(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポストの前記高さの実質的に全体に関して、所与の軸方向位置における、前記実質的な前−後方向の前記内側表面の幅および前記外側表面の幅が、前記軸方向位置における前記実質的な前−後方向の前記ポストの最大幅の1/6〜2/3である、請求項1に記載の脛骨インサート。
軸方向における前記内側表面の平均長さが、前記実質的な前−後方向における前記内側表面の平均長さの2倍超であり、軸方向における前記外側表面の平均長さが、前記実質的な前−後方向における前記外側表面の平均長さの2倍超である、請求項1に記載の脛骨インサート。
前記ポストは、前記前方表面と前記内側表面および前記外側表面との間に、ならびに前記後方表面と前記内側表面および前記外側表面との間に、丸みエッジを有する、請求項6に記載の脛骨インサート。
前記丸みエッジは、0.076センチメートル(0.030インチ)〜0.229センチメートル(0.090インチ)の半径を有する、請求項7に記載の脛骨インサート。
前記ポストは、前記ポストの上方部分が前記ポストの下方部分から回転的にずれるように、前記ポストの前記軸に沿ってねじれを有する、請求項1に記載の脛骨インサート。
前記ポストは、前記内側表面および前記外側表面が前記ベースの内側および外側に対してある角度で配向されるように、前記ベースから回転的にずれる、請求項1に記載の脛骨インサート。
前記ポストは、前記ポストが前記開口内に受けられる場合に、前記ポストと前記実質的に平行な内方壁部との間に0.013センチメートル(0.005インチ)〜0.076センチメートル(0.030インチ)の総隙間を画成するように寸法設定される、請求項12に記載のプロテーゼ。
前記ポストは、後方表面および前方表面を有し、前記ポストは、前記前方表面と前記内側表面および前記外側表面との間に、ならびに前記後方表面と前記内側表面および前記外側表面との間に、丸みエッジを有する、請求項12に記載のプロテーゼ。
前記非対称後方カムは、60度〜90度の屈曲である第1の角度よりも大きな屈曲角度で前記後方表面に係合するように構成され、前記非対称後方カムは、前記第1の角度未満の屈曲角度で前記後方表面に係合しないように構成される、請求項16に記載のプロテーゼ。
前記ポストは、後方表面および前方表面を有し、前記ポストは、前記前方表面と前記内側表面および前記外側表面との間に、ならびに前記後方表面と前記内側表面および前記外側表面との間に、丸みエッジを有する、請求項18に記載のプロテーゼ。
前記非対称後方カムは、60度〜90度の屈曲である第1の角度よりも大きな屈曲角度で前記後方表面に係合するように構成され、前記非対称後方カムは、前記第1の角度未満の屈曲角度で前記後方表面に係合しないように構成される、請求項21に記載のプロテーゼ。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一般的な一態様においては、脛骨インサートは、内反/外反拘束を可能にし、脛骨大腿骨回旋を可能にする。脛骨インサートは、伸展から約90度〜120度の屈曲までの屈曲/伸展範囲にわたり大腿骨構成要素に係合するように構成された壁部を有するポストを備える。このポストは、ポストが大腿骨構成要素と接触状態にある場合に脛骨大腿骨回旋を可能にする丸みエッジを有する。
【0005】
別の一般的な態様においては、脛骨インサートは、ベースと、長手方向軸に沿ってベースから延在するポストとを備える。ポストは、内側表面、外側表面、および長手方向軸に沿った高さを有する。内側表面は、内側セクションを有し、外側表面は、内側セクションに対して実質的に平行に配向された外側セクションを有する。内側セクションおよび外側セクションはそれぞれ、脛骨インサートが大腿骨構成要素と対合される場合に、伸展から約90度〜120度の屈曲までの屈曲/伸展範囲にわたる内反/外反拘束を可能にするのに十分な幅を、実質的な前−後方向において有する。
【0006】
実装形態は、以下の特徴の中の1つまたは複数を備えることが可能である。例えば、大腿骨構成要素は、実質的に平行な壁部間にポストを受けるための開口を画定し、この開口は、ポストが開口内に受けられる場合に、ポストと実質的に平行な内方壁部との間に約
0.013センチメートル(0.005インチ
)〜約
0.076センチメートル(0.030インチ
