(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記行方向および列方向のうちいずれか一方向における、発光素子とその隣の発光素子との間隔と、上記行方向および列方向のうちいずれか他方向における、発光素子とその隣の発光素子との間隔と、のうち、いずれか大きいほうの発光素子とその隣の発光素子との間に半導体素子を配置する請求項1記載の製造方法。
前記切断する工程において、前記半導体素子側の反射樹脂側面と反射樹脂の上面とにより形成される角部が、その断面視において鋭角をなすよう、前記発光素子および半導体素子を含む垂直方向に切断することを含む請求項1または2記載の発光装置の製造方法。
前記切断する工程において、前記発光素子側の反射樹脂側面と反射樹脂の上面とにより形成される角部が、その断面視において鈍角をなすよう、切断することを含む請求項3記載の発光装置の製造方法。
基板上に配置された発光素子と、該発光素子の上に配置された蛍光体層と、前記発光素子の隣に配置された半導体素子と、該発光素子および蛍光体層の側面に沿って配置され、前記半導体素子を覆う反射樹脂と、を含む発光装置であって、
前記発光素子側の反射樹脂側面と反射樹脂の上面とにより形成された角部が、前記発光素子および前記半導体素子を含む垂直方向の断面視において、鈍角をなし、
前記反射樹脂の上面に形成された凹部の最深部が、前記半導体素子の直上に位置することを特徴とする発光装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本明細書において、「上」、「下」という用語は、発光装置の発光を取り出す側とその逆側を指す用語としても用いる。例えば、「上方」は、発光装置の発光を取り出す方向を指し、「下方」はその逆の方向を指す。また、「上面」とは発光装置の発光を取り出す側にある面を指し、「下面」とはその逆側の面を指す。
【0014】
本実施の形態に係る発光装置の製造方法は、集合基板の上に複数の発光素子をマトリックス状に配置するとともに、マトリックス配置された発光素子の行または列方向のいずれか一方向で、発光素子とその隣の発光素子の間にその発光素子とは別の半導体素子を配置する工程と、該発光素子の上面に蛍光体層を配置した後、複数の該発光素子の側面および複数の該蛍光体層の側面に沿って、複数の該半導体素子を覆うように反射樹脂を配置する工程と、発光素子および半導体素子を少なくとも1つずつ含むように上記行方向および列方向のうちいずれか一方向における、発光素子と発光素子の間と、上記行方向および列方向のうちいずれか他方向における、発光素子と半導体素子の間と、に配置されている反射樹脂および基板を同時に切断する工程と、を有している。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る発光装置の製造方法の工程の一例を示す模式図である。
図1(a)は、集合基板の上に複数の発光素子をマトリックス状に配置するとともに、マトリックス配置された発光素子の行または列方向のいずれか一方向で、発光素子とその隣の発光素子の間に半導体素子を配置する工程を示している。発光素子と半導体素子の配置方法は、フリップチップ実装を用いることができる。基板2の上には、正電極と負電極とに絶縁分離された導電性パターンが形成されている。ここで、フリップチップ実装とは、発光素子の電極を、バンプと呼ばれる導電部材を介して基体基板の導電パターンに対向させ接合することにより機械的および電気的接続を行う実装方法をいう。実装に際しては、バンプは基板上に設けてもよいし、発光素子および半導体素子に設けてもよい。
【0016】
発光素子3のp電極およびn電極(不図示)は、基板2の同一面側に形成された正負両電極(不図示)にそれぞれ対向させて導電部材10を介して固定されている。各導電部材10の上に発光素子3の各電極を対向させ、熱、超音波および荷重を印加することにより、導電部材10と発光素子3を接合する。
【0017】
図1(b)は、発光素子の上面に蛍光体層を配置した後、複数の該発光素子の側面および複数の該蛍光体層の側面に沿って、複数の該半導体素子を覆うように反射樹脂を配置する工程を示している。反射樹脂8は、発光素子3から出射された光を反射させるためのものである。反射樹脂8は、複数の発光素子3の側面および複数の蛍光体層4の側面に配置されるとともに、複数の半導体素子5全体を覆っている。隣接する発光素子3の間の中間領域11に半導体素子5が配置されているので、反射樹脂8のひけが抑制される。これにより、蛍光体層4の側面の反射層の幅が厚くなり、蛍光体層4からの光を十分に反射することが可能となり、光の取り出し効率が向上する。なお、発光素子3および半導体素子5と導電部材10の隙間には、アンダフィル7が充填されてもよい。
