(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
[1]半導体ウェーハおよび保護テープ
図1は、一実施形態に係る円板状の半導体ウェーハ(板状物、以下、ウェーハと略称)1と、保護テープ10を示している。ウェーハ1は厚さが例えば数百μm程度で、表面1aにICやLSI等の電子回路を有する多数のデバイス2が配設されている。各デバイス2は、格子状の分割予定ラインによってウェーハ1の表面に区画された矩形状の領域に電子回路を形成することで、それら領域に設けられている。
【0012】
ウェーハ1は裏面1bが研削されて所定厚さ(例えば100〜50μm程度)まで薄化される。ウェーハ1を裏面研削する際には、デバイス2を保護するために表面1aに保護テープ10が貼着される。保護テープ10は、厚さが例えば100〜200μm程度のポリオレフィンやポリエチレン等の樹脂からなる基材の片面に厚さ30〜400μm程度の樹脂からなる粘着層を形成したものが用いられ、粘着層をウェーハ1の表面1aに合わせて貼着される。
【0013】
保護テープ10は、
図1ではウェーハ1と同様の寸法および形状で円形状に示しているが、上述したようにロールから引き出した保護テープ10の粘着層にウェーハ1の表面1aを貼着し、次いでウェーハの外周に沿って保護テープ10を切断する方法で、結果的にウェーハの表面1a全面に円形状の保護テープ10を貼着することができる。
【0014】
[2]研削装置
表面1aに保護テープ10が貼着されたウェーハ1は、
図2に示す研削装置20により、本発明の一実施形態に係る研削方法のテープ面洗浄ステップと研削ステップが適用されて裏面1bが研削される。まず、研削装置20の構成ならびに基本動作について説明する。
【0015】
表面1aに保護テープ10が貼着された研削前のウェーハ1は、所定数がカセットC内に積層状態で収容され、そのカセットCは、研削装置20の基台21上の搬入側カセット載置位置C1に載置される。カセットCから1枚のウェーハ1が搬送ロボット23によって引き出され、そのウェーハ1は、裏面研削の際には裏面1bを露出させた状態で仮置き領域24上に載置され、ここで一定の搬送開始位置に位置決めされる。
【0016】
基台21上の奥側(Y2側)には、R方向に回転駆動されるターンテーブル25が設けられており、さらにこのターンテーブル25上の外周部には、円板状に形成された複数(この場合、3つ)の真空チャック式の保持テーブル26が、周方向に等間隔をおいて配設されている。これら保持テーブル26はターンテーブル25に回転可能に支持されており、図示せぬ回転駆動機構によって回転させられる。
図2に示すように、3つの保持テーブル26はターンテーブル25の回転により、基台21の奥側端部に配設された粗研削手段30Aおよび仕上げ研削手段30Bの下方の各加工位置と、これら加工位置からもっとも離れた手前側(Y1側)の搬入・搬出位置のいずれかの位置に位置付けられる。
【0017】
仮置き領域24上で位置決めがなされたウェーハ1は、搬入アーム27によって、仮置き領域24から、搬入・搬出位置に位置付けられた1つの保持テーブル26上に載置される。搬入アーム27は、上下動可能な水平旋回アーム27aの先端下面に真空チャック式の吸着パッド27bが装着された構成のもので、ウェーハ1を吸着パッド27bに吸着し、アーム27aを旋回させることでウェーハ1を保持テーブル26まで搬送する。ウェーハ1は保持テーブル26に対し同心状に載置される。
【0018】
保持テーブル26が真空運転されてウェーハ1は保持テーブル26上に吸引保持される。保持テーブル26に保持されたウェーハ1は、ターンテーブル25がR方向へ所定角度回転することにより、粗研削手段30Aの下方の粗研削加工位置に送り込まれ、この位置で粗研削手段30Aにより裏面が粗研削される。次いでウェーハ1は、再度ターンテーブル25がR方向へ所定角度回転することにより、仕上げ研削手段30Bの下方の仕上げ研削加工位置に送り込まれ、この位置で仕上げ研削手段30Bにより裏面が仕上げ研削されてウェーハ1は所定厚さに加工される。
【0019】
各研削手段30A,30Bは同一構成であって、基台21の奥側端部に立設された壁部21aにZ方向(鉛直方向)に昇降可能に支持されている。研削手段30A,30Bは、軸方向がZ方向に延びる円筒状のスピンドルハウジング31を有しており、スピンドルハウジング31内には、軸方向がZ方向に延びるスピンドル32(
