特許第6153182号(P6153182)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6153182二次電池用回路基板及びそれを含むバッテリーパック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6153182
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】二次電池用回路基板及びそれを含むバッテリーパック
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/34 20060101AFI20170619BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20170619BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20170619BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20170619BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20170619BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20170619BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20170619BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20170619BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20170619BHJP
【FI】
   H01M2/34 A
   H01M10/48 301
   H01M10/42 P
   H01M2/02 K
   H01M2/10 Y
   H02J7/00 S
   H02J7/00 301
   H02J7/04 M
   H02J7/10 L
   H02H7/18
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-521185(P2016-521185)
(86)(22)【出願日】2014年4月30日
(65)【公表番号】特表2016-522561(P2016-522561A)
(43)【公表日】2016年7月28日
(86)【国際出願番号】KR2014003871
(87)【国際公開番号】WO2015167046
(87)【国際公開日】20151105
【審査請求日】2015年12月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ジョン−ミン・リム
(72)【発明者】
【氏名】ジン−ソブ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒュク−ジュン・コウ
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン−クワン・カン
【審査官】 守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−087920(JP,A)
【文献】 特開2006−040623(JP,A)
【文献】 特開2012−182133(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/34
H01M 2/10
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池の正極タブと負極タブのうち少なくとも1つと連結される回路基板であって、
前記正極タブまたは前記負極タブと結合されるタブ結合部と、
前記タブ結合部と連結されて前記二次電池の充電電流または放電電流が流れる経路を提供し、少なくとも1つの経路切断部が形成された充放電経路と、
前記経路切断部の両端にそれぞれ取り付けられ、少なくとも一部が折り曲げられた一対の伝導性プレートと、
両端が前記一対の伝導性プレートにそれぞれ連結されて前記二次電池の温度を感知し、感知した温度に応じて電流を遮断する電流遮断モジュールと、を含み、
前記伝導性プレートは、折曲角度が調節可能であることを特徴とする二次電池用回路基板。
【請求項2】
前記充放電経路上に備えられ、前記二次電池の充放電を制御する保護回路モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用回路基板。
【請求項3】
外部接続端子に連結され、前記二次電池の充放電を制御する保護回路モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用回路基板。
