【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成24年5月28日にIEEE、The 62nd Electronic Components and Technology Conference(ECTC)2012、Proceedings 258−262ページにおいて公開
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施形態に係る接合構造を適用した積層構造体を構成する第1構造体と第2構造体の構成を示す縦端面図である。
【
図2】第1実施形態に係る積層構造体の第1構造体と第2構造体の構成を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係る第1構造体の製造方法を段階的に示す縦断面図であり、
図3Aは第1電極を形成した基板上に熱硬化性樹脂を塗布した段階、
図3Bは基板上に塗布した熱硬化性樹脂を定着させる段階、
図3Cは離形膜を除去する段階、
図3Dはエッチングにより被覆未硬化樹脂部を除去する段階を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る第2構造体の製造方法を段階的に示す縦端面図であり、
図4Aは第2電極を形成した基板上に熱硬化性樹脂を塗布した段階、
図4Bは基板上に塗布した熱硬化性樹脂を硬化させる段階、
図4Cはホトレジストマスクを形成した段階、
図4Dはエッチングにより被覆硬化樹脂部を除去した段階、
図4Eはホトレジストマスクを除去した段階を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係る積層構造体の製造方法を段階的に示す縦端面図であり、
図5Aは第1構造体と第2構造体を重ねて室温で保持した段階、
図5Bは第1加熱温度で加圧した段階、
図5Cは第2加熱温度で加圧した段階を示す図である。
【
図6】第2実施形態に係る接合構造を適用した積層構造体を構成する第1構造体と第2構造体の構成を示す縦端面図である。
【
図7】第2実施形態に係る第1構造体の製造方法を段階的に示す縦断面図であり、
図7Aは第1電極を形成した基板上に熱硬化性樹脂を塗布した段階、
図7BはCMPにより被覆未硬化樹脂部を除去する段階を示す図である。
【
図8】第2実施形態に係る第2構造体の製造方法を段階的に示す縦断面図であり、
図8Aは第2電極を形成した基板上に熱硬化性樹脂を塗布した段階、
図8Bは基板上に塗布した熱硬化性樹脂を硬化させる段階、
図8CはCMPにより被覆半硬化樹脂部を除去した段階を示す図である。
【
図9】第2実施形態に係る積層構造体の製造方法を段階的に示す縦断面図であり、
図9Aは第1構造体と第2構造体を重ねて第1電極と第2電極を接触させた段階、
図9Bは第1加熱温度で加圧した段階、
図9Cは第2加熱温度で加圧した段階を示す図である。
【
図10】第1実施形態に対応する実施例に係るAuバンプを示す図であり、
図10Aは光学顕微鏡像、
図10BはSEM像である。
【
図11】第1実施形態に対応する実施例に係るAuバンプを示す図であり、
図11Aは断面斜視SEM像、
図11Bは第1電極及び第2電極の表面のAFM像である。
【
図12】第1実施形態に対応する実施例に係る熱硬化性樹脂の粘度特性を示すグラフである。
【
図13】第1実施形態に対応する実施例に係る第1構造体の製造段階におけるSEM像であって、
図13Aは離形膜を除去した後の第1電極が形成された基板の斜視図、
図13Bは第1電極の断面斜視図である。
【
図14】第1実施形態に対応する実施例に係る第1構造体の製造段階におけるSEM像であり、
図14Aは被覆未硬化樹脂部膜を除去した後の第1電極が形成された基板の斜視図、
図14Bは第1電極表面の拡大斜視図、
図14Cは第1電極の断面図である。
【
図15】第1実施形態に対応する実施例に係る第1構造体の各部の寸法を示す縦断面図である。
【
図16】第1実施形態に対応する実施例に係る第2構造体のSEM像であり、
図16Aは第2電極の斜視図、
図16Bは第2電極表面の拡大斜視図、
図16Cは第2電極の断面斜視図である。
【
図17】第1実施形態に対応する実施例に係る第2構造体の各部の寸法を示す縦断面図である。
【
図18】第1実施形態に対応する実施例に係る積層構造体のC−SAM像である。
【
図19】第1実施形態に対応する実施例に係る積層構造体における接合構造の接合強度の測定方法を示す縦断面図である。
【
図20】第1実施形態に対応する実施例に係る積層構造体の接合構造における断面SEM像であり、
図20Aは縦断面図、
図20Bは拡大断面図、
図20Cは第1電極と第2電極の界面における拡大断面図である。
【
図21】第1実施形態に対応する実施例に係る接合構造における第1電極と第2電極の界面の断面図であり、
図21AはSEM像、
図21BはTEM像である。
【
図22】第1実施形態に対応する実施例に係る接合構造におけるEDXの測定結果を示グラフであり、
図22Aは
図19の118A、
図22Bは
図19の118Bにおける測定結果である。
【
