特許第6150295号(P6150295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6150295
(24)【登録日】2017年6月2日
(45)【発行日】2017年6月21日
(54)【発明の名称】ガスコンロ
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/08 20060101AFI20170612BHJP
   F24C 15/10 20060101ALI20170612BHJP
   F24C 15/20 20060101ALI20170612BHJP
   F24C 3/02 20060101ALI20170612BHJP
【FI】
   F24C3/08 R
   F24C3/08 Q
   F24C15/10 E
   F24C15/20 D
   F24C3/02 J
   F24C15/10 B
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-268043(P2013-268043)
(22)【出願日】2013年12月25日
(65)【公開番号】特開2015-124915(P2015-124915A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2016年7月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118898
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 立昌
(72)【発明者】
【氏名】鹿島 彰浩
(72)【発明者】
【氏名】石野 洋二郎
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−050607(JP,U)
【文献】 実開昭63−178703(JP,U)
【文献】 実開昭54−160382(JP,U)
【文献】 実開昭61−159705(JP,U)
【文献】 特開2005−291583(JP,A)
【文献】 特開2009−186153(JP,A)
【文献】 特開2006−046884(JP,A)
【文献】 特開2009−041877(JP,A)
【文献】 特開2002−267163(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0345590(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/082686(WO,A1)
【文献】 特開2003−247724(JP,A)
【文献】 特開2007−263378(JP,A)
【文献】 特開2007−271210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/08
F24C 3/02
F24C 15/10
F24C 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の天板と、該天板に突出した炎孔部を備えるバーナーと、前記天板上に配置され被加熱物の底面部を支持する五徳とを備え、
前記炎孔部は、前記天板の後方側に向いた炎孔と被加熱物の底面部を支持する支持部を有し、
前記五徳は、前記炎孔より前記天板の後方側に位置して前記天板の前後に延設され、前記炎孔から出射する混合ガスに点火した火炎の燃焼排気を前記天板の後方側に導く対向した側面を有する一対の五徳体を備えることを特徴とするガスコンロ。
【請求項2】
前記炎孔部の支持部と前記一対の五徳体は、前記天板から一定高さの支持面を備え、
前記一対の五徳体の後端間には、前記燃焼排気を前記天板の後方側に送る開放口が形成されていることを特徴とする請求項1記載のガスコンロ。
【請求項3】
前記開放口に対向して前記燃焼排気を回収する回収口が設けられることを特徴とする請求項2記載のガスコンロ。
【請求項4】
前記回収口は、集中排気する排気口を有する排気流路に連通していることを特徴とする請求項3記載のガスコンロ。
【請求項5】
前記回収口は、前記天板下に配置されて燃料ガスと一次空気の一方又は両方を予熱する予熱排気流路に連通していることを特徴とする請求項3記載のガスコンロ。
【請求項6】
前記炎孔部と前記一対の五徳体の前端との間には間隙が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスコンロ。
【請求項7】
前記炎孔部は、前記支持部が前記天板と面一の状態で収納自在であり、前記五徳は前記天板の設定位置に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガスコンロ。
【請求項8】
前記一対の五徳体は、平面視が湾曲形状であり、平面視外向き凸の取り付け状態と平面視内向き凸の取り付け状態を置換できるように、2点で前記天板の設定位置に取り付けられていることを特徴とする請求項7記載のガスコンロ。
【請求項9】