)の隙間を画成する。内側セクションおよび外側セクションはそれぞれ、ポストの高さの少なくとも半分にわたり、長手方向軸に沿った所与の軸方向位置における実質的な前−後方向の内側セクションの幅および外側セクションの幅が、その軸方向位置における実質的な前−後方向のポストの最大幅の約1/6〜約2/3である。ポストは、実質的に平坦な近位表面およびポストの上方前方部分中に画定されたノッチを有する。ノッチの少なくとも一部分が、内−外方向に沿ってポスト全体にわたって画定される。内側セクションおよび外側セクションは、実質的に平坦であり、実質的な前−後方向に沿って配向される。ポストの高さの実質的に全体に関して、所与の軸方向位置における、実質的な前−後方向の内側表面の幅および外側表面の幅が、その軸方向位置における実質的な前−後方向のポストの最大幅の約1/6〜約2/3である。軸方向における内側表面の平均長さが、実質的な前−後方向における内側表面の平均長さの2倍超であり、軸方向における外側表面の平均長さが、実質的な前−後方向における外側表面の平均長さの2倍超である。ポストは、ポストの上方部分がポストの下方部分から回転的にずれるように、ポストの軸に沿ってねじれを有する。ポストは、内側表面および外側表面がベースの内側および外側に対してある角度で配向されるように、ベースから回転的にずれる。ポストは、前方表面および後方表面を有し、前方表面および後方表面はそれぞれ、凸状部分を有する。ポストは、前方表面と内側表面および外側表面との間に、ならびに後方表面と内側表面および外側表面との間に、丸みエッジを有する。丸みエッジは、約
0.076センチメートル(0.030インチ
)〜約
0.229センチメートル(0.090インチ
)の半径を有する。
【0007】
別の一般的な態様においては、膝プロテーゼの実施方法が、約0度〜約150度の屈曲/伸展範囲にわたり膝プロテーゼの屈曲/伸展を可能にするステップと、伸展から約90度〜約120度の屈曲までの被拘束屈曲/伸展範囲にわたり膝プロテーゼの内反/外反アラインメントを拘束するステップと、被拘束屈曲/伸展範囲の少なくとも一部分にわたり、脛骨インサートの実質的な上−下軸を中心として膝プロテーゼの大腿骨構成要素に対して膝プロテーゼの脛骨インサートを回転させるステップとを含む。
【0008】
別の一般的な態様においては、膝プロテーゼの脛骨インサートを試験する方法が、調製された脛骨または脛骨トレイに対して第1の脛骨インサートを結合するステップと、膝プロテーゼの適合性を評価するステップと、調製された脛骨または脛骨トレイから第1の脛骨インサートを取り外すステップとを含む。この方法は、調製された脛骨または脛骨トレイに第2の脛骨インサートを結合するステップを含む。第2の脛骨インサートは、約0度〜約150度の屈曲/伸展範囲にわたり膝プロテーゼの屈曲/伸展を可能にし、脛骨インサートが大腿骨構成要素と対合される場合に、伸展から約90度〜約120度の屈曲までの被拘束屈曲/伸展範囲にわたり膝プロテーゼの内反/外反アラインメントを拘束し、被拘束屈曲/伸展範囲の少なくとも一部分にわたり、脛骨インサートの実質的な上−下軸を中心として大腿骨構成要素に対して膝プロテーゼの脛骨インサートを回転させるように構成される。
【0009】
実装形態は、以下の特徴の中の1つまたは複数を備えることが可能である。例えば、第1の脛骨インサートおよび第2の脛骨インサートはそれぞれ、ポストを有し、第1の脛骨インサートおよび第2の脛骨インサートは、それぞれ異なるポスト寸法を有する。
【0010】
別の一般的な態様においては、プロテーゼが、実質的に平行な内方壁部同士の間に開口を画定する大腿骨構成要素と、ベースおよびベースから延在するポストを有する脛骨インサートとを備える。ポストは、内側表面および外側表面を有し、開口内に受けられるように構成される。内側表面は、内側セクションを有し、外側表面は、内側セクションに対して実質的に平行に配向された外側セクションを有する。内側セクションおよび外側セクションはそれぞれ、ポストが開口内に受けられ、内側セクションおよび外側セクションがそれぞれ実質的に平行な内方壁部の一方に係合するように、脛骨インサートが大腿骨構成要素と対合される場合に、伸展から約90度〜約120度の屈曲までの屈曲/伸展範囲にわたりプロテーゼの内反/外反アラインメントを拘束するのに十分な幅を、実質的な前−後方向において有する。脛骨インサートおよび大腿骨構成要素の係合により、被拘束屈曲/伸展範囲の少なくとも一部分にわたり大腿骨構成要素に対して脛骨インサートが回転される。
【0011】
実装形態は、以下の特徴の中の1つまたは複数を備えることが可能である。例えば、ポストは、ポストが開口内に受けられる場合に、ポストと実質的に平行な内方壁部との間に約
0.013センチメートル(0.005インチ
)〜約
0.076センチメートル(0.030インチ
)の総隙間を画成するように寸法設定される。ポストは、後方表面および前方表面を有し、ポストは、前方表面と内側表面および外側表面との間に、ならびに後方表面と内側表面および外側表面との間に、丸みエッジを有する。
ベースは、凹状部分を有する内側軸受表面および凹状部分を有する外側軸受表面を有する。内側軸受表面の凹状部分は、ベースの中央から前方向にずらされて位置決めされ、上−下方向における外側軸受表面の凹状部分の最大深さよりもさらに深い最大深さを上−下方向において有する。ポストは、後方表面を有し、大腿骨構成要素は、後方表面に係合して大腿骨構成要素に対する脛骨インサートの回転をもたらすように構成された非対称後方カムを有する。後方カムは、約60度〜約90度の屈曲である第1の角度よりも大きな屈曲角度で後方表面に係合するように構成され、後方カムは、第1の角度未満の屈曲角度で後方表面に係合しないように構成される。