図23】第2実施形態に対応する実施例に係るAuバンプ表面のAFM像である。
【
図24】第2実施形態に対応する実施例に係る第1構造体のSEM像であり、
図24Aは第1電極表面の拡大斜視図、
図24Bは第1電極の断面斜視図である。
【
図25】第2実施形態に対応する実施例に係る第1構造体の各部の寸法を示す縦断面図である。
【
図26】第2実施形態に対応する実施例に係るAFM像であり、
図26Aは第1電極のAFM像、
図26Bは未硬化樹脂部のAFM像である。
【
図27】第2実施形態に対応する実施例に係る第2構造体のSEM像であり、
図27Aは第1電極表面の拡大斜視図、
図27Bは第1電極の断面斜視図である。
【
図28】第2実施形態に対応する実施例に係る第2構造体の各部の寸法を示す縦断面図である。
【
図29】第2実施形態に対応する実施例に係るAFM像であり、
図29Aは第2電極のAFM像、
図29Bは受容部のAFM像である。
【
図30】第2実施形態に対応する実施例に係る第1構造体の平面顕微鏡像であり、
図30AはSEM像、
図30BはCマッピングのSEM−EDX像、
図30CはAuマッピングのSEM−EDX像である。
【
図31】第2実施形態に対応する実施例に係る第2構造体の平面顕微鏡像であり、
図31AはSEM像、
図31BはCマッピングのSEM−EDX像、
図31CはAuマッピングのSEM−EDX像である。
【
図32】第2実施形態に対応する実施例に係る積層構造体のC−SAM像である。
【
図33】第2実施形態に対応する実施例に係る積層構造体における接合構造の接合強度の測定方法を示す縦断面図である。
【
図34】第2実施形態に対応する実施例に係る積層構造体の接合構造における断面SEM像である。
【
図35】第2実施形態に対応する実施例に係る積層構造体の接合構造におけるSEM像であり、
図35Aは第1電極と第2電極の界面における拡大図、
図35Bは接着部における拡大図である。
【
図36】第1実施形態に係る第1電極及び第2電極の変形例を示す縦断面図であり、
図36Aはバンプとパッドの組み合わせ、また
図36Bははんだボールとパッドとの組み合わせ、
図36Cははんだバンプとパッドとの組み合わせ、
図36Dははんだボールとはんだボールの組み合わせを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0017】
1.第1実施形態
(1)全体構成
図1は、本実施形態に係る接合構造を適用した積層構造体の構成を示す。積層構造体は、2以上の構造体を積層した3次元構造を有する。本実施形態の場合、積層構造体は、第1構造体2と、第2構造体10とを積層して形成される。
【0018】
第1構造体2は、基板4と当該基板4上に形成された1又は2以上の第1電極6と、当該第1電極6の周囲を囲むように前記基板4上に形成された未硬化樹脂部9とを有する。第1電極6は特に限定されるものではないが、例えばAu、Cu、Sn、Inなどで形成することができる。本実施形態の場合、第1電極6はバンプである。
【0019】
第2構造体10は、基板12と当該基板12上に形成された1又は2以上の第2電極14と、当該第2電極14の周囲を囲むように形成された受容部16とを有する。第2電極14は、第1電極6と同様特に限定されず、例えばAu、Cu、Sn、Inなどで形成することができる。本実施形態の場合、第2電極14はバンプである。また、第1電極6と第2電極14は同じ材料で形成してもよいし、異なる材料で形成してもよい。
【0020】
図2に示すように、本実施形態に係る第1構造体2は、第1電極6が2個形成されている。第1電極6は基板4上に層状に形成された未硬化樹脂部9の表面11から表面7が突出している。
【0021】
また、第2構造体10は、第2電極14が2個形成されている。また基板12上には、層状に受容部16が形成されている。受容部16には、充填室18が形成されている。充填室18は基板表面13を底部とする穴であることが好ましい。受容部16の高さは、第2電極14の高さよりも高く、かつ、第1電極6と第2電極14を突き当てた状態で受容部表面17が未硬化樹脂部表面11に接触しない高さに形成されるのが好ましい。第2電極14は、受容部16から表面15が凹んだ状態に形成されている。
【0022】
未硬化樹脂部9と受容部16は、同じ熱硬化性樹脂で形成されるのが好ましい。熱硬化性樹脂は特に限定されるものではないが、例えばベンゾシクロブテン(Benzocyclobutene)、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂などを用いることができる。
【0023】
未硬化樹脂部9は、液状の熱硬化性樹脂を例えば加熱・加圧して基板4上に定着することにより形成されている。熱硬化性樹脂を定着させる加熱・加圧条件は、再び加熱・加圧することにより未硬化樹脂部9が流動し得る条件に設定される。受容部16は、液状の熱硬化性樹脂を硬化させて形成されている。
【0024】
(2)積層構造体の製造方法