図3参照)が回転可能に支持されるとともに、スピンドル32を回転駆動するスピンドルモータが収容されている。スピンドル32の下端はスピンドルハウジング31から突出しており、その突出端部には
図3に示すようにフランジ33を介して研削ホイール34が取り付けられている。
【0020】
研削ホイール34の下面の外周部には、複数の砥石35が環状に配列されて装着されている。複数の砥石35の下面で形成される環状の研削加工面35a(
図4参照)は、スピンドル32の軸方向に直交する水平面に設定される。砥石35は被加工物であるウェーハ1に応じたものが選択され、例えば、ガラス質のボンド材中にダイヤモンド砥粒を混合して成形し、焼結したものなどが用いられる。
【0021】
粗研削手段30Aのフランジ33には、砥石35が粗研削用の目の粗いものが装着された研削ホイール34が取り付けられ、仕上げ研削手段30Bのフランジ33には、砥石35が仕上げ研削用の目の細かいものが装着された研削ホイール34が取り付けられる。各研削手段30A,30Bには、研削にあたっての冷却や潤滑あるいは研削屑の排出のための研削水を供給する研削水供給機構(図示略)が設けられている。
【0022】
研削ホイール34はスピンドル32と一体回転し、回転する砥石35の研削外径は、ウェーハ1の直径と同等程度に設定される。また、ターンテーブル25が所定角度回転して定められるウェーハ1の加工位置は、
図4に示すように、回転する砥石35の研削加工面35aの外周縁(研削外径)がウェーハ1の中心1dを通過し、保持テーブル26が回転することによって自転するウェーハ1の裏面1b全面が研削され得る位置に設定される。
【0023】
各研削手段30A,30Bは、それぞれ壁部21aの前面に設置されたZ方向に延びる左右方向(X方向)に並ぶ一対のガイド45に沿って昇降可能に支持され、送り機構40によって昇降させられる。各研削手段30A,30Bのスピンドルハウジング31はホルダ46を介してスライドプレート47に固定されており、スライドプレート47がガイド45に沿って昇降可能に支持されている。
【0024】
送り機構40は、一対のガイド間に回転可能に配設されたZ方向に延びるねじロッド41と、壁部21aの上端部に固定されねじロッド41を正逆回転させるサーボモータ42とからなるもので、ねじロッド41はスライドプレート47の裏面側に設けられた図示せぬナット部材に螺合している。サーボモータ42によってねじロッド41が回転するとその回転方向に応じスライドプレート47およびホルダ46を介して研削手段30A,30BはZ方向に昇降する。
【0025】
ウェーハ1の裏面研削は、保持テーブル26が回転してウェーハ1を自転させ、送り機構40によって研削手段30A,30Bを下降させる加工送りの動作をしながら、回転する研削ホイール34の砥石35を裏面1bに押し当てることによりなされる。裏面研削時には、各研削手段30A,30Bから研削部分に向けて研削水が供給される。
【0026】
粗研削および仕上げ研削を経てウェーハ1は所定厚さまで研削される。ターンテーブル25の周囲には、各加工位置に対応して図示せぬウェーハ1の厚さ検出器が配設されており、この厚さ検出器でウェーハ1の厚さを測定しながら粗研削および仕上げ研削が行われる。粗研削では仕上げ厚さに至る手前の任意厚さ(例えば仕上げ厚さ+数十μm程度)まで研削され、仕上げ研削では仕上げ厚さまで研削される。
【0027】
仕上げ研削後は、次のようにしてウェーハ1の回収動作がなされる。まず、ターンテーブル25がR方向へ所定角度回転し、研削加工後のウェーハ1が、仕上げ研削加工位置から搬入・搬出位置(搬入アーム27によって保持テーブル26上にウェーハ1が載置された位置)に戻されるとともに、保持テーブル26の真空運転が停止されて吸引保持が解除される。次いでウェーハ1は、搬出アーム28によってスピンナ洗浄装置50に搬送される。搬出アーム28は搬入アーム27と同様の構成、すなわち上下動可能な水平旋回アーム28aの先端下面に真空チャック式の吸着パッド28bが装着されたもので、ウェーハ1を吸着パッド28bに吸着し、アーム28aを旋回させることでウェーハ1を保持テーブル26からスピンナ洗浄装置50に移送する。
【0028】
