(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施例では、試料を内部に保持する試料ホルダと、試料ホルダが導入される試料ステージと、を備える荷電粒子線装置であって、試料ホルダに電力を供給する電源部を有し、試料ホルダは、試料を載置する試料台を一方端部に保持する軸部と、軸部の他端部に接続され、軸部を駆動する駆動部と、駆動部と接続された第一の端子部材と、を有し、試料ステージは、電源部と接続された第二の端子部材を有し、試料ホルダを試料ステージに導入することにより、第一の端子部材と第二の端子部材とが接触されるものを開示する。
【0011】
また、実施例では、第一の端子部材と第二の端子部材とは、試料ホルダの挿入先の位置で接触されることを開示する。
【0012】
また、実施例では、第
二の端子部材をカバーし、試料ステージに密着させるカバー部材を備えることを開示する。
【0013】
また、実施例では、第
二の端子部材は、試料ホルダを試料ステージに挿入したときに、試料ホルダを軸方向に移動可能とし、径方向に支持する支持部材として作用することを開示する。
【0014】
また、実施例では、試料
ホルダは、第一の端子部材に加えて、各々が異なるセンサに接続された複数の端子部材を有し、試料
ステージは、第二の端子部材に加えて、センサのうちのいずれかと対応するアンプに接続された端子部材を少なくとも1つ有し、試料ホルダを試料ステージに導入することによって、センサに接続された端子と、センサに対応するアンプに接続された端子との接触の組み合わせに基づいて、試料ホルダの種類を判別することを開示する。
【0015】
また、実施例では、試料ホルダは、駆動部と離間した位置であって、軸部とは反対側の位置に配置されるグリップ部を有し、グリップ部は、試料ホルダから着脱可能に構成されることを開示する。
【0016】
また、実施例では、駆動部と離間した位置であって、軸部とは反対側の位置に配置されるグリップ部を有し、グリップ部は、試料ホルダを試料ステージに挿入したときに、試料ホルダ内部に収納可能であることを開示する。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、全体を通して、各図における同一の各構成部分には同一の符号を付して説明を省略することがある。
【0018】
図10は、実施の形態に係る荷電粒子線装置の一例であるTEMの基本構成図を示す。
【0019】
TEM本体100は、電子銃101と照射レンズ103と対物レンズ107、投射レンズ108で構成される。試料106は、試料ホルダ105に取り付けられており、試料ホルダ105はTEM本体100の側面に設けられた試料ステージ104から内部へ導入される。投射レンズ108の下方には検出器109が設けられる。なお、本図において制御部110は各々の構成部に接続され、装置全体を制御するものとしたが、構成部ごとに独立した制御部を備えるように構成することもできる。
【0020】
電子銃101より放出された電子線102は、照射レンズ103により収束され、試料106に照射される。試料106を透過した電子は対物レンズ107により結像され、その像は投射レンズ108により拡大され、検出器109上に画像が投影される。投影された画像は、制御部110を介し、図示しない出力装置により表示される。
【0021】
図1は、試料ホルダを試料ステージへ導入する際の概略図である。
【0022】
試料ホルダ105は、TEM本体100の側面に設けられた試料ステージ104内に、ホルダ先端部105a側から挿入される。
【0023】
図2は、観察時の試料ホルダの断面概略図である。なお、
図2に描かれた下向き矢印は、電子線方向を示す。
【0024】
観察時に、試料ホルダ105のホルダ先端部105aに載置された試料106が、電子銃101の直下となるように配置される。電子銃101から放出された電子線により試料106が観察される。本例では。試料ホルダ105は試料106を任意の角度で観察できるように、
図3にて後述する通り試料ホルダ105内に配置されたアクチュエータ305を駆動源として試料台201を傾斜させる。
【実施例1】
【0025】
