(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
平面視において、前記信号端子と前記接地端子の形状は各々矩形状であり、前記信号端子と前記接地端子は互いの長辺が対向するように配置されている請求項1記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
〈第1の実施の形態〉
[第1の実施の形態に係る半導体装置の構造]
図1は、第1の実施の形態に係る半導体装置を例示する図であり、
図1(a)は断面図、
図1(b)は
図1(a)の一部(主に接続端子30の配列)を示す平面図である。
図1を参照するに、半導体装置1は、配線基板10Aと、配線基板10Bと、接合部21及び22と、接続端子30と、樹脂部40とを有する。
【0011】
半導体装置1において、配線基板10Aの上方に配線基板10Bが配置され、配線基板10Aと配線基板10Bとの間に、配線基板10Aと配線基板10Bとを電気的に接続する複数の接続端子30が設けられている。配線基板10Aと配線基板10Bとの間には、配線基板10Aの電子部品18や接続端子30を封止する樹脂部40が設けられている。配線基板10Aは本発明に係る第1の配線基板の代表的な一例であり、配線基板10Bは本発明に係る第2の配線基板の代表的な一例である。
【0012】
なお、半導体装置1において、便宜上、配線基板10Bの電子部品18側を一方の側(一方の面)、配線基板10Aのソルダーレジスト層16側を他方の側(他方の面)と称する場合がある。
【0013】
配線基板10Aは、絶縁層11と、配線層12と、配線層13と、貫通配線14と、ソルダーレジスト層15と、ソルダーレジスト層16と、接合部17と、電子部品18とを有する。
【0014】
配線基板10Aにおいて、絶縁層11としては、例えば、ガラスクロスにエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を含浸させた所謂ガラスエポキシ基板等を用いることができる。絶縁層11として、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の織布や不織布にエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を含浸させた基板等を用いてもよい。なお、各図において、ガラスクロス等の図示は省略されている。
【0015】
絶縁層11として、シリコンやセラミックスを主成分とする基板等を用いてもよい。なお、シリコンを用いた場合には、表面や貫通孔内壁を絶縁膜(SiO
2等)で被覆することにより、絶縁性を持たせることができる。絶縁層11の厚さは、例えば、60〜200μm程度とすることができる。
【0016】
配線層12は、絶縁層11の一方の面に形成されている。配線層13は、絶縁層11の他方の面に形成されている。配線層12は、絶縁層11を貫通する貫通孔11x内に設けられた貫通配線14を介して、配線層13と電気的に接続されている。配線層12、配線層13、及び貫通配線14の材料としては、例えば、銅(Cu)等を用いることができる。配線層12及び13の厚さは、例えば、10〜20μm程度とすることができる。貫通孔11xの平面形状は、例えば、直径が50μm程度の円形とすることができる。なお、配線層12、配線層13、及び貫通配線14は、一体に形成されたものでもよい。
【0017】
ソルダーレジスト層15は、絶縁層11の一方の面に、配線層12を覆うように形成されている。ソルダーレジスト層15は、例えば、感光性樹脂等から形成できる。ソルダーレジスト層15の厚さは、例えば15〜35μm程度とすることができる。ソルダーレジスト層15は、開口部15x及び15yを有し、開口部15x及び15y内には各々配線層12の一部が露出している。開口部15x及び15y内に露出する配線層12は、各々パッド12a及び12bを構成している。開口部15x及び開口部15yの各々の平面形状は、例えば、円形状とすることができる。開口部15x及び開口部15yの各々の直径は、接続対象に合わせて任意に設計できる。
【0018】
ソルダーレジスト層15は、パッド12a及び12bを完全に露出するように設けてもよい。この場合、パッド12a及び12bの各々の側面とソルダーレジスト層15の側面とが接するようにソルダーレジスト層15を設けてもよい。又、パッド12a及び12bの各々の側面とソルダーレジスト層15の側面との間に隙間ができるようにソルダーレジスト層15を設けてもよい。
【0019】
必要に応じ、パッド12a及び12bの各々の一方の面に金属層を形成したり、OSP(Organic Solderability Preservative)処理等の酸化防止処理を施したりしてもよい。金属層の例としては、Au層や、Ni/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した金属層)、Ni/Pd/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)等を挙げることができる。
【0020】
ソルダーレジスト層16は、絶縁層11の他方の面に、配線層13を覆うように形成されている。ソルダーレジスト層16の材料や厚さは、例えば、ソルダーレジスト層15と同様とすることができる。ソルダーレジスト層16は、開口部16xを有し、開口部16x内には配線層13の一部が露出している。開口部16x内に露出する配線層13は、パッド13aを構成している。開口部16xの平面形状は、例えば、円形状とすることができる。開口部16xの直径は、接続対象に合わせて任意に設計できる。パッド13aは、マザーボード等の実装基板等(図示せず)と電気的に接続されるパッドとして機能する。パッド13aの他方の面に、はんだボール等の外部接続端子を形成してもよい。
