特許第6164578号(P6164578)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6164578
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】リチウム二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/052 20100101AFI20170710BHJP
   H01M 10/0566 20100101ALI20170710BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20170710BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20170710BHJP
   H01M 2/16 20060101ALI20170710BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20170710BHJP
【FI】
   H01M10/052
   H01M10/0566
   H01M4/13
   H01M4/62 Z
   H01M2/16 L
   H01M2/16 P
   H01M2/16 F
   H01M10/058
【請求項の数】17
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-285746(P2012-285746)
(22)【出願日】2012年12月27日
(65)【公開番号】特開2013-161784(P2013-161784A)
(43)【公開日】2013年8月19日
【審査請求日】2015年12月3日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0012027
(32)【優先日】2012年2月6日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2012-0025722
(32)【優先日】2012年3月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100159042
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 徹二
(72)【発明者】
【氏名】宋 根 元
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲徳▼ 哲
(72)【発明者】
【氏名】李 鎔 範
(72)【発明者】
【氏名】河 正 基
【審査官】 渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−311151(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/073996(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0280584(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/165578(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0107275(US,A1)
【文献】 特表2011−501349(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0285341(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/052
H01M 2/16
H01M 4/13
H01M 4/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1反応性官能基を含む、有機化合物及び無機化合物と結合性のシラン化合物、無機化合物、および高分子を含むコーティング層を含むセパレータ、および
前記コーティング層に接し、第2反応性官能基を含むバインダおよび活物質を含む活物質層を含む電極、
を含み、
前記第1反応性官能基は前記第2反応性官能基に反応性を有し、前記第1反応性官能基および前記第2反応性官能基の反応によって形成された化学結合を含む、リチウム二次電池。
【請求項2】
前記無機化合物は、前記シラン化合物によって表面コーティングされる、請求項1に記載のリチウム二次電池。
【請求項3】
前記第1反応性官能基は、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、メルカプト基、ビニル基、ハロゲン基、およびこれらの組み合わせから選択された1つを含む、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
【請求項4】
前記シラン化合物は、エポキシアルキルアルコキシシラン、アミノアルキルアルコキシシラン、イソシアネートアルキルアルコキシシラン、メルカプトアルキルアルコキシシラン、およびこれらの組み合わせから選択された1つを含むか、または
ビニルアルキルアルコキシシラン、ハロゲン化アルキルアルコキシシラン、ビニルハロシラン、アルキルアルコキシシラン、およびこれらの組み合わせから選択された1つに、前記第1反応性官能基として、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、メルカプト基、ビニル基、ハロゲン基、およびこれらの組み合わせから選択された1つが導入されたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
【請求項5】
前記無機化合物は、SrTiO、SnO、CeO、MgO、NiO、CaO、ZnO、ZrO、Y、Al、TiO、BaTiO、SiO、およびこれらの組み合わせから選択された少なくとも1つを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
【請求項6】
前記高分子は、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ(ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)(P(VdF−HFP))、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリアミック酸(PAA)、ポリアミドイミド(PAI)、アラミド(aramid)、ポリビニルアセテート(PVA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルエーテル(PVE)、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
【請求項7】
前記セパレータは、ガラス繊維、ポリエステル、テフロン(登録商標)、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびこれらの組み合わせから選択された1つを含む多孔性基材を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
【請求項8】
前記セパレータのコーティング層は、前記多孔性基材の一面または両面に形成される、請求項7に記載のリチウム二次電池。
【請求項9】
前記第2反応性官能基は、−OH基、−CHO基、−COOH基、−COX(ここで、Xはハロゲンである)基、−COO−基、−NH基、マレイン酸から誘導された基、無水マレイン酸から誘導された基、およびこれらの組み合わせから選択された1つを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
【請求項10】