【0018】
次に、
図1(b)に示す切断線12に沿って、発光素子および半導体素子を少なくとも1つずつ含むように行方向および列方向のうちいずれか一方向における、発光素子と発光素子の間と、行方向および列方向のうちいずれか他方向における、発光素子と半導体素子の間と、に配置されている反射樹脂および基板を同時に切断する工程(不図示)により、複数の発光装置群から、個々の発光装置を分離する。
【0019】
これにより、反射樹脂のひけを抑制して、光の取り出し効率を向上させることのできる発光装置を製造できる。
【0020】
(基板)
基板の材料としては、絶縁性材料であって、発光素子からの光や外光が透過しにくい材料が好ましい。例えば、アルミナや窒化アルミニウム等のセラミックス、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド等の樹脂を挙げることができる。なお、樹脂を用いる場合には、必要に応じて、ガラス繊維、酸化ケイ素、酸化チタン、アルミナ等の無機フィラーを樹脂に混合してもよい。これにより、機械的強度の向上や熱膨張率の低減、光反射率の向上を図ることができる。
【0021】
(発光素子)
発光素子3としては、発光ダイオードが好ましく、用途に応じて任意の波長のものを選択することができる。例えば、蛍光体を効率良く励起できる短波長が発光可能な窒化物半導体(In
XAl
YGa
1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を挙げることができる。半導体層の材料やその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。
【0022】
(蛍光体層)
蛍光体層4は、発光素子3からの光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を発生する。蛍光体層には、例えば、蛍光体の単結晶、多結晶または蛍光体粉末の焼結体等の蛍光体インゴットから切り出したものや、樹脂、ガラス、無機物等の透光性部材を混合して成形したものを挙げることができる。蛍光体層は1種で単層に形成してもよいし、2種以上の部材が混合された単層を形成してもよいし、単層を2層以上積層してもよい。また、蛍光体層は、ガラスまたは樹脂からなる透光性部材の表面に蛍光体層を設けたものでもよい。なお、蛍光体層には、必要に応じて拡散剤を添加してもよい。
【0023】
本発明では、反射樹脂のひけを抑制するため、半導体素子を反射樹脂に完全に埋没させることにより、反射樹脂の上面を上昇させることを要する。そのため、蛍光体層の上面(発光面)を、半導体素子の上面より高くする必要がある。
【0024】
青色発光素子と好適に組み合わせて白色系の混色光を発光させることができる代表的な蛍光体としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(YAG系蛍光体)を挙げることができる。白色に発光可能な発光装置とする場合、蛍光体層に含まれる蛍光体の濃度を白色となるように調整する。蛍光体の濃度は、例えば、5〜50%程度である。
【0025】
また、発光素子に青色発光素子を用い、蛍光体にYAG系蛍光体と、赤色成分の多い窒化物系蛍光体とを用いることにより、アンバー色を発光させることもできる。アンバー色とは、JIS規格Z8110における黄色のうちの長波長領域と黄赤の短波長領域とからなる領域や、安全色彩のJIS規格Z9101による黄色の領域と黄赤の短波長領域に挟まれた領域の色度範囲が該当し、例えば、ドミナント波長で言えば、580nm〜600nmの範囲に位置する領域をいう。
【0026】
YAG系蛍光体は、YとAlを含むガーネット構造の総称であり、希土類元素から選択された少なくとも一種の元素で付活された蛍光体であり、発光素子から発光される青色光で励起されて発光する。YAG系蛍光体としては、例えば、(Re
1−xSm
x)
3(Al
1−yGa
y)
5O
12:Ce(0≦x<1、0≦y≦1、但し、Reは、Y、Gd、Laからなる群から選択される少なくとも一種の元素である。)等を挙げることができる。
【0027】
また、窒化物系蛍光体は、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Luからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の希土類元素により賦活される、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の第II族元素と、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の第IV族元素と、Nと、を含む蛍光体である。この窒化物蛍光体の組成中に、Oが含まれていてもよい。
