(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被処理体を出し入れ可能に収容する真空排気可能な処理容器内で処理ガスの高周波放電によるプラズマを生成し、前記プラズマの下で前記処理容器内の前記被処理体に所望の処理を施すプラズマ処理装置であって、
第1の高周波を出力する第1の高周波電源と、
前記第1の高周波電源より出力される前記第1の高周波を前記処理容器の中または周囲に配置される第1の電極まで伝送するための第1の高周波給電ラインと、
前記第1の高周波給電ライン上に設けられる第1の可変リアクタンス素子および第1のインピーダンスセンサを有し、前記第1のインピーダンスセンサより出力される第1の負荷インピーダンス測定値が前記第1の高周波電源の出力インピーダンスに対応する第1の整合ポイントに一致または近似するように前記第1の可変リアクタンス素子のリアクタンスを可変に制御する第1の整合部と、
前記第1の高周波のパワーがオン状態または第1のレベルになる第1の期間とオフ状態または前記第1のレベルよりも低い第2のレベルになる第2の期間とを一定の周波数で交互に繰り返すように、前記第1の高周波電源の出力を第1のパルスで変調する第1の高周波パワー変調部と、
第2の高周波を出力する第2の高周波電源と、
前記第2の高周波電源より出力される前記第2の高周波を前記第1の電極または前記処理容器の中または周囲に配置される第2の電極まで伝送するための第2の高周波給電ラインと、
前記第2の高周波給電ライン上に設けられる第2の可変リアクタンス素子および第2のインピーダンスセンサを有し、前記第2のインピーダンスセンサより出力される第2の負荷インピーダンス測定値が前記第2の高周波電源の出力インピーダンスに対応する第2の整合ポイントに一致または近似するように前記第2の可変リアクタンス素子のリアクタンスを可変に制御する第2の整合部と、
前記第2の高周波のパワーがオン状態または第3のレベルになる第3期間とオフ状態または前記第3のレベルよりも低い第4のレベルになる第4の期間とを前記第1のパルスの周波数よりも低い一定の周波数で交互に繰り返すように、前記第2の高周波電源の出力を第2のパルスで変調する第2の高周波パワー変調部と
を具備し、
前記第1のインピーダンスセンサが、前記第2のパルスの1サイクルを基本サイクルとして負荷インピーダンスの平均値を演算し、その負荷インピーダンスの平均値に基づく前記第1の負荷インピーダンス測定値を出力し、
前記第2のインピーダンスセンサが、前記第2のパルスの1サイクルを基本サイクルとして負荷インピーダンスの平均値を演算し、その負荷インピーダンスの平均値に基づく前記第2の負荷インピーダンス測定値を出力する、
プラズマ処理装置。
前記第1の高周波パワー変調部において設定される前記第1の期間のデューティ比が第1の上限基準値以上である場合は、前記第1のモニタ時間が前記第1のパルスの1サイクル内で前記第1の期間のみに設定され、
前記デューティ比が前記第1の上限基準値より低い第1の下限基準値以下である場合は、前記第1のモニタ時間が前記第1のパルスの1サイクル内で前記第2の期間のみに設定され、
前記デューティ比が前記第1の下限基準値と前記第1の上限基準値との間にある場合は、前記第1のモニタ時間が前記第1のパルスの1サイクル内で前記第1および第2の期間の両方に設定される、
請求項2または請求項3に記載のプラズマ処理装置。
前記第2の高周波パワー変調部において設定される前記第3の期間のデューティ比が第2の上限基準値以上である場合は、前記第2のモニタ時間が前記第2のパルスの1サイクル内で前記第3の期間のみに設定され、
前記デューティ比が前記第2の上限基準値より低い第2の下限基準値以下である場合は、前記第2のモニタ時間が前記第2のパルスの1サイクル内で前記第4の期間のみに設定され、
前記デューティ比が前記第2の下限基準値と前記第2の上限基準値との間にある場合は、前記第2のモニタ時間が前記第2のパルスの1サイクル内で前記第3および第4の期間の両方に設定される、
請求項6または請求項7に記載のプラズマ処理装置。
被処理体を出し可能に収容する真空排気可能な処理容器内に相対向して設けられた第1および第2の電極間で処理ガスの高周波放電によるプラズマを生成し、前記プラズマの下で前記第1の電極上に保持される前記被処理体に所望の処理を施すプラズマ処理装置であって、
前記プラズマを生成するのに適した周波数を有する第1の高周波を出力する第1の高周波電源と、
前記第1の高周波電源より出力される前記第1の高周波を前記第1の電極または前記第2の電極のいずれか一方まで伝送するための第1の高周波給電ラインと、
前記第1の高周波給電ライン上に設けられる第1の可変リアクタンス素子および第1のインピーダンスセンサを有し、前記第1のインピーダンスセンサより出力される第1の負荷インピーダンス測定値が前記第1の高周波電源の出力インピーダンスに対応する第1の整合ポイントに一致または近似するように前記第1の可変リアクタンス素子のリアクタンスを可変に制御する第1の整合部と、
前記第1の高周波のパワーがオン状態または第1のレベルになる期間とオフ状態または前記第1のレベルよりも低い第2のレベルになる期間とを一定の周波数で交互に繰り返すように、前記第1の高周波電源の出力を第1のパルスで変調する第1の高周波パワー変調部と、
前記プラズマから前記第1の電極上の前記被処理体にイオンを引き込むのに適した周波数を有する第2の高周波を出力する第2の高周波電源と、
前記第2の高周波電源より出力される前記第2の高周波を前記第1の電極まで伝送するための第2の高周波給電ラインと、
前記第2の高周波給電ライン上に設けられる第2の可変リアクタンス素子および第2のインピーダンスセンサを有し、前記第2のインピーダンスセンサより出力される第2の負荷インピーダンス測定値が前記第2の高周波電源の出力インピーダンスに対応する第2の整合ポイントに一致または近似するように前記第2の可変リアクタンス素子のリアクタンスを可変に制御する第2の整合部と、
前記第2の高周波のパワーがオン状態または第3のレベルになる第3期間とオフ状態または前記第3のレベルよりも低い第4のレベルになる第4の期間とを前記第1のパルスの周波数とは異なる独立した一定の周波数で交互に繰り返すように、前記第2の高周波電源の出力を第2のパルスで変調する第2の高周波パワー変調部と
を有し、
前記第1のパルスの周波数が前記第2のパルスの周波数より高い場合は、前記第1のインピーダンスセンサが、前記第2のパルスの1サイクルを基本サイクルとして負荷インピーダンスの平均値を演算し、その負荷インピーダンスの平均値に基づいて前記第1の負荷インピーダンス測定値を出力するとともに、前記第2のインピーダンスセンサが、前記第2のパルスの1サイクルを基本サイクルとして負荷インピーダンスの平均値を演算し、その負荷インピーダンスの平均値に基づいて前記第2の負荷インピーダンス測定値を出力し、
前記第1のパルスの周波数が前記第2のパルスの周波数より低い場合は、前記第1のインピーダンスセンサが、前記第1のパルスの1サイクルを基本サイクルとして負荷インピーダンスの平均値を演算し、その負荷インピーダンスの平均値に基づいて前記第1の負荷インピーダンス測定値を出力するとともに、前記第2のインピーダンスセンサが、前記第1のパルスの1サイクルを基本サイクルとして負荷インピーダンスの平均値を演算し、その負荷インピーダンスの平均値に基づいて前記第2の負荷インピーダンス測定値を出力する、
プラズマ処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。
[プラズマ処理装置の構成]
【0022】
図1に、本発明の一実施形態におけるプラズマ処理装置の構成を示す。このプラズマ処理装置は、下部2高周波重畳印加方式の容量結合型(平行平板型)プラズマエッチング装置として構成されており、たとえば表面がアルマイト処理(陽極酸化処理)されたアルミニウムからなる円筒形の真空チャンバ(処理容器)10を有している。チャンバ10は接地されている。
【0023】
チャンバ10の底部には、セラミックなどの絶縁板12を介して円柱状のサセプタ支持台14が配置され、このサセプタ支持台14の上にたとえばアルミニウムからなるサセプタ16が設けられている。サセプタ16は下部電極を構成し、この上に被処理体としてたとえば半導体ウエハWが載置される。
