特許第6164466号(P6164466)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6164466バレイショマッシュの製造方法及びフレークの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6164466
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】バレイショマッシュの製造方法及びフレークの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 19/12 20160101AFI20170710BHJP
【FI】
   A23L19/12 Z
   A23L19/12 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-99319(P2013-99319)
(22)【出願日】2013年5月9日
(65)【公開番号】特開2014-217328(P2014-217328A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年2月18日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成24年11月14日、15日、16日に東京ビッグサイト東6ホールにおいて開催されたアグリビジネス創出フェアで発表
(73)【特許権者】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石黒 浩二
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 重信
(72)【発明者】
【氏名】野田 高弘
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 千絵
(72)【発明者】
【氏名】田中 弘康
【審査官】 伊藤 良子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−158273(JP,A)
【文献】 特開2005−058004(JP,A)
【文献】 特開2009−296890(JP,A)
【文献】 特開昭61−162150(JP,A)
【文献】 特開2008−120723(JP,A)
【文献】 釘宮正往 他,市販乾燥マッシュポテト中の細胞粒子の崩壊・損傷,日本食品科学工学会誌,1996年,Vol.43, No.8,p.946-950
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 19/12−19/20
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
FSTA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱処理したバレイショに、ペクチナーゼを単独で、又はβ−アミラーゼとペクチナーゼとを添加して混練することを特徴とするバレイショマッシュの製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のバレイショマッシュの製造方法において、前記加熱処理したバレイショに対し、0.005〜0.1質量%の範囲のペクチナーゼを添加することを特徴とするバレイショマッシュの製造方法
【請求項3】
請求項1記載のバレイショマッシュの製造方法において、前記加熱処理したバレイショに対し、ペクチナーゼを添加して混練した後、さらにβ−アミラーゼを添加して混練することを特徴とするバレイショマッシュの製造方法
【請求項4】
加熱処理したバレイショに、ペクチナーゼを単独で、又はβ−アミラーゼとペクチナーゼとを添加して混練することにより得られたバレイショマッシュを、120〜130℃の範囲の温度で、40〜90秒の範囲の時間加熱処理することを特徴とするバレイショフレークの製造方法。
【請求項5】
請求項4記載のバレイショフレークの製造方法において、前記バレイショマッシュの加熱処理はドラムドライヤーを用いて行うことを特徴とするバレイショフレークの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バレイショマッシュの製造方法及びフレークの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱処理したバレイショにβ−アミラーゼを添加して混練することにより得られたバレイショマッシュが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記従来の技術によれば、デンプンが適度に分解されるとともに、マルトース等の糖含量が増加し甘味を有するバレイショマッシュが得られるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4029985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のバレイショマッシュでは、使用する用途によっては、舌触り等の食感が不十分になるという不都合がある。
【0006】
