特許第6153417号(P6153417)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6153417動物用排泄物処理材の製造方法およびその製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6153417
(24)【登録日】2017年6月9日
(45)【発行日】2017年6月28日
(54)【発明の名称】動物用排泄物処理材の製造方法およびその製造装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/015 20060101AFI20170619BHJP
   B01J 2/00 20060101ALI20170619BHJP
   B01J 20/26 20060101ALI20170619BHJP
【FI】
   A01K1/015 B
   B01J2/00 B
   B01J20/26 D
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-166460(P2013-166460)
(22)【出願日】2013年8月9日
(62)【分割の表示】特願2013-60928(P2013-60928)の分割
【原出願日】2013年3月22日
(65)【公開番号】特開2014-183836(P2014-183836A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2016年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591030031
【氏名又は名称】ペパーレット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105120
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 哲幸
(74)【代理人】
【識別番号】100106725
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 敏行
(72)【発明者】
【氏名】望月 昇太郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 英和
(72)【発明者】
【氏名】大友 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】十河 竜也
(72)【発明者】
【氏名】高木 智世
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−274780(JP,A)
【文献】 特開2009−273418(JP,A)
【文献】 特開平9−1042(JP,A)
【文献】 特開2004−931(JP,A)
【文献】 特開2012−161296(JP,A)
【文献】 特開2011−217663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物用排泄物処理材の製造方法であって、
原材料を粉砕することによって粉砕材料を得る工程と、
前記粉砕材料を加水した後、混練することによって練状コア層材料を得る工程と、
前記練状コア層材料から粒状コア層材料を得る工程と、
前記粒状コア層材料に液状着色料を不均一に塗布することによって着色コア層材料を得る工程と、
前記着色コア層材料に被覆材料を被覆することによって被覆粒状材料を得る工程と、
前記被覆粒状材料を乾燥させる工程と、を有し、
前記着色コア層材料に被覆材料を被覆することによって被覆粒状材料を得る工程においては、前記着色コア層材料に被覆材料を配置する工程と、前記被覆材料が配置された着色コア層材料に振動を加える工程とを有し、
前記着色コア層材料に被覆材料を配置する工程においては、前記粉砕材料を加水した後、混練することによって練状コア層材料を得る工程における水分と、前記粒状コア層材料に液状着色料を不均一に塗布することによって着色コア層材料を得る工程における水分とにより膨潤され粘着性が発現された状態の着色コア層材料に対して前記被覆材料が配置され、
前記被覆材料が配置された着色コア層材料に振動を加える工程においては、前記着色コア層材料が搬送部により搬送されるとともに、前記搬送部に加えられる振動によって前記着色コア層材料が前記搬送部から跳ね上がって落下し、前記着色コア層材料が前記搬送部へ落下することによって前記被覆材料が前記着色コア層材料に押し付けられて接着されることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
【請求項2】
請求項に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記粒状コア層材料は、動物の排泄物を保水可能に形成されている第1の一次保水部材と、当該第1の一次保水部材に保水された排泄物を保水可能に形成されているとともに水分により粘着性を発現する第1の二次保水部材とにより形成されることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
【請求項3】
請求項に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記着色コア層材料に配置された前記被覆材料は、前記第1の二次保水部材の粘着力により前記着色コア層材料接着されることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記粒状コア層材料は、使い捨ておむつの製造工程において発生したパルプと高吸水性ポリマーにより形成されることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
【請求項5】