上記のように構成された接合構造を用いた積層構造体1の製造方法について説明する。本実施形態に係る積層構造体1の接合構造においては、第1構造体2と、第2構造体10をそれぞれ形成し、最後に第1構造体2と第2構造体10とを接合する。まず、第1構造体2の製造方法について説明する。
【0025】
図3に示すように、第1電極6を形成した基板4上に熱硬化性樹脂20を塗布する(
図3A)。熱硬化性樹脂20を塗布する方法は特に限定されないが、例えばスピンコートや噴霧により塗布することができる。
【0026】
次いで、前記熱硬化性樹脂20を基板4上に定着させる(
図3B)。熱硬化性樹脂20を定着させる方法は特に限定されないが、本実施形態の場合、離形膜22を基板4上に載置し、離形膜22上から加圧基板24を用いて基板4上から加熱・加圧することにより熱硬化性樹脂20を第1電極6が形成された基板4上に定着させることができる。離形膜22は、例えば、厚さ方向に変形可能な樹脂膜を用いることができる。これにより第1電極6と基板4表面の間の凹凸を離形膜22が吸収することにより、第1電極6と基板4表面上とに塗布された熱硬化性樹脂20を均一に加熱・加圧することができる。
【0027】
次いで、離形膜22を基板4表面から除去する(
図3C)。これにより第1電極6が形成された基板4上には、熱硬化性樹脂20を定着させた被覆未硬化樹脂部26が形成される。被覆未硬化樹脂部26は、基板4表面だけでなく、第1電極表面7を覆う場合もある。
【0028】
最後に、第1電極表面7から被覆未硬化樹脂部26を除去することにより、未硬化樹脂部9を形成する(
図3D)。被覆未硬化樹脂部26を除去する方法は、特に限定されないが、例えば酸素プラズマや、スパッタリングを用いたエッチングにより除去することとしてもよい。以上のようにして第1構造体2を製造することができる。
【0029】
次に第2構造体10の製造方法について説明する。まず
図4に示すように、第2電極14を形成した基板12上に熱硬化性樹脂28を塗布する(
図4A)。熱硬化性樹脂28を塗布する方法は特に限定されないが、例えばスピンコートや噴霧により塗布することができる。
【0030】
次いで、前記熱硬化性樹脂28を硬化させて被覆硬化樹脂部30を形成する(
図4B)。熱硬化性樹脂28を硬化させる方法は特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂28を加熱・加圧する方法や、硬化剤を混合する方法を用いることができる。
【0031】
次いで、充填室18の形状に合わせてホトレジストマスク32を選択的に形成(
図4C)した後、ホトレジストマスク32の開口部分の被覆硬化樹脂部30を除去する(
図4D)。被覆硬化樹脂部30を除去する方法は特に限定されないが、例えば酸素/CHF
3プラズマや、スパッタリングを用いたエッチングにより除去することとしてもよい。
【0032】
最後にホトレジストマスク32を除去する(
図4E)ことにより、第2構造体10を製造することができる。
【0033】
次に第1構造体2と、第2構造体10とを接合して積層構造体1を製造する方法について説明する。まず
図5に示すように、第1電極6と第2電極14を接触させるように第1構造体2と第2構造体10を配置する(
図5A)。第1電極6と第2電極14を接触させた状態において、未硬化樹脂部表面11と受容部表面17は接触していない。そして第1電極6及び第2電極14の周囲には充填部19が形成される。ここで充填部19は、第2構造体10の第2電極14の周囲に形成された充填室18と、未硬化樹脂部表面11と受容部表面17の間に形成される隙間21とで形成される。室温で、所定の圧力で加圧しながら所定時間保持する。これにより、次工程において第1電極6と第2電極14の接合界面への未硬化樹脂の噛み込みを防ぐことができる。
【0034】
次いで、加圧した状態を保持しながら第1加熱温度としての所定の加熱温度に加熱し、この状態を所定時間保持する。加熱・加圧されることにより第1電極6及び第2電極14が押し潰されて接合すると共に、未硬化樹脂部表面11と受容部表面17が接触する。そして加熱されることにより、未硬化樹脂部9は流動し、充填部19へ流れ込む(
図5B、符号36)。このときの加熱温度は熱硬化性樹脂が流動し得る温度であって硬化する温度未満の温度である。これにより熱硬化性樹脂は充填部19に行き渡る。
【0035】
次いで、加圧した状態を保持しながら第2加熱温度としての所定の加熱温度に加熱し、この状態を所定時間保持する(
図5C)。このときの加熱温度は熱硬化性樹脂が硬化する温度以上の温度である。これにより第1電極6及び第2電極14が接合すると共に充填部19に流れ込んだ未硬化樹脂部9が硬化し接着部8を形成する。
【0036】
最後に加圧せずに第2加熱温度で所定時間保持し、接着部8を完全に硬化させる。以上のようにして接合構造41を形成し、積層構造体1を製造することができる。接合構造41は、接着部8(充填部19)と受容部16の間に境界線23が形成されている。
【0037】
(3)作用及び効果
本実施形態に係る接合構造41は、未硬化樹脂部表面11から表面7が突出している第1電極6を第2電極14に圧着させて変形させることにより未硬化樹脂部9と受容部16を接触させて接合する。これにより、接合構造41は、従来のように電極と絶縁層の表面を揃えた平坦な構造を用いずに第1電極6と第2電極14を接合することができるので、より確実に電極同士を接合することができる。