【0012】
以下、1つまたは複数の実装形態の詳細が、添付の図面および説明において示される。本開示の他の特徴、目的、および利点は、その説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになろう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1および
図2を参照すると、膝プロテーゼ100が、内反/外反拘束を可能にし、さらに大腿骨に対する脛骨の内旋および外旋を可能にする。これを実現するために、膝プロテーゼ100は、大腿骨構成要素200に係合することにより、(i)大腿骨とのその適切なアラインメントからの脛骨の内反−外反偏位を制限し、(ii)屈曲の際の大腿骨に対する脛骨の回旋を容易にするように形状設定された、脛骨インサート300を備える。脛骨インサート300は、拘束式インサートとも呼ぶことが可能であり、組み立てられた膝プロテーゼ100内の大腿骨構成要素200によって拘束される。
【0015】
健康な膝の屈曲の際には、脛骨は、その長手方向軸を中心として少量だけ回旋する(内旋−外旋)。膝プロテーゼ100は、この回旋が再建された膝に対して自然な感覚を保存する助けとなるのを可能にする。大腿骨に対する脛骨の内旋(脛骨大腿骨回旋)により、大腿四頭筋および脛骨の作用線が位置合わせされて、位置合わせされない膝関節システムに比べて大腿四頭筋の効率が改善される。また、適切な位置合わせにより、膝蓋骨に対する剪断力が低下し、膝プロテーゼ100の寿命が改善され得る。脛骨は、膝が屈曲すると、大腿骨に対して内旋し、膝が伸展すると、大腿骨に対して外旋する。また、膝プロテーゼ100は、ACLおよびPCLの機能に加えて、MCLおよび/またはLCLの機能も置換することが可能であり、脛骨インサート300は、膝に対する内反力/外反力を制限する。
【0016】
一般的には、大腿骨に対する脛骨の可能な移動は、3つの異なる軸を中心とした移動を含むと考えることが可能である。膝の屈曲および伸展の結果として、脛骨は、膝を通過する内−外軸を中心として大腿骨に対して移動する。内反/外反運動は、は、膝を通過する前−後軸を中心とした脛骨および大腿骨の移動を指し、例えば、脚を内側にまたは外側に弯曲させる移動などを指す。大腿骨の軸回旋は、脛骨の長手方向軸(例えば、実質的な上−下方向に沿った軸などの、脛骨体に対して平行な軸など)に対して行われ得る。
【0017】
本明細書においては、脛骨大腿骨回旋は、脛骨の長手方向軸に対する大腿骨の軸回旋を指し、通常は内旋および外旋と呼ばれる。使用時に、膝プロテーゼ100は、屈曲および伸展の際に脛骨大腿骨回旋を生じさせつつ、内反/外反移動を制限する(例えば内反/外反移動をある特定の可動域または弛緩範囲に拘束する)。
【0018】
左膝用の膝プロテーゼ100は、大腿骨の遠位端部に対して取り付けるための大腿骨構成要素200と、脛骨の近位端部に対して装着するための脛骨インサート300とを備える。脛骨インサート300は、公知の方法により脛骨に対して装着することが可能である。
【0019】
大腿骨構成要素200は、大腿骨構成要素200中に開口212を画定する内側壁部210および外側壁部211を備える。これらの壁部210、211は、実質的に平坦で実質的に平行な内方表面213、215を備える。大腿骨構成要素200は、これらの壁部210、211の前方部分224に位置する前方カム214を備える(
図2)。また、大腿骨構成要素200は、壁部210、211の上方後方部分226に位置する後方カム216を備える。後方カム216は、非均一な厚さを有し、後方カム216の外側部分222が、内側部分220よりも厚い。
【0020】
大腿骨構成要素200は、内側顆表面202を有する内側顆部分201を備える。また、大腿骨構成要素は、外側顆部分203および外側顆表面204を備える。内側顆表面202および外側顆表面204は、丸みを有し、いくつかの実装形態においては、非対称であることが可能である。大腿骨構成要素200は、内側顆表面202と外側顆表面204との間に、膝の屈曲の際に膝蓋骨または膝蓋骨インプラントが滑動するための滑車溝206を画定する。
【0021】
脛骨インサート300は、ベース301と、脛骨インサート300の近位表面303の実質的に中心位置から延在する隆起セクションまたはポスト302を備える。ポスト302は、例えば実質的な上−下方向に延在する軸などの長手方向軸Xに沿ってベースから延在する。ポスト302は、内側表面304、外側表面306、前方表面308、後方表面310、および近位表面312を備える。大腿骨構成要素200および脛骨構成要素300が結合されると、ポスト302は、前方カム214と後方カム216との間の開口212内に受けられる。内側表面304および外側表面306は、大腿骨構成要素200の壁部210、211の内方表面213、215に接触する、実質的に平行で実質的に平坦な接触セクション322、320(
図6および
図7)を備える。前方表面308は、前方に凸状をなし、後方表面310は、後方に凸状をなす。