請求項に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記パルプは、前記第1の一次保水部材を形成することを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記高吸水性ポリマーは、前記第1の二次保水部材を形成することを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記被覆材料は、動物の排泄物を保水可能に形成されている第2の一次保水部材と、当該第2の一次保水部材に保水された排泄物を保水可能に形成されている第2の二次保水部材と、吸水することにより接着性を発現可能に形成されている吸水接着剤とにより構成されることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
【請求項8】
動物用排泄物処理材の製造装置であって、
原材料を粉砕することによって粉砕材料を得る装置と、
前記粉砕材料を加水した後、混練することによって練状コア層材料を得る装置と、
前記練状コア層材料から粒状コア層材料を得る装置と、
前記粒状コア層材料に液状着色料を不均一に塗布することによって着色コア層材料を得る装置と、
前記着色コア層材料に被覆材料を被覆することによって被覆粒状材料を得る装置と、
前記被覆粒状材料を乾燥させる装置と、を有し、
前記着色コア層材料に被覆材料を被覆することによって被覆粒状材料を得る装置は、前記着色コア層材料に被覆材料を配置する被覆材料の配置装置と、前記被覆材料が配置された着色コア層材料を搬送する搬送機構とを有し、
前記搬送機構は、前記被覆材料が配置された着色コア層材料を搬送する搬送部と、当該搬送部に振動を加える振動発生部とを有し、
前記着色コア層材料に被覆材料を配置する装置においては、前記粉砕材料を加水した後、混練することによって練状コア層材料を得る装置において加えられた水分と、前記粒状コア層材料に液状着色料を不均一に塗布することによって着色コア層材料を得る装置において加えられた水分とにより膨潤され粘着性が発現された状態の着色コア層材料に対して前記被覆材料が配置され、
前記搬送機構においては、前記被覆材料が配置された着色コア層材料が前記搬送部によって搬送されるとともに、前記振動発生部により前記搬送部に振動が加えられることによって、前記被覆材料が配置された着色コア層材料が前記搬送部から跳ね上がって落下し、前記搬送部へ落下することによって前記被覆材料が前記着色コア層材料に押し付けられて接着されることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物用排泄物処理材の構築技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、排泄物を吸収した際に異なる配色へ変化することができる動物用排泄物処理材が種々提案されている。このような動物用排泄物処理材の構成として、本件出願人は、特開2003−274780号に示される動物用排泄物処理材を創案した。
【0003】
特開2003−274780号に係る動物用排泄物処理材は、吸収性粒状体を形成する工程と、この吸収性粒状体の表面に水溶性着色料により染色された水溶性接着剤を塗布する工程と、この水溶性接着剤の表面に吸水性表層を接着する工程とにより製造された。なお、吸水性表層は、水溶性接着剤を有する吸水性粒状体にまぶされることにより固定されていた。
【0004】
一方、特開2003−274780号に係る動物用排泄物処理材においては、吸水性表層を、水溶性接着剤を有する吸水性粒状体にまぶして固定するものであるため、吸水性表層が剥離するおそれがあるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−274780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、動物用排泄物処理材に関する一層合理的な構築技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、動物用排泄物処理材の製造方法は、原材料を粉砕することによって粉砕材料を得る工程と、前記粉砕材料を加水した後、混練することによって練状コア層材料を得る工程と、前記練状コア層材料から粒状コア層材料を得る工程と、前記粒状コア層材料に液状着色料を不均一に塗布することによって着色コア層材料を得る工程と、前記着色コア層材料に被覆材料を被覆することによって被覆粒状材料を得る工程と、前記被覆粒状材料を乾燥させる工程とを有する。
前記着色コア層材料に被覆材料を被覆することによって被覆粒状材料を得る工程においては、前記着色コア層材料に被覆材料を配置する工程と、前記被覆材料が配置された着色コア層材料に振動を加える工程とをする。
前記着色コア層材料に被覆材料を配置する工程においては、前記粉砕材料を加水した後、混練することによって練状コア層材料を得る工程における水分と、前記粒状コア層材料に液状着色料を不均一に塗布することによって着色コア層材料を得る工程における水分とにより膨潤され粘着性が発現された状態の着色コア層材料に対して前記被覆材料が配置される。そして、前記被覆材料が配置された着色コア層材料に振動を加える工程においては、前記着色コア層材料が搬送部により搬送されるとともに、前記搬送部に加えられる振動によって前記着色コア層材料が前記搬送部から跳ね上がって落下し、前記着色コア層材料が前記搬送部へ落下することによって前記被覆材料が前記着色コア層材料に押し付けられて接着される。
【0008】
また本発明に係る解決手段の一態様として、粒状コア層材料は、動物の排泄物を保水可能に形成されている第1の一次保水部材と、第1の一次保水部材に保水された排泄物を保水可能に形成されているとともに水分により粘着性を発現する第1の二次保水部材とにより形成される。
【0009】
また本発明に係る解決手段の一態様として、着色コア層材料に配置された被覆材料は、第1の二次保水部材の粘着力により着色コア層材料接着される。
【0010】
また本発明に係る解決手段の一態様として、粒状コア層材料は、使い捨ておむつの製造工程において発生したパルプと高吸水性ポリマーにより形成される。
【0011】
また本発明に係る解決手段の一態様として、パルプは、第1の一次保水部材を形成する。
【0012】
また本発明に係る解決手段の一態様として、高吸水性ポリマーは、第1の二次保水部材を形成する。
【0013】