また、接合構造41は、未硬化樹脂部9を流動させ受容部16と一体化させて接着部8を形成することにより、熱硬化性樹脂同士で第1構造体2と第2構造体10を接合するので、接合強度をより大きくすることができる。
【0038】
本実施形態に係る接合構造41は、いわゆるロックアンドキー構造である。すなわち第1電極6が未硬化樹脂部9から突出しているのに対し、第2電極14が受容部16より凹んだ状態に形成されている。これにより接合構造41は、従来のように電極と絶縁層の表面を揃えた平坦な構造を用いずに、第1電極6と第2電極14を接合することができるので、より確実に電極同士を接合することができる。
【0039】
また本実施形態に係る接合構造41は、受容部16で形成した充填室18に未硬化樹脂部9を流動させて流し込み、硬化させて接着部8を形成することとした。したがって接合構造41は、流動した未硬化樹脂部9により第1電極6及び第2電極14の境界を囲むので、接合強度を大きくすることができる。
【0040】
本実施形態に係る接合構造41は、従来のように化学機械研磨やダイヤモンドの刃による切削を用いずに積層構造体を製造することができるので、プロセス管理を簡素化できると共に、ドライプロセスであるため廃液を排出しないで製造することができる。
【0041】
2.第2実施形態
次に第2実施形態に係る接合構造について説明する。
【0042】
(1)全体構成
図6は、本実施形態に係る接合構造を適用した積層構造体の構成を示す。積層構造体は、2以上の構造体を積層した3次元構造を有する。本実施形態の場合、積層構造体は、第1構造体42と、第2構造体53とを積層して形成される。
【0043】
第1構造体42は、基板43と、当該基板43上に形成された絶縁層44と、当該絶縁層44上に形成された配線層45と、当該配線層45上に形成された1又は2以上の第1電極46と、当該第1電極46の周囲を囲むように前記基板43上に層状に形成された未硬化樹脂部47とを有する。配線層45は、基板43側からTi層48、Cu層49、Ni層50、Au層51を積層して形成されている。第1電極46は、未硬化樹脂部47の表面72から表面71が突出している。第1電極46は特に限定されるものではないが、例えばAu、Cu、Sn、Inなどで形成することができる。本実施形態の場合、第1電極46はバンプである。
【0044】
第2構造体53は、基板54と、当該基板54上に形成された絶縁層55と、当該絶縁層55上に形成された配線層56と、当該配線層56上に形成された1又は2以上の第2電極57と、当該第2電極57を囲むように層状に形成された受容部58とを有する。配線層56は、基板54側からTi層59、Cu層60、Ni層61、Au層62を積層して形成されている。第2電極57は、受容部58の表面74から表面73がわずかに突出している。第2電極57は、第1電極46と同様特に限定されず、例えばAu、Cu、Sn、Inなどで形成することができる。本実施形態の場合、第2電極57はバンプである。また、第1電極46と第2電極57は同じ材料で形成してもよいし、異なる材料で形成してもよい。
【0045】
本実施形態の場合、受容部58に充填室が形成されていない点が、上記第1実施形態と異なる。また、第1電極46の表面71及び第2電極57の表面73は、二乗平均粗さ(RMS)が5nm以下であることが好ましい。第1電極表面71及び第2電極表面73の二乗平均粗さが3nm以下であることにより、良好な接合を得ることができる。
【0046】
未硬化樹脂部47は、同じ熱硬化性樹脂で形成してもよい。熱硬化性樹脂は特に限定されるものではないが、例えばベンゾシクロブテン(Benzocyclobutene)、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂などを用いることができる。
【0047】
未硬化樹脂部47は、液状の熱硬化性樹脂を例えば加熱・加圧して基板43上に定着させることにより形成されている。熱硬化性樹脂を定着させる加熱・加圧条件は、再び加熱・加圧することにより未硬化樹脂部47が流動し得る条件に設定される。
【0048】
受容部58は、特に限定されず、例えば半硬化状態の熱硬化性樹脂、硬化状態の熱硬化性樹脂やSiO
2で形成してもよい。硬化性樹脂は、特に限定されないが未硬化樹脂部47と同じ熱硬化性樹脂を用いることができる。受容部58は、半硬化状態の熱硬化性樹脂で形成されるのが好ましい。半硬化状態とは、樹脂が完全に硬化していないが、再び加熱しても流動しない程度に硬化している状態をいう。半硬化状態の熱硬化性樹脂で形成された受容部58は、未硬化樹脂部47との接着性がより向上するので接合強度がより大きくなる。熱硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂の硬化温度未満で加熱することにより、半硬化状態にすることができる。
【0049】
(2)積層構造体の製造方法
