(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態による中間アダプタ10を含む測定システム1の構成を説明する図である。測定システム1は、中間アダプタ10と、交換型の交換レンズ20およびカメラボディ30とから構成される。測定システム1において、交換レンズ20およびカメラボディ30については、既存のレンズ交換型カメラを用いることができる。本実施形態による中間アダプタ10は、交換レンズ20とカメラボディ30との間に挿入され、交換レンズ20からカメラボディ30へ向かう光束の一部を分離して測定部105に導いて撮影対象の分光や測色などの測定を可能としつつ、既存のレンズ交換型カメラにおける撮像機能もそのまま使用可能とするものである。
【0009】
中間アダプタ10は、交換レンズ20とカメラボディ30との間に挿入される筐体101を有する。中間アダプタ10の筐体101に設けられたレンズマウント102には、交換レンズ20が着脱可能に取り付けられる。これにより、中間アダプタ10と交換レンズ20とが物理的かつ電気的に接続される。また、カメラボディ30に設けられたレンズマウント301には、中間アダプタ10の筐体101が着脱可能に取り付けられる。これにより、中間アダプタ10とカメラボディ30とが物理的かつ電気的に接続される。中間アダプタ10のレンズマウント102とカメラボディ30のレンズマウント301とは、同一仕様である。
【0010】
中間アダプタ10の筐体101の内部には、ビームスプリッタ103と、補償光学系104と、測定部105とが設けられている。交換レンズ20を透過して中間アダプタ10の筐体101内部に入射した光束は、収れん状態のままビームスプリッタ103に入射する。ビームスプリッタ103は、ビームスプリッタ103に入射した光束の一部を透過させると共に、当該光束の一部を反射させる。ビームスプリッタ103を透過した光束は、補償光学系104を透過し、カメラボディ30内部の撮像素子302上に撮影物体像を形成する。
【0011】
中間アダプタ10の筐体101は、交換レンズ20の光軸方向において所定の幅を有するため、交換レンズ20を透過してカメラボディ30の撮像素子302上に結像する光束の光路長は、交換レンズ20とカメラボディ30との間に筐体101を挿入しない場合よりも上記所定の幅の分伸びている。そのため、補償光学系104により上記所定の幅伸びた分を補償することで、交換レンズ20を透過しビームスプリッタ103を透過した光束を撮像素子302上に結像させるようになっている。
【0012】
また、ビームスプリッタ103は、ビームスプリッタ103に入射した光束に対して平行平面板と等価な作用を及ぼすため、収れん状態で入射した光束においてビームスプリッタ103により球面収差や色収差などの光学収差が発生する。補償光学系104は、ビームスプリッタ103を透過した光束に対して、このようなビームスプリッタ103によって発生した光学収差を補正する機能も有する。
【0013】
一方、ビームスプリッタ103により反射された光束は、測定部105の光取り込み口106に導かれ、光取り込み口106上に撮影物体像を形成する。光取り込み口106は、交換レンズ20の光軸上に配置され、撮像画面中央の所定範囲に対応する光束のみを測定部105内へ取り込む機能を有する。
【0014】
測定部105は、光取り込み口106から取り込まれた光束を光学的に測定する装置であり、たとえば、分光放射輝度計や測色計などである。分光放射輝度計や測色計などは、公知の装置を用いればよいため、説明を省略する。
【0015】
また、中間アダプタ10の筐体101の内部には、測定部105の光取り込み口106と等価な形状の画像を投影するポインタ107が設けられている。ポインタ107から発光された光束は、ビームスプリッタ103で反射されることにより、交換レンズ20を透過しビームスプリッタ103を透過した光束と同様の光路に導かれる。
【0016】
カメラボディ30が電子ビューファインダを有する場合、ポインタ107から発光された光束はビームスプリッタ103を介して撮像素子302に導かれ、撮像素子302の撮像面上に光取り込み口106と等価な形状の画像を投影する。カメラボディ30は、電子ビューファインダに撮像素子302による撮像画像を表示する。したがって、ユーザは、この表示された撮像画像において、撮影物体像に重なったポインタ107の投影像によって、測定部105の測定範囲を確認することができる。一方、カメラボディ30が光学ファインダを有するミラー一眼レフカメラの場合には、ポインタ107から発光された光束は、ビームスプリッタ103を介してカメラボディ30内のミラー(不図示)で反射されてファインダスクリーンに導かれ、ファインダスクリーン上に光取り込み口106と等価な形状の画像を投影する。したがって、ユーザは、光学ファインダによって、撮影物体像に重なったポインタ107の投影像を直接目視して、測定部105による測定範囲を確認することができる。