また本発明に係る解決手段の一態様として、被覆材料は、動物の排泄物を保水可能に形成されている第2の一次保水部材と、第2の一次保水部材に保水された排泄物を保水可能に形成されている第2の二次保水部材と、吸水することにより接着性を発現可能に形成されている吸水接着剤とにより構成される。
【0014】
上記課題を解決するため、動物用排泄物処理材の製造装置は、原材料を粉砕することによって粉砕材料を得る装置と、前記粉砕材料を加水した後、混練することによって練状コア層材料を得る装置と、前記練状コア層材料から粒状コア層材料を得る装置と、前記粒状コア層材料に液状着色料を不均一に塗布することによって着色コア層材料を得る装置と、前記着色コア層材料に被覆材料を被覆することによって被覆粒状材料を得る装置と、前記被覆粒状材料を乾燥させる装置とを有する。
前記着色コア層材料に被覆材料を被覆することによって被覆粒状材料を得る装置は、前記着色コア層材料に被覆材料を配置する被覆材料の配置装置と、前記被覆材料が配置された着色コア層材料を搬送する搬送機構とを有する。
前記搬送機構は、前記被覆材料が配置された着色コア層材料を搬送する搬送部と、当該搬送部に振動を加える振動発生部とを有する。
前記着色コア層材料に被覆材料を配置する装置においては、前記粉砕材料を加水した後、混練することによって練状コア層材料を得る装置において加えられた水分と、前記粒状コア層材料に液状着色料を不均一に塗布することによって着色コア層材料を得る装置において加えられた水分とにより膨潤され粘着性が発現された状態の着色コア層材料に対して前記被覆材料が配置される。そして、前記搬送機構においては、前記被覆材料が配置された着色コア層材料が前記搬送部によって搬送されるとともに、前記振動発生部により前記搬送部に振動が加えられることによって、当該被覆材料が配置された着色コア層材料が前記搬送部から跳ね上がって落下し、前記搬送部へ落下することによって前記被覆材料が前記着色コア層材料に押し付けられて接着される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、動物用排泄物処理材に関する一層合理的な構築技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】動物用排泄物処理材の斜視図である。
図2図1におけるY1−Y1線の断面図である。
図3図1におけるX1−X1線の断面図である。
図4】本発明に係る動物用排泄物処理材の製造工程を示すフローチャート図である。
図5】圧縮工程を示す説明図である。
図6】圧縮工程を示す説明図である。
図7】圧縮工程を示す説明図である。
図8】粉砕機を示す説明図である。
図9】メッシュスクリーンを示す説明図である。
図10】着色料塗布機を示す説明図である。
図11図10における側面断面図である。
図12】着色料塗布工程を示す説明図である。
図13】ベルトコンベアを示す説明図である。
図14】振動発生モーターを示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明に係る動物排泄物処理材の製造方法を、図1図14に基づき説明する。本実施の形態における「動物」は、脊椎動物(哺乳類、爬虫類、鳥類、両性類)や無脊椎動物を広く包含するが、典型的には、猫、犬、ウサギ、ハムスターなどといった愛玩動物がこれに該当する。
【0018】
(動物用排泄物処理材の説明)
図1は、本発明に係る製造方法にて製造された動物用排泄物処理材の断面図である。動物用排泄物処理材100は、コア層110と、コア層110の表面に形成された着色層120と、着色層120の表面に形成された被覆層130とにより形成される。この動物用排泄物処理材100が、本発明に係る「動物用排泄物処理材」の一例である。このコア層110が、本発明に係る「コア層」の一例である。この着色層120が、本発明に係る「着色層」の一例である。この被覆層130が、本発明に係る「被覆層」の一例である。
【0019】
なお、被覆層130は、乾燥状態においては白色を呈しており、着色層120の配色を見え難くしている。すなわち、この被覆層130の白色は、被覆層130を形成している第2のパルプ131および第2の高吸水性ポリマー132の表面が光線を乱反射することにより発現される。一方、被覆層130は、湿潤状態においては光線透過率を向上させる。よって、湿潤状態においては、ユーザは、動物用排泄物処理材の表面側から着色層120の配色をより鮮明に認識することが可能となる。
なお、本発明において、「配色」とは、単に色彩のみを表すものではない。本発明に係る「配色」は、明度、輝度、濃淡などを含むものである。
【0020】
コア層110は、コア層110の表層に対して凹んだ部分である亀裂部110Aを有する。この亀裂部110Aに対し、被覆層130が形成される。よって被覆層130は、コア層110から剥離し難くなる。
【0021】
コア層110は、第1のパルプ111と、第1の高吸水性ポリマー112とにより構成される。この第1のパルプ111が、本発明に係る「第1の一次保水部材」の一例である。この第1の高吸水性ポリマー112が、本発明に係る「第1の二次保水部材」の一例である。
第1のパルプ111は、繊維長が20mm以下であり、繊維径が200μm以下である。
第1の高吸水性ポリマー112は、粒径が2mm以下である。
【0022】
着色層120は、後に説明する通り、コア層110を形成する粒状コア層材料1102に対し、不均一な塗布状況となるように液状着色料1201を吐出することにより形成される。
すなわち、コア層110は、コア層110に対して液状着色料1201が含浸されて着色層120が形成されている第1の領域110Bを有する。また、コア層110は、コア層110の表面上に液状着色料1201が硬化することにより着色層120が形成された第2の領域110Cを有する。また、コア層110は、液状着色料1201が塗布されていない領域である第3の領域110Dを有する。
なお、本発明において「着色料(coloring agent)」とは、対象に対し配色を施すものであり、化学合成によるもの、天然物から抽出されたものを含む。また、本発明において「着色料」とは、染料(dyestuffs)や顔料(pigment)などの着色を施すものを包含する概念である。
【0023】