【0022】
近位表面312は、実質的に平坦であり、ポスト302は、その上方前方部分にノッチ314、すなわち膝蓋骨逃がし部を画定する。ノッチ314は、深い屈曲時の膝蓋骨または膝蓋骨インプラントのために隙間を提供する。ノッチ314は、インプラントシステムにおける使用が可能な膝蓋骨インプラントの球面半径と同様の球面半径を有してもよい。ノッチ314の少なくとも一部分は、例えば内側表面304から外側表面306にかけてなど、実質的な内−外方向に沿ってポスト302の全体にわたって完全に画定される。
【0023】
また、脛骨インサート300は、内側顆表面202および外側顆表面204にそれぞれ係合する勾配状の凹状部分を有する、内側軸受表面316および外側軸受表面318を備える。
【0024】
脛骨インサート300は、例えば高分子量ポリエチレンなどから形成することが可能である。試験版脛骨インサートは、例えばポリオキシメチレン(アセタール)などの熱可塑性プラスチックなどの滅菌可能プラスチックから作製することが可能である。試験版脛骨インサートは、植え込み用の対応する脛骨インサートの形状および寸法に近似するものである。一般的には、試験版脛骨インサートは、再利用のために滅菌することが可能である。
【0025】
以下でさらに説明するように、いくつかの実装形態においては、膝プロテーゼ100は、約0度〜約150度の屈曲の屈曲/伸展範囲にわたる屈曲/伸展を可能にする。この膝プロテーゼ100は、伸展(または過伸展)から約90度〜約120度の屈曲までの被拘束屈曲/伸展範囲に膝プロテーゼ100の内反/外反アラインメントを拘束する。使用時には、脛骨インサート300は、大腿骨構成要素200に対して回転して、被拘束屈曲/伸展範囲の少なくとも一部分にわたる脛骨大腿骨回旋をもたらす。脛骨インサート300および大腿骨構成要素200は、被拘束屈曲/伸展範囲の1つまたは複数の部分にわたり、または被拘束屈曲/伸展範囲の全体にわたり、相互に対して回転することが可能である。任意には、脛骨大腿骨回旋は、約0度〜約150度の屈曲の屈曲/伸展範囲にわたり生じる。この回転は、脛骨の軸を中心として生じるが、この回転方向は、ポスト302の長手方向軸Xなどの脛骨インサートの実質的な上−下軸を中心とした方向である。また、大腿骨構成要素200に対する脛骨インサート300の並進移動が、以下において説明するようにこの回転の際に生じ得る。
【0026】
膝プロテーゼ100の内反/外反アラインメントの拘束は、例えば、膝プロテーゼ100に対する内方力および外方力に抵抗することなどを含む。このようにすることで、膝プロテーゼ100は、MCLおよび/またはLCLの機能を補足または置換する。膝プロテーゼ100は、許容可能なアラインメント範囲に内反/外反アラインメントを限定するか、またはある特定の内反/外反アラインメントからの偏位を所定範囲に限定することが可能である。使用時には、例えば、膝プロテーゼ100は、脛骨および大腿骨を、相互に対して所定の位置範囲または角度範囲に拘束する。膝プロテーゼ100は、所定範囲内における膝の幾分かの内反/外反移動を可能にしつつ、拘束を実現することが可能である。膝プロテーゼ100は、内反/外反アラインメントまたは内反/外反移動を、健康な膝に典型的な内反/外反アラインメント範囲または内反/外反移動範囲と同一または同様の範囲に拘束することができる。いくつかの実装形態においては、膝プロテーゼ100は、所望の弛緩から合計で5度以下または合計で1度以下へと、脛骨および大腿骨の内反/外反偏位を制限する。所望の内反/外反弛緩可動域は、約5度であることが可能である。いくつかの実装形態においては、内反/外反移動は、完全に不可能であってもよい。
【0027】
膝プロテーゼ100を植え込むための手術の際に、内科医は、調製された脛骨または脛骨トレイに対して試験版脛骨インサートを結合する。内科医は、患者に最も適した脛骨インサート300を特定するために例えば様々な試験版脛骨インサートを結合するおよび取り外すことなどにより、試験版脛骨インサートのサイズの適合性を評価する。内科医は、試験版脛骨インサートを使用して膝プロテーゼ100の試験可動域を実現することが可能である。これにより、内科医は、試験版脛骨インサートの性能および安定性を評価し、膝プロテーゼ100と協働する靭帯および他の組織の挙動および機能を評価することが可能となる。内科医は、例えば、試験版脛骨インサートが大腿骨構成要素と係合した場合に患者の内反/外反アラインメントを十分に拘束しているか否か、および試験版脛骨インサートにより十分な脛骨大腿骨回旋範囲が可能となるか否かなどを、評価することが可能である。
【0028】
一例としては、内科医は、内反/外反運動または内反/外反位置を拘束しないが、約0度〜約150度の屈曲/伸展範囲にわたる屈曲/伸展を可能にし、約0度〜約150度の屈曲/伸展範囲の一部分または全てにわたり大腿骨構成要素に対して脛骨インサートを回転させる、試験版脛骨インサートを試験してもよい。
【0029】