前記化学結合は、−CONH−、−COO−、−N(H)COOC(O)−、−CH(OH)CHOC(O)−、−OC(O)N(H)−、−N(H)C(O)N(H)−、−SC(O)−、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
【請求項11】
前記第2反応性官能基を含むバインダは、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシル化したポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ジアセチルセルロース、アクリル化スチレン−ブタジエンゴム、およびこれらの組み合わせから選択された1つであるか、または
ポリ塩化ビニル、ポリビニルフルオライド、エチレンオキシドを含むポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエンゴム、エポキシ樹脂、ナイロン、およびこれらの組み合わせから選択されたバインダに前記第2反応性官能基を導入したものである、請求項1〜10のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
【請求項12】
前記活物質層は、前記第2反応性官能基を含むバインダの他に、ポリ塩化ビニル、ポリビニルフルオライド、エチレンオキシドを含むポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリル化スチレン−ブタジエンゴム、エポキシ樹脂、ナイロン、およびこれらの組み合わせから選択されたバインダをさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
【請求項13】
前記電極は、正極または負極である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
【請求項14】
前記セパレータのコーティング層は、前記第1反応性官能基と前記第2反応性官能基が反応して化学結合を形成する前を基準とし、前記無機化合物100重量部に対して前記第1反応性官能基を含む有無機結合性シラン化合物1〜20重量部を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
【請求項15】
前記セパレータのコーティング層は、前記無機化合物対前記高分子の重量比が1:0.2〜1:5である、請求項1〜14のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
【請求項16】
前記セパレータのコーティング層と前記電極の接着強度が0.015〜0.2N/mである、請求項1〜15のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
【請求項17】
非水性有機溶媒とリチウム塩を含む電解液をさらに含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
リチウム二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の非水系リチウム二次電池は、正極と負極の間に電気絶縁性の多孔質フィルムからなるセパレータが介在しており、前記フィルムの空隙内にはリチウム塩が溶解した電解液が含浸している。このような非水系リチウム二次電池は、高容量および高エネルギー密度の優れた特性を有している。しかし、充放電サイクルによって正極および負極が収縮と膨張を繰り返すようになれば、セパレータまたは電解液が正極および負極と反応して容易に劣化し、電池内外では短絡が起こるようになり、電池温度が急激に上昇するという問題点が発生するようになる。このように電池温度が上がれば、セパレータが溶融して急激に収縮したり破損することによって再び短絡してショートが起こる。
【0003】
これを防ぐために、従来のセパレータは、シャットダウン(shutdown)特性、取扱性、および価格面において優れたポリエチレンからなる多孔質フィルムが広く使用されてきた。ここで、シャットダウン(shutdown)とは、過充電や外部または内部短絡などによって電池温度が上がり、セパレータの一部が溶融して空隙が閉鎖され、電流が遮断されることを意味する。
【0004】
また、非水系リチウム二次電池の安全性を改善するためにセパレータなどの電極材料の耐熱性向上が試みられており、特に、電池内部でセパレータが急激に収縮したり破損する場合にも安全性を確保することができるものを得るための試みが行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一実施形態は、寿命特性、強度、および高温安定性を向上させることができるリチウム二次電池を提供することを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態において、第1反応性官能基を含む、有機化合物及び無機化合物と結合性のシラン化合物、無機化合物、および高分子を含むコーティング層を含むセパレータ、および前記コーティング層に接し、第2反応性官能基を含むバインダおよび活物質を含む電極を含み、前記第1反応性官能基は前記第2反応性官能基に反応性を有し、前記第1反応性官能基および前記第2反応性官能基の反応によって形成された化学結合を含むリチウム二次電池を提供する。
前記無機化合物は、前記シラン化合物で表面コーティングされてもよい。
前記第1反応性官能基は、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、メルカプト基、ビニル基、ハロゲン基、 およびこれらの組み合わせから選択された1つを含んでもよい。
前記シラン化合物は、エポキシアルキルアルコキシシラン、アミノアルキルアルコキシシラン、イソシアネートアルキルアルコキシシラン、メルカプトアルキルアルコキシシラン、およびこれらの組み合わせから選択された1つを含んでもよく、または、ビニルアルキルアルコキシシラン、ハロゲン化アルキルアルコキシシラン、ビニルハロシラン、アルキルアルコキシシラン、およびこれらの組み合わせから選択された1つに、前記第1反応性官能基としてアミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、メルカプト基、ビニル基、ハロゲン基、およびこれらの組み合わせから選択された1つが導入されたものであってもよい。
前記無機化合物は、SrTiO、SnO、CeO、MgO、NiO、CaO、ZnO、ZrO、Y、Al、TiO、BaTiO、SiO、およびこれらの組み合わせから選択された少なくとも1つを含んでもよい。
前記高分子は、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ(ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)(P(VdF−HFP))、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリアミック酸(PAA)、ポリアミドイミド(PAI)、アラミド(aramid)、ポリビニルアセテート(PVA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルエーテル(PVE)、およびこれらの組み合わせであってもよい。
前記セパレータは、ガラス繊維、ポリエステル、テフロン(登録商標)、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびこれらの組み合わせから選択された1つを含む多孔性基材を含んでもよい。
前記セパレータのコーティング層は、前記多孔性基材の一面または両面に形成されてもよい。
