(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
広く開いたスペースの間に孤立して形成されるパターン(アイソパターン)と、大きなパターンの中に孤立して形成されるスペースパターン(アイソスペース)の両方を含むレジストパターンをエキシマレーザー光を用いて形成しようとした場合、光の回折によってマスクに描かれた回路パターンと実際に形成されるレジストパターンには大きな差が生じることはよく知られており、完全な解決は困難な課題の一つである。
【0009】
ところが、本発明者らが100nmあるいはそれ以下のレジスト膜を用いて60nmよりも狭い線幅を持つようなパターンを形成するため、電子線用に開発された上述の特許文献1〜3に提案されたようなレジスト膜を用いて、電子線によるパターン照射を行ってレジストパターンを形成したところ、電子線照射によるパターン形成においても、アイソパターンとアイソスペースパターンとの間に設計寸法に対する開きが生じることが見出された。
【0010】
上述のような寸法乖離があった場合にも、電子線照射パターンを補正することにより、目的とするレジストパターンを得ることはできるが、パターンに対して多くの補正を加えていくことは、電子線照射パターンの設計を繁雑かつ困難にする。
【0011】
本発明の目的は、60nm以下という高解像性を実現しつつ、電子線やEUVのような高エネルギー線でも生じる、アイソパターンとアイソスペースパターンにおけるパターン照射と形成されるレジスト寸法との乖離を抑制することができる化学増幅ネガ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記で示した課題を解決すべく、高解像性を示す、上述の特許文献1〜3に提案された芳香環を持つ環状オレフィンを共重合したポリマーを用いたレジスト組成物の改良のための試行錯誤を繰り返した。
【0013】
特許文献7で提案された酸脱離性基を含有する繰り返し単位を構成単位として含むスチレン系単位のみからなるポリマーを用いたレジスト組成物では、通常のスチレン系単位のみからなるポリマーと架橋剤の組み合わせによるレジスト組成物の持つ解像性を得ることはできない。ところが、偶然、芳香環を持つ環状オレフィンを共重合したポリマーに酸脱離性基を側鎖に持つ下記一般式(1)の繰り返し構造を不溶化活性単位として用いたところ、アイソパターンとアイソスペースパターンにおけるパターン照射と形成されるレジストパターン寸法との乖離が抑制され、かつ、酸脱離性基を側鎖に持つ単位を加えずに架橋剤を用いてレジスト組成物を構成した場合に比較して優れた解像性及びLERが得られることを見出し、本発明をなすに至った。
【0014】
即ち、本発明は、高エネルギー線の照射により酸発生剤より発生する酸を触媒として、レジストポリマーに含まれる脱離基が脱離反応を起こし、アルカリ性現像液に対して不溶化する機構を有する化学増幅ネガ型レジスト組成物において、レジストポリマーとして、下記一般式(1)の繰り返し単位を含み、更に、下記一般式(2)、(3)から選ばれる1種以上の繰り返し単位と下記一般式(4)、(5)から選ばれる1種以上の繰り返し単位を含有し、下記一般式(1)以外の繰り返し単位のうち少なくとも一つの繰り返し単位はフェノール性水酸基及び/又はフルオロアルコール基を有し、ポリマーを構成する全繰り返し単位に対する、下記一般式(1)以外の繰り返し単位の合計が25〜95モル%
であり、式(4)及び(5)から選ばれる1種以上の繰り返し単位の含有量が3〜30モル%であるポリマーを含有することを特徴とする化学増幅ネガ型レジスト組成物を提供する。
【化1】
(式中、A、B、Cは単結合、又は鎖の中間にエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基を示す。Dは単結合又はフッ素で置換されてもよく、鎖の中間にエーテル性酸素原子、カルボニル基、又はカルボニルオキシ基を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の(v+1)価の脂肪族炭化水素基を示す。R
1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。R
2、R
3、R
4、R
5、R
6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数2〜8のハロゲン置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアシルオキシ基、炭素数1〜6のハロゲン置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又は炭素数1〜6のハロゲン置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基を示す。Lは水素原子又は鎖の中間にエーテル性酸素原子、カルボニル基、又はカルボニルオキシ基を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族一価炭化水素基、又は置換基を有してもよい一価芳香環基であり、Rx、Ryはそれぞれ水素原子、又はヒドロキシ基もしくはアルコキシ基が置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基であり、Rx、Ryは互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよいが、Rx、Ryは同時に水素原子になることはない。Rf
1、Rf
2は少なくとも1つのフッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rf
1はDと結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。fは1〜3の整数、gは0〜3の整数、hは1又は2、i、jは0〜3の整数、rは0又は1、vは1又は2、s、t、uは0〜2の整数を表し、aは(5+2s−f)の整数、bは(5+2t−g)の整数、cは(5+2u−h)の整数、dは0〜5の整数、eは0〜3の整数である。m、n、pはそれぞれ独立に0又は1を表す。但し、rが0である場合、pは1である。)
【0015】
前記レジストポリマーは、下記一般式(6)、(7)、(8)の繰り返し単位を有することが好ましい。
【化2】
(式中、R
1は独立に水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。R
5は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数2〜8のハロゲン置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアシルオキシ基、炭素数1〜6のハロゲン置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又は炭素数1〜6のハロゲン置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基を示す。Lは水素原子又は鎖の中間にエーテル性酸素原子、カルボニル基、又はカルボニルオキシ基を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族一価炭化水素基、又は置換基を有してもよい一価芳香環基であり、Rx、Ryはそれぞれ水素原子、又はヒドロキシ基もしくはアルコキシ基が置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基であり、Rx、Ryは互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよいが、Rx、Ryは同時に水素原子になることはない。fは1〜3の整数、kは1〜3の整数、dは0〜5の整数である。)