【0021】
ソルダーレジスト層16は、パッド13aを完全に露出するように設けてもよい。この場合、パッド13aの側面とソルダーレジスト層16の側面とが接するようにソルダーレジスト層16を設けてもよいし、パッド13aの側面とソルダーレジスト層16の側面との間に隙間ができるようにソルダーレジスト層16を設けてもよい。必要に応じ、パッド13aの他方の面に、前述の金属層を形成したり、OSP(Organic Solderability Preservative)処理等の酸化防止処理を施したりしてもよい。
【0022】
ソルダーレジスト層15上には、パッド12aの一方の面に形成された接合部17を介して、電子部品18が実装されている。接合部17としては、例えば、Pbを含む合金、SnとCuの合金、SnとSbの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等のはんだ材料を用いることができる。接合部17として、例えば、銀ペースト等の導電性ペーストを用いてもよい。電子部品18は、例えば、半導体チップ、センサ、キャパシタ、インダクタ、抵抗等である。但し、電子部品18は1つでなくてよく、これらのうちから任意に選択した部品が混在してもよい。
【0023】
配線基板10Bは、ソルダーレジスト層15に開口部15yが設けられていない点(パッド12bが設けられていない点)を除いて、配線基板10Aと同様の構造である。従って、配線基板10Bについての詳細な説明は省略する。なお、配線基板10A又は配線基板10Bに搭載又は内蔵された電子部品18のうち少なくとも一方は、半導体チップである。
【0024】
配線基板10Aは、複数の接続端子30を介して、配線基板10Bと電気的に接続されている。具体的には、各接続端子30の一方の端部である固定部31は、接合部21を介して配線基板10Aのパッド12bに接合されている。又、配線基板10Aのパッド12bの直下には貫通配線14が設けられている。このように、接続端子30が接合されるパッド12bの直下に貫通配線14を設けることにより、高周波信号をロスなく伝送できる。
【0025】
又、各接続端子30の他方の端部である固定部32は、接合部22を介して配線基板10Bのパッド13aに接合されている。又、配線基板10Bのパッド13aの直上には貫通配線14が設けられている。このように、接続端子30が接合されるパッド13aの直上に貫通配線14を設けることにより、高周波信号をロスなく伝送できる。
【0026】
接合部21及び22としては、例えば、Pbを含む合金、SnとCuの合金、SnとSbの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等のはんだ材料を用いることができる。
【0027】
接続端子30は、例えば、配線基板10Aの電子部品18の周囲にペリフェラル状に配置されている。接続端子30のピッチは、例えば、0.4〜1.5mm程度とすることができる。なお、
図1では、接続端子30は、配線基板10Aの電子部品18の周囲に一列のみ設けられているが、適宜複数列とすることができる。
【0028】
複数の接続端子30は、信号が伝送される信号端子Sと、接地される(GNDと接続される)接地端子Gとを含んでいる。信号端子Sの両側には接地端子Gが配置されている。平面視において、信号端子Sと接地端子Gの形状は各々略矩形状であり、信号端子Sと接地端子Gは互いの長辺が対向するように配置されている。又、隣接する信号端子Sと接地端子Gは、平面視において、信号端子Sと接地端子Gの対向する辺の間隔が一定となるように配置されている。すなわち、信号端子S及びそれに隣接して配置される接地端子Gにより、半導体装置1の厚さ方向(Z方向)にコプレナー構造を形成している。なお、平面視とは、
図1等のZ方向(複数の接続端子30が設けられている平面に垂直な方向)から対象物を視認することをいう。
【0029】
図1(b)では、一部の接続端子30のみにS又はGの符号を付したが、符号を付していない接続端子30についても、同様に、信号端子Sの両側に接地端子Gが配置されている。但し、高周波信号を伝送する領域が限定されている場合には、その領域に配置された接続端子30のみをコプレナー構造としても構わない。
【0030】
又、一部の接続端子30には、信号や接地(GND)以外の必要な要素、例えば電源等を割り当てて構わない。この際、信号端子Sの両側に電源端子を配置してコプレナー構造としてもよい。なお、電源端子は高周波的には接地端子と同等であるから、本発明における『信号端子の両側に配置された接地端子』には、信号端子の両側に電源端子等の高周波的に接地端子と同等と見なせる他の端子を設ける場合も含むものとする。
【0031】
樹脂部40は、例えば、接続端子30の弾性変形を許容する材料(弾性変形を妨げない材料)により構成することができる。弾性変形を許容する材料の一例としては、エラストマーを挙げることができる。エラストマーの一例としては、シリコーン系の絶縁性樹脂を挙げることができる。樹脂部40を設けることにより、半導体装置1の強度や耐湿性を向上することができるが、樹脂部40の材料として柔軟性を有するエラストマーを選択することにより、これらの効果を実現すると共に、接続端子30の弾性変形を許容することができる。