前記第2反応性官能基は、−OH基、−CHO基、−COOH基、−COX(ここで、Xはハロゲンである)基、−COO−基、−NH基、マレイン酸から誘導された基、無水マレイン酸から誘導された基、およびこれらの組み合わせから選択された1つを含んでもよい。
前記化学結合は、−CONH−、−COO−、−N(H)COOC(O)−、−CH(OH)CHOC(O)−、−OC(O)N(H)−、−N(H)C(O)N(H)−、−SC(O)−、およびこれらの組み合わせから選択されてもよい。
前記第2反応性官能基を含むバインダは、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシル化したポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ジアセチルセルロース、アクリル化スチレン−ブタジエンゴム、およびこれらの組み合わせから選択された1つであってもよく、または、ポリ塩化ビニル、ポリビニルフルオライド、エチレンオキシドを含むポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエンゴム、エポキシ樹脂、ナイロン、およびこれらの組み合わせから選択されたバインダに前記第2反応性官能基を導入したものであってもよい。
前記活物質層は、前記第2反応性官能基を含むバインダの他に、ポリ塩化ビニル、ポリビニルフルオライド、エチレンオキシドを含むポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリル化スチレン−ブタジエンゴム、エポキシ樹脂、ナイロン、およびこれらの組み合わせから選択されたバインダをさらに含んでもよい。
前記電極は、正極または負極であってもよい。
前記セパレータのコーティング層は、前記第1反応性官能基と前記第2反応性官能基が反応して化学結合を形成する前を基準とし、前記無機化合物100重量部に対して前記第1反応性官能基を含む有無機結合性シラン化合物1〜20重量部を含んでもよい。
前記セパレータのコーティング層は、前記無機化合物対前記高分子の重量比が約1:0.2〜約1:5であってもよい。
前記セパレータのコーティング層と前記電極の接着強度は、約0.015〜約0.2N/mであってもよい。
前記リチウム二次電池は、非水性有機溶媒とリチウム塩を含む電解液をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0007】
前記リチウム二次電池は、寿命特性、強度、および高温安定性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池構造を概略的に示す図である。
図2】実施例3および比較例2で製造されたリチウム二次電池を解体した後、セパレータと正極および負極とに分離するときに得られた写真、分離後の正極の写真、および分離後の負極の写真である。
図3】実施例1のリチウム二次電池のセパレータと電極の間に形成された化学結合を示すために、実施例1で使用されたものと同じ添加剤とバインダの間に化学結合を形成させた後、その反応生成物に対して得られたIRスペクトルである。
図4】実施例4〜8および比較例5によって製造された電池において、電極とセパレータの間の接着強度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を詳しく説明する。ただし、これは例示として提示されるものに過ぎず、これによって本発明が制限されることはなく、本発明は後述する特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0010】
本発明の一実施形態において、第1反応性官能基を含む、有機化合物及び無機化合物と結合性のシラン化合物、無機化合物、および高分子を含むコーティング層を含むセパレータ、および前記コーティング層に接し、第2反応性官能基を含むバインダおよび活物質を含む電極を含み、前記第1反応性官能基は前記第2反応性官能基に反応性を有し、前記第1反応性官能基および前記第2反応性官能基の反応によって形成された化学結合を含むリチウム二次電池を提供する。
【0011】
前記リチウム二次電池は、前記第1反応性官能基および前記第2反応性官能基の反応によって形成された化学結合により、セパレータと電極の接着力が増加する。このように、セパレータと電極の接着力が増加することにより、寿命特性、強度、および高温安定性などを改善することができる。
【0012】
一実施形態において、前記セパレータのコーティング層は、前記シラン化合物によって表面コーティングされた無機化合物を含んでもよい。前記シラン化合物と前記無機化合物が化学結合を形成し、前記無機化合物は前記シラン化合物によって表面処理されてもよい。このように、前記無機化合物は、前記シラン化合物によって表面処理され、その表面に前記シラン化合物の表面コーティング層を形成するようになる。前記無機化合物の表面コーティング層は連続的であってもよく、不連続的であってもよい。
【0013】
前記シラン化合物に含まれている前記第1反応性官能基は、上述したように、前記電極に含まれているバインダの第2反応性官能基に反応性を有しており、前記第2反応性官能基との反応によって化学結合を形成する。前記化学結合により、前記有無機結合性シラン化合物を媒介としてセパレータコーティング層の無機化合物と電極のバインダが連結するようになるが、これによってセパレータと電極の接着力が向上するようになる。
【0014】
前記無機化合物は、具体的に、SrTiO、SnO、CeO、MgO、NiO、CaO、ZnO、ZrO、Y、Al、TiO、BaTiO、SiO、およびこれらの組み合わせから選択された少なくとも1つを含んでもよいが、これに制限されることはない。
【0015】
前記第1反応性官能基は、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、メルカプト基、ビニル基、ハロゲン基、およびこれらの組み合わせから選択された1つを含んでもよいが、これに制限されることはない。
【0016】
前記第1反応性官能基を含む有無機結合性シラン化合物の具体的な例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのエポキシアルキルアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノアルキルアルコキシシラン、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート、3−(トリメトキシシリル)プロピルイソシアネートなどのイソシアネートアルキルアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)−テトラスルフィドなどのメルカプトアルキルアルコキシシラン、およびこれらの組み合わせから選択された少なくとも1つを含んでもよいが、これに制限されることはない。
【0017】
また、前記第1反応性官能基を含む有無機結合性シラン化合物は、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのビニルアルキルアルコキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのハロゲン化アルキルアルコキシシラン、ビニルトリクロロシランなどのビニルハロシラン、メチルトリアセトキシシランなどのアルキルアルコキシシランなどの有無機結合性シラン化合物に、前記第1反応性官能基として、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、メルカプト基、ビニル基、ハロゲン基、およびこれらの組み合わせから選択された1つを導入したものを使用してもよい。
【0018】