【0016】
この場合、式(6)のR
1が水素原子であり、式(7)のR
1が水素原子であることが好ましい。また、Lが水素原子、Rx及びRyが独立に直鎖状及び分岐状のアルキル基から選ばれる基、特にメチル基であることが好ましい。fが1、kが1、dが0であることが好ましい。レジストポリマーは、特に下記式で示される繰り返し単位を有することが好ましい。
【化3】
【0017】
また、本発明は上記化学増幅ネガ型レジスト組成物を塗布したフォトマスクブランクを提供する。
更に、被加工基板上に上記化学増幅ネガ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、高エネルギー線をパターン照射する工程、アルカリ性現像液を用いて現像してレジストパターンを得る工程を含むレジストパターン形成方法を提供する。この場合、上記高エネルギー線が、EUV又は電子線であることが好ましく、上記被加工基板はフォトマスクブランクであり、特にこのフォトマスクブランクの最表面が、クロム系材料にて形成されたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、本発明のレジスト組成物を用いて膜厚100nmあるいはそれ以下のレジスト膜を形成し、電子線もしくはEUVによってアイソパターンとアイソスペースパターンの両者を含むパターン露光を行った場合においても、照射されたパターンと形成されるパターン寸法との乖離を強く抑制することができ、かつ、高い解像性と両立することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の、電子線もしくはEUVによってアイソパターンとアイソスペースパターンの両者を含むパターン露光を行った場合においても、照射されたパターンと形成されるパターン寸法との乖離を強く抑制することができ、かつ、高い解像性と両立することができるレジスト組成物について、以下詳細に説明を行う。
【0020】
本発明のレジスト組成物は、レジスト用ポリマーとして、高エネルギー線の照射により酸発生剤より発生する酸を触媒として、レジストポリマーに含まれる脱離基が脱離反応を起こし、アルカリ性現像液に対して不溶化する機構を有する化学増幅ネガ型レジスト組成物において、レジストポリマーとして、下記一般式(1)の繰り返し単位を含み、更に、下記一般式(2)、(3)から選ばれる1種以上の繰り返し単位と下記一般式(4)、(5)から選ばれる1種以上の繰り返し単位を含有し、下記一般式(1)以外の繰り返し単位のうち少なくとも一つの繰り返し単位はフェノール性水酸基及び/又はフルオロアルコール基を有し、ポリマーを構成する全繰り返し単位に対する、下記一般式(1)以外の繰り返し単位の合計が25〜95モル%であるポリマーを含有する。
なお、本発明において、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位としては、式(2)で示される繰り返し単位、式(4)で示される繰り返し単位、式(5)で示される繰り返し単位を挙げることができる。フルオロアルコール基を有する繰り返し単位としては、式(3)で示される繰り返し単位を挙げることができる。
【0021】
【化4】
(式中、A、B、Cは単結合、又は鎖の中間にエーテル性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基を示す。Dは単結合又はフッ素で置換されてもよく、鎖の中間にエーテル性酸素原子、カルボニル基、又はカルボニルオキシ基を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の(v+1)価の脂肪族炭化水素基を示す。R
1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。R
2、R
3、R
4、R
5、R
6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数2〜8のハロゲン置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアシルオキシ基、炭素数1〜6のハロゲン置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又は炭素数1〜6のハロゲン置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基を示す。Lは水素原子又は鎖の中間にエーテル性酸素原子、カルボニル基、又はカルボニルオキシ基を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族一価炭化水素基、又は置換基を有してもよい一価芳香環基であり、Rx、Ryはそれぞれ水素原子、又はヒドロキシ基もしくはアルコキシ基が置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基であり、Rx、Ryは互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよいが、Rx、Ryは同時に水素原子になることはない。Rf
1、Rf
2は少なくとも1つのフッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rf
1はDと結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。fは1〜3の整数、gは0〜3の整数、hは1又は2、i、jは0〜3の整数、rは0又は1、vは1又は2、s、t、uは0〜2の整数を表し、aは(5+2s−f)の整数、bは(5+2t−g)の整数、cは(5+2u−h)の整数、dは0〜5の整数、eは0〜3の整数である。m、n、pはそれぞれ独立に0又は1を表す。但し、rが0である場合、pは1である。)
【0022】
上記ポリマーに含有される下記一般式(1)の繰り返し単位
【化5】
は高エネルギー線の照射を受けた際、酸発生剤より発生する酸の作用により酸脱離基が脱離反応を起こし、そのもの自身によるアルカリ不溶化及びポリマー間の架橋反応を誘発する繰り返し単位であり、より好ましくは、下記一般式(6)の繰り返し単位
【化6】
で表わされる。
【0023】
一般式(1)、(6)中、R
1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。R