【0032】
例えば、配線基板10Aと配線基板10Bの一方が絶縁性樹脂を主成分とする基板、他方がシリコンやセラミックスを主成分とする基板等の場合には、配線基板10Aと配線基板10Bは互いに熱膨張係数が異なるため、配線基板間に熱応力が発生する場合がある。樹脂部40の材料として柔軟性を有するエラストマーを用いることにより、接続端子30が弾性変形できるため、配線基板間の熱膨張係数の相違に起因して生じる熱応力をばね性を有する接続端子30により吸収可能となる。その結果、配線基板10Aと配線基板10Bとの間の接続信頼性を向上できる。
【0033】
なお、配線基板間の熱膨張係数が略同等である場合等、熱応力が問題とならない場合には、樹脂部40の材料として、フィラーを含有した熱硬化性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂(所謂モールド樹脂)を用いてもよい。樹脂部40を設けることにより、半導体装置1の強度を向上することや、耐湿性を向上することができる。但し、接続端子30は樹脂部40に固定されるため、弾性変形することはできない。
【0034】
図2に示すように、半導体装置1は、例えば、外部接続端子200を介して、マザーボード等の実装基板300に搭載することができる。実装基板300において、絶縁層310の一方の面には配線層の一部であるパッド320が形成され、パッド320の一部はソルダーレジスト層330の開口部330xから露出している。半導体装置1のパッド13aと実装基板300のパッド320とは、はんだボール等の外部接続端子200を介して、電気的に接続されている。
【0035】
ここで、
図3を参照しながら、接続端子30の詳細な構造について説明する。
図3は、第1の実施の形態に係る接続端子を例示する図であり、
図3(a)が側面図、
図3(b)が平面図である。
図3を参照するに、接続端子30は、ばね性(弾力性)を有する導電性の部材であり、固定部31と、固定部32と、ばね部33と、第1支持部34と、第2支持部35とを有する。
【0036】
固定部31は、接続端子30の一端に形成されている。固定部31は、板状とされている。固定部31の厚さ(Z方向)は、例えば0.08〜0.1mm程度とすることができる。固定部31の横幅(Y方向)は、例えば0.3〜0.4mm程度とすることができる。固定部31の縦幅(X方向)は、例えば0.4〜0.5mm程度とすることができる。
【0037】
固定部32は、接続端子30の他端に形成され、固定部31と略対向するように配置されている。固定部32は、ばね部33、第1支持部34、及び第2支持部35を介して、固定部31と電気的に接続されている。固定部32は、当接部38と、突出部39とを有する。固定部32の厚さは、例えば0.08〜0.1mm程度とすることができる。固定部32の横幅(Y方向)は、例えば、0.2〜0.3mm程度とすることができる。なお、ばね部33、第1支持部34、及び第2支持部35を、接続端子30の湾曲部と称する場合がある。
【0038】
当接部38は、被接続物のパッドと当接する部分である。当接部38はラウンド形状とされており、接続端子30が押圧された際、主にZ方向に移動する。このように、当接部38をラウンド形状とすることにより、当接部38が押圧されて被接続物のパッドと当接する際、当接部38により被接続物のパッドが破損することを防止できる。
【0039】
又、当接部38は、Z方向に押圧された際、ばね部33の変形により、固定部32が固定部31に近づく方向(Z方向)に移動した状態で、被接続物のパッドと当接する。これにより、被接続物のパッドと固定部32とが当接した際、固定部32が、被接続物のパッドが形成された面と平行な方向に大きく移動することがなくなるため、被接続物のパッドを狭ピッチに配置できる。被接続物のパッドのピッチ(当接部38のピッチ)としては、例えば、0.4〜1.5mm程度とすることができる。
【0040】
突出部39は、一方の端部が第2支持部35と一体的に形成されており、他方の端部が当接部38と一体的に形成されている。突出部39は、第2支持部35から被接続物のパッドに向かう方向(固定部31から離間する方向)に突出している。
【0041】
被接続物のパッドと固定部32とが当接していない状態における固定部32の突出量D(第2支持部35と突出部39との接続部分を基準としたときの突出量)は、例えば、0.3mmとすることができる。
【0042】
ばね部33は、第1支持部34と第2支持部35との間に配置されており、第1支持部34及び第2支持部35と一体的に形成されている。ばね部33は、湾曲した形状(例えば、C字型)とされており、ばね性を有する。
【0043】
ばね部33は、固定部32がZ方向に押圧された際、固定部32を被接続物のパッドに向かう方向に反発させるためのものである。ばね部33の横幅(Y方向)及び厚さは、例えば、固定部32の横幅(Y方向)及び厚さと同じにすることができる。
【0044】
なお、本実施の形態に係る接続端子30は、実際には、第1支持部34、ばね部33、第2支持部35、及び固定部32が一体的にばねとして機能する。第1支持部34、ばね部33、第2支持部35、及び固定部32に対応する部分の接続端子30のばね定数は、例えば、0.6〜0.8N/mmとすることができる。
【0045】
第1支持部34は、ばね部33と固定部31との間に配置されている。第1支持部34の一方の端部は、ばね部33の一方の端部と一体的に形成されており、第1支持部34の他方の端部は、固定部31と一体的に形成されている。第1支持部34は、板状とされている。