本発明において、コア層110が「不均一」な着色層120を有すること、および粒状コア層材料1102が「不均一」に液状着色料1201を塗布されることにつき説明する。
まず、コア層110が、第1の領域110B、第2の領域110Cおよび第3の領域110Dの内の少なくとも二つの領域を有した場合を、着色層120もしくは液状着色料1201の塗布状態が「不均一」であるとする。
また、コア層110が第1の領域110Bのみを有する場合は、コア層110に対し、液状着色料1201の含浸深さが異なる領域が形成されている場合を、着色層120もしくは液状着色料1201の塗布状態が「不均一」であるとする。
また、コア層110が第2の領域110Cのみを有する場合は、コア層110に対し、着色層120の高さが異なる領域が形成されている場合を、着色層120もしくは液状着色料1201の塗布状態が「不均一」であるとする。
【0024】
被覆層130は、第2のパルプ131と、第2の高吸水性ポリマー132と、吸水接着剤133とにより構成される。この第2のパルプ131が、本発明に係る「第2の一次保水部材」の一例である。この第2の高吸水性ポリマー132が、本発明に係る「第2の二次保水部材」の一例である。この吸水接着剤133が、本発明に係る「吸水接着剤」の一例である。
第2のパルプ131は繊維長が20mm以下であり、繊維径が200μm以下である。なお、この第2のパルプ131は、第1のパルプ111と比して繊維長が短く形成される。これにより、第2のパルプ131はコア層110(着色層120)の表面に対し、良好に接続することができる。
第2の高吸水性ポリマー132は粒径が2mm以下である。
吸水接着剤133は、吸水することにより接着性を発現させる。吸水接着剤133は具体的にはスターチが使用される。スターチは、タピオカスターチや、馬鈴薯スターチや、タピオカスターチなど、この種の動物用排泄物処理材において使用されるものを適宜選択することができる。
【0025】
(作用)
本発明の実施形態に係る動物用排泄物処理材100の作用を説明する。
ユーザは、適量の動物用排泄物処理材100を容器に入れる。動物は、動物用排泄物処理材100に対し排泄を行う。動物用排泄物処理材100の被覆層130は、排泄の水分により光線透過率を向上させる。その結果、ユーザは動物用排泄物処理材100の外側から着色層120の配色を確認することができる。
【0026】
なお、動物用排泄物処理材100においては、被覆層130の第2のパルプ131がまず保水を行う。次に、コア層110の第1のパルプ111が保水を行う。次に、第2のパルプ131の水分や、動物の直接的な排泄が被覆層130の第2の高吸水性ポリマー132に移行する。次に、コア層110の第1の高吸水性ポリマー112が保水を行う。次に、吸水接着剤133が吸水により接着性を発現させる。
この排泄物の保水動作の順序は、あくまでも理論上のものである。すなわち、着色層120の形成状態や、排泄の量などに応じて、各構成の保水動作の順序が入れ替わることがある。また、各構成の保水動作が同時に行われることもある。
【0027】
着色層120は、コア層110に対して不均一に設けられている。すなわち、コア層110の第1の領域110Bの内、コア層110の表面から浅い領域に対し、液状着色料1201が含浸されている領域を有する。動物の排泄物は、この領域を通過することにより、コア層110に対し円滑に吸収される。また、コア層110の第3の領域110Dは、着色層120を有していない。よって、動物の排泄物は、第3の領域110Dを通過することにより、コア層110に対して円滑に吸収される。
すなわち、本発明に係る動物用排泄物処理材100は、着色層120が不均一に形成されているため、動物の排泄物をコア層110に円滑に取り込むことができる。
【0028】
被覆層130の第2の高吸水性ポリマー132は、吸水により膨潤し、さらに粘着性を発現させる。よって、となりあう動物用排泄物処理材100同士は接着される。この結果、複数の動物用排泄物処理材100による集合体が形成される。この際、第2の高吸水性ポリマー132が乾燥により粘着性を低減させても、吸水接着剤133が接着性を維持している。よって、複数の動物用排泄物処理材100の集合状態を維持することができる。
よって、ユーザは、着色層120により動物の排泄を認識した後、動物用排泄物処理材100の集合体を容易に容器から取り除くことができる。
【0029】
(製造工程全体の説明)
次に、図4に基づき本発明に係る動物用排泄物処理材の製造工程を説明する。
造粒工程S1は、原料粉砕工程S11と、混合・撹拌工程S12と、圧縮工程S13と、切断工程S14とにより形成される。造粒工程S1の次に、被覆工程S2へ移行される。被覆工程S2は、着色料塗布工程S21と、被覆材料の被覆工程S22とにより形成される。被覆工程S2以降は、分流工程S3、乾燥工程S4、調整工程S5へ移行され、動物用排泄物処理材が完成される。
【0030】
まず、造粒工程S1につき説明する。この造粒工程S1が、本発明に係る「原材料を造粒し粒状物を得る工程」の一例である。原料粉砕工程S11では、使い捨ておむつの製造工程にて発生した使い捨ておむつのロス資材や、パルプが原材料として取り扱われる。原材料は、後述する粉砕機300(シュレッダー)により粉砕される。この粉砕機300により粉砕された原材料は、粉砕材料とされる。
【0031】
次に、混合・撹拌工程S12では、粉砕材料を加水した後に混練する。混練の過程においては、混練物の水分率を確認する。すなわち、水分や原材料の投入量を調整し、所定の水分量とする。
なお、この混合・撹拌工程S12においては、第1のパルプ111となるべきパルプが繊維長2mm以下に加工される。また、第1の高吸水性ポリマーとなるべき高吸水性ポリマーが粒径28μm以下に加工される。
このようにして、練状コア層材料1101が形成される。
【0032】
次に、圧縮工程S3では、原材料が脱水された後、ローラーにて圧縮される。この段階で、練状コア層材料1101の水分率は15〜25重量パーセントに調整される。
この圧縮工程S3の製造工程を、図5図7に基づき説明する。練状コア層材料1101は、押出し式圧縮造粒装置200にて造粒される。この押出し式圧縮造粒装置200は、特開2011−172515号に開示された装置等を使用することができる。