図5に示すように、スピンナ洗浄装置50は、ウェーハ1を吸引保持する回転可能なスピンナテーブル51と、スピンナテーブル51上に保持されたウェーハ1に上方から純水等の洗浄水を噴出して供給する洗浄ノズル52を有している。ウェーハ1はスピンナテーブル51の中心に同心状に保持され、洗浄ノズル52から洗浄水がウェーハ1の中心に供給され、遠心力で洗浄水とともに汚れが除去される。洗浄ノズル52からは洗浄水が高圧で噴出されるか、あるいは洗浄水とエアの混合流体が噴出される。
【0029】
洗浄水による洗浄の後、洗浄ノズル52からはエアの吹き付けに切り換わり、ウェーハ1がエアブローされて乾燥処理される。そしてウェーハ1は、搬送ロボット23によってスピンナ洗浄装置50から基台21上の搬出側カセット載置位置C2に載置されたカセット(搬出側のカセット)C内に移送され、収容される。
【0030】
以上が1枚のウェーハ1に対する裏面研削の処理サイクルであり、このサイクルが搬入側カセット載置位置C1に載置されたカセット(搬入側のカセット)C内に収容されている複数のウェーハ1に対し連続的に行われる。
【0031】
以上が研削装置20の構成ならびに裏面研削の基本動作であり、本発明の研削方法はこの研削装置20を用いて実施することができる。以下、その実施形態を説明する。
【0032】
[3]研削方法の第1実施形態
図6は第1実施形態の研削方法のフローを示しており、このフローにしたがって第1実施形態の研削方法を説明する。
【0033】
はじめに、
図1に示したようにウェーハ1の表面1aに保護テープ10を貼着する(ステップS101:貼着ステップ)。そして、表面1aに保護テープ10を貼着した複数のウェーハ1を、カセットC内に収容する。上記のようにロールから引き出した保護テープ10にウェーハ1の表面1aを貼着し、ウェーハ1の外周に沿って保護テープ10を切断した場合、保護テープ10の切り屑が保護テープ10上に付着する場合がある。
【0034】
次に、複数のウェーハ1を収容したカセットCを、研削装置20の基台21上の搬入側カセット載置位置C1に載置する(ステップS102)。次いで、搬送ロボット23がカセットCから1枚のウェーハ1を取り出し、そのウェーハ1を、保護テープ10を上にして仮置き領域24上に搬送して載置する(ステップS103)。続いて、搬入アーム27が上側の保護テープ10を吸着し、ウェーハ1を、仮置き領域24から、搬入・搬出位置に位置付けられた保持テーブル26上に搬送し、載置する(ステップS104)。
【0035】
次に、搬出アーム28によってウェーハ1をスピンナ洗浄装置50に搬送する(ステップS105)。
図5に示すように、ウェーハ1は、スピンナテーブル51上に保護テープ10が上方に露出した状態で保持される。続いてスピンナテーブル51を回転させ、自転するウェーハ1の表面1aに貼着された保護テープ10の上面に、洗浄ノズル52から洗浄水、あるいは上記混合流体を供給して、保護テープ10を洗浄する(ステップS106:テープ面洗浄ステップ)。
【0036】
上記のように保護テープ10上に保護テープ10の切り屑等の異物が付着している場合、洗浄水あるいは混合流体によってその異物は保護テープ10上から除去され、保護テープ10は洗浄される。保護テープ洗浄後は、洗浄ノズル52からエアが噴出して保護テープ10をエアブローし、乾燥処理する。次いで、搬送ロボット23によってウェーハ1をスピンナ洗浄装置50から搬出側カセット載置位置C2に載置されたカセットC内に移送して収容する(ステップS107)。
【0037】
以上のステップS102〜ステップS107を、搬入側のカセットC内のウェーハ1に対して実施し、表面1aに貼着された保護テープ10が洗浄されたウェーハ1を搬出側のカセットC内に収容する。搬入側のカセットC内の全てのウェーハ1に対して保護テープ10の洗浄処理がなされ搬出側のカセットC内に移し換えたら、その搬出側のカセットCを搬入側カセット載置位置C1に置き換える。そして、搬送ロボット23によって搬入側のカセットCから1枚のウェーハ1が取り出され、ウェーハ1の裏面1bを露出させた状態で仮置き領域24上に載置される(ステップS108)。なお、保護テープ10が洗浄された複数のウェーハ1が収容された搬出側カセットCを搬入側カセット載置位置C1に置き換えることなく、搬出側カセット載置位置C2に載置したままの状態とし、搬送ロボット23が搬出側カセットC内のウェーハ1を取り出して仮り置き領域24にそのウェーハ1を搬送して載置するといった搬送形態を採ってもよい。この後は、上記研削装置20の基本動作が実施されてウェーハ1の裏面1bが研削される。