本実施の形態では、アクチュエータと電源部との電気的接点が、試料ホルダの長手方向の面上に位置する荷電粒子装置の例を説明する。
【0026】
図3に、本実施の形態に係る試料ホルダ近傍のステージ断面概略図を示す。
【0027】
試料ホルダ105は、試料ステージ104のステージ内壁104aに、支持部301を介して支えられている。支持部301は、試料ホルダ105を軸方向には移動可能とし、径方向には移動不可となるように、例えば車輪、軸受等の部材で構成される。
【0028】
試料ホルダ105は、試料ホルダ筒302、グリップ部303、駆動軸304、アクチュエータ305、ホルダ先端部105aからなり、試料ホルダ筒302の内部には駆動軸304、アクチュエータ305が配置される。ステージ内壁104aと試料ホルダ筒302との間、試料ホルダ筒302と駆動軸304との間は、それぞれOリング306で気密をとっている。
【0029】
ホルダ先端部105aは、試料台駆動部材307、試料台308、弾性部材309からなり、試料台308は、紙面垂直方向の回転軸310を中心として回転自由に支持される。試料台308の一端には試料台駆動部材307、他端には弾性部材309が圧縮して配置され、試料台駆動部材307と試料台308とは密着した状態で配置される。
【0030】
ここで、弾性部材309は、各種ばねやゴム等、試料台駆動部材307が試料台308の回転軸310回りに回転させたときに、試料台駆動部材307と試料台308が常に密着した状態にするために、密着力を発生させる弾性を有する部材のことをいう。
【0031】
アクチュエータ305による駆動力は駆動軸304に伝達される。駆動軸304の回転は、回転軸310に偏心して配置された試料台駆動部材307を移動させ、この移動により、試料台308を回転軸310を中心として回転運動させる。
【0032】
アクチュエータ305は、電源部320と後述するコネクタを介して配線で接続されており、電源部からの電力によってアクチュエータ305を駆動することができる。
【0033】
ステージ内壁104a及び試料ホルダ筒302には、それぞれコネクタとしてステージ側端子311、ホルダ側端子312が配置されている。ホルダ側端子312とアクチュエータ305、ステージ側端子311と電源部320とはそれぞれ電気的に接続されている。本図に示すように、これらはアクチュエータ305とグリップ部303との間の空間に設けられている。
【0034】
ステージ側端子311及びホルダ側端子312は、試料ホルダ105を試料ステージ104に挿入し、所定の距離だけ装置内部へ進行したところで接触する位置となるように配置されており、ステージ側端子311とホルダ側端子312との接触により、アクチュエータ305と電源部320とは別途配線やコネクタ等を用いることなく電気的に接続することができる。
【0035】
本実施の形態では、試料ステージ側端子311とホルダ側端子312が大気中で接触している例について説明したが、TEM本体100の内部であれば、大気中、真空中のいずれの条件の下でも接触可能である。
【0036】
グリップ部303と試料ホルダ筒302は、グリップ筒部313とホルダ筒内壁302aを介して着脱可能に配置される。グリップ部303はスイッチ部材314、弾性部材315、てこ部材316、引っかけ部材317から構成される。
【0037】
試料ホルダ筒302とグリップ部303との間には、これらを連通するように連通穴318が形成される。
【0038】
グリップ部303内のてこ部材316は、紙面垂直方向を回転軸319まわりに回転自由に支持されており、てこ部材316の一端にはスイッチ部材314及び弾性部材315が配置されている。
【0039】
弾性部材315は、例えば圧縮されたばね部材やゴム部材等があり、スイッチ部材314を押すと、押す力が加えられる方向とは反対の方向、すなわちスイッチ部材314を押し上げる方向に反力が働く。
【0040】
スイッチ部材315とてこ部材316は密着して配置されており、引っかけ部材317は、連通穴318のグリップ部材303側から試料ホルダ筒302側へ伸びるように形成されている。
【0041】