この試験プロセスにより、内科医は、さらなる拘束が適切であると判断してもよい。例えば、内科医は、患者が内側側副靭帯(MCL)の弛緩または過剰な緩みを示すと判定してもよい。それに応じて、内科医は、内反/外反アラインメントを拘束しさらに脛骨大腿骨回旋を可能にする様々な試験版脛骨インサートを試験することが可能となる。これらの試験版脛骨インサートは、可変内反/外反拘束レベルおよび可変脛骨大腿骨回旋範囲を実現する、可変のポスト302寸法または可変の接触部分320、322寸法を有することが可能である。例えば、内科医は、それぞれが、伸展(または過伸展)から約90度〜約120度の屈曲までの被拘束屈曲/伸展範囲に内反/外反アラインメントを拘束し、約0度〜約150度の屈曲/伸展範囲にわたる屈曲/伸展を可能にし、大腿骨構成要素に対して対合した場合にこの被拘束範囲の少なくとも一部分にわたり大腿骨構成要素に対して回転する、1つまたは複数の異なる試験版脛骨インサートを試験してもよい。
【0030】
試験版脛骨インサートが、適切なサイズ特徴および性能特徴を有することが判明した後に、内科医は、試験版脛骨インサートを取り外し、その代わりに、試験版脛骨インサートと同一のサイズおよび特徴を有する脛骨インサート300を脛骨または脛骨トレイに結合する。
【0031】
いくつかの実装形態においては、試験版脛骨インサートのライブラリ(例えば複数の試験版脛骨インサートのセット)が、手術の際に使用するために用意される。このライブラリ内の試験版脛骨インサートは、それぞれ異なるポスト寸法を有することが可能である。例えば、個々の試験版脛骨インサートは、大腿骨構成要素200に対してそれぞれ異なる隙間を有することが可能であり、その結果として安定性レベルおよび脛骨大腿骨回旋レベルがそれぞれ異なる。また、追加的には、または代替的には、これらの個々の試験版脛骨インサートは、ポストの角のそれぞれ異なる曲率半径を、それぞれ異なるポスト高さを、内側表面および外側表面のそれぞれ異なる幅または形状(例えばそれぞれ異なる接触セクション322、320)を、それぞれ異なる内側軸受表面および外側軸受表面を、ならびに他のバリエーションを有することが可能である。ライブラリ内の試験版脛骨インサートの安定性特徴および脛骨大腿骨回旋特徴に関する情報は、外科医に対して提供される。外科医は、ある特定の患者に対する安定性および脛骨大腿骨回旋の適切なバランスを実現するように、ライブラリから脛骨インサートを選択する。例えば、外科医は、患者データにより示されるニーズに合致する安定性特徴および脛骨大腿骨回旋特徴を有する1つまたは複数の試験版脛骨インサートを選択する。
【0032】
再建される膝に必要な安定性レベル(例えば安定度または拘束度など)は、例えば印加される負荷と結果的に得られる膝の内反−外反回転との間の関係を示すデータなどの、術前弛緩データを利用して予測することが可能である。負荷は、例えば患者に対して装着されるデバイスにより、または手持ち式負荷測定計器を用いて医療専門家により、印加され得る。また、再建される膝に対する所望の脛骨大腿骨回旋量も、術前データを利用して決定することが可能である。例えば、磁気共鳴画像法(MRI)、コンピュータ断層撮影法(CT)、およびX線画像化などの画像技術を利用して、膝の個々の位置における脛骨と大腿骨との間の距離の変化を測定することが可能である。また、膝の運動は、画像ベースモーションキャプチャ技術、電磁モーションキャプチャ技術、または膝の位置の角度変化を測定するために膝に対して装着される機械リンク装置を利用して追跡することが可能である。
【0033】
組み立てられた膝プロテーゼ100においては、ポスト302と壁部210、211との間の係合により、脛骨インサート300の内側偏位および外側偏位が限定されることによって、すなわち矢印Bの方向における大腿骨構成要素200に対する脛骨インサート300の傾斜が制限されることによって、内反/外反アラインメントが拘束される。有効な拘束を実現するためには、内側表面304および外側表面306の接触セクション322、320は、例えば約
1.40センチメートル(0.550インチ
)〜
2.21センチメートル(約0.870インチ
)などの長さL
1を有する。
大腿骨構成要素200の壁部210、211は、上−下方向において、例えば少なくとも長さL
1と同等の長さなどである高さを有する。
【0034】
さらに、接触セクション322、320は、前−後方向において、例えば約
0.318センチメートル(0.125インチ
)〜約
0.572センチメートル(0.225インチ
)などの幅Wを有する。接触セクション322、320は、ポスト302の上方部分307における接触セクション322、320の幅Wがポスト302の下方部分305における幅と実質的に同一になるように、ある程度矩形の形状を有する。幅Wは、脛骨インサート300が大腿骨構成要素200と対合される場合に、伸展(または過伸展)から約90度〜約120度の屈曲までの屈曲/伸展範囲にわたる内反/外反拘束を可能にするのに十分なものである。
【0035】