【0024】
サセプタ16の上面には半導体ウエハWを保持するための静電チャック18が設けられている。この静電チャック18は導電膜からなる電極20を一対の絶縁層または絶縁シートの間に挟み込んだものであり、電極20にはスイッチ22を介して直流電源24が電気的に接続されている。直流電源24からの直流電圧により、半導体ウエハWを静電吸着力で静電チャック18に保持できるようになっている。静電チャック18の周囲でサセプタ16の上面には、エッチングの均一性を向上させるためのたとえばシリコンからなるフォーカスリング26が配置されている。サセプタ16およびサセプタ支持台14の側面にはたとえば石英からなる円筒状の内壁部材28が貼り付けられている。
【0025】
サセプタ支持台14の内部には、たとえば円周方向に延びる冷媒室30が設けられている。この冷媒室30には、外付けのチラーユニット(図示せず)より配管32a,32bを介して所定温度の冷媒たとえば冷却水cwが循環供給される。冷媒の温度によってサセプタ16上の半導体ウエハWの処理温度を制御できるようになっている。さらに、伝熱ガス供給機構(図示せず)からの伝熱ガスたとえばHeガスが、ガス供給ライン34を介して静電チャック18の上面と半導体ウエハWの裏面との間に供給される。
【0026】
サセプタ16には、高周波電源36,38がそれぞれ整合器40,42および共通の給電導体(たとえば給電棒)44を介して電気的に接続されている。一方の高周波電源36は、プラズマの生成に適した一定の周波数f
RF1(たとえば100MHz)の高周波RF
1を出力する。他方の高周波電源38は、プラズマからサセプタ16上の半導体ウエハWへのイオンの引き込みに適した一定の周波数f
RF2(たとえば13.56MHz)の高周波RF
2を出力する。
【0027】
このように、整合器40および給電棒44は、高周波電源36よりプラズマ生成用の高周波RF
1をサセプタ16まで伝送する高周波給電ライン(高周波伝送路)43の一部を構成する。一方、整合器42および給電棒44は、高周波電源38よりイオン引き込み用の高周波RF
2をサセプタ16まで伝送する高周波給電ライン(高周波伝送路)45の一部を構成している。
【0028】
チャンバ10の天井には、サセプタ16と平行に向かいあって接地電位の上部電極46が設けられている。この上部電極46は、多数のガス噴出孔48aを有するたとえばSi、SiCなどのシリコン含有材質からなる電極板48と、この電極板48を着脱可能に支持する導電材料たとえば表面がアルマイト処理されたアルミニウムからなる電極支持体50とで構成されている。この上部電極46とサセプタ16との間にプラズマ生成空間または処理空間PAが形成されている。
【0029】
電極支持体50は、その内部にガスバッファ室52を有するとともに、その下面にガスバッファ室52から電極板48のガス噴出孔48aに連通する多数のガス通気孔50aを有している。ガスバッファ室52にはガス供給管54を介して処理ガス供給源56が接続されている。処理ガス供給源56には、マスフローコントローラ(MFC)58および開閉バルブ60が設けられている。処理ガス供給源56より所定の処理ガス(エッチングガス)がガスバッファ室52に導入されると、電極板48のガス噴出孔48aよりサセプタ16上の半導体ウエハWに向けて処理空間PAに処理ガスがシャワー状に噴出されるようになっている。このように、上部電極46は、処理空間PAに処理ガスを供給するためのシャワーヘッドを兼ねている。
【0030】
また、電極支持体50の内部には冷媒たとえば冷却水を流す通路(図示せず)も設けられており、外部のチラーユニットにより冷媒を介して上部電極46の全体、特に電極板48を所定温度に温調するようになっている。さらに、上部電極46に対する温度制御をより安定化させるために、電極支持体50の内部または上面にたとえば抵抗発熱素子からなるヒータ(図示せず)を取り付ける構成も可能である。
【0031】
サセプタ16およびサセプタ支持台14とチャンバ10の側壁との間に形成される環状の空間は排気空間となっており、この排気空間の底にはチャンバ10の排気口62が設けられている。この排気口62に排気管64を介して排気装置66が接続されている。排気装置66は、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており、チャンバ10の室内、特に処理空間PAを所望の真空度まで減圧できるようになっている。また、チャンバ10の側壁には半導体ウエハWの搬入出口68を開閉するゲートバルブ70が取り付けられている。
【0032】
主制御部72は、1つまたは複数のマイクロコンピュータを含み、外部メモリまたは内部メモリに格納されるソフトウェア(プログラム)およびレシピ情報にしたがって、装置内の各部、特に高周波電源36,38、整合器40,42、MFC58、開閉バルブ60、排気装置66等の個々の動作および装置全体の動作(シーケンス)を制御する。
【0033】
また、主制御部72は、キーボード等の入力装置や液晶ディスプレイ等の表示装置を含むマン・マシン・インタフェース用の操作パネル(図示せず)および各種プログラムやレシピ、設定値等の各種データを格納または蓄積する外部記憶装置(図示せず)等とも接続されている。この実施形態では、主制御部72が1つの制御ユニットとして示されているが、複数の制御ユニットが主制御部72の機能を並列的または階層的に分担する形態を採ってもよい。
【0034】
この容量結合型プラズマエッチング装置における枚葉ドライエッチングの基本動作は次のようにして行われる。先ず、ゲートバルブ70を開状態にして加工対象の半導体ウエハWをチャンバ10内に搬入して、静電チャック18の上に載置する。そして、処理ガス供給源56より処理ガスつまりエッチングガス(一般に混合ガス)を所定の流量および流量比でチャンバ10内に導入し、排気装置66による真空排気でチャンバ10内の圧力を設定値にする。さらに、高周波電源36,38よりそれぞれ所定のパワーでプラズマ生成用の高周波RF
1(100MHz)およびイオン引き込み用の高周波RF
2(13.56MHz)を重畳してサセプタ16に印加する。また、直流電源24より直流電圧を静電チャック18の電極20に印加して、半導体ウエハWを静電チャック18上に固定する。上部電極46のシャワーヘッドより吐出されたエッチングガスは両電極46,16間の高周波電界の下で放電し、処理空間PA内にプラズマが生成される。このプラズマに含まれるラジカルやイオンによって半導体ウエハWの主面の被加工膜がエッチングされる。
【0035】
この容量結合型プラズマエッチング装置においては、たとえば上述したようなチャージングダメージ対策として、高周波電源36より出力されるプラズマ生成用の高周波RF
1のパワーを、たとえば1kHz〜100kHzの範囲内で選ばれる一定の周波数f
S1および可変のデューティ比D
S1を有する第1パルスPS
1で変調する第1のパワー変調方式を所与のエッチングプロセスに用いることができる。また、たとえば上述したようなマイクロローディング効果対策として、高周波電源38より出力されるイオン引き込み用の高周波RF
2のパワーを、たとえば100Hz〜50kHzの範囲内で選ばれる一定の周波数f
S2および可変のデューティ比D
S2を有する第2パルスPS
2で変調する第2のパワー変調方式を同一または別個のエッチングプロセスに用いることも可能となっている。
【0036】
主制御部72は、上記ドライエッチングのプラズマプロセスにおいて第1のパワー変調方式を用いる場合は、第1パルスPS
1の周波数f
S1およびデューティ比D
S1を指示する独立した制御信号を高周波電源36に与える。高周波電源36は、
図2Aに示すように、第1パルスPS
1に同期してプラズマ生成用高周波RF
1のパワーをオン・オフする。ここで、第1パルスPS
1の周期、オン期間(第1または第3の期間)、オフ期間(第2または第4の期間)をそれぞれT
C1,T
on1,T
off1とすると、T
C1=1/f
S1,T
C1=T
on1+T
off1,D
S1=T