引っかけ部材317は、スイッチ部材314を押して弾性部材315を圧縮する方向に作用させると、てこの原理によって上方へ持ち上がり、グリップ筒部313内に収まるようになる。この動作によって、グリップ筒部313はホルダ筒内壁302aを試料ホルダ105の軸方向に移動することができるので、グリップ部材303と試料ホルダ筒302とは着脱可能に構成される。
【0042】
上述のように、本実施の形態に係る試料ホルダ105は、TEMの本体に配置された試料ステージ104に装着して使用される。試料ホルダ105内のアクチュエータ305と電源部320とは、ステージ内壁104a、及び試料ホルダ筒302にそれぞれ設置されたステージ側端子311、及びホルダ側端子312を介して接続される。
【0043】
ステージ側端子311及びホルダ側端子312は、試料ホルダ105を試料ステージ104内に挿入した状態においては、TEM本体の内部にあるため、音波や気流等の外乱要因によって加振されることがない。また、ベットの配線やコネクタ等を用いることなく、アクチュエータ305と電源とを電気的に接続できるので、これらの部材が上記の外乱によって加振され、振動が試料ホルダ105に伝達することによる分解能の低下を防止することができる。さらに、グリップ部303を着脱可能な構成とすることで、グリップ部303を試料ホルダ筒302から外した状態で計測することができるので、グリップ部303の表面に音波や気流が作用することによる試料ホルダ105への振動の伝達、及びこれに伴う分解能の低下を防止することができる。
【0044】
ここで、本実施の形態では、グリップ部材303が試料ホルダ筒302から着脱可能な構成について説明したが、グリップ部303の位置を固定する場合等、着脱できない態様とすることもできる。
【実施例2】
【0045】
本実施の形態では、アクチュエータ305と電源部との電気接点が、試料ホルダ105の試料台308近傍に位置する荷電粒子装置の例を説明する。以下、実施例1との相違点を中心に説明する。
【0046】
図4は、本実施の形態に係る試料ホルダ近傍の試料ステージ断面図の例である。
【0047】
本実施の形態では、実施例1の試料ホルダ105のうち、ホルダ側端子312の軸方向に配置し、電源からの電源端子401を試料ステージ104外部の位置(但し、TEM本体100内部)に設けた構造とした。
【0048】
図4に示すように、ホルダ側端子312は試料ホルダ105の試料台近傍に、電源端子401は試料ステージ104外部の位置(但し、TEM本体100内部)に配置する。
【0049】
ホルダ側端子312と電源端子401とは、試料ホルダ105の挿入時に、試料ステージへの挿入先の位置において、対向して接触する。
【0050】
本実施の形態では、ホルダ側端子312と電源端子401とは、真空条件下で電気的に接続されているが、TEM本体100内であれば、大気条件下で接触する構造としても良い。
【0051】
電源端子401と電源部320、及びホルダ側端子312とアクチュエータ305は、それぞれ電気的に接続されている。電源端子401とホルダ側端子312とが接触することにより、アクチュエータ305と電源部320とは別途の配線やコネクタを用いることなく電気的に接続することができる。本実施例では、電源端子401と試料ホルダ側312とが試料ホルダ105の挿入に伴って試料台の近傍において接触するため、端子同士の位置決めが容易であり、電気的な接触を効率よく行うことができる。
【0052】
本図では、ホルダ側端子312は試料ホルダ筒302の試料台近傍に配置した例を示したが、試料ホルダの先端部105aの最先端の位置等、他の箇所に配置することもできる。
【実施例3】
【0053】
本実施の形態では、電源端子が、試料ホルダ105の支持部301を兼用する荷電粒子線装置の例を説明する。以下、実施例1〜2との相違点を中心に説明する。
【0054】
図5は、本実施の形態に係る試料ホルダ近傍の試料ステージ断面図の例である。
【0055】
本実施の形態では、実施例1に係る試料ホルダ105のうち、ステージ側端子311を、支持部301を兼ねた構造とし、支持部兼端子501としたものである。
【0056】
