(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の一態様を説明する。本発明に係る塩基増殖剤は、下記式(A)で表される化合物である。
【0035】
【化12】
(式(A)中、R
1〜R
4はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、Qは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、下記式(B
1)で表される基または下記式(B
2)で表される基を示し、R
3及びQは互いに結合して環構造を形成してもよい。Xは酸素原子または硫黄原子、Zは水素原子、Wはハメット置換基定数σが0以上の電子求引性の置換基またはフェニル基であり、i及びjはそれぞれ独立して1または2の整数で、i+j=3となる。)
【0036】
【化13】
(式(B
1)中、D
1は下記式(V
1)または下記式(V
2)を示し、D
2は下記式(V
1)または下記式(V
3)を示す。R
5〜R
8はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示す。前記式(A)のR
3、D
1が下記式(V
2)である場合のm
1個のR
17及びR
18、D
2が下記式(V
3)である場合のm
2個のR
19、R
20、並びにR
7はこれらのRのうち少なくとも2つのRが互いに結合して環構造を形成してもよい。X’は酸素原子または硫黄原子、Z’は水素原子、W’はハメット置換基定数σが0以上の電子求引性の置換基またはフェニル基であり、g及びhはそれぞれ独立して1または2の整数で、g+h=3となり、n
1は0〜20の整数を示す。)
【0037】
【化14】
(式(B
2)中、D
1は下記式(V
1)または下記式(V
2)を示し、D
2は下記式(V
1)または下記式(V
3)を示し、D
3は下記式(V
1)または下記式(V
4)を示す。R
5〜R
12はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示す。前記式(A)のR
3、D
1が下記式(V
2)である場合のm
1個のR
17及びR
18、D
2が下記式(V
3)である場合のm
2個のR
19及びR
20、R
7、D
3が下記式(V
4)である場合のm
3個のR
21及びR
22、並びにR
11は、これらのRのうち少なくとも2つのRが互いに結合して環構造を形成してもよい。X’及びX”は酸素原子または硫黄原子、Z’及びZ”は水素原子、W’及びW”はハメット置換基定数σが0以上の電子求引性の置換基またはフェニル基であり、e、f、g及びhはそれぞれ独立して1または2の整数で、e+f=3、g+h=3となり、n
1、n
2、n
3はそれぞれ独立して、0〜20の整数を示す。)
【0039】
【化16】
(式(V
2)中、m
1個のR
17及びR
18はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、m
1は1〜7の整数を示す。)
【0040】
【化17】
(式(V
3)中、m
2個のR
19及びR
20はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、m
2は1〜7の整数を示す。)
【0041】
【化18】
(式(V
4)中、m
3個のR
21及びR
22はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、m
3は1〜7の整数を示す。)
【0042】
式(A)は、前記したように、Q基を有し、Q基が水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基となる場合には、Q基がR
3’基となる下記(A
1)となり、Q基が式(B
1)で表される基となる場合には、下記式(A
2)となり、Q基が式(B
2)で表される基となる場合には、下記式(A
3)となる。
【0043】
以下、式(A)の具体的な態様として、式(A
1)、式(A
2)及び式(A
3)を挙げる。なお、式(A
2)にあっては、R
3、D
1が式(V
2)である場合のm
1個のR
17及びR
18、D
2が式(V
3)である場合のm
2個のR
19及びR
20、並びにR
7は、これらのRのうち、少なくとも2つのRが互いに結合して環構造を形成してもよい。同様に、式(A
3)にあっては、R
3、D
1が式(V
2)である場合のm
1個のR
17及びR
18、D
2が式(V
3)である場合のm
2個のR
19及びR
20、R
7、D
3が式(V
4)である場合のm
3個のR
21及びR
22、並びにR
11は、これらのRのうち、少なくとも2つのRが互いに結合して環構造を形成してもよい。
【0044】
【化19】
(式(A
1)中、R
1、R
2、R
3、R
4、Xは前記式(A)と同様であり、R
3’は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、R
3及びR
3’は互いに結合して環構造を形成してもよい。Zは水素原子、Wはハメット置換基定数σが0以上の電子求引性の置換基またはフェニル基であり、i及びjはそれぞれ独立して1または2の整数で、i+j=3となる。)
【0045】
【化20】
(式(A
2)中、D
1及びD
2、R
1〜R
8、n
1、X及びX’は前記式(A)及び前記式(B
1)と同様である。Z及びZ’は水素原子、W及びW’はハメット置換基定数σが0以上の電子求引性の置換基またはフェニル基であり、g及びhはそれぞれ独立して1または2の整数で、g+h=3となる。)
【0046】
【化21】
(式(A
3)中、D
1、D
2及びD
3、R
1〜R
12、n
1、n
2及びn
3、X、X’及びX”は前記式(A)及び前記式(B
2)と同様である。Z、Z’及びZ”は水素原子、W、W’及びW”はハメット置換基定数σが0以上の電子求引性の置換基またはフェニル基であり、e及びfはそれぞれ独立して1または2の整数で、e+f=3となる。)
【0047】
前記式におけるR
1、R
2、R
5、R
6、R
9及びR
10において、アルキル基とした場合には、炭素数は1〜6が好ましく、シクロアルキル基とした場合には、炭素数は6〜8が好ましく、アリール基とした場合には、炭素数は6〜10が好ましく、アリールアルキル基とした場合には、炭素数は7〜11が好ましい。R
1、R
2、R
5、R
6、R
9及びR
10の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
【0048】
前記式におけるR
3、R
3’、R
4、R
7、R
8、R
11、R
12、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21、R
22及びQにおいて、アルキル基とした場合には、炭素数は2〜6が好ましく、例えば、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等が挙げられる。シクロアルキル基とした場合には、炭素数は6〜8が好ましく、例えば、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。アリール基とした場合には、炭素数は6〜10が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。アリールアルキル基とした場合には、炭素数は7〜11が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
【0049】
なお、以上のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基は置換基を有していてもよく、この場合の置換基としては、アミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。また、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基は、枝分かれ構造を有していてもよい。
【0050】
また、前記した式における「R
3及びQは互いに結合して環構造を形成してもよい」及び「R
3及びR
3’は互いに結合して環構造を形成してもよい」で表される「環構造」とは、飽和脂肪族環、不飽和脂肪族環、芳香環等のいずれの環構造であってもよく、加えて、これらの環を構成する炭素原子に結合する水素原子が、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等で置換されている環構造や、窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有する環構造も、前記式における「環構造」の概念に含まれる。
【0051】
これらの環構造の具体例としては、例えば、アジリジン環(3員環)、アゼチジン環(4員環)、ピロリジン環(5員環)、ピペリジン環(6員環)、ヘキサメチレンイミン環(アゼパン環;7員環)、ヘプタメチレンイミン環(アゾカン環;8員環)、オクタメチレンイミン環(アゾナン環;9員環)、ノナメチレンイミン環(アゼカン環;10員環)、デカメチレンイミン環(11員環)等の炭素数2〜10の含窒素飽和脂肪族環;例えば、2−メチルアジリジン環(3員環)、2−メチルアゼチジン環(4員環)、3−メチルアゼチジン環(4員環)、2,5−ジメチルピロリジン環(5員環)、2,5−ジエチルピロリジン環(5員環)、2,5−ジプロピルピロリジン環(5員環)、2,6−ジメチルピペリジン環(6員環)、2,6−ジエチルピペリジン環(6員環)、2,4,6−トリメチルピペリジン環(6員環)、4−ヒドロキシピペリジン(6員環)、4−メルカプトピペリジン(6員環)、4−シアノピペリジン(6員環)、4−ニトロピペリジン(6員環)、4−クロロピペリジン(6員環)、4−ブロモピペリジン(6員環)等の、飽和脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子が、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等で置換されている炭素数2〜10の含窒素飽和脂肪族環;例えば、オキサゾリジン環(5員環)、チアゾリジン環(5員環)、モルホリン環(6員環)、チオモルホリン環(6員環)等の、窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有する炭素数3〜10の含窒素飽和脂肪族環;例えば2,6−ジメチルモルホリン環(6員環)、2,6−ジエチルモルホリン環(6員環)、2,6−ジプロピルモルホリン環(6員環)、2,6−ジメチルチオモルホリン環(6員環)、2,6−ジエチルチオモルホリン環(6員環)、2,6−ジプロピルチオモルホリン環(6員環)等の、窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有し、飽和脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子が、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等で置換されている炭素数3〜10の含窒素飽和脂肪族環;例えば、ピロール環(5員環)、イミダゾール環(5員環)、ピラゾール環(5員環)等の炭素数3〜10の含窒素不飽和脂肪族環又は芳香環、例えば2,5−ジメチルピロール環(5員環)、2,5−ジエチルピロール環(5員環)、2,5−ジプロピルピロール環(5員環)、2,5−ジメチルイミダゾール環(5員環)、2,5−ジエチルイミダゾール環(5員環)、2,5−ジプロピルイミダゾール環(5員環)、3,5−ジメチルピラゾール環(5員環)、3,5−ジエチルピラゾール環(5員環)、3,5−ジプロピルピラゾール環(5員環)等の、不飽和脂肪族環又は芳香環を構成する炭素原子に結合する水素原子が、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等で置換されている炭素数3〜10の含窒素不飽和脂肪族環又は芳香環等が挙げられる。