任意には、接触セクション322、320は、ある程度台形の形状を有する。例えば、接触セクション322、320の最大前−後幅は、接触セクション322、320の内側部分に位置することが可能であり、前−後幅は、上方向に向かってこの最大幅から縮小することが可能である。接触セクション322、320の後方境界部または後方エッジは、前後幅の変化によって勾配状の前方境界部または前方エッジが得られるように、実質的な上−下方向に延在することが可能である。
【0036】
ポスト302の高さHおよび接触セクション322、320の長さL
1は、実現される内反/外反拘束の度合いに影響を及ぼす。より高いポスト302は、ポスト302の長さに沿ってより長い距離にわたり壁部210、211との接触をもたらして、より効果的な拘束を可能にする。その結果、いくつかの実装形態においては、ポスト302は、壁部210、211と実質的に同一の高さとなる。いくつかの実装形態においては、ポスト302の高さHは、約
1.83センチメートル(0.720インチ
)〜約
2.51センチメートル(0.990インチ
)である。
【0037】
膝の伸展時に、ポスト302の前方表面308は、前方カム214に係合して前方安定化を実現することができる。また、伸展時には、接触セクション322、320は、壁部210、211に接触して、伸展または過伸展と約90度〜約120度との間の屈曲角度での内反/外反拘束を実現することが可能である。対照的に、例えば約125度以上の屈曲角度での膝の屈曲時には、内側表面304および外側表面306は、壁部210、211間においてもはや完全には拘束されない。
【0038】
伸展は、脚が例えば0度の屈曲などの直線状である位置に相当する。過伸展は、例えば完全な伸展をある量だけ超えて後方に脚が曲がるなどの、逆の屈曲方向への膝の曲がりである。上述のように、プロテーゼは、例えば1度、5度、またはそれを超える過伸展などの過伸展を含む範囲にわたる内反/外反拘束を実現することが可能である。
【0039】
図3に図示するように、ポスト302は、下方部分305において、上方部分307よりも幅広の幅W
2を有する。前−後幅が大きいことにより、ポスト302に対するベース301の連結が強化される。また、幅W
2により、前方表面308は、前方カム214に係合することが可能となる。
【0040】
図4は、伸展時の膝プロテーゼ100の上面図を示す。この位置から、膝が屈曲するにつれて、内側顆表面202および外側顆表面204は、転動し、また、内側軸受表面316および外側軸受表面318のそれぞれの上で滑動する。約60〜90度の屈曲では、後方カム216は、ポスト302の後方表面310に接触して、後方安定化を実現する。引き続き屈曲することにより、後方カム216は、ポスト302の後方表面310に係合する。
【0041】
したがって、いくつかの実装形態においては、後方カム216は、約60度〜約90度の屈曲である第1の角度において、および第1の角度よりも大きな屈曲角度において、後方表面310に係合するように構成される。後方カム216は、第1の角度未満の屈曲角度において、後方表面310に係合しないように構成される。
【0042】
大腿骨に対する脛骨の内旋は、膝が完全伸展と約130度の屈曲との間で屈曲する際に生じる。脛骨大腿骨回旋は、外側顆部分203が、内側顆部分201と比較して脛骨インサート300に対して非対称並進移動することによって実現される。一般的には、外側顆部分203は、内側顆部分201よりも大きな範囲にわたり並進移動することにより、脛骨インサート300に対する大腿骨構成要素200の回転をもたらす。
【0043】
脛骨大腿骨回旋をもたらす非対称並進移動は、2つの作用、すなわち第1の、顆表面202、204との軸受表面316、318の係合と、第2の、ポスト302の後方表面310との非対称形状後方カム216の係合とにより、促進される。これらの作用により、大腿骨構成要素の外側顆部分203は、内側顆部分201よりも、脛骨インサート300に対して後方へとさらに滑動する。対照的に、伸展へと移動する場合には、大腿骨構成要素の外側顆部分203は、内側顆部分201よりも、脛骨インサート300に対して前方向へとさらに滑動する。伸展の際のこの前方並進移動により、ポスト302の前方表面308は、前方カム214の付近に移動され、前方安定性を実現することが必要とされる場合にはそこでポスト302に接触し得る。いくつかの実装形態においては、例えば0度の屈曲において脚が直線状となる場合などの正常な立位の際に、前方カム214がポスト302に接触しないように、隙間が設けられる。
【0044】
内側軸受表面316と外側軸受表面318との間の相違により、内側顆表面202および外側顆表面204の非対称並進移動が引き起こされる。例えば、内側軸受表面316は、外側軸受表面318よりもより凹状となる(例えば脛骨インサート300の下方端部の方向により深く延在する)。換言すれば、外側軸受表面318は、内側軸受表面316よりも大きな曲率半径を有し、概してより緩やかな勾配の外側軸受表面318により、内側顆部分201の移動よりも大きな外側顆部分203の移動が助長される。
【0045】