前記無機化合物は粒子形態であり、前記有無機結合性シラン化合物によって表面処理され、高分子と混合して前記セパレータのコーティング層を形成してもよく、通常の方法、例えば、前記無機化合物、前記有無機結合性シラン化合物、および前記高分子を含む樹脂組成物溶液を製造した後、これをセパレータ基材の少なくとも一面に塗布して層を形成してもよい。前記無機化合物の粒子の例は、平均粒径が約0.05〜約2μmであるものを使用してもよい。
【0019】
前記高分子は、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ(ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)(P(VdF−HFP))、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリアミック酸(PAA)、ポリアミドイミド(PAI)、アラミド(aramid)、ポリビニルアセテート(PVA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルエーテル(PVE)、およびこれらの組み合わせから選択された1つであってもよい。
【0020】
前記セパレータのコーティング層は、前記無機化合物対前記高分子を重量比約1:0.2〜約1:5で含んでもよい。前記セパレータのコーティング層が前記含有量比の範囲で無機化合物と前記高分子を含むと、無機化合物によるセパレータの耐熱性増大効果をサポートしながら、コーティング性面においてより均一な形態をなし、電池の安全性に有利であるという利点がある。
【0021】
また、前記セパレータのコーティング層は、前記第1反応性官能基と前記第2反応性官能基が反応して化学結合を形成する前を基準とし、前記無機化合物100重量部に対して前記シラン化合物を約1〜約20重量部含んでもよい。前記セパレータのコーティング層が前記含有量比の範囲で前記シラン化合物を含むことにより、化学結合による電極とセパレータの間の接着力増大効果と同時に、シラン化合物の過添加による副反応または未反応物の発生が減少するという利点がある。前記第1反応性官能基と前記第2反応性官能基が反応した後、前記セパレータのコーティング層は前記コーティング層100重量部に対して前記シラン化合物を0.8〜18重量部含んでもよい。
【0022】
また、前記セパレータコーティング層は、第2反応性官能基を含むバインダをさらに含む。前記セパレータのコーティング層が第2反応性官能基を含むバインダを含むことにより、第1反応性官能基を有する化合物との反応性が増加するので、反応で得られる生成物の分子量が増加するようになり、電流集電体に対する結着力及びコーティング層の堅固性が増加して、結果的に電池の熱的安定性を向上することができる。前記第2反応性官能基は、−OH基、−CHO基、−COOH基、−COX(ここで、Xはハロゲンである)基、−COO−基、−NH基、マレイン酸から誘導された基、無水マレイン酸から誘導された基、およびこれらの組み合わせから選択された1つを含んでもよい。
【0023】
前記第2反応性官能基を含むバインダは、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシル化したポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ジアセチルセルロース、アクリル化スチレン−ブタジエンゴムなどが挙げられてもよく、ポリ塩化ビニル、ポリビニルフルオライド、エチレンオキシドを含むポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエンゴム、エポキシ樹脂、ナイロン、およびこれらの組み合わせから選択されたバインダに前記第2反応性官能基を導入して使用してもよい。或いは、活物質層に使用される公知のバインダに前記第1反応性官能基と反応性を有する官能基を導入して使用してもよい。
【0024】
前記第2反応性官能基を含むバインダを使用する場合、その含有量は、コーティング層全体100重量部に対して10重量部〜35重量部であってもよい。
【0025】
前記コーティング層の厚さはセパレータの厚さに影響を与えるようになるため、セパレータの厚さに適合するように決定されてもよい。セパレータの厚さが薄いほどセル抵抗減少および容量増加効果があるが、安全性側面においては不利である。所望する目的に応じて量子を考慮して適切に厚さを設定してもよいが、例えば、前記コーティング層の厚さは約0.5〜約5μmであってもよい。
【0026】
セパレータの全体の厚さは、目標とする電池の容量に応じて決定されてもよい。例えば、セパレータの厚さは、約10〜約30μmであってもよい。
【0027】
前記セパレータは、ガラス繊維、ポリエステル、テフロン(登録商標)、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびこれらの組み合わせから選択された1つを含む多孔性基材を含んでもよい。例えば、前記基材は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンを含み、2層以上の多層膜が使用されてもよく、ポリエチレン/ポリプロピレン2層セパレータ、ポリエチレン/ポリプロピレン/ポリエチレン3層セパレータ、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン3層セパレータなどのような混合多層膜が使用されてもよい。前記セパレータは、容量側面において不利である比較的厚い多層膜基材を使用せず、単層膜基材を使用しながらも優れた耐熱性を実現することができる。
【0028】
前記セパレータのコーティング層は、前記多孔性基材の一面または両面に形成されてもよい。例えば、前記セパレータのコーティング層が前記多孔性基材の一面に形成される場合、前記コーティング層と正極または負極が接するようになる。前記コーティング層が前記多孔性基材の一面に形成されて正極と接する場合、正極の正極合剤に含まれている第2反応性官能基と前記コーティング層に含まれている第1反応性官能基が化学結合を形成するようになる。前記コーティング層が前記多孔性基材の一面に形成されて負極と接する場合、負極の負極合剤に含まれている第2反応性官能基と前記コーティング層に含まれている第1反応性官能基が化学結合を形成するようになる。前記コーティング層が前記多孔性基材の両面に形成されて正極および負極と接する場合、正極の正極合剤に含まれている第2反応性官能基および負極の負極合剤に含まれている第2反応性官能基は、それぞれ接する前記コーティング層の第1反応性官能基と化学結合を形成するようになる。
【0029】
上述したように、前記第1反応性官能基は、前記第2反応性官能基と反応性を有するため化学結合を形成するが、このとき形成される化学結合の例は、−CONH−、−COO−、−N(H)COOC(O)−、−CH(OH)CHOC(O)−、−OC(O)N(H)−、−N(H)C(O)N(H)−、−SC(O)−、およびこれらの組み合わせであってもよいが、これに限定されることはない。
【0030】
前記電極は、前記第2反応性官能基を含むバインダの他に追加で、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリビニルフルオライド、エチレンオキシドを含むポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリル化スチレン−ブタジエンゴム、エポキシ樹脂、ナイロン、およびこれらの組み合わせから選択されたバインダをさらに含んでもよい。
【0031】
前記電極は、正極または負極であってもよい。
【0032】
前記セパレータのコーティング層と前記電極は、上述したように、第1反応性官能基と第2反応性官能基が形成した化学結合により、その接着強度が極めて向上する。例えば、前記セパレータのコーティング層と前記電極の接着強度が約0.015〜約0.2N/mであってもよく、具体的に、前記セパレータのコーティング層と前記電極の接着強度が約0.015〜約0.1N/mであってもよい。