【0038】
すなわち、ウェーハ1は仮置き領域24上で一定の搬送開始位置に位置決めされ(ステップS109)、次いで搬入アーム27により、仮置き領域24から、搬入・搬出位置に位置付けられた保持テーブル26上に搬送される(ステップS110)。ウェーハ1は保持テーブル26上に裏面1bを露出した状態で吸引保持される。
【0039】
次に、ターンテーブル25の回転によりウェーハ1が粗研削加工位置に送り込まれて粗研削手段30Aにより裏面1bが粗研削され、続いて、ターンテーブル25によりウェーハ1が仕上げ研削加工位置に送り込まれて仕上げ研削手段30Bにより裏面1bが仕上げ研削される(ステップS111:研削ステップ)。
【0040】
仕上げ研削後は、ターンテーブル25の回転によりウェーハ1は仕上げ研削加工位置から搬入・搬出位置に戻されるとともに保持テーブル26による吸引保持が解除され、次いで搬出アーム28によってスピンナ洗浄装置50に搬送される(ステップS112)。
【0041】
続いてウェーハ1はスピンナ洗浄装置50内で洗浄、乾燥処理され(ステップS113)、この後、搬送ロボット23によってスピンナ洗浄装置50から搬出側カセット載置位置C2に載置されたカセットC内に移送されて収容される(ステップS114)。
【0042】
以上が1枚のウェーハ1に対する裏面研削の処理サイクルであり、このサイクルが搬入側のカセットC内に収容されている複数のウェーハ1に対し連続的に行われる。そして搬出側のカセットC内に収容された処理済みのウェーハ1は次の工程に移され、分割予定ラインに沿って分割されてデバイス2を有する半導体チップに個片化される。
【0043】
上記第1実施形態によれば、表面1aに保護テープ10を貼着したウェーハ1を研削する前にウェーハ1をスピンナ洗浄装置50に搬送してスピンナ洗浄装置50で保護テープ10の上面を洗浄し、この後、保持テーブル26上に保護テープ10を介してウェーハ1を保持し、通常の裏面研削動作に移っている。はじめに保護テープ10を洗浄するテープ面洗浄ステップを実施することで、上記のように保護テープ10上に付着した異物を除去することができる。このため、通常の裏面研削動作のために保持テーブル26上に保護テープ10を介してウェーハ1を保持した際に保持テーブル26と保護テープ10との間に異物が挟み込まれることが回避される。
【0044】
このため、異物が挟み込まれた箇所のウェーハ1の裏面1bが局所的に盛り上がって高くなるといった不具合は起こらず、その結果、研削後のウェーハ1の厚さのばらつきが生じることなく一定に仕上げることができるとともに、異物を起点とした割れが生じるといった不具合も抑えることができる。すなわち、保護テープ10上に付着した異物に起因する研削不良が発生するおそれを低減することができる。
【0045】
[4]研削方法の第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態による研削方法を説明する。第2実施形態では、
図2に示すように上記研削装置20において、基台21上のターンテーブル25の周囲であって搬入アーム27により仮置き領域24から搬入・搬出位置までウェーハ1を搬送する搬送経路の途中に、保護テープ洗浄手段60が配設される。
【0046】
第2実施形態では、搬送ロボット23によって搬入側カセットCから取り出したウェーハ1を、裏面1bを上にし、保護テープ10を下にした状態に仮置き領域24上に搬送し、その状態で、搬入アーム27がウェーハ1の裏面1bを吸着して搬入・搬出位置の保持テーブル26にウェーハ1を搬送する。保護テープ洗浄手段60は、搬入アーム27による搬送途中において、上方を通過する保護テープ10を洗浄可能な構成を有する。
【0047】
具体的には、
図7(a)に示すブラシ61や、
図7(b)に示すローラ65が挙げられる。いずれの場合もウェーハ1に貼着されている保護テープ10の全面に接触可能な大きさを有し、回転駆動されて上方を通過する保護テープ10の露出面に接触することで、切り屑等を除去して保護テープ10を洗浄する構成とされる。
【0048】