on1/(T
on1+T
off1)の関係式が成立する。
【0037】
一方で、主制御部72は、上記ドライエッチングのプラズマプロセスにおいて第2のパワー変調方式を用いる場合は、第2パルスPS
2の周波数f
S2およびデューティ比D
S2を指示する独立した制御信号を高周波電源38に与える。高周波電源38は、
図2Bに示すように、第2パルスPS
2に同期してイオン引き込み用高周波RF
2のパワーをオン・オフする。ここで、第2パルスPS
2の周期、オン期間(第1または第3の期間)、オフ期間(第2または第4の期間)をそれぞれT
C2,T
on2,T
off2とすると、T
C2=1/f
S2,T
C2=T
on2+T
off2,D
S2=T
on2/(T
on2+T
off2)の関係式が成立する。
[プラズマ生成系の高周波電源及び整合器の構成]
【0038】
図3に、この実施形態におけるプラズマ生成系の高周波電源36および整合器40の構成を示す。
【0039】
高周波電源36は、プラズマ生成用の一定周波数(たとえば100MHz)の正弦波を発生する発振器80Aと、この発振器80Aより出力される正弦波のパワーを制御可能な利得または増幅率で増幅するパワーアンプ82Aと、主制御部72からの制御信号にしたがって発振器80Aおよびパワーアンプ82Aを直接制御する電源制御部84Aとを備えている。主制御部72から電源制御部84Aには、上記変調制御パルス信号PS
1だけでなく、通常の電源オン・オフやパワーインターロック関係等の制御信号およびパワー設定値等のデータも与えられる。主制御部72と電源制御部84Aは、高周波RF
1系のパワー変調部を構成する。
【0040】
高周波電源36のユニット内には、RFパワーモニタ86Aも備わっている。このRFパワーモニタ86Aは、図示省略するが、方向性結合器、進行波パワーモニタ部および反射波パワーモニタ部を有している。ここで、方向性結合器は、高周波給電ライン43上を順方向に伝搬するRFパワー(進行波)と逆方向に伝搬するRFパワー(反射波)のそれぞれに対応する信号を取り出す。進行波パワーモニタ部は、方向性結合器により取り出された進行波パワー検出信号を基に、高周波給電ライン43上の進行波に含まれる基本波進行波(100MHz)のパワーを表わす信号を生成する。この信号つまり基本波進行波パワー測定値信号は、パワーフィードバック制御用に高周波電源36内の電源制御部84Aに与えられるとともに、モニタ表示用に主制御部72にも与えられる。反射波パワーモニタ部は、チャンバ10内のプラズマから高周波電源36に返ってくる反射波に含まれる基本波反射波(100MHz)のパワーを測定するとともに、チャンバ10内のプラズマから高周波電源36に返ってくる反射波に含まれる全ての反射波スペクトルのトータルのパワーを測定する。反射波パワーモニタ部により得られる基本波反射波パワー測定値はモニタ表示用に主制御部72に与えられ、トータル反射波パワー測定値はパワーアンプ保護用のモニタ値として高周波電源36内の電源制御部84Aに与えられる。
【0041】
整合器40は、高周波給電ライン43に接続されている複数たとえば2つの制御可能なリアクタンス素子(たとえば可変コンデンサあるいは可変インダクタ)X
H1,X
H2を含む整合回路88Aと、リアクタンス素子X
H1,X
H2のリアクタンスをアクチエータたとえばモータ(M)90A,92Aを介して制御するマッチングコントローラ94Aと、高周波給電ライン43上で整合回路88Aのインピーダンスを含む負荷側のインピーダンスを測定するインピーダンスセンサ96Aとを有している。
【0042】
図4に、インピーダンスセンサ96A内の構成を示す。このインピーダンスセンサ96Aは、電圧センサ系のRF電圧検出器100A、電圧検知信号生成回路102A、サイクル平均値演算回路104Aおよび移動平均値演算部106Aと、電流センサ系のRF電流検出器108A、電流検知信号生成回路110A、サイクル平均値演算回路112Aおよび上記移動平均値演算部106Aと、負荷インピーダンス演算回路114Aとを有している。
【0043】
電圧センサ系において、RF電圧検出器100Aは高周波給電ライン43上で高周波RF
1の電圧を検出する。電圧検知信号生成回路102Aは、たとえばスーパーヘテロダイン方式のフィルタ回路を有し、RF電圧検出器100Aからの高周波電圧検出信号をアナログのフィルタリング処理にかけて、高周波RF
1に対応する電圧検知信号を生成する。
【0044】
サイクル平均値演算回路104Aは、第1のパワー変調方式のパワー変調に同期して動作し、第1パルスPS
1の1サイクル内に設定される所定のモニタ時間T
H中に電圧検知信号生成回路102Aからの電圧検知信号を所定の周波数でサンプリングして1サイクル分の平均値を演算する。この構成例では、電圧検知信号生成回路102Aからのアナログの電圧検知信号をサイクル平均値演算回路104Aにおいてディジタル信号に変換する。主制御部72(
図1)は、サンプリング用のクロックACK
1と、高周波RF
1系のモニタ時間T
Hを指示するRF
1モニタ信号ASとをサイクル平均値演算回路104Aに与える。サイクル平均値演算回路104Aは、数10MHz以上のサンプリングクロックACK
1に同期して高速かつ多量の信号処理を要求されるため、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)を好適に用いることができる。
【0045】
電流センサ系において、RF電流検出器108Aは、高周波給電ライン43上で高周波RF
1の電流を検出する。電流検知信号生成回路110Aは、上述した電圧検知信号生成回路102Aと同様の構成および機能を有し、高周波RF
1の電流について電流検知信号を生成する。サイクル平均値演算回路112Aは、上述した電圧センサ系のサイクル平均値演算回路104Aと同様の構成および機能を有し、第1パルスPS
1の1サイクル内のモニタ時間T
H中に電流検知信号生成回路110Aからの電流検知信号を所定の周波数でサンプリングして1サイクル分の平均値を演算する。
【0046】
移動平均値演算部106Aは、好適にはCPUで構成され、所与のエッチングプロセスにおいて第1および第2のパルス変調方式が同時使用される場合は、後述するように、第1および第2パルスPS
1,PS
2の周波数f
S1,f
S2の大小関係に応じて移動平均値演算のモードを切り換えるようになっている。
【0047】
図5に移動平均値演算部106Aの一構成例を示す。電圧センサ系および電流センサ系のいずれにおいても、同じ構成の前置移動平均値演算回路120A,122A、切換回路124A,126Aおよび主移動平均値演算回路128A,130Aが設けられている。
【0048】
ここで、前置移動平均値演算回路120A,122Aは、両高周波RF
1,RF
2のパワーにそれぞれ第1および第2パルスPS
1,PS
2によるパルス変調が同時にかけられる場合であって、第1パルスPS
1の周波数f
S1が第2パルスPS
2の周波数f
S2よりも高いときに動作する。すなわち、前置移動平均値演算回路120A,122Aは、周波数が高い方の第1パルスPS
1でパルス変調をかけられている高周波RF
1側の整合器40が、周波数が低い方の第2パルスPS
2に同期した(高周波RF
2のパワーのオン・オフによって生じる)プラズマインピーダンスの周期的な変動をキャンセルするために設けられている。
【0049】
一方、主移動平均値演算回路128A,130Aは、プラズマ生成用の高周波RF
1のパワーに第1パルスPS
1のパルス変調がかけられる場合は、常に動作する。すなわち、主移動平均値演算回路128A,130Aは、第1パルスPS
1のサイクル毎にインピーダンス測定の平均値演算を行うサイクル平均値演算回路104A,112Aの動作速度(速い速度)と整合器40内で可変リアクタンス素子X
H1,X
H2を可変に制御する動作速度(遅い速度)とをインタフェースするために設けられている。
【0050】
より詳しくは、両高周波RF
1,RF
2のパワーが同時にパルス変調をかけられる場合であって、第1パルスPS
1の周波数f
S1が第2パルスPS
2の周波数f
S2よりも高い場合(f
S1>f
