
5 ∞ 0.3500 (可変絞り)
6* 7.9337 2.5500 1.72903 54.04
7* -116.7893 0.1000
8 9.8020 2.6000 1.77250 49.62
9 -24.6683 0.6000 2.00100 29.14
10 5.3431 1.0513
11 20.0937 1.9000 1.65844 50.84
12 -27.3694 0.3000
13 ∞ D13 (固定絞り)
14 24.8104 2.0000 1.61800 63.34
15 -38.0505 D15
16 ∞ 0.4000 1.51680 64.12
17 ∞ 0.3000
18 ∞ 0.5000 1.51680 64.12
19 ∞ 0.5300
[非球面データ]
第2面
κ=0.2112,A4=6.53608E-05,A6=1.34649E-06,A8=-4.84488E-08,A10=3.84951E-10
第3面
κ=1.0000,A4=-4.00525E-05,A6=-1.07440E-07,A8=-2.66215E-09,A10=0.00000E+00
第4面
κ=1.0000,A4=-6.04984E-05,A6=0.00000E+00,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
第6面
κ=0.4152,A4=0.00000E+00,A6=-8.34308E-08,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
第7面
κ=1.0000,A4=4.49491E-05,A6=-4.78705E-07,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
[可変間隔データ]
広角端状態 中間焦点距離状態 望遠端状態
(無限遠) (無限遠) (無限遠)
f 5.25 11.65 24.91
D4 19.0919 7.0988 1.6300
D13 5.0278 13.9771 31.0494
D15 2.9729 2.3943 2.1507
TL 46.4893 42.8670 54.2267
BFa 4.3962 3.8177 3.5740
TLa 46.1826 42.5603 53.9201
[レンズ群焦点距離]
群番号 群初面 群焦点距離(f1〜f3)
G1 1 -11.90
G2 6 12.49
G3 14 24.60
[非球面サグ量]
X=1.3891
[条件式対応値]
条件式(1) Nd1=2.14780
条件式(2) Nd2=2.00100
条件式(3) νd1=17.34
条件式(4) Nd2+(0.05×νd2)=3.45800
条件式(5) X×Ymax/(fw×TLw)=0.02447
条件式(6) f2F/f2=0.82297
条件式(7) Nd2F+(0.02×νd2F)=2.80983
条件式(8) Nd2F=1.72903
条件式(9) ft/(−f1)=2.09247
条件式(10) f2/(fw×ft)
1/2=1.09236
【0109】
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(10)が全て満たされていることが分かる。
【0110】
図4(a)〜(c)は、第2実施例に係るズームレンズZL2の諸収差図である。ここで、
図4(a)は広角端状態(f=5.25mm)における無限遠合焦時の諸収差図であり、
図4(b)は中間焦点距離状態(f=11.65mm)における無限遠合焦時の諸収差図であり、
図4(c)は望遠端状態(f=24.91mm)における無限遠合焦時の諸収差図である。そして、各収差図より、第2実施例では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有していることがわかる。その結果、第2実施例のズームレンズZL2を搭載することにより、デジタルスチルカメラCAMにおいても、優れた光学性能を確保することができる。
【0111】
(第3実施例)
以下、本願の第3実施例について
図5〜
図6および表3を用いて説明する。
図5(a)は第3実施例に係るズームレンズZL(ZL3)の広角端状態におけるレンズ構成図であり、
図5(b)は中間焦点距離状態におけるレンズ構成図であり、
図5(c)は望遠端状態におけるレンズ構成図である。第3実施例に係るズームレンズZL3は、第1実施例に係るズームレンズZL1と同様の構成であり、各部に第1実施例の場合と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0112】
下の表3に、第3実施例における各諸元を示す。なお、表3における第1面〜第19面の曲率半径Rは、
図5(c)における第1面〜第19面に付した符号R1〜R19に対応している。また、表3における群番号G1〜G3は、
図5における各レンズ群G1〜G3に対応している。また、第3実施例において、第2面、第3面、第4面、第6面、および第7面の各レンズ面は非球面形状に形成されている。
【0113】
(表3)
[全体諸元]
ズーム比=4.743
広角端状態 中間焦点距離状態 望遠端状態
f 5.25 11.73 24.90
Fno 1.85 3.48 5.79
2ω 89.91° 46.20° 22.13°
φ 8.80 6.98 6.98
Ymax 4.30 4.85 4.85
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
1 -208.8710 1.0500 1.79050 44.98
2* 6.2592 3.3000
3* 13.5388 1.6500 2.00178 19.32
4* 25.5000 D4
5 ∞ 0.3500 (可変絞り)
6* 8.1028 2.5500 1.72903 54.04
7* -131.0540 0.1000
8 9.7200 2.6000 1.77250 49.62
9 -25.6683 0.6000 2.00100 29.14
10 5.4500 1.0519
11 23.6500 1.9000 1.65844 50.84
12 -23.6356 0.3000
13 ∞ D13 (固定絞り)
14 24.7993 1.9500 1.61800 63.34
15 -38.1072 D15
16 ∞ 0.4000 1.51680 64.12