【0052】
さらに、式(A
2)及び式(B
1)におけるn
1、式(A
3)及び式(B
2)におけるn
1、n
2、n
3は、それぞれ独立して0〜20の整数であるが、0〜8の整数とすることが好ましい。
【0053】
同様に、式(V
2)におけるm
1、式(V
3)におけるm
2、式(V
4)におけるm
3は、それぞれ独立して1〜7の整数であるが、1〜3の整数とすることが好ましい。
【0054】
また、前記した式(A)、式(A
1)、式(A
2)及び式(A
3)におけるW、式(B
1)、式(B
2)、式(A
2)及び式(A
3)におけるW’、式(B
2)及び式(A
3)におけるW”は、ハメット置換基定数σが0以上の電子求引性の置換基またはフェニル基である。また、前記した式(A)、式(A
1)、式(A
2)及び式(A
3)におけるZ、式(B
1)、式(B
2)、式(A
2)及び式(A
3)におけるZ’、式(B
2)及び式(A
3)におけるZ”は、水素原子である。
【0055】
さらに、前記した式(A)、式(A
1)、式(A
2)及び式(A
3)におけるZの添字iはZの数、前記した式(A)、式(A
1)、式(A
2)及び式(A
3)におけるWの添字jはWの数をそれぞれ示し、i及びjは独立して1または2の整数で、i+j=3となる。
【0056】
さらにまた、前記した式(B
1)、式(B
2)、式(A
2)、及び式(A
3)におけるZ’の添字gはZ’の数、前記した式(B
1)、式(B
2)、式(A
2)、及び式(A
3)におけるW’の添字hはW’の数をそれぞれ示し、g及びhは独立して1または2の整数で、g+h=3となる。
【0057】
そして、前記した式(B
2)及び式(A
3)におけるZ”の添字eはZ”の数、前記した式(B
2)及び式(A
3)におけるW”の添字fはW”の数をそれぞれ示し、e及びfは独立して1または2の整数で、e+f=3となる。
【0058】
なお、便宜上、下記に示すように、式(A)、式(A
1)、式(A
2)及び式(A
3)における−CZ
iW
jを式(T)、式(B
1)、式(B
2)、式(A
2)及び式(A
3)における−CZ’
gW’
hを式(T’)、式(B
2)及び式(A
3)における−CZ”
eW”
fを式(T”)と示す。
【0060】
ハメット置換基定数σが0以上の電子求引性の置換基となるW、W’,W”としては、有機電子論等において慣用の電子求引性基を使用することができ、例えば、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、アラルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルケニルスルホニル基、アラルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルホキシド基、アルケニルスルホキシド基、アラルキルスルホキシド基、アリールスルホキシド基、ハロゲン、ニトロ基、フェニルスルホニル基、アセチル基、シアノ基またはトリフルオロアルキル基等が挙げられるが、特にこれらには限定されない。
【0061】
また、前記した式(T)、式(T’)、式(T”)は、フルオレニル基を適用することができ、例えば、下記式(C)で表されるフルオレニル基及びその誘導体としてもよい。式(C)中、Y
1、Y
2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基またはニトロ基を示す。また、アルキル基の炭素数は、2〜6とすることが好ましい。また、アルキル基やシクロアルキル基は、枝分かれ構造を有していてもよい。
【0063】
なお、以下に示すように、式(T)、式(T’)、式(T”)をフルオレニル基とする場合は、Z(Z’、Z”:水素原子)の数iは1となり(g、eも同様。)、W(W’、W”)はフェニル基となり、その数jは2となる(h、fも同様。)。
【0065】
また、前記した式(T)、式(T’)、式(T”)は、有機スルホキシド基を適用してもよく、例えば、下記式(D)で表される有機スルホキシド基には、下記式(D)で表されるものが含まれる。なお、式(D)中、Arは有機基、好ましくはアリール基である。その具体例としては、フェニル、トリル、ナフチル等が挙げられる。Arの炭素数は6〜18が好ましく、6〜12が特に好ましく、アリール基に電子求引性の置換基が結合していてもよい。
【0067】
次に、式(A)、式(A
1)、式(A
2)及び式(A
3)で表される塩基増殖剤に含まれる化合物の具体例を示す。
【0068】
式(A)、式(A
1)において、R
3が水素原子、Q(式(A
1)におけるR
3’)が炭素数5〜10のシクロアルキル基である場合の具体例(式(G−1)及び式(G−2))。
【0070】
式(A)、式(A
1)において、R
3及びQ(式(A
1)におけるR
3’)は互いに結合して環構造を形成している場合の具体例(式(G−3)、式(G−4)及び式(G−5))。
【0072】
式(A)、式(A
2)において、R
3及びR
7がともに水素原子であって、D
1が式(V
2)であり、当該式(V
2)中のm
1が1であり、かつR
17及びR
18がともに水素原子であって、D
2が式(V
3)であり、当該式(V
3)中のm
2が1であり、かつR
19及びR
20がともに水素原子であって、n
1が4である場合の具体例(あるいは、R
3及びR
7がともに水素原子であって、D
1が式(V
2)であり、当該式(V
2)中のm
1が5であり、かつ5つのR
17及びR
18がすべて水素原子であって、D
2が式(V
3)であり、当該式(V
3)中のm
2が1であり、かつR
19及びR
20がともに水素原子であって、n
1が0である場合の具体例。)(式(G−6))。なお、式(A)にあっては、Qが式(B
1)となる。
【0074】
なお、前記にあっては、D
1が式(V
2)であり、当該式(V
2)中のm
1が1であり、かつR
17及びR
18がともに水素原子であって、D
2が式(V
3)であり、当該式(V
3)中のm
2が1であり、かつR
19及びR
20がともに水素原子である場合とは、以下を指す。
【0076】
式(A)、式(A
1)において、R
3及びR
7がともに水素原子であって、D
1が式(V
1)であって、D
2が(V
3)であり、当該式(V
3)中のm
2が1であり、かつR
19及びR
20がともに水素原子であって、n
1が0である場合の具体例(式(G−7))。なお、式(A)にあっては、Qが式(B
1)となる。
【0078】
式(A)、式(A
2)において、D
1が式(V
2)であり、当該式(V
2)中のm
1が3であり、その場合の式が下記式(V
2A)で示されるものであり、当該(V
2A)中のR
17a、R
17b、R
18a、R
18b及びR
18cがすべて水素原子であって、R
3とR
17cとで炭素数2のジメチレン鎖を介して互いに結合し環構造を形成しているものであって、D
2が式(V
3)であり、当該式(V
3)中のm
2が3であり、その場合の式が下記式(V
3A)で示されるものであり、当該式(V
3A)中のR
19b、R
19c、R
20a、R
20b及びR
20cがすべて水素原子であって、R
19aとR
7とで炭素数2のジメチレン鎖を介して互いに結合し環構造を形成しているものであって、n
1が3である場合の具体例(式(G−8))。なお、式(A)にあっては、Qが式(B
1)となる。
【0080】
式(A)、式(A
2)において、D
1が式(V
2)であり、当該(V
2)中のm
1が3であり、その場合の式が下記式(V
2A)で示されるものであり、当該式(V
2A)中のR
17a、R
17b、R
18a、R
18b及びR
18cがすべて水素原子であって、R
3とR
17cとで炭素数2のジメチレン鎖を介して互いに結合し環構造を形成しているものであって、D
2が式(V
3)であり、当該式(V
3)中のm
2が3であり、その場合の式が下記式(V
3A)で示されるものであり、当該式(V
3A)中のR
19b、R
19c、R
20a、R
20b及びR
20cがすべて水素原子であって、R
19aとR
7とで炭素数2のジメチレン鎖を介して互いに結合し環構造を形成しているものである具体例(式(G−8b))。なお、式(A)にあっては、Qが式(B
1)となる。
【0083】
式(A)、式(A
2)において、D
1が式(V
2)であり、当該式(V
2)中のm
1が1であり、かつR
17及びR
18がともに水素原子であって、D
2が式(V
3)であり、当該式(V
3)中のm
2が1であり、かつR
19及びR
20がともに水素原子であって、n
1が0であって、R
3とR
7とで炭素数2のジメチレン鎖を介して互いに結合し環構造を形成している場合の具体例(式(G−9))。なお、式(A)にあっては、Qが式(B
1)となる。下記式の構造は、R
3及びR
7が(CH
2)
n1を飛び越えて結合して環構造を作る具体例である。
【0085】
式(A)、式(A
3)において、R
3、R
7及びR
11がすべて水素原子であって、D
1が式(V
2)であり、当該式(V
2)中のm
1が1であり、かつR
17及びR
18がともに水素原子であって、D
2が式(V
3)であり、当該式(V
3)中のm
2が1であり、かつR
19及びR
20がともに水素原子であって、D
3が式(V
4)であり、当該式(V
4)中のm
3が1であり、かつR
21及びR
22がともに水素原子であって、n
1、n
2及びn
3がすべて1である場合の具体例(式(G−10))。なお、式(A)にあっては、Qが式(B
2)となる。
【0087】
式(A)、式(A
2)において、R
3及びR
7がともに水素原子であって、D
1が式(V
2)であり、当該式(V
2)中のm
1が2であり、かつその場合の式が下記式(V
2A)で示されるものであり、当該式(V
2A)中のR
17a、R
17b、R
18a及びR
18bがすべて水素原子であって、D
2が式(V
3)であり、当該式(V
3)中のm
2が2であり、かつその場合の式が下記式(V
3A)で示されるものであり、当該式(V
3A)中のR
19a、R
19b及びR
20bがすべて水素原子であって、R
20aがメチル基であって、n
1が1である場合の具体例(式(G−11))。なお、式(A)にあっては、Qが式(B
1)となる。
【0090】
また、本発明の塩基増殖剤に含まれる化合物の一例を、以下に示す。
【0091】
(BA1:W(W’、W”)=2(フェニル基、W等が2個でフルオレニル基)、Z(Z’、Z”)=1)
【化38】
【0092】
(BA2:W(W’、W”)=2(フェニル基、W等が2個でフルオレニル基)、Z(Z’、Z”)=1)
【化39】
【0093】
(BA3:W(W’、W”)=1(フェニルスルホニル基)、Z(Z’、Z”)=2)
【化40】
【0094】
(BA4:W(W’、W”)=1(フェニルスルホニル基)、Z(Z’、Z”)=2)
【化41】
【0095】
(BA5:W(W’、W”)=1(シアノ基)、Z(Z’、Z”)=2)
【化42】
【0096】
(BA6:W(W’、W”)=1(シアノ基)、Z(Z’、Z”)=2)
【化43】
【0097】
(BA7:W(W’、W”)=1(シアノ基)、Z(Z’、Z”)=2)
【化44】
【0098】
(BA8:W(W’、W”)=1(ニトロ基)、Z(Z’、Z”)=2)
【化45】
【0099】
(BA9:W(W’、W”)=1(ニトロ基)、Z(Z’、Z”)=2)
【化46】
【0100】
(BA10:W(W’、W”)=1(アセチル基)、Z(Z’、Z”)=2)
【化47】
【0101】
(BA11:W(W’、W”)=2(アセチル基)、Z(Z’、Z”)=1)
【化48】
【0102】