S2の場合)は、移動平均値演算部106Aが第1の移動平均値演算モードに切り換わり、前置移動平均値演算回路120A,122Aがアクティブ状態で動作する。この場合は、主制御部72(
図1)より、周波数が低い方の第2パルスPS
2の1サイクルに相当する移動区間を指示する制御信号AJ
2と、周波数が高い方の第1パルスPS
1のAN
1サイクル(AN
1は2以上かつf
S1/f
S2以下の任意の整数)に相当する任意の移動ピッチを規定するサンプリング用のクロックACK
2とが前置移動平均値演算回路120A,122Aに与えられる。また、切換回路124A,126Aは、主制御部72からの切換制御信号AGに応じて、前置移動平均値演算回路120A,122Aの出力を後段の主移動平均値演算回路128A,130Aに転送するように切り換わる。主移動平均値演算回路128A,130Aには、周波数が低い方の第2パルスPS
2のAN
2サイクル(AN
2は2以上の任意の整数)に相当する任意の移動区間を指示する制御信号AJ
3と、第2パルスPS
2のAN
3サイクル(AN
3は2以上かつAN
2以下の任意の整数)に相当する任意の移動ピッチを規定するサンプリング用のクロックACK
3とが主制御部72より与えられる。
【0051】
反対に、第1パルスPS
1の周波数f
S1が第2パルスPS
2の周波数f
S2よりも低い場合(f
S1<f
S2の場合)は、移動平均値演算部106Aが第2の移動平均値演算モードに切り換わり、前置移動平均値演算回路120A,122Aは動作しないようになっている。切換回路124A,126Aは、切換制御信号AGに応じて、前置移動平均値演算回路120A,122Aを介さずに、サイクル平均値演算回路104A,112Aの出力を後段の主移動平均値演算回路128A,130Aに転送するように切り換わる。主移動平均値演算回路128A,130Aには、周波数が低い方の第1パルスPS
1のAN
2サイクルに相当する任意の移動区間を指示する制御信号AJ
3と、第1パルスPS
1のAN
3サイクルに相当する任意の移動ピッチを規定するサンプリング用のクロックACK
3とが主制御部72より与えられる。
【0052】
なお、高周波RF
1,RF
2のパワーのいずれか一方にパルスの変調がかけられ、他方が連続波の場合は、上記第2の移動平均値演算モードと同様に、前置移動平均値演算回路120A,122Aは動作せずに、主移動平均値演算回路128A,130Aが単独で動作するようになっている。
【0053】
図4において、負荷インピーダンス演算回路114Aは、移動平均値演算部106Aからの電圧検知信号の移動平均値と電流検知信号の移動平均値とに基づいて、高周波電源36側から見える高周波給電ライン43上の負荷インピーダンスの測定値を演算する。負荷インピーダンス演算回路114Aより出力される負荷インピーダンスの測定値は、上記クロックACK
3に同期して更新される。通常、負荷インピーダンス演算回路114Aより出力される負荷インピーダンスの測定値には、負荷インピーダンスの絶対値および位相の測定値が含まれる。移動平均値演算部106Aを構成するCPUに負荷インピーダンス演算回路114Aの機能を持たせることも可能である。
【0054】
なお、高周波給電ライン43上の負荷インピーダンスは、サセプタ16から見えるチャンバ10のインピーダンス(主にプラズマのインピーダンス)および整合回路88Aのインピーダンス等が合成されたものである。
【0055】
図3において、整合器40内のマッチングコントローラ94Aは、インピーダンスセンサ96Aより与えられる負荷インピーダンスの測定値に応答し、負荷側インピーダンス測定値の位相が零(0)、絶対値が50Ωになるように、モータ90A,92Aを駆動制御して整合回路88A内のリアクタンス素子X
H1,X
H2のリアクタンスを制御する。
【0056】
インピーダンスセンサ96Aよりマッチングコントローラ94Aに与えられる負荷インピーダンス測定値は、上記のようにクロックACK
3に同期して更新される。マッチングコントローラ94Aは、この更新の合間にも整合動作つまりリアクタンス素子X
H1,X
H2のリアクタンス制御を停止することなく、更新直前の負荷インピーダンス測定値を整合ポイントに一致ないし近似させるように、モータ90A,92Aを連続的に駆動制御する。
[イオン引き込み系の高周波電源及び整合器の構成]
【0057】
図6に、この実施形態におけるイオン引き込み用の高周波電源38および整合器42の構成を示す。
【0058】
高周波電源38は、イオン引き込み用の一定周波数(たとえば13.56MHz)の正弦波を発生する発振器80Bと、この発振器80Bより出力される正弦波のパワーを制御可能な利得または増幅率で増幅するパワーアンプ82Bと、主制御部72からの制御信号にしたがって発振器80Bおよびパワーアンプ82Bを直接制御する電源制御部84Bと、RFパワーモニタ86Bとを備えている。発振器80Bの周波数(13.56MHz)が発振器80Aの周波数(100MHz)と異なる点を除いて、高周波電源38内の各部80B〜86Bはプラズマ生成用の高周波電源36内の各部80A〜86Aとそれぞれ同様の構成および機能を有している。なお、主制御部72と電源制御部84Bは、高周波RF
2系のパワー変調部を構成する。
【0059】
整合器42は、複数たとえば2つの制御可能なリアクタンス素子(たとえば可変コンデンサあるいは可変インダクタ)X
L1,X
L2を含む整合回路88Bと、それらリアクタンス素子X
L1,X
L2のリアクタンスをアクチエータたとえばモータ(M)90B,92Bを介して制御するマッチングコントローラ94Bと、高周波給電ライン45上で整合回路88Bのインピーダンスを含む負荷側のインピーダンスを測定するインピーダンスセンサ96Bとを有している。
【0060】
図7にインピーダンスセンサ96B内の構成を示す。このインピーダンスセンサ96Bは、電圧センサ系のRF電圧検出器100B、電圧検知信号生成回路102B、サイクル平均値演算回路104Bおよび移動平均値演算部106Bと、電流センサ系のRF電流検出器108B、電流検知信号生成回路110B、サイクル平均値演算回路112Bおよび上記の移動平均値演算部106Bと、負荷インピーダンス演算回路114Bとを有している。
【0061】
電圧センサ系において、RF電圧検出器100Bは高周波給電ライン45上の高周波RF
2の電圧を検出する。電圧検知信号生成回路102Bは、たとえばスーパーヘテロダイン方式のフィルタ回路を有し、RF電圧検出器100Bからの高周波電圧検出信号をアナログのフィルタリング処理にかけて、高周波RF
2に対応する電圧検知信号を生成する。
【0062】
サイクル平均値演算回路104Bは、第2のパワー変調方式のパワー変調に同期して動作し、第2パルスPS
2の1サイクル内に設定される所定のモニタ時間T
L中に電圧検知信号生成回路102Bからの電圧検知信号を所定の周波数でサンプリングして1サイクル分の平均値を演算する。この構成例では、電圧検知信号生成回路102Bからのアナログの電圧検知信号をサイクル平均値演算回路104Bにおいてディジタル信号に変換する。主制御部72(
図1)は、サンプリング用のクロックBCK
1と、高周波RF
2系のモニタ時間T
Lを指示するRF
2モニタ信号BSとをサイクル平均値演算回路104Bに与える。サイクル平均値演算回路104Bは、数10MHz以上のサンプリングクロックBCK
1に同期して高速かつ多量の信号処理を要求されるため、FPGA(フィールドプログラマブル・ゲートアレイ)を好適に用いることができる。
【0063】
電流センサ系において、RF電流検出器108Bは、高周波給電ライン45上で高周波RF
2の電流を検出する。電流検知信号生成回路110Bは、上述した電圧検知信号生成回路102Bと同様の構成および機能を有し、高周波RF
2の電流について電流検知信号を生成する。サイクル平均値演算回路112Bは、上述したサイクル平均値演算回路104Bと同様の構成および機能を有し、第2パルスPS
2の1サイクル内のモニタ時間T
L中に電流検知信号生成回路110Bからの電流検知信号を所定の周波数でサンプリングして1サイクル分の平均値を演算する。
【0064】