また、後方カム216が非対称であることにより、外側顆部分203の並進移動が大きくなる。0度と約60度〜約90度との間の屈曲では、後方カム216が、ポスト302の後方表面310に係合する前に、脛骨大腿骨回旋は、顆表面202、204および軸受表面316、318の係合により助長される。上記のように、後方カム216の外側部分222は、後方カム216の内側部分220よりも厚い。後方カム216が、後方表面310に係合すると(例えば60度〜90度の屈曲において)、ポスト302の後方表面310との後方カム216のこのより厚い外側部分222の係合により、後方向において大腿骨構成要素200の外側に対してより大きな力が向けられ、その結果、内側顆部分201の並進移動よりも大きな外側顆部分203の並進移動が生ずる。
【0046】
膝が約150度の屈曲において示される
図5を参照すると、外側顆部分203は、内側顆部分201よりもより後方に並進移動することにより、脛骨大腿骨回旋をもたらしている。後方並進移動の差が、距離Dにより示されており、この距離Dは、例えば脛骨インサート300に対する大腿骨構成要素200の約6度以上の回転に相当し得る。図示するように、内側表面304および外側表面306は、壁部210、211にはもはや接触せず、したがってこの位置において膝の内旋/外旋拘束を実現しない。
【0047】
図6および
図7を参照すると、脛骨インサート300の形状により、脛骨大腿骨回旋および内旋/外旋拘束の両方が可能となり助長される。上記のように、外側表面306は、接触セクション320を備え(
図6)、内側表面304は、接触セクション322を備える(
図7)。これらの接触セクション320、322は、大腿骨構成要素200の壁部210、211に係合して、内旋/外旋拘束を実現する。内旋/外旋拘束を実現しつつ、例えば伸展(または過伸展)と約90度〜約120度との間などの屈曲角度での脛骨大腿骨回旋を依然として可能とするためには、約
0.013センチメートル(0.005インチ
)〜約
0.076センチメートル(0.030インチ
)の総隙間が、壁部と接触セクション320、322との間に画成される。この隙間が大きくなることにより、さらなる回旋が可能となるが、内反/外反拘束はより小さくなる。
【0048】
ポスト302は、内側表面304および外側表面306から前方表面308および後方表面310にかけての移行部としての丸みエッジ324を備える(やはり
図8を参照)。
丸みエッジ324は、上−下方向に実質的に沿って延在し、実質的に横断面内において丸みを有する。ポスト302が、ポスト302と壁部210、211との間に画成された隙間内において回転すると、丸みエッジ324と、前方表面308の一部分および後方表面310の一部分とが、壁部210、211に接触する。丸みエッジの半径は、例えば約
0.076センチメートル(0.030インチ
)〜約
0.229センチメートル(0.090インチ
)などであることが可能である。半径がより大きくなることにより、より大きな内−外脛骨大腿骨回旋が可能となるが、接触セクション320、322の幅Wおよび対応する内旋/外旋拘束は小さくなる。より小さな半径は、逆の効果を有する。
【0049】
また、接触セクション320、322の寸法により、内旋/外旋拘束および脛骨大腿骨回旋の効果的なバランスが可能となる。前−後寸法における接触セクション320、322の幅がより大きいほど、内旋/外旋拘束はより大きくなるが、脛骨大腿骨回旋はより小さくなる。適切なバランスを実現するためには、ポスト302の軸方向長さに沿った様々な位置において、接触セクション320、322の幅Wが、ポスト302の幅W
2の約1/6〜2/3であることが可能である。幅W
2は、ある特定の軸方向高さにおいて、前−後方向にポスト302の最大幅となることが可能である。したがって、いくつかの実装形態においては、接触セクション320、322は、所与の軸方向位置における接触セクション320、322の幅Wが、ポスト302の高さHの少なくとも半分にわたって、その軸方向位置におけるポスト302の最大幅(例えばW
2)の1/6〜2/3となるように、延在する。
【0050】
いくつかの実装形態においては、所与の軸方向位置における前−後幅と、その軸方向位置における最大幅との間の関係は、接触セクション320、322以外の内側表面304の一部分および外側表面306の一部分においても継続する。例えば、前−後方向における内側表面304の幅および外側表面306の幅は、ポスト302の長手方向軸Xに沿った内側表面304および外側表面306の全長に実質的にわたる各位置において、前−後方向におけるポスト302の最大幅の約1/6〜2/3であることが可能である。
【0051】
接触セクション320、322は、実質的に矩形であって、壁部210、211とのほぼ均一な接触面積を実現する。接触セクション320、322の軸方向長さがより長いと、より大きな内旋/外旋制御が得られる。いくつかの実装形態においては、接触セクション320、322の軸方向に沿った接触セクション320、322の長さは、接触セクション320、322の幅Wの少なくとも2倍である。例えば、接触セクション320、322の平均長さは、接触セクション320、322の平均幅または最大幅の2倍超であることが可能である。同様に、内側表面304の平均長さは、内側表面304の平均幅または最大幅の2倍超であることが可能であり、外側表面306の平均長さは、外側表面306の平均幅または最大幅の2倍超であることが可能である。