2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数2〜8のハロゲン置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアシルオキシ基、炭素数1〜6のハロゲン置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又は炭素数1〜6のハロゲン置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基を示す。ここでの各置換基の炭素数が多すぎた場合、ポリマーの溶解性が低くなりすぎ、高解像性を得るための設計が難しくなることがある。上記アシルオキシ基、アルキル基、アルコキシ基の炭化水素部分の好ましい例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、及び分岐又は環構造を持つ炭素骨格の構造異性体構造が挙げられ、上記の炭素数を超えると、アルカリ性現像液に対する溶解性が低くなり、好ましくない。
【0024】
酸脱離性基を含有する側鎖は芳香環に置換するが、この場合置換数fは1〜3の整数である。Lは水素原子又は鎖の中間にエーテル性酸素原子、カルボニル基、又はカルボニルオキシ基を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族一価炭化水素基、又は置換基を有してもよい一価芳香環基であるが、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、メチルカルボニル基、フェニル基を用いることが好ましい。
【0025】
更に、Rx、Ryはそれぞれ水素原子、又はヒドロキシ基もしくはアルコキシ基が置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基であり、Rx、Ryは互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよいが、Rx、Ryは同時に水素原子になることはない。Rx、Ryの好ましい構造としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びその構造異性体、更にそれらにヒドロキシ基又はアルコキシ基が置換されたものが挙げられる。また、RxとRyが互いに結合して環を形成する場合、具体的には5員環又は6員環の脂環を形成する場合が挙げられる。
【0026】
上記式(1)に示す芳香環は主鎖に単結合で結ばれていてもよく、また、カルボニルオキシ基を介しても、更にリンカーであるAを介して結合されていてもよい。sは0〜2の整数を表すが、0である場合にはベンゼン環、1である場合にはナフタレン環、2である場合にはアントラセン環である。
【0027】
Aは単結合、又は鎖の中間にエーテル性酸素原子(エーテル結合)を含んでもよい炭素数1〜10のアルキレン基を示し、好ましいアルキレン基の例として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、及び分岐又は環構造を持つ炭素骨格の構造異性体等を挙げることができる。エーテル性酸素を含む場合には、一般式(1)中のmが1である場合には、エステル酸素に対してα位の炭素とβ位の炭素の間を除くいずれの箇所に入ってもよい。また、mが0である場合には、主鎖と結合する原子がエーテル性酸素となり、該エーテル性酸素に対してα位の炭素とβ位の炭素の間を除くいずれの箇所に第2のエーテル性酸素が入ってもよい。なお、上記アルキレン基の炭素数が10を超える場合はアルカリ性現像液に対する溶解性が低くなり、好ましくない。
上記リンカーであるAは酸素原子に置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基等の二価炭化水素基であるが、リンカーでAの好ましい具体例を式(1)の単位の下記例示構造に組み込まれたものとして示す。なお、下記例中、Meはメチル基、Acはアセチル基を示す。
【0032】
上記本発明のレジスト組成物に含まれるレジストポリマーは、高解像性を得るために、上記一般式(1)の繰り返し単位に含まれる酸脱離性基の脱離に伴う不溶化反応を有利に進めるため、適度なポリマーの熱振動を許容する単位である下記一般式(2)及び/又は(3)で示される繰り返し単位を含有する。
【化11】
【0033】
上記一般式(2)中、R
1は上記一般式(1)の定義と同じであり、R
3及びbは上記一般式(1)のR
2及びaの定義と同じであり、好ましい具体例としても同じものが挙げられる。また、リンカーであるBは上記一般式(1)のAの定義と同じであり、好ましい具体例としても同じものが挙げられる。
【0034】
上記一般式(2)中、芳香環に置換する水酸基の数gは0〜3の整数であるが、後述するようにレジストポリマーには水性アルカリ性現像液に対する溶解性と基板密着性を得るために、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位か上記一般式(3)の繰り返し単位が必ず含まれる。また、上記一般式(1)の繰り返し単位に含まれる酸脱離性基の脱離に伴う不溶化反応に対して高い活性を確保することで高解像性を得るためには、一般式(2)中のgが1以上であるものが含まれることが好ましく、より好ましくは、一般式(2)中のgが1以上のものが50モル%以上含まれるものである。また、gが0のものは、溶解速度の調整と、ポリマーの熱振動の許容性の調整に用いることができるが、設計によっては含まれなくてもよい。
【0035】
また、上記一般式(1)と同様、繰り返し単位に含まれる芳香環は、主鎖に単結合で結ばれていてもよく、また、カルボニルオキシ基を介しても、更にリンカーであるBを介して結合されていてもよい。tは0〜2の整数を表すが、0である場合にはベンゼン環、1である場合にはナフタレン環、2である場合にはアントラセン環である。
【0036】
上記一般式(2)で示される繰り返し単位のうち、gが1以上であり、nが0かつBが単結合である場合、つまり芳香環が高分子化合物の主鎖に直接結合した、即ちリンカーのない場合の繰り返し単位は、ヒドロキシスチレン単位に代表される水酸基が置換された芳香環に1位置換あるいは非置換のビニル基が結合されたモノマーに由来する単位であるが、好ましい具体例としては、3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、5−ヒドロキシ−2−ビニルナフタレン、6−ヒドロキシ−2−ビニルナフタレン等を挙げることができ、より好ましくは、下記一般式(7)で表わされる3−ヒドロキシスチレン又は4−ヒドロキシスチレン等である。
【化12】
(式中、R
1は上記一般式(1)の定義と同じであり、kは1〜3である。)
【0037】
また、nが1である場合、つまりリンカーとしてエステル骨格を有する場合の繰り返し単位は、(メタ)アクリル酸エステルに代表される、カルボニル基が置換したビニルモノマー単位である。
【0038】
(メタ)アクリル酸エステル由来のリンカー(−CO−O−B−)を持つ上記一般式(2)で示される繰り返し単位のうち、gが1以上であるものの好ましい具体例を以下に示す。
【0040】
上記一般式(2)で示される繰り返し単位のうち、gが0であるものとしては、スチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン及びそれらの芳香環に上述のようにハロゲン原子、アシルオキシ基、アルキル基、アルコキシ基が置換した繰り返し単位を挙げることができる。また、gが0であり、(メタ)アクリル酸エステル由来のリンカー(−CO−O−B−)を持つものとしては、上記gが1以上である場合の好ましい構造に対し、ヒドロキシ基がないもの、ヒドロキシ基の水素原子がアシル基あるいはアルキル基が置換されたものが挙げられる。