(BA12:W(W’、W”)=1(アセチル基)、Z(Z’、Z”)=2)
【化49】
【0103】
(BA13:W(W’、W”)=2(アセチル基)、Z(Z’、Z”)=1)
【化50】
【0104】
本発明に係る塩基増殖剤は、エポキシ系化合物の存在下で、塩基の作用により分解して塩基(アミン)を発生する特性を有する。反応挙動について、式(A
1)についての反応スキームを
図1、式(A
2)についての反応スキームを
図2、式(A
3)についての反応スキームを
図3にそれぞれ示す。なお、
図1ないし
図3のスキームでは、便宜上、Z(Z’、Z”)について水素原子で示しているところもある。
【0105】
反応スキームに示すように、本発明の塩基増殖剤は、その一定量に対してそれより少ない当量の塩基を作用させるだけで、自己増殖的に分解し、最終的にその全量が分解し、その塩基増殖剤の量に対応する多量の塩基を発生させる。そして、塩基反応性化合物(後記)と共存させると、発生した塩基(アミン)が塩基反応性化合物に作用し、発生する塩基により塩基反応性化合物を架橋反応させて効率よく硬化させることが可能となる。なお、スキーム中、HNR’R”は任意の塩基(アミン)である。R”’は任意のアルキル基であり、当該R”’を含む化合物は任意のエポキシ系化合物である。
【0106】
反応スキームに示すように、本発明の塩基増殖剤は、エポキシ系化合物の存在下で塩基の増殖に際して環化反応により塩基を増殖し、炭酸ガスの発生を伴わない塩基増殖剤となる。よって、塩基増殖剤を塩基反応性化合物と混合して塩基反応性樹脂組成物として、かかる塩基反応性樹脂組成物を製膜した場合にあっても炭酸ガスの気泡による凸凹を生じさせることもなく、製品特性及び製品価値の高い硬化膜を提供することができる。
【0107】
本発明に係る塩基増殖剤は、有機溶剤に対する溶解性が良好であるため、塩基反応性化合物と混合して塩基反応性樹脂組成物とする場合には、塩基反応性化合物と容易に相溶することができる。加えて、本発明に係る塩基増殖剤は耐熱性が良好であるため、これを塩基反応性化合物と混合して塩基反応性樹脂組成物とした場合には、熱安定性が高い樹脂組成物となる。そのため、当該樹脂組成物を用いてパターンを形成する場合には、良好なパターンを形成することができる。なお、X、X’、X”基はS(硫黄原子)かO(酸素原子)となるが、同じ構造であれば、X(X’、X”)基としてOを選択した方が分解速度は速く、一方、Sを選択した場合には、熱分解温度は高くなる。よって、X(X’、X”)基の選択により、増殖反応速度や熱安定性を容易に調整することができる。
【0108】
塩基増殖剤に作用させる塩基としては、特に制限はなく、従来公知の塩基等を使用することができ、例えば、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン等のアミン、ピリジル基を含有する化合物、ヒドラジン化合物、アミド化合物、水酸化四級アンモニウム塩、メルカプト化合物、スルフィド化合物、ホスフィン化合物等を使用することができる。また、例えば、国際公開番号WO2009/19979に開示されるアミンやピリジル基を含有する化合物、ヒドラジン化合物、アミド化合物、水酸化四級アンモニウム塩、メルカプト化合物、スルフィド化合物、ホスフィン化合物等を使用することができる。
【0109】
式(A)(式(A
1)、式(A
2)及び式(A
3))で表される塩基増殖剤が分解して発生する塩基としては、下記式(Am−1)、(Am−2)あるいは式(Am−3)で表されるアミンが挙げられる。なお、式中、R
3、R
3’、R
7、R
11、D
1、D
2、D
3、n
1、n
2及びn
3は、前記した式(A)、式(A
1)、式(A
2)、式(A
3)に準じる。
【0113】
また、式(A
1)、式(A
2)及び式(A
3)で表される塩基増殖剤を合成するには、例えば、(二塩化フェニルホスホン酸あるいは二塩化チオフェニルホスホン酸を出発物質として)
図4ないし
図9に示す合成スキームのようにすればよい。式(A
1)についての合成スキームを
図4、式(A
2)についての合成スキームを
図5、式(A
2)について、塩基部をイソホロンジアミン(1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン)とした場合(式(G−7)について、R
1、R
2、R
5、R
6を水素原子とした場合に対応する。)の合成スキームを
図6、式(A
2)について、塩基部を1,3−ビス(4−ピペリジル)プロパン(式(G−8)について、R
1、R
2、R
5、R
6を水素原子とした場合に対応する。)とした場合の合成スキームを
図7、式(A
2)について、塩基部を2−メチルペンタン−1,5−ジアミン(式(G−11)について、R
1、R
2、R
5、R
6を水素原子とした場合に対応する。)とした場合の合成スキームを
図8、式(A
3)についての合成スキームを
図9にそれぞれ示す。
【0114】
また、本発明に係る塩基増殖剤は、塩基発生剤と組み合わせて塩基増殖剤組成物として使用することが好ましい。ここで、塩基発生剤とは、一般に、光等の活性エネルギー線を照射したり、加熱することによって塩基を発生する物質である。塩基発生剤としては、特に限定されないが、光等の活性エネルギー線の照射によって塩基を発生する光塩基発生剤や、加熱により塩基を発生する熱塩基発生剤(熱潜在性塩基発生剤)を使用することが好ましい。このうち、塩基を発生させるために高温下で加熱処理を行う必要がないため、光塩基発生剤を使用することが特に好ましい。
【0115】
光塩基発生剤としては、特に限定されないが、従来知られているo−ニトロベンジル型光塩基発生剤、(3,5−ジメトキシベンジルオキシ)カルボニル型光塩基発生剤、アミロキシイミノ基型光塩基発生剤、ジヒドロピリジン型光塩基発生剤等が挙げられる。このうち、塩基発生効率と合成の簡便性に優れているため、o−ニトロべンジル型光塩基発生剤が好ましく用いられる。
【0116】
光塩基発生剤としては、例えば、特開2000−330270号公報に開示されるオキシムエステル系化合物、アンモニウム系化合物、ベンゾイン系化合物、ジメトキシベンジルウレタン系化合物、オルトニトロベンジルウレタン系化合物等を使用するようにしてもよい。
【0117】
また、光塩基発生剤としては、特開2009−280785号公報、特開2010−84144号公報、特開2011−236416号公報に開示される塩基発生剤等を使用することもできる。これらは、光照射により脱炭酸するカルボン酸と塩基類からなるカルボン酸塩である。
【0118】
また、以下の式(E−1)ないし式(E−6)で表される光塩基発生剤も使用することができる。なお、式(E−3)において、−R−は、−(CH
2)
6−、あるいは−CH
2CH
2CH
2CH(CH
3)CH
2−を示す。
【0120】
熱塩基発生剤としては、特に限定されないが、加熱により脱炭酸して分解する有機酸と塩基との塩、分子内求核置換反応、ロッセン転位反応またはベックマン転位反応等により分解してアミン類を放出する化合物や、加熱により何らかの反応を起こして塩基を放出するものが好ましく用いられる。なかでも、塩基発生効率に優れているため、加熱により脱炭酸して分解する有機酸と塩基との塩が好ましく用いられる。
【0121】
熱塩基発生剤としては、例えば英国特許第998949号記載のトリクロロ酢酸の塩、米国特許第4060420号に記載のアルファースルホニル酢酸の塩、特開昭59−157637号に記載のプロピール酸類の塩、2−カルボキシルカルボキサミド誘導体、特開昭59−168440号に記載の塩基成分に有機塩基の他にアルカリ金属、アルカリ土類金属を用いた熱分解性酸との塩、特開昭59−180537号に記載のロッセン転位を利用したヒドロキサムカルバメート類、加熱によりニトリルを生成する特開昭59−195237号に記載のアルドキシムカルバメート類、英国特許第998945号、米国特許第3220846号、英国特許第279480号、特開昭50−22625号、特開昭61−32844号、特開昭61−51139号、特開昭61−52638号、特開昭61−51140号、特開昭61−53634号、特開昭61−53640号、特開昭61−55644号、特開昭61−55645号等に記載の熱塩基発生剤が挙げられる。また、特開2000−330270号公報に開示される加熱により塩基を発生する化合物を使用するようにしてもよい。
【0122】
また、その他の熱塩基発生剤の具体例としては、トリクロロ酢酸グアニジン、トリクロロ酢酸メチルグアニジン、トリクロ酢酸カリウム、フェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−クロロフェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−メタンスルホニルフェニルスルホニル酢酸グアニジン、フェニルプロピオール酸カリウム、フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルプロピオール酸セシウム、p−クロロフェニルプロピオール酸グアニジン、p−フェニレン−ビス−フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルスルホニル酢酸テトラメチルアンモニウム、フェニルプロピオール酸テトラメチルアンモニウムが挙げられる。
【0123】
塩基増殖剤と塩基発生剤を組み合わせて塩基増殖剤組成物として使用する場合には、塩基増殖剤を構成する塩基類と、塩基発生剤を構成する塩基類が共通するようにしてもよい。塩基類が共通することにより、塩基増殖剤の分解が効率よく行われることになる。
【0124】
塩基増殖剤と塩基発生剤を組み合わせて塩基増殖剤組成物として使用する場合の塩基増殖剤と塩基発生剤の配合比は、質量比で、塩基増殖剤/塩基発生剤=40/1〜1/4の範囲内とすることが好ましい。塩基増殖剤の配合量が少なすぎると塩基が効率的に発生せず、塩基反応性化合物を迅速に反応させることができなくなる場合がある。一方、塩基増殖剤の配合量が多すぎると、塩基発生剤の使用量が増加し、塩基発生剤自体が塩基反応性化合物の溶解性等に悪影響を与える場合があり、また、コスト的にも好ましくない。塩基増殖剤と塩基発生剤の配合比は、質量比で、塩基増殖剤/塩基発生剤=20/1〜1/1の範囲内とすることが特に好ましい。
【0125】
また、塩基増殖剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、塩基増殖剤と塩基発生剤を併用して塩基増殖剤組成物として使用する場合には、塩基発生剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0126】
次に、本発明の塩基反応性樹脂組成物を説明する。本発明の塩基反応性樹脂組成物は、前記した式(A)、式(A
1)、式(A
2)及び式(A
3)の少なくとも1つで表される塩基増殖剤、あるいはかかる塩基増殖剤及び塩基発生剤(塩基増殖剤組成物)と、エポキシ系化合物を含む塩基反応性化合物(塩基の存在によって硬化反応をする化合物)を必須成分として含有する。
【0127】
本発明の塩基反応性樹脂組成物を構成する塩基反応性化合物は、塩基増殖剤、あるいは塩基増殖剤及び塩基発生剤(塩基増殖剤組成物)により発生した塩基の作用により反応して、架橋等により硬化する化合物であり、種々の化合物等を使用することができる。前記した本発明に係る塩基増殖剤は、少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ系化合物との反応により新たな塩基を放出するので、エポキシ系化合物との共存が必要である。よって、塩基反応性化合物としては、エポキシ系化合物が硬化する主たる塩基反応性化合物であってもよいし、エポキシ系化合物が塩基増殖剤の分解を引き起こすのに十分な量が塩基反応性樹脂組成物に含まれていれば(塩基発生剤の官能基と同じ数のエポキシ基が存在することが好ましい。)、硬化に寄与する塩基反応性化合物はエポキシ系化合物以外の塩基反応性化合物でもよい。その場合の塩基反応性化合物とは、特に制限はなく、従来公知の塩基反応性化合物等を使用することができるが、例えば、少なくとも1つのアルコキシシリル基やシラノール基等を有しているケイ素系化合物、オキセタン環を含むオキセタン系化合物等を使用することが好ましい。かかるエポキシ系化合物以外の塩基反応性化合物は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0128】
