【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1観点は、単一の基準信号から主観的な画像品質の予測値を生成する主観的画像品質予測値生成方法であって、
1つ以上の映像フレームを1つの入力端子に受けるステップと、
1つ以上の上記映像フレーム内の連続する部分劣化(フレーム内の一部分の画像劣化)を測定するステップと、
連続する上記部分劣化を集め、1つ以上の上記映像フレームのそれぞれについて部分劣化差分画像を生成するステップと、
上記部分劣化差分画像を、元々受けた1つ以上の上記映像フレームにおけるそれぞれ対応する上記映像フレームと組み合わせて、疑似基準フレームを生成するステップと、
元々受けた1つ以上の上記映像フレームと上記疑似基準フレームとを比較し、主観的画像品質の予測値を生成するステップとを具えている。
【0009】
本発明の第2観点は、第1観点の主観的画像品質予測値生成方法において、連続する部分劣化を測定するステップが、1つ以上の上記映像フレーム内のノイズを測定するステップを有することを特徴としている。
【0010】
本発明の第3観点は、第1観点の主観的画像品質予測値生成方法において、連続する部分劣化を測定するステップが、1つ以上の上記映像フレームにおける現在のフレームの中の1ブロック内の劣化を測定するステップを有していることを特徴としている。
【0011】
本発明の第4観点は、第3観点の主観的画像品質予測値生成方法において、上記現在のフレームの中の1つ以上の画素における劣化を測定するステップを更に有することを特徴としている。
【0012】
本発明の第5観点は、第1観点の主観的画像品質予測値生成方法において、連続する上記部分劣化を集め、1つ以上の上記映像フレームのそれぞれについて上記部分劣化差分画像を生成するステップが、連続する上記部分劣化を均一な映像フレームに加えるステップを有することを特徴としている。
【0013】
本発明の第6観点は、第1観点の主観的画像品質予測値生成方法において、連続する上記部分劣化を集め、1つ以上の上記映像フレームのそれぞれについて上記部分劣化差分画像を生成するステップが、現在のフレームのノイズを測定するステップと、上記現在のフレーム中のノイズを均一な映像フレームに測定量だけ加えるステップと、上記ノイズを加えた映像フレームを元々の現在の映像フレームから引き算するステップとを有することを特徴としている。
【0014】
本発明の第7観点は、第1観点の主観的画像品質予測値生成方法において、主観的画像品質の予測値が平均オピニオン評点(MOS:Mean Opinion Score)であることを特徴としている。
【0015】
本発明の第8観点は、本発明は被試験映像信号の1つ以上の部分劣化を基準信号なしで測定する方法であって、
被試験映像信号の映像データを受けるステップと、
上記映像データの一部分の高周波数部分である部分表現信号を生成するステップと、
上記映像データの上記一部分の部分平均2乗ノイズ振幅を生成するステップと、
最小部分2乗ノイズ振幅をサンプリング期間中の最小2乗ノイズ振幅として選択するステップと、
選択された上記最小部分2乗ノイズ振幅を補償するステップと、
補償された上記最小部分2乗ノイズ振幅を測上記部分劣化の測定値として提供するステップと
を具えている。
【0016】
本発明の第9観点は、第8観点の被試験映像信号の1つ以上の部分劣化を基準信号なしで測定する方法において、上記補償するステップの前において、1つ以上の最小部分2乗ノイズ振幅を平均化し、平均2乗ノイズ振幅を生成するステップを更に具えることを特徴としている。
【0017】
本発明の第10観点は、第8観点の被試験映像信号の1つ以上の部分劣化を基準信号なしで測定する方法において、補償された振幅測定値を劣化測定値として提供する前にdB測定値に変換するステップを更に具えることを特徴としている。
【0018】
本発明の第11観点は、第8観点の被試験映像信号の1つ以上の部分劣化を基準信号なしで測定する方法において、ノイズ振幅を補償するステップが、補償時に使用する電力スペクトラム密度を選択的に受けるステップを有することを特徴としている。
【0019】