【0041】
上記一般式(3)中、R
1は上記一般式(1)の定義と同じであり、R
4及びcは上記一般式(1)のR
2及びaの定義と同じであり、好ましい具体例としても同じものが挙げられる。また、リンカーであるCは上記一般式(1)のAの定義と同じであり、好ましい具体例としても同じものが挙げられる。
【0042】
上記一般式(3)中、Dは単結合又はフッ素で置換されてもよく、鎖の中間にエーテル性酸素原子、カルボニル基、又はカルボニルオキシ基を含んでもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の(v+1)価の炭化水素基を示す。また、Rf
1、Rf
2は少なくとも1つのフッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rf
1はDと結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。
【0043】
rが1の場合はポリマー主鎖と隣接位炭素がフッ素置換された炭素に結合したヒドロキシ基との間に芳香環が入る場合であり、Dの置換数は1又は2であり、ここでDが単結合でない場合、Dは隣接位炭素がフッ素置換されたヒドロキシ基を1又は2個持つ。
また、rが0である場合にはpは1、Cは単結合であり、Dはポリマー主鎖にカルボニルオキシ基を介して結合する。この場合も、Dは隣接位炭素がフッ素置換された炭素に結合したヒドロキシ基を1又は2個持つ。
【0044】
上記式(3)で示される繰り返し単位の好ましい例としては、下記のようなものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0047】
下記一般式(4)又は(5)で示される繰り返し単位は、芳香環を含有する環状オレフィンに由来する。
【化16】
【0048】
上記一般式(1)の繰り返し単位と、上記一般式(2)及び(3)より選ばれる1種以上の繰り返し単位と、上記一般式(4)及び(5)より選ばれる1種以上の繰り返し単位を同時に含むポリマーを用いたレジスト組成物より得たレジスト膜は、電子線もしくはEUVによってアイソパターンとアイソスペースパターンの両者を含むパターン露光を行った場合においても、照射されたパターンと形成されるパターンの寸法のパターン依存性を強く抑制することができ、かつ、高い解像性と両立することができる。
【0049】
上記一般式(4)及び(5)のR
5とd及びR
6とe定義は、上記一般式(1)のR
2及びaの定義と同じであり、好ましい具体例としても同じものが挙げられる。
【0050】
ポリマーを構成する他の繰り返し単位との関係からポリマーのアルカリ溶解性を上げるためにi及びjが1以上のものを使用する場合、下記誘導体は入手容易であり、目的の効果を好ましく達成することができる。
【化17】
【0051】
この場合、本発明のポリマーを構成する全繰り返し単位において、上記一般式(1)以外の繰り返し単位のうち少なくとも一つはフェノール性水酸基単位及び/又はフルオロアルコール基単位を有し、一般式(1)以外の繰り返し単位の合計は25〜95モル%、好ましくは40〜90モル%である。
【0052】
本発明のレジスト組成物に含まれる上記ポリマーは、水性アルカリ性現像液によって溶解可能であるものであり、上記一般式(2)中g≧1である繰り返し単位、上記一般式(3)の繰り返し単位、上記一般式(4)中i≧1である繰り返し単位、及び上記一般式(5)中j≧1である繰り返し単位からなるグループは、アルカリ溶解性と基板密着性を与える繰り返し単位のグループである。このため、ポリマーを構成する全繰り返し単位に対する、このグループに属する繰り返し単位の合計は25〜95モル%であることが好ましく、より好ましくは40〜80モル%である。なお、上記一般式(4)中i≧1である繰り返し単位、及び上記一般式(5)中j≧1である繰り返し単位の合計が、このグループの繰り返し単位のうちの半分以上を占める場合には、このグループの合計の下限は40モル%であることが好ましい。また、上記一般式(2)中g≧1である繰り返し単位と上記一般式(3)の繰り返し単位の合計が、ポリマー全体を構成する全繰り返し単位に対して20モル%以上である場合には、このグループ全体の上限は80モル%以下であることが好ましい。このグループの繰り返し単位の量が上記下限より低い場合には、現像時にスカムの発生が起き易く、また、レジストパターン間にブリッジが発生し易くなる。なお、特に、上記一般式(2)中g≧1である繰り返し単位が50〜70モル%含まれる場合には、高解像性を得易くなる。
【0053】
また、本発明の効果である、電子線もしくはEUVによってアイソパターンとアイソスペースパターンの両者を含むパターン露光を行った場合における、照射されたパターンと形成されるパターンの寸法のパターン依存性の抑制は、酸の作用により脱離反応を起こす上記一般式(1)の繰り返し単位に含まれる水酸基によるネガ化によるものであるが、この効果を得るためには、上記一般式(1)の繰り返し単位は、ポリマーを構成する全繰り返し単位に対し、5〜75モル%含まれることが好ましく、より好ましくは10〜60モル%である。上記一般式(1)の繰り返し単位が5モル%より低い場合、上記一般式(1)の繰り返し単位の酸による反応でのアルカリ溶解性変化が十分でなくなり、本発明の効果を得にくくなる場合がある。
【0054】
また、ポリマーの適度な熱振動の許容性を得るためには、ポリマーを構成する全繰り返し単位に対する上記一般式(4)と上記一般式(5)の合計の含有量は、3〜30モル%であることが好ましく、より好ましくは5〜20モル%である。
【0055】
上記一般式(2)中g≧1である繰り返し単位、上記一般式(3)の繰り返し単位、上記一般式(4)中i≧1である繰り返し単位、上記一般式(5)中j≧1である繰り返し単位から少なくとも一つ選ばれる単位、及び、上記一般式(1)を合わせたものの他、上記一般式(2)でgが0である繰り返し単位、上記一般式(4)でiが0である繰り返し単位、及び上記一般式(5)でjが0である繰り返し単位を含めて、ポリマーが持つ溶解速度が目的とするパターンを形成するために好ましいものとなるよう調整されるが、ポリマーを構成する全繰り返し単位に対するこれらの単位の合計の含有量は好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下であり、特に上記一般式(4)でiが0である繰り返し単位である下記一般式(8)を用いて調整されることが好ましい。これらの単位が30モル%より多い場合、ポリマーの溶解速度が低くなり過ぎ、現像時にスカムを発生する可能性がある。更にその他の繰り返し単位を50モル%以下程度であれば含んでいてもよい。
【化18】
(式中、R
5とdは上記一般式(4)の定義と同じである。)
【0056】
その他の含まれていてもよい繰り返し単位の例としては、下記一般式(9)〜(11)
【化19】
(式中、R
1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表し、Yは酸素原子又はメチレン基を表し、Zは水素原子又は水酸基を表し、R’は炭素数1〜4のアルキル基を表し、pは0〜3の整数を表す。)