移動平均値演算部106Bは、好適にはCPUで構成され、所与のエッチングプロセスにおいて第1および第2のパルス変調方式が同時使用される場合は、後述するように、第1および第2パルスPS
1,PS
2の周波数f
S1,f
S2の大小関係に応じて移動平均値演算のモードを切り換えるようになっている。
【0065】
図8に移動平均値演算部106Bの一構成例を示す。電圧センサ系および電流センサ系のいずれにおいても、同じ構成の前置移動平均値演算回路120B,122B、切換回路124B,126Bおよび主移動平均値演算回路128B,130Bが設けられている。
【0066】
ここで、前置移動平均値演算回路120B,122Bは、両高周波RF
1,RF
2のパワーにそれぞれ第1および第2パルスPS
1,PS
2によるパルス変調が同時にかけられる場合であって、第2パルスPS
2の周波数f
S2が第1パルスPS
1の周波数f
S1よりも高いときに動作する。すなわち、前置移動平均値演算回路120B,122Bは、周波数が高い方の第2パルスPS
2でパルス変調をかけられている高周波RF
2側の整合器42が、周波数が低い方の第1パルスPS
1に同期した(高周波RF
1のパワーのオン・オフによって生じる)プラズマインピーダンスの周期的な変動をキャンセルするために設けられている。
【0067】
一方、主移動平均値演算回路128B,130Bは、イオン引き込み用の高周波RF
2のパワーに第2パルスPS
2のパルス変調がかけられる場合は、常に動作する。すなわち、主移動平均値演算回路128B,130Bは、第2パルスPS
2のサイクル毎にインピーダンス測定の平均値演算を行うサイクル平均値演算回路104B,112Bの動作速度(速い速度)と整合器42において可変リアクタンス素子X
L1,X
L2を可変に制御する動作速度(遅い速度)とをインタフェースするために設けられている。
【0068】
より詳しくは、両高周波RF
1,RF
2のパワーにパルス変調が同時にかけられる場合であって、第2パルスPS
2の周波数f
S2が第1パルスPS
1の周波数f
S1よりも高い場合(f
S1<f
S2の場合)は、移動平均値演算部106Bが第1の移動平均値演算モードに切り換わり、前置移動平均値演算回路120B,122Bがアクティブ状態で動作する。この場合、主制御部72(
図1)より、周波数が低い方の第1パルスPS
1の1サイクルに相当する移動区間を指示する制御信号BJ
2と、周波数が高い方の第2パルスPS
2のBN
1サイクル(BN
1は2以上かつf
S2/f
S1以下の任意の整数)に相当する任意の移動ピッチを規定するサンプリング用のクロックBCK
2とが前置移動平均値演算回路120B,122Bに与えられる。また、切換回路124B,126Bは、主制御部72からの切換制御信号BGに応じて、前置移動平均値演算回路120B,122Bの出力を後段の主移動平均値演算回路128B,130Bに転送するように切り換わる。主移動平均値演算回路128B,130Bには、周波数が低い方の第1パルスPS
1のBN
2サイクル(BN
2は2以上の任意の整数)に相当する任意の移動区間を指示する制御信号BJ
3と、第1パルスPS
1のBN
3サイクル(BN
3は2以上かつBN
2以下の任意の整数)に相当する任意の移動ピッチを規定するサンプリング用のクロックBCK
3とが主制御部72より与えられる。
【0069】
反対に、第2パルスPS
2の周波数f
S2が第1パルスPS
1の周波数f
S1よりも低い場合(f
S1<f
S2の場合)は、移動平均値演算部106Bが第2の移動平均値演算モードに切り換わり、前置移動平均値演算回路120B,122Bは動作しないようになっている。切換回路124B,126Bは、切換制御信号BGに応じて、前置移動平均値演算回路120B,122Bを介さずに、サイクル平均値演算回路104B,112Bの出力を後段の主移動平均値演算回路128B,130Bに転送するように切り換わる。主移動平均値演算回路128B,130Bには、周波数が低い方の第2パルスPS
2のBN
2サイクルに相当する任意の移動区間を指示する制御信号BJ
3と、第2パルスPS
2のBN
3サイクルに相当する任意の移動ピッチを規定するサンプリング用のクロックBCK
3とが主制御部72より与えられる。
【0070】
なお、高周波RF
1,RF
2のパワーのいずれか一方にパルスの変調がかけられ、他方が連続波の場合は、上記第2の移動平均値演算モードと同様に、前置移動平均値演算回路120B,122Bは動作せずに、主移動平均値演算回路128B,130Bが単独で動作するようになっている。
【0071】
図7において、負荷インピーダンス演算回路114Bは、移動平均値演算部106Bからの電圧検知信号の移動平均値と電流検知信号の移動平均値とに基づいて、高周波電源38側から見える負荷インピーダンスの測定値を演算する。負荷インピーダンス演算回路114Bより出力される負荷インピーダンスの測定値は、上記クロックBCK
3に同期して更新される。通常、負荷インピーダンス演算回路114Bより出力される負荷インピーダンスの測定値には、負荷インピーダンスの絶対値および位相の測定値が含まれる。移動平均値演算部106Bを構成するCPUに負荷インピーダンス演算回路114Bの機能を持たせることも可能である。
【0072】
なお、高周波給電ライン45上の負荷インピーダンスは、サセプタ16から見えるチャンバ10のインピーダンス(主にプラズマのインピーダンス)および整合回路88Bのインピーダンス等が合成されたものである。
【0073】
図6において、整合器42内のマッチングコントローラ94Bは、インピーダンスセンサ96Bより与えられる負荷インピーダンスの測定値に応答し、負荷インピーダンス測定値の位相が零(0)、絶対値が50Ωになるように、モータ90B,92Bを駆動制御して整合回路88B内のリアクタンス素子X
L1,X
L2のリアクタンスを制御する。
【0074】
インピーダンスセンサ96Bよりマッチングコントローラ94Bに与えられる負荷インピーダンス測定値は、上記のようにクロックBCK
3に同期して更新される。マッチングコントローラ94Bは、この更新の合間にも整合動作つまりリアクタンス素子X
L1,X
L2のリアクタンス制御を停止することなく、更新直前の負荷インピーダンス測定値を整合ポイントに一致ないし近似させるように、モータ90B,92Bを連続的に駆動制御する。
[インピーダンスセンサの制御に関係する主制御部の構成]
【0075】
図9に、両整合器40,42内のインピーダンスセンサ96A,96Bの制御に関係する主制御部72の構成または機能をブロック図で示す。主制御部72は、インピーダンスセンサ96A,96Bの制御に関係する機能要素として、パルス周波数設定部132、デューティ設定部133、モニタ時間制御部134、モード切換制御部135、前置移動平均制御部136、主移動平均制御部138およびクロック発生部140を含んでいる。
【0076】
パルス周波数設定部132は、入力装置より設定入力された第1パルスPS
1の周波数f
S1および/または第2パルスPS
2の周波数f
S2の値を表わすデータを出力する。デューティ設定部133は、入力装置より設定入力された第1のパワー変調方式におけるオン期間T
on1のデューティ比D
S1および/または第2のパワー変調方式におけるオン期間T
on2のデューティ比D
S2の値を表わすデータを出力する。
【0077】
モニタ時間制御部134は、第1および第2パルスPS
1,PS
2のそれぞれの設定の有無(つまり高周波RF
1,RF
2に対する変調の有無)およびデューティ比D
S1,D
S2の値に応じて、さらに同時変調の場合はそれぞれの周波数f
S1,f
S2の大小関係に応じて、インピーダンスセンサ96A,96B内のサイクル平均値演算回路(104A,112A),(104B,112B)に対して1サイクル内のモニタ時間T
H,T
Lを指定するモニタ時間制御信号AS,BSを生成する。
【0078】
モード切換制御部135は、第1および第2パルスPS
1,PS
2のそれぞれの設定の有無(つまり高周波RF
1,RF
2に対する変調の有無)およびデューティ比D
S1,D
S2の値に応じて、さらに同時変調の場合はそれぞれの周波数f
S1,f