【請求項4】
前記伝導性プレートは、直角に折り曲げられたことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用回路基板。
【請求項5】
前記伝導性プレートは、前記二次電池側に突出した状態で折り曲げられたことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用回路基板。
【請求項6】
前記伝導性プレートは、2以上の部分で折り曲げられたことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用回路基板。
【請求項7】
前記伝導性プレートは、前記電流遮断モジュールの少なくとも一部分が前記二次電池と接触するように折り曲げられたことを特徴とする請求項1に記載の二次電池用回路基板。
【請求項8】
前記伝導性プレートは、金属材質からなることを特徴とする請求項1に記載の二次電池用回路基板。
【請求項9】
前記電流遮断モジュールは、前記二次電池の温度が基準温度以上に高くなる場合、電流を遮断することを特徴とする請求項1に記載の二次電池用回路基板。
【請求項10】
前記電流遮断モジュールは、TCOまたはPTCであることを特徴とする請求項1に記載の二次電池用回路基板。
【請求項11】
前記タブ結合部は、前記正極タブまたは前記負極タブと溶接によって接触されることを特徴とする請求項1に記載の二次電池用回路基板。
【請求項12】
前記タブ結合部は、複数個備えられ、複数の正極タブまたは複数の負極タブと結合可能であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池用回路基板。
【請求項13】
前記二次電池は、パウチ型二次電池であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池用回路基板。
【請求項14】
請求項1ないし請求項13のうちいずれか1項に記載の二次電池用回路基板を含むバッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池用回路基板に関し、より詳しくは、二次電池の温度に応じて充放電電流を制限する電流遮断モジュールが設けられ、該電流遮断モジュールの機能をより精密に果たせる二次電池用回路基板及びそれを含むバッテリーパックに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急激に伸び、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれて、繰り返して充放電可能な高性能二次電池に対する研究が活発に行われている。
【0003】
現在、商用化されている二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などが挙げられるが、そのうちリチウム二次電池は、ニッケル系列の二次電池に比べてメモリー効果が殆ど起きないため充放電が自在であり、自己放電率が非常に低くエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0004】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレータを介在して配置された電極組立体、及び電極組立体が電解液とともに密封収納される外装材、すなわち電池ケースを備える。
【0005】
一般に、リチウム二次電池は外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に収納されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに収納されているパウチ型二次電池とに分類できる。
【0006】
通常、二次電池では温度に起因する性能低下が生じ得、特に温度が高くなる場合は発熱及び爆発の危険性を抱えている。さらに、二次電池の内部には各種の可燃性物質が含まれているため、二次電池の発熱や爆発は他の外部構成要素の発火や爆発につながり、それにより人命と財産の被害をもたらす恐れがある。また、二次電池の温度が高くなってセパレータのような構成要素が変形すれば、正極と負極との内部短絡によって発火や爆発などが生じる恐れもある。
【0007】
そこで、温度に対する二次電池の安全性を確保するため、一般にTCO(Temperature Cut−Out)やPTC(Positive Temperature Coefficient)のような、二次電池の温度に応じて電流を制限する電流遮断モジュールが多く用いられている。
【0008】
図1は従来のバッテリーパックでパウチ型二次電池10と電流遮断モジュールとが連結される構成を概略的に示した図であり、図2図1の構成に保護回路モジュール30が連結される構成を概略的に示した図である。