で示される単位を挙げることができる。これらの単位は、酸性を示さず、基板に対する密着性を与える単位として補助的に用いることができる。
【0057】
本発明の高分子化合物は、化学増幅ネガ型レジスト組成物のベースポリマーとして、好適に使用できる。本発明の化学増幅ネガ型レジスト組成物を含め、一般的な化学増幅ネガ型レジスト組成物に用いるベースポリマーには、上述のように、現像工程で用いるアルカリ性現像液、例えば2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液のような現像液に対する溶解性を与える機能と、基板に対する密着性を与える機能、架橋性官能基と反応する機能を与えることが必須であり、更に、アルカリ性現像液に対する溶解性を制御する機能、より高いエッチング耐性を与える機能を更に与えることが好ましい。そして、これらの機能を得るため、それぞれの機能を有する繰り返し単位を組み合わせた高分子化合物を1種単独で使用したり、又は高分子化合物を2種以上組み合わせてそれぞれの機能を全て満たす高分子混合物としたりして、ベースポリマーとする。
【0058】
上記ベースポリマーは、上述の通り、異なる高分子化合物を混合して用いることもできるが、混合しない場合には、それぞれの上記機能を持つ繰り返し単位を決定した後、それぞれの繰り返し単位の構成比を、レジスト膜とした際に好ましい解像性を与えるよう設計される。
【0059】
本発明のレジスト組成物に用いる上記繰り返し単位を含有するポリマーは、公知の方法によって、それぞれの単量体を必要に応じて保護、脱保護反応を組み合わせ、共重合を行って得ることができる。共重合反応は特に限定されるものではないが、好ましくはラジカル重合である。これらの方法については特許文献3等を参考にすることができる。
【0060】
上記のポリマーの好ましい分子量は、一般的な方法としてポリスチレンを標準サンプルとしてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した場合、重量平均分子量が1,000〜50,000であり、好ましくは1,000〜20,000である。重量平均分子量が1,000より小さいと、従来知られているように、パターンの頭が丸くなって解像力が低下すると共に、ラインエッジラフネスが劣化する。一方、上記分子量が必要以上に大きくなった場合、解像するパターンにもよるが、ラインエッジラフネスが増大する傾向を示し、特にパターン線幅が100nm以下のパターンを形成する場合には、上記分子量を20,000以下に制御することが好ましい。
【0061】
更に、本発明に用いるポリマーにおいては、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.0、特に1.0〜2.5と狭分散であることが好ましい。分子量分布が広い場合には、現像後、パターン上に異物が生じたり、パターンの形状が悪化することがある。
【0062】
本発明のレジスト組成物には、上述の一般式(1)で示される繰り返し単位を含有するレジスト用ポリマーの他に、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有しないレジストポリマーを含有していてもよい。上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有しないレジストポリマーは、酸触媒によって、後述する架橋剤、あるいは上述のレジストポリマー中の架橋形成能を有する繰り返し単位と反応して現像液に対して不溶化する機能を持つポリマーであり、すでに多数が公知である。また、LERを増大させないためには、上述の一般式(1)で示される繰り返し単位を含有するレジストポリマーと相溶性が高いことが必要であり、上述の一般式(1)で示される繰り返し単位を含有するレジストポリマーに対して、上記一般式(1)を含まないものの、それ以外の繰り返し単位は類似のものを主たる繰り返し単位として含むもの、即ち上述の一般式(2)〜(11)を主たる繰り返し単位として含むレジストポリマーが好ましい。
【0063】
上述の主たる構成要素として上記一般式(2)〜(11)より選ばれる繰り返し単位を含有し、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有しないレジストポリマーを、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有するレジストポリマーと混合して用いる場合、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有しないレジストポリマーとして1種類のポリマーを単独で用いることも、複数種類のポリマーを混合して用いることもできる。ポリマーに必要な設計として重要な点は、上述の相溶性の点と、溶解速度の設計である。
【0064】
レジスト膜の溶解速度を適正なものとするためには、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有しないレジストポリマー全体として、上記一般式(2)中g≧1である繰り返し単位、上記一般式(3)の繰り返し単位、上記一般式(4)中i≧1である繰り返し単位、及び上記一般式(5)中j≧1である繰り返し単位からなるグループの、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有しないレジストポリマーの全繰り返し単位に対する割合は、40〜95モル%、より好ましくは50〜80モル%であることが好ましい。このグループの量が40モル%より低い場合には、現像時にスカムの発生が起き易く、また、レジストパターン間にブリッジが発生し易くなる。また、95モル%を超える場合には、パターン形成時にアンダーカットが入り易くなり、基板によってはパターン倒壊の原因となり易い。また、残りの部分の繰り返し単位として、上記一般式(2)でdが0である繰り返し単位、上記一般式(4)でiが0である繰り返し単位、及び上記一般式(5)でjが0である繰り返し単位は、良好な相溶性や、エッチング特性を得るために有用な繰り返し単位である。
【0065】
上述の上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有しないレジストポリマーを上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有するレジストポリマーと混合して用いる場合、上記一般式(1)で示される繰り返し単位を含有するレジストポリマーの全レジストポリマーに対する割合は、30〜100質量%の範囲であることが好ましい。30質量%未満である場合には、高解像性が得られず、LERを改善する効果が十分に発現しない可能性がある。
【0066】
本発明の化学増幅ネガ型レジスト組成物は、基本的には架橋剤を添加することはないが、性能の微調整を行いたい場合には、ポリマー100質量部に対して0.5〜5質量部程度添加することもできる。化学増幅型ネガ型レジスト組成物用の架橋剤はすでに多数のものが公知であり、特許文献1〜3にも例示されている。
【0067】
別途添加される好ましい架橋剤としては、アルコキシメチルグリコールウリル類、アルコキシメチルメラミン類を挙げることができ、具体的には、テトラメトキシメチルグリコールウリル、1,3−ビスメトキシメチル−4,5−ビスメトキシエチレンウレア、ビスメトキシメチルウレア、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン等が例示される。架橋剤は単独で用いて、複数種類を混合して用いてもよい。