そこで、本発明は、優れた食感を有するバレイショマッシュの製造方法を提供することを目的とする。また、本発明の目的は、前記バレイショマッシュの製造方法により得られたバレイショマッシュを用いるフレークの製造方法を提供することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、本発明のバレイショマッシュの製造方法は、加熱処理したバレイショに、ペクチナーゼを単独で、又はβ−アミラーゼと、ペクチナーゼとを添加して混練することを特徴とする。
【0008】
本発明の製造方法によれば、加熱処理したバレイショに、ペクチナーゼを単独で、又はβ−アミラーゼと、ペクチナーゼとを添加して混練することにより、ペクチン質或いはセルロースが分解されると共に、デンプンもさらに分解される。この結果、本発明の製造方法によれば、粘度が低く滑らかな食感を有するバレイショマッシュを得ることができる。
【0009】
本発明の製造方法において、ペクチナーゼを単独で用いる場合には、前記加熱処理したバレイショに対し、0.005〜0.1質量%の範囲のペクチナーゼを添加することが好ましい。前記加熱処理したバレイショに対するペクチナーゼの量が0.005質量%未満では、バレイショを十分に軟化することができず、優れた食感を得ることができないことがある。一方、前記加熱処理したバレイショに対するペクチナーゼの量が0.1質量%を超えてもそれ以上の効果を得られず、高価な酵素を多量に用いることになるため製造コストの増大が避けられない。
【0010】
また、本発明の製造方法において、β−アミラーゼと、ペクチナーゼとを用いる場合には、前記加熱処理したバレイショに対し、ペクチナーゼを添加して混練した後、さらにβ−アミラーゼを添加して混練することが好ましい。このようにすることにより、ペクチン質或いはセルロースが分解されると共に、デンプンもさらに分解され、前記バレイショを十分に軟化させることができる。また、この場合には、前記デンプンの分解により、マルトース、マルトトリオース等の糖をさらに多量に生成することができる。
【0011】
尚、β−アミラーゼと、ペクチナーゼとを用いる場合、前記加熱処理したバレイショに対し、β−アミラーゼを添加して混練した後、さらにペクチナーゼを添加して混練してもよく、β−アミラーゼと、ペクチナーゼとを同時に添加して混練してもよい。
【0012】
バレイショマッシュは各種加工食品の原料とすることができ、例えば、加熱処理することによりバレイショフレークとすることができる。しかし、前記加熱処理の温度が高過ぎるか又は時間が長過ぎると褐色に変色して商品価値が損なわれることがある。
【0013】
そこで、本発明のバレイショフレークの製造方法は、加熱処理したバレイショに、ペクチナーゼを単独で、又はβ−アミラーゼと、ペクチナーゼとを添加して混練することにより得られたバレイショマッシュを、120〜130℃の範囲の温度で、40〜90秒の範囲の時間加熱処理することを特徴とする。本発明のバレイショフレークの製造方法によれば、前記範囲の温度で、前記範囲の時間加熱処理することにより、前記バレイショマッシュを褐色に変色させることなくフレークとすることができる。
【0014】
前記加熱処理温度が120℃未満であるか、前記加熱処理時間が40秒未満であるときには、前記バレイショマッシュをフレークとすることができない。一方、前記加熱処理温度が130℃を超えるか、前記加熱処理時間が90秒を超えるときには、前記バレイショマッシュから得られたフレークが褐色に変色する。
【0015】
本発明のバレイショフレークの製造方法において、前記バレイショマッシュの加熱処理はドラムドライヤーを用いて行うことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ドラムドライヤーの一構成例を示す模式的断面図。
図2】実施例1で得られたバレイショマッシュの粘度を示すグラフ。
図3】実施例1で得られたバレイショマッシュの糖含量を示すグラフ。
図4】実施例1及び比較例1で得られたバレイショマッシュの粘度の経時変化を示すグラフ。
図5】実施例2で得られたバレイショマッシュの粘度を示すグラフ。
図6】実施例2で得られたバレイショマッシュの糖含量を示すグラフ。
図7】実施例3,4及び比較例2で得られたバレイショマッシュの粘度を示すグラフ。
図8】実施例3,4及び比較例2で得られたバレイショマッシュの糖含量を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
【0018】
本実施形態のバレイショマッシュの製造方法は、加熱処理したバレイショに、ペクチナーゼを単独で、又はβ−アミラーゼとペクチナーゼとを添加して混練するものである。
【0019】
前記バレイショはどのような品種であってもよいが、例えば、「インカのめざめ」、「ノーザンルビー」、「シャドークイーン」、「はるか」、「キタアカリ」等の品種を用いることができる。前記品種の肉色は、「インカのめざめ」が橙色に近い濃黄色、「ノーザンルビー」が赤色、「シャドークイーン」が紫色、「はるか」が白色、「キタアカリ」が黄色である。
【0020】
本実施形態のバレイショマッシュを製造するときには、まず、原料となるバレイショを加熱処理する。前記加熱処理は、例えば、皮を剥いた前記バレイショを熱水中で所定時間茹でることにより行うことができる。
【0021】