【0009】
二次電池10、特にパウチ型二次電池10は殆ど、TCOのように温度に応じて反応する電流遮断モジュール20を内部に備えていない。したがって、このようなTCOのような電流遮断モジュール20は、主にパウチ型二次電池10の外部に連結される。
【0010】
また、従来のパウチ型二次電池10は、二次電池10の過充電や過放電などを防止するため、充放電を制御する保護回路モジュール(Protection Circuit Module;PCM)30と連結される。ところが、この場合、パウチ型二次電池10と保護回路モジュール30とは直接連結されず、その間にTCOのような電流遮断モジュール20を介在する場合が多い。
【0011】
そのため、従来は、図1に示されたように、パウチ型二次電池10の電極タブ11、例えば正極タブがまず電流遮断モジュール20の一端に溶接される。そして、このように電流遮断モジュール20に溶接された正極タブを、図2に矢印aで示したように、パウチ型二次電池10の方に折り曲げて二次電池10のテラスT上に載置させる。これは、電流遮断モジュール20を二次電池10に最大限近接させることで、二次電池10の温度をより正確に感知し、それによる電流遮断能力を高めるためである。
【0012】
その後、電流遮断モジュール20の他端は、保護回路モジュール30に形成された接触部31に接触連結される。このとき、保護回路モジュール30には二次電池10の充放電を制御するための様々な構成要素が設けられ得、外部の構成要素と接続されて二次電池10の充放電電流が入出力される外部接続端子32が設けられ得る。
【0013】
しかし、このような従来の構成によれば、それぞれの二次電池10毎に電流遮断モジュール20を別個に取り付けなければならず、これは生産工程を複雑にし、コストを増加させる原因になり得る。特に、1つのバッテリーパックに多数の二次電池10が含まれる中大型バッテリーパックの場合、このような問題は一層深刻になる。
【0014】
また、上記のような構造を有する従来のバッテリーパックの場合、電極タブ11と電流遮断モジュール20とを溶接した後、電極タブ11を折り曲げて二次電池10のテラスT上に電流遮断モジュール20を載置する過程で、電流遮断モジュール20が二次電池10のパウチを損傷させる恐れがある。さらに、従来のバッテリーパックの場合、電流遮断モジュール20との絶縁性確保のため、二次電池10のテラスTに絶縁テープを貼り付けることが多く、それにより生産時間及びコストが嵩むという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、工程性が改善され、二次電池の温度に応じた安全性確保能力が向上した二次電池用回路基板及びそれを含むバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0016】
本発明の他の目的及び長所は、下記する説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を達成するため、本発明による二次電池用回路基板は、二次電池の正極タブと負極タブのうち少なくとも1つと連結される回路基板であって、前記正極タブまたは前記負極タブと結合されるタブ結合部;前記タブ結合部と連結されて前記二次電池の充電電流または放電電流が流れる経路を提供し、少なくとも1つの経路切断部が形成された充放電経路;前記経路切断部の両端にそれぞれ取り付けられ、少なくとも一部が折り曲げられた一対の伝導性プレート;及び両端が前記一対の伝導性プレートにそれぞれ連結されて前記二次電池の温度を感知し、感知した温度に応じて電流を遮断する電流遮断モジュールを含む。
【0018】
望ましくは、本発明による二次電池用回路基板は、前記充放電経路上に備えられ、前記二次電池の充放電を制御する保護回路モジュールをさらに含む。
【0019】
また望ましくは、本発明による二次電池用回路基板は、外部接続端子に連結され、前記二次電池の充放電を制御する保護回路モジュールをさらに含む。
【0020】
また望ましくは、前記伝導性プレートは、折曲角度が調節可能である。
【0021】
また望ましくは、前記伝導性プレートは、直角に折り曲げられる。
【0022】
また望ましくは、前記伝導性プレートは、前記二次電池側に突出した状態で折り曲げられる。
【0023】
また望ましくは、前記伝導性プレートは、2以上の部分で折り曲げられる。
【0024】
また望ましくは、前記伝導性プレートは、前記電流遮断モジュールの少なくとも一部分が前記二次電池と接触するように折り曲げられる。
【0025】
また望ましくは、前記伝導性プレートは、金属材質からなる。
【0026】
また望ましくは、前記電流遮断モジュールは、前記二次電池の温度が基準温度以上に高くなる場合、電流を遮断する。
【0027】