【0046】
第1支持部34は、固定部31の下面を含む平面Eと、配線基板10Aと対向する側の第1支持部34の面34aとが成す角度θ
1が鋭角となるように形成されている。角度θ
1は、例えば、5〜15度とすることができる。
【0047】
このように、角度θ
1を鋭角にすることで、当接部38がZ方向に押圧された際のばね部33の変形による被接続物と第1支持部34との接触を防止することが可能となるため、接続端子30及び被接続物の破損を防止できる。第1支持部34の横幅(Y方向)及び厚さは、例えば、固定部32の横幅(Y方向)及び厚さと同じにすることができる。
【0048】
第2支持部35は、ばね部33と固定部32との間に配置されている。第2支持部35の一方の端部は、ばね部33の他方の端部と一体的に形成されており、第2支持部35の他方の端部は、固定部32の突出部39と一体的に形成されている。第2支持部35は、板状とされている。第2支持部35の横幅(Y方向)及び厚さは、例えば、固定部32の横幅(Y方向)及び厚さと同じにすることができる。
図3に示す状態(接続端子30の固定部32が押圧されていない状態)における接続端子30の高さHは、例えば、1.5〜2mm程度とすることができる。
【0049】
なお、本実施の形態では、複数の接続端子30が各々の湾曲部が外側を向くように配置されているが、この形態には限定されない。
【0050】
[第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法]
次に、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
図4〜
図6は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を例示する図である。
【0051】
まず、
図4(a)及び
図4(b)に示す工程では、パッド12b上に接合部21が形成された配線基板10Aを作製する。具体的には、
図4(a)に示す工程では、前述のような所謂ガラスエポキシ基板等を用いた絶縁層11を準備し、CO
2レーザを用いたレーザ加工法等により、絶縁層11を貫通する貫通孔11xを形成する。そして、絶縁層11の一方の面に配線層12、他方の面に配線層13、貫通孔11x内に配線層12と配線層13とを電気的に接続する貫通配線14を形成する。
【0052】
配線層12、配線層13、及び貫通配線14は、例えば、以下のようにして形成できる。まず、無電解めっき法等により、絶縁層11の一方の面及び他方の面並びに貫通孔11xの内壁面を連続的に被覆する銅等からなるシード層を形成し、シード層上に配線層12、配線層13、及び貫通配線14に対応する開口部を有するレジストを形成する。そして、シード層を給電層とする電解めっき法等により、開口部内のシード層上に銅等からなる導電層を形成し、レジストを除去後、導電層に覆われていない部分のシード層を除去する。これにより、各々がシード層及び導電層を含む配線層12、配線層13、及び貫通配線14が完成する。
【0053】
次に、絶縁層11の一方の面に配線層12を被覆するソルダーレジスト層15を、絶縁層11の他方の面に配線層13を被覆するソルダーレジスト層16を形成する。ソルダーレジスト層15は、例えば、液状又はペースト状の感光性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を、配線層12を被覆するように絶縁層11の一方の面にスクリーン印刷法、ロールコート法、又は、スピンコート法等で塗布することにより形成できる。
【0054】
同様に、ソルダーレジスト層16は、例えば、液状又はペースト状の感光性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂を、配線層13を被覆するように絶縁層11の他方の面に同様の方法で塗布することにより形成できる。或いは、液状又はペースト状の樹脂の塗布に代えて、例えば、フィルム状の感光性のエポキシ系樹脂等の絶縁性樹脂をラミネートしてもよい。
【0055】
そして、塗布又はラミネートした絶縁性樹脂を露光及び現像することでソルダーレジスト層15及び16に開口部15x、開口部15y、及び開口部16xを形成し、パッド12a、パッド12b、及びパッド13aを形成する(フォトリソグラフィ法)。そして、パッド12a上に接合部17を形成し、パッド12b上に接合部21を形成する。接合部17及び21は、この時点では、未硬化のはんだペースト等であり、例えば、印刷法等により形成できる。
【0056】
なお、開口部15x、開口部15y、及び開口部16xは、レーザ加工法やブラスト処理により形成してもよい。開口部15x、開口部15y、及び開口部16xの各々の平面形状は、例えば、円形状とすることができる。開口部15x、開口部15y、及び開口部16xの各々の直径は、接続対象に合わせて任意に設計できる。
【0057】
次に、
図4(b)に示す工程では、半導体チップ等の電子部品18を、パッド12a上に形成された接合部17を介して載置し、リフロー等により接合部17を溶融後硬化させて、電子部品18の電極(図示せず)とパッド12aとを接合する。パッド12b上の接合部21も接合部17と同時に溶融後硬化する。これにより、パッド12b上に接合部21が形成された配線基板10Aが完成する。
【0058】
次に、
図4(c)に示す工程では、接続端子30を配列する治具500を準備する。治具500には、接続端子30を挿入する溝500xが、