S2の大小関係に応じて、インピーダンスセンサ96A,96B内の移動平均値演算部106A,106Bに対する上記切換制御信号AG,BGを生成する。
【0079】
前置移動平均値演算制御部136は、同時変調の場合だけ機能し、f
S1>f
S2のときはインピーダンスセンサ96A内の前置移動平均値演算回路120A,122Aに対して移動区間と移動ピッチを指示する上記制御信号AJ
2を発生し、f
S1<f
S2のときはインピーダンスセンサ96B内の前置移動平均値演算回路120B,122Bに対して移動区間と移動ピッチを指示する上記制御信号BJ
2を発生する。
【0080】
主移動平均値演算制御部138は、第1および第2パルスPS
1,PS
2のそれぞれの設定の有無(つまり高周波RF
1,RF
2に対する変調の有無)およびデューティ比D
S1,D
S2の値に応じて、さらに同時変調の場合はそれぞれの周波数f
S1,f
S2の大小関係に応じて、インピーダンスセンサ96A,96B内の主移動平均値演算回路(128A,130A),(128B,130B)に対して移動区間と移動ピッチを指示する上記制御信号AJ
3,BJ
3を発生する。すなわち、高周波RF
1,RF
2に対してf
S1>f
S2の関係で同時変調が行われる場合は、遅い方の第2パルスPS
2の1サイクルを基準サイクルとする移動区間および移動ピッチを指示する制御信号AJ
3,BJ
3が、主移動平均値演算回路(128A,130A)、(128B,130B)にそれぞれ与えられる。また、高周波RF
1,RF
2に対してf
S1<f
S2の関係で同時変調が行われる場合は、周波数が低い方の第1パルスPS
1の1サイクルを基準サイクルとする移動区間および移動ピッチを指示する制御信号AJ
3,BJ
3が、主移動平均値演算回路(128A,130A)、(128B,130B)にそれぞれ与えられる。
【0081】
高周波RF
1,RF
2のパワーに対して同時変調が行われない場合、主移動平均値演算制御部138は、インピーダンスセンサ96A内の主移動平均値演算回路(128A,130A)に対しては制御信号AJ
3を通じて第1パルスPS
1の1サイクルを基準サイクルとする移動区間および移動ピッチを指示し、インピーダンスセンサ96B内の主移動平均値演算回路(128B,130B)に対しては制御信号BJ
3を通じて第2パルスPS
2の1サイクルを基準サイクルとする移動区間および移動ピッチを指示する。
【0082】
クロック発生部140は、インピーダンスセンサ96A,96B内のサイクル平均値演算回路(104A,112A),(104B,112B)に対しては、高周波RF
1,RF
2に対する単独(片方)変調または同時変調の有無に関係なく常に一定のサンプリング用クロックACK
1,BCK
1を与える。
【0083】
高周波RF
1,RF
2のパワーに対して同時変調が行われる場合で、f
S1>f
S2のときは、クロック発生部140は、周波数が高い方の第1パルスPS
1に同期したクロックACK
2をインピーダンスセンサ96Aの前置移動平均値演算回路120A,122Aに与え、周波数が低い方の第2パルスPS
2に同期したクロックBCK
3をインピーダンスセンサ96A,96Bの主移動平均値演算回路(128A,130A),(128B,130B)に与える。反対に、f
S1<f
S2のときは、クロック発生部140は、周波数が高い方の第2パルスPS
2に同期したクロックBCK
2をインピーダンスセンサ96Bの前置移動平均値演算回路120B,122Bに与え、周波数が低い方の第1パルスPS
1に同期したクロックACK
3,BCK
3をインピーダンスセンサ96A,96Bの主移動平均値演算回路(128A,130A),(128B,130B)に与える。
【0084】
高周波RF
1,RF
2に対して同時変調が行われない場合は、クロック発生部140より、クロックACK
2,BCK
2は発生されず、第1パルスPS
1に同期したクロックACK
3がインピーダンスセンサ96Aの主移動平均値演算回路(128A,130A)に与えられるとともに、第2パルスPS
2に同期したクロックBCK
3がインピーダンスセンサ96Bの主移動平均値演算回路(128B,130B)に与えられる。
[整合器の作用]
【0085】
次に、この実施形態のプラズマ処理装置において、プラズマ生成用の高周波RF
1およびイオン引き込み用の高周波RF
2に周波数の異なる第1および第2パルスPS
1,PS
2で第1および第2のパワー変調方式による変調を同時にかける場合の整合器40,42内の作用を説明する。一例として、
図10に示すように、f
S1=19*f
S2の関係で、第1パルスPS
1の周波数f
S1が第2パルスPS
2の周波数f
S2より高い場合を例にとる。
【0086】
この場合、高周波RF
1のパワーに第1パルスPS
1で変調をかけるプラズマ生成系においては、
図11Aに示すように、第1パルスPS
1の1サイクル内でオン期間T
on1およびオフ期間T
off1にモニタ時間T
H1,T
H2がそれぞれ設定される。インピーダンスセンサ96A内で電圧センサ系のサイクル平均値演算回路104Aは、第1パルスPS
1の各サイクル内のモニタ時間T
H1,T
H2中に電圧検知信号生成回路102Aからの電圧検知信号をクロックACK
1の周期でサンプリングして1サイクル分の平均値aを演算する。電流センサ系のサイクル平均値演算回路112Aも、同じタイミングで動作し、第1パルスPS
1の各サイクル内のモニタ時間T
H1,T
H2中に電流検知信号生成回路110Aからの電流検知信号をクロックACK
1の周期でサンプリングして1サイクル分の平均値aを演算する。
【0087】
したがって、プラズマ生成系のインピーダンスセンサ96Aにおいて、電圧センサ系のサイクル平均値演算回路104Aと電流センサ系のサイクル平均値演算回路110Aは、実質的には、第1パルスPS
1の各サイクル内のモニタ時間T
H1,T
H2中に高周波給電ライン43上の負荷インピーダンス(Z)の値をクロックACK
1の周期でサンプリングして1サイクル分の平均値(Z
a)を演算していることになる。
【0088】
一方、高周波RF
2のパワーに第2パルスPS
2で変調をかけるイオン引き込み系のインピーダンスセンサ96B内においては、
図11Bに示すように、第2パルスPS
2の1サイクル内でオン期間T
on2およびオフ期間T
off2にモニタ時間T
L1,T
L2がそれぞれ設定される。インピーダンスセンサ96B内で電圧センサ系のサイクル平均値演算回路104Bは、第2パルスPS
2の各サイクル内のモニタ時間T
L1,T
L2中に電圧検知信号生成回路102Bからの電圧検知信号をクロックBCK
1の周期でサンプリングして1サイクル分の平均値bを演算する。電流センサ系のサイクル平均値演算回路112Bも、同じタイミングで動作し、第2パルスPS
2の各サイクル内のモニタ時間T
L1,T
L2中に電流検知信号生成回路110Bからの電流検知信号をクロックBCK
1の周期でサンプリングして1サイクル分の平均値bを演算する。
【0089】
したがって、プラズマ生成系のインピーダンスセンサ96Bにおいて、電圧センサ系のサイクル平均値演算回路104Bと電流センサ系のサイクル平均値演算回路112Bは、実質的には、第2パルスPS
2の各サイクル内のモニタ時間T
L中に高周波給電ライン45上の負荷インピーダンス(Z)の値をクロックBCK
1の周期でサンプリングして1サイクル分の平均値(Z
b)を演算していることになる。
【0090】
プラズマ生成系のインピーダンスセンサ96Aにおいては、電圧センサ系の前置移動平均値演算回路120Aが、
図12に示すように、第1パルスPS
1の各サイクル毎にサイクル平均値演算回路104Aより出力される平均値aのデータを逐次取り込んで、第2パルスPS
2の1サイクルに相当する移動区間AL
1内の連続するQ個(
図10例では19個)の電圧検知信号の平均値aをクロックACK
2の周期でサンプリングして、それらQ個(19個)の平均値aについて一次移動平均値maを求める。そして、時間軸上でサンプリング範囲または移動区間AL
1を所定の移動ピッチ(図示の例では2)で移動させて、上記の一次移動平均値演算を繰り返す。電流センサ系の前置移動平均値演算回路122Aも、同じタイミングで動作し、クロックACK