また望ましくは、前記電流遮断モジュールは、TCOまたはPTCである。
【0028】
また望ましくは、前記タブ結合部は、前記正極タブまたは前記負極タブと溶接によって接触される。
【0029】
また望ましくは、前記タブ結合部は複数個備えられ、複数の正極タブまたは複数の負極タブと結合可能である。
【0030】
また望ましくは、前記二次電池は、パウチ型二次電池である。
【0031】
また、上記の課題を達成するため、本発明によるバッテリーパックは、上述した二次電池用回路基板を含む。
【発明の効果】
【0032】
本発明の一態様によれば、二次電池と保護回路モジュールとを連結する前に、TCOやPTCのように温度に応じて電流を遮断する電流遮断モジュールを二次電池の電極タブに連結する工程、及び電流遮断モジュールを保護回路モジュールに連結する工程を行う必要がない。
【0033】
したがって、本発明によれば、バッテリーパックの製造時間及びコストが減少して、生産性及び歩留まりを向上させることができる。
【0034】
特に、本発明のこのような態様によれば、バッテリーパックに複数の二次電池が備えられた場合、各二次電池の電極タブ毎に電流遮断モジュールを溶接する必要がないため、工程性を大幅に改善させることができる。
【0035】
また、本発明の他の態様によれば、電極タブを折り曲げてパウチ型二次電池のテラスに電流遮断モジュールを載置させる工程を必要としないため、この過程で二次電池が損傷されるという問題が防止できる。また、このような工程が省略されることで、工程性も改善させることができる。
【0036】
さらに、本発明のさらに他の態様によれば、パウチ型二次電池のテラスに電流遮断モジュールが載置されないため、テラスに絶縁テープを貼り付ける必要がない。したがって、工程性が改善され、製造時間及びコストを短縮することができる。
【0037】
また、本発明のさらに他の態様によれば、電流遮断モジュールを回路基板本体から突出させてパウチ型二次電池に近く構成することができる。したがって、電流遮断モジュールが二次電池の温度をより正確に測定できるため、温度測定による電流遮断能力を安定的に確保することができる。したがって、二次電池の安全性を向上させることができる。
【0038】
特に、本発明のさらに他の態様によれば、回路基板本体と電流遮断モジュールとの間の距離を調節できるため、多様な形態を有する二次電池に対しても本発明による回路基板を容易に適用することができる。
【0039】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】従来のバッテリーパックでパウチ型二次電池と電流遮断モジュールとが連結される構成を概略的に示した図である。
図2図1の構成に保護回路モジュールが連結される構成を概略的に示した図である。
図3】本発明の一実施例による二次電池用回路基板の構成を概略的に示した分解斜視図である。
図4図3の結合図である。
図5図4のD−D’矢視図である。
図6図4に示された二次電池用回路基板がパウチ型二次電池の電極タブと連結された構成を概略的に示した図である。
図7図6のE−E’矢視図である。
図8】本発明の他の実施例による二次電池用回路基板の構成を概略的に示した断面図である。
図9】本発明のさらに他の実施例による二次電池用回路基板がパウチ型二次電池に連結された構成を概略的に示した断面図である。
図10】本発明のさらに他の実施例による二次電池用回路基板がパウチ型二次電池に連結された構成を概略的に示した断面図である。
図11】本発明のさらに他の実施例による二次電池用回路基板が複数の二次電池に連結された構成を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0042】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0043】
図3は本発明の一実施例による二次電池用回路基板100の構成を概略的に示した分解斜視図であり、図4図3の結合図である。
【0044】
図3及び図4を参照すれば、本発明による二次電池用回路基板100は、タブ結合部110、充放電経路120、伝導性プレート130及び電流遮断モジュール140を含む。
【0045】
ここで、回路基板100は、このようなタブ結合部110、充放電経路120、伝導性プレート130及び電流遮断モジュール140の外に、電気絶縁性物質で形成された本体101を含むことができる。例えば、回路基板本体101は、プラスチックのような絶縁性物質で形成でき、回路基板100は全体的に略直方体の板状で構成される。ただし、本発明がこのような回路基板100の具体的な形態によって制限されることはなく、本発明による回路基板100は適用される二次電池やバッテリーパックの構造などに従って多様な形態で形成され得る。
【0046】