次に、前記加熱処理されたバレイショに、ペクチナーゼを単独で、又はβ−アミラーゼと、ペクチナーゼとを添加して混練する。前記ペクチナーゼを単独で用いる場合には、前記加熱処理したバレイショに対し、ペクチナーゼを0.005〜0.1質量%の範囲の量、好ましくは0.05〜0.1質量%の範囲の量で添加し、20〜50℃の範囲の温度で、20〜90分間の時間混練する。
【0022】
この結果、ペクチン質が分解されると共に、デンプンもさらに分解され、粘度が低く滑らかな食感を有するバレイショマッシュを得ることができる。
【0023】
また、前記β−アミラーゼと、ペクチナーゼとを用いる場合には、まず、前記加熱処理されたバレイショに対し、ペクチナーゼを該バレイショの全量に対し0.05〜0.1質量%の範囲の量で添加し、20〜75℃の範囲の温度で、20〜90分間の時間混練する。そして、次に、前記β−アミラーゼを前記バレイショの全量に対し0.05〜0.1質量%の範囲の量で添加し、58〜62℃の範囲の温度で、20〜90分間の時間混練する。
【0024】
前記混練は、例えば、食品用のミキサーを用いて行うことができる。
【0025】
この結果、ペクチン質或いはセルロースが分解されると共に、デンプンもさらに分解され、粘度が低く滑らかな食感を有するバレイショマッシュを得ることができる。また、前記デンプンの分解により、マルトース、マルトトリオース等の糖が生成し、さらに強い甘味を有するバレイショマッシュを得ることができる。
【0026】
本実施形態によれば、原料として前記品種のバレイショを用いるときには、各品種の肉色をそのまま維持したバレイショマッシュを得ることができるので、該バレイショマッシュを各種加工食品の原料として有利に用いることができる。前記加工食品としては、例えば、スープ、バレイショフレーク、スィートポテト、シフォンケーキ、バターロール等を挙げることができる。
【0027】
ところで、バレイショフレークは、バレイショマッシュを加熱することにより製造されるが、該バレイショマッシュは加熱条件によっては褐色に変色することがある。前記変色が発生すると、特に前記品種のバレイショを原料とするバレイショマッシュの場合には、その鮮やかな色彩が失われることになり不利である。
【0028】
そこで、本実施形態では、バレイショマッシュを120〜130℃の範囲の温度で、40〜90秒の範囲の時間、好ましくは50〜70秒の範囲の時間加熱処理することにより、バレイショフレークを製造する。このようにすることにより、前記バレイショマッシュを褐色に変色させることなくフレークを得ることができる。
【0029】
前記バレイショマッシュの加熱は、例えば、ドラムドライヤーを用いることにより有利に行うことができる。前記ドラムドライヤーには、ダブルドラム型、ツインドラム型、シングルドラム型等のタイプがあるが、どのようなタイプを用いてもよい。次に、例として、ダブルドラムドライヤーの構成を示す。
【0030】
図1に示すように、ダブルドラムドライヤー1は、所定のクリアランスを存して平行に配置された1対の金属ドラム2,2を備え、金属ドラム2,2は互いに異なる方向に回転するようになっている。また、金属ドラム2,2は、回転軸3,3を介して内部に流通される加圧蒸気等の熱媒体により、表面が加熱される。
【0031】
ダブルドラムドライヤー1では、金属ドラム2,2の上方に配設された原料供給管4から金属ドラム2,2の間に供給される原料(バレイショマッシュ)を、加熱された金属ドラム2,2の表面で加熱、乾燥し、薄膜状に付着させる。付着された乾燥物(バレイショフレーク)は、金属ドラム2,2が1回転する間に、金属ドラム2,2の表面に沿って設けられたスクレーパー5,5により掻き取られ、スクレーパー5,5の下方に設けられたホッパー6,6に回収される。
【0032】
次に、実施例及び比較例を示す。
【実施例】
【0033】
〔実施例1〕
本実施例では、皮を剥いたバレイショ(ノーザンルビー)を沸騰水中で約30分間茹でたものに対し、ペクチナーゼ(エイチビィアイ株式会社製、商品名:セルロシンME)をそれぞれ0.005質量%、0.05質量%、0.1質量%の割合で添加し、食品用卓上ミキサー(株式会社愛工舎製作所製、商品名:ケンミックスミキサー)を用いて、45℃の温度で混練し、3種のバレイショマッシュを調製した。
【0034】
前記混練中の各バレイショマッシュの粘度を15分ごとに粘度計(リオン株式会社製、商品名:ビコテスタ)により測定した。結果を図2に示す。
【0035】
また、前記混練を90分間行った後の各バレイショマッシュの糖含量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。結果を図3に示す。
【0036】
図2から、ペクチナーゼを0.005〜0.1質量%の割合で添加した実施例1のバレイショマッシュは、ペクチナーゼの添加量が多くなるに従って、且つ、混練時間が長くなるに従って、粘度が低くなり、優れた食感を備えていることが明らかである。また、図3から、実施例1のバレイショマッシュは、ペクチナーゼの添加量が多くなるほど強い甘味を有することが明らかである。
【0037】
また、前記ペクチナーゼを0.1質量%の割合で添加した前記バレイショを食品用卓上ミキサー(National MGF社製、商品名:ピンミキサー)を用いて、45℃の温度で混練し、バレイショマッシュを調製した。このとき、前記混練中の10分間の粘度の経時変化をミキシングモニター(アトー株式会社製、商品名:ドゥグラフ)を用いて電力量の変化として測定した。結果を図4に示す。