【0028】
窒化物系蛍光体の具体例としては、一般式、L
XM
YN
((2/3)X+(4/3)Y):R若しくはL
XM
YO
ZN
((2/3)X+(4/3)Y−(2/3)Z):R(Lは、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の第II族元素である。Mは、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、Hfからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の第IV族元素である。Rは、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Luからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の希土類元素である。X、Y、Zは、0.5≦X≦3、1.5≦Y≦8、0<Z≦3である。)で表されるものを挙げることができる。
【0029】
(半導体素子)
半導体素子5は、発光素子3とは別に、その発光素子3に隣接して基板2上に配置されるものである。反射樹脂8の上面を蛍光体層4の上面まで持ち上げることができる部材であれば半導体素子に限らず、どのような部材でも構わないが、通常は、半導体素子を利用することができる。このような半導体素子として、発光装置の発光を目的としない別の発光素子の他、発光素子を制御するためのトランジスタや、以下に説明する保護素子を挙げることができる。保護素子は、発光素子3を過大な電圧印加による素子破壊や性能劣化から保護するための素子である。保護素子は、具体的には、規定電圧以上の電圧が印加されると通電状態になるツェナーダイオード(Zener Diode)で構成される。保護素子は、発光素子3と同様にp電極とn電極とを有する半導体素子であり、発光素子3のp電極とn電極に対して逆並列となるように、すなわち、発光素子3のn電極およびp電極が、保護素子のp電極およびn電極とそれぞれに導電部材10より電気的に接続されている。保護素子の場合も、発光素子の場合と同様に、各導電部材の上に保護素子の各電極を対向させ、熱、超音波および荷重を印加することにより、導電部材と保護素子を接合する。
【0030】
これにより、発光素子3のpn両電極間に過大な電圧が印加されてその電圧がツェナーダイオードのツェナー電圧を超えたとしても、発光素子3のpn両電極間がツェナー電圧に保持され、このツェナー電圧以上になることがない。従って、保護素子を備えることによって、pn両電極間の電圧がツェナー電圧以上となることを防止することができ、過大な電圧が印加されることによる発光素子3の素子破壊や性能劣化の発生を適切に防止することができる。
【0031】
実装時の半導体素子の高さは、発光素子と蛍光体層を合わせた高さよりも低くすることが必要である。半導体素子を反射樹脂に完全に埋没させることにより、反射樹脂の上面を上昇させてひけを抑制するためである。
【0032】
図2は、
図1(b)の工程における集合基板上に配置された発光装置群の上面図である。基板上の行方向と列方向に複数の蛍光体層の上面4aが配置された状態を示している。この上面4aは各発光装置の発光面を形成する。半導体素子は、反射樹脂に完全に埋没しており、視認することはできないが、行方向の隣接する2つの発光素子の間の中間領域に配置されている。半導体素子を配置する中間領域は、行方向および列方向のうちいずれか一方向における、発光素子とその隣の発光素子との間隔と、上記行方向および列方向のうちいずれか他方向における、発光素子とその隣の発光素子との間隔と、のうち、いずれか大きいほうの発光素子とその隣の発光素子との間の中間領域であることが好ましい。その中間領域では反射樹脂のひけが特に発生し易いからである。
図2は、行方向の間隔xが、列方向の間隔yより大きい例を示しており、この場合には、行方向の中間領域に半導体素子を配置している。なお、
図2中、切断線12で規定される発光素子の周囲領域の内、半導体素子が配置されている領域を除く周囲領域の面積はできるだけ小さいほうが好ましい。これら周囲領域における反射樹脂のひけを抑制できるからである。
【0033】
(反射樹脂)
反射樹脂8の材料としては、絶縁材料を用いることが好ましい。また、ある程度の強度を確保するために、例えば熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。より具体的には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジンや、PPAやシリコーン樹脂などが挙げられる。また、これらの母体となる樹脂に、発光素子3からの光を吸収しにくく、かつ母体となる樹脂に対する屈折率差の大きい反射部材(例えばTiO