上記のように構成された接合構造を用いた積層構造体の製造方法について説明する。本実施形態に係る積層構造体の接合構造においては、上記第1実施形態と同様、第1構造体42と、第2構造体53をそれぞれ形成し、最後に第1構造体42と第2構造体53とを接合する。まず、第1構造体42の製造方法について説明する。
【0050】
図7に示すように、絶縁層44、配線層45、及び第1電極46が形成された基板43上に熱硬化性樹脂64を塗布する(
図7A)。熱硬化性樹脂64を塗布する方法は特に限定されないが、例えばスピンコートや噴霧により塗布することができる。
【0051】
次いで、前記熱硬化性樹脂64を、例えば上記第1実施形態と同様な方法により基板43上に定着させて、被覆未硬化樹脂部65を形成する。
【0052】
最後に、第1電極表面71から被覆未硬化樹脂部65を除去することにより、未硬化樹脂部47を形成する(
図7B)。本実施形態の場合、被覆未硬化樹脂部65は、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)により除去する。第1電極46と被覆未硬化樹脂部65の研磨速度の違いにより、第1電極表面71が未硬化樹脂部表面72から突出する。このようにして第1構造体42を製造することができる。
【0053】
次に第2構造体53の製造方法について説明する。まず
図8に示すように、絶縁層55、配線層56、及び第2電極57が形成された基板54上に熱硬化性樹脂66を塗布する(
図8A)。熱硬化性樹脂66を塗布する方法は特に限定されないが、例えばスピンコートや噴霧により塗布することができる。
【0054】
次いで、前記熱硬化性樹脂66を半硬化させて被覆半硬化樹脂部67を形成する(
図8B)。熱硬化性樹脂66を半硬化させる方法は特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂66の硬化温度未満で加熱する方法を用いることができる。
【0055】
最後に、第2電極表面73から被覆半硬化樹脂部67をCMPにより除去し、受容部58を形成する(
図8C)。第2電極57と受容部58の研磨速度の違いにより、第2電極表面73が受容部表面74から突出する。このようにして第2構造体53を製造することができる。
【0056】
次に第1構造体42と、第2構造体53とを接合して積層構造体を製造する方法について説明する。まず
図9に示すように、第1電極46と第2電極57を接触させるように第1構造体42と第2構造体53を配置する(
図9A)。第1電極46と第2電極57を接触させた状態において、未硬化樹脂部表面72と受容部表面74は接触していない。室温で、所定の圧力で加圧しながら所定時間保持する。
【0057】
次いで、加圧した状態を保持しながら第1加熱温度としての所定の加熱温度に加熱し、この状態を所定時間保持する。これにより第1電極46及び第2電極57が押し潰されて接合するとともに、未硬化樹脂部表面72と受容部表面74が接触する。そして加熱されることにより、未硬化樹脂部47は流動し、受容部58との間のわずかな隙間を埋める。
【0058】
次いで、加圧した状態を保持しながら第2加熱温度としての所定の加熱温度に加熱し、所定時間保持する(
図9C)。これにより流動した未硬化樹脂部47が硬化し、同時に半硬化樹脂で形成された受容部58も効果することによって、一体となって接着部68が形成される。
【0059】
最後に加圧せずに第2加熱温度で所定時間保持し、接着部68を完全に硬化させる。以上のようにして接合構造69を形成し、積層構造体70を製造することができる。
【0060】
(3)作用及び効果
本実施形態に係る接合構造69は、未硬化樹脂部表面72から表面71が突出している第1電極46を第2電極57に圧着させて変形させることにより未硬化樹脂部47と受容部58を接触させて接合するので、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0061】
また、接合構造69は、未硬化樹脂部47を流動させ受容部58と一体化させることにより接着部68を形成するので、接合強度を大きくすることができる。さらに受容部58は半硬化樹脂で形成することにより、未硬化樹脂部47との密着性が向上するので、より接合強度を大きくすることができる。
【0062】
本実施形態に係る接合構造69は、CMPにより被覆未硬化樹脂部65及び被覆半硬化樹脂部67を除去するとともに、第1電極表面71と第2電極表面73も平坦化することにより、ボイドを抑制することができる。また、受容部58に充填室を形成する必要がないので、その分、製造工程を簡略化することができる。
【0063】
3.接合構造の特性
次に上記のように構成された接合構造の特性について説明する。
【0064】
(1)第1実施形態に対応する接合構造
(1−1)評価に用いた試料について
まず第1電極6及び第2電極14としてAuバンプをSi基板4,12上にそれぞれ作製した。Auバンプは、直径が10μm、ピッチ100μm、高さ1.85μm、縦横に30個、合計900個作製した。
図10に作製した第1電極6及び第2電極14を示す。本実施例の場合、第1電極6及び第2電極14は、AuバンプがTi膜上に形成されている。本