図1(b)の接続端子30に対応する位置に形成されている。溝500xの深さは、接続端子30の高さよりも浅く形成されている。そして、複数の接続端子30を作製し、各接続端子30の固定部32が各溝500xの底面側に位置し固定部31が溝500xから突出すると共に、湾曲部が治具500の外縁部側を向くように、溝500x内に接続端子30を挿入する。
【0059】
接続端子30は、例えば、以下のようにして作製できる。すなわち、図示していない金属板(例えば、Cu系合金)を準備する。そして、準備した金属板を所定の形状に打ち抜き加工する。この際、例えば、長尺状に打ち抜く。その後、打ち抜き加工された金属板の表面全体にNiめっき膜(例えば、厚さ1〜3μm)を形成する。そして、更に、固定部31及び当接部38に対応する部分に形成されたNiめっき膜に、Auめっき膜(例えば、厚さ0.3〜0.5μm)を積層形成(Auめっき膜を部分的に形成)する。その後、Niめっき膜及びAuめっき膜が形成された金属板を曲げ加工することで作製できる。
【0060】
上記金属板の材料となるCu系合金としては、例えば、リン青銅やベリリウム銅、コルソン系の銅合金等を用いることができる。なお、接続端子30は、図示していない金属板(例えば、Cu系合金)を所定の形状にエッチング加工した後、エッチング加工された金属板を曲げ加工することで形成してもよい。
【0061】
次に、
図5(a)に示す工程では、
図4(a)及び
図4(b)に示す工程で作製した、パッド12b上に接合部21が形成された配線基板10Aを、
図4(b)とは上下を反転させた状態で、溝500x内に接続端子30が挿入された治具500上に載置する。この際、各接合部21が各接続端子30の固定部31と対向する位置に来るようにアライメントし、配線基板10Aを治具500上に載置する。これにより、各接合部21は、各接続端子30の固定部31に当接する。
【0062】
次に、
図5(b)に示す工程では、リフロー等によりパッド12b上の接合部21を溶融後硬化させて、各接続端子30の固定部31とパッド12bとを接合する。その後、各パッド12bに接続端子30が接合された配線基板10Aを治具500から取り外す。なお、各接続端子30の固定部31とパッド12bとを接合する際に、隣接する接続端子30の間隔が設計値(例えば、1mm程度)に対して10μm程度ずれる場合があるが、コプレナー構造のインピーダンス調整値には殆ど影響がない。
【0063】
次に、
図6(a)に示す工程では、
図4(a)及び
図4(b)に示す工程と同様にして、パッド13a上に接合部22が形成され、かつ、電子部品18が搭載された配線基板10Bを作製する。接合部22は、この時点では、未硬化のはんだペースト等である。そして、各パッド12bに接続端子30が接合された配線基板10Aを
図5(b)とは上下を反転させた状態とし、その上にパッド13a上に接合部22が形成された配線基板10Bを載置する。
【0064】
この際、配線基板10Bの各接合部22が各接続端子30の固定部32と対向する位置に来るようにアライメントし、配線基板10Bを接続端子30を介して配線基板10A上に載置する。これにより、各接合部22は、各接続端子30の固定部32に当接する。なお、接続端子30は、配線基板10Bの重量により、やや圧縮された状態となる。
【0065】
次に、
図6(b)に示す工程では、リフロー等により配線基板10Bのパッド13a上の接合部22を溶融後硬化させて、各接続端子30の固定部32と配線基板10Bのパッド13aとを接合する。その後、配線基板10Aと配線基板10Bとの間に、例えば、トランスファーモールド等により樹脂を充填して樹脂部40を形成することにより、
図1に示す半導体装置1が完成する。
【0066】
ここで、比較例を示しながら、半導体装置1の有する特有の効果について説明する。
図7は、接続端子の配置を説明する平面図であり、
図7(a)は比較例に係る接続端子30Xを示し、
図7(b)は本実施の形態に係る接続端子30を示している。
【0067】
ここでは、比較例として、
図1に示す半導体装置1において、接続端子30を、はんだボール等からなる接続端子30Xに置換した場合を考える。この場合、
図7(a)に示すように、信号端子Sに隣接して接地端子Gが配される。接続端子30Xは球状であるため、信号端子Sと接地端子Gとの間隔(X方向)は、Y方向及びZ方向の位置により異なり一定とはならない。すなわち、信号端子Sと接地端子Gとの間隔(X方向)は最短でL
1、最長でL
2となり、Y方向及びZ方向の位置によりL
1からL
2の間で変化し一定とはならない。
【0068】
信号端子Sと接地端子Gとの間隔(距離)によりインピーダンスの調整が可能であるが、比較例に係る接続端子30Xのように信号端子Sと接地端子Gとの間隔が一定とならない場合には、インピーダンスの調整は困難である。従って、接続端子30Xの部分でインピーダンス不整合が生じ、高周波信号を伝送することが困難となる。なお、接続端子30Xとして、略球状の樹脂コアの周囲をはんだ材料で被覆した樹脂コアボールや、略球状の銅コアの周囲をはんだ材料で被覆した銅コアボール等を用いた場合にも同様の問題を生じる。
【0069】
一方、本実施の形態に係る接続端子30は、球状ではなく、平面形状が略矩形状である。そのため、
図7(b)に示すように、隣接する信号端子Sと接地端子Gでは、平面視において、信号端子Sと接地端子Gの対向する辺の間隔(X方向)が、Y方向及びZ方向の位置によらず一定(L