2,Al
2O
3,ZrO
2,MgO)等の粉末を分散することで、効率よく光を反射させることができる。
【0034】
反射樹脂8の充填は、例えば、固定された基板2の上側において、基板2に対して上下方向あるいは水平方向などに移動(可動)させることができる樹脂吐出装置を用いて行うことができる。すなわち、樹脂が充填された樹脂吐出装置をその先端のノズルから液体樹脂を吐出しながら移動させることで、発光素子3と半導体素子5の近傍に反射樹脂8を注入する。樹脂吐出装置の移動速度は、用いる樹脂の粘度や温度等に応じて適宜調整することができる。吐出量の調整は、吐出時にかかる圧力等を一定にするなどにより調整することができる。反射樹脂の粘度は、室温(20±5℃)で0.35〜13.0Pa・s、好ましくは3.0〜5.5Pa・sである。
【0035】
(導電材)
導電部材としては、バンプを用いることができ、バンプの材料としては、Au、共晶ハンダ(Au−Sn)、Pb−Sn、鉛フリーハンダ等を用いることができる。なお、
図1では、導電部材にバンプを用いた例を示しているが、導電部材はバンプに限定されず、例えば導電ペーストであってもよい。
【0036】
(アンダフィル)
アンダフィルは、基板上に配置された発光素子、他の半導体素子、導電部材等を、塵芥、水分、外力等から保護するための部材である。必要に応じて、発光素子3および半導体素子5と導電部材10の隙間にアンダフィルを設けてもよい。
【0037】
アンダフィルの材料としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂等を挙げることができる。また、このような材料に加えて、必要に応じて着色剤、光拡散剤、フィラー、蛍光部材等を含有させることもできる。
【0038】
図3は、本実施の形態に係る発光装置の製造方法を用いて製造された発光装置1の構造の一例を示す模式断面図であり、発光素子および半導体素子を含む垂直方向における切断直後の状態を示している。
図3(a)はその上面図、
図3(b)は
図3(a)のX−X’方向の断面図である。4は蛍光体層からなる発光面であり、8は反射樹脂層である。発光装置1は、基板2と、基板2上に導電部材10を介してフリップチップ実装され、上面に蛍光体層4を有する発光素子3と、基板2上に導電部材10を介してフリップチップ実装され、発光素子3と並列する半導体素子5と、発光素子3および蛍光体層4の側面に沿って配置されるとともに、半導体素子5全体を覆う反射樹脂8とを有している。
図3(a)、(b)に示すように、行方向に連続する複数の発光装置の1つの発光装置は、行方向に隣接する発光装置との連続領域で切断される。
図4は、
図3(b)の模式断面図の拡大図である。8aは反射樹脂の上面、8bは反射樹脂の半導体素子側の側面、8cは反射樹脂の発光素子側の側面を示している。角度θ
1は、反射樹脂の半導体素子側の側面8bと反射樹脂8の上面8aとにより形成される半導体素子側の角部8a1の角度を示し、該角部は発光素子と半導体素子を含む垂直方向の断面視において鋭角をなす。角度θ
1が鋭角であるので、半導体素子5を覆う反射樹脂8の厚さを十分に確保できる。一方、仮に、角度θ
1が鈍角であると、半導体素子5を覆う反射樹脂8の厚さが薄くなり、半導体素子を外部環境から保護する機能が不十分となる虞があるため、好ましくない。一方、角度θ
2は、反射樹脂の発光素子側の側面8cと反射樹脂8の上面8aとにより形成される発光素子側の角部8a2の角度を示し、該角部は発光素子と半導体素子を含む垂直方向の断面視において鈍角をなす。角度θ
2が鈍角であれば、発光装置を製造する際の切断工程時に、隣接する別の発光装置の反射樹脂の側面8bにおける角度θ
1が鋭角となるので好ましい。さらに、反射樹脂の上面に形成される凹部(ひけ)の最深部が、半導体素子の直上に形成されていることが好ましい。凹部の最深部が半導体素子の直上にないと、蛍光体層4の側面の反射層の厚さが薄くなり好ましくないからである。さらに、該最深部は、半導体素子の上面の中央の直上に形成されていることが好ましい。半導体素子を保護する反射樹脂の厚さを確保しながら、蛍光体層の側面の反射層の厚さが薄くなることを抑制できるからである。
【0039】
発光装置1は、反射樹脂8のひけが少なく、蛍光体層4の側面の反射層の幅が厚いので、蛍光体層4からの光を十分に反射することができる。これにより光の取り出し効率を向上させることができる。
【実施例】
【0040】
実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0041】
実施例1.