図Aは第1電極6及び第2電極14を形成したSi基板4,12の平面を撮影した光学顕微鏡像、本
図Bは作製した第1電極6及び第2電極14の走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)像である。
【0065】
図11は作製した第1電極6及び第2電極14の断面SEM像(本
図A)と、第1電極表面7及び第2電極表面15の原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)像(本
図B)である。第1電極表面7及び第2電極表面15は、二乗平均粗さ(RMS)が34nm、十点平均粗さ(Rz)が212nmであった。
【0066】
図3に示した第1構造体2の製造段階における
図3Aの工程に対応して、第1電極6が形成された基板4上に、熱硬化性樹脂20をスピンコート法により塗布した。用いた熱硬化性樹脂20の粘度特性を
図12に示す。本図は縦軸が粘度(Pa・s)、横軸が温度(℃)、曲線が使用した熱硬化性樹脂20の温度に対する粘度特性を示す。本図より使用した熱硬化性樹脂20は、200℃を超えると硬化し始めることが分かる。このことから本実施例においては、熱硬化性樹脂20を定着させて未硬化樹脂部9を形成する加熱温度(再び加熱・加圧することにより流動する未硬化樹脂部9を形成し得る温度)を150℃とした。また本実施例においては、熱硬化性樹脂20を硬化させる加熱温度を250℃とした。
【0067】
図3に示した第1構造体2の製造段階における
図3Bの工程に対応して、第1電極6が形成された基板4を、加熱温度150℃、圧力2.2MPa、真空度10
−3Pa、3分間、の条件で加熱・加圧した。離形膜22としてフッ素膜を用い、加圧基板24としてSi基板を用いた。
【0068】
図13は、
図3Cに対応する離形膜22を除去した後の第1電極6が形成された基板4のSEM像であり、
図13Aは斜視図、
図13Bは断面斜視図である。第1電極6上に形成された被覆未硬化樹脂部26の厚さは、100nm未満であった。
【0069】
次いで
図3Dの工程に対応して、容量結合プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)を用い、酸素の供給量20sccm、圧力20Pa、供給電力100Wの条件にて酸素プラズマを生成し、第1電極6上の被覆未硬化樹脂部26を除去した。
図14は被覆未硬化樹脂部26を除去した後の第1電極6を撮影したSEM像である。第1電極表面7と未硬化樹脂部表面11の高さの差は700nm未満であった(
図15)。
【0070】
図4に示した第2構造体10の製造段階における
図4Dの工程に対応して、CCPを用い、酸素/CHF
3の供給量20sccm/5sccm、圧力20Pa、供給電力100Wの条件にて酸素/CHF
3プラズマを生成し、ホトレジストマスク32の開口部分の被覆硬化樹脂部30を除去した。
図16は、被覆硬化樹脂部30及びホトレジストマスク32を除去した後の第2電極14を撮影したSEM像である。第2電極表面15と硬化樹脂部表面17の高さの差は700nm未満であった(
図17)。
【0071】
(1−2)接合強度特性
図5に示した積層構造体1の製造段階における
図5Aの工程に対応して、まず室温で2.8MPaで加圧しながら5秒間保持した。次いで、
図5Bの工程に対応して加圧した状態を保持しながら第1加熱温度として150℃に加熱し、300秒間保持した。加熱・加圧されることにより第1電極6及び第2電極14が潰され未硬化樹脂部9表面と受容部16表面とが接触すると共に、未硬化樹脂部9は流動し、充填部19へ流れ込む。
【0072】
次いで
図5Cの工程に対応して、加圧した状態を保持しながら第2加熱温度として250℃に加熱し、500秒間保持した。これにより第1電極6及び第2電極14が拡散接合すると共に充填部19に流れ込んだ未硬化樹脂部9が硬化し接着部8を形成する。最後に加圧せずに第2加熱温度である250℃に加熱した状態で1時間保持した。このようにして積層構造体1を製造した。
【0073】
図18は製造した積層構造体1の超音波顕微鏡(C−SAM:Constant-depth mode Scanning Acoustic Microscope)像である。本図から、各第1電極6と第2電極14間、接着部8及び受容部表面17にボイドがないことが確認できた。
【0074】
次に製造した積層構造体1の接合構造41における接合強度を測定した。接合強度は、
図19に示す方法にてシェア強度を測定した。本図に示す方向に工具40を移動し、当該工具40に生じる力(せん断力)を測定した。比較例として、接着部8及び受容部16が形成されていない第1電極6及び第2電極16同士のみを接合した接合構造を有する積層構造体を作製した。比較例における接合構造においては、第1電極6及び第2電極14を加熱温度250℃で2.8MPaで加圧しながら500秒間保持して接合した。その結果を表1に示す。
【0076】
表1に示すようにシェア強度(3×3mm