望ましくは、本発明による二次電池用回路基板100は、印刷回路基板(PCB)であり得る。このような印刷回路基板は、絶縁性物質の板に薄い銅箔を覆わせ、回路図に従って不要な銅箔を除去することで回路パターンを形成した形態であり得る。
【0047】
前記タブ結合部110は、金属のように電気的伝導性を有する物質で形成され、二次電池の電極タブと結合される。したがって、タブ結合部110は、二次電池の放電電流が二次電池から回路基板100に流れ込む入口として機能し、二次電池の充電電流が回路基板100から二次電池に流れ出る出口として機能すると言える。
【0048】
このとき、タブ結合部110は、図示されたように、一対が備えられ、この場合、一方のタブ結合部110が正極タブに結合され、他方のタブ結合部110が負極タブに結合され得る。ただし、本発明が必ずしもこのような形態に限定されることはなく、1つのみのタブ結合部110が備えられ、正極タブまたは負極タブのみに結合されることもあり得る。
【0049】
望ましくは、前記タブ結合部110は、電極タブと直接接触する方式で結合することができ、この場合、電極タブとタブ結合部110とは溶接で結合固定することができる。すなわち、タブ結合部110は、二次電池の正極タブまたは負極タブと溶接によって直接接触することができる。ただし、このような二次電池の電極タブとタブ結合部110との間に他の連結部材などが含まれ得ることは勿論である。
【0050】
前記充放電経路120は、このようなタブ結合部110と連結され、二次電池の充電電流または放電電流が流れる電流の経路を提供する。すなわち、二次電池によって供給された放電電流は、タブ結合部110によって回路基板100に流れ込み、回路基板100で充放電経路120に沿って流れ、回路基板100に連結された負荷などへと供給される。そして、二次電池に供給される放電電流は、外部の充電装置から回路基板100に流れ込み、回路基板100で充放電経路120に沿って流れ、タブ結合部110によって二次電池に供給される。
【0051】
このような充放電経路120は、回路基板100が印刷回路基板の形態で構成されたとき、銅箔による回路パターンの形態で形成される。また、前記充放電経路120は、基板上に露出するように形成されても良く、回路基板100上に露出しないように形成されても良い。
【0052】
特に、本発明による充放電経路120は、図3にCで示したように、経路切断部、すなわち電流の経路が切断された部分を少なくとも1つ以上有し得る。ただし、図3では1つのタブ結合部110と連結された1つの充放電経路120のみに経路切断部が形成されているが、このような経路切断部を2つのタブ結合部110と連結された2つの充放電経路120それぞれに全て形成することもできる。また、1つの充放電経路120に経路切断部を2以上形成することもできる。
【0053】
前記伝導性プレート130は、電気伝導性材質の薄板形態で構成することができる。例えば、伝導性プレート130は、銅やアルミニウムのような電気伝導性の良い金属材質で構成することができる。そして、回路基板100はこのような伝導性プレート130を少なくとも一対、すなわち2つ備えることができる。また、それぞれの伝導性プレート130は経路切断部の両端にそれぞれ取り付けられる。すなわち、図3及び図4に示されたように、充放電経路120に1つの経路切断部が形成された場合、経路切断部の一端に一方の伝導性プレート130が取り付けられ、経路切断部の他端に他方の伝導性プレート130が取り付けられ得る。
【0054】
特に、前記伝導性プレート130は、少なくとも一部が折り曲げられた形態で構成される。このような形態について、図5を参照してより具体的に説明する。
【0055】
図5は、図4のD−D’矢視図である。
【0056】
図5を参照すれば、伝導性プレート130が充放電経路120上に取り付けられるように構成され、Bで示した部分のように、ある一箇所で折曲部を有するように構成される。このように伝導性プレート130は、少なくとも一部が折り曲げられた形態を有するため、充放電経路120が形成された回路基板本体101を基準に所定角度立設された形態を有し得る。
【0057】
前記電流遮断モジュール140は、両端が一対の伝導性プレート130のそれぞれに連結される。すなわち、電流遮断モジュール140は、2つの伝導性端部を有し、それぞれの伝導性端部は別々の伝導性プレート130に取り付けられる。特に、電流遮断モジュール140は、伝導性プレート130の折曲部を中心に充放電経路120が接続された端部の反対側の端部に取り付けられる。したがって、伝導性プレート130は、折曲部を基準に一端が充放電経路120に接続し、他端が電流遮断モジュール140に接続する形態になり得る。
【0058】
このような電流遮断モジュール140は、所定距離離隔した2つの伝導性プレート130の間で電流が流れるように介在しているため、平常時は電流遮断モジュール140によって充放電経路120の切断部が電気的に連結される。したがって、充放電電流は、充放電経路120、伝導性プレート130及び電流遮断モジュール140を経由して流れることができる。