(発光装置の製造)
実施例として、
図3に示す発光装置を、
図1および2に示す方法で製造した。製造時には、集合基板に対して以下の工程を行い、最後に個片化することにより、個々の発光装置を製造した。
【0042】
表面に導電パターンが形成された基板2を準備した。本実施例では、基板2として平板状の窒化アルミニウム基板を用いた。基板2は、熱電導率が170W/m・K程度の窒化アルミニウム板材を焼成して形成し、その上にCu、Ni、Auなどの金属材料にて、発光素子との電気的接続をとるための導電パターンを形成した。各基板のサイズは、
図3における縦横の長さがそれぞれ約1.8mm、約1.45mmであり、厚みが約0.4mmである。導電パターンは、その厚みが約2μmである。
【0043】
次に、発光素子3および半導体素子5を基板に載置した。すなわち、集合基板の上に複数の発光素子をマトリックス状に配置するとともに、それらのマトリックス配置された発光素子の行または列方向のいずれか一方向で、発光素子とその隣の発光素子の間に半導体素子を配置した。具体的には、Auからなる導電部材10を用いて、サファイア基板上に半導体層が積層されて形成された、平面形状が約1.0mm四方の略正方形であり、厚みが約0.11mmの発光素子3を、サファイア基板側が光出射面となるように一列に配置してフリップチップ実装した。Auからなるバンプを予め設けた半導体素子5を導電パターンにフリップチップ実装した。
本実施例では、
図2に示されるように、行方向における、発光素子とその隣の発光素子との間隔x(0.75mm)と、列方向における、発光素子とその隣の発光素子との間隔y(0.38mm)のうち、大きいほうの行方向で、発光素子とその隣の発光素子との間に半導体素子を配置した。
【0044】
次に、発光素子3の上面に、蛍光体層4を接合した。本実施例においては、接着材6としてシリコーン樹脂を用い、熱硬化させることで蛍光体層4と発光素子3のサファイア基板とを接合面で接着させた。本実施例における蛍光体層4は、ガラス中にYAGが分散されてなる厚さ約0.2mmの蛍光体板である。蛍光体層4の下面の面積は、発光素子3の上面の面積よりも大きく形成されており、蛍光体層4は、接合面から露出された露出面を有するようにして接合される。
【0045】
次に、発光素子3および蛍光体層4、並びに半導体素子5の周囲に反射樹脂8を充填した。発光素子3および蛍光体層4の側面に沿って反射樹脂8を配置するとともに、半導体素子5を反射樹脂8の中に完全に埋没させた。本実施例では、反射樹脂8は、ジメチルシリコーン樹脂に酸化チタン粒子が約30wt%含有されたものを用いた。このように発光素子とその隣の発光素子との隙間に反射樹脂を充填することにより、反射樹脂が発光素子の側面で略位置決めされるので、硬化前流動性のある反射樹脂の位置決めを目的として、例えば、ダムを発光素子の側面に沿って配置する必要が無くなる。
【0046】
次に、上記工程を経た基板2を加熱炉に収容して加熱することで、反射樹脂8を硬化させた。次に、切断線12に沿って、隣接する発光素子3と半導体素子5を含むように基板および反射樹脂を切断することにより、複数の発光装置群から、個々の発光装置を分離する。すなわち、
図1(b)および
図2に示されるように、切断された基板上に、発光素子3および半導体素子5を少なくとも1つずつ含むように、マトリックス配列の行方向における、発光素子3とその隣の発光素子3の間と、マトリックス配列の列方向における、発光素子3とその隣の半導体素子5の間と、に切断線12を設定し、その切断線12に沿って配置されている反射樹脂8および集合基板の両方を切断する。
【0047】
得られた発光装置を900mAで駆動させた時の、発光面の発光状態を
図5(a)の写真に示す。面輝度が高く、輝度分布も均一であり、発光面の四辺が明確であった。
【0048】
また、得られた発光装置の断面写真を
図6に示す。反射樹脂(白っぽい部分)のひけが大きく抑制されていること、半導体素子側の反射樹脂側面と反射樹脂の上面とにより形成される角部が、発光素子および半導体素子を含む垂直方向の断面視において鋭角を有すること、および発光素子側の反射樹脂側面と反射樹脂の上面とにより形成される角部が、発光素子および半導体素子を含む垂直方向の断面視において鈍角を有することがわかる。
【0049】
比較例1.
半導体素子を基板に配置しなかった以外は、実施例1と同様にして発光装置を製造した。発光面の発光状態を
図5(b)の写真に示す。面輝度が低く、輝度分布も不均一であり(特に端部が暗く)、発光面の四辺はその輪郭が不明確であった。