2あたり)は、本実施例が使用した装置の測定限界である13kgを超えたのに対し、比較例では2.5kgであった。このことから本実施例に係る接合構造41を有する積層構造体1はより大きな接合強度が得られることが確認できた。
【0077】
(1−3)断面測定
図20は製造した積層構造体1の接合構造41における断面SEM像である。本図から第1電極6と第2電極14、並びに接着部8と受容部16が共に接合していることが確認できた。なお第1電極6及び第2電極14の界面に見られるボイド39は、第1電極6及び第2電極14の表面粗さに起因する。
【0078】
図21は製造した積層構造体1の接合構造41における断面SEM像及び透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)像である。本図から第1電極6及び第2電極14の界面Au同士が良好に接合していることが確認できた。
【0079】
また
図22は、製造した積層構造体1の接合構造41におけるエネルギー分散型X線分析(EDX:Energy
dispersive X-ray spectrometry)結果を示し、
図22Aは
図19の118A、
図22Bは
図19の118Bにおける測定結果である。
図22A,Bはそれぞれ縦軸がカウント数、横軸がエネルギー(keV)を示す。
図22Bは第2電極14のバルクの部分の測定結果であるので、C(炭素)が検出されていない。また
図22Aは第1電極6及び第2電極14の界面における測定結果であるが、
図22Bと同様にCが検出されていないことから、第1電極6及び第2電極14の界面には熱硬化性樹脂の残渣がないことが確認できた。
【0080】
(1−4)導通試験
本実施例に係る接合構造41を用いてTEG(評価用素子)を作製し、各接合構造41の導通試験を行ったところ、900個のすべての接合構造41において電気接続も確認でき、実測値と計算値を比較した結果良好な抵抗値が得られた。
【0081】
(2)第2実施形態に対応する接合構造
(2−1)評価に用いた試料について
まず第1電極46及び第2電極57となるAuバンプを、絶縁層44,55としてのSiO
2層、配線層45,56が形成されたSi基板43,58上にそれぞれ作製した。SiO
2層44,55は、厚さが500nmである。配線層45,56は、Si基板43,58側からTi層(厚さ30nm)48,59、Cu層(厚さ500nm)49,50、Ni層(厚さ200nm)50,61、Au層(厚さ200nm)51,62を順に積層して形成した。Auバンプは、Si基板43,58側からTi層(厚さ30nm)、Au層(3.5μm)が積層されており、直径が10μm、ピッチ100μm、高さ3.5μm、縦横に30個、合計900個作製した。
【0082】
図23は、作製したAuバンプの表面のAFM像である。Auバンプの表面は、二乗平均粗さ(RMS)が49.75nmであった。
【0083】
次いで、
図7に示した第1構造体42の製造段階における
図7Aの工程、及び
図8に示した第2構造体53の製造段階における
図8Aの工程に対応して、Auバンプが形成されたSi基板43,54上に熱硬化性樹脂64、66をスピンコート法により塗布した。用いた熱硬化性樹脂64、66は、上記第1実施形態と同じである。
【0084】
次いで第1構造体42においては、熱硬化性樹脂64を100℃で2分間、150℃で2分間、の条件で加熱し、溶剤を蒸発させた。次に
図7Bの工程に対応して、CMPで被覆未硬化樹脂部65を第1電極表面71まで研磨した。研磨条件は、ヘッド回転数:10rpm、ステージ回転数:10rpm、荷重:1.3kgf、時間:1分40秒間とした。
図24は被覆未硬化樹脂部65を研磨した後の第1電極46を撮影したSEM像である。第1電極46と未硬化樹脂部表面72の高さの差は1μmであった(
図25)。
図26は、作製した第1電極46及び未硬化樹脂部表面72のAFM像である。第1電極表面71は二乗平均粗さ(RMS)が2.23nm、未硬化樹脂部表面72は二乗平均粗さ(RMS)が5.60nmであった。この結果から、CMPによって第1電極表面71が未硬化樹脂部表面72と同時に平坦化できることが分かった。
【0085】
第2構造体53おいては、
図8に示した第2構造体53の製造段階における
図8Bの工程に対応して、180℃で1時間の条件で加熱して熱硬化性樹脂66を半硬化させた。次に
図8Cの工程に対応して、CMPで被覆半硬化樹脂部67を第2電極表面73まで研磨した。研磨条件は、ヘッド回転数:20rpm、ステージ回転数:60rpm、荷重:1.3kgf、時間:8分間とした。
図27は被覆半硬化樹脂部67を研磨した後の第2電極57を撮影したSEM像である。第2電極表面73と受容部表面74の高さの差は150nmであった(
図28)。
図29は、作製した第2電極57及び受容部表面74のAFM像である。第2電極表面73は二乗平均粗さ(RMS)が2.29nm、受容部表面74は二乗平均粗さ(RMS)が0.82nmであった。この結果から、CMPによって第2電極表面73が受容部表面74と同時に平坦化できることが分かった。
【0086】
図30は第1電極表面71におけるCマッピング、AuマッピングのSEM−EDX像、