本発明の第12観点は、第11観点の被試験映像信号の1つ以上の部分劣化を基準信号なしで測定する方法において、選択される電力スペクトラム密度がホワイト・ノイズの電力スペクトラム密度であることを特徴としている。
【0020】
本発明の第13観点は、第11観点の被試験映像信号の1つ以上の部分劣化を基準信号なしで測定する方法において、選択される電力スペクトラム密度がピンク・ノイズの電力スペクトラム密度であることを特徴としている。
【0021】
本発明の第14観点は、第8観点の被試験映像信号の1つ以上の部分劣化を基準信号なしで測定する方法において、映像データの一部分の高周波数部分である部分表現信号を生成するステップが、映像データを、a1=1−b0の係数を有するIIRフィルタでフィルタ処理するステップを有することを特徴としている。
【0022】
本発明の第15観点は、映像測定装置であって、
被試験映像信号を受ける映像入力端子と、
上記被試験映像信号の1つ以上のフレーム内の1つ以上の劣化を測定するよう構成された部分劣化測定器と、
上記部分劣化測定器の出力信号及び上記被試験映像信号を組み合わせて疑似基準映像信号を生成する疑似基準映像信号生成器とを具えている。
【0023】
本発明の第16観点は、第15観点の映像測定装置において、上記被試験映像信号及び上記疑似基準映像信号を入力信号として受けて、上記被試験映像信号の主観的画像品質の予測値を生成するフル基準映像品質予測器を更に具えることを特徴としている。
【0024】
本発明の第17観点は、第16観点の映像測定装置において、主観的画像品質の上記予測値に、平均オピニオン評点が含まれることを特徴としている。
【0025】
本発明の第18観点は、第15観点の映像測定装置において、部分劣化測定器が、上記被試験映像信号の少なくとも1つのフレームにおいて、ノイズ、モスキート・ノイズ、リングング、ぶれ、ジャーキニス、フリーズ・フレーム、ジャギー及びブロック・エフェクト(block effect:画像がブロックに分けられてモザイクのように見える現象)の内の少なくとも1つを測定するよう構成されていることを特徴としている。
【0026】
本発明の第19観点は、被試験映像信号の1つ以上の部分劣化を基準信号なしで測定する部分劣化測定装置であって、
上記被試験映像信号を受ける映像入力端子と、
上記被試験映像信号のフレームの現在の部分の高周波数成分である部分表現信号を生成するハイパス・フィルタ・ブロックと、
このハイパス・フィルタ・ブロックから変更された映像信号を受けて、上記被試験映像信号のフレームの現在の部分のノイズ振幅を生成するローパス・フィルタ・ブロックと、
ローパス・フィルタ・ブロックの出力信号から試験期間における最小ノイズ振幅を選択する最小化器と、
上記被試験映像信号のノイズの推定値出力を生成するように構成された帯域幅補償器と
を具えている。
【0027】
本発明の第20観点は、第19観点の部分劣化測定装置において、最小化器から受けた複数の最小化ノイズ振幅から平均2乗振幅を生成するよう構成された平均化プロセッサを更に具えることを特徴としている。
【0028】
本発明の第21観点は、第19観点の部分劣化測定装置において、ハイパス・フィルタ・ブロックが、ローパス水平フィルタと、このローパス水平フィルタの出力信号を上記被試験映像信号から受けた信号と結合するよう構成されたプロセッサとを有していることを特徴としている。
【0029】
本発明の第22観点は、第21観点の部分劣化測定装置において、ローパス・フィルタ・ブロックがハイパス・フィルタ・ブロックのローパス水平フィルタを有することを特徴としている。
【0030】
本発明の第23観点は、第19観点の部分劣化測定装置において、ハイパス・フィルタ・ブロックが水平、垂直及び時間フィルタを有することを特徴としている。
【0031】
本発明の第24観点は、第23観点の部分劣化測定装置において、上記水平及び垂直フィルタが、a1=1−b0の係数を有する空間双方向IIRフィルタであることを特徴としている。
【0032】
本発明の第25観点は、第23観点の部分劣化測定装置において、上記時間フィルタが、a1=1−b0の係数を有する双方向IIRフィルタであることを特徴としている。
【0033】
本発明の目的、効果及び他の新規な点は、以下の詳細な説明を添付の特許請求の範囲及び図面とともに読むことによって明らかとなろう。