【0017】
さらに中間アダプタ10の筐体101の内部には、中間アダプタ10の各部の制御を司る制御部108が設けられている。制御部108は、不図示のマイクロコンピュータおよびその周辺回路等により構成される。制御部108には、測定部105、ポインタ107、メモリ109、ポインタ発光ボタン110、シャッタケーブルインタフェース111、PC出力インタフェース112が接続されている。
【0018】
交換レンズ20とカメラボディ30との間では、焦点調整や露出制御などの制御情報と、カメラボディ30から交換レンズ20への電力供給のやりとりが行われる。本実施形態では、焦点調整や露出制御などの制御情報は、中間アダプタ10の制御部108を介して、交換レンズ20とカメラボディ30との間でやりとりされる。また、交換レンズ20に内蔵されている絞り制御は、カメラボディ30からの制御信号によって交換レンズ20内のモータを駆動することで行われる。
【0019】
カメラボディ30には、スピードライト等の閃光装置を取り付け可能なアクセサリーシュー303が設けられている。カメラボディ30のアクセサリーシュー303には、シャッタの開放状態を示す信号を中間アダプタ10へ伝達するためのシャッタケーブル113の一端が差し込まれる。シャッタケーブル113の他端は、中間アダプタ10の筐体101に設けられたシャッタケーブルインタフェース111に差し込まれる。カメラボディ30から出力されるシャッタの開放状態を示す信号は、アクセサリーシュー303、シャッタケーブル113、およびシャッタケーブルインタフェース111を介して、中間アダプタ10の制御部108に伝達される。
【0020】
ポインタ発光ボタン110は、中間アダプタ10の筐体101の上面に設けられている。ユーザによりポインタ発光ボタン110が押下されている間のみ、制御部108は、ポインタ107を発光させるように制御する。また、制御部108は、カメラボディ30による露出用の測光時、撮影時、および撮影と同時に行われる測定部105による測定時には、ポインタ107を発光させないように制御する。
【0021】
制御部108は、測定部105による測定動作を制御し、測定部105による測定結果を示す測定データをメモリ109に記録させる。
【0022】
中間アダプタ10のPC出力インタフェース112には、測定データをパーソナルコンピュータ(PC)40へ伝達するためのPCインタフェースケーブル114の一端が差し込まれる。PCインタフェースケーブル114の他端は、PC40に設けられたPC入力インタフェース401に差し込まれる。中間アダプタ10から出力された測定データは、PC出力インタフェース112、PCインタフェースケーブル114、およびPC入力インタフェース401を介して、PC40に伝達される。なお、中間アダプタ10とPC40とは、撮影時に接続していなくてもよい。
【0023】
ここで、本実施形態の測定システム1で光学的測定を行う際の流れについて説明する。まず、ユーザは、カメラボディ30の電子ビューファインダ又は光学ファインダによって、測定対象(撮影対象)を目視確認する。このとき、ユーザは、ポインタ発光ボタン110を押下することにより、ポインタ107を発光させて、測定部105による測定範囲を確認する。
【0024】
また、カメラボディ30の露出モードはシャッタ速度優先とし、交換レンズ20の絞り値は所定のF値より明るい値で固定する。これは、光取り込み口106に入射する光束のNA(開口数)が所定値以下にならないようにするためである。
【0025】
ユーザが撮影構図を決定して、カメラボディ30のシャッタボタンを押下すると、カメラボディ30内のシャッタが開閉されて、撮像素子302による撮像が行われ、撮像画像が記録媒体に保存される。このとき、中間アダプタ10の制御部108には、アクセサリーシュー303、シャッタケーブル113、およびシャッタケーブルインタフェース111を介して、カメラボディ30からシャッタの開放状態を示す信号が伝達される。制御部108は、受信したシャッタの開放状態を示す信号に応じて、シャッタが開いたタイミングに同期させて測定部105へ測定データ取得トリガを出力して、測定部105に光取り込み口106から取り込まれる光束の光学的測定を行わせる。これにより、カメラボディ30による撮影と同時に測定部105による測定を行うことができる。そして、制御部108は、測定部105から測定データを取得してメモリ109に保存する。
【0026】
メモリ109に保存された測定データは、中間アダプタ10からPC40に伝達される。測定部105による測定時に撮影された画像データは、別途カメラボディ30からPC40に伝達される。なお、カメラボディ30に保存された画像データをPC40に取り込む手段については、公知の手段を用いればよいため、説明を省略する。
【0027】