前記天板は非磁性体で形成され、前記五徳体には磁石が設置され、前記天板には磁性体が設置されていることを特徴とする請求項8記載のガスコンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスコンロに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスコンロは、一般に、本体の天板上にバーナーの炎孔部を突出させて設け、その周囲に被加熱物の底(鍋底など)を支持する五徳を配置する構造を備えている。五徳は、通常天板に対して取り外し自在に設けられ、天板には五徳を一定の位置に保持するための凹凸部が設けられている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−57461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のガスコンロは、炎孔が360°放射状に配置されており、五徳に被加熱物を載置した状態であっても周囲から火炎がみえる状態で加熱がなされる。このため、燃焼排気がコンロの周囲に放出されることになると共に火炎の輻射熱がガスコンロの周囲に伝搬して室内温度を上昇させることになり、ガスコンロの使用環境を悪化させる問題が生じる。特に、使用者が立つガスコンロの前方側にも燃焼排気が拡がり火炎の輻射熱が伝搬するので、使用者の快適性が妨げられる問題があった。
【0005】
また、従来のガスコンロは、前述したように燃焼排気が周囲に放出されるので、燃焼排気の熱を回収して再利用することができない。すなわち、高温の排熱を有効に使用することができず、熱効率を向上させることが難しいという問題がある。
【0006】
また、従来のガスコンロは、天板の上面にバーナー炎孔部の突出や五徳を保持するための凹凸があるため、煮こぼれなどで天板が汚れた場合の清掃を簡易に行うことができない問題があり、また、天板上をフラット化した良好な外観性を得ることができない問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、燃焼排気の集中排気を可能にすることで、ガスコンロの使用環境を悪化させること無く、使用快適性を向上させること、高温の排熱を有効に使用して熱効率を向上させること、ガスコンロの天板を平面化することで、清掃の容易性を得ると共に良好な外観性を得ること、などが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明によるガスコンロは、以下の構成を少なくとも具備するものである。
【0009】
平板状の天板と、該天板に突出した炎孔部を備えるバーナーと、前記天板上に配置され被加熱物の底面部を支持する五徳とを備え、前記炎孔部は、前記天板の後方側に向いた炎孔と被加熱物の底面部を支持する支持部を有し、前記五徳は、前記炎孔より前記天板の後方側に位置して前記天板の前後に延設され、前記炎孔から出射する混合ガスに点火した火炎の燃焼排気を前記天板の後方側に導く対向した側面を有する一対の五徳体を備えることを特徴とするガスコンロ。
【発明の効果】
【0010】
このような特徴を有するガスコンロは、炎孔から出射する混合ガスに点火した火炎の燃焼排気を天板の後方側に集中排気することができるので、ガスコンロの使用環境を悪化させること無く、使用快適性を向上させることができる。また、後方に集中した排気を回収することで、高温の排熱を有効に使用して熱効率を向上させることができる。また、炎孔部の収納や五徳を着脱自在にすることで、平板状の天板により清掃の容易性と良好な外観性確保が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るガスコンロを示した説明図である((a)が平面図であり、(b)が部分断面図である。)。
図2】バーナーの炎孔部の一例を示しており、これを後方側からみた説明図である。
図3】本発明の他の実施形態に係るガスコンロを示している((a)が平面図であり、(b)が部分断面図である。)。
図4】本発明の他の実施形態に係るガスコンロを示している。
図5】本発明の他の実施形態に係るガスコンロを示している((a)が平面図であり、(b)が部分断面図である。)。
図6】本発明の他の実施形態に係るガスコンロを示している。
図7】本発明の他の実施形態に係るガスコンロを示した説明図である((a)が平面図であり、(b)が部分断面図である。)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るガスコンロを示した説明図である((a)が平面図であり、(b)が部分断面図である。)。なお、本明細書、図面、特許請求の範囲における「前」又は「前方」とは、ガスコンロに対してその使用者が立つ側を指し、「後」又は「後方」とは、ガスコンロにおける「前」又は「前方」と対向する側を指す。また、「左」,「右」とは使用者がガスコンロに向いた状態で使用者側からみた左右を指している。
【0013】
ガスコンロ1は、天板2、バーナー3、五徳4を備える。天板2は、平板状であり、本体10の上部を構成している。天板2は、耐熱性の材料、例えば、ジュラルミンなどで形成することができる。バーナー3は、天板2に突出した炎孔部30を備え、炎孔部30に混合ガスを供給する燃料供給部31を備えている。燃料供給部31はガスノズル5から噴射される燃料ガスと一次空気とを混合して混合ガスを形成する。炎孔部30は、天板2のやや前方側に位置して、天板2の後方側に向いた炎孔30Aを有する。炎孔部30には、炎孔30Aが開口した側に必要に応じて立ち消え温度センサ32を設けることができる。なお、バーナー3には、一般的なガスコンロのバーナーが備える点火装置やバルブ機構を付加することができる。