本図に示されるように、支持部兼端子501はステージ内壁104aにおいて支持部301を兼ねるように構成されている。支持部兼端子501と電源部320、試料ホルダ105とアクチュエータ305とはそれぞれ電気的に接続されており、支持部兼端子501とホルダ側端子312が接触することで、アクチュエータ305と電源部は、配線やコネクタを別途用いることなく電気的に接続することができる。
【0057】
本実施例では、支持部兼端子501が支持部301を兼ねているため、試料ホルダ105の質量を支持するため、接触圧力を高め、電気的に効率良く接続できる。
【実施例4】
【0058】
本実施の形態では、電気的な接点となる端子をカバー部材で支持し、電気的接点を密着させる荷電粒子装置の例を説明する。以下、実施例1〜3との相違点を中心に説明する。
【0059】
図6は、本実施の形態に係る試料ホルダ近傍の試料ステージ断面図の例である。
【0060】
実施の形態は、実施例1に係るステージ内壁104aに配置された試料ステージ側端子311に対し、カバー部材601によって密着させるように支持したものである。
【0061】
図6より、ステージ内壁104aは、試料ステージ連通穴602、カバー部材601、ステージ側端子311を有する。カバー部材601は、一端をステージ側端子311と接着させ、他端を試料ステージ104の外側の面に接着させて、ステージ側端子311を外側から覆うように配置される。ステージ側端子311は試料ステージ連通穴602を試料ステージ104から試料ホルダ105の方向に貫通してするように配置される。
【0062】
ホルダ側端子312と試料ステージ側端子311は、試料ホルダ105を試料ステージ104に挿入し、所定の距離だけ進行したところで接触する位置となるように配置されている。
【0063】
ホルダ側端子312とアクチュエータ305、電源部とステージ側端子311とはそれぞれ電気的に接続されており、ステージ側端子311とホルダ側端子312とが接触することにより、アクチュエータ305と電源部320とを配線やコネクタを別途用いることなく電気的に接続することができる。カバー部材601は、ゴム部材等の弾性部材や、伸縮性、変形性を有する材料であれば、電気的な接点を密着させることができる。カバー部材601の伸縮・変形により、試料ステージ側端子311とホルダ側端子312がより密着して接触するように配置することで、試料ステージ側端子311とホルダ側端子312との接続が仮に離れてしまった場合であっても、カバー部材601が元の形に戻るように作用するため、安定して電気的接続を保つことができる。
【0064】
本実施の形態では、カバー部材601を大気中に配置している例について説明したが、真空中に配置する構造とすることもできる。また、本実施の形態ではステージ側端子311とカバー部材601とを別部材で構成した例について説明したが、導電性の弾性体を用いることで、試料ステージ側端子311とカバー部材601とを一体として構成することもできる。また、試料ステージ側端子311をカバー部材601によって支持しているが、ホルダ側端子312カバー部材601によって支持する構成とすることもできる。
【実施例5】
【0065】
本実施の形態では、試料ホルダの挿入時に端子の接触パターンにより試料ホルダの種類を判別する荷電粒子装置の例を説明する。以下、実施例1〜4との相違点を中心に説明する。
【0066】
図7は、本実施の形態に係る試料ホルダ近傍の試料ステージ断面図の例である。
【0067】
本実施の形態では、実施例1の試料ホルダ105において、試料ホルダ端子側312a及びセンサA703、試料ステージ104に試料ステージ側端子311a及び、試料ステージ側端子311b、そして試料ステージ側端子311aステージ側端子311bとそれぞれ電気的に接続するアンプA701およびアンプB702を加えたものである。
【0068】
図7より、試料ホルダ105はホルダ側端子312a及びセンサA703を有し、ホルダ側端子312aとセンサA703は電気的に接続されている。試料ステージ104には、試料ステージ側端子311a及び試料ステージ側端子311bを有し、試料ステージ側端子311a、311bは、それぞれアンプA701、アンプB702と電気的に接続されている。
【0069】