押出し式圧縮造粒機200の要部は、ダイステーブル210と、ダイステーブル210に設けられた投入口220と、排出口240と、投入口220と排出口240を連続する通路230とにより形成される。
【0033】
まず、図5に示す如く、練状コア層材料1101は、ダイステーブル210の投入口220へ向けて移送される。なお、この練状コア層材料1101の機械方向MDにおける移送は、この種の押出し式圧縮造粒機における周知の構成により実現される。
次に、図6に示す如く、機械方向MDに移送された練状コア層材料1101は通路230を通過する。この際、練状コア層材料1101は、所定の圧力を受ける。
次に、図7に示す如く、練状コア層材料1101は、ダイステーブル210の排出口240より排出される。この際、練状コア層材料1101は急激に圧力から解放される。よって、練状コア層材料1101には、亀裂が生ずる。この亀裂が、動物用排泄物処理材100のコア層110における亀裂部110Aとなる。
なお、押出し式圧縮造粒機200の排出口240から排出された練状コア層材料1101は、直径が2.5mm以上、8mm以下とされる。
【0034】
次に、切断工程S14では、押出し式圧縮造粒装置200にて押し出された練状コア層材料1101を、回転ブレードにて切断し、粒状コア層材料1102を得る。
【0035】
次に、被覆工程S2の説明を行う。切断工程S14で得られた粒状物は、着色料塗布工程S21へ移行される。着色料塗布工程S21では、粒状コア層材料1102に着色料溶液が塗布される。具体的には、回転ドラム内にて着色料溶液が粒状物に噴出されることにより、粒状コア層材料1102に着色料溶液が塗布される。この工程により、粒状コア層材料1102から、着色コア層材料を得る。なお、この着色料塗布工程S21は、後に詳述する。
【0036】
次に、被覆材料の被覆工程S22では、着色コア層材料に被覆材料を被覆させる。被覆材料は、第2のパルプ131と、第2の高吸水性ポリマー132と、吸水接着剤133が混合されたものである。
なお、着色コア層材料に対する被覆材料の被覆作業は、周知の被覆機により行われる。
この被覆材料の被覆工程S22が、本発明に係る「前記粒状物に被覆材料を被覆させる工程」の一例である。
【0037】
そして、被覆材料が被覆された着色コア層材料は、ベルトコンベアに移送される。被覆材料は、ベルトコンベアの振動により、着色コア層材料に固定される。なお、この着色コア層材料に対する被覆材料の固定作業については、後に詳述する。
この工程により、着色コア層材料から被覆粒状材料を得る。
【0038】
次に、分粒工程S3では、被覆粒状材料の大きさを選別する。すなわち、振動された一定の大きさのふるいにより、小さい粒径の被覆粒状材料を選別する。
【0039】
次に、乾燥工程S4では、被覆粒状材料の下方から熱風を吹き付ける。これにより、被覆粒状材料は浮遊と落下を繰り返しながら乾燥される。よって、粒状被覆材料の表面が押し固められる。
【0040】
次に、調整工程S5では、品質テストの結果により選別された粒状物を、全体として所望の動物用排泄物処理材となるよう、ブレンドする。
以上の工程を経て、動物用排泄物処理材が完成される。
【0041】
なお、本発明の工程S1〜S5において、工程から工程における材料(練状コア層材料1101や、粒状コア層材料1102や、粒状被覆材料)の移送は、様々な方法を適宜使用することができる。例えば、ベルトコンベアのような機械的な移送手段を用いることができる。また、一方の工程で得た材料を容器に収容し、当該容器をフォークリフト、台車、人力等により他方の工程へ運ぶことができる。
【0042】
(原料粉砕工程S11の説明)
次に、図8図9に基づき原料粉砕工程S11およびそれに係る製造装置を説明する。
粉砕機300は、この種の粉砕機に係る周知の構成を有する。すなわち、粉砕機300は、原材料の投入口310と、原材料の粉砕室320と、粉砕室320内に設けられた粉砕機構330と、粉砕機構330により粉砕された原材料が通過されるとともに複数の開口341を有するメッシュスクリーン340と、メッシュスクリーン340の開口341に連続される排出口350とを有する。原材料は、投入口310から投入され、排出口350を経ることにより、粉砕材料とされる。
【0043】
粉砕機300は、第1の粉砕機と、この第1の粉砕機に連続された第2の粉砕機とにより構成される。なお、第1の粉砕機と第2の粉砕機とは直列的に接続される。
第1の粉砕機は、第1のメッシュスクリーンと、当該第1のメッシュスクリーンに設けられた第1の開口とを有する。
第2の粉砕機は、第2のメッシュスクリーンと、当該第2のメッシュスクリーンに設けられた第2の開口とを有する。
第1の開口は、第2の開口よりも大きく形成されている。
【0044】
なお、本発明に係る実施形態においては、第1の開口と、第2の開口とはともに円形とされている。この際、第1の開口の直径は、第2の開口の直径よりも大きい。
具体的には、第1の開口の直径は10mmであり、第2の開口の直径は2mmである。よって、第1の開口の面積は、第2の開口の面積よりも大きい。
なお、第1の開口と第2の開口とは、必ずしも円形である必要はない。
【0045】
粉砕機構330は、回転体331と、回転体331に設けられた複数の羽体332とにより形成される。
回転体の回転速度は1,000rpmである。なお、第1の粉砕機と、第2の粉砕機における回転速度は、ともに同一である。
【0046】
なお、上述の例では粉砕機300は、第1の粉砕機と第2の粉砕機とにより構成された例を説明した。一方、粉砕機300としては単一の粉砕機を使用することも可能である。また、メッシュスクリーンにおける開口の大きさも適宜選択することができる。
【0047】
(着色料塗布工程S21の説明)
次に、図10図12に基づき着色料塗布工程S21およびそれに係る装置を説明する。
粒状コア層材料1102に着色料を塗布する工程は、粒状コア層材料1102を浮遊させる工程と、浮遊された粒状コア層材料1102に液状着色料1201を噴出する工程とを有する。この粒状コア層材料1102に対する液状着色料1201の噴出は、着色料塗布機400により行われる。