使用可能なエポキシ系化合物(エポキシ系樹脂)としては、例えば、ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フエニルグリシジルエーテル、アルキルフェノールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、脂肪族ジグリシジルエーテル、多官能グリシジルエーテル、3級脂肪酸モノグリシジルエーテル、スピログリコールジグリシジルエーテル、グリシジルプロポキシトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのエポキシ系化合物はハロゲン化されていてもよく、水素添加されていてもよく、また、これらのエポキシ系化合物は誘導体も含む。そして、これらのエポキシ系化合物は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0129】
エポキシ系化合物に加えて添加される、ケイ素系化合物(ケイ素系樹脂)としては、例えば、アルコキシシラン化合物やシランカップリング剤等を使用することができる。アルコキシシラン化合物としては、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。これらのアルコキシシラン化合物は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0130】
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルシラン、アクリルシラン、エポキシシラン、アミノシラン等が挙げられる。ビニルシランとして、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。アクリルシランとしては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。エポキシシランとしては、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。アミノシランとしては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。その他のシランカップリング剤としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0131】
エポキシ系化合物に加えて添加される、オキセタン系化合物(オキセタン系樹脂)としては、単量体のオキセタン系化合物、2量体のオキセタン系化合物等を使用することができる。使用可能なオキセタン系化合物としては、例えば、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン等のキシリレンジオキセタン、3−エチル−3−(((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)メチル)オキセタン(あるいは3−(((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)メチル)−3−エチルオキセタンとも呼ばれる。)、3−エチルヘキシルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、またはオキセタン化フェノールノボラック等が挙げられる。これらのオキセタン系化合物は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0132】
塩基反応性化合物としては、その全てをエポキシ系化合物とすることが好ましい。以下、塩基とエポキシ系化合物との反応挙動を説明する。なお、下記のスキームにあっては、また、R及びR’は、例えば炭素数が1〜12のアルキル基を示すが、特にそれらには限定されない。
【0133】
第1級や第2級のアミン系では、下記に示したスキームのように、例えば、第1級アミンがエポキシ基に付加すると、中間体1となるが、H
+として脱離可能な水素が窒素原子上に2つあるため、このうち1つのH
+を失って2へと変化する。一方、変化した2は第2級アミンの構造をしているので、もう一度、別のエポキシ系化合物と反応することが可能となり3を生成する。
【0135】
以下、塩基反応性化合物の具体例を挙げる。なお、下記No.2−1〜No.2−8の高分子化号物(塩基反応性化合物)のうち、No.2−1〜No.2−5の高分子化合物は、塩基の作用により脱離及び脱炭酸の反応を生じる。一方、No.2−6、No.2−7及びNo.2−8の塩基反応性化合物は、塩基の作用により脱離反応を引き起こし、カルボン酸を生じることになる。
【0137】
なお、前記した塩基反応性化合物No.2−1〜No.2−8は、いずれも塩基の作用で脱離反応を起こし、極性が変換するポリマー群であり、分解前後で溶解性が変化することを利用してパターニングを行う材料(レジスト材料)等として適用することができる。
【0138】
また、塩基反応性化合物の他の例を挙げる。なお、下記No.3−1〜No.3−4の塩基反応性化合物のうち、No.3−1の物質(混合物)は塩基の作用により脱水縮合及び架橋反応が起きる。No.3−2の物質(混合物)は塩基の作用により脱水縮合及び架橋反応が起きる。No.3−3の物質(ポリマー)は塩基の作用により脱炭酸反応が起きる。No.3−4の物質は塩基の作用によりイミド形成反応が起きる。なお、No.3−1及びNo.3−2において、xは0を超えて1以下の数を示し、「x:1−x」とは、あくまで各ユニットの存在比率を表すものであり、分子数を意味するものではない。
【0140】
本発明の塩基反応性樹脂組成物を構成する塩基反応性化合物は、少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ系化合物を使用することができる。また、少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ系化合物に塩基を作用させることによって、エポキシ系化合物をエポキシ基の開環重合によりポリマーとすることができる。また、エポキシ系化合物に塩基を付加することにより、かかるエポキシ系化合物を化学変性することができる。重合反応性を示すエポキシ系化合物の一例を以下に示す。
【0142】
また、重合反応性を示すエポキシ系化合物(ポリマー)のその他の例を以下に示す。
【0144】
また、エポキシ系化合物に加えて添加される塩基反応性化合物としては、少なくとも1つのシラノール基またはアルコキシシリル基を有するケイ素系化合物を使用することができる。また、少なくとも2つのシラノール基またはアルコキシシリル基を有するケイ素系化合物に塩基を作用させることによって、かかるケイ素系化合物をシラノール基またはアルコキシシリル基の縮重合によりポリマーとすることができる。重合反応性を示すケイ素系化合物(No.5−2〜No.5−4はポリマー)の具体例を以下に示す。
【0146】
前記した光塩基発生剤や、本発明の塩基増殖剤と光塩基発生剤を併用した塩基増殖剤組成物、塩基増殖剤及び光塩基発生剤を含有した塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)における照射光の波長及び露光量の範囲としては、光塩基発生剤の種類や量、及び塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)を構成する塩基反応性化合物の種類等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、波長として190〜400nm、露光量として100〜10000mJ/cm
2の範囲内から選択して適用すればよく、後記する増感剤を用いることによりさらに高波長域を使用することも可能である。照射光の照射時間は、数秒でも可能な場合もあるが、概ね10秒以上とすればよく、1.5〜20分とすることが好ましい。
【0147】
一方、熱塩基発生剤を使用する場合の加熱条件は、使用する熱塩基発生剤の種類や量、及び塩基反応性樹脂組成物を構成する塩基反応性化合物の種類等に応じて適宜決定すればよいが、加熱温度を概ね50〜150℃として、加熱時間を1〜1800分とすればよい。
【0148】
また、塩基発生剤を併用せず、主成分を塩基増殖剤と塩基反応性化合物として塩基反応性樹脂組成物とする場合には、塩基増殖剤が分解可能な所望の塩基を添加するようにすればよく、塩基増殖剤と共通する塩基を添加することが好ましい。
【0149】
本発明の塩基反応性樹脂組成物における塩基増殖剤の含有量は、エポキシ化合物等の塩基反応性化合物の分子量等が比較的低い場合を考慮して、塩基反応性化合物100質量部に対して概ね0.1〜350質量部の範囲内から選択することが望ましく、0.1〜120質量部とすることが好ましい。また、塩基増殖剤の含有量は、塩基反応性化合物100質量部に対して1〜60質量部とすることがなお好ましく、2〜30質量部とすることがさらに好ましく、2〜20質量部とすることがより好ましく、2〜15質量部とすることが特に好ましい。また、塩基反応性化合物(エポキシ系化合物等)のモノマーユニットあたり0.1〜60molの範囲内から選択して含有させるようにしてもよい。また、塩基増殖剤は、塩基反応性化合物がエポキシ系化合物である場合、塩基反応性化合物中のエポキシ基100molに対する塩基増殖剤のアミン官能基比率で、10〜90mol%の範囲内から選択するようにしてもよく、40〜80mol%とすることが好ましい。なお、アミン官能基比率とは、対象となる塩基反応性化合物を例えばエポキシ系化合物とすると、エポキシ系化合物におけるエポキシ基の個数に対する塩基増殖剤中のアミノ基の個数をmol%として表したものであり、例えばアミン官能基比率10mol%(対エポキシ基)とは、塩基反応性化合物中のエポキシ基100個(100mol)に対して、塩基増殖剤からアミノ基が10個(10mol)発生するような塩基増殖剤のことを指す(後記する塩基発生剤についてのアミン官能基比率についても同様とする。)。また、エポキシ系化合物に対して0.1〜80mol%の範囲で含有させるようにしてもよい。
【0150】
また、塩基増殖剤と塩基発生剤を併用して塩基反応性化合物に塩基増殖剤組成物として含有させる場合にあっては、塩基発生剤の含有量は、前記した塩基増殖剤と塩基発生剤の配合比(質量比)に対応させるように塩基発生剤を含有させるようにすることが好ましい。また、塩基反応性化合物100質量部に対して塩基発生剤の含有量を0.5〜40質量部とすることが好ましい。塩基発生剤の含有量が0.5質量部より少ないと、塩基増殖剤に作用せず、塩基反応性化合物を迅速に反応させることができなくなる場合がある一方、塩基発生剤の含有量が40質量部を超えると、塩基増殖剤と同様、塩基発生剤の存在が塩基反応性化合物の溶媒に対する溶解性に悪影響を与える場合があり、また、過剰量の塩基発生剤の存在はコスト高に繋がることになる。塩基発生剤の含有量は、塩基反応性化合物100質量部に対して0.5〜35質量部とすることがなお好ましく、2〜35質量部とすることがさらに好ましく、5〜20質量部とすることが特に好ましい。また、塩基反応性化合物(エポキシ系化合物等)のモノマーユニットあたり0.1〜50molの範囲内から選択して含有させるようにしてもよい。また、塩基発生剤は、塩基反応性化合物がエポキシ系化合物である場合、塩基反応性化合物中のエポキシ基100molに対する塩基発生剤のアミン官能基比率で、5〜90mol%の範囲内から選択するようにしてもよく、10〜80mol%とすることが好ましい。また、エポキシ系化合物に対して0.1〜80mol%の範囲で含有させるようにしてもよい。