3)となる。その結果、信号端子Sと接地端子Gとの間隔(距離)により、容易にインピーダンスの調整が可能となる。
【0070】
つまり、接続端子30の部分でインピーダンス整合がとれるので、高周波信号を伝送することが可能となる。これにより、半導体装置1に搭載(内蔵)可能な電子部品の選択範囲が大きくなると共に、半導体装置1内における電子部品の配置の自由度を向上できる。
【0071】
例えば、数G〜数10GHzの高周波信号を伝送する場合、信号端子Sと接地端子Gとの間隔(距離)L
3を1mm程度とすることで、インピーダンスを50Ω程度に調整できる。但し、信号端子Sと接地端子Gが樹脂部40に封止されている場合には、樹脂部40を構成する樹脂材料の誘電率によりインピーダンスが変化するため、樹脂材料の誘電率を考慮して、信号端子Sと接地端子Gとの間隔(距離)を決定する必要がある。
【0072】
なお、本願において、間隔が一定とは、厳密に間隔が一定である場合のみならず、本願の所定の効果を損なわない範囲内で若干間隔が変動した場合も含むものとする。例えば、前述のように、各接続端子30の固定部31とパッド12bとを接合する際に、隣接する接続端子30の間隔が設計値(例えば、1mm程度)に対して10μm程度ずれる場合があるが、コプレナー構造のインピーダンス調整値には殆ど影響がない。つまり、隣接する接続端子30の間隔が10μm程度変動する場合も、『間隔が一定』に含まれる。
【0073】
又、はんだボール等からなる接続端子30Xを構成する材料(例えば、Pbを含む合金等のはんだ材料)は、高周波特性に優れていなく、高周波信号の伝送には不向きである。一方、接続端子30を構成するCu系合金(例えば、リン青銅やベリリウム銅、コルソン系の銅合金等)は高周波特性に優れており、この点においても、接続端子30を用いた伝送路は、高周波信号の伝送に好適である。
【0074】
このように、第1の実施の形態では、平面形状が略矩形状の複数の接続端子30を長手方向が同一方向を向くように配列し、一の接続端子30を信号端子Sに、一の接続端子30の両側の他の接続端子30を接地端子Gに割り当てる。これにより、信号端子Sが一定の間隔(距離)をあけて隣接する接地端子Gに挟まれたコプレナー構造を実現できる。その結果、信号端子Sと接地端子Gとの間隔(距離)を変えることにより、容易にインピーダンスの調整が可能となり、信号端子Sを介して高周波(例えば、数G〜数10GHz程度)の電流を供給できる。
【0075】
又、信号端子S間には必ず接地端子Gが配され、信号端子S同士が隣接しないため、信号端子S間にクロストークが発生することを抑制できる。
【0076】
又、樹脂部40に柔軟性を有する材料(例えば、シリコーン樹脂)を用いた場合には、配線基板10Aと配線基板10Bとの熱膨張係数の相違に起因して生じる熱応力を、ばね性を有する接続端子30が弾性変形することにより吸収可能となる。その結果、配線基板10Aと配線基板10Bとの間の接続信頼性を向上できる。
【0077】
〈第1の実施の形態の変形例1〉
第1の実施の形態の変形例1では、樹脂部を設けない半導体装置の例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例1において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0078】
図8は、第1の実施の形態の変形例1に係る半導体装置を例示する断面図である。
図8を参照するに、第1の実施の形態の変形例1に係る半導体装置1Aは、樹脂部40が設けられていない点が第1の実施の形態に係る半導体装置1(
図1参照)と相違する。
【0079】
このように、接続端子30を介して上下に隣接する配線基板間に樹脂を充填せずに中空としてもよい。この場合も、配線基板間の熱膨張係数の相違に起因して生じる熱応力を、ばね性を有する接続端子30が弾性変形することで吸収できる。
【0080】
〈第1の実施の形態の変形例2〉
第1の実施の形態の変形例2では、接続端子の向きを変えた半導体装置の例を示す。なお、第1の実施の形態の変形例2において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0081】
図9は、第1の実施の形態の変形例2に係る半導体装置を例示する断面図である。
図9を参照するに、第1の実施の形態の変形例2に係る半導体装置1Bは、複数の接続端子30が各々の湾曲部が内側を向くように配置された点が第1の実施の形態に係る半導体装置1(
図1参照)と相違する。
【0082】
このように、複数の接続端子30が各々の湾曲部が内側を向くように配置しても、複数の接続端子30が各々の湾曲部が外側を向くように配置した第1の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0083】
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態では、接続端子を複数層に設けた半導体装置の例を示す。なお、第2の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0084】
図10は、第2の実施の形態に係る半導体装置を例示する断面図である。
図10を参照するに、第2の実施の形態に係る半導体装置1Cは、配線基板10Aと、配線基板10Cと、配線基板10Dと、接合部21及び22と、接続端子30A及び30Bと、樹脂部40とを有する。
【0085】