【0033】
前記リチウム二次電池は、正極および負極の間に前記コーティング層を含むセパレータを入れて電池を製作した後、電解液を注入した後に熱処理段階を行って前記第1反応性官能基と第2反応性官能基を反応させて化学結合を形成させて製造されてもよい。前記熱処理段階は、例えば、熱圧着工程(heat press)によって実行されてもよい。このように、前記熱処理段階時に加圧して実行することにより、セパレータと電極の間の接着力をさらに向上させることができる。
【0034】
前記熱処理段階は、約80〜約110℃で約30秒〜約150秒に渡って約100Kgf/cm〜約300Kgf/cmの圧力を加えて実行してもよい。
【0035】
前記リチウム二次電池は、使用するセパレータと電解質の種類によってリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、およびリチウムポリマー電池に分類されてもよく、形態によって円筒形、角型、コイン型、パウチ型などに分類されてもよく、サイズによってバルクタイプと薄膜タイプに分けられてもよい。このような電池の構造と製造方法は当分野に広く知られているため、詳細な説明は省略する。
【0036】
図1は、一実施形態に係るリチウム二次電池の分解斜視図である。図1を参照すれば、前記リチウム二次電池100は円筒形であり、負極112、正極114、および前記負極112と正極114の間に配置されたセパレータ113、前記負極112、正極114、およびセパレータ113に含浸された電解質(図示せず)、電池容器120、そして前記電池容器120を封入する封入部材140を主な部分として構成されている。このようなリチウム二次電池100は、負極112、セパレータ113、および正極114を順に積層した後にスピロール状に巻き取られた状態であり、電池容器120に収納されて構成される。
【0037】
前記負極は集電体および前記集電体上に形成された負極活物質層を含み、前記負極活物質層は負極活物質およびバインダを含む。前記バインダは、上述した第2反応性官能基を含むバインダであってもよい。
【0038】
前記負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に挿入/脱離することができる物質、リチウム金属、リチウム金属の合金、リチウムをドープおよび脱ドープすることができる物質、または遷移金属酸化物を含む。
【0039】
前記リチウムイオンを可逆的に挿入/脱離することができる物質としては炭素系物質であり、リチウムイオン二次電池で一般的に使用される炭素系負極活物質であればいずれのものを使用してもよいが、その代表的な例としては、結晶質炭素、非晶質炭素、またはこれらの組み合わせを使用してもよい。前記結晶質炭素の例としては、無定形、板状、鱗片状(flake)、球形、または繊維状の天然黒鉛または人造黒鉛のような黒鉛が挙げられてもよく、前記非晶質炭素の例としては、ソフトカーボン(softcarbon)またはハードカーボン(hardcarbon)、メソフェーズピッチ炭化物、焼成したコークスなどが挙げられてもよい。
【0040】
前記リチウム金属の合金としては、リチウムとNa、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Si、Sb、Pb、In、Zn、Ba、Ra、Ge、Al、またはSnの金属との合金が使用されてもよい。
【0041】
前記リチウムをドープおよび脱ドープすることができる物質としては、Si、SiO(0<x<2)、Si−C複合体、Si−Q合金(前記Qは、アルカリ金属、アルカリ土金属、13族〜16族元素、遷移金属、希土類元素、またはこれらの組み合わせであり、Siではない)、Sn、SnO、Sn−C複合体、Sn−R(前記Rは、アルカリ金属、アルカリ土金属、13族〜16族元素、遷移金属、希土類元素、またはこれらの組み合わせであり、Snではない)などが挙げられてもよい。前記QおよびRの具体的な例としては、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db、Cr、Mo、W、Sg、Tc、Re、Bh、Fe、Pb、Ru、Os、Hs、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、Sn、In、Ti、Ge、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Po、またはこれらの組み合わせが挙げられてもよい。
【0042】
前記遷移金属酸化物としては、バナジウム酸化物、リチウムバナジウム酸化物などが挙げられてもよい。
【0043】
前記負極活物質層で、バインダは負極活物質粒子を互いに適切に付着させ、さらに負極活物質を電流集電体に適切に付着させる役割を行うものであり、第2反応性官能基を含むバインダ、一般的なバインダまたはこれらの組み合わせであってもよい。前記第2反応性官能基を含むバインダと一般的なバインダを共に使用する場合、第2反応性官能基を含むバインダと一般的なバインダの混合比率は5:5〜9:1重量比であってもよい。前記一般的なバインダは、非水溶性バインダ、水溶性バインダ、またはこれらの組み合わせであってもよい。前記非水溶性バインダとしては、ポリ塩化ビニル、カルボキシル化したポリ塩化ビニル、ポリビニルフルオライド、エチレンオキシドを含むポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドイミド、ポリイミド、またはこれらの組み合わせが挙げられてもよい。
【0044】
前記水溶性バインダとしては、スチレン−ブタジエンゴム、アクリル化スチレン−ブタジエンゴム、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、プロピレンとC2〜C8のオレフィン共重合体、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体、またはこれらの組み合わせが挙げられてもよい。
【0045】
前記負極バインダとして水溶性バインダを使用する場合、粘性を付与することができるセルロース系化合物をさらに含んでもよい。このようなセルロース系化合物としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、またはこれらのアルカリ金属塩などを1種以上混合して使用してもよい。前記アルカリ金属としては、Na、K、またはLiを使用してもよい。このようなセルロース系化合物の使用含有量は、負極活物質100重量部に対して約0.1〜約3重量部であってもよい。
【0046】
前記負極活物質層も、選択的に導電材をさらに含んでもよい。前記導電材は電極に導電性を付与するために使用されるものであり、構成される電池において化学変化を起こさずに電子導電性材料であればいずれのものでも使用が可能であるが、その例として、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維などの炭素系物質、銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末または金属繊維などの金属系物質、ポリフェニレン誘導体などの導電性ポリマー、またはこれらの混合物を含む導電性材料を使用してもよい。
【0047】
前記集電体としては、銅箔、ニッケル箔、ステレンス鋼箔、チタニウム箔、ニッケル発砲体(foam)、銅発泡体、導電性金属がコーティングされたポリマー基材、またはこれらの組み合わせを使用してもよい。
【0048】
前記正極は、電流集電体およびこの電流集電体に形成される正極活物質層を含む。前記正極活物質層は、正極活物質およびバインダを含む。前記バインダは、上述した第2反応性官能基を含むバインダであってもよい。
【0049】