【0059】
このように前記電流遮断モジュール140は、充放電電流が流れる経路を提供するが、周辺温度に応じて電流を遮断することもできる。特に、本発明による電流遮断モジュール140は、二次電池の周辺に設けられ、二次電池の温度を感知し、感知した温度に応じて電流を遮断することができる。
【0060】
望ましくは、前記電流遮断モジュール140は、二次電池の温度が基準温度以上に高くなれば、電流を遮断する。二次電池の温度が高くなれば、二次電池の性能低下や損傷の恐れがあり、二次電池の発火や爆発につながって人命及び財産に被害をもたらし得る。しかし、このような実施例によれば、二次電池が損傷、発火又は爆発する危険のある温度まで二次電池の温度が上昇する前に、電流遮断モジュール140によって二次電池の充放電電流を遮断することができる。したがって、二次電池は勿論、それを使用するユーザ及び二次電池が適用された装置などを保護することができる。
【0061】
より望ましくは、前記電流遮断モジュール140は、TCOまたはPTCのような温度制御素子で具現することができる。ただし、本発明の電流遮断モジュール140が必ずしもこのような種類によって限定されることはなく、外にも多様な種類が用いられ得る。
【0062】
特に、本発明による電流遮断モジュール140は、両端が伝導性プレート130に取り付けられている。このとき、伝導性プレート130は一部が折り曲げられており、折曲部分を中心に一端は充放電経路120に取り付けられ、他端は回路基板本体101から立設されている。そして、電流遮断モジュール140は、このように回路基板本体101から立設された伝導性プレート130の他端に連結される。したがって、電流遮断モジュール140は、伝導性プレート130を通じて回路基板100の充放電経路120と連結され、回路基板100に実装されたような形態を有しながらも、回路基板本体101とは所定距離離隔した形態で構成される。そして、このような形態によって、電流遮断モジュール140を二次電池の外装材、例えばパウチ型二次電池のアルミニウムパウチに近接するように構成することができる。
【0063】
図6図4に示された二次電池用回路基板100がパウチ型二次電池10の電極タブ11と連結された構成を概略的に示した図であり、図7図6のE−E’矢視図である。
【0064】
図6及び図7を参照すれば、本発明による二次電池用回路基板100はタブ結合部110を通じて二次電池10の正極タブ及び負極タブのうち少なくとも1つと連結される。また、二次電池用回路基板100には外部接続端子150が設けられ、充放電回路を接続することができる。したがって、このような外部接続端子150に負荷のような放電装置が接続される場合、二次電池10から供給された放電電流は回路基板100を通じて放電装置へと供給される。そして、外部接続端子150に商用電源のような充電装置が接続される場合、充電装置から供給された充電電流は回路基板100を通じて二次電池10に供給される。
【0065】
特に、本発明による二次電池用回路基板100は充放電経路120上に電流遮断モジュール140を含むが、電流遮断モジュール140は回路基板100の本体101の上面に取り付けられず、回路基板100の本体101から所定距離離隔した状態で回路基板100に連結される。すなわち、電流遮断モジュール140は、一部が折り曲げられた伝導性プレート130のうち回路基板100の本体101上面から所定角度立設されている部分に取り付けられることで、回路基板100の本体101上面より二次電池10により近く位置することができる。
【0066】
したがって、本発明のこのような態様によれば、電流遮断モジュール140が二次電池10により近く構成され、二次電池10の温度変化を一層正確に感知することで、二次電池10の安全性をより効果的に確保することができる。例えば、二次電池10の温度が基準温度以上に高くなる場合、電流遮断モジュール140はそれを正確且つ迅速に感知し、二次電池10の充放電電流を遮断することができる。
【0067】
さらに、パウチ型二次電池10は、外装材にSで示したような収納空間が形成され、該収納空間に電極組立体12及び電解液が収納されるが、パウチ型二次電池10の温度はこのような収納空間に近いほどより正確に測定することができる。非正常な状況では、主に電極組立体12及び電解液が収納された空間で温度が上昇するためである。本発明では、電流遮断モジュール140が折り曲げられた伝導性プレート130を通じて回路基板本体101から離隔し、パウチ外装材の収納空間に近く位置するため、二次電池10の温度をより精密且つ迅速に感知することができる。したがって、本発明のこのような態様によれば、電流遮断モジュール140による二次電池10の安全性を一層効果的に向上させることができる。