【0151】
本発明の塩基反応性樹脂組成物は、塩基反応性化合物として、前記したNo.4−1〜No.4−14等の重合反応性を示すエポキシ系化合物(重合性エポキシ系化合物)、エポキシ系化合物に加えて添加される塩基反応性化合物として、前記したNo.5−1〜No.5−6等の重合反応性を示すケイ素系化合物(重合性ケイ素系化合物)としてもよい。このような塩基反応性樹脂組成物は、光または熱の作用により、重合し、重合体を与えることとなる。中でも、光により重合反応を開始する塩基反応性化合物を含む塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)とすることが好ましい。
【0152】
本発明の塩基反応性樹脂組成物には、さらに、チオール化合物を含有することが好ましい。チオール化合物は、エポキシ系化合物等と併用することにより、エポキシ等の硬化官能基として作用する。チオール化合物としては、チオール基を2個以上有するポリチオール化合物を使用することが好ましく、例えば、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等のチオール基を2〜5個有するポリチオール化合物を挙げることができる。これらのうち反応性等や扱いやすさを考慮して、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を使用することが好ましい。これらのチオール化合物は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0153】
チオール化合物の使用量は、例えば、エポキシ系化合物等に対して、チオール当量(SH当量)/エポキシ当量等=0.3/1.7〜1.7/0.3となるようにすることが好ましく、0.8/1.2〜1.2/0.8の比率となるようにすることがより好ましい。この比率が、0.3/1.7〜1.7/0.3の範囲内であれば、未反応のチオール基やエポキシ基等が硬化物中に多量に残存することを防止でき、硬化物の機械特性が低下する傾向を抑制できる。
【0154】
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物を用いてパターンを形成するには、例えば、当該樹脂組成物を有機溶媒に溶解して塗布液を調製し、調製された塗布液を基板等の適当な固体表面に塗布し、乾燥して塗膜を形成するようにする。そして、形成された塗膜に対して、パターン露光を行って塩基を発生させた後、所定の条件で加熱処理を行って、塩基反応性樹脂組成物に含有される塩基反応性化合物の重合反応を促すようにする。これを露光部と未露光部とで溶解度に差を生じる溶媒中に浸漬して現像を行ってパターンを得ることができる。
【0155】
本発明の塩基反応性樹脂組成物は、本発明の塩基増殖剤を含有するため、室温でも重合反応は進行するが、重合反応を効率よく進行させるべく、加熱処理を施すことが好ましい。加熱処理の条件は、露光エネルギー、使用する塩基増殖剤から発生する塩基の種類、エポキシ系化合物またはケイ素系化合物等の塩基反応性化合物の種類によって適宜決定すればよいが、加熱温度は50℃〜150℃の範囲内とすることが好ましく、60℃〜140℃の範囲内とすることが特に好ましい。また、加熱時間は10秒〜60分とすることが好ましく、60秒〜30分とすることが特に好ましい。
【0156】
本発明の塩基反応性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物として使用する場合、感光波長領域を拡大し、感度を高めるべく、増感剤を添加することができる。使用できる増感剤としては、特に限定はないが、例えば、ベンゾフェノン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p’−テトラエチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アントロン、9−エトキシアントラセン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェノチアジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビン−T、9,10−ジフェニルアントラセン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3,3’−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)またはコロネン等が挙げられる。これらの増感剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
【0157】
本発明の塩基反応性樹脂組成物を感光性樹脂組成物として使用する場合、増感剤の添加
量は、使用する光塩基発生剤や塩基反応性化合物、及び必要とされる感度等により適宜決定すればよいが、塩基反応性樹脂組成物全体に対して1〜30質量%の範囲であることが好ましい。増感剤が1質量%より少ないと、感度が十分に高められないことがある一方、増感剤が30質量%を超えると、感度を高めるのに過剰となることがある。増感剤の添加量は、塩基反応性樹脂組成物全体に対して5〜20質量%の範囲であることが特に好ましい。
【0158】
本発明の塩基反応性樹脂組成物を所定の基材に塗布等する場合にあっては、必要により、溶媒を適宜含有するようにしてもよい。塩基反応性樹脂組成物に溶媒を含有させることにより、塗布能力を高めることができ、作業性が良好となる。溶媒としては、特に限定はないが、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、スチレン、トリメチルベンゼン、ジエチルベンゼン等の芳香族炭化水素化合物;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘキセン、ジペンテン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、イソノナン、n−デカン、イソデカン、テトラヒドロナフタレン、スクワラン、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン等の飽和または不飽和炭化水素化合物;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソアミル、ステアリン酸ブチル等のエステル類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0159】
本発明の塩基反応性樹脂組成物において、溶媒の含有量は、例えば、所定の基材上に塩基反応性樹脂組成物を塗布し、塩基反応性樹脂組成物による層を形成する際に、均一に塗工されるように適宜選択すればよい。
【0160】
なお、本発明の塩基反応性樹脂組成物には、本発明の目的及び効果を妨げない範囲において、添加剤を適宜添加するようにしてもよい。使用することができる添加剤としては、例えば、充填剤、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、可塑剤、可塑促進剤、タレ防止剤、硬化促進剤、充填剤等が挙げられ、これらの1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
【0161】
以上説明した本発明の塩基反応性樹脂組成物は、本発明の塩基増殖剤、あるいは本発明の塩基増殖剤と塩基発生剤と塩基反応性化合物を含有することにより、エポキシ系化合物の存在下で塩基増殖剤から発生する塩基とエポキシ系化合物等の塩基反応性化合物との反応が連鎖的に進行し、硬化速度及び反応効率に優れたものとなり、硬化が速やかに実施され、硬化が十分になされる塩基反応性樹脂組成物となる。
【0162】
また、本発明の塩基反応性樹脂組成物は、添加される塩基増殖剤が塩基を増殖時に炭酸ガスの発生を伴わないため、硬化膜に炭酸ガスの気泡による凸凹を生じさせることもなく、製品特性及び製品価値の高い硬化膜を提供することができる。
【0163】
かかる効果を奏する本発明の塩基反応性樹脂組成物は、例えば、高感度の光硬化材料やレジスト材料(パターン形成材料)等に好適に用いることができる。光硬化材料として適用された成形体は、耐熱性、寸法安定性、絶縁性等の特性が有効とされる分野の部材等として、例えば、塗料または印刷インキ、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材または建築材料の構成部材として広く用いられ、印刷物、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材または建築部材等が提供される。また、形成されたパターン等は、耐熱性や絶縁性を備え、例えば、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、電子部品、半導体装置、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、その他の光学部材または電子部材として有利に使用することができる。
【実施例】
【0164】
以下、実施例等に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例に何ら限定されるものではない。
【0165】
[実施例1]
塩基増殖剤の製造(1):
200mLナスフラスコに二塩化フェニルホスホン酸(フェニルホスホン酸ジクロリド)2.0g(10mmol)、ピリジン1.6g(20mmol)、テトラゾール0.02g、THF15mlを入れ氷浴で撹拌した。そこに9−フルオレニルメタノール1.7g(8mmol)をTHF5mLに溶解させたものを滴下し、室温で3時間撹拌した。その後、シクロヘキシルアミン0.80g(9.4mmol)をTHF10mLに加えたものを氷浴下で滴下し、室温で12時間撹拌した。撹拌の後、溶液を減圧留去しクロロホルムで希釈をして5%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で各3回抽出操作を行った。その後、溶液を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒比 酢酸エチル/ジクロロメタン=1/3)により、下記式(A−a)で表される実施例1の塩基増殖剤の白色固体を収量1.1g(収率30%)で得た。
【0166】
【化60】
【0167】
[実施例2]
塩基増殖剤の製造(2):
四つ口フラスコをN
2雰囲気にし、二塩化フェニルホスホン酸2.0g(10mmol)、ピリジン2.0g(25mmol)、THF20mLを入れ氷浴で撹拌する。そこに9−フルオレニルメタノール1.8g(9.2mmol)をTHF20mLに溶解させたものを滴下し、室温で7時間撹拌した。その後ピペリジン0.80g(9.4mmol)をTHF10mLに加えたものを氷浴下で滴下し、室温で12時間撹拌した。撹拌の後、溶液を減圧留去しクロロホルムで希釈をして5%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で各3回抽出操作を行った。その後溶液を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒比 酢酸エチル/ジクロロメタン=1/2)により下記式(A−b)に表される実施例2の塩基増殖剤の白色固体を収量0.71g(収率19%)で得た。
【0168】
【化61】
【0169】
[実施例3]
塩基増殖剤の製造(3):
四つ口フラスコをN