PC40には、予め測定部105による測定データを解析するための解析ソフトウェアがインストールされている。PC40は、この解析ソフトウェアによって、中間アダプタ10から出力された測定データを解析する。また、PC40は、測定部105による測定データと、この測定データの測定時にカメラボディ30により撮影された画像データとを対応付け、測定データの解析結果と共に測定時に撮影された撮影画像を不図示の表示装置に表示する。このときPC40は、
図2に示すように、測定時に撮影された撮影画像501に重ねて、測定部105による測定範囲を矩形の枠で示す測定範囲画像502を表示する。この測定範囲画像502は、ポインタ107で投影された像に相当する図形が解析ソフトウェアによって作画されて、表示される。これにより、ユーザは、測定対象物からの光束を測定した後において、測定対象物がどのようなものであったかを撮影画像501で確認することができると共に、測定対象物のどの範囲を測定したかを測定範囲画像502で確認することができる。
【0028】
−実施例−
次に、本実施形態に係る実施例について説明する。本実施例では、交換レンズ20およびカメラボディ30の仕様が下記の通りであると仮定して説明する。
カメラボディ30の交換レンズフランジバック長:40mm
カメラボディ30の撮像面3021の大きさ: 縦=17.1mm×横=25.6mm
交換レンズ20の射出瞳201の位置: 交換レンズフランジ面より物体側へ17mm
交換レンズ20の射出瞳201の径: Φ=15mm
交換レンズ20の射出瞳201から焦点面202までの距離: 50mm
【0029】
図3は、本実施例において、交換レンズ20から中間アダプタ10を介してカメラボディ30へ向かう光束の光路を説明する図である。本実施例において、ビームスプリッタ103は、交換レンズ20の光軸Ax方向の厚さが5mmである。また、ビームスプリッタ103は、ハーフミラー面1031を有する。ハーフミラー面1031は、交換レンズ20を透過してビームスプリッタ103に入射した光束の一部を反射して測定部105へ導き、一部を透過して撮像面3021へ導く。なお、ハーフミラー面1031は、交換レンズ20を透過してビームスプリッタ103に入射した光束のうち、光軸Ax近傍における所定範囲(少なくとも軸上光束を含む範囲)の光束が入射されるように構成されている。すなわち、ハーフミラー面1031は、交換レンズ20を透過してビームスプリッタ103に入射した光束全体を2方向に分割するのではなく、光軸Ax近傍である一部分を2方向に分割するようになっている。したがって、ビームスプリッタ103に入射した光束のうち、上記所定範囲外の光束についてはハーフミラー面1031に入射せずにビームスプリッタ103を透過するようになっている。
【0030】
また、本実施例において、補償光学系104は、物体側から順に、撮像素子302の撮像面3021側に凸形状の凸メニスカスレンズL1と、両凹レンズL2とから構成される。交換レンズ20を透過し、ビームスプリッタ103のハーフミラー面1031を透過した光束は、補償光学系104の凸メニスカスレンズL1および両凹レンズL2を透過して、撮像素子302の撮像面3021上に結像される。
【0031】
交換レンズ20を直接カメラボディ30に取り付けた場合は、交換レンズ20の焦点面202がカメラボディ30の撮像面3021に一致する。本実施例では、交換レンズ20とカメラボディ30との間に中間アダプタ10の筐体101を挿入することにより、交換レンズ20が光軸に沿って17.5mm前方へ移動する。すなわち、交換レンズ20からカメラボディ30の撮像面3021までの光路長が17.5mm伸びる。しかしながら、この伸びた分、補償光学系104によって焦点位置を17.5mm後方へ移動させることで、交換レンズ20を透過した光束が撮像面3021上に結像する。本実施例において補償光学系104による倍率は1.673倍である。
【0032】
本実施例に係る中間アダプタ10において、交換レンズ20の射出瞳201からカメラボディ30の撮像面3021までにおける光学系のレンズデータを、以下の表1に示す。表1において、面番号は、物体側からの各光学面の番号を示し、Rは各光学面の曲率半径を示し、dは各光学面から次の光学面までの光軸上の距離(面間隔)を示し、ndはd線に対する屈折率を示し、νdはd線に対するアッベ数を示す。
(表1)
面番号 R mm d mm nd νd
0 ∞ -50
1 ∞ 20 射出瞳 Φ=15mm
2 ∞ 5 1.5168 63.9
3 ∞ 2
4 -35.2606 2 1.95 29.4
5 -23.5287 2.2
6 -21.8867 1.5 1.6972 53.3
7 397.7278 35.03 非球面
像面
【0033】