前記正極活物質としては、リチウムの可逆的な挿入および脱離が可能な化合物(リチエイテッドインターカレーション化合物)を使用してもよい。具体的には、コバルト、マンガン、ニッケル、またはこれらの組み合わせの金属とリチウムとの複合酸化物のうちで1種以上のものを使用してもよく、その具体的な例としては、下記化学式のうちのいずれか1つで表現される化合物を使用してもよい。Li1−b(前記式において、0.09≦a≦1.8および0≦b≦0.5である)、Li1−b2−c(前記式において、0.09≦a≦1.8、0≦b≦0.5、および0≦c≦0.05である)、LiE2−b4−c(前記式において、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05である)、LiNi1−b−cCoα(前記式において、0.09≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、および0<α≦2である)、LiNi1−b−cCo2−αα(前記式において、0.09≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、および0<α<2である)、LiNi1−b−cCo2−α(前記式において、0.09≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、および0<α<2である)、LiNi1−b−cMnα(前記式において、0.09≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、および0<α≦2である)、LiNi1−b−cMn2−αα(前記式において、0.09≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、および0<α<2である)、LiNi1−b−cMn2−α(前記式において、0.09≦a≦1.8、0≦b≦0.5、0≦c≦0.05、および0<α<2である)、LiNi(前記式において、0.09≦a≦1.8、0≦b≦0.09≦c≦0.5、および0.001≦d≦0.1である)、LiNiCoMn(前記式において、0.09≦a≦1.8、0≦b≦0.09≦c≦0.5、0≦d≦0.5、および0.001≦e≦0.1である)、LiNiG(前記式において、0.09≦a≦1.8および0.001≦b≦0.1である)、LiCoG(前記式において、0.09≦a≦1.8および0.001≦b≦0.1である)、LiMnG(前記式において
、0.09≦a≦1.8および0.001≦b≦0.1である)、LiMn(前記式において、0.09≦a≦1.8および0.001≦b≦0.1である)、QO、QS、LiQS、V、LiV、LiTO、LiNiVO、Li(3−f)(PO(0≦f≦2)、Li(3−f)Fe(PO(0≦f≦2)、およびLiFePO
【0050】
前記化学式において、AはNi、Co、Mn、またはこれらの組み合わせであり、RはAl、Ni、Co、Mn、Cr、Fe、Mg、Sr、V、希土類元素、またはこれらの組み合わせであり、DはO、F、S、P、またはこれらの組み合わせであり、EはCo、Mn、またはこれらの組み合わせであり、ZはF、S、P、またはこれらの組み合わせであり、GはAl、Cr、Mn、Fe、Mg、La、Ce、Sr、V、またはこれらの組み合わせであり、QはTi、Mo、Mn、またはこれらの組み合わせであり、TはCr、V、Fe、Sc、Y、またはこれらの組み合わせであり、JはV、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、またはこれらの組み合わせである。
【0051】
もちろん、この化合物表面にコーティング層を有するものを使用してもよく、または前記化合物とコーティング層を有する化合物を混合して使用してもよい。前記コーティング層はコーティング元素化合物であり、コーティング元素のオキシド、ヒドロキシド、コーティング元素のオキシヒドロキシド、コーティング元素のオキシカーボネート、またはコーティング元素のヒドロキシカーボネートを含んでもよい。これらのコーティング層をなす化合物は、非晶質または結晶質であってもよい。前記コーティング層に含まれるコーティング元素としては、Mg、Al、Co、K、Na、Ca、Si、Ti、V、Sn、Ge、Ga、B、As、Zr、またはこれらの混合物を使用してもよい。コーティング層形成工程は、前記化合物にこのような元素を使用し、正極活物質の物性に悪影響を与えない方法(例えば、スプレーコーティングや浸漬法など)によってコーティングされればいかなるコーティング方法を使用してもよく、これについては当該分野に従事する者が適切に理解できる内容であるため、詳しい説明は省略する。
【0052】
前記正極活物質層は、正極活物質粒子を互いに適切に付着させ、または正極活物質を電流集電体に適切に付着させる役割を行うバインダを含んでもよく、第2反応性官能基を含むバインダの他に追加でバインダをさらに含んで混合して使用してもよい。前記追加でさらに含むことができるバインダの代表的な例としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、カルボキシル化したポリ塩化ビニル、ポリビニルフルオライド、エチレンオキシドを含むポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリル化スチレン−ブタジエンゴム、エポキシ樹脂、ナイロンなどを使用してもよいが、これに限定されることはない。
【0053】
前記正極活物質層も、選択的に導電材をさらに含んでもよい。前記導電材は電極に導電性を付与するために使用されるものであり、構成される電池において化学変化を起こさずに電子導電性材料であればいずれのものでも使用が可能であるが、その例として、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉末、金属繊維などを使用してもよく、またはポリフェニレン誘導体などの導電性材料を1種または1種以上を混合して使用してもよい。
【0054】
前記電流集電体としてはAlを使用してもよいが、これに限定されることはない。
【0055】
前記負極と前記正極はそれぞれ、活物質、導電材、およびバインダを溶媒中で混合して活物質組成物を製造し、この組成物を電流集電体に塗布して製造する。このような電極製造方法は当該分野に広く知られた内容であるため、本明細書において詳細な説明は省略する。前記溶媒としてはN−メチルピロリドンなどを使用してもよいが、これに限定されることはない。また、もし水溶性バインダを負極に使用すれば、前記溶媒として水を使用してもよい
【0056】
前記電解質は、非水性有機溶媒とリチウム塩を含む。
【0057】
前記非水性有機溶媒は、電池の電気化学的反応に関与するイオンが移動することができる媒質の役割を行う。
前記非水性有機溶媒としては、カーボネート系、エステル系、エーテル系、ケトン系、アルコール系、または非陽子性溶媒を使用してもよい。前記カーボネート系溶媒としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)などを使用してもよく、前記エステル系溶媒としては、メチルアセテート、エチルアセテート、n−プロピルアセテート、1,1−ジメチルエチルアセテート、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、デカノリド(decanolide)、バレロラクトン、メバルロノラクトン(mevalonolactone)、カプロラクトン(caprolactone)などが使用されてもよい。前記エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、テトラグライム、ジグライム、ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランなどが使用されてもよく、前記ケトン系溶媒としてはシクロヘキサノンなどが使用されてもよい。また、前記アルコール系溶媒としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどが使用されてもよく、前記非陽子性溶媒としては、R−CN(RはC2〜C20の直鎖状、分枝状、または環構造の炭化水素基であり、二重結合方向環またはエーテル結合を含んでもよい)などがトリル類ジメチルホルムアミドなどのアミド類、1,3−ジオキソランなどのジオキソラン類スルホラン(sulfolane)類などが使用されてもよい。