2雰囲気にし、二塩化フェニルホスホン酸2.0g(10mmol)、ピリジン2.0g(25mmol)、THF20mLを入れ氷浴で撹拌した。そこに9−フルオレニルメタノール1.8g(9.2mmol)をTHF20mLに溶解させたものを滴下し、室温で7時間撹拌した。その後1,3−ビス(4−ピペリジル)プロパン1.0g(4.8mmol)をTHF10mLに加えたものを氷浴下で滴下し、室温で12時間撹拌した。撹拌の後、溶液を減圧留去しクロロホルムで希釈をして5%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で各3回抽出操作を行った。その後溶液を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒比 酢酸エチル/ヘキサン=10/1)により下記式(A−c)で表される実施例3の塩基増殖剤の白色固体を収量0.50g(収率12%)で得た。
【0170】
【化62】
【0171】
[実施例4]
塩基増殖剤の製造(4):
四つ口フラスコをN
2雰囲気にし、二塩化フェニルホスホン酸2.0g(10mmol)、ピリジン2.0g(25mmol)、THF20mLを入れ氷浴で撹拌した。そこに9−フルオレニルメタノール1.8g(9.2mmol)をTHF20mLに溶解させたものを滴下し、室温で7時間撹拌した。その後1.6−ジアミノヘキサン0.6g(4.8mmol)をTHF10mLに加えたものを氷浴下で滴下し、室温で12時間撹拌した。撹拌の後、溶液を減圧留去しクロロホルムで希釈をして5%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で各3回抽出操作を行った。その後溶液を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル)により、下記式(A−d)で表される実施例4の塩基増殖剤の白色固体を収量0.91g(収率16%)で得た。
【0172】
【化63】
【0173】
[実施例5]
塩基増殖剤の製造(5):
四つ口フラスコをN
2雰囲気にし、二塩化フェニルホスホン酸1.5g(4.6mmol)をTHF10mLに溶解した溶液に対し、氷浴中でピリジン0.5g(6.3mmol)、2.7−t−ブチル−9−フルオレニルメタノール0.95g(4.6mmol)をTHF10mLに溶解させたものを滴下し、室温で4時間撹拌した。その後1,6−ジアミノヘキサン0.18g(1.5mmol)をTHF10mLに加えたものを氷浴下で滴下し、室温で12時間撹拌した。撹拌の後、溶液を減圧留去しクロロホルムで希釈をして5%塩酸水溶液、飽和食塩水で各3回抽出操作を行った。その後溶液を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル)により、下記式(A−e)で表される実施例5の塩基増殖剤の白色固体を収量0.37g(収率14%)で得た。
【0174】
【化64】
【0175】
[実施例6]
塩基増殖剤の製造(6):
四つ口フラスコをN
2雰囲気にし、二塩化フェニルホスホン酸2.0g(10mmol)、ピリジン3.0g(38mmol)、THF15mLを入れ氷浴で撹拌した。そこに9−フルオレニルメタノール1.95g(10mmol)をTHF15mLに溶解させたものを滴下し、室温で5時間撹拌した。その後イソホロンジアミン0.79g(4.8mmol)をTHF10mLに加えたものを氷浴下で滴下し、室温で24時間撹拌した。撹拌の後、溶液を減圧留去しクロロホルムで希釈をして5%塩酸水溶液、飽和食塩水で各3回抽出操作を行った。その後溶液を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル)により下記式(A−f)で表される実施例6の塩基増殖剤の白色固体を収量0.24g(収率6%)で得た。
【0176】
【化65】
【0177】
[実施例7]
塩基増殖剤の製造(7):
四つ口フラスコをN
2雰囲気にし、二塩化チオフェニルホスホン酸3.0g(14.3mmol)をTHF20mLに溶解した溶液に対し、氷浴中でピリジン3.0g(38mmol)、9−フルオレニルメタノール3.0g(15.3mmol)をTHF20mLに溶解させたものを滴下し、室温で12時間撹拌した。その後ピペリジン1.3g(15.3mmol)をTHF10mLに加えたものを氷浴下で滴下し、室温で12時間撹拌した。撹拌の後、溶液を減圧留去しクロロホルムで希釈をして5%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で各3回抽出操作を行った。その後溶液を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒比、(1)酢酸エチル/ジクロロメタン=1/5、(2)酢酸エチル:ジクロロメタン=1/7)により下記式(A−g)で表される実施例7の塩基増殖剤の白色固体を収量0.45g(収率7.7%)で得た。
【0178】
【化66】
【0179】
[実施例8]
塩基増殖剤の製造(8):
四つ口フラスコに、二塩化チオフェニルホスホン酸2.0g(10mmol)をTHF10mLに溶解した溶液に対し、氷浴中で、ピリジン2.0g(20mmol)、9−フルオレニルメタノール2.0g(10mmol)をTHF20mLに溶解させたものを滴下し、室温で6時間撹拌した。その後1,3−ビス(4−ピペリジル)プロパン0.8g(4.0mmol)をTHF10mLに加えたものを氷浴下で滴下し、室温で36時間撹拌した。撹拌の後、溶液を減圧留去しクロロホルムで希釈をして5%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で各3回抽出操作を行った。その後溶液を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒比 酢酸エチル/ヘキサン=1/20)により下記式(A−h)で表される実施例8の塩基増殖剤の白色固体を収量0.50g(収率11%)で得た。
【0180】
【化67】
【0181】
[実施例9]
塩基増殖剤の製造(9):
四つ口フラスコをN
2雰囲気にし、二塩化チオフェニルホスホン酸2.0g(10mmol)をTHF10mLに溶解した溶液に対し、氷浴中で、ピリジン3.0g(38mmol)、9−フルオレニルメタノール2.0g(10mmol)をTHF20mLに溶解した溶液を滴下し、室温で8時間撹拌した。その後2−メチルペンタン−1,5−ジアミンを0.5g(4.3mmol)、ピリジン2.0g(25mmol)をTHF20mLに加えたものを氷浴下で滴下し、室温で2日間撹拌した。撹拌の後、溶液を減圧留去しクロロホルムで希釈をして5%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で各3回抽出操作を行った。その後溶液を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒比、(1)酢酸エチル/ヘキサン=1/15)により下記式(A−i)で表される実施例9の塩基増殖剤の白色固体を収量0.67g(収率20%)で得た。
【0182】
【化68】
【0183】
前記した実施例1ないし実施例9の合成について、
1H−NMR等による帰属の結果を示した図を
図10に示す。
【0184】
[試験例1]
有機溶剤に対する溶解性の確認:
実施例1ないし実施例8で得られた塩基増殖剤の有機溶剤に対する溶解性を確認した。塩基増殖剤の溶解性は、塩基増殖剤0.01gに対して溶解する溶媒量を算出することで確認した。結果を
図11に示す。
図11中、溶解量の結果を、溶媒量が1mL未満の場合(溶媒を1mL必要としないで溶解した場合)を「++」、2〜5mLの場合「+」、6〜10mLの場合「−」、10mLを超える場合「−−」として示した。併せて、実施例1ないし実施例9で得られた塩基増殖剤の熱分解温度(T
d5)を測定し、比較した。なお、熱分解温度(T
d5)については、TG−DTA(示差熱−熱重量測定法)により測定した。
【0185】
図11は、塩基増殖剤の有機溶剤に対する溶解性を示した図である。
図11に示すように、実施例1ないし実施例8の塩基増殖剤は、有機溶剤に対して良好な溶解性を示すことが確認できた。
【0186】
[試験例2]
溶液中での塩基増殖剤の分解挙動の確認(1):
本発明に係る塩基増殖剤は、前記した実施例で得られたものでは、塩基の添加によりフルオレニル基等が脱離し、生成したリン酸アミド(XがO(酸素原子)の場合)とエポキシ系化合物が反応し、さらに続く環化反応によりアミンを放出する。このように、塩基の添加により分解反応が起こり、塩基とともにオレフィンが発生する。そこで、
1H−NMRを用いて塩基増殖剤及びエポキシ系化合物由来のピークを追跡し、熱分解挙動を行うことで、本発明が塩基増殖剤として機能するかを確認した。
【0187】
NMR試料管に、実施例2で得られた塩基増殖剤70×10
−3mol/L、塩基であるピペリジン1×10
−3mol/Lあるいは10×10
−3mol/L、エポキシ系化合物であるブチルグリシジルエーテル70×10
−3mol/L、溶媒としてジオキサン−d
8、内部標準液としてメシチレン14×10
−3mol/Lを入れ、封管した後オーブンを用いて100℃で所定の時間加熱した。そして、
1H−NMRにより、発生するオレフィンピークを追跡することにより、塩基増殖剤の分解挙動(オレフィンの生成)を確認し、塩基(ピペリジン)を添加しない場合と比較した。加熱時間とオレフィンの生成率との関係を
図12に示す。なお、オレフィン(ジベンゾフルベン(以下「DF」とする場合もある。))の生成率は、
1H−NMRスペクトルより算出した。
【0188】
図12に示すように、実施例2の塩基増殖剤については、オレフィンの生成率について、塩基増殖反応及びオレフィンの生成が確認できた。また、塩基であるピペリジンの添加量に対する相関性が見られ、塩基を添加した系の方が、塩基増殖剤が速く分解し、オレフィンも速く生成した。
【0189】
[試験例3]
溶液中での塩基増殖剤の分解挙動の確認(2):
NMR試料管に、実施例7で得られた塩基増殖剤70×10
−3mol/L、塩基であるピペリジン10×10
−3mol/L、エポキシ系化合物であるブチルグリシジルエーテル(BGE)70×10
−3mol/L、溶媒としてジオキサン−d
8、内部標準液としてメシチレン14×10
−3mol/Lを入れ、封管した後オーブンを用いて100℃で所定の時間加熱した。そして、
1H−NMRにより、発生するオレフィンピークを追跡することにより、塩基増殖剤の分解挙動(オレフィンの生成)を確認し、塩基(ピペリジンを添加しない場合)と比較した。加熱時間とオレフィンの生成率、塩基増殖剤及びエポキシ系化合物(BGE)の減少率との関係を
図13及び
図14に示す。なお、オレフィン(DF)の生成率等は、
1H−NMRスペクトルより算出した。
【0190】
図13に示すように、実施例7の塩基増殖剤を構成する塩基と共通する塩基(ピペリジン)が添加された系は、増殖反応特有の非線形反応の曲線が得られ、塩基を添加しない系より効率よく分解し、オレフィンを生成することが確認できた。また、
図14に示すように、塩基(ピペリジン)を添加しない系は、オレフィンが生成せず、塩基増殖剤は分解しなかった。
【0191】
[試験例4]
二酸化炭素の発生の有無の確認(1)(脱炭酸型塩基増殖剤との比較):