図31は第2電極表面73におけるCマッピング、AuマッピングのSEM−EDX像である。この結果から、第1電極46及び第2電極表面73には、有意な樹脂の残渣がないことが確認できた。
【0087】
(2−2)接合強度特性
図9に示した積層構造体70の製造段階における
図9Aの工程に対応して、まず室温で2.7MPaで加圧しながら5秒間保持した。次いで、
図9Bの工程に対応して加圧した状態を保持しながら第1加熱温度として150℃に加熱し、300秒間保持した。加熱・加圧されることにより、第1電極46及び第2電極47が潰され未硬化樹脂部表面72と受容部表面74とが接触すると共に、未硬化樹脂部47は流動する。
【0088】
次いで
図9Cの工程に対応して加圧した状態を保持しながら第2加熱温度として250℃に加熱し、500秒間保持した。これにより第1電極46及び第2電極57が拡散接合すると共に、流動した未硬化樹脂部47と受容部58とが硬化して一体となって接着部68を形成する。最後に加圧せずに第2加熱温度である250℃に加熱した状態で1時間保持した。このようにして積層構造体70を製造した。
【0089】
図32は製造した積層構造体70のC−SAM像である。本図から、各第1電極46と第2電極57の間及び接着部68にボイドがないことが確認できた。
【0090】
次に製造した積層構造体70の接合構造69における接合強度を測定した。接合強度は、
図33に示す方法にてシェア強度を測定した。本図に示す方向に工具40を移動し、当該工具40に生じる力(せん断力)を測定した。シェア強度は13MPaを超えた。このことから本実施例に係る接合構造69を有する積層構造体70はより大きな接合強度が得られることが確認できた。
【0091】
(2−3)断面測定
図34は製造した積層構造体70の接合構造69における断面SEM像である。また
図35Aは第1電極46と第2電極57の界面における拡大図、
図35Bは接着部68における拡大図である。
図34及び
図35から、第1電極46と第2電極57の界面Au同士が良好に接合しており、さらに未硬化樹脂部47と受容部58が一体となって接着部68が形成されていることが確認できた。
【0092】
(2−4)導通試験
本実施例に係る接合構造69を用いてTEG(評価用素子)を作製し、各接合構造69の導通試験を行ったところ、900個のすべての接合構造69において電気接続も確認でき、実測値と計算値を比較した結果良好な抵抗値が得られた。
【0093】
4.変形例
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
【0094】
上記第1実施形態では、第1電極6及び第2電極14がバンプである場合について説明したが、本発明はこれに限られない。以下、第1電極6及び第2電極14の変形例について説明するが、上記実施形態と同様の構成については同様の符号を付し説明を省略する。
【0095】
例えば第1電極及び第2電極は、
図1と同様の符号を付した
図36Aに示すように、バンプとパッドの組み合わせでもよい。すなわち本変形例に係る積層構造体80Aは、第1構造体2と第2構造体82とを備える。第2構造体82は、第2電極84がパッドである点が上記実施形態と異なる。第2電極84の周囲には受容部16で充填室86が形成されている。
【0096】
また
図36Bに示すようにはんだボールとパッドとの組み合わせでもよい。すなわち別の変形例に係る積層構造体80Bは、第1構造体88と第2構造体82とを備え、第1構造体88は、第1電極90がはんだボールである。また第2構造体82は、第2電極84がパッドである。
【0097】
さらに
図36Cに示すようにはんだバンプとパッドとの組み合わせでもよい。すなわちさらに別の変形例に係る積層構造体80Cは、第1構造体92と第2構造体82とを備え、第1構造体92は、第1電極94がはんだバンプである。また第2構造体82は、第2電極84がパッドである。
【0098】
加えて
図36Dに示すようにはんだボールとはんだボールの組み合わせでもよい。すなわち加えて別の変形例に係る積層構造体80Dは、第1構造体88と第2構造体96とを備え、第1電極90及び第2電極98がはんだボールである。第2電極98の周囲には受容部16で充填室99が形成されている。
【0099】
また上記実施形態の場合、第1電極6及び第2電極14の形状は平面視において円形状である場合について図示したが本発明はこれに限らず、多角形状であってもよい。
【0100】
また電極の数は適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0101】
上記実施形態の場合、接合構造の適用例として積層構造体について説明したが、本発明はこれに限らず、2次元のフリップチップ実装やフレキシブルな基板の積層構造(それは例えばプリンテッドエレクトロニクス用基板等)に適用することができる。
【0102】
上記実施形態の場合、接合構造の適用例として第1構造体と第2構造体とを積層した2層の積層構造体について説明したが、本発明はこれに限らず、構造体を3層以上積層する場合に適用してもよい。