センサA703はひずみや温度、電気など試料やその周辺の物理量を計測することができ、アンプA701に電気的に接続することで使用可能となる。一方、センサA703はアンプB702に電気的に接続しても使用することはできない。試料ステージ側端子311a及びステージ側端子311bは、試料ステージ104の離間された位置に配置され、試料ステージ側端子311a及び試料ホルダ端子312aは、試料ホルダ105を挿入し、所定の距離だけ進行したところで接触する位置となるように配置されている。
【0070】
ステージ側端子311aとホルダ側端子312aが接触するときに、ステージ側端子311bとホルダ側端子312aとが接触することはない。ステージ側端子311aとホルダ側端子312aとが接触することで、センサA703とアンプA701とを電気的に接続することができるので、別途配線やコネクタを要することがない。
【0071】
また、アンプA701及びアンプB702は、ステージ側端子311a、ステージ側端子311bを介してセンサA703、センサB(センサAとは異なる計測を行うセンサ、図示はされていない)と電気的に接続したことを確認することができる。本実施の形態において、試料ホルダ105のセンサA703は、ステージ側端子311bと電気的に接続できる端子を有していないので、アンプB702はいずれのセンサとも電気的に接続することができない。
【0072】
このように、アンプA701、アンプB702が、ステージ側端子311a、ステージ側端子311bを介してセンサA703、センサBと電気的に接続したことを確認することにより、試料ホルダ105の種類を判別することができる。
【0073】
図8は、試料ホルダ105の判別手法について説明する概略図である。本図に示すように、試料ステージ104側には端子A、端子B、端子Cが備えられており、2種類の試料ホルダのうち、タイプIのホルダは端子A、端子Bを、タイプIIのホルダは端子B、端子Cをそれぞれ有しているものとする。予め、タイプI、IIのホルダが備える端子の種類がわかっていれば、未知の試料ホルダ105を試料ステージ104に挿入した際に、試料ステージ側の端子との接続を確認することで、その種類を判別することができる。
【実施例6】
【0074】
本実施の形態では、試料ホルダ105の全長(グリップ)を短くすることができる荷電粒子装置の例を説明する。以下、実施例1〜5との相違点を中心に説明する。
【0075】
図9は、本実施の形態に係る試料ホルダ近傍の試料ステージ断面図の例である。
【0076】
本実施の形態では、実施例1の試料ホルダ筒302に試料ホルダ筒凹部901、グリップ部303の代わりに移動式グリップ部903を配置したものである。
【0077】
本実施の形態では、試料ホルダ筒302に試料ホルダ筒凹部901が形成され、移動式グリップ部903にはグリップ凸部902が形成される。本図に示すように、試料ホルダ筒凹部901は試料ホルダ筒302のホルダ先端部105a側の開口とはと反対側の開口よりも内側の位置に形成される。移動式グリップ部903は、試料ホルダ筒302のホルダ先端部105a側の開口と、ホルダ先端部105a側とは反対側の開口に挿入可能に配置される。試料ホルダ105の軸方向に垂直な断面の試料ホルダ筒凹部901の内周及びグリップ凸部902の外周は相似な形状をしている。グリップ凸部902の外周は試料ホルダ筒凹部901の内周よりも小さいため、グリップ凸部902を試料ホルダ筒凹部901に沿って試料ホルダ105の軸方向に移動することができる。そのため、移動式グリップ部903を試料ホルダ筒302の内部に移動させ、収納することができる。このように、測定時に移動式グリップ部903を試料ホルダ筒302の内部に移動し、収納することで、移動式グリップ部903に対して音波や気流が作用する面積を減らし、グリップ部903の加振を防止できる。その結果と、試料ホルダ105の振動による分解能低下を抑制できる。
【0078】
また、本実施の形態において説明した上記の移動式グリップ部903は、グリップ部303と比較して、より多くの部分を試料ホルダ筒302の内部に移動し、収納できるため、試料ホルダ105の全長を短くすることができる。これにより試料ホルダ105の曲げ剛性が高くなる。その結果、試料ホルダ105が加振されることによる振動変位振幅は小さくなり、さらに効果的に分解能低下の抑制に寄与する。