着色料塗布機400は、粒状コア層材料1102に液状着色料1201を塗布する工程においては、回転ドラム410と、回転ドラム410の内部に設けられるとともに粒状コア層材料1102が収容可能に形成された着色料塗布室420と、粒状コア層材料1102に対し液状着色料1201を塗布するノズル440とにより構成される。ノズル440は、液状着色料1201を輸送するパイプ430に接続される。
【0048】
粒状コア層材料1102を浮遊させる工程においては、粒状コア層材料1102が着色料塗布室420を形成する内壁面420Aから離間される。本発明においては、着色料塗布室420の内壁面420Aから粒状コア層材料1102が離間した状態を、「浮遊」と記す。
【0049】
粒状コア層材料1102の、着色料塗布機420の壁面420Aからの「浮遊」につき図12に基づき説明する。粒状コア層材料1102は、回転ドラム410の着色料塗布室420に搬入される。回転ドラム410は、図示しない回転機構により回転される。回転ドラム410の回転に伴う遠心力によって、粒状コア層材料1102は着色料塗布室420の内壁面420Aに押し付けられる。この状態においては、粒状コア層材料1102にかかる遠心力の方が、重力よりも大きい。
一方、回転ドラム410の回転が進行すると、粒状コア層材料1102にかかる遠心力よりも重力の方が大きくなる。すると、粒状コア層材料1102は内壁面420Aから離間し、矢印GD方向へ落下する。すなわち、粒状コア層材料1102は「浮遊」する。この浮遊状態における粒状コア層材料1102は回転している。
ノズル440は、浮遊状態の粒状コア層材料1102に向けられている。そして、粒状コア層材料1102に対し、液状着色料1201を吐出する。この際、シャワーにて吹き付ける液状着色料1201の体積は、着色料塗布室420に搬入された粒状コア層材料1102の表面積よりも少なくされている。
【0050】
すなわち、粒状コア層材料1102は、回転されつつ浮遊されている状態にて、液状着色料1201が塗布されることとなる。
よって、少量の液状着色料1201が塗布された粒状コア層材料1102の領域は、この少量の液状着色料1201が含浸される。これにより、コア層110における第1の領域110Bが形成される。
また、多量の液状着色料1201が塗布された粒状コア層材料1102の領域は、この多量の液状着色料1201が含浸されるとともに、含浸されきれなかった液状着色料1201が粒状コア層材料1102の領域において乾燥し、硬化される。よって、この粒状コア層材料1102の領域における表面には、着色層120が形成される。これにより、コア層110における第2の領域110Cが形成される。
また、液状着色料1201が塗布されない粒状コア層材料1102の領域が存在することとなる。これにより、コア層110における第3の領域110Dが形成される。
これにより、不均一な着色層120を有するコア層110が形成される。
【0051】
なお上述において、粒状コア層材料1102の「浮遊」は、粒状コア層材料1102にかかる回転ドラム410の遠心力と重力のバランスにより生ずることを説明した。一方、本発明に係る粒状コア層材料1102の「浮遊」は、他の状況によっても実現できる。例えば、粒状コア層材料1102が円柱形状をしている場合、粒状コア層材料1102の長軸方向の端部が回転している回転ドラム410の内壁面420Aに接する。この場合、粒状コア層材料1102は回転している内壁面420Aに弾かれ、内壁面420Aから離間する。このような状態であっても、粒状コア層材料1102は内壁面420Aに対して「浮遊」させられる。
【0052】
なお、着色料塗布工程S21における具体的な条件は次の通りである。
粒状コア層材料1102の大きさは、直径が2mm〜10mmである。ノズル440から吐出される液状着色料1201の吐出量は0.7リットル/秒である。回転ドラム410の直径は800mmである。回転ドラム410の回転数は7.5〜11.25rpm/minである。
【0053】
(被覆材料の被覆工程S22の説明)
次に、図13図14に基づき被覆材料の被覆工程S22およびそれに係る装置を説明する。
粒状コア層材料1102に被覆材料(図示しない)を被覆させる工程においては、粒状コア層材料1102に被覆材料を配置する工程と、被覆材料が配置された粒状コア層材料1102に振動を加える工程とにより形成される。この粒状コア層材料1102に被覆材料を配置する工程が、本発明に係る「前記粒状物に被覆材料を配置する工程」の一例である。この被覆材料が配置された粒状コア層材料1102に振動を加える工程が、本発明に係る「前記被覆材料が配置された粒状物に振動を加える工程」の一例である。
【0054】
前記被覆材料は、動物の排泄物を保水可能に形成されている第2のパルプ131と、第2のパルプ131に保水された排泄物を保水可能に形成されている第2の高吸水性ポリマー132と、吸水することにより接着性を発現可能に形成されている吸水接着剤133とにより構成される。この被覆材料が動物用排泄物処理材100の被覆層130を形成する。
粒状コア層材料1102に対する被覆材料の配置作業は、特開2003−274780号に記載された回転ドラム等の周知の装置を採用することができる。
【0055】
被覆材料が配置された粒状コア層材料1102に振動を加える工程においては、粒状コア層材料1102が図13に示されるベルトコンベア500により搬送される。ベルトコンベア500は、粒状コア層材料1102を搬送する搬送部510と、搬送部510に振動を加える振動発生部530とを有する。なお、この振動発生部530による振動は、ダンパー520により吸収される。これにより、ベルトコンベア500を支持する基部540へは振動が伝わりにくい。このベルトコンベア500が、本発明に係る「搬送機構」の一例である。この搬送部510が、本発明に係る「搬送部」の一例である。この振動発生部530が、本発明に係る「振動発生部」の一例である。
【0056】
振動発生部530は、振動発生モーター550により構成される。振動発生モーター550は、シャフト552を回転させるための周知の機構を有する本体551を有する。