【0014】
図2は、バーナー3の炎孔部30の一例を示しており、これを後方側からみた図である。炎孔部30は、後方に向けて混合ガスを出射するスリット状の炎孔30Aを複数備えている。また、炎孔30Aの上部には、空気流路30Bが形成され、その上に被加熱物の底面部を支持する支持面30C1を有する支持部30Cが設けられている。炎孔30Aの上部にはスペーサ30B1を介して支持部30Cを設けることで、支持部30Cの下に空気流路30Bが形成されている。
【0015】
五徳4は、図1に示すように、炎孔30Aより天板2の後方側に位置して天板2の前後に延設され、炎孔30Aから出射する混合ガスに点火した火炎の燃焼排気を天板2の後方側に導く対向した側面40Aを有する一対の五徳体40を備える。五徳体40は、流線状に湾曲した側面40Aを有すると共に、鍋などの被加熱物Wの底面部Wtを支持する平面状の支持面40Bを備えている。
【0016】
このようなガスコンロ1は、天板2上に突出した炎孔部30の支持面30C1と一対の五徳体40の支持面40Bとで被加熱物Wの底面部Wtを支持している。炎孔部30の炎孔30Aは、天板2の左右に直線的に配列されており、一対の五徳体40の前端間に配置されている。
【0017】
炎孔部30の支持面30C1と一対の五徳体40の支持面40Bに被加熱物Wの底面部Wtを支持した状態では、被加熱物Wの底面部Wtと五徳体40の側面40Aと平板状の天板2で囲まれた空間が形成されることになり、その空間の前方側に炎孔30Aが配置されている。これによって、前述した空間が炎孔30Aに形成される火炎の燃焼排気を後方に流す流路を形成することになり、燃焼排気をガスコンロ1の周囲に拡散させず後方に集めることが可能になる。また、炎孔部30と一対の五徳体40の前端との間には間隙Sが形成されている。この間隙Sは、前述した空間に二次空気を流入させるためのものであり、炎孔30Aから出射する混合ガスによる引き込み効果で間隙Sから二次空気が前述した空間内に流入する。
【0018】
また、炎孔部30の支持面30C1と一対の五徳体40の支持面40Bに被加熱物Wの底面部Wtを支持した状態では、底面部Wtと支持面30C1,40Bとの密着によって、火炎が炎孔部30や五徳体40の外側に溢れるのを遮蔽することができる。これによってガスコンロ1の前方又は側方からは火炎が見えない状態になり、火炎からの輻射熱を効果的に遮蔽することが可能になる。
【0019】
ガスコンロ1は、図1に示すように、炎孔部30の支持部30Cと一対の五徳体40が天板2から一定高さの支持面30C1,40Bを備え、一対の五徳体40の後端間には、燃焼排気を天板2の後方側に送る開放口41が形成されている。このような構成を備えることで、前述した空間を経由した燃焼排気が開放口41を通って天板2の後方側に集中的に排気されることになる。
【0020】
図3図6は、本発明の他の実施形態に係るガスコンロを示している。前述した実施形態と同一の部位には同一符号を付して重複説明を省略する。図3図6に示したガスコンロ1A,1A1,1A2,1B,1B1,1B2はそれぞれ、一対の五徳体40の後端間に形成される開放口41に対向して燃焼排気を回収する回収口6が設けられている。
【0021】
図3((a)が平面図であり、(b)が部分断面図である。)に示したガスコンロ1Aは、回収口6が集中排気する排気口7を有する排気流路70に連通している。炎孔部30の炎孔30Aから出射する混合ガスに点火した火炎の燃焼排気は、前述したように被加熱物Wの底面部Wtと五徳体40の側面40Aと平板状の天板2で囲まれた空間を経由して開放口41から後方に送られることになるが、開放口41を出た燃焼排気は、回収口6内に回収され排気流路70を通って、例えば室外などに向けられる排気口7から放出される。
【0022】
図4は、図3に示したガスコンロ1Aの変形例を示している。図4(a)に示したガスコンロ1A1は、排気流路70が天板2下の本体10内に設けられ、排気口7が本体10の後方に設けられている。図4(b)に示したガスコンロ1A2は、排気流路70が天板2下の本体10内に設けられ、本体10内に設けられるグリルなどの内部加熱器Gの排気流路と合流して天板2上の排気口7に連通している。図4に示したガスコンロ1A1,1A2は、必要に応じて排気口7の内側又は外側に排気ファン71を設けることによって、より効率的な排気が可能になる。排気ファン71を駆動する電力は、別途設けられる電源への接続によって得ることができるが、その他にも、高温になった天板2の熱を利用した熱電素子による電源供給によることもできる。
【0023】
図5((a)が平面図であり、(b)が部分断面図である。)に示したガスコンロ1Bは、一対の五徳体40の後端間に形成される開放口41に対向して燃焼排気を回収する回収口6が、天板2下に配置される予熱排気流路8に連通している。予熱排気流路8は、ガスノズル5に燃料ガスを供給するガス供給ライン5Aに対して熱交換可能なように延設されている。予熱排気流路8に流入した燃焼排気は、熱交換部8Aを通過する間にガス供給ライン5Aを通過する燃料ガスを予熱する。この実施形態に係るガスコンロ1Bは、回収した燃焼排気の熱を燃料ガスの予熱に用いることで、高温の排熱を有効に使用して熱効率を向上させることができる。
【0024】
