【実施例】
【0033】
〔実施例1〕
本実施例では、皮を剥いたバレイショ(ノーザンルビー)を沸騰水中で約30分間茹でたものに対し、ペクチナーゼ(エイチビィアイ株式会社製、商品名:セルロシンME)をそれぞれ0.005質量%、0.05質量%、0.1質量%の割合で添加し、食品用卓上ミキサー(株式会社愛工舎製作所製、商品名:ケンミックスミキサー)を用いて、45℃の温度で混練し、3種のバレイショマッシュを調製した。
【0034】
前記混練中の各バレイショマッシュの粘度を15分ごとに粘度計(リオン株式会社製、商品名:ビコテスタ)により測定した。結果を
図2に示す。
【0035】
また、前記混練を90分間行った後の各バレイショマッシュの糖含量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。結果を
図3に示す。
【0036】
図2から、ペクチナーゼを0.005〜0.1質量%の割合で添加した実施例1のバレイショマッシュは、ペクチナーゼの添加量が多くなるに従って、且つ、混練時間が長くなるに従って、粘度が低くなり、優れた食感を備えていることが明らかである。また、
図3から、実施例1のバレイショマッシュは、ペクチナーゼの添加量が多くなるほど強い甘味を有することが明らかである。
【0037】
また、前記ペクチナーゼを0.1質量%の割合で添加した前記バレイショを食品用卓上ミキサー(National MGF社製、商品名:ピンミキサー)を用いて、45℃の温度で混練し、バレイショマッシュを調製した。このとき、前記混練中の10分間の粘度の経時変化をミキシングモニター(アトー株式会社製、商品名:ドゥグラフ)を用いて電力量の変化として測定した。結果を
図4に示す。
【0038】
〔比較例1〕
本比較例では、皮を剥いたバレイショ(ノーザンルビー)を沸騰水中で約30分間茹でたものに対し、ペクチナーゼに代えてβ−アミラーゼ(エイチビィアイ株式会社製、商品名:ハイマルトシンG)を0.1質量%の割合で添加し、食品用卓上ミキサー(National MGF社製、商品名:ピンミキサー)を用いて、45℃の温度で混練し、バレイショマッシュを調製した。このとき、前記混練中の10分間の粘度の経時変化を実施例1と全く同一にして、電力量の変化として測定した。結果を
図4に示す。
【0039】
図4から、ペクチナーゼを添加した実施例1のバレイショマッシュは、β−アミラーゼを添加した比較例1のバレイショマッシュよりも、混練10分後の粘度(電力量)が低く、より優れた食感を備えていることが明らかである。
【0040】
〔実施例2〕
本実施例では、皮を剥いたバレイショ(インカのめざめ)を沸騰水中で約30分間茹でたものに対し、ペクチナーゼ(エイチビィアイ株式会社製、商品名:セルロシンPE60)をそれぞれ0.005質量%、0.01質量%、0.05質量%、0.1質量%の割合で添加し、食品用卓上ミキサー(National MGF社製、商品名:ピンミキサー)を用いて、50℃の温度で30分間混練し、4種のバレイショマッシュを調製した。
【0041】
前記混練後の各バレイショマッシュの粘度を粘度計(リオン株式会社製、商品名:ビコテスタ)により測定した。結果を
図5に示す。
【0042】
また、前記混練後の各バレイショマッシュの糖含量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。結果を
図6に示す。
【0043】
図5から、ペクチナーゼを0.005〜0.1質量%の割合で添加した実施例2のバレイショマッシュは、ペクチナーゼの添加量が多くなるに従って粘度が低くなり、優れた食感を備えていることが明らかである。また、
図6から、実施例2のバレイショマッシュは、ペクチナーゼの添加量が多くなるほど、強い甘味を有することが明らかである。
【0044】
〔実施例3〕
本実施例では、皮を剥いたバレイショ(はるか)を沸騰水中で約30分間茹でたものに対し、まず、ペクチナーゼ(エイチビィアイ株式会社製、商品名:セルロシンPE60)を0.1質量%の割合で添加し、食品用卓上ミキサー(National MGF社製、商品名:ピンミキサー)を用いて、50℃の温度で20分間混練した。
【0045】
次に、前記混練により得られたものに対し、前記ペクチナーゼと同量のβ−アミラーゼ(エイチビィアイ株式会社製、商品名:ハイマルトシンG)を添加し、前記食品用卓上ミキサーを用いて、60℃の温度で20分間混練してバレイショマッシュを調製した。
【0046】
次に、前記バレイショマッシュの粘度を粘度計(リオン株式会社製、商品名:ビコテスタ)により測定した。結果を
図7に示す。
【0047】
また、前記バレイショマッシュの糖含量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。結果を
図8に示す。
【0048】
〔実施例4〕
本実施例では、実施例3で用いたペクチナーゼに代えて別のペクチナーゼ(エイチビィアイ株式会社製、商品名:セルロシンME)を用いて、45℃の温度で20分間混練した以外は実施例3と全く同一にして、バレイショマッシュを調製した。
【0049】
次に、前記バレイショマッシュの粘度を粘度計(リオン株式会社製、商品名:ビコテスタ)により測定した。結果を
図7に示す。
【0050】
また、前記バレイショマッシュの糖含量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。結果を
図8に示す。
【0051】
〔比較例2〕
本比較例では、実施例3で用いたペクチナーゼを全く用いず、β−アミラーゼ(エイチビィアイ株式会社製、商品名:ハイマルトシンG)のみを用いて、60℃の温度で20分間混練した以外は実施例3と全く同一にして、バレイショマッシュを調製した。
【0052】
次に、前記バレイショマッシュの粘度を粘度計(リオン株式会社製、商品名:ビコテスタ)により測定した。結果を
図7に示す。
【0053】
また、前記バレイショマッシュの糖含量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。結果を
図8に示す。
【0054】
図7から、前記加熱したバレイショに対し、
ペクチナーゼを添加して混練した後、さらにβ−アミラーゼを添加して混練して得られた実施例3
,4のバレイショマッシュは、β−アミラーゼのみを添加した比較例2のバレイショマッシュより粘度が低く、優れた食感を備えていることが明らかである。
【0055】
また、
図8から、実施例3
,4のバレイショマッシュは、比較例2のバレイショマッシュより糖含量が多く、より強い甘味を有することが明らかである。