【0068】
一方、本発明による二次電池用回路基板100は、保護回路モジュール(PCM)160をさらに含むことができる。
【0069】
ここで、保護回路モジュール160は、二次電池10の充放電を全般的に制御し、二次電池10の電圧や電流などをチェックして過充電や過放電などを防止できる構成要素である。そのために保護回路モジュール160は集積回路及びスイッチング素子などを採用することができる。このような保護回路モジュール160は、BMU(Battery Management Unit)、保護回路などのような多様な用語で称され得る。
【0070】
特に、本発明による二次電池用回路基板100は、保護回路モジュール160を充放電経路120上に備えることができる。この場合、保護回路モジュール160は、二次電池用回路基板100の本体101上部に位置することができる。また、このときには、二次電池用回路基板100自体が保護回路モジュール160の役割も果たせるため、回路基板100を保護回路モジュール160または保護回路基板と称することもできる。このときには、TCOやPTCなどの電流遮断モジュール140が保護回路モジュール160に実装されていると見なすこともできる。
【0071】
また、本発明による二次電池用回路基板100は、保護回路モジュール160を回路基板本体101の上部に位置させず、回路基板100に設けられた外部接続端子150と連結することができる。この場合、回路基板100は保護回路モジュール160を含む構成要素として捉えても、保護回路モジュール160と二次電池10とを連結する構成要素として捉えても良い。
【0072】
望ましくは、前記伝導性プレート130は折曲角度を調節自在に構成することができる。
【0073】
図8は、本発明の他の実施例による二次電池用回路基板100の構成を概略的に示した断面図である。
【0074】
図8を参照すれば、図7と異なり、回路基板100に含まれた伝導性プレート130が折曲角度を調節できるように構成される。すなわち、図8に矢印Fで示したように、伝導性プレート130の折曲部は角度調節自在に構成することができる。
【0075】
このような実施例によれば、二次電池10の電極タブ11を回路基板100のタブ結合部110に取り付けた後、伝導性プレート130の折曲角度のみを調節することでパウチ型二次電池10の収納部Sと電流遮断モジュール140との距離を調節することができる。特に、伝導性プレート130に対して折り曲げられた部分の他端部が二次電池10の収納部Sに近接するように折曲角度を調節すれば、回路基板本体101が固定されていても電流遮断モジュール140を二次電池10の収納部Sにより近く構成することができる。さらに、パウチ型二次電池10の形態は多様であるため、回路基板100とパウチ型二次電池10の収納部Sとの間の距離はパウチ型二次電池10の形態毎に様々であり得る。しかし、このような実施例による場合、多様なパウチ型二次電池10に対しても、伝導性プレート130の折曲角度を調節できることで、電流遮断モジュール140と二次電池10の収納部Sとを最大限近く構成することがより容易になり得る。
【0076】
また望ましくは、前記伝導性プレート130は、二次電池10側に突出した状態で折り曲げられるように構成することができる。これについては、図9を参照して詳しく説明する。
【0077】
図9は、本発明のさらに他の実施例による二次電池用回路基板100がパウチ型二次電池10に連結された構成を概略的に示した断面図である。
【0078】
図9を参照すれば、伝導性プレート130は、Pで示された部分のように、回路基板本体101から水平方向に突出した状態で折り曲げられるように構成することができる。すなわち、伝導性プレート130は、充放電経路120に取り付けられた状態で二次電池10側に水平に突出するように延び、突出した部分に折曲部が形成される。
【0079】
このような実施例によれば、二次電池10側に突出した部分ほど電流遮断モジュール140と二次電池10の収納部Sとの間の距離が近くなり得る。したがって、電流遮断モジュール140がより正確に二次電池10の温度を感知することができる。
【0080】
また望ましくは、前記伝導性プレート130は、2以上の部分で折り曲げられるように構成することができる。
【0081】
図10は、本発明のさらに他の実施例による二次電池用回路基板100がパウチ型二次電池10に連結された構成を概略的に示した断面図である。
【0082】
図10を参照すれば、伝導性プレート130は、Bで示されたような折曲部を2以上有し得る。このような実施例によれば、端部に位置した電流遮断モジュール140がパウチ型二次電池10の収納部Sにより近く位置することができる。さらに、このような実施例においても、複数の折曲部のうち少なくとも1つに対する角度を調節できるように構成すれば、電流遮断モジュール140の位置を二次電池10の収納部Sにより近接できることは勿論、多様なパウチ型二次電池10の形態に対応することもできる。