【0038】
〔比較例1〕
本比較例では、皮を剥いたバレイショ(ノーザンルビー)を沸騰水中で約30分間茹でたものに対し、ペクチナーゼに代えてβ−アミラーゼ(エイチビィアイ株式会社製、商品名:ハイマルトシンG)を0.1質量%の割合で添加し、食品用卓上ミキサー(National MGF社製、商品名:ピンミキサー)を用いて、45℃の温度で混練し、バレイショマッシュを調製した。このとき、前記混練中の10分間の粘度の経時変化を実施例1と全く同一にして、電力量の変化として測定した。結果を図4に示す。
【0039】
図4から、ペクチナーゼを添加した実施例1のバレイショマッシュは、β−アミラーゼを添加した比較例1のバレイショマッシュよりも、混練10分後の粘度(電力量)が低く、より優れた食感を備えていることが明らかである。
【0040】
〔実施例2〕
本実施例では、皮を剥いたバレイショ(インカのめざめ)を沸騰水中で約30分間茹でたものに対し、ペクチナーゼ(エイチビィアイ株式会社製、商品名:セルロシンPE60)をそれぞれ0.005質量%、0.01質量%、0.05質量%、0.1質量%の割合で添加し、食品用卓上ミキサー(National MGF社製、商品名:ピンミキサー)を用いて、50℃の温度で30分間混練し、4種のバレイショマッシュを調製した。
【0041】
前記混練後の各バレイショマッシュの粘度を粘度計(リオン株式会社製、商品名:ビコテスタ)により測定した。結果を図5に示す。
【0042】
また、前記混練後の各バレイショマッシュの糖含量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。結果を図6に示す。
【0043】
図5から、ペクチナーゼを0.005〜0.1質量%の割合で添加した実施例2のバレイショマッシュは、ペクチナーゼの添加量が多くなるに従って粘度が低くなり、優れた食感を備えていることが明らかである。また、図6から、実施例2のバレイショマッシュは、ペクチナーゼの添加量が多くなるほど、強い甘味を有することが明らかである。
【0044】
〔実施例3〕
本実施例では、皮を剥いたバレイショ(はるか)を沸騰水中で約30分間茹でたものに対し、まず、ペクチナーゼ(エイチビィアイ株式会社製、商品名:セルロシンPE60)を0.1質量%の割合で添加し、食品用卓上ミキサー(National MGF社製、商品名:ピンミキサー)を用いて、50℃の温度で20分間混練した。
【0045】
次に、前記混練により得られたものに対し、前記ペクチナーゼと同量のβ−アミラーゼ(エイチビィアイ株式会社製、商品名:ハイマルトシンG)を添加し、前記食品用卓上ミキサーを用いて、60℃の温度で20分間混練してバレイショマッシュを調製した。
【0046】
次に、前記バレイショマッシュの粘度を粘度計(リオン株式会社製、商品名:ビコテスタ)により測定した。結果を図7に示す。
【0047】
また、前記バレイショマッシュの糖含量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。結果を図8に示す。
【0048】
〔実施例4〕
本実施例では、実施例3で用いたペクチナーゼに代えて別のペクチナーゼ(エイチビィアイ株式会社製、商品名:セルロシンME)を用いて、45℃の温度で20分間混練した以外は実施例3と全く同一にして、バレイショマッシュを調製した。
【0049】
次に、前記バレイショマッシュの粘度を粘度計(リオン株式会社製、商品名:ビコテスタ)により測定した。結果を図7に示す。
【0050】
また、前記バレイショマッシュの糖含量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。結果を図8に示す。
【0051】
〔比較例2〕
本比較例では、実施例3で用いたペクチナーゼを全く用いず、β−アミラーゼ(エイチビィアイ株式会社製、商品名:ハイマルトシンG)のみを用いて、60℃の温度で20分間混練した以外は実施例3と全く同一にして、バレイショマッシュを調製した。
【0052】
次に、前記バレイショマッシュの粘度を粘度計(リオン株式会社製、商品名:ビコテスタ)により測定した。結果を図7に示す。
【0053】
また、前記バレイショマッシュの糖含量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。結果を図8に示す。
【0054】
図7から、前記加熱したバレイショに対し、ペクチナーゼを添加して混練した後、さらにβ−アミラーゼを添加して混練して得られた実施例3,4のバレイショマッシュは、β−アミラーゼのみを添加した比較例2のバレイショマッシュより粘度が低く、優れた食感を備えていることが明らかである。
【0055】
また、図8から、実施例3,4のバレイショマッシュは、比較例2のバレイショマッシュより糖含量が多く、より強い甘味を有することが明らかである。
【符号の説明】
【0056】
1…ドラムドライヤー、 2…金属ドラム、 3…回転軸、 4…原料供給管、 5…スクレーパー、 6…ホッパー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8