ブラシ61は例えば樹脂製のものが用いられ、また、ローラ65は例えば不織布で表面が構成されたものが用いられる。保護テープ洗浄手段60には、保護テープ10に純水等の洗浄水を吹き付ける洗浄水ノズルと、保護テープ10をエアブローして洗浄後の保護テープ10を乾燥させるエアノズルとが付随して設けられる。なお、ノズルは1つで、洗浄水とエアブローの切り換えが可能な構成としてもよい。
【0049】
以下、
図8を参照して第2実施形態の研削方法の手順を説明する。
はじめに、
図1に示したようにウェーハ1の表面1aに保護テープ10を貼着する(ステップS201:貼着ステップ)。そして、表面1aに保護テープ10を貼着した複数のウェーハ1をカセットC内に収容し、そのカセットCを、研削装置20の基台21上の搬入側カセット載置位置C1に載置する(ステップS202)。次いで、搬送ロボット23がカセットCから1枚のウェーハ1を取り出し、そのウェーハ1を、裏面1bを上にし、保護テープ10を下にして仮置き領域24上に載置する(ステップS203)。仮置き領域24上では、ウェーハ1が一定の搬送開始位置に位置決めされる(ステップS204)。
【0050】
次に、仮置き領域24上のウェーハ1の裏面1bを搬入アーム27が吸着し、搬入アーム27によって搬入・搬出位置に位置付けられている保持テーブル26上にウェーハ1を搬送する。そしてその搬送中において、保護テープ洗浄手段60によって保護テープ10を洗浄し、乾燥処理する(ステップS205:テープ面洗浄ステップ)。
【0051】
貼着された保護テープ10が洗浄されたウェーハ1は、裏面1bを露出した状態で保持テーブル26上に吸引保持される。この後は、ターンテーブル25の回転によりウェーハ1が粗研削加工位置に送り込まれて粗研削手段30Aにより裏面1bが粗研削され、続いてターンテーブル25によりウェーハ1が仕上げ研削加工位置に送り込まれて仕上げ研削手段30Bにより裏面1bが仕上げ研削される(ステップS206:研削ステップ)。
【0052】
仕上げ研削後は、ターンテーブル25の回転によりウェーハ1は仕上げ研削加工位置から搬入・搬出位置に戻されるとともに保持テーブル26による吸引保持が解除され、次いで搬出アーム28によってスピンナ洗浄装置50に搬送される(ステップS207)。続いてウェーハ1はスピンナ洗浄装置50内で洗浄、乾燥処理され(ステップS208)、この後、搬送ロボット23によってスピンナ洗浄装置50から搬出側カセット載置位置C2に載置されたカセットC内に移送されて収容される(ステップS209)。
【0053】
以上が第2実施形態の研削方法であり、この実施形態では、通常の裏面研削動作を行う最中において、仮置き領域24から保持テーブル26上にウェーハ1を搬送する間に、ウェーハ1の下側に貼着された状態の保護テープ10を保護テープ洗浄手段60によって洗浄している。このように裏面研削のために保持テーブル26上にウェーハ1を保持する前に保護テープ10を洗浄するため、保護テープ10上に切り屑等の異物が付着していたとしても、保持テーブル26に保持される際には異物が除去されている。したがって上記第1実施形態と同様に、保護テープ10上に付着した異物に起因するウェーハ1の厚さのばらつきや割れ等の研削不良が発生するおそれを低減することができる。
【0054】
また、第1実施形態では、スピンナ洗浄装置50までウェーハ1を搬入して保護テープ10を洗浄し、保護テープ10を洗浄した複数のウェーハ1をカセットC内に収容してから、改めて裏面研削のためにウェーハを保持テーブル26に搬入しているが、第2実施形態では通常の裏面研削のサイクルでウェーハ1を処理するため、第1実施形態と比較すると処理効率がよい。
【0055】
[5]他の実施形態
本発明は、裏面研削のために保護テープ10を介してウェーハ1を保持テーブル26上に保持する前の段階で保護テープ10を洗浄するものであり、そのプロセスは上記実施形態に限定されない。例えば上記研削装置20の
図2において符号70で示す位置に保持テーブル26を洗浄するためのブラシ等の保持テーブル洗浄手段が配設されていた場合には、保護テープ10を上にした状態で保持テーブル26上にウェーハ1を保持し、ターンテーブル25を一周させる間にその保持テーブル洗浄手段で保護テープ10の上面を洗浄してから上記第1実施形態と同様に搬出側のカセットCに回収し、この後、通常の裏面研削動作に移るといった方法を採ることもできる。