【0058】
前記非水性有機溶媒は、単独または1つ以上を混合して使用してもよく、1つ以上を混合して使用する場合の混合比率は、目的する電池性能に応じて適切に調節してもよく、これは当該分野に従事する者であれば広く理解することができる。
【0059】
また、前記カーボネート系溶媒の場合、環状(cyclic)カーボネートと鎖状(chain)カーボネートを混合して使用することが好ましい。この場合、環状カーボネートと鎖状カーボネートは、約1:1〜約1:9の体積比で混合して使用すれば、電解液の性能が優れるように現れる。
【0060】
前記非水性有機溶媒は、前記カーボネート系溶媒に前記芳香族炭化水素系有機溶媒をさらに含んでもよい。このとき、前記カーボネート系溶媒と前記芳香族炭化水素系有機溶媒は、約1:1〜約30.1の体積比で混合してもよい。
【0061】
前記芳香族炭化水素系有機溶媒としては、下記[化学式1]の芳香族炭化水素系化合物が使用されてもよい。
【化1】
前記[化学式1]において、R〜Rはそれぞれ独立的に、水素、ハロゲン、C1〜C10のアルキル基、C1〜C10のハロアルキル基、またはこれらの組み合わせである。
前記芳香族炭化水素系有機溶媒は、ベンゼン、フルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1,2,3−トリフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロベンゼン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、アイオドベンゼン、1,2−ジアイオドベンゼン、1,3−ジアイオドベンゼン、1,4−ジアイオドベンゼン、1,2,3−トリアイオドベンゼン、1,2,4−トリアイオドベンゼン、トルエン、フルオロトルエン、1,2−ジフルオロトルエン、1,3−ジフルオロトルエン、1,4−ジフルオロトルエン、1,2,3−トリフルオロトルエン、1,2,4−トリフルオロトルエン、クロロトルエン、1,2−ジクロロトルエン、1,3−ジクロロトルエン、1,4−ジクロロトルエン、1,2,3−トリクロロトルエン、1,2,4−トリクロロトルエン、アイオドトルエン、1,2−ジアイオドトルエン、1,3−ジアイオドトルエン、1,4−ジアイオドトルエン、1,2,3−トリアイオドトルエン、1,2,4−トリアイオドトルエン、キシレン、またはこれらの組み合わせを使用してもよい。
【0062】
前記非水性電解質は、電池寿命を向上させるために、ビニレンカーボネートまたは下記[化学式2]のエチレンカーボネート系化合物をさらに含んでもよい。
【化2】
前記[化学式2]において、RおよびRはそれぞれ独立的に、水素、ハロゲン基、シアノ基(CN)、ニトロ基(NO)、またはC1〜C5のフルオロアルキル基であり、前記RとRのうちの少なくとも1つは、ハロゲン基、シアノ基(CN)、ニトロ基(NO)、またはC1〜C5のフルオロアルキル基である。
【0063】
前記エチレンカーボネート系化合物の代表的な例としては、ジフルオロエチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ジクロロエチレンカーボネート、ブロモエチレンカーボネート、ジブロモエチレンカーボネート、ニトロエチレンカーボネート、シアノエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネートなどが挙げられてもよい。前記ビニレンカーボネートまたは前記エチレンカーボネート系化合物をさらに使用する場合、その使用量を適切に調節して寿命を向上させてもよい。
【0064】
前記リチウム塩は、前記非水性有機溶媒に溶解し、電池内でリチウムイオンの供給源として作用し、基本的なリチウム二次電池の作動を可能にし、正極と負極の間のリチウムイオンの移動を促進する役割を行う物質である。前記リチウム塩の代表的な例としては、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiCSO、LiClO、LiAlO、LiAlCl、LiN(C2x+1SO)(C2y+1SO)(ここで、xおよびyは自然数である)、LiCl、LiI、LiB(C(リチウムビスオキサレートボレート(lithium bis(oxalato)borate:LiBOB)、またはこれらの組み合わせを挙げてもよく、これらを支持(supporting)電解塩として含む。前記リチウム塩の濃度は、0.1〜2.0Mの範囲内で使用することが好ましい。リチウム塩の濃度が前記範囲に含まれれば、電解質が適切な電導度および粘度を有するために優れた電解質性能を示すことができ、リチウムイオンが効果的に移動することができる。
【0065】
前記セパレータ113は、負極112と正極114を分離してリチウムイオンの移動通路を提供するものであり、詳しい説明は上述したとおりである。
以下、本発明の実施例および比較例を記載する。このような後述する実施例は本発明の一例に過ぎず、本発明が後述する実施例に限定されることはない。
[実施例]
【0066】
<実施例1〜3>
(正極)
LiCoO正極活物質、バインダ、およびSuper−P導電材をNMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶媒中で94/3/3(質量比)の組成比で混合してスラリーを製造した後、12μmのアルミニウム集電体上にコーティングした。これを乾燥した後、圧延を実施して正極板を製造した。
前記バインダは、ポリ(ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF−HFP、グラフトされたHFP含有量約12重量%)バインダと、COOHがグラフトされたPVDF系統バインダを7:3重量比で混合して使用した。
(負極)
黒鉛負極活物質、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)バインダおよびCMC(カルボキシメチルセルロース)増粘剤をミキシング溶媒である水の中で、黒鉛/SBR/CMC=98/1/1(質量比)の組成比でスラリーを製造した後、12μmの銅集電体上にコーティングした。
これを乾燥した後、正極と同じように圧延を実施して負極を製造した。
(コーティング層を含むセパレータ)
アセトン75gにアルミナ25gを入れて攪拌した。得られた溶液に、下記表1に記載された添加剤(実施例1は3−アミノプロピルトリエトキシシラン、実施例2は3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、実施例3は3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート)2.5gを入れて攪拌した(溶液1)。前記添加剤は攪拌時にアルミナと反応をし、アルミナ表面にコーティングがなされる。