式(No.4−13)に表されるエポキシ系化合物であるソルビトールポリグリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−622/ナガセケムテックス(株)製)0.05gに対して、式(E−4)に示した光塩基発生剤を0.003g(エポキシ系化合物100質量部に対して6質量部、エポキシ系化合物に対して10mol%)、実施例3の塩基増殖剤を0.05g(エポキシ系化合物100質量部に対して100質量部、エポキシ系化合物に対して25mol%)添加したクロロホルム溶液(1)を調製した。比較として、エポキシ系化合物0.03gに対して、式(E−4)に示した光塩基発生剤を0.003g(エポキシ系化合物100質量部に対して10質量部、エポキシ系化合物に対して10mol%)、下記式(F−1)で表される脱炭酸型塩基増殖剤を0.038g(エポキシ系化合物100質量部に対して127質量部、エポキシ系化合物に対して25mol%)添加したクロロホルム溶液(2)を調製した。なお、クロロホルム溶液は、本発明に係る塩基増殖剤、光塩基発生剤及び塩基反応性化合物からなる塩基反応性樹脂組成物を、溶媒をクロロホルムとして溶解させたものに相当する。
【0192】
【化69】
【0193】
得られたクロロホルム溶液(1)及びクロロホルム溶液(2)を100℃のホットプレート上に置いたガラス基板に滴下し、十分溶媒を除去してから上からガラス基板を被せてクリップで挟み込んで膜を作製した。その膜に波長365nm光を5000mJ/cm
2照射して、120℃のオーブンで2時間加熱を行い、膜の状態を観察した。
【0194】
オーブンから取り出した膜は、クロロホルム溶液(1)及びクロロホルム溶液(2)によるものの両方とも、手では剥がせないほどに接着していた。実施例3の塩基増殖剤を用いた系では、二酸化炭素の発生による気泡は認められず、膜は全面で接着していた。一方、脱炭酸型塩基増殖剤を用いた膜には二酸化炭素による気泡が見られ、接着面積は全体の半分程度であった。以上より、脱炭酸型塩基増殖剤に対して、実施例3の塩基増殖剤の優位性が確認された。
【0195】
[試験例5]
二酸化炭素の発生の有無の確認(2)(エポキシ系化合物による比較):
試験例4で用いた、式(No.4−13)に表されるエポキシ系化合物であるソルビトールポリグリシジルエーテル0.03gに対して、式(E−4)に示した光塩基発生剤を0.003g(エポキシ系化合物100質量部に対して10質量部)、実施例4の塩基増殖剤を0.03g(エポキシ系化合物100質量部に対して100質量部、エポキシ系化合物に対して60mol%)添加したクロロホルム溶液(1’)を調製した。
【0196】
また、エポキシ系化合物を前記のソルビトールポリグリシジルエーテルから式(No.4−6)に表される4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)(NN/アルドリッチ社製)0.1gに対して、式(E−4)に示した光塩基発生剤を0.014g(エポキシ系化合物100質量部に対して14質量部)、実施例4の塩基増殖剤の含有量を0.12g(エポキシ系化合物100質量部に対して120質量部、エポキシ系化合物に対して60mol%)としたクロロホルム溶液(3)を調製した。
【0197】
さらに、エポキシ系化合物を前記のソルビトールポリグリシジルエーテルから式(No.4−14)に表されるエポキシ系化合物(JER−828/三菱化学(株)製)0.1gに対し、式(E−4)に示した光塩基発生剤を0.006g(エポキシ系化合物100質量部に対して6質量部)、実施例4の塩基増殖剤の含有量を0.06g(エポキシ系化合物100質量部に対して60質量部)としたクロロホルム溶液(4)を調製した。
【0198】
そして、エポキシ系化合物を前記のソルビトールポリグリシジルエーテルから式(No.4−15)に表されるペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−411/ナガセケムテックス(株)製)0.1gに対し、式(E−4)に示した光塩基発生剤を0.014g(エポキシ系化合物100質量部に対して14質量部)、実施例4の塩基増殖剤の含有量を0.1g(エポキシ系化合物100質量部に対して100質量部、エポキシ系化合物に対して60mol%)としたクロロホルム溶液(5)を調製した。
【0199】
そして、得られたクロロホルム溶液(1’)、クロロホルム溶液(3)、クロロホルム溶液(4)及びクロロホルム溶液(5)について、試験例4に示した方法と同様な方法を用いて、膜の状態を観察した。
【0200】
試験例4と同様、オーブンから取り出した膜は、クロロホルム溶液(1’)、クロロホルム溶液(3)、クロロホルム溶液(4)及びクロロホルム溶液(5)によるものの全てが、手では剥がせないほどに接着していた。また、どの系も、二酸化炭素の発生による気泡は認められず、膜は全面で接着していた。そして、クロロホルム溶液(4)である式(No.4−14)に表されるエポキシ系化合物を用いた系では透明な硬化膜が得られたが、他の系では白濁した硬化膜となった。白濁する原因としては、反応の際に発生するオレフィンが、ガラス基板を被せて挟まれた状態の膜では、逃げ場がなく系中で留まってしまい、白濁の原因になっているものと考えられる(なお、光硬化材料やレジスト材料(パターン形成材料)等で使用される場合は、発生するオレフィンは揮発されるので問題ない。)。
【0201】
[試験例6]
二酸化炭素の発生の有無の確認(3)(塩基増殖剤の含有量との関係):
エポキシ系化合物として式(No.4−13)に表されるエポキシ系化合物であるソルビトールポリグリシジルエーテルを用いて、塩基増殖剤の含有量を変化させることで透明度の高い膜を作製することを検討した。
【0202】
試験例4で用いた、式(No.4−13)に表されるエポキシ系化合物であるソルビトールポリグリシジルエーテル0.03gに対して、式(E−4)に示した光塩基発生剤を0.003g(エポキシ系化合物100質量部に対して10質量部)、実施例4の塩基増殖剤を以下のように添加したクロロホルム溶液(6)、クロロホルム溶液(7)及びクロロホルム溶液(8)を調製した。
【0203】
(塩基増殖剤の含有量)
含有量(g) 質量部 mol%(注)
(6) 0.01 33 20mol%
(7) 0.02 67 40mol%
(8) 0.03 100 60mol%
(注)エポキシ系化合物に対して
【0204】
そして、得られたクロロホルム溶液(6)、クロロホルム溶液(7)、クロロホルム溶液(8)について、試験例4に示した方法と同様な方法を用いて、膜の状態を観察した。
【0205】
試験例4等と同様、オーブンから取り出した膜は、クロロホルム溶液(6)、クロロホルム溶液(7)及びクロロホルム溶液(8)によるものの全てが、手では剥がせないほどに接着していた。また、どの系も、二酸化炭素の発生による気泡は認められず、膜は全面で接着していた。含有量が少なくなるにつれて硬化膜中の白濁が消え、クロロホルム溶液(6)(20mol%)の系では透明性の高い綺麗な硬化膜(透過率:89%)が得られた。以上より、エポキシ系化合物としてソルビトールポリグリシジルエーテルを用いた系でも、透明性の高い硬化膜が得られることが確認できた。
【0206】
[実施例10及び実施例11]
塩基反応性樹脂組成物の製造(1):
式(No.4−13)に表されるエポキシ系化合物であるソルビトールポリグリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−622/ナガセケムテックス(株)製)0.03gに対して、式(E−4)で表される光塩基発生剤を0.001g(エポキシ系化合物100質量部に対して3.3質量部、エポキシ系化合物に対して18mol%)、実施例4で得られた塩基増殖剤を下記の含有量で含有させることにより本発明の塩基反応性樹脂組成物を得た。
【0207】
(塩基増殖剤の含有量)
含有量(g) 質量部 mol%(注)
実施例10 0.01 33 20mol%
実施例11 0.02 67 40mol%
(注)エポキシ系化合物に対して
【0208】
[参考例1]
樹脂組成物の製造(1)
実施例10において、実施例4で得られた塩基増殖剤を添加しなかった以外は、実施例6と同様の方法を用いて、樹脂組成物を得た。
【0209】
[試験例7]
硬化確認(1)(加熱温度依存性の確認):
実施例11で得られた塩基反応性樹脂組成物を0.3gのクロロホルム(CHCl
3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、100℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ1.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100,1000及び5000mJ/cm
2として、ポストベイクとして100℃で60分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、ポストベイクの加熱温度を120℃及び140℃として実施し、比較・評価した。露光量と鉛筆硬度との関係を
図15に示す。
【0210】
図15に示すように、概ね加熱温度を高くするほど硬化は進行し、最高でHの硬度が得られた。
【0211】
[試験例8]
硬化確認(2)(含有量依存性の確認):
実施例10で得られた塩基反応性樹脂組成物を0.3gのクロロホルム(CHCl
3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、100℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ1.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、1000及び5000mJ/cm
2として、ポストベイクとして120℃で60分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、実施例11及び参考例1の塩基反応性樹脂組成物等に対して実施し、比較・評価した。露光量と鉛筆硬度との関係を
図16に示す。
【0212】
図16に示すように、塩基増殖剤の含有量が高くなるほどに硬化は進行し、露光量を5000mJ/cm
2とした場合、実施例10では3B、実施例11ではHの硬度が得られた。
【0213】
[実施例12]
塩基反応性樹脂組成物の製造(2):
式(No.4−13)に表されるエポキシ系化合物であるソルビトールポリグリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−622/ナガセケムテックス(株)製)0.03gに対して、式(E−2)で表される光塩基発生剤を0.003g(エポキシ系化合物100質量部に対して10質量部)、実施例4で得られた塩基増殖剤を0.02g(エポキシ系化合物100質量部に対して67質量部)で含有させることにより本発明の塩基反応性樹脂組成物を得た。
【0214】
[試験例9]
硬化確認(3)(加熱温度及び加熱時間依存性の確認):
実施例12で得られた塩基反応性樹脂組成物を0.3gのクロロホルム(CHCl
3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、100℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ1.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を5000mJ/cm
2として、ポストベイクとして、ポストベイクの加熱温度を80、100、120及び140℃の4種類とし、加熱時間を0(ブランク)、30、60及び120分間の4種類(計16種類)として加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。加熱温度、加熱時間と鉛筆硬度との関係を
図17に示す。
【0215】
図17に示すように、露光量を5000mJ/cm
2とした場合には、加熱温度が高くなるほど、また、加熱時間が長くなるほどに硬化は進行し、加熱温度を140℃、加熱時間を120分とした場合には、Fの硬度が得られた。
【0216】
[実施例13]
塩基反応性樹脂組成物の製造(3):