また、表1に示したように、両凹レンズL2の撮像面3021側のレンズ面(第7面)は、非球面形状である。本実施例において、非球面形状は、次式(1)によって表されるものとする。なお、式(1)において、yは光軸からの高さであり、Zは高さyにおける非球面の頂点の接平面から非球面までの光軸に沿った距離(サグ量)であり、Rは頂点曲率半径であり、κは円錐係数であり、C
2nは非球面係数である。
【数1】
【0034】
以下の表2に、レンズL2の撮像面3021側のレンズ面(第7面)の非球面係数を示す。
(表2)
κ -43213.98185
C
4 7.0145E-06
C
6 9.3042E-08
C
8 -2.0278E-09
C
10 1.0960E-11
【0035】
また、
図4に、本実施例に係る中間アダプタ10の光学系のスポットダイアグラムを示す。
図4のスポットダイアグラムは、交換レンズ20から仮想的に無収差集光光束が射出されているとして、この光束が本実施例に係る中間アダプタ10の光学系(ビームスプリッタ103および補償光学系104)を通過した後の集光性能を表している。評価波長は、435.834nm(g)、486.133nm(F)、587.562nm(d)、および656.273nm(C)の4波長である。
図4に示すように、本実施例に係る中間アダプタ10の光学系は、撮像物体確認に必要な集光性能を有している。
【0036】
図5は、ビームスプリッタ103の拡大図である。ビームスプリッタ103は、交換レンズ20からの光束が入射される第1入射面1032と、カメラボディ30へ向かう光束が射出される第1射出面1033とを有する。第1入射面1032および第1射出面1033は、光軸Axに対して垂直な面である。ハーフミラー面1031は、第1入射面1032と第1射出面1033との間に設けられ、第1入射面1032および第1射出面1033に対して22.5度傾斜している。ハーフミラー面1031、第1入射面1032および第1射出面1033は、光軸Ax上に設けられている。さらに、ビームスプリッタ103は、ポインタ107からの光束が入射される第2入射面1034と、交換レンズ20を透過しハーフミラー面1031で反射される光束が射出される第2射出面1035とを有する。
【0037】
交換レンズ20を透過して第1入射面1032からビームスプリッタ103に入射した光束の一部はハーフミラー面1031を透過して第1射出面1033から射出され、一部はハーフミラー面1031で反射され、第1入射面1032および第1射出面1033で繰り返し全反射された後、第2射出面1035から射出され、第2射出面1035から11.3mmの位置に集光される。この位置に、測定部105の光取り込み口106が設置される。第2射出面1035には、径Φ=4mmの絞り1036が設けられている。これにより、迷光の光取り込み口106への混入を防止することができる。
【0038】
ポインタ107から発光された光束は、第2入射面1034からビームスプリッタ103へ入射し、第1射出面1033および第1入射面1032で繰り返し全反射された後、ハーフミラー面1031で反射されて第1射出面1033から射出され、撮像面3021上に投影像を形成する。
【0039】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)中間アダプタ10は、レンズ交換型カメラの交換レンズ20とカメラボディ30との間に着脱可能に挿入され、交換レンズ20の光軸方向において所定の幅を有する筐体101と、筐体101の内部に設けられ、交換レンズ20を透過した光束を2方向に分割して、一方の光束をカメラボディ30内の撮像素子302へ導き、他方の光束を、当該光束を光学的に測定する測定部105へ導くビームスプリッタ103と、交換レンズ20からカメラボディ30へ向かう光束による像を撮像素子302の撮像面3021上に結像させるように、当該光束の光路長が筐体101の挿入によって伸びた分を補償する補償光学系104と、を備える。このような構成により、測定部105によって交換レンズ20を透過した光束を測定すると共に、交換レンズ20を透過した光束をカメラボディ30で撮像することができるので、測定対象物を後から撮像画像によって確認することができる。また、このような構成により、既存のレンズ交換型カメラに分光放射輝度計や測色計などの光学測定機能を付加しながらも、既存のレンズ交換型カメラに設けられている各種機能(例えば自動焦点機能など)についてはそのまま利用することができる。また、このような構成により、光学測定専用のカメラを作成することなく、既存のレンズ交換型カメラの交換レンズ20とカメラボディ30との間に中間アダプタ10を取り付けるだけでよいので、簡易に実現できる。なお、従来、交換レンズとカメラボディとの間に挿入されるリヤコンバータが知られているが、リヤコンバータは交換レンズの焦点距離を変換することが主眼であるため、交換レンズを透過した光束を分離して別光路へ振り分ける機能はない。これに対して本実施形態による中間アダプタ10では、ビームスプリッタ103により、交換レンズ20を透過してカメラボディ30に向かう光束の一部を分離して測定部105に導くので、従来のリヤコンバータと異なり、カメラ撮影と共に撮影対象の光学的測定を行うことができる。