2の周期で移動区間AL
1内の一次移動平均値maを繰り返し演算する。
【0091】
したがって、電圧センサ系の前置移動平均値演算回路120Aと電流センサ系の前置移動平均値演算回路122Aは、実質的には、高周波給電ライン43上の負荷インピーダンス(Z)についてクロックACK
2の周期で移動区間AL
1内の一次移動平均値(Z
ma)を繰り返し演算していることになる。
【0092】
そして、電圧センサ系の主移動平均値演算回路128Aは、
図13に示すように、前置移動平均値演算回路120Aより出力される一次移動平均値maのデータを逐次取り込んで、第2パルスPS
2の上記AN
2サイクルに相当する移動区間AL
2内で連続するR個の電圧検知信号の一次移動平均値maをクロックACK
3の周期でサンプリングして、それらR個の一次移動平均値maから二次移動平均値Maを求める。そして、時間軸上でサンプリング範囲または移動区間AL
2を所定の移動ピッチ(図示の例では2)で移動させて、上記の二次移動平均値演算を繰り返す。電流センサ系の主移動平均値演算回路130Aも、同じタイミングで動作し、クロックACK
3の周期で移動区間AL
2の平均値つまり二次移動平均値Maを繰り返し演算する。
【0093】
負荷インピーダンス演算回路114Aは、移動平均値演算部106Aからの電圧検知信号の二次移動平均値Maと電流検知信号の二次移動平均値Maとに基づいて、クロックACK
3の周期で負荷インピーダンスの測定値Z
Maを演算する。整合器40内のマッチングコントローラ94Aは、インピーダンスセンサ96A内の負荷インピーダンス演算回路114AよりクロックACK
3の周期で出力される負荷インピーダンスの測定値Z
Maに追従可能に応答し、負荷インピーダンス測定値Z
Maの位相が零(0)、絶対値が50Ωになるように、モータ90A,92Aを駆動制御して整合回路88A内のリアクタンス素子X
H1,X
H2のリアクタンスを可変に制御する。
【0094】
一方、イオン引き込み系のインピーダンスセンサ96Bにおいては、電圧センサ系の主移動平均値演算回路128Bが、
図14に示すように、前置移動平均値演算回路120Bを介さずにサイクル平均値演算回路104Bより送られてくる平均値bのデータを逐次取り込んで、第2パルスPS
2の上記BN
2サイクルに相当する移動区間BL
2内で連続するE個の電圧検知信号の平均値bをクロックBCK
3の周期でサンプリングして、それらE個の平均値bについて移動平均値Mbを求める。そして、時間軸上でサンプリング範囲または移動区間BL
2を所定の移動ピッチ(図示の例では2)で移動させて、上記の移動平均値演算を繰り返す。電流センサ系の主移動平均値演算回路130Bも、クロックBCK
3の周期で移動区間BL
2内の平均値つまり移動平均値Mbを繰り返し演算する。
【0095】
負荷インピーダンス演算回路114Bは、移動平均値演算部106Bからの電圧検知信号の移動平均値Mbと電流検知信号の移動平均値Mbとに基づいて、クロックBCK
3の周期で負荷インピーダンスの測定値Z
Mbを演算する。整合器42内のマッチングコントローラ94Bは、インピーダンスセンサ96B内の負荷インピーダンス演算回路114BよりクロックBCK
3の周期で出力される負荷インピーダンスの測定値Z
Mbに追従可能に応答し、負荷インピーダンス測定値Z
Mbの位相が零(0)、絶対値が50Ωになるように、モータ90B,92Bを駆動制御して整合回路88B内のリアクタンス素子X
L1,X
L2のリアクタンスを可変に制御する。
【0096】
上記のように、この実施形態では、プラズマ生成用高周波RF
1およびイオン引き込み用高周波RF
2のパワーに周波数の異なる第1および第2パルスPS
1,PS
2で変調をかける場合、プラズマ生成系の整合器40においては、インピーダンスセンサ96Aが、周波数の低い方の第2パルスPS
2の各サイクル毎に高周波給電ライン43上で負荷インピーダンスの平均値(一次移動平均値ma)を演算し、その負荷インピーダンスの平均値(ma)に基づいて負荷インピーダンス測定値(Z
Ma)を出力する。そして、インピーダンスセンサ96Aからの負荷インピーダンス測定値(Z
Ma)が整合ポイント(50Ω)に一致または近似するように、マッチングコントローラ94Aが整合回路88A内のリアクタンス素子X
H1,X
H2のリアクタンスを可変に制御する。
【0097】
一方、イオン引き込み系の整合器42においては、インピーダンスセンサ96Bが、周波数の低い方の第2パルスPS
2の各サイクル毎に高周波給電ライン45上で負荷インピーダンスの平均値(Mb)を演算し、その負荷インピーダンスの平均値(Mb)に基づいて負荷インピーダンス測定値(Z
Mb)を出力する。そして、インピーダンスセンサ96Bからの負荷インピーダンス測定値(Z
Mb)が整合ポイント(50Ω)に一致または近似するように、マッチングコントローラ94Bが整合回路88B内のリアクタンス素子X
L1,X
L2のリアクタンスを可変に制御する。
【0098】
この実施形態によれば、高周波RF
1に周波数の高い方の第1パルスPS
1で変調がかけられているプラズマ生成系の高周波給電ライン43上では、周波数の低い方の第2パルスPS
2のオン期間T
on2とオフ期間T
off2との間で生じる負荷インピーダンスの周期的な変動(主にプラズマインピーダンスの周期的な変動)がインピーダンスセンサ96A内の上記のような平均化処理(特に前置移動平均値演算処理)によってキャンセルされ、これによって整合器40の整合動作が安定化される。
【0099】
すなわち、高周波給電ライン43上で整合器40がプラズマ生成用の高周波RF
1を伝送している期間(第1パルスPS
1のオン期間T
on1)中の負荷インピーダンス(特にプラズマインピーダンス)は、周波数の低い方の第2パルスPS
2のオン期間T
on2の時とオフ期間T
off2の時とで相当変化する。
【0100】
このため、インピーダンスセンサ96A内で上記のような平均化処理が行われない場合(比較例)は、
図15に示すように、第2パルスPS
2の1サイクルにおいてオン期間T
on2中の負荷インピーダンス(<1>〜<10>)とオフ期間T
off2中の負荷インピーダンス(<11>〜<19>)とがスミスチャート上で2つのグループに分かれて分散する。その結果、マッチングコントローラ94Aは、2グループのどちらか(不定)に応動して整合回路88A内のリアクタンス素子X
H1,X
H2のリアクタンスを可変に制御することとなり、整合動作が安定しなくなる。なお、この比較例(
図15)では、従来方式に準じて、第1パルスPS
1の1サイクル内でオン期間T
on1のみにモニタ時間T
Hを設定して、各サイクル毎に負荷インピーダンスの値を演算している。
【0101】
この点、この実施形態では、
図16Aに示すように、スミスチャート上で、周波数の高い方の第1パルスPS
1の各サイクル毎に得られる負荷インピーダンスの値が周波数の低い方の第2パルスPS
2の1サイクル内で2つのグループに分かれて分散しても、上記のような前置移動平均値演算処理によって平均化され、上記2グループの中間に位置する移動平均値(Z
ma)が得られる。そして、
図16Bに示すように、時間の経過によって移動区間内で負荷インピーダンスの一部が入れ替わっても(<1>,<2>→<20>,<21>)、移動平均値(Z
ma)は殆ど変動しない。すなわち、
図10から理解されるように、第1パルスPS
1と第2パルスPS
2との間で、サイクル[1],[2]とサイクル[20],[21]とは実質的に同相の関係にあるため、負荷インピーダンス<1>,<2>とこれらと入れ替わる負荷インピーダンス<20>,<21>とは略等しい。このように、周波数の低い方のパルスの周期で前置移動平均値演算処理を行うことで、平均値演算の変化する割合が小さくなる。そのため、安定した演算結果が得られる。
【0102】
整合部40内では、この移動平均値(Z
ma)に対応する負荷インピーダンス測定値(Z
Mb)を整合ポイント(50Ω)に一致または近似させるように、整合機構(マッチングコントローラ94A、モータ90A,92Aおよびリアクタンス素子X