【0068】
本発明のレジスト組成物には酸発生剤が添加されるが、好ましい添加量としては、ポリマー100質量部に対して2〜20質量部、より好ましくは5〜15質量部の割合で使用できる。酸発生剤は、調整を行いたい物性に応じて適宜公知の酸発生剤(特許文献1〜3にも多くの例が挙げられている)より選択される。添加される酸発生剤の好ましい具体例を下記に示すが、これらに限定されない。
【0072】
塩基性化合物は、感度調整と高解像性を得るために、事実上必須構成成分であるが、本発明のレジスト組成物においても、塩基性化合物を添加することが好ましい。その添加量は、上記ポリマー100質量部に対し、0.01〜5質量部、特に0.05〜3質量部が好ましい。また、用いることができる塩基性化合物は多数が知られており(特許文献1〜5のいずれにも開示がある)、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシル基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド類、イミド類、カーバメート類、アンモニウム塩類等が知られている。これらの具体例は特許文献2に多数例示されているが、基本的にはこれらの全てを使用することができ、また2つ以上の塩基性化合物を選択し、混合して使用することもできる。
【0073】
特に好ましく配合される塩基性化合物としては、トリス(2−(メトキシメトキシ)エチル)アミン、トリス(2−(メトキシメトキシ)エチル)アミン N−オキシド、モルホリン誘導体、イミダゾール誘導体などが挙げられる。
【0074】
また、パターン形成時に、パターンが基板界面で溶解しにくくなる現象、いわゆる裾引き形状になり易い基板上、これはクロム系化合物による表面を持つ基板もそうであるが、このような基板上でパターンを形成する場合、カルボキシル基を有し、かつ塩基性中心である窒素に共有結合する水素を含有しないアミン化合物又はアミンオキシド化合物(アミン及びアミンオキシドの窒素原子が芳香環の環構造に含まれるものを除く)を用いると、パターン形状の改善を図ることができる。
【0075】
上述のカルボキシル基を有し、かつ塩基性中心である窒素に共有結合する水素を含有しないアミン化合物又はアミンオキシド化合物は、下記一般式(12)〜(14)で示される少なくともカルボキシル基を有し、かつ塩基性中心である窒素に共有結合する水素を含有しないアミン化合物又はアミンオキシド化合物が好ましいが、これに限られるものではない。
【0076】
【化23】
(式中、R
7、R
8はそれぞれ炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数2〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数2〜10のアシルオキシアルキル基、又は炭素数1〜10のアルキルチオアルキル基のいずれかである。またR
7とR
8が結合してこれらが結合する窒素原子と共に環構造を形成してもよい。R
9は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数2〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数2〜10のアシルオキシアルキル基、炭素数1〜10のアルキルチオアルキル基、又はハロゲン基のいずれかである。R
10は単結合、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、又は炭素数6〜20のアリーレン基である。R
11は炭素数2〜20の直鎖状又は分岐状の置換可アルキレン基であり、但し、アルキレン基の炭素−炭素間にカルボニル基(−CO−)、エーテル基(−O−)、エステル基(−COO−)、スルフィド(−S−)を1個あるいは複数個含んでいてもよい。また、R
12は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、又は炭素数6〜20のアリーレン基である。)
【0077】
上記の炭素数6〜20のアリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、ナフタセニル基、フルオレニル基を、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、デカヒドロナフタレニル基を、炭素数7〜20のアラルキル基として具体的には、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、アントラセニルメチル基を、炭素数2〜10のヒドロキシアルキル基として具体的には、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基を、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基として具体的には、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、エトキシメチル基、2−エトキシエチル基、プロポキシメチル基、2−プロポキシエチル基、ブトキシメチル基、2−ブトキシエチル基、アミロキシメチル基、2−アミロキシエチル基、シクロヘキシルオキシメチル基、2−シクロヘキシルオキシエチル基、シクロペンチルオキシメチル基、2−シクロペンチルオキシエチル基及びそのアルキル部の異性体を、炭素数2〜10のアシルオキシアルキル基として具体的には、ホルミルオキシメチル基、アセトキシメチル基、プロピオニルオキシメチル基、ブチリルオキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、シクロヘキサンカルボニルオキシメチル基、デカノイルオキシメチル基を、炭素数1〜10のアルキルチオアルキル基として具体的には、メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、プロピルチオメチル基、イソプロピルチオメチル基、ブチルチオメチル基、イソブチルチオメチル基、tert−ブチルチオメチル基、tert−アミルチオメチル基、デシルチオメチル基、シクロヘキシルチオメチル基を、それぞれ例示できるが、これらに限定されない。
【0078】
一般式(12)で示されるカルボキシル基を有し、かつ塩基性中心である窒素に共有結合する水素原子を含有しないアミン化合物を以下に具体的に例示するが、これらに限定されない。
即ち、o−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸、m−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸、p−ジプロピルアミノ安息香酸、p−ジブチルアミノ安息香酸、p−ジブチルアミノ安息香酸、p−ジペンチルアミノ安息香酸、p−ジヘキシルアミノ安息香酸、p−ジエタノールアミノ安息香酸、p−ジイソプロパノールアミノ安息香酸、p−ジメタノールアミノ安息香酸、2−メチル−4−ジエチルアミノ安息香酸、2−メトキシ−4−ジエチルアミノ安息香酸、3−ジメチルアミノ−2−ナフタレン酸、3−ジエチルアミノ−2−ナフタレン酸、2−ジメチルアミノ−5−ブロモ安息香酸、2−ジメチルアミノ−5−クロロ安息香酸、2−ジメチルアミノ−5−ヨード安息香酸、2−ジメチルアミノ−5−ヒドロキシ安息香酸、4−ジメチルアミノフェニル酢酸、4−ジメチルアミノフェニルプロピオン酸、4−ジメチルアミノフェニル酪酸、4−ジメチルアミノフェニルリンゴ酸、4−ジメチルアミノフェニルピルビン酸、4−ジメチルアミノフェニル乳酸、2−(4−ジメチルアミノフェニル)安息香酸、2−(4−(ジブチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸等が挙げられる。