図6に示した例は図5に示した例の変形例を示している。図6(a)に示したガスコンロ1B1は、天板2下の本体10内に配置される予熱排気流路8を通って排気される燃焼排気の熱で、バーナー3の燃料供給部31に送る一次空気を予熱している。具体的には、バーナー3の燃料供給部31に一次空気流入口9Aから流入した一次空気を送る一次空気流路9を、本体10内に配置した予熱排気流路8の熱交換部8A内に通している。このガスコンロ1B1は、回収した燃焼排気の熱を一次空気の予熱に用いることで、高温の排熱を有効に使用して熱効率を向上させることができる。
【0025】
図6(b)に示したガスコンロ1B2は、天板2下の本体10内に配置される予熱排気流路8を通って排気される燃焼排気の熱で、バーナー3の燃料供給部31に送る燃料ガスと一次空気の両方を予熱している。具体的には、バーナー3の燃料供給部31に一次空気を送る一次空気流路9の内部にガス供給ライン5Aを配置して、この一次空気流路9とガス供給ライン5Aの2重管を本体10内に配置した予熱排気流路8の熱交換部8A内に通している。このガスコンロ1B2は、回収した燃焼排気の熱を燃料ガスと一次空気の両方の予熱に用いることで、高温の排熱を有効に使用して熱効率を向上させることができる。図6に示したガスコンロ1B1,1B2も、図4に示した例と同様に必要に応じて排気口7の内側又は外側に排気ファン71を設けることによって、より効率的な排気が可能になる。
【0026】
図7は本発明の他の実施形態に係るガスコンロを示した説明図である((a)が平面図であり、(b)が部分断面図である。)。前述した実施形態と同一の部位には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施形態に係るガスコンロ1Cは、炎孔部30の支持部30Cが天板2と面一の状態で収納自在であり、五徳4(五徳体40)が天板2の設定位置に着脱自在に取り付けられている。具体的には、天板2は非磁性体の材料(例えばジュラルミンなど)で形成されており、五徳4を取り付ける設定位置に磁性体20が設置されている。また、五徳体40,42には、磁性体20に吸着する磁石43が設置されている。これによって、五徳4は天板2の設定された位置に固定することができ、また、五徳4を天板2から簡易に取り外すことができる。図7に示した例では、五徳4は、被加熱物の底面部中央を支持する五徳体42を備えている。この五徳体42は、燃焼排気の後方への流れを阻害しない流線形の側面を有している。
【0027】
このようなガスコンロ1Cは、天板2から五徳4を取り外して、バーナー3の炎孔部30を収納して、炎孔部30の支持部30Cを天板2と面一にすることで、天板2上を平面化することができる。このように、非使用時に天板2上を平面化することで、天板2上の清掃を簡易に行うことができる。また、天板2のフラット化によって非使用時の美観を向上させることができる。
【0028】
また、図7に示したガスコンロ1Cは、一対の五徳体40が、平面視が湾曲形状であり、平面視外向き凸の取り付け状態と平面視内向き凸の取り付け状態を置換できるように、2点で天板2の設定位置に取り付けられている。このように一対の五徳体40を固定すると、五徳体40を図示の実線で示した平面視外向き凸の湾曲状態で取り付けることで、比較的外径の大きい底面部Wt(1)を安定的に支持することが可能になり、五徳体40を図示の一点破線で示した平面視内向き凸の湾曲状態で取り付けることで、比較的外径の小さい底面部Wt(2)を安定的に支持することが可能になる。このように、ガスコンロ1Cは、底面部の外径が異なる被加熱物を安定的に支持することが可能になる。
【0029】
以上説明したように、本発明の実施形態に係るガスコンロ1〜1Cは、炎孔30Aから出射する混合ガスに点火した火炎の燃焼排気を天板2の後方側に集中排気することができるので、ガスコンロ1〜1Cの使用環境を悪化させること無く、使用快適性を向上させることができる。また、後方に集中した排気を回収することで、高温の排熱を有効に使用して熱効率を向上させることができる。また、炎孔部30の収納や五徳4を着脱自在にすることで、平板状の天板2により清掃の容易性と良好な外観性確保が可能になる。
【0030】
特に、本発明の実施形態に係るガスコンロ1〜1Cは、後方向きに火炎を形成する炎孔30Aを有する炎孔部30に支持部30Cが設けられ、その支持面30C1に被加熱物Wの底面部Wtが支持されるので、前方に向かう火炎を遮蔽した状態で被加熱物Wを加熱することができる。これによって、ガスコンロ1〜1Cの前方側に立つ使用者に火炎の輻射熱や燃焼排気が向かうことを効果的に抑止でき、良好な使用快適性を得ることができる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0032】
1,1A,1A1,1A2,1B,1B1,1B2,1C:ガスコンロ,
10:本体,
2:天板,20:磁性体,
3:バーナー,30:炎孔部,
30A:炎孔,30B:空気流路,30C:支持部,30C1:支持面,
31:燃料供給部,32:立ち消え温度センサ,
4:五徳,40,42:五徳体,40A:側面,40B:支持面,
41:開放口,43:磁石,
5:ガスノズル,5A:ガス供給ライン
6:回収口,7:排気口,70:排気流路,71:排気ファン,
8:予熱排気流路,8A:熱交換部,
9:一次空気流路,9A:一次空気流入口,
S:間隙,W:被加熱物,Wt:底面部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7