【0052】
外側軸受表面318と内側軸受表面316との間の相違により、脛骨大腿骨回旋が助長される。外側軸受表面318の凹状部分の最大深さまたは総深さR
1(
図6)は、内側軸受表面316の凹状部分の最大深さまたは総深さR
2(
図7)未満である。換言すれば、内側軸受表面316(
図6)は、外側軸受表面318(
図7)よりもさらに下方に延在する。したがって、後方向への等しい力の量に対しては、並進移動に対する抵抗は、外側軸受表面318の側に対してはより小さくなり、その結果として、内側顆部分201の並進移動よりも、外側顆部分203の並進移動がより大きくなる。
【0053】
さらに、外側軸受表面318は、脛骨インサート300のほぼ中央において前−後方向に外側軸受表面318に沿って延在する連続凹状部分330を備える。他方において、内側軸受表面316の凹状部分332は、前後方向において脛骨インサートの中央からずれており、それにより、凹状部分332は、脛骨インサート300の前方のより近くに位置する。内側軸受表面316は、内側軸受表面316の後方部分325にプラトー部分または隆起部分を備える。内側軸受表面316は、後方部分325に隣接して、比較的急な勾配を有する勾配セクション326を備える。例えば、内側凹状部分332は、勾配セクション326において、脛骨インサート300上の同一の前−後位置における外側凹状部分330の勾配よりも急な勾配を有することが可能である。勾配部分326は、内側凹状部分332の隣接部分よりも急であることが可能であり、前−後方向に沿った内側凹状部分332の最も急な部分であることが可能である。勾配セクション326は、内側顆表面202に係合することにより、屈曲の際の内側顆表面202の後方移動を制限することが可能である。
【0054】
外側顆部分203の外方移動をさらに助長するためには、底部点または平衡点327(
図6)(例えば外側軸受表面318の最も平坦なセクションを示す)が、外側軸受表面318上のポスト302の中央に対して前方に位置する。内側軸受表面316の平衡点328(
図7)は、外側平衡点327とほぼ同一の前方位置に位置する。顆部分201、203は、軸受表面316、318の勾配にほぼ倣い、他の力が伴わない場合には、これらの軸受表面316、318により、顆部分201、203は、各平衡点327、328に至る。平衡点327、328の前−後位置間のこの関係により、大腿骨顆部分201、203は、膝が伸展されると、ほぼ同一の前−後位置へと案内される。また、平衡点327、328の位置により、外側大腿骨顆部分203は、膝が伸展するにつれて、天然の膝において「ねじ込み」作用によって生じるように、内側顆部分201よりも前方に移動することが可能になる。
【0055】
図9を参照すると、脛骨インサート400の代替的な一実装形態においては、脛骨インサート400は、ポスト402を備え、このポスト402は、その長手方向軸に沿ってねじれを有する。その結果、内側表面404および外側表面406は、前−後アラインメントからずれ、ポスト402の上方部分は、ポスト402の下方部分から回転的にずれる。代替的には、ポスト402は、ねじれの代わりに回転され得る。例えば、ポストは、内側表面および外側表面の両方が、ポストが延在する起点のベースの内側および外側に対してある角度で配向されるように、ベースから回転的にずらされ得る。ねじれポストまたは回転ポストにより、非回転実装形態よりも大きな屈曲時の脛骨内旋が、同様の内旋/外旋拘束の低下を伴わずに可能となり得る。
【0056】
内側表面404および外側表面406は、上述の大腿骨構成要素200の壁部210、211に接触するように構成された実質的に平坦な部分または他の部分を備え、それにより、脛骨大腿骨回旋を可能にすると共に、内反/外反拘束を実現することが可能である。例えば、内側表面404および外側表面406は、相互に対して実質的に平行である。別の例として、大腿骨構成要素200が脛骨インサート400に対して屈曲すると、壁部210、211は、内側表面404および外側表面406のねじれに倣うことにより、脛骨大腿骨回旋を実現する。伸展時には、内側後方エッジ408および外側前方エッジ410は、壁部210、211に接触することにより、内反/外反拘束を実現する。また、内側表面404および外側表面406の他の部分は、壁部210、211に係合することにより、内反/外反拘束を実現する。
【0057】
複数の実装形態および代替形態を説明した。しかし、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更を成し得ることが理解されよう。したがって、他の実装形態が、以下の特許請求の範囲内に含まれる。