【0079】
一般式(13)で示されるカルボキシル基を有し、かつ塩基性中心である窒素に共有結合する水素原子を含有しないアミン化合物は上記の具体的に例示されたアミン化合物を酸化したものであるが、これらに限定されない。
【0080】
一般式(14)で示されるカルボキシル基を有し、かつ塩基性中心である窒素に共有結合する水素原子を含有しないアミン化合物を以下に具体的に例示するが、これらに限定されない。
即ち、1−ピペリジンプロピオン酸、1−ピペリジン酪酸、1−ピペリジンリンゴ酸、1−ピペリジンピルビン酸、1−ピペリジン乳酸等が挙げられる。
【0081】
一般式(13)で示されアミンオキシド構造を有する化合物は、化合物の構造に応じた最適な方法を選択して製造することができるが、例として、窒素含有化合物の酸化剤を使用した酸化反応を用いる方法、あるいは含窒素化合物の過酸化水素水希釈溶液中での酸化反応を用いる方法を挙げることができる(詳細は特許文献1参照)。
【0082】
上記反応は酸化剤(m−クロロ過安息香酸)を用いたアミンの酸化反応であり、酸化反応の常法となる他の酸化剤を用いて反応を行うこともできる。反応後は、反応混合物を必要に応じて蒸留、クロマトグラフフィー、再結晶などの常法により精製することができる(詳細は特許文献12:特開2008−102383号公報参照)。
【0083】
本発明のレジスト組成物には、塗布性を向上させるために慣用されている界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤を用いる場合、特許文献1〜5にも多数の例が記載されているように多数のものが公知であり、それらを参考にして選択することができる。また、特開2008−304590号公報(特許文献13)に開示されているようなフッ素を含有するポリマーを添加することもできる。
【0084】
なお、界面活性剤の添加量としては、レジスト組成物中の全高分子化合物100質量部に対して2質量部以下、好ましくは1質量部以下であり、配合する場合は0.01質量部以上とすることが好ましい。
【0085】
本発明のレジスト組成物の調製に使用される有機溶剤としては、高分子化合物、酸発生剤、その他の添加剤等が溶解可能な有機溶剤であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れている乳酸エチルやプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びこれらの混合溶剤が好ましく使用される。
【0086】
有機溶剤の使用量は、全高分子化合物100質量部に対して1,000〜10,000質量部、特に2,000〜9,700質量部が好適である。このような濃度に調整することにより、回転塗布法を用い、膜厚が10〜300nmのレジスト膜を安定して平坦度よく得ることができる。
【0087】
更に、本発明のレジスト組成物には、適宜、公知の界面活性剤や溶解阻害剤(詳細は省略)などを加えることもできる。
【0088】
本発明のレジスト組成物を使用してパターンを形成するには、公知のリソグラフィー技術を採用して行うことができる。一般論としては、集積回路製造用の基板(表層の材料がSi、SiO
2、SiN、SiON、TiN、WSi、BPSG、SOG、有機反射防止膜等であるシリコンウエハー等)、あるいはマスク回路製造用の基板(表層の材料がCr、CrO、CrON、MoSi等である石英基板等)にスピンコーティング等の手法で膜厚が0.05〜2.0μmとなるように塗布し、これをホットプレート上で60〜150℃、1〜10分間、好ましくは80〜140℃、1〜5分間プリベークする。次いで目的のパターンを形成するためのマスクを用い、あるいはビーム露光により、遠紫外線、エキシマレーザー、X線等の高エネルギー線又は電子線を露光量1〜200mJ/cm
2、好ましくは10〜100mJ/cm
2となるように照射する。露光は通常の露光法の他、場合によってはマスクとレジスト膜の間を液浸するImmersion法を用いることも可能である。その場合には水に不溶な保護膜を用いることも可能である。次いで、ホットプレート上で、60〜150℃、1〜10分間、好ましくは80〜140℃、1〜5分間ポストエクスポージャーベーク(PEB)する。更に、0.1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像して、基板上に目的のパターンが形成される。
【0089】
なお、本発明のレジスト組成物は、特に高いエッチング耐性を持ち、かつ露光後、露光後加熱までの時間が延長された場合にもパターン線幅の変化が小さいことが要求される条件で使用される際に有用である。このことから、特に電子線リソグラフィーによるフォトマスクブランクの加工に有効である。また、被加工基板として、レジストパターンの密着性に優れ取り難いことからパターン剥がれやパターン崩壊を起こし易い材料を表面に持つ基板への適用に特に有用であり、特にパターン崩壊が問題になる基板表面の材料が金属クロムや酸素、窒素、炭素の1以上の軽元素を含有するクロム化合物をスパッタリング成膜した基板上、これはフォトマスクブランクで常用されるものであるが、これらの上でのパターン形成に有用である。
【実施例】
【0090】
以下、合成例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例中、Meはメチル基を示す。また、共重合組成比はモル比であり、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量を示す。
【0091】
[ポリマー合成例1]
窒素雰囲気下、200mLの滴下シリンダーに4−アセトキシスチレン39.26g、アセナフチレン6.14g、4−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)スチレン19.6g、ジメチル−2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業社製、商品名V601)7.43g、溶媒としてメチルエチルケトンを90g加えた溶液を調製した。更に窒素雰囲気下とした別の500mL重合用フラスコに、メチルエチルケトンを60g加え、80℃に加温した状態で、上記で調製した溶液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、重合温度を80℃に維持しながら18時間撹拌を続け、次いで室温まで冷却した。得られた重合液を1,000gのヘキサンに滴下し、析出した共重合体を濾別した。濾別した共重合体をヘキサン200gで2回洗浄した。得られた共重合体を窒素雰囲気下で、1Lフラスコ中、テトラヒドロフラン126gとメタノール42gとの混合溶剤に溶解し、エタノールアミン16.3gを加え、60℃で3時間攪拌した。この反応溶液を減圧濃縮し、得られた濃縮物を300gの酢酸エチルと水80gとの混合溶剤に溶解させ、得られた溶液を分液ロートに移し、酢酸8.2gを加え、分液操作を行った。下層を留去し、得られた有機層に水80g及びピリジン10.9gを加え、分液操作を行った。下層を留去し、更に得られた有機層に水80gを添加して水洗分液を行った(水洗分液は計5回)。分液後の有機層を濃縮後、アセトン140gに溶解し、得られたアセトン溶液を水2,500gに滴下して、得られた晶出沈澱物を濾過、水洗浄を行い、2時間吸引ろ過を行った後、再度得られた濾別体をアセトン150gに溶解し、得られたアセトン溶液を水2,800gに滴下して得られた晶出沈澱物を濾過、水洗浄、乾燥を行い、白色重合体を45.0g得た。得られた重合体を