H1,X
H2)が働くので、整合動作が安定に行われる。
【0103】
なお、第2パルスPS
2のオン期間T
on2中に第1パルスPS
1の各サイクル内(オン期間T
on1の時とオフ期間T
off1の時)でプラズマインピーダンスが脈動しても、整合器42のインピーダンスセンサ96Bにはあたかも連続波のプラズマ生成用高周波RF
1がプラズマに供給されているように見える。したがって、周波数が低い方の第2パルスPS
2を伝送する高周波給電ライン45上の整合器42は、上記のような前置移動平均値演算処理を行わなくても、整合動作を安定に行うことができる。
【0104】
同時変調において第1パルスPS
1の周波数f
S1が第2パルスPS
2の周波数f
S2より低い場合は、プラズマ生成系の整合器40とイオン引き込み系の整合器42の入れ替わる形で上記と同様の作用が奏される。
【0105】
上記した実施形態では、同時変調においてプラズマ生成用の高周波RF
1のパワーが周波数の高い方の第1パルスPS
1で変調をかけられている場合、プラズマ生成系のインピーダンスセンサ96Aは、第1パルスPS
1の1サイクル内でオン期間T
on1およびオフ期間T
off1にモニタ時間T
H1,T
H2をそれぞれ設定し(
図11A)、第1パルスPS
1の各サイクル内のモニタ時間T
H1,T
H2中に負荷インピーダンス(Z)の値をクロックACK
1の周期でサンプリングして1サイクル分の平均値(Z
a)を演算するようにしている。
【0106】
要するに、第1パルスPS
1の周波数f
S1が高いときは、第1パルスPS
1に対する負荷インピーダンス(Z)の追従性が低下するので、オン期間T
on1中だけのサンプリングないし平均化では1サイクル分の平均値(Z
a)の精度は低くなる。むしろ、上記の実施形態のように、第1パルスPS
1の1サイクル内でオン期間T
on1中だけでなくオフ期間T
off1中も負荷インピーダンス(Z)のサンプリングを行うことで、1サイクル分の平均値(Z
a)の精度を高めることができる。
【0107】
見方を変えれば、第1パルスPS
1のデューティ比D
S1が相当高いとき(上限基準値たとえば80%以上であるとき)は第1パルスPS
1の1サイクル内でオン期間T
on1のみにモニタ時間T
Hを設定し、デューティ比D
S1が相当低いとき(下限基準値たとえば20%以下であるとき)は、第1パルスPS
1の1サイクル内でオフ期間T
off1のみにモニタ時間T
Hを設定することが、1サイクル分の平均値(Z
a)を適確かつ効率的に演算できる。上記実施形態のプラズマ処理装置では、主制御部72のモニタ時間制御部134において、そのようなモニタ時間設定の切換制御を行うことができる。
【0108】
イオン引き込み系のインピーダンスセンサ96Bにおいても、第2パルスPS
2のデューティ比D
S2に応じて上記と同様にモニタ時間T
Lの設定に関する切換制御を行うことができる。
【0109】
また、
図11Aに示すように、たとえば第1パルスPS
1の変調では、オン期間T
on1およびオフ期間T
off1の中でモニタ時間T
H1,T
H2の前後には平均値演算処理のサンプリングを行わないマスク時間(T
A1,T
A2),(T
A3,T
A4)が設定される。モニタ時間制御部134は、変調パルスの周波数やデューティ比等に応じて、それらマスク時間(T
A1,T
A2),(T
A3,T
A4)の長さを調整することができ、あるいは解除することもできる。第2パルスPS
2の変調においても同様であり、モニタ時間制御部134は、変調パルスの周波数やデューティ比等に応じて、
図11Bに示すマスク時間(T
B1,T
B2),(T
B3,T
B4)の長さを調整することができ、あるいは解除することもできる。
[他の実施形態または変形例]
【0110】
以上本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で種種の変形が可能である。
【0111】
たとえば、
図17に示すように、プラズマ生成系の高周波給電ライン43上に設けられる整合器40内のインピーダンスセンサ96Aを、RF電圧検出器100A、RF電流検出器108A、負荷インピーダンス瞬時値演算回路142A、サイクル平均値演算回路144Aおよび移動平均値演算部146Aで構成することも可能である。
【0112】
ここで、負荷インピーダンス瞬時値演算回路142Aは、RF電圧検出器100AおよびRF電流検出器108Aより得られるRF電圧検知信号およびRF電流検知信号に基づいて高周波給電ライン43上の負荷インピーダンス(Z)の瞬時値を求める。負荷インピーダンス瞬時値演算回路142Aは、アナログ回路でも可能であるが、高速ディジタル回路で構成するのも好ましい。
【0113】
サイクル平均値演算回路144Aおよび移動平均値演算部146Aは、処理対象の信号が負荷インピーダンス(Z)の値を直接表わす信号に置き代わるだけで、上記実施形態におけるサイクル平均値演算回路104A,112Aおよび移動平均値演算部106Aと同様のサンプリング処理および平均化処理を行う。
【0114】
この場合、マッチングコントローラ94A(
図3)は、移動平均値演算部146Aより得られる負荷インピーダンスの測定値つまり移動平均値(Z
Ma)が高周波電源36の出力インピーダンスに対応する整合ポイントに一致または近似するように、リアクタンス素子X
H1,X
H2のリアクタンスをモータ90A,92Aを通じて制御する。
【0115】
同様に、
図18に示すように、イオン引き込み系の高周波給電ライン45上に設けられる整合器42内のインピーダンスセンサ96Bを、RF電圧検出器100B、RF電流検出器108B、負荷インピーダンス瞬時値演算回路142B、サイクル平均値演算回路144Bおよび移動平均値演算部146Bで構成することも可能である。
【0116】
ここで、負荷インピーダンス瞬時値演算回路142Bは、RF電圧検出器100BおよびRF電流検出器108Bより得られるRF電圧検知信号およびRF電流検知信号に基づいて高周波給電ライン45上の負荷インピーダンス(Z)の瞬時値を求める。やはり、この負荷インピーダンス瞬時値演算回路142Bは、アナログ回路でも可能であるが、高速ディジタル回路で構成するのも好ましい。
【0117】
サイクル平均値演算回路144Bおよび移動平均値演算部146Bは、処理対象の信号が負荷インピーダンス(Z)の値を直接表わす信号に置き代わるだけで、上記実施形態におけるサイクル平均値演算回路104B,112Bおよび移動平均値演算部106Bと同様のサンプリング処理および平均化処理を行う。
【0118】
この場合、マッチングコントローラ94B(
図6)は、移動平均値演算部146Bより得られる負荷インピーダンスの測定値つまり移動平均値(Z
Mb)が高周波電源38の出力インピーダンスに対応する整合ポイントに一致または近似するように、リアクタンス素子X
L1,X
L2のリアクタンスをモータ90B,92Bを通じて制御する。
【0119】
本発明においては、第1のパワー変調方式として、高周波RF1のパワーが第1のレベルになる第1の期間と第1のレベルよりも低い第2のレベルになる第2の期間とを一定のパルス周波数で交互に繰り返す形態も可能である。同様に、第2のパワー変調方式として、高周波RF2のパワーが第1のレベルになる第1の期間と第1のレベルよりも低い第2のレベルになる第2の期間とを一定のパルス周波数で交互に繰り返す形態も可能である。
【0120】
上記実施形態(
図1)では、プラズマ生成用の高周波RF
1をサセプタ(下部電極)16に印加した。しかし、プラズマ生成用の高周波RF
1を上部電極46に印加する構成も可能である。
【0121】
本発明は、容量結合型プラズマエッチング装置に限定されず、プラズマCVD、プラズマALD、プラズマ酸化、プラズマ窒化、スパッタリングなど任意のプラズマプロセスを行う容量結合型プラズマ処理装置に適用可能であり、さらにはチャンバの周囲に高周波電極(アンテナ)を設ける誘導結合型プラズマ処理装置にも適用可能である。本発明における被処理体は半導体ウエハに限るものではなく、フラットパネルディスプレイ、有機EL、太陽電池用の各種基板や、フォトマスク、CD基板、プリント基板等も可能である。