17 ∞ 0.3000
18 ∞ 0.5000 1.51680 64.12
19 ∞ 0.5300
[非球面データ]
第2面
κ=0.1241,A4=8.50067E-05,A6=7.73935E-07,A8=-3.00859E-08,A10=2.12610E-10
第3面
κ=0.2904,A4=0.00000E+00,A6=0.00000E+00,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
第4面
κ=1.0000,A4=-5.48169E-05,A6=0.00000E+00,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
第6面
κ=0.4229,A4=0.00000E+00,A6=2.07774E-08,A8=-1.23835E-08,A10=3.32636E-10
第7面
κ=1.0000,A4=4.45326E-05,A6=-4.23707E-07,A8=0.00000E+00,A10=0.00000E+00
[可変間隔データ]
広角端状態 中間焦点距離状態 望遠端状態
(無限遠) (無限遠) (無限遠)
f 5.25 11.73 24.90
D4 19.8570 7.2657 1.6300
D13 5.0790 13.9789 30.6294
D15 3.0038 2.4268 2.1991
TL 47.0717 42.8032 53.5904
BFa 4.4272 3.8501 3.6225
TLa 46.7651 42.4966 53.2838
[レンズ群焦点距離]
群番号 群初面 群焦点距離(f1〜f3)
G1 1 -12.28
G2 6 12.64
G3 14 24.60
[非球面サグ量]
X=1.3527
[条件式対応値]
条件式(1) Nd1=2.00178
条件式(2) Nd2=2.00100
条件式(3) νd1=19.32
条件式(4) Nd2+(0.05×νd2)=3.45800
条件式(5) X×Ymax/(fw×TLw)=0.02353
条件式(6) f2F/f2=0.83456
条件式(7) Nd2F+(0.02×νd2F)=2.80983
条件式(8) Nd2F=1.72903
条件式(9) ft/(−f1)=2.02772
条件式(10) f2/(fw×ft)
1/2=1.10548
【0114】
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(10)が全て満たされていることが分かる。
【0115】
図6(a)〜(c)は、第3実施例に係るズームレンズZL3の諸収差図である。ここで、
図6(a)は広角端状態(f=5.25mm)における無限遠合焦時の諸収差図であり、
図6(b)は中間焦点距離状態(f=11.73mm)における無限遠合焦時の諸収差図であり、
図6(c)は望遠端状態(f=24.90mm)における無限遠合焦時の諸収差図である。そして、各収差図より、第3実施例では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有していることがわかる。その結果、第3実施例のズームレンズZL3を搭載することにより、デジタルスチルカメラCAMにおいても、優れた光学性能を確保することができる。
【0116】
以上、各実施例によれば、広画角、大口径比、高変倍比を有しながら、コンパクトで良好な光学性能を有するズームレンズ、光学機器(デジタルスチルカメラ)、およびズームレンズの変倍方法を実現することができる。
【0117】
なお、上述の実施形態において、以下に記載の内容は、光学性能を損なわない範囲で適宜採用可能である。
【0118】
上述の各実施例において、ズームレンズとして3群構成を示したが、4群、5群等の他の群構成にも適用可能である。また、最も物体側にレンズまたはレンズ群を追加した構成や、最も像側にレンズまたはレンズ群を追加した構成でも構わない。また、レンズ群とは、変倍時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
【0119】
また、単独または複数のレンズ群、または部分レンズ群を光軸方向に移動させて、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群としてもよい。この合焦レンズ群は、オートフォーカスにも適用することができ、オートフォーカス用の(超音波モーター等を用いた)モーター駆動にも適している。特に、第3レンズ群または第1レンズ群を合焦レンズ群とするのが好ましい。
【0120】
また、レンズ群または部分レンズ群を光軸に垂直な方向の成分を持つように移動させ、または、光軸を含む面内方向に回転移動(揺動)させて、手ブレによって生じる像ブレを補正する防振レンズ群としてもよい。特に、第2レンズ群の少なくとも一部を防振レンズ群とするのが好ましい。
【0121】
また、レンズ面は、球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工および組立調整が容易になり、加工および組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げるので好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないので好ましい。レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。また、レンズ面は回折面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)あるいはプラスチックレンズとしてもよい。
【0122】
また、開口絞りは第2レンズ群近傍に配置されるのが好ましいが、開口絞りとしての部材を設けずに、レンズの枠でその役割を代用してもよい。
【0123】
また、各レンズ面には、フレアやゴーストを軽減し高コントラストの高い光学性能を達成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施してもよい。
【0124】
また、本実施形態のズームレンズ(変倍光学系)は、変倍比が2.5〜10程度である。
【0125】
また、本実施形態のズームレンズ(変倍光学系)をデジタルスチルカメラに使用しているが、これに限られるものではなく、デジタルビデオカメラ等の光学機器にも使用することができる。