【0083】
以上のように、電流遮断モジュール140は、二次電池10と最大限近く構成される場合、二次電池10の温度をより正確に感知することができる。前記電流遮断モジュール140は、二次電池10、より望ましくは二次電池10の収納部Sが位置する部分に接触することがより望ましい。したがって、伝導性プレート130は、電流遮断モジュール140が二次電池10の収納部Sが位置する部分の外装材と接触するように折り曲げられた形態を有し得る。ただし、この場合、電流遮断モジュール140で二次電池10の外装材と接触する部分は電気絶縁性材質で包むことができる。
【0084】
このように、本発明の多くの実施例によれば、電流遮断モジュール140が二次電池10の収納部Sに近接して位置できるため、図2に示された従来の構成のように、回路基板本体101をパウチ型二次電池10のテラスTに載置する必要がない。したがって、回路基板100とパウチ外装材との間に電気絶縁性確保のための絶縁テープを介在させる必要がなく、回路基板100をテラスTに載置させる過程で回路基板100の一部構成要素が二次電池10のパウチ外装材を損傷させる恐れもない。さらに、電流遮断モジュール140は、テラスTに載置されるより二次電池10の収納部Sにより近く位置する場合に二次電池10の温度をより正確に測定できるため、本発明によれば二次電池10の温度測定とそれによる電流の遮断をより正確且つ迅速に行うことができる。
【0085】
一方、上述した実施例では、本発明による二次電池用回路基板100が1つの二次電池10と連結される構成を主に示したが、本発明が必ずしもこのような構成に限定されることはない。すなわち、本発明による二次電池用回路基板100は、複数の二次電池10と連結されるように構成することもできる。
【0086】
図11は、本発明のさらに他の実施例による二次電池用回路基板100が複数の二次電池10に連結された構成を概略的に示した図である。
【0087】
図11を参照すれば、本発明による回路基板100は複数の正極タブ及び/または複数の負極タブと結合できるように複数のタブ結合部110を備えることができる。したがって、2以上の二次電池10の正極タブ及び/または負極タブがこのような複数のタブ結合部110と結合することができる。
【0088】
このとき、充放電経路120は、複数の二次電池10同士が直列で連結されるかまたは並列で連結されるかなどによって、回路基板100に多様なパターンで構成することができる。
【0089】
一方、この場合、図11に示されたように、複数の二次電池10に対するそれぞれの温度を感知するため、電流遮断モジュール140も複数備えられ得、このような電流遮断モジュール140は少なくとも一部が折り曲げられた複数対の伝導性プレート130を通じてそれぞれの二次電池10の付近に位置することができる。
【0090】
このように1つの回路基板100に複数の二次電池10が連結された実施例によれば、TCOのような電流遮断モジュール140が回路基板100に実装されているため、複数の二次電池10の電極タブ11を回路基板100に取り付けるだけで、複数の二次電池10に対して温度感知を通じた電流遮断機能を果たすことができる。したがって、それぞれの二次電池10の電極タブ11を回路基板100に連結する前に、それぞれの二次電池10の電極タブ11毎に電流遮断モジュール140を別に取り付ける工程を一々行う必要がない。
【0091】
本発明による二次電池用回路基板100は、パウチ型二次電池に適用されることが望ましい。パウチ型二次電池の場合は殆ど、二次電池の内部にTCOやPTCのような電流遮断部材が備えられておらず、本発明による二次電池用回路基板100の電流遮断部材の形態が収納部S及びテラスTを有するパウチ型二次電池により好適に適用できるためである。
【0092】
本発明によるバッテリーパックは、上述した二次電池用回路基板100を含む。例えば、図6に示されたように、本発明によるバッテリーパックは、パウチ型二次電池10及び上述した回路基板100を含むことができる。また、本発明によるバッテリーパックは、保護回路モジュール160を上述した回路基板100に実装した状態で含むか又は回路基板100とは別個に含むことができる。
【0093】
以上のように、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0094】
100 二次電池用回路基板
101 本体
110 タブ結合部
120 充放電経路
130 伝導性プレート
140 電流遮断モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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