半導体装置1Cにおいて、配線基板10C上に、接続端子30Aを介して、配線基板10Aが積層されている。更に、配線基板10A上に、接続端子30Bを介して、配線基板10Dが積層されている。配線基板10Cと配線基板10Aとの間、及び、配線基板10Aと配線基板10Dとの間には、樹脂部40が設けられている。なお、接続端子30Aと接続端子30Bは、便宜上、別符号としているが、何れも既に説明した接続端子30と同一部品である。
【0086】
配線基板10Cは、絶縁層11がエポキシ系樹脂等を主成分とする3層の絶縁層61に置換され、絶縁層61の中央の層に二次電池62が内蔵され、二次電池62のパッドと配線層12が貫通配線63で接続された点が配線基板10Aと相違する。二次電池62としては、例えば、リチウム系電池等を内蔵することができる。
【0087】
又、配線基板10Cは、ソルダーレジスト層16の開口部16y内に配線層13と接続される発電装置64が実装された点、及び、電子部品18が半導体チップ68に置換された点が配線基板10Aと相違する。発電装置64としては、例えば、光発電装置、熱電発電装置、振動発電装置等を実装することができる。
【0088】
配線基板10Cは、複数の接続端子30Aを介して、配線基板10Aと電気的に接続されている。具体的には、各接続端子30Aの固定部31は、接合部21を介して配線基板10Cのパッド12bに接合されている。又、各接続端子30Aの固定部32は、接合部22を介して配線基板10Aのパッド13aに接合されている。
【0089】
配線基板10Dは、配線層12がアンテナ52aと配線52bを含む配線層52に置換された点、及び、電子部品18がセンサ58に置換された点が配線基板10Aと相違する。センサ58としては、例えば、気温センサや照度センサ等の各種センサを搭載することができる。
【0090】
配線基板10Dは、複数の接続端子30Bを介して、配線基板10Aと電気的に接続されている。具体的には、各接続端子30Bの固定部31は、接合部21を介して配線基板10Aのパッド12bに接合されている。又、各接続端子30Bの固定部32は、接合部22を介して配線基板10Dのパッド13aに接合されている。
【0091】
半導体装置1Cは、センサ58で検出した気温や照度等の各種データを、アンテナ52aを用いて無線でホストに送信するセンサモジュールである。半導体装置1Cにおいて、電子部品18は半導体チップであり、例えば、無線用のRFICやCPUとしての機能を有する。又、半導体装置1Cにおいて、半導体チップ68は、例えば、二次電池62及び発電装置64を管理する電源管理用ICとしての機能を有する。
【0092】
半導体装置1Cには二次電池62及び発電装置64が組み込まれている。そのため、発電装置64で発電した電力を二次電池62に蓄電し、二次電池62に蓄電された電力を半導体チップである電子部品18や半導体チップ68等に供給することにより、自立的に作動することができる。
【0093】
配線基板10Cに内蔵されている二次電池62は内部に電解質を有し、二次電池62が充放電する際に電解質が膨張したり収縮したりする。二次電池62の熱膨張係数は、各配線基板を構成する絶縁層や配線層等の材料の熱膨張係数と大きく異なるため、配線基板10C全体の熱膨張係数も配線基板10A全体の熱膨張係数と異なる。
【0094】
従って、二次電池62の充放電にともない配線基板10Cが膨張や収縮すると、配線基板10Cと配線基板10Aを接続する部分に大きな熱応力がかかる。仮に、配線基板10Cと配線基板10Aを接続する部分が、はんだバンプ等であるとすると、はんだバンプ等に大きな熱応力がかかり、はんだバンプ等にクラックや断線が生じる。
【0095】
しかしながら、本実施の形態では、配線基板10Cと配線基板10Aを接続する部分は、はんだバンプ等ではなく、ばね性を有する接続端子30Aである。そのため、配線基板10Cと配線基板10Aの熱膨張係数の相違に起因して生じる熱応力を接続端子30Aで吸収することができる。その結果、配線基板10Cと配線基板10Aとの接続信頼性を向上可能となる。
【0096】
このように、第2の実施の形態では、第1の実施の形態において奏する効果に加えて以下の効果を奏する。すなわち、第2の実施の形態に係る半導体装置は、動作にともなって膨張や収縮する電子部品を内蔵する配線基板を含むため、配線基板間の熱膨張係数が相違する。このような場合であっても、配線基板の材料が異なるために配線基板間の熱膨張係数が相違する場合と同様に、配線基板間の熱膨張係数の相違に起因して生じる熱応力を、ばね性を有する接続端子が弾性変形することにより吸収可能となる。その結果、配線基板間の接続信頼性を向上できる。但し、樹脂部40に柔軟性を有する材料(例えば、シリコーン樹脂)を用いる必要がある。
【0097】
〈第3の実施の形態〉
第3の実施の形態では、第1の実施の形態とは異なる接続端子を設けた半導体装置の例を示す。なお、第3の実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部品についての説明は省略する。
【0098】
図11は、第3の実施の形態に係る半導体装置を例示する断面図である。
図12は、第3の実施の形態に係る接続端子を例示する図であり、
図12(a)が断面図、
図12(b)が平面図である。なお、
図12は、
図11に示すように湾曲させる前の接続端子の形状を示している。
【0099】
図11及び
図12を参照するに、第3の実施の形態に係る半導体装置1Dは、接続端子30が接続端子80に置換された点が第1の実施の形態に係る半導体装置1(