13C−NMR,
1H−NMR、及びGPCで測定したところ、以下の分析結果となった。
【0092】
【化24】
重量平均分子量(Mw)=3,500
分子量分布(Mw/Mn)=1.58
これをポリマー1とした。
【0093】
[ポリマー合成例2]
窒素雰囲気下、300mLの滴下シリンダーに、4−ヒドロキノンモノメタクリレートを39.5g、アセナフチレンを7.0g、4−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)スチレンを18.6g、ジメチル−2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製、商品名V601)を7.0g、及び溶媒としてメチルエチルケトンを90g加えた溶液を調製した。更に窒素雰囲気下とした別の500mL重合用フラスコに、メチルエチルケトンを60g加え、80℃に加温した状態で、上記で調製した溶液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、重合温度を80℃に維持しながら16時間攪拌を続け、次いで室温まで冷却した。得られた重合液を1,200gのヘキサンに滴下し、析出した共重合体を濾別した。濾別した共重合体をヘキサン250gで2回洗浄し、更に得られた濾別体をメチルエチルケトン160gに再度溶解し、得られたメチルエチルケトン溶液をヘキサン1,200gに滴下し、析出した共重合体を濾別した。濾別した共重合体をヘキサン250gで2回洗浄を行い、乾燥して、白色の共重合体を55g得た。得られた重合体を
13C−NMR,
1H−NMR、及びGPCで測定したところ、以下の分析結果となった。
【0094】
【化25】
重量平均分子量(Mw)=3,700
分子量分布(Mw/Mn)=1.62
これをポリマー
5とした。
【0095】
[ポリマー合成例3〜1
4]
各単量体の種類、配合比を変えた以外は、ポリマー合成例1又は2と同じ手順により、表1に示したポリマー2〜
4、
6〜1
4を製造した。なお、下記表1において、導入比はモル比を示す。
【0096】
【表1】
【0097】
実施例で使用した上記一般式(2)のg=1である繰り返し単位及び上記一般式(3)の繰り返し単位(A群)
【表2】
【0098】
実施例で使用した上記一般式(2)のg=0である繰り返し単位(B群)
【表3】
【0099】
実施例で使用した上記一般式(4)及び(5)の繰り返し単位(C群)
【表4】
【0100】
実施例で使用した上記一般式(1)の繰り返し単位(Z群)
【表5】
【0101】
[実施例、比較例]
ネガ型レジスト組成物の調製
上記で合成したポリマー(ポリマー1〜1
4)、下記式で示されるポリマーJ、ポリマーK、ポリマーL、酸発生剤(PAG−A、PAG−B)、塩基性化合物(Base−1、Base−2、Base−3)を表6に示す組成で有機溶剤中に溶解してレジスト組成物を調合し、更に各組成物を0.2μmのテフロン(登録商標)製フィルターで濾過することにより、ネガ型レジスト組成物の溶液をそれぞれ調製した。
【0102】
【化26】
【0103】
表6中の有機溶剤は、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、EL(乳酸エチル)である。
また、一部組成物には、添加剤として、テトラメトキシメチルグリコールウリル(TMGU)、界面活性剤としてPF−636(OMNOVA SOLUTIONS製)を固形分量に対して0.075質量部添加した。
【0104】
【表6】
【0105】
電子ビーム描画評価
上記調製したネガ型レジスト組成物(実施例1〜2
2、比較例1〜3)をACT−M(東京エレクトロン(株)製)を用いて152mm角の最表面が酸化窒化クロム膜であるマスクブランク上にスピンコーティングし、ホットプレート上で、110℃で600秒間プリベークして80nmのレジスト膜を作製した。得られたレジスト膜の膜厚測定は、光学式測定器ナノスペック(ナノメトリックス社製)を用いて行った。測定はブランク外周から10mm内側までの外縁部分を除くブランク基板の面内81箇所で行い、膜厚平均値と膜厚範囲を算出した。
【0106】
更に、電子線露光装置((株)ニューフレアテクノロジー製、EBM−5000plus、加速電圧50keV)を用いて露光し、120℃で600秒間ベーク(PEB:post exposure bake)を施し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像を行うと、ネガ型のパターンを得ることができた。更に得られたレジストパターンを次のように評価した。
作製したパターン付きブランクを上空SEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、200nmの1:1のラインアンドスペース(LS)を1:1で解像する露光量を最適露光量(μC/cm
2)とし、400nmのラインアンドスペースを1:1で解像する露光量における最小寸法を解像度とし、200nmLSのエッジラフネスをSEMで測定した。また、密パターン(アイソスペース(IS)/9:1)、疎パターン(アイソライン(IL)/1:9)についての限界解像度も測定した。パターン形状については、矩形か否かを目視にて判定した。EB描画における本発明のレジスト組成物及び比較用のレジスト組成物の評価結果を表7に示す。なお、表7に示す最適露光量とは、LS基準の値である。
また、上記作製したパターン付きブランクのLS、IL、ISパターンのリニアリティー評価(目的の線幅が忠実に形成できているか否か)を各パターンにおいて400nmの線幅(ISはスペース幅)が形成できる露光量を基準として行った。表8にその露光量で描画した100nmの線幅に対する忠実度を示す。
【0107】
【表7】
【0108】
【表8】
【0109】
上記表7,8に示す通り、本発明のレジスト組成物は、比較例1〜3に挙げられたレジスト組成物と比較して、解像性は同等あるいは優れる、また、ラインエッジラフネスでは優れていることを示した。更に、特徴的な結果として、上記より本発明のレジスト組成物は疎パターン及び密パターンにおいても、線幅とパターンの種類による誤差が生じることなく、目的の線幅及びスペース幅を5nm以内に忠実に描画できることを確認した。このことから、特に超LSI製造用の電子線リソグラフィーによる微細パターン形成材料、マスクパターン形成材料として好適な化学増幅ネガ型レジスト組成物を提供することができる。