式(No.4−13)に表されるエポキシ系化合物であるソルビトールポリグリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−622/ナガセケムテックス(株)製)0.03gに対して、式(E−2)で表される光塩基発生剤を0.003g(エポキシ系化合物100質量部に対して10質量部)、実施例6で得られた塩基増殖剤を0.02g(エポキシ系化合物100質量部に対して67質量部)で含有させることにより本発明の塩基反応性樹脂組成物を得た。
【0217】
[試験例10]
硬化確認(4)(加熱温度及び加熱時間依存性の確認):
実施例13で得られた塩基反応性樹脂組成物を0.3gのクロロホルム(CHCl
3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、100℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ1.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を5000mJ/cm
2として、ポストベイクとして、ポストベイクの加熱温度を80、100及び120℃の3種類とし、加熱時間を0(ブランク)、30、60及び120分間の4種類と(計12種類)として加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。加熱温度、加熱時間と鉛筆硬度との関係を
図18に示す。
【0218】
図18に示すように、露光量を5000mJ/cm
2とした場合には、加熱温度が高くなるほど、また、加熱時間が長くなるほどに硬化は進行し、加熱温度を120℃、加熱時間を120分とした場合には、Fの硬度が得られた。
【0219】
[実施例14]
塩基反応性樹脂組成物の製造(4):
式(No.4−14)に表されるエポキシ系化合物(JER−828/三菱化学(株)製)0.03gに対して、式(E−2)で表される光塩基発生剤を0.003g(エポキシ系化合物100質量部に対して10質量部)、実施例4で得られた塩基増殖剤を0.02g(エポキシ系化合物100質量部に対して67質量部)で含有させることにより本発明の塩基反応性樹脂組成物を得た。
【0220】
[試験例11]
硬化確認(5)(加熱温度及び加熱時間依存性の確認):
実施例14で得られた塩基反応性樹脂組成物を0.3gのクロロホルム(CHCl
3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、100℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ1.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を5000mJ/cm
2として、ポストベイクとして、ポストベイクの加熱温度を80、100、120及び140℃の4種類とし、加熱時間を0(ブランク)、30、60及び120分間の4種類と(計16種類)として加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。加熱温度、加熱時間と鉛筆硬度との関係を
図19に示す。
【0221】
図19に示すように、露光量を5000mJ/cm
2とした場合には、加熱温度が高くなるほど、また、加熱時間が長くなるほどに硬化は進行し、加熱温度を140℃、加熱時間を60分及び120分とした場合には、3Bの硬度が得られた。
【0222】
[実施例15ないし実施例17]
塩基反応性樹脂組成物の製造(5):
式(No.4−13)に表されるエポキシ系化合物であるソルビトールポリグリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−622/ナガセケムテックス(株)製)0.03gに対して、式(E−2)で表される光塩基発生剤を0.0045g(エポキシ系化合物100質量部に対して15質量部、エポキシ系化合物に対して10mol%)、実施例8で得られた塩基増殖剤を下記の含有量で含有させることにより本発明の塩基反応性樹脂組成物を得た。
【0223】
(塩基増殖剤の含有量)
含有量(g) 質量部 mol%(注)
実施例15 0.010 33 13mol%
実施例16 0.020 67 33mol%
実施例17 0.030 100 50mol%
(注)エポキシ系化合物に対して
【0224】
[参考例2]
樹脂組成物の製造(2)
実施例15において、実施例8で得られた塩基増殖剤を添加しなかった以外は、実施例15と同様の方法を用いて、樹脂組成物を得た。
【0225】
[試験例12]
硬化確認(6)(加熱時間依存性の確認):
実施例17で得られた塩基反応性樹脂組成物を0.3gのクロロホルム(CHCl
3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、100℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ1.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100,1000及び5000mJ/cm
2として、ポストベイクとして140℃で20分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、ポストベイクの加熱時間を0分(加熱せず:ブランク)、40分及び60分として実施し、比較・評価した。露光量と鉛筆硬度との関係を
図20に示す。
【0226】
図20に示すように、露光量を1000mJ/cm
2以上では加熱温度を高くするほど硬化は進行し、加熱時間を60分として、露光量を1000及び5000mJ/cm
2とした場合、2Hの硬度が得られた。
【0227】
[試験例13]
硬化確認(7)(含有量依存性の確認):
実施例15で得られた塩基反応性樹脂組成物を0.3gのクロロホルム(CHCl
3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、100℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ1.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、1000及び5000mJ/cm
2として、ポストベイクとして140℃で60分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、実施例16、実施例17及び参考例2の塩基反応性樹脂組成物等に対して実施し、比較・評価した。露光量と鉛筆硬度との関係を
図21に示す。
【0228】
図21に示すように、露光量を1000mJ/cm
2以上では塩基増殖剤の含有量が高くなるほどに硬化は進行し、露光量を5000mJ/cm
2とした場合、実施例16ではH、実施例17では2Hの硬度が得られた。
【0229】
[実施例18]
塩基反応性樹脂組成物の製造(6):
式(No.4−13)に表されるエポキシ系化合物であるソルビトールポリグリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−622/ナガセケムテックス(株)製)0.02gに対して、式(E−5)で表される光塩基発生剤を0.003g(エポキシ系化合物100質量部に対して15質量部、エポキシ系化合物に対して18mol%)、実施例8で得られた塩基増殖剤を0.02g(エポキシ系化合物100質量部に対して100質量部、エポキシ系化合物に対して50mol%)で含有させることにより本発明の塩基反応性樹脂組成物を得た。
【0230】
[参考例3]
樹脂組成物の製造(3)
実施例18において、実施例8で得られた塩基増殖剤を添加しなかった以外は、実施例18と同様の方法を用いて、樹脂組成物を得た。
【0231】
[試験例14]
硬化確認(8)(塩基増殖剤含有の有無):
実施例18で得られた塩基反応性樹脂組成物を0.3gのクロロホルム(CHCl
3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、100℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ1.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、1000及び5000mJ/cm
2として、ポストベイクとして120℃で60分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、参考例3の塩基反応性樹脂組成物等に対して実施し、比較・評価した。露光量と鉛筆硬度との関係を
図22に示す。
【0232】
図22に示すように、塩基増殖剤を含有した系は露光量が大きくなるほどに硬化は進行し、露光量を5000mJ/cm
2とした場合、Fの硬度が得られた。
【0233】
[実施例19ないし実施例21]
塩基反応性樹脂組成物の製造(7):
式(No.4−13)に表されるエポキシ系化合物であるソルビトールポリグリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−622/ナガセケムテックス(株)製)0.02gに対して、式(E−6)で表される光塩基発生剤を0.002g(エポキシ系化合物100質量部に対して10質量部、エポキシ系化合物に対して10mol%)、実施例9で得られた塩基増殖剤を下記の含有量で含有させることにより本発明の塩基反応性樹脂組成物を得た。
【0234】
(塩基増殖剤の含有量)
含有量(g) 質量部 mol%(注)
実施例19 0.008 40 20mol%
実施例20 0.015 75 40mol%
実施例21 0.023 115 60mol%
(注)エポキシ系化合物に対して
【0235】
[参考例4]
樹脂組成物の製造(4)
実施例19において、実施例9で得られた塩基増殖剤を添加しなかった以外は、実施例19と同様の方法を用いて、樹脂組成物を得た。
【0236】
[試験例15]
硬化確認(9)(含有量依存性の確認):
実施例19で得られた塩基反応性樹脂組成物を0.2gのクロロホルム(CHCl
3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、100℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ1.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、1000及び5000mJ/cm
2として、ポストベイクとして140℃で10分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、実施例20、実施例21及び参考例4の塩基反応性樹脂組成物等に対して実施し、比較・評価した。露光量と鉛筆硬度との関係を
図23に示す。
【0237】
図23に示すように、概ね塩基増殖剤の含有量が高くなるほどに硬化は進行し、実施例21については、露光量を5000mJ/cm
2とした場合、Hの硬度が得られた。
【0238】
[試験例16]
TG−DTAを用いた熱分解温度の比較:
本発明に係る塩基増殖剤がエポキシ共存下において熱分解温度が低温側にシフトするかどうかを、TG−DTA(示差熱−熱重量測定法)により確認した。実施例9の塩基増殖剤(T
d5=186.0℃)と式(No.4−12)に表されるエポキシ系化合物であるPGMA(T
d5=242℃)を、質量比で塩基増殖剤/エポキシ系化合物=1/2でとした樹脂組成物を調製し、TG−DTA(示差熱−熱重量測定法)により熱分解温度を測定した。結果を
図24(塩基増殖剤のみ)、
図25(樹脂組成物)にそれぞれ示す。
【0239】
図24及び
図25に示すように、塩基増殖剤とエポキシ系化合物とを混合した樹脂組成物とすることにより、塩基増殖剤のみのものに比べて熱分解温度が低温側に(186.0℃から150℃付近へ)シフトすることが確認できた。