シャフト552には、ウェイト553が設けられている。ウェイト553は、シャフト552を挟んでそれぞれ対向する第1のウェイト領域553Aと、第2のウェイト領域553Bとを有する。第1のウェイト領域553Aの長軸方向における長さと、第2のウェイト領域553Bの長軸方向における長さは異なる。このウェイト553の構成により、振動発生モーター550は搬送部510を振動させることができる。
【0057】
被覆材料は、振動発生部530から搬送部510に加えられた振動により、粒状コア層材料1102に押し付けられる。すなわち、搬送部510が振動されているため、粒状コア層材料1102も振動する。よって、粒状コア層材料1102は、搬送部510から跳ね上がり、そして搬送部510へと落下する。この粒状コア層材料1102の搬送部510への落下により、被覆材料が粒状コア層材料1102へ押し付けられる。
【0058】
なお、この被覆材料の被覆工程S22においては、粒状コア層材料1102は水分を含有している。すなわち、粒状コア層材料1102は、混合・撹拌工程S12において加えられた水分と、着色料塗布工程S21において加えられた水分を保有する。よって、粒状コア層材料1102の第1の高吸水性ポリマー112は膨潤され、粘着性を発現している。この粘着性が発現された第1の高吸水性ポリマー112により、被覆材料は粒状コア層材料1102に接着される。さらに、振動発生部530の振動により、被覆材料の粒状コア層材料1102への固定が確実となる。
【0059】
なお上述のベルトコンベア500においては、振動発生部530により、搬送部510へ強制的に振動を加えていた。一方、ベルトコンベア500の構成次第では、搬送部510を駆動することのみにより、搬送部510に所定の振動が加わる場合がある。このような場合は、ベルトコンベア500に振動発生部530を設ける必要はない。
【0060】
なお、被覆材料の被覆工程S22における具体的な条件は次の通りである。
粒状コア層材料1102の大きさは、直径が2mm〜10mmである。被覆材料における第2のパルプ131の割合は、60重量パーセントである。被覆材料における第2の高吸水性ポリマー132の割合は10重量パーセントである。被覆材料における吸水接着剤133の割合は30重量パーセントである。振動発生モーター550の運転条件は、1.5kであり、1,700rpmである。粒状コア層材料1102がベルトコンベア500を通過する時間は90秒である。
【0061】
なお、本発明に係る動物用排泄物処理材の製造方法およびその製造装置は上述したものに限られないものである。特に、製造装置においては従来より周知の製造装置を適宜選択することが可能である。
【0062】
(実施の形態と本発明の各構成要素の対応について)
動物用排泄物処理材100は、本発明に係る「動物用排泄物処理材」の一例である。コア層110は、本発明に係る「コア層」の一例である。着色層120は、本発明に係る「着色層」の一例である。被覆層130は、本発明に係る「被覆層」の一例である。第1のパルプ111は、本発明に係る「第1の一次保水部材」の一例である。第1の高吸水性ポリマー112は、本発明に係る「第1の二次保水部材」の一例である。第2のパルプ131は、本発明に係る「第2の一次保水部材」の一例である。第2の高吸水性ポリマー132は、本発明に係る「第2の二次保水部材」の一例である。吸水接着剤133は、本発明に係る「吸水接着剤」の一例である。造粒工程S1は、本発明に係る「原材料を造粒し粒状物を得る工程」の一例である。被覆材料の被覆工程S22は、本発明に係る「前記粒状物に被覆材料を被覆させる工程」の一例である。粒状コア層材料1102に被覆材料を配置する工程は、本発明に係る「前記粒状物に被覆材料を配置する工程」の一例である。被覆材料は、配置された粒状コア層材料1102に振動を加える工程は、本発明に係る「前記被覆材料は、配置された粒状物に振動を加える工程」の一例である。ベルトコンベア500は、本発明に係る「搬送機構」の一例である。搬送部510は、本発明に係る「搬送部」の一例である。振動発生部530は、本発明に係る「振動発生部」の一例である。
【0063】
以上の本発明の特質に鑑み、以下の各種の構成態様が構築できる。
(態様1)
動物用排泄物処理材の製造方法であって、
原材料を造粒し粒状物を得る工程と、
前記粒状物に被覆材料を被覆させる工程と、を有し、
前記粒状物に被覆材料を被覆させる工程においては、前記粒状物に被覆材料を配置する工程と、前記被覆材料が配置された粒状物に振動を加える工程とを有することを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
(態様2)
態様1に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記被覆材料が配置された粒状物に振動を加える工程においては、前記粒状物が搬送機構により搬送されることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
(態様3)
態様2に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記搬送機構は、前記粒状物を搬送する搬送部と、当該搬送部に振動を加える振動発生部とを有することを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
(態様4)
態様1〜3のいずれか1項に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記被覆材料は、前記振動発生部から前記搬送部に加えられた振動により、前記粒状物に押し付けられることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
(態様5)
態様1〜4に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記粒状物は、動物の排泄物を保水可能に形成されている第1の一次保水部材と、当該第1の一次保水部材に保水された排泄物を保水可能に形成されているとともに水分により粘着性を発現する第1の二次保水部材とにより形成されることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