【0040】
(2)中間アダプタ10において、ビームスプリッタ103のハーフミラー面1031は、交換レンズ20を透過した光束のうち、交換レンズ20の光軸近傍における所定範囲の光束を2方向に分割するように配置される。このような構成により、交換レンズ20を透過した光束全体を分割する場合と比べて、ビームスプリッタ103の光軸Ax方向の幅を薄くできるので、中間アダプタ10の筐体101の光軸Ax方向の幅を薄くすることができる。
【0041】
(3)中間アダプタ10は、カメラボディ30内に設けられた撮像面3021またはファインダスクリーンに、測定部105による測定範囲を示す画像を投影するポインタ107を備える。このような構成により、ユーザは、カメラボディ30のファインダ機能によって撮影範囲を確認する際に、測定部105による測定範囲を確認することができる。
【0042】
(4)中間アダプタ10において、制御部108は、シャッタインタフェース111を介して、カメラボディ30からシャッタの開放状態を示す信号を受信し、当該信号に応じて測定部105による測定を制御する。このような構成により、既存のレンズ交換型カメラによる撮影と同時に測定部105による測定を行うことができる。また、ユーザは、既存のレンズ交換型カメラのシャッタボタンを押下するだけでよいので、操作が簡易である。
【0043】
(5)中間アダプタ10において、交換レンズ20を透過した光束は、収れん状態のままビームスプリッタ103へ入射する。仮に交換レンズ20を透過した光束を平行光束に変換してビームスプリッタ103へ入射させようとすると、収れん状態の光束を平行光束に変換するための光学部材が必要となってしまい、中間アダプタ10の筐体101の光軸Ax方向の幅が厚くなってしまう。そこで、本実施形態では、交換レンズ20を透過した光束を収れん状態のままビームスプリッタ103に入射させ、ビームスプリッタ103で発生した光学収差を補償光学系104によって補正することで、筐体101の光軸Ax方向の幅を薄くすることができる。
【0044】
(6)中間アダプタ10において、ビームスプリッタ103は、交換レンズ20を透過した光束の一部を透過し一部を反射させるハーフミラー面1031と、交換レンズ20を透過した光束が入射される第1入射面1032と、ポインタ107からの光束が入射される第2入射面1034と、交換レンズ20を透過しハーフミラー面1031を透過した光束が射出される第1射出面1033と、交換レンズ20を透過しハーフミラー面1031により反射された光束が射出される第2射出面1035と、を有する。交換レンズ20を透過しハーフミラー面1031により反射された光束は、第1入射面1032および第1射出面1033で繰り返し全反射された後、第2射出面1035から射出される。このような構成により、一つの部材で測定に必要な光束を分岐させるとともに、分岐した光束を測定部105まで導くことができるため、中間アダプタ10は、筐体101の光軸Ax方向の幅を薄くすることができる。また、同様に、一つの部材でポインタ107からの光束を測定部105まで導くことができるため、中間アダプタ10は、筐体101の光軸Ax方向の幅を薄くすることができる。
【0045】
−変形例−
上述した実施の形態では、ビームスプリッタ103よりも撮像素子302側に補償光学系104を配置する例について説明した。しかしながら、
図6に示すように、補償光学系104(以下、第1補償光学系104と表記する)に加えて、ビームスプリッタ103よりも交換レンズ20側に第2補償光学系120を設けるようにしてもよい。この場合、第1補償光学系104と第2補償光学系120とで、交換レンズ20を透過しビームスプリッタ103を透過する光束に対してビームスプリッタ103により発生する光学収差を補正すると共に、筐体101の幅の分伸びた光路を補償する。
【0046】
さらに、
図6に示すように、ビームスプリッタ103と測定部105の光取り込み口106との間に第3補償光学系121を設けるようにしてもよい。この場合、第1補償光学系104と第3補償光学系121とで、交換レンズ20を透過しビームスプリッタ103により反射される光束に対してビームスプリッタ103により発生する光学収差を補正する。
【0047】
また上述した実施例では、ビームスプリッタ103のハーフミラー面1031が、交換レンズ20を透過した光束のうち光軸Ax近傍における所定範囲の光束を2方向に分割するように配置されている例について説明したが、
図6に示すように交換レンズ20を透過した光束全体を2方向に分割するように配置されていてもよい。
【0048】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。