図1参照)と相違する。
【0100】
複数の接続端子80は、絶縁フィルム90上に並設されており、柔軟性を有するフレキシブル基板100を構成している。接続端子80は、第1パッド81と、第2パッド82と、第1パッド81と第2パッド82とを接続する配線パターン83とを有する。第1パッド81、第2パッド82、及び配線パターン83は、一体に形成できる。
【0101】
図12(b)に示すように、複数の配線パターン83は絶縁フィルム90上に略同一幅で略平行に配置されている。つまり、平面視において、各配線パターン83の形状は略矩形状(細長状)であり、隣接する配線パターン83は互いの長辺が対向するように配置されている。又、隣接する配線パターン83は、平面視において、対向する辺の間隔が一定となるように配置されている。これにより、接続端子80(配線パターン83)は、接続端子30と同様にコプレナー構造を実現できる。
【0102】
接続端子80のピッチ(配線パターン83のピッチ)は、例えば、0.4〜1.5mm程度とすることができる。なお、接続端子80の配線パターン83を被覆するソルダーレジスト層を設けてもよい。この場合、接続端子80の第1パッド81及び第2パッド82のみがソルダーレジスト層から露出する。
【0103】
フレキシブル基板100は、絶縁フィルム90上に並設された複数の接続端子80が、絶縁フィルム90を内側にして略C字形状に湾曲された状態で、配線基板10Aと配線基板10Bとの間に配置されている。そして、接続端子80の第1パッド81は、接合部21を介して配線基板10Aのパッド12bに接合されている。又、接続端子80の第2パッド82は、接合部22を介して配線基板10Bのパッド13aに接合されている。このように、接続端子80の第1パッド81が接続端子30の固定部31に相当し、接続端子80の第2パッド82が接続端子30の固定部32に相当する。
【0104】
フレキシブル基板100において、接続端子80としては、例えば、銅箔等の金属箔を用いることができる。接続端子80の厚さは、例えば、18〜35μm程度とすることができる。接続端子80の第1パッド81及び第2パッド82、或いは接続端子80の全体に金めっき等を施してもよい。絶縁フィルム90としては、例えば、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂等の絶縁性樹脂を用いることができる。絶縁フィルム90の厚さは、例えば、50〜125μm程度とすることができる。
【0105】
フレキシブル基板100を製造するには、例えば、上記絶縁性樹脂からなる絶縁フィルム90を準備し、絶縁フィルム90上に銅箔等の金属箔を接着する。そして、サブトラクティブ法等により金属箔をパターニングして接続端子80を形成する。必要に応じ、接続端子80を選択的に被覆するソルダーレジスト層を形成する。これにより、柔軟性を有するフレキシブル基板100が完成する。
【0106】
このように、金属からなる複数の接続端子30に代えて、複数の接続端子80が並設されたフレキシブル基板100を設けてもよい。この場合にも、第1の実施の形態と同様に、平面形状が略矩形状の複数の接続端子80(配線パターン83)を長手方向が同一方向を向くように配列し、一の接続端子80(配線パターン83)を信号端子Sに割り当てることができる。又、一の接続端子80(配線パターン83)の両側の他の接続端子80(配線パターン83)を接地端子Gに割り当てることができる。従って、高周波に関して第1の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0107】
又、樹脂部40に柔軟性を有する材料を用いた場合には、配線基板10Aと配線基板10Bとの熱膨張係数の相違に起因して生じる熱応力を、柔軟性を有するフレキシブル基板100(接続端子80及び絶縁フィルム90)が弾性変形することで吸収可能となる。その結果、配線基板10Aと配線基板10Bとの間の接続信頼性を向上できる。
【0108】
以上、好ましい実施の形態及びその変形例について詳説したが、上述した実施の形態及びその変形例に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態及びその変形例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0109】
例えば、上記実施の形態では、接続端子を電子部品の周囲(電子部品の4辺に対応する位置)に配置する例を示したが、接続端子は、例えば、電子部品の対向する2辺に対応する位置等に配置してもよい。
【0110】
又、上記実施の形態では、湾曲部を有する接続端子の例を示したが、例えば、湾曲部に代えて鋭角の屈曲部を有する接続端子(くの字型の接続端子)等を用いてもよい。
【0111】
又、上記実施の形態では、接続端子の両端の固定部を対応するパッドにはんだ等で接合する例を示したが、何れか一方の固定部のみを対応するパッドにはんだ等で接合し、他方は対応するパッドに固定せずに当接させるようにしてもよい。但し、この場合には、接続端子を介して上下に隣接する配線基板間を位置決め及び保持する部材(例えば、枠状部材等)が別途必要となる。
【0112】
又、各実施の形態や変形例は、適宜組み合わせることができる。例えば、第2の実施の形態や第3の実施の形態において、接続端子を介して上下に隣接する配線基板間に樹脂を充填せずに中空としてもよい。又、第2の実施の形態や第3の実施の形態において、複数の接続端子を各々の湾曲部が内側を向くように配置してもよい。