アセトン45gにポリ(ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF−HFP)共重合体5gおよびCOOHがグラフトされたポリ(ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)を入れて攪拌して高分子溶液を生成した(溶液2)。このとき、COOHがグラフトされたポリ(ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)の使用量は、アルミナ、ポリ(ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF−HFP)共重合体、およびCOOHがグラフトされたポリ(ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)全体100重量%に対して25重量%となるようにした。前記溶液1課溶液2を混合した後に攪拌した(溶液3)。
9μmの厚さのポリエチレン(PE)セパレータの両面を前記溶液3でコーティングした後に乾燥した。前記コーティング層の厚さは、一面基準2μmであった。
(電池の製造)
前記製造された正極、負極、およびセパレータを使用して423380のパウチ型電池を製造した。電解液は1.3Mの濃度のLiPFを含むEC(エチルカーボネート)/EMC(エチルメチルカーボネート)/DEC(ジエチルカーボネート)3/5/2、体積比)混合溶液を使用した。
電解液を注入した後、セルを100℃で100秒間に渡って200Kgf/cmの圧力で押した。
【0067】
比較例1
正極製造時にPVDF−HFPバインダを使用し、セパレータのコーティング層の製造時に添加剤を含まない溶液1を使用した点を除いては、前記実施例1〜3と同じように実行して423380のパウチ型電池を製造した。
【0068】
比較例2
セパレータのコーティング層の製造時、溶液1が添加剤を含まない点を除いては、前記実施例1〜3と同じように実行して423380のパウチ型電池を製造した。
【0069】
比較例3
正極製造時にPVDF−HFPバインダを使用し、セパレータのコーティング層の製造時に添加剤として末端基がメタクリレート基である3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランを製造して使用した点を除いては、前記実施例1〜3と同じように実行して423380のパウチ型電池を製造した。
【0070】
評価1
前記実施例1〜3および比較例1〜4で製造したセルを0.2Cで充電して0.2Cで放電を1回実施し(化成工程.FORMATION)、0.5C充電、0.2C放電を1回実施した(標準工程.STANDARD)。標準容量は標準工程の放電量を意味する。充電電位は4.35V、放電電位は3.0Vで実施した。
【0071】
評価2
前記実施例1〜3および比較例1〜3で製造したセルを、次のような充電条件(CC−CV充電:電池を0.7Cで4.35Vまで定電流充電し、0.025C(40mA)Cut−offまで定電圧充電)で充電した後、150℃オーブンに3600秒間入れた後、発火または未発火を確認して安定性評価を実施した。その結果を下記表1に記載した。
【0072】
【表1】
【0073】
評価3
前記実施例3および比較例2で製造したセルを解体し、セパレータと正極合剤との接着力を確認した。
図2において、解体過程中に得られた写真を示した。
図2において、セルを解体して正極とセパレータの間を分離させるとき、比較例2の場合には容易に分離するが、実施例3の場合には容易に分離しないことは、写真に示すテンションの差によって知ることができる。また、分離した正極合剤の表面に、実施例3の場合はセパレータのコーティング層成分が転写したものが見える。これは、比較例2と比較したとき、実施例3においてセパレータと正極の接着力がさらに大きいことを示している。
負極の場合も、分離した負極合剤の表面に、実施例3の場合はセパレータのコーティング層成分が転写したものが見える。これにより、比較例2と比較したとき、実施例3においてセパレータと負極の接着力がさらに大きいことが分かる。
【0074】
評価4
アセトン75gにアルミナ25gを入れて攪拌した。得られた溶液に3−アミノプロピルトリエトキシシラン3.0gを入れて攪拌した(溶液1)。前記添加剤は攪拌時にアルミナと反応をし、アルミナ表面にコーティングがなされる。
アセトン45gに前記実施例1〜3において正極バインダとして使用したCOOH基を含むポリ(ビニリデン−カルボン酸)共重合体を5g入れて攪拌して高分子溶液を生成した(溶液2)。
前記溶液1と溶液2を混合した後、攪拌した(溶液3)。
前記溶液3を100℃で反応させた後、反応生成物をIR分析(Infrared spectroscopic anaylysis)した。図3は、前記反応生成物のIRスペクトルである。
図3のIRスペクトルにおいて、アミド基(CONH)のピークに該当するピークが発見された(1668cm−1、1639cm−1、1320cm−1)。
前記IR分析結果から、正極合剤とセパレータとの接着力の増加は、3−アミノプロピルトリエトキシシランと正極バインダのCOOHの化学結合によるものであることを確認することができる。
【0075】
<実施例4>
アセトン75gにアルミナ25g、3−アミノプロピルトリエトキシシラン添加剤0.5gを入れて攪拌した(溶液1)。前記添加剤は攪拌時にアルミナと反応し、アルミナ表面にコーティングされた。
アセトン45gにPVdF−HFP共重合体5gおよびCOOHがグラフトされたPVdFを入れて攪拌して高分子溶液を製造した(溶液2)。このとき、COOHがグラフトされたポリ(ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)の使用量は、アルミナ、ポリ(ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF−HFP)共重合体、およびCOOHがグラフトされたポリ(ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)全体100重量%に対して25重量%となるようにした。
前記溶液1および溶液2を混合した後、攪拌した。この混合物を9μmの厚さのポリエチレンセパレータの両面にコーティングした後、乾燥した。コーティング層の厚さは、一面基準2μmであった。
得られたコーティング層を有するセパレータ、実施例1で製造された正極および負極を利用して423380のパウチ型電池を製造した。
【0076】
<実施例5>
3−アミノプロピルトリエトキシシラン添加剤を1g使用したことを除いては、前記実施例4と同じように実施して電池を製造した。
【0077】
<実施例6>
3−アミノプロピルトリエトキシシラン添加剤を2g使用したことを除いては、前記実施例4と同じように実施して電池を製造した。
【0078】
<実施例7>
3−アミノプロピルトリエトキシシラン添加剤を3g使用したことを除いては、前記実施例4と同じように実施して電池を製造した。
【0079】
<実施例8>
3−アミノプロピルトリエトキシシラン添加剤を5g使用したことを除いては、前記実施例4と同じように実施して電池を製造した。
【0080】
比較例4
3−アミノプロピルトリエトキシシラン添加剤を使用しないことを除いては、前記実施例4と同じように実施して電池を製造した。
【0081】
評価5
前記実施例4〜8および比較例4によって製造された電池を解体してセパレータと正極の間およびセパレータと負極の間の接着力を測定し、その結果を図4に示した。接着力実験は、電池を解体して得られた正極−セパレータ−負極−セパレータ−正極の積層体をInstron引張強度測定器を利用して幅20mm、速度50mm/minの条件で剥離実験によって実施した。この剥離実験を5回実施してその値を平均し、その結果を図4に示した。
図4に示すように、有機化合物及び無機化合物と結合性のシラン化合物を使用すると接着力が増加し、特に、正極とセパレータの間は著しく増加することが分かる。
【符号の説明】
【0082】
100:リチウム二次電池
112:負極
113:セパレータ
114:正極
120:電池容器
140:封入部材
図1
図2
図3
図4