(態様6)
態様5に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記粒状物に被覆材料を被覆させる工程における前記粒状物は、水分を含有していることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
(態様7)
態様6に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記粒状物に配置された前記被覆材料は、前記第1の二次保水部材の粘着力により前記粒状物に固定されることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
(態様8)
態様1〜7のいずれか1項に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記粒状物は、使い捨ておむつの製造工程において発生したパルプと高吸水性ポリマーにより形成されることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
(態様9)
態様8に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記パルプは、前記第1の一次保水部材を形成することを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
(態様10)
態様8または9のいずれか1項に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記高吸水性ポリマーは、前記第1の二次保水部材を形成することを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
(態様11)
態様1〜10に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記被覆材料は、動物の排泄物を保水可能に形成されている第2の一次保水部材と、当該第2の一次保水部材に保水された排泄物を保水可能に形成されている第2の二次保水部材と、吸水することにより接着性を発現可能に形成されている吸水接着剤とにより構成されることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
(態様12)
態様1〜11のいずれか1項に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記動物用排泄物処理材は、コア層と、当該コア層に設けられた着色層と、当該着色層を有する前記コア層を被覆する被覆層とにより形成されることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
(態様13)
態様12に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記コア層は、前記粒状物により形成されることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
(態様14)
態様12または13のいずれか1項に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記着色層は、前記コア層に対して不均一に形成されていることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
(態様15)
態様12〜14のいずれか1項に記載された動物用排泄物処理材の製造方法であって、
前記被覆層は、前記被覆材料により形成されていることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造方法。
(態様16)
動物用排泄物処理材の製造装置であって、
原材料が造粒されてなる粒状物に被覆材料を配置する被覆材料の配置装置と、
前記被覆材料が配置された粒状物を搬送する搬送機構とを有し、
前記搬送機構は、前記被覆材料が配置された粒状物に振動を加えることを特徴とする動物用排泄物処理材の製造装置。
(態様17)
態様16に記載された動物用排泄物処理材の製造装置であって、
前記搬送機構は、前記被覆材料が配置された粒状物を搬送する搬送部と、当該搬送部に振動を加える振動発生部とを有することを特徴とする動物用排泄物処理材の製造装置。
【符号の説明】
【0064】
100 動物用排泄物処理材
110 コア層
1101 練状コア層材料
1102 粒状コア層材料(粒状物)
1102A 落下状態の粒状コア層材料
110A 亀裂部
110B 第1の領域
110C 第2の領域
110D 第3の領域
111 第1のパルプ(第1の一次保水部材)
112 第1の高吸水性ポリマー(第1の二次保水部材)
120 着色層
1201 液状着色料
121 着色料部
130 被覆層
131 第2のパルプ(第2の一次保水部材)
132 第2の高吸水性ポリマー(第2の二次保水部材)
133 吸水接着剤
200 押出し式圧縮造粒機
210 ダイステーブル
220 投入口
230 通路
240 排出口
300 粉砕機
310 投入口
320 粉砕室
330 粉砕機構
331 回転体
332 羽体
340 メッシュスクリーン
341 開口
350 排出口
400 着色料塗布機
410 回転ドラム
420 着色料塗布室
420A 内壁面
430 送液パイプ
440 ノズル
500 ベルトコンベア(搬送機構)
510 搬送部
520 ダンパー
530 振動発生部
540 基部
550 振動発生モーター
551 本体
552 シャフト
553 ウェイト
553A 第1のウェイト領域
553B 第2のウェイト領域
S1 造粒工程
S11 原料粉砕工程
S12 混合・撹拌工程
S13 圧縮工程
S14 切断工程
S2 被覆工程
S21 着色料塗布工程
S22 被覆材料の被覆工程
S3 分粒工程
S4 乾燥工程
S5 調整工程